JP2009166409A - 微細形状転写用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
シート状樹脂基材をガラス転移温度以上に保持したまま、金型からの離型を良好に行うことができる微細形状転写用シートを提供することである。
【解決手段】
シート状樹脂基材の少なくとも一方の面に離型層が設けられ、シート状樹脂基材の該一方の面側部分を構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、離型層の(Tg−5)℃〜(Tg+15)℃における明細書中で定義する離型強度が80〜120g/40mmである微細形状転写用シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、離型性に温度依存性のない離型層を具備してなる微細形状転写用シート、およびその離型層に微細凹凸形状が付与された微細形状転写シートに関する。
従来、導光板、光拡散板、レンズ等の光学フィルムを製造する手段として、薄いフィルムなどのシート状基材の表面に、金型の表面に設けた微細凹凸形状を転写するプレス成形方法が知られている(特許文献1)。このようなプレス成形法では、プレート板によってシート状基材を金型にプレスするに際し、離型時、シート状基材の温度をガラス転移温度(Tg)以下にすることで、良好に離型できると記載されている。しかしながら、シート状基材の温度をガラス転移温度(Tg)以下にするには、生産上そのタクトタイムを短縮できないと言う問題が発生する。また、上記特許文献には、金型または、シート状基材への離型コート等の処理については、何ら記載されていないが、金型へ離型コートを施した場合、プレスを重ねる毎に金型へコートした離型剤がシート状基材にとられる現象が発生し、微細凹凸形状が離型時に変形してしまう問題がある。したがって、定期的な金型への離型コート処理も必要となり、生産性、経済性の問題も含む。
特開2005―199455号公報(段落0013)
上述した問題を鑑み、シート状樹脂基材へ離型剤を施すことを検討したが、金型に対する離型強度が高い重離型剤では、離型時の温度が高くなるにつれてその離型強度が上がってしまう。その結果、シート状樹脂基材の温度をガラス転移温度以上に保持したまま、金型からシート状樹脂基材を剥がそうとしてもうまく剥がれず転写形状が崩れてしまう。一方、金型に対する離型強度が低い軽離型剤では、離型時の温度に対する離型強度の変化幅は小さいものの、その絶対離型強度が軽すぎて、シート状樹脂基材をプレート板により押圧し、プレスを開放する際、シート状樹脂基材が金型から離脱し、プレート板に追従してしまうという問題が発生する。
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、シート状樹脂基材のガラス転移温度以上に保持したまま、金型からの離型を良好に行うことができる微細形状転写用シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、シート状樹脂基材の少なくとも一方の面に離型層が設けられ、シート状樹脂基材の該一方の面側部分を構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、離型層の(Tg−5)℃〜(Tg+15)℃における明細書中で定義する離型強度が80〜120g/40mmである微細形状転写用シートにより上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、微細凹凸形状が形成された金型の表面にシート状樹脂基材を押圧して、シート状樹脂基材の表面に微細凹凸形状が転写された微細形状転写シートを成形するに際し、シート状樹脂基材をガラス転移温度以上の温度に保ちながらも、転写した微細凹凸形状を崩すことなく、形状を保持したままシート状樹脂基材を金型から離型することができる。その結果、シート状樹脂基材をガラス転移温度以下に冷却する必要がないので、微細形状転写シートを効率的に生産することができる。
