JP5082738B2 - 微細形状転写シートの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明はロール状に巻かれたフィルムなどのシート材料の表面に微細凹凸形状を間欠的にプレス成形することにより、該シート材料の表面に該微細形状パターンを転写し賦形させる微細形状転写シートの製造装置に関する。
従来、ロール状に巻かれたフィルムなどのシート材料の表面に微細凹凸形状を間欠的にプレス成形することによって、該シート材料の表面に微細形状パターンを転写し賦形させていき微細形状転写シートを製造する方法が知られている。
該方法は、長尺のシート材料を前述したロールなどから、1バッチの加工に供される長さ分だけ間欠的に引き出され、上述の転写賦形プロセスに供給されて、微細凹凸形状の転写賦形加工が順次になされていく。
このような方法は、例えば、導光板、光拡散板、レンズ等の表面に微細凹凸パターンを有する光学フィルムを製造する手法として知られ提案がされている(特許文献1、特許文献2)。
これらの装置および方法では、巻出ロールからプレス装置内へと供給した熱可塑性樹脂フィルムを微細凹凸パターン付き金型にプレス転写するに際して、金型を熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移点以上の温度まで加熱しておく。転写賦形完了後(加圧完了後)は、プレスを継続しながら、該金型を一定条件下で冷却する。そして、フィルムのガラス転移点未満まで冷却が進めば、プレス圧力を開放するとともにフィルムに一定の張力を付加するなどの手法によって金型から離型させ、次バッチのフィルム転写賦形加工の準備に入っていくものである。
このような間欠式プレス転写賦形をしていくには、金型や被加工シート材料の加熱・冷却状態の制御が重大な意義を持つ。
例えば、前述の特許文献1、特許文献2においては、微細凹凸形状を有した転写板(金型)を加熱し、シート材料を挟んで対向に配置させた冷却盤との間でプレスを行うこと、具体的には、転写板(金型)は、その裏面に配設した加熱板に直接、高電流を流してジュール熱により加熱を行い急速に昇温させるという方法が提案されている。
しかし、該特許文献1、特許文献2に記載の方法においては、シート材料の1バッチにおける被賦形処理面積がたとえば300mm四方以上などの大判化となっていくと、薄板である該加熱板および転写板において、高い平面度かつ処理面内の均温性を確保することが困難となり、均一で高精度な転写成形ができないものであった。
また、微細凹凸形状を有した転写板の間にシート材料を挟んでプレス成形をするようにして、かつ、該シート基材の両面に配置させたスタンパや加圧盤によって加熱・冷却制御をするようにした発明が提案されている(特許文献3)
しかし、この特許文献3記載の装置構成をそのまま、大判化(300mm四方以上)されたシート材料の加工プロセスに用いると、加熱・冷却に多大な時間を要し、1サイクルタイムが著しく長くなるという不都合があった。
特開2005−199455号公報 特開2005−310286号公報 特開2004−74770号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、シート材料が、たとえば300mm四方以上などの大判化がなされたとしても、賦形面内で均一かつ高精度な転写成形性能を維持し、かつ、高速な成形1サイクルで順次加工していくことのできる微細形状転写シートの製造装置を提供することにある。
述目的を達成する本発明の微細形状転写シートの製造装置は、下記()の構成を有する。
)シート状の樹脂基材および微細形状を備えた金型を加熱し、両者を接触、加圧させることによって前記樹脂基材表面に前記微細形状を賦形する微細形状転写シートの製造装置において、前記金型の内部に、該金型の賦形面を昇温する昇温手段と、前記金型と対向してかつ前記シート状の樹脂基材を該金型と挟む位置に冷却盤とを有し、さらに、前記金型の内部に冷却手段が設けられていることを特徴とする微細形状転写シートの製造装置。
また、かかる本発明の微細形状転写シートの製造装置において、具体的により好ましくは、以下の()〜()のいずれかの構成を有するものである。
)前記冷却盤の前記樹脂基材側に熱伝導クッションシート層が配設されてなることを特徴とする上記()記載の微細形状転写シートの製造装置。
(3)前記金型昇温手段が熱媒を循環させることにより加熱するものであって、金型内を流れる熱媒の流れ方向が、隣り合う流路で逆向きであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の微細形状転写シートの製造装置。
)前記冷却手段が前記金型内に冷媒を循環させることにより冷却するものであって、前記熱媒と該冷媒を同じ流路に逐次切り替えて循環させる切り替え手段を有することを特徴とする上記()に記載の微細形状転写シートの製造装置。
)前記金型が断熱材を介して支持プレートに取り付けられていて、かつ該支持プレートを温調する支持プレート温調手段が設けられてなることを特徴とする上記()〜()のいずれかに記載の微細形状転写シートの製造装置。
(6)請求項の本発明の微細形状転写シートの製造装置によれば、金型内部に熱媒流路の加熱源を設けることにより、冷却後の金型加熱を早くすることができる。
(7)特に、請求項の本発明の微細形状転写シートの製造装置によれば、金型と対向する冷却盤とシート材料の間に熱伝導クッションシート層を設けていることにより基材を速く冷却するとともに、熱伝導クッションシートのクッション性を利用して賦形面内で高精度な転写賦形ができ、所望したとおりの微細形状が精度良く転写され賦形されたシート材料を製造することができる。
さらに、好ましくは加熱源を設けるために、金型厚みは少なくとも20mm以上は必要となるが、そのような厚さで金型を構成すると厚みが大きいことから剛性が高くなり、金型製作時の歪みを小さく抑えることができるので、むしろシート材料の大型化に対応して必要となる平面度(少なくとも、賦形面内で10μm以下)を比較的容易に確保できることとなる。
また、表面近傍にピッチの小さい熱媒流路の熱源を平行に配するようにすると、賦形面の均温性も、広い賦形面積に対しても、より得やすいものとなり、所望したとおりの微細形状が精度良く転写されて賦形されたシート材料を製造することが可能となる。
(8)請求項の本発明の微細形状転写シートの製造装置によれば、金型の冷却をするために必要な時間の短縮化ができ、1サイクルの高速化をより顕著に実現することができ、より高い生産性、高速生産性のもとで、所望したとおりの微細形状が転写されて賦形されたシート材料を製造することができる。
(9)請求項の本発明の微細形状転写シートの製造装置によれば、加圧賦形面内でより高度な温度均一性が得られることとなり、所望したとおりの微細形状が精度良く転写され賦形されたシート材料を製造することが可能となる。
(10)請求項の本発明の微細形状転写シートの製造装置によれば、賦形面内を高度な温度均一性を維持しながら、金型をすばやく所望の温度状態に加熱・冷却できるので、高い生産性で、所望したとおりの微細形状が精度良く転写され賦形されたシート材料を製造することが可能となる。
(11)請求項の本発明の微細形状転写シートの製造装置によれば、金型から支持プレートへの伝熱により、該支持プレート内で温度分布が発生し、下側支持プレートの熱変形による成形不良が発生する可能性があるが、特に支持プレートを積極的に温度制御することにより、加圧賦形面内でより高度な温度均一性が得られることとなり、所望したとおりの微細形状が精度良く転写され賦形されたシート材料を製造することが可能となる。
以下、更に詳しく微細形状転写シートの製造方法と製造装置について、説明をする。
細形状転写シートの製造方法は、微細形状パターンを備えかつ加熱された金型をシート材料に加圧しながら押しつけることにより該シート材料の表面に微細形状パターンを転写し賦形させる微細形状転写シートの製造方法において、前記金型内に設けた加熱源により該金型を前記シート材料のガラス転移温度以上に加熱し、かつ、該金型と対向する冷却盤を該金型よりも低い温度に保持した状態で、加圧転写を開始するものである。
好ましくは、加圧転写開始時の金型の加熱温度を、(前記シート材料のガラス転移点温度+10℃)以上(前記シート材料のガラス転移点温度+50℃)以下、加圧転写開始時の冷却盤の温度を(20℃)以上(前記シート材料のガラス転移点温度)以下とすることであり、このような両者の関係にすると、効果はより明瞭なものとなる。
また、特に、好ましくは、加圧転写開始後において、金型の温度調整を停止することであり、加圧転写の開始した後も金型の温度調整を継続して行うことは、精度の良い成型を効率的にしていく上で必要ではなく、具体的には、加圧転写を開始した後の数秒〜10秒以内に停止するのがよい。
さらに好ましくは、加圧転写中に前記金型を強制的に冷却し始めることであり、さらに、特に、加圧転写中に、前記冷却盤を強制的に冷却し始めることが好ましい。ここで、「加圧転写中に」とは、シート材料のガラス転移点温度以上に加熱された金型をシート材料に加圧しながら押し付けている状態にあるときをいう。該冷却は、例えば、予め金型や冷却盤の内部に形成した流路に温調された水等を流すことにより効率良く行うことができる。
上述した微細形状転写シートの製造方法は、下記の本発明の微細形状転写シートの製造装置を用いて、簡単に実施することができる。
すなわち、本発明の微細形状転写シートの製造装置は、シート状の樹脂基材および微細形状を備えた金型を加熱し、両者を接触、加圧させることによって前記樹脂基材表面に前記微細形状を賦形する微細形状転写シートの製造装置において、前記金型の内部に、該金型の賦形面を昇温する昇温手段を有することを特徴とする。
かかる本発明の微細形状転写シートの製造装置において、好ましくは、金型に対向してかつ前記樹脂基材を該金型と挟む位置に冷却盤が設けられ、該冷却盤の前記樹脂基材側に熱伝導クッションシート層が配設されてなるものである。また、さらに好ましくは、熱伝導クッションシート層が、その厚み方向の熱抵抗が1.0×10−3K/W以下のものであることであり、該値以下のものは熱伝導性が高く、加熱、冷却効果をより速い速度で得ることができる。
また、さらに好ましくは、金型の内部に冷却手段が設けられていることを特徴とするものである。また、さらに好ましくは、前記金型昇温手段が熱媒を循環させることにより加熱するものであって、金型内を流れる熱媒の流れ方向が、隣り合う配管で逆向きであることを特徴とするものである。また、さらに好ましくは、前記冷却手段が前記金型内に冷媒を循環させることにより冷却するものであって、前記熱媒と前記冷媒を同じ流路に逐次切り替えて循環させる切り替え手段を有するものである。
また、さらに好ましくは、前記金型が断熱材を介して支持プレートに取り付けられていて、かつ該支持プレートを温調する支持プレート温調手段が設けられてなるものである。
図1は本発明の微細形状転写シートの製造装置の1実施態様例をシート材料の幅方向から見た概略断面図であり、図2は図1に示した本発明の微細形状転写シートの製造装置に用いることのできる金型の一態様例をモデル的に示したものであり、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。