以下、更に詳しく本発明の微細形状転写用シートについて説明する。尚、シート状樹脂基材に離型層を設けた本発明の微細形状転写用シートは、微細凹凸形状が表面に形成されたプレート状金型へのプレート板の押圧によってシート状樹脂基材へ微細形状を転写する製造方法のみでなく、例えば、ロール状の金型へのバックアップロール等の押圧によって、シート状樹脂基材へ微細形状を転写する製造方法であっても好適に適用が可能である。
本発明の微細形状転写用シートは、シート状樹脂基材の少なくとも一方の面に離型層が設けられ、シート状樹脂基材の該一方の面側部分を構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、離型層の(Tg−5)℃〜(Tg+15)℃における後述する方法で測定する離型強度が80〜120g/40mmであることを特徴とするものである。
離型強度を80〜120g/40mmにすることで、微細形状転写用シートの離型層側に微細凹凸形状が形成された金型を押圧して微細形状転写用シートの表面に微細凹凸形状を転写するに際し、転写された形状を崩すことなく形状を保持したまま微細形状転写用シートを金型から離型することができる。離型強度が80g/40mmより低いと、微細形状転写用シートをプレート板により金型へ押圧してプレスを開放するに際し、その金型に対する離型強度が軽すぎることから、微細形状転写用シートが金型から離脱し、プレート板に追従してしまう。一方、離型強度が120g/40mmより高いと、金型へ押圧された微細形状転写用シートを金型から離型するに際し、転写された形状が離型時の抵抗により崩れてしまう。つまり、離型強度が低すぎても高すぎても離型時に問題が発生し、離型強度を80〜120g/40mmにすることでかかる問題を防止することができるのである。
また、効率的な生産を考慮すると、離型温度は微細形状転写用シートのガラス転移温度以上で成形温度に近ければ近い程いいが、形状を崩すことなく離型できる現実的な離型温度も考慮すると、離型時の温度は(Tg−5)℃〜(Tg+15℃)の範囲内とする必要がある。この範囲内における離型強度を80〜120g/40mmの範囲内にすることで、万一離型時の温度が(Tg−5)℃〜(Tg+15℃)の範囲内で変動した場合でも、離型時に発生する諸問題を防止することができるのである。
本発明にかかる離型層は、下記重離型剤と下記軽離型剤とを重量比で重離型剤:軽離型剤=80:20〜95:5の割合で混合した離型剤を用い、この離型剤を塗工することで得ることができる。混合割合は、より好ましくは95:5である。
・重離型剤:重離型剤を塗工して形成された離型層の、(Tg−5)℃おける後述する測定方法での離型強度が20〜50g/40mm、(Tg+15)℃における離型強度が150g/40mm以上である。
・軽離型剤:軽離型剤を塗工して形成された離型層の、(Tg−5)℃おける後述する測定方法での離型強度が0〜20g/40mm、(Tg+15)℃における離型強度が0〜20g/40mmである。
詳細な理由は不明であるが、上記重離型剤と軽離型剤とを特定の割合で混合した離型剤を用いて離型層を形成することにより、(Tg+15)℃における離型強度が0〜20g/40mmと150g/40mmの間の80〜120g/40mmになるだけではなく、驚くべきことに(Tg−5)℃における離型強度が0〜20g/40mmや20〜50g/40mmよりも高い離型強度となる。その結果、(Tg−5)℃〜(Tg+15)℃における離型強度を80〜120g/40mmとすることができる。
本発明の離型剤について、具体例を挙げてさらに詳細に説明する。本発明にかかる離型剤としては、ガラス転移温度が75℃であるシート状樹脂基材において、70℃における離型強度が40g/40mm、90℃における離型強度が150g/40mmである重離型剤と、70℃における離型強度が0g/40mm、90℃における離型強度が0g/40mmである軽離型剤を重量比で80:20〜95:5の割合で混合させた離型剤が例示できる。軽離型剤の主剤としては、例えば信越化学工業(株)製の型番X−62−7622が例示でき、また、重離型剤の主剤としては、例えば信越化学工業(株)製の型番X−62−7655が例示できる。上記軽離型剤を単独で固形分2.5重量%になるよう溶剤で希釈し、触媒(信越化学工業(株)製の型番CAT−7605)を軽離型主剤に対して1重量%混合させた状態にし、良く撹拌する。