図1に示すように、本発明の微細形状転写シートの製造装置1は、プレスユニット10と、離型ユニット20と、金型温調ユニット30と、冷却盤温調ユニット40a、支持プレート温調ユニット40bと、巻出ユニット50、巻取ユニット60から構成される。巻出ユニット50でロール状に巻き取られたフィルム2が、巻き出されて、プレスユニット10で金型3の微細凹凸形状が加工された表面3aに押しつけられて、フィルムの成形面2aに微細凹凸などの微細形状が転写成形され、巻取ユニット60によりロール状に巻き取られる。巻出ユニット50と巻取ユニット60は、シート材料たるフィルムの搬送装置であり、連続状のシート状物を加工するのでなく、1ピースずつ加工する場合には用いなくてもよい。搬送系は、巻出ユニット50、巻出ロール回転手段51、ガイドロール52a〜d、引出バッファ部53、フィルム固定部54、ボックス55、吸引排気手段56、センサー57a、b、巻取ユニット60、巻取ロール回転手段61、ガイドロール62a〜d、巻取バッファ部63、搬送駆動ロール64、フィルム固定部65、ボックス66、吸引排気手段67、センサー68a、bからなる。
金型温調ユニット30は、金型昇温装置31と金型冷却装置32を有し、切替えバルブ33を介して金型3に繋げられている。プレスユニット10は、加圧プレート(上)14aが支柱11を昇降ガイド13をガイドにして昇降移動できるように、プレスシリンダー12に連結されている。支柱11はフレーム(上)16aとフレーム(下)16bに挟まれるように配設されている。加圧プレート(上)14aの下面には上側冷却盤15aが取り付けられている。上側冷却盤15aの下には、熱伝導性クッションシート層17が配設されている。
一方、加圧プレート(下)14bの上面には支持プレート15bが取り付けられている。18は断熱材である。
上側冷却盤15aには冷却盤温調ユニット40a、支持プレート15bには支持プレート温調ユニット40bが配管、配線等を介して接続されている。そして、金型3は支持プレート15bの上側表面に取り付けられている。
なお、金型3は上側冷却盤15aの下面に取り付けられてもよい。その場合は、熱伝導性クッションシート層17は支持プレート15bの上面に配設される。
なお、各プレートのフィルム押圧面側の平面度は10μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは5μm以下である。
プレスシリンダーは、図示していない油圧ポンプとオイルタンクに接続されており、油圧ポンプにより加圧プレート(上)14aの昇降動作および、加圧力の制御を行う。また、本実施形態では油圧方式のプレスシリンダーを適用しているが、加圧力を制御できる機構であれば、いかなるものでもよい。
圧力範囲は0.1MPa〜20MPaの範囲で制御できることが好ましく、さらに好ましくは、1MPaで〜10MPaの範囲で制御できることが好ましい。
プレスシリンダーの昇圧速度は0.01MPa/s〜1MPa/sの範囲で制御できることが好ましく、さらに好ましくは、0.05MPa/s〜0.5MPa/sの範囲で制御できることが好ましい。
本発明に用いられる金型3について説明する。金型の転写面は、微細な立体形状パターンを有するものであり、金型に該パターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。ここで、金型に形成される「微細凹凸形状」とは、高さ10nm〜1mm、周期10nm〜1mmで周期的に繰り返された凸形状である。凸形状の高さはより好ましくは1μm〜100μmであり、周期はより好ましくは1μm〜100μmである。また、凸形状の例としては、三角錐、円錐、四角柱、レンズ形状等に代表される任意の形状の突起物が離散状、ドット状で配されたものや、断面が三角、四角、台形、半円、楕円等に代表される任意の形状の突起物がストライプ状に配されたもの等がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。該金型の微細なパターンは、フィルム表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。
本発明に用いられる該金型3の内部には、該金型の賦形面を昇温する昇温手段を有する。ここで、昇温手段とは、単なる保温(温度維持、または温度低下の抑制)のための加熱手段ではなく、現実に金型の温度の上昇を伴う手段である。また、本発明でいう金型とは、少なくとも転写面を有していて、該転写面を含んで一体的に形成されているものをいう。
金型3は、図2(a)に平面図、図2(b)に側面図を示したように、転写成形領域4を有しており、内部に流路5が設けられている。6aは熱媒行きマニホールド、6bは熱媒戻りマニホールドであり、Pは流路5を設けている流路ピッチ、Tは金型の厚み、Sは流路と金型表面までの距離(最短部)、Dは流路の径を示したものであり、昇温効果を確実に得て、本発明の効果をより効果的に得る上で、これら値には好適な範囲がある。本発明者らの各種知見によれば、P/Sの好適範囲は1〜4であり、1未満では表面の昇温速度が遅いことから効果的でなく、また4よりも大きいときには金型表面での温度ムラが発生することがあり望ましくない。また、金型の厚みTは20mm〜50mmの範囲が好ましく、20mm未満では金型の平面度が悪くなる場合があり、被加工シート状物の寸法等によっては好ましくない。50mmよりも大きい場合には一般に昇温に時間がかかりすぎるようになり好ましくない。流路の径Dは、4mm〜8mmの範囲が好ましく、4mm未満では流路の加工が難しくなることや圧損が大きくなる場合があり好ましくない。8mmよりも大きい場合には、熱媒〜流路壁面の境膜伝熱係数が低下する方向であり、それに対応して昇温に要する時間が大きくなることになるので好ましくない。
また、上述した転写成形領域4は、成形領域の温度分布の均一化を実現するために、端部に位置する流路よりも内側に該成形領域を設けることが好ましい。また、各流路における熱媒の流れ方向を、特に昇温中における温度ムラを小さくすることができることから、隣合う流路で熱媒を逆向きに流すことも好ましい。ここで、「隣り合う流路」とは、1本1本で隣り合うことの他、2本ずつで隣り合うなどの複数本での隣り合い状態のものも含むものである。
また、金型の内部には、冷却手段が設けられていることが好ましい。ここで、冷却手段とは、例えば金型内に冷媒を流す流路を形成することで実現できる。ここで、該流路は上述した熱媒流路と別に設けてもよいが、熱媒流路と共通化するのがより好ましい。熱媒流路と共通化する場合には、前記熱媒と前記冷媒を同じ流路に逐次切り替えて循環させる切り替え手段を有することが好ましい。例えば、図1に示すように、熱媒循環用の金型昇温装置と冷媒循環用の金型冷却装置とを切替えバルブ33を介して金型に接続し、熱媒・冷媒を切替えて金型に流すことができるようにすることが好ましい。なお、熱媒・冷媒とも同じ媒体が良く、高い熱伝達性能が得られる水が好ましい。そのような構成にすると、金型の冷却をより速く正確に行うことができる。また、熱媒と冷媒を切り替える際に金型内に残留している媒体を追い出す必要がないためサイクルの短縮化につながる。
本発明が適用される樹脂成形プロセスは、常に金型を一定温度に維持しようとする射出成形プロセスと異なり、1サイクルの中で金型を成形温度と離型温度でそれぞれ一定時間保持させることが必要である。したがって、生産性の観点から金型を成形温度と離型温度の間ですばやく温度変化させ、かつ、成形品質の観点から賦形面でより均一な温度分布を実現させうる構成が好ましい。該構成として金型内に設けた流路を加熱、冷却併用とし、熱媒と冷媒を逐次入れ替えて流すことにより、加熱用流路と冷却用流路を別々に設ける場合に比べて、熱媒・冷媒流路(同一)を賦形面近傍で高密度に配設することができるため、賦形面全体で高速かつ均一な温度分布状態で昇降温できる。
また、金型非加熱中でも熱媒は金型部以外で循環温調される構成が適用されるが、金型加熱中、非加熱中ともに熱媒が流れる流路(以下、熱媒循環共通流路)の内容積は金型の賦形面積に対して十分に確保することが好ましい。ここで、十分に確保するとは、1回の金型加熱過程で必要な熱媒体積以上の容積を確保することを言う。金型加熱過程で熱媒が金型内を通過後、十分に再加熱されずに金型内に再導入されると、熱媒の初期温度が低いために途中から加熱速度が鈍化し、金型昇温時間が長くなる。熱媒循環共通流路の内容積を十分に確保すれば、熱媒の初期温度の低下による加熱速度鈍化を防止できる。なお、市販の金型温調機はせいぜいヒータータンク容量が10L程度で、ヒーター容量が20kW程度であるので、1辺が300mm以上の大きい賦形面積を持つ場合には、別途ヒーターを内装したバッファタンクを熱媒循環共通流路の途中に設けることが好ましい。
当然、金型冷却中、金型非冷却中ともに冷媒が流れる流路(以下、冷媒循環共通流路)の内部容積についても上記と同様のことが言え、冷却速度鈍化の防止のために冷媒循環共通流路の途中でバッファタンク等の内容積増量手段を設けることが好ましい。
本発明の装置において、薄いフィルムにある程度の厚みムラがあっても、全面でムラなくパターンの転写成形ができるように、上側冷却盤15aとフィルム2の間に熱伝導クッションシート層17を設置することが特に重要である。
該熱伝導クッションシート層17としては、好ましくは、前述したように、その厚み方向の熱抵抗が1.0×10−3K/W以下のもので、130℃以上の耐熱温度を有した、例えば、厚みが0.3mm〜1.0mmのエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴム等を好ましく用いることができ、さらに好ましくは表面に易滑処理を施したものがよい。ここで、耐熱温度とはその温度で24時間放置したときの引張り強さの変化率が10%を超えるときの温度をいう。また、圧縮弾性率は、プレス成形時の圧力において、10〜200MPaの範囲が好ましい。
次に、微細形状を付与したフィルムを金型から剥がし、製品として取り出す離型ユニット20について説明する。
図1に示したように、離型ユニットは剥離ロール21と補助ロール22から構成され、剥離ロール21には図示しないが剥離ロール回転手段が接続されて、指定の回転数で回転制御される。剥離ロール回転手段23は、回転数を制御できるものであればよいが、回転量を厳密に制御できるようにサーボモータがより好ましい。また、剥離ロール21が回転しながら、金型3の表面に略平行にスムーズに移動できるように、直動用の案内ガイド等が加圧プレート(下)14bの上面に取り付けられている。
一方、補助ロール22は、剥離ロール21の外表面に沿うように旋回できるように、図示しない補助ロール旋回手段が接続されている。該補助ロール旋回手段24は電磁モータ、空圧を利用したアクチュエータ等、補助ロールを剥離ロールの周辺でその外周に沿って昇降移動させうるものであればいかなるものでもよい。そして、補助ロールの両端はロール軸心を中心に自在に回転できるように取り付けられている。