尚、溶剤は汎用溶剤(脂肪族炭化水素系、環状炭化水素系、芳香族炭化水素系、ケトン系、エステル系、アルコール系)を単独、または2種以上で塗工欠点(特にハジキ)が出ないよう適宜選択することができる。また、例えば、塗工欠点(ハジキ等)を防止する目的で消泡剤や塗れ剤等をその離型剤の特性を損失しない程度に適宜添加することもできる。軽離型剤単独で固形分2.5重量%に調合した塗液を種々の方法でシート状樹脂基材に塗工する。塗工方法としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、マイクログラビア方式、ロッドコート方式、バーコート方式、ダイコート方式または、スプレーコート方式等、特に規制はされないが、平滑な塗膜の形成と経済性から考えてマイクログラビア方式が好ましい。
塗工後、溶剤を乾燥させ紫外線照射を行い、塗膜を硬化させる。塗膜厚みは0.05〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.25μmである。塗膜厚みが、0.05μm未満になると、基材の影響を受け、離型強度が不安定となる場合がある。塗膜厚みが0.5μm以上になると、塗膜の剛性が成形性に影響を及ぼし、成形不良が発生する場合がある。
上記手順でガラス転移温度が75℃であるシート状樹脂基材上に軽離型剤単独を塗工した微細形状転写用シートを金型に対する離型強度を測定すると、70℃〜90℃における離型強度が0g/40mmであり、離型時の温度に対する離型強度の変化幅は小さいものの、その離型強度が軽すぎて、微細形状転写用シートをプレート板により押圧しプレスを開放する際、その離型剤の離型強度が軽すぎることから、微細形状用転写用シートが金型から離脱し、プレート板に追従してしまうという問題が発生した。
また、上記手順でガラス転移温度が75℃であるシート状樹脂基材上に重離型剤単独を塗工した微細形状転写用シートを金型に対する離型強度を測定すると、70℃における離型強度が40g/40mm、80℃における離型強度が100g/40mm、90℃における離型強度が150g/40mmであり、80℃における離型強度は、最適な強度を示すものの、さらなる生産性向上を目的とした高温での離型が離型強度の温度依存性により達成できない。
上述した軽離型剤ならびに重離型剤単独では、微細形状転写用シートの離型層側に微細凹凸形状が形成された金型を押圧して、微細形状転写用シートの表面に微細凹凸形状を転写するに際し、生産上問題なく、シート状樹脂基材のガラス転移温度以上の温度でも形状を崩すこともなく、形状を保持したまま離型することができない。結果、微細形状転写用シートのシート状樹脂基材の離型層側に凹凸形状を付与させた微細形状転写シートを得るための生産性向上が図れない。
そこで、上述した70℃における離型強度が40g/40mm、90℃における離型強度が150g/40mmである重離型剤と、70℃における離型強度が0g/40mm、90℃における離型強度が0g/40mmである軽離型剤を重量比で80:20〜95:5の割合で混合させた離型剤を、固形分2.5重量%に調合した塗液で上述した方法によりシート状樹脂基材に塗工する。塗工後、溶剤を乾燥させ紫外線照射を行い、塗膜を硬化させる。上記手順で本離型剤をガラス転移温度が75℃であるシート状樹脂基材上に塗工した微細形状転写用シートを金型に対する離型強度を測定すると、70℃〜90℃における金型に対する離型強度が80〜120g/40mmの範囲内であった。この結果から、詳細は後述するが、例えば、シート状樹脂基材のガラス転移温度が75℃である微細形状転写用シートにおいて、微細形状が形成された金型の表面に微細形状転写用シートの離型層側をガラス転移温度以上の温度で押圧して微細形状転写用シートの表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法において、シート状樹脂基材のガラス転移温度以上の温度で形状を崩すことなく、形状を保持したまま離型することができ、結果、微細形状転写用シートの離型層側に凹凸形状を付与させた微細形状転写シートを得ることができる。ここで、離型強度は後述する実施例に記載の方法により求めた値である。