なお、離型動作時にフィルムにかける適正な張力は、用いられるフィルム材質、離型時の温度にもよるが、好ましくは概ね1〜100Nであり、さらに好ましくは5〜50Nである。また、各ロールの表面材質は好ましくは耐熱温度が100℃以上、より好ましくは130℃以上のものが良い。高温のフィルムを扱うことから、経時的な寸法劣化、強度劣化による離型動作不良を防止するためである。
次に、実際にフィルムを金型表面から離型し、さらに、次に成形加工に供されるフィルムの供給動作を説明する。
離型動作前は、巻取り側の端位置で、補助ロール22を剥離ロール21のほぼ上方まで旋回移動させる。その後、剥離ロール回転手段により剥離ロールを回転させる。剥離ロールは回転とともに、金型3の表面に沿ってフィルム巻出側へ直進移動し、同時に金型に貼り付いたフィルムを剥離ロールに抱きつかせながら離型していく。金型の全領域でフィルムの離型が完了すると、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけながら、下流側にある搬送駆動ロールを回転させてフィルムを引っ張る。すると、剥離ロールと補助ロールにフィルムが抱きついた状態で、剥離ロールと補助ロールのユニットがフィルム巻取側へ直進移動する。
剥離ロールが巻取側の端位置まで戻ったら、補助ロール旋回手段により、補助ロールを剥離ロールのほぼ下方に旋回移動させて、フィルムを開放する。上記の剥離動作は剥離ロールの回転速度に依存し、剥離速度はロールの周速とほぼ同速度で行える。そのため、厳密に剥離動作を制御することが可能となり、あらゆる成型材料、条件に対してもスムーズな剥離条件を容易に作り出すことができる。
次に、金型温調ユニット30について説明する。金型温調ユニット30は、金型昇温装置31と金型冷却装置32から構成される。それぞれ、熱媒と冷媒を金型内に切り替えて循環させるための切替えバルブ33を介して、金型内に機械加工等により形成した流路に温調した熱媒・冷媒を流すものがよい。
熱媒体としては、100℃以上に加熱された水を使用することが好ましい。冷媒体としては、シートのガラス転移点温度以下に温調された水を使用することが好ましい。更に、効率良く伝熱できるように、流路内部のレイノズル数が1.0×10〜15×10 の範囲になることが好ましい。
金型、冷却盤、および支持プレートは、昇温中、降温中、一定温調中のすべてにおいて、レンジで10℃以内、さらに好ましくは5℃以内の温度分布におさまることが好ましい。
次に、冷却盤温調ユニット40a、支持プレート温調ユニット40bは、それぞれ、上側冷却盤15a、支持プレート15bに鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは機械加工により加工した穴の内部に温調された冷媒体を流すことにより、一定温度になるように温調制御する。また、冷却盤および支持プレートが強制的な温調手段を連結しなくても一定温度に維持できる場合は、特に強制的温調手段を接続しなくてもよい。
温調媒体としては、水が最適である。温度は10℃〜50℃の範囲が好ましく、効率良く伝熱できるように、流路(配管)内でのレイノズル数が1.0×10 〜15×10の範囲になることが好ましい。
なお、図1において、金型温調ユニット30、冷却盤温調ユニット40a、支持プレート温調ユニット40bと、各温調対象部材の間の配管経路は1本の波線で示されているが、熱冷媒の往路と復路を含んでいる。
上記のフィルム搬送装置たる巻出ユニット50、巻取ユニット60について説明する。巻出ユニット50は巻出ロール回転手段51と、搬送ロール52a〜52dと、引出バッファ部53と、フィルム固定部54から構成される。巻取ユニット60は巻取ロール回転手段61と、搬送ロール62a〜62dと、巻取バッファ部63と、搬送駆動ロール64と、フィルム固定部65から構成される。
引出バッファ部53、巻取バッファ部63はそれぞれボックス55、66とこれらに接続された吸引排気手段56、67から構成される。吸引排気手段56、67は真空ポンプ等、エアーを吸引、排気できるものであれば良く、ボックス内のエアーを排気することにより、ボックス内に挿入されたフィルムの表裏面で圧力差を与えることにより、一定の張力を付与するとともにボックス内でフィルムを弛ませて保持する。ボックス内に挿入されるフィルムの長さは、フィルムを成形する前後で間欠的に搬送するフィルム長さ分が適当である。さらに、ボックス55、66内にはセンサー57a、57b、68a、68bが取り付けられている。センサーは所定位置でフィルムを検知できるものであれば良い。上記した離型ユニットによりフィルムが離型、搬送されて、ボックス内でセンサー検知位置からフィルムが外れたときに、上下流の巻出ロール回転手段51、あるいは巻取ロール回転手段61を駆動して、フィルムを巻き出し、あるいは巻き取り、常に、ボックス内で所定位置にフィルムを弛ましておくことができる。
また、フィルム固定部54、65は表面に吸引孔が形成された平板であることが好ましいが、さらに、クリップでフィルムを挟む機構のもの、あるいは、これらを組み合わせたものでも良い。
フィルム固定部54、65はプレス動作を行うときは両方とも作動させる。そして、フィルムを離型するときはフィルム固定部54を作動させてフィルムを固定し、フィルム固定部65が開放させることが好ましい。また、フィルムを供給するときは、フィルム固定部54、65を両方とも開放することが好ましい。
搬送駆動ロール64は図示しないがモータ等の回転駆動手段に連結されて、フィルム搬送時にはニップロール64aが搬送駆動ロール64に近接し、フィルムを挟み、搬送駆動ロール64にてトルク制御を行いながらフィルムを一定張力のもとで搬送する。