次に本発明にかかる微細形状転写用シートのシート状樹脂基材について説明する。本微細形状転写用シートのシート状樹脂基材は、熱可塑性樹脂を主体とした薄板状物であればよく、後述する成形用の熱可塑性樹脂(以下、成形用熱可塑性樹脂)からなる単層体、支持体の片面に成形用熱可塑性樹脂を積層した2層積層体、支持体の一方の面に成形用熱可塑性樹脂を他方の面に成形用熱可塑性樹脂とは異なる樹脂を積層した3層積層体、支持体の両面に成形用熱可塑性樹脂を積層した3層積層体等がある。単層体は製膜上のハンドリング等に優れている。2層積層体は成形用熱可塑性樹脂を配した面とは反対側の面に易滑性、耐摩擦性などの表面特性や、機械的強度、耐熱性を付与することができる。また、高価な成形用熱可塑性樹脂の使用を減らせるので単層体と比較してコストも抑えられる。3層積層体は支持体の両面に樹脂が積層されるので成形後のカールが防止できる点から好ましい。特に支持体の両面に成形用熱可塑性樹脂を積層した3層積層体の場合、両面の樹脂の特性が同じであるからカールの防止が容易となり好ましい。ただし、シート状樹脂基材の非成形面も成形し易い成形用熱可塑性樹脂であるため、非成形面にプレート板を直接接して押圧すると、非成形面の成形用熱可塑性樹脂に傷がついたり、プレート板の表面粗さが転写してしまうことがある。また、成形熱可塑性樹脂からなる単層体や、2層積層体又は3層積層体における成形面の成形用熱可塑性樹脂からなる層には、本発明の効果を阻害しない範囲において成形用熱可塑性樹脂以外の成分が含まれていてもよい。また、シート状樹脂基材の厚さは、好ましくは0.01〜3mmの範囲、より好ましくは0.01〜1mmの範囲である。0.01mm未満では成形するのに厚みが十分でない場合があり、3mmを超えると基材の剛性により搬送が難しくなる場合がある。
本発明にかかる成形用熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tgが好ましくは40〜180℃、より好ましくは50〜160℃、さらに好ましくは50〜120℃、最も好ましくは、70〜100℃の熱可塑性樹脂である。ガラス転移温度Tgが40℃未満であると成形品の耐熱性が低くなり形状が経時変化する場合がある。また、180℃を上回ると成形温度を高くせざるを得ないものとなりエネルギー的に非効率であり、またフィルムの加熱/冷却時の体積変動が大きくなりフィルムが金型に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる場合がある。成型用熱可塑性樹脂は、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなるものである。これらの中で共重合するモノマー種が多様であり、かつ、そのことによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましく、上述の熱可塑性樹脂が50重量%以上からなることがさらに好ましい。
本発明かかるシート状樹脂基材の形成方法としては、例えば、単層体の場合、シート形成用材料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)が挙げられる。その他の方法として、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いで、かかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も挙げられる。
また、積層体の製造方法としては、支持体の樹脂と成形用熱可塑性樹脂をそれぞれ二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製した支持体に成形用熱可塑性樹脂を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、支持体と成形用熱可塑性樹脂で構成されたシートをそれぞれ別々に単膜作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液をシート上に塗布する方法(コーティング法)等が挙げられる。また、積層体の場合にも上述の溶融ラミネート法、熱ラミネート法、コーティング法等を用いることができる。かかるシート状樹脂基材は、下地調整材や下塗り材などの処理が施されたものであっても良い。また、他の機能をもった基材との複合体としての構成も好ましい。
また、本発明にかかるシート状樹脂基材には、重合時もしくは重合後に各種の添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、増粘剤、可塑剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。
本発明にかかる金型は、その転写面に微細なパターンを有するものである。金型にパターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂が好ましく用いられる。金型の微細なパターンは、シート状樹脂基材の表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。
本発明にかかるプレート板は、微細形状転写用シートを金型にプレスして微細形状転写用シートの表面に微細形状を転写するに際し、微細形状転写用シートを金型方向へ押し付ける役割をするものである。プレート板のフィルム押圧面側の平面度は10μm以下が好ましく、さらに好ましくは5μm以下である。また、微細形状転写用シートをプレスする際に、微細形状転写用シートを加熱・冷却できるように、プレート板には加熱・冷却制御ができる機能が付与されることもある。
本発明の微細形状転写シートの製造方法では、プレート板により微細形状転写用シートを金型に押圧するに際し、プレート板と微細形状転写用シートの間に緩衝材を設けて押圧することが好ましい。プレート板と微細形状転写用シートとの間に緩衝材を設けることで、プレート板の力を微細形状転写用シート全面に均一にかけることができるので、転写ムラを起こすことがなく好ましい。
本発明にかかる緩衝材は、プレート板により微細形状転写用シートを金型にプレスして微細形状転写用シートの表面に微細形状を転写するに際し、その成形性を満たすもの、ならびに押圧時プレートならびに金型を加熱する場合があるので、耐熱性に優れたものであれば、各種ゴム、各種フィルム等いずれでも良い。
次に本発明の微細形状転写シートの製造方法を実現するための成形装置について、以下図面に基づいて具体的に説明する。
図4に、かかる本発明の微細形状転写シートの成形装置を、微細形状転写用シートとしてフィルムを用いた場合で、該フィルム幅方向から見た概略断面図を示す。
図4に示すように、本発明の微細形状転写シートの成形装置8は、プレスユニット10と、離型ユニット20と、ヒーターユニット30と、冷却ユニット40と、巻出ユニット50、押圧前保護フィルムラミネーターユニット90、押圧後保護フィルムラミネーターユニット100、巻取ユニット60から構成される。巻出ユニット50でロール状に巻き取られたフィルム2が、巻き出されて、事前にクリーナーロール69a、69bにて粉塵等を除去し、フィルム2の非成形面に保護フィルムが押圧前保護フィルムラミネーターユニット90にて貼合され、プレスユニット10で金型3の微細凹凸形状が転写形成され、事前に再度クリーナーロール76a、76bにて粉塵等を除去し、フィルム2の成形面に保護フィルムが押圧後保護フィルムラミネーターユニット100にて貼合され、巻取ユニット60によりロール状に巻き取られる。巻出ユニット50と巻取ユニット60は、上記のフィルムの搬送装置である。プレスユニット10は、加圧プレート(上)14aが支柱11をガイドにして昇降移動できるように、プレスシリンダー12に連結されている。支柱11はフレーム(上)16aとフレーム(下)16bに挟まれるように配設されている。加圧プレート(上)14aの下面には温調プレート(上)15aが取り付けられている。一方、加圧プレート(下)14bの上面には温調プレート(下)15bが取り付けられている。各温調プレートには、それぞれ、加熱ユニット30、冷却ユニット40が配管、配線等を介して接続されている。そして、金型3は温調プレート(下)15bの上側表面に取り付けられて、下側温調プレートを介して、加熱、冷却制御される。