本装置に適用されるシート状物(フィルム)2は、ガラス転移点温度Tgが、好ましくは40〜180℃のものであり、より好ましくは50〜160℃であり、最も好ましくは50〜120℃である熱可塑性樹脂を主たる成分とするフィルムである。ガラス転移温度Tgがこの範囲を下回ると、成形品の耐熱性が低くなり形状が経時変化するため好ましくない。また、この範囲を上回ると、成形温度を高くせざるを得ないものとなりエネルギー的に非効率であり、またフィルムの加熱/冷却時の体積変動が大きくなりフィルムが金型に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる場合がある等の理由により好ましくない。
ここで、ガラス転移点温度Tgとは、JIS K7244に記載の方法に準じた方法により、試料動的振幅速さ(駆動周波数)は1Hz、引張りモード、チャック間距離5mm、昇温速度2℃/min.での温度依存性(温度分散)を策定したときに、tanδが極大となる温度のことである。
本発明に適用される熱可塑性樹脂を主たる成分としたフィルム2は、好ましくは、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などからなるものである。これらの中で共重合するモノマー種が多様であり、かつ、そのことによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましく、上述の熱可塑性樹脂が50重量%以上からなることがさらに好ましい。
本発明に適用されるシート材料は、熱可塑性樹脂からなる薄板状物であれば適用できるが、特にフィルムであることが好ましく、該フィルムは、上述の樹脂の単体からなるフィルムであってもかまわないし、複数の樹脂層からなる積層体であってもよい。この場合、単体シートと比べて、易滑性や、耐摩擦性などの表面特性や、機械的強度、耐熱性を付与することができる。このように複数の樹脂層からなる積層体とした場合は、シート全体が前述の要件を満たすことが好ましいが、フィルム全体としては前述要件を満たしていなくても、少なくとも前述の要件を満たす層が表層に形成されていれば容易に表面を成形することができる。
また、本発明に適用されるシート材料(フィルム)の好ましい厚さ(厚み、膜厚)としては0.01〜3mmの範囲内にあることが好ましく、特に0.01〜1mmの範囲内にあることがより好ましい。0.01mm未満では成形するのに十分な厚みがなく、また、3mmよりも大きいものの場合ではフィルムの剛性により搬送が一般に難しい。ただし、枚葉状に処理するシートであれば、搬送たわみ等を抑制するため、0.3mm以上、より好ましくは1mm以上の厚みを有した板状体が好ましい。
本発明に適用されるフィルムの形成方法としては、例えば、単体シートの場合、シート形成用材料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)が挙げられる。その他の方法として、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いで、かかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も挙げられる。
また、積層体の製造方法としては、二つの異なる熱可塑性樹脂を二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製したシートに被覆層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、単膜で作製したシートと易表面賦形性シートをそれぞれ別々に単膜作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液をシート上に塗布する方法(コーティング法)等が挙げられる。また、易表面賦形性シート積層体の場合にも上述の溶融ラミネート法、熱ラミネート法、コーティング法等を用いることができる。かかる基材は、下地調整材や下塗り材などの処理が施されたものであっても良い。また、他の機能をもった基材との複合体としての構成も好ましい。
また、本発明に適用するフィルムには、重合時もしくは重合後に各種の添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤、増粘剤、可塑剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。特に、離型剤として、長鎖カルボン酸、もしくは長鎖カルボン酸塩、などの低表面張力のカルボン酸やその誘導体、および、長鎖アルコールやその誘導体、変性シリコーンオイルなどの低表面張力のアルコール化合物等を重合時に少量添加することが好ましく行われる。
次に、本発明の微細形状転写シートの製造装置1による一連のフィルム成形動作について説明する。
(A)あらかじめ、金型3をプレスユニット10にセットした後、フィルム2を巻出ユニット50にセットし、フィルム2の巻出部を引き出し、ガイドロールを経由し、プレスユニット内の金型の表面に沿わせ、さらに、離型ユニット20を経由して、巻取ユニット60で巻き取る。
(B)次に、金型温調ユニット30を作動させて、金型を成型温度まで上昇させる。また、冷却盤温調ユニット40a、支持プレート温調ユニット40bを作動させて、冷却盤15a、支持プレート15bを所定温度に温調しておく。