なお、金型3は温調プレート(上)15aの下面に取り付けられてもよい。各プレートのフィルム押圧面側の平面度は10μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましい。プレスシリンダーは図示しない油圧ポンプとオイルタンクに接続されており、油圧ポンプにより加圧プレート(上)14aの昇降動作および、加圧力の制御を行う。また、本実施形態では油圧方式のプレスシリンダーを適用しているが、加圧力を制御できる機構であれば、いかなるものでもよい。圧力範囲は0.1MPa〜20MPaの範囲で制御できることが好ましく、1MPaで〜10MPaの範囲で制御できることがさらに好ましい。プレスシリンダーの昇圧速度は0.01MPa/s〜1MPa/sの範囲で制御できることが好ましく、0.05MPa/s〜0.5MPa/sの範囲で制御できることがさらに好ましい。本発明に用いられる金型3について説明する。
金型の転写面は、微細なパターンを有するものであり、金型に該パターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。該金型の微細なパターンは、フィルム表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。また、フィルムにある程度の厚みムラがあっても全面でムラなく成形できるように、温調プレート(下)15bの上側表面に金型3が取り付けられている場合には、温調プレート(上)15aとフィルム2の間に好ましくは緩衝材17を設置する。また、温調プレート(上)15aの下側表面に金型3が取り付けられている場合には、温調プレート(下)15bとフィルム2の間に好ましくは緩衝材17を設置する。 該緩衝材17としては、プレート板によりフィルム2を金型にプレスしてフィルム2の表面に微細形状を転写するに際し、その成形性を満たすもの、ならびに押圧時プレートならびに金型を加熱する場合があるので、耐熱性に優れたものであれば、各種ゴム、各種フィルム等いずれでも良い。
次に、上記の離型装置たる離型ユニット20について説明する。図4に示したように、離型ユニットは剥離ロール21と補助ロール22から構成され、剥離ロール21には図示しない剥離ロール回転手段が接続されて、指定の回転数で回転制御される。剥離ロール回転手段は、回転数を制御できるものであればよいが、回転量を厳密に制御できるようにサーボモータがより好ましい。また、剥離ロール21が回転しながら、金型3の表面に略平行にスムーズに移動できるように、直動用の案内ガイド等が加圧プレート(下)14bの上面に取り付けられている。
一方、補助ロール22は、剥離ロール21の外表面に沿うように旋回できるように、上記の補助ロール移動手段たる補助ロール旋回手段が接続されている。補助ロール旋回手段は電磁モータ、空圧を利用したアクチュエータ等、補助ロールを剥離ロールの周辺でその外周に沿って昇降移動させうるものであればいかなるものでもよい。そして、補助ロールの両端はロール軸心を中心に自在に回転できるように取り付けられている。
実際にフィルムを金型表面から離型し、さらに、次に成形するフィルムの供給動作を説明する。
離型動作前は、巻取側端位置で補助ロール22を剥離ロール21のほぼ上方まで移動させる。その後、剥離ロール回転手段により剥離ロールを回転させる。剥離ロールは回転とともに、金型3の表面に沿ってフィルム巻出側へ直進移動し、同時に金型に貼り付いたフィルムを剥離ロールに抱きつかせながら離型していく。金型の全領域でフィルムの離型が完了すると、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけながら、下流側にある搬送駆動ロールを回転させてフィルムを引っ張る。すると、剥離ロールと補助ロールにフィルムが抱きついた状態で、剥離ロールと補助ロールのユニットがフィルム巻取側へ直進移動する。
剥離ロールが巻取側の端位置まで戻ったら、補助ロール旋回手段により、補助ロールを剥離ロールのほぼ下方に旋回移動させて、フィルムを開放する。上記の剥離動作は剥離ロールの回転速度に依存し、剥離速度はロールの周速とほぼ同速度で行える。そのため、厳密に剥離動作を制御することが可能となり、あらゆる成型材料、条件に対してもスムーズな剥離条件を容易に作り出すことができる。
また、離型ユニットの別の実施形態について説明する。上記で説明した構成に加えて、剥離ロールにリニアモーター、電磁シリンダー、空圧シリンダー等の剥離ロール直動手段を連結する。フィルムを剥離する場合は、剥離ロール回転手段に一定トルクを保持させながら、剥離ロール直動手段を駆動して、離型ユニットを巻出側へ移動させながら剥離を行う。剥離動作が完了すれば、上記と同様に剥離ロールの回転を止めた状態で、下流側にある搬送駆動ロールを回転させて、フィルムを引っ張る。