(C)プレスユニット10を作動させて、上側冷却盤15aを下降させて、金型3の表面と上側冷却盤との間にフィルムを挟むようにプレスする。このとき、フィルム固定部54および65を作動させてフィルムを固定しておく。温度、プレス圧力、昇圧速度、加圧時間等の条件は、フィルムの材質、転写形状、特に凹凸のアスペクト比に依存する。概ね、成形温度は100〜180℃、プレス圧力は1〜10MPa、成形時間が1秒〜60秒、昇圧速度は0.05MPa/s〜1MPa/sの範囲で設定される。
(D)プレスが開始されると同時に、冷却盤〜金型間の伝熱により金型の賦形面の温度が下がる。被加工フィルムの熱伝導性が低かったり、熱容量が大きい場合や、金型の熱容量が大きい場合などでは、金型の温度が下がりにくいので、金型の冷却速度を速めるために、金型冷却装置32から金型内に冷媒を流してもよい。なお、冷却中もプレス加圧を継続していることが好ましい。冷却温度は金型表面の温度がフィルムを離型するのに十分に冷却されるように設定される。例えば、金型3の表面温度がフィルムのガラス転移点以下まで冷却を行うのが良い。
(E)冷却完了後、プレス圧力を開放して、上側冷却盤15aを離型ユニット20がプレス装置内を水平移動させるのに十分なスペースを確保できる位置まで上昇させる。
(F)上側冷却盤15aが上昇を完了した後、フィルム固定部65を解法して、離型ユニット20を駆動してフィルムの離型および次に成形するフィルムを金型表面に引き出してくる。
(G)フィルムの引き出しが終わると、フィルム固定部54でフィルムを固定した後、補助ロールがもとの位置まで旋回して戻り、フィルム固定部65でフィルムを固定する。新しいフィルムが供給されることにより、あらかじめ引出バッファ部53で弛ましてあったフィルムが巻き取り側に引き出されるが、センサー57bによりフィルムが検知する位置まで、巻出ロール回転手段を作動させて、巻出ロールから新たなフィルムが引出バッファ部に供給される。一方、成型が完了したフィルムが送り出されると、送り出された長さ相当のフィルムは、一時的に巻取バッファ部63で保留され、センサー68aでフィルムを検知しなくなるまで、すなわち、新たに溜まった分の長さ相当のフィルムを、巻取ロール回転手段を作動させて巻き取る。
(H)フィルムの離型が完了すると同時に、またはその直前から金型の加熱を開始する。そして、プレスユニット10を作動させて、上側冷却盤をフィルムの上面付近まで下降させておく。
昇温が完了した後にプレス成形を行い、上述した(C)からの動作を繰り返す。
上記の(C)〜(H)の動作により、金型の加熱・冷却の温調サイクルを賦形面内で少ない温度ムラですばやくできるので、高い生産性で間欠的フィルム成形を実現できる。
〔実施例1〕
(1)金型サイズ:500mm(フィルム幅方向)×800mm(フィルム走行方向)×20mm(厚み)、平面度:2μm
(2)金型内流路:φ6mm×500mm×30mmピッチ、金型表面と配管との距離は10mm
(3)金型材質:銅。
(4)熱伝導性クッションシート層:シリコーンゴムファインシートからなり、厚み0.2mm、寸法700×1000mm(シバタ工業(株)製EW−50)、厚み方向の熱抵抗値は1.0×10−3K/Wのものを使用した。
(5)微細形状:ピッチ50μm、凸部幅25μm、凸部高さ50μmで、フィルム走行方向から見たときの断面が矩形形状のものを使用した。
(6)プレス装置:最大3000kNまで加圧できるもので、加圧は油圧ポンプによってされる。プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の冷却盤が上側に、同じくアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の支持プレートが下側に配置される。金型内には熱媒として、130℃に加熱した水を100L/minの流量で流す。隣り合う配管で流れが逆向きになるように流す。また、切替バルブにより40℃に温調された水を隣り合う配管で流れが逆向きになるように100L/minの流量で流す。
(7)離型装置:図1に示したのと同様の構成で、剥離ロールと補助ロールを組み合わせたものを使用した。
(8)フィルム:ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが100μm(厚みむら:±10μm)、幅は520mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され、巻き取られる。
(9)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成型を行った。あらかじめ、フィルムを巻出装置から巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。次に、金型が110℃、上側冷却盤が30℃となるように温調した後、冷却盤を下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で5MPaであった。プレス成形が始まって、10秒後に金型内に40℃の冷却水を循環させて、金型が60℃になったときに冷却を停止して、プレスを開放する。冷却盤を上限まで上昇させ、離型装置を駆動してフィルムを離型する。
(10)上記の動作を繰り返し、10枚の成型フィルムを作成した。成型面を目視で評価した結果、全面均一に転写された成型フィルムを得た。金型加熱に20秒、プレス成形および冷却に30秒、フィルムの離型に10秒を要し、トータルで60秒の温調サイクルであった。
〔比較例1〕
(1)金型サイズ:熱媒配管がない点を除いて、実施例1と同様のものを使用した。