次に、加熱ユニット30について説明する。加熱ユニット30は温調プレート(上)、(下)15a、15bをアルミ合金とし、プレート内に鋳込んだ電熱ヒーターにより制御するものが良い。また、温調プレート内に鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは、機械加工により加工した穴の内部に温調された熱媒体を流すことにより加熱制御するものでもよい。さらには両者を組み合わせた装置構成でもよい。
熱媒体としてはバーレルサーム(松村石油(株))、NeoSK−OIL(綜研テクニックス(株))等が良く、また、100℃以上に加熱された水を循環させてもよい。そして、効率良く伝熱ができるように、配管内部のレイノズル数が1.0×10〜12×10の範囲になることが好ましい。
また、鋳込みヒーター、カートリッジヒーター等にする場合は、温調プレートを分割制御できることが好ましい。
温調プレートは昇温中、降温中、一定温調中のすべてにおいて、レンジで10℃以内、さらに好ましくは5℃以内の温度分布におさまることが好ましい。
また、金型に直接、熱媒配管ラインを加工し、金型を直接温調するようにしてもよい。
次に、冷却ユニット40について説明する。冷却ユニットは温調プレート(上)(下)15a、15bに鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは機械加工により加工した穴の内部に温調された冷媒体を流すことにより冷却制御する。
冷媒体としては、水が最適であるが、エチレングリコール溶液などでもよい。温度は10℃〜50℃の範囲が好ましく、効率良く伝熱できるように、配管内でのレイノズル数が1.0×10〜12×10の範囲になることが好ましい。
フィルム搬送装置たる巻出ユニット50、巻取ユニット60について説明する。巻出ユニット50は巻出ロール回転手段51と、ガイドロール52a〜52dと、引出バッファ部53と、フィルム固定部54から構成される。巻取ユニット60は巻取ロール回転手段61と、ガイドロール62a〜62cと、巻取バッファ部63と、搬送駆動ロール64と、フィルム固定部65から構成される。
引出バッファ部53、巻取バッファ部63はそれぞれボックス55、66とこれらに接続された吸引排気手段56、67から構成される。吸引排気手段56、67は真空ポンプ等、エアーを吸引、排気できるものであれば良く、ボックス内のエアーを排気することにより、ボックス内に挿入されたフィルムの表裏面で圧力差を与えることにより、一定の張力を付与したりボックス内でフィルムを弛ませたりして保持する。ボックス内に挿入されるフィルムの長さは、フィルムを成形する前後で間欠的に搬送するフィルム長さ分が適当である。さらに、ボックス55、66内にはセンサー57a、57b、68a、68bが取り付けられている。センサーは所定位置でフィルムを検知できるものであればよい。上記した離型ユニットによりフィルムが離型、搬送されて、ボックス内でセンサー検知位置からフィルムが外れたときに、上下流の巻出ロール回転手段51、あるいは巻取ロール回転手段61を駆動して、フィルムを巻き出し、あるいは巻き取り、常に、ボックス内で所定位置にフィルムを張ったり、弛ましておくことができる。
また、フィルム固定部54、65は表面に吸引孔が形成された平板であることが好ましいが、さらに、クリップでフィルムを挟む機構のもの、あるいは、これらを組み合わせたものでもよい。
フィルム固定部54、65はプレス動作を行うときは両方とも作動させる。そして、フィルムを離型するときはフィルム固定部54を作動させてフィルムを固定し、フィルム固定部65が開放させることが好ましい。また、フィルムを供給するときはフィルム固定部54、65を両方とも開放することが好ましい。
搬送駆動ロール64は図示しないがモータ等の回転駆動手段に連結されて、フィルム搬送時にはニップロール64aが搬送駆動ロール64に近接し、フィルムを挟み、搬送駆動ロール64にてトルク制御を行いながらフィルムを一定張力のもとで搬送する。