(2)金型内流路:なし
(3)金型材質:実施例1と同じである。
(4)熱伝導性クッションシート層:なし。
(5)微細形状:ピッチ50μm、凸部幅25μm、凸部高さ50μmで、フィルム走行方向から見たときの断面が矩形形状のものを使用した。
(6)プレス装置:最大3000kNまで加圧できるもので、加圧は油圧ポンプによってされる。プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の冷却盤が上側に取り付けられ、同じサイズの温調プレートが下側に取り付けられ、それぞれ加熱・冷却装置に連結されている。なお、金型は下側の温調プレートに取り付けられている。加熱装置は熱媒循環装置で、熱媒はバーレルサーム#400(松村石油株式会社製)で、150℃に加熱したものを100L/minの流量で流す。また、冷却装置は冷却水循環装置で、温調された水を150L/minの流量で流すものである。
(7)離型装置:図1に示したのと同様の構成で、剥離ロールと補助ロールを組み合わせたものを使用した。
(8)フィルム:ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが100μm(厚みむら:±10μm)、幅は520mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され、巻き取られる。
(9)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成型を行った。あらかじめ、フィルムを巻出装置から巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。次に、下側の温調プレートを調整して金型を110℃、上側冷却盤を30℃に温調した後、上側冷却盤を下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で5MPaであった。プレス成形が始まって、金型が60℃になったときにプレスを開放する。冷却盤を上限まで上昇させ、離型装置を駆動してフィルムを離型した。
(10)上記の動作を繰り返し、10枚の成型フィルムを作成した。成型面を目視で評価した結果、温度ムラに起因する転写ムラが一部みられ、完全に金型凹凸パターンが転写されたのは全体の85%であった。また、金型加熱に90秒、プレス成形および冷却に80秒、フィルムの離型に10秒を要し、トータルで180秒の温調サイクルであった。
図1は、本発明の微細形状転写シートの製造装置をシート材料の幅方向から見た概略断面図である。 図2は、本発明の微細形状転写シートの製造装置に用いることのできる金型の一態様例をモデル的に示したものであり、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。
符号の説明
1:微細形状転写シートの製造装置
2:フィルム
3:金型
4:転写成形領域
5:流路
6a:熱媒行きマニホールド
6b:熱媒戻りマニホールド
10:プレスユニット
11:支柱
12:プレスシリンダー
13:昇降ガイド
14a、b:加圧プレート(上)、(下)
15a:上側冷却盤
15b:支持プレート
16:フレーム
17:熱伝導性クッションシート層
18:断熱材
20:離型ユニット
21:剥離ロール
22:補助ロール
30:金型温調ユニット
31:金型昇温装置
32:金型冷却装置
33:切替バルブ
40a:冷却盤温調ユニット
40b:支持プレート温調ユニット
50:巻出ユニット
51:巻出ロール回転手段
52a〜d:ガイドロール
53:引出バッファ部
54:フィルム固定部
55:ボックス
56:吸引排気手段
57a、b:センサー
60:巻取ユニット
61:巻取ロール回転手段
62a〜d:ガイドロール
63:巻取バッファ部
64:搬送駆動ロール
65:フィルム固定部
66:ボックス
67:吸引排気手段
68a、b:センサー
P:流路ピッチ
T:金型の厚み
S:流路と金型表面までの距離(最短部)
D:流路径

Claims (5)

  1. シート状の樹脂基材および微細形状を備えた金型を加熱し、両者を接触、加圧させることによって前記樹脂基材表面に前記微細形状を賦形する微細形状転写シートの製造装置において、前記金型の内部に、該金型の賦形面を昇温する昇温手段と、前記金型と対向してかつ前記シート状の樹脂基材を該金型と挟む位置に冷却盤とを有し、さらに、前記金型の内部に冷却手段が設けられていることを特徴とする微細形状転写シートの製造装置。
  2. 前記冷却盤の前記樹脂基材側に熱伝導クッションシート層が配設されてなることを特徴とする請求項に記載の微細形状転写シートの製造装置。
  3. 前記金型昇温手段が熱媒を循環させることにより加熱するものであって、金型内を流れる熱媒の流れ方向が、隣り合う流路で逆向きであることを特徴とする請求項1または2に記載の微細形状転写シートの製造装置。
  4. 前記冷却手段が前記金型内に冷媒を循環させることにより冷却するものであって、前記熱媒と該冷媒を同じ流路に逐次切り替えて循環させる切り替え手段を有することを特徴とする請求項に記載の微細形状転写シートの製造装置。
  5. 前記金型が断熱材を介して支持プレートに取り付けられていて、かつ該支持プレートを温調する支持プレート温調手段が設けられてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微細形状転写シートの製造装置。
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