押圧前のフィルム2の非成形面に保護フィルムを貼合する押圧前保護フィルムラミネーターユニット90、ならびに押圧後のフィルム2の成形面に保護フィルムを貼合する押圧後保護フィルムラミネーターユニット100について説明する。押圧前保護フィルムラミネーターユニット90は駆動ロール82、82aとラミネーター前の粉塵等の除去を目的とするクリーナーロール69a、69bとクリーナーロールに付着した粉塵等をさらに除去する補助クリーナーロール70a、70bとラミネート部74a、74bと保護フィルム巻出し部71と保護フィルムのセパレーター等を巻き上げる巻き上げ部72から構成される。
保護フィルム巻出し部71には巻径検知トルク制御により張力を一定化させており、また、フィルム2の張力は引出バッファ部53と駆動ロール82、82aで調整している。尚、クリーナーロールにはニップ圧調整機能が付いており、クリーナーロールでのシワ等を防ぐことが出きる。押圧後保護フィルムラミネーターユニット100は、ラミネーター前の粉塵等の除去を目的とするクリーナーロール76a、76bとクリーナーロールに付着した粉塵等をさらに除去する補助クリーナーロール75a、75bとラミネート部81a、81bと保護フィルム巻出し部77、79と保護フィルムのセパレーターを巻き上げる巻き上げ部78、80から構成される。保護フィルム巻出し部77、79には巻径検知トルク制御により張力を一定化させており、また、フィルム2の張力は巻取バッファ部63と巻取ロール回転手段61で調整している。尚、クリーナーロールにはニップ圧調整機能が付いており、クリーナーロールでのシワ等を防ぐことができる。
図4の微細形状転写シートの成形装置8では、金型3の表面に供給される前のフィルム2に対して保護フィルムを貼り合わせる位置に押圧前保護フィルムラミネーターユニット90が配置されているが、金型3の表面に供給されてから押圧される前のフィルム2に対して保護フィルムを貼り合わせる機構を設けてもよい。
尚、上記本発明にかかる微細形状転写シートの成形装置の構造は一例であり、適宜必要な機能を保有する構成装置を追加してもよい。
次に、微細形状転写シートの成形装置8による一連のフィルム成形動作について説明する。図5と図6は、本発明の装置を用いてロール状の連続フィルムを間欠成形する動作をフィルム幅方向から見た概略断面図であり、以下に説明するプロセス(A)〜(K)の流れで成形するものである。
(A)あらかじめ、金型3をプレスユニット10にセットした後、フィルム2を巻出ユニット50にセットし、フィルム2の巻出部を引き出し、ガイドロール、押圧前保護フィルムラミネーターユニット90を経由し、プレスユニット内の金型の表面に沿わせ、さらに、離型ユニット20、押圧後保護フィルムラミネーターユニット100を経由して、巻取ユニット60で巻き取る。あわせて、押圧前後の保護フィルムも各ユニットの巻出し部へ設置し準備しておく(図5(a)参照)。
(B)次に、加熱ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bをともに成型温度まで上昇させる。
(C)プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)15aを下降させて、金型3の表面と温調プレート(上)との間に押圧前保護フィルムラミネーターユニット90でフィルムの非成形面に保護フィルムが貼合されたフィルムを挟むようにプレスする。このとき、フィルム固定部54および65を作動させてフィルムを固定しておく。温度、プレス圧力昇圧速度、加圧時間等の条件は、フィルムの材質、転写形状、特に凹凸のアスペクト比等に依存する。概ね、成形温度は100〜180℃、プレス圧力は1〜10MPa、成形時間が1秒〜60秒、昇圧速度は0.05MPa/s〜1MPa/sの範囲で設定される(図5(b)参照)。
(D)加熱しながらのプレスを完了した後、冷却ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bを降温させる。なお、冷却中もプレス加圧を継続していることが好ましい。冷却温度は金型表面の温度がフィルムを離型するのに十分に冷却されるように設定される。
(E)冷却完了後、プレス圧力を開放して、温調プレート(上)15aを離型ユニット20がプレス装置内を水平移動させるのに十分なスペースを確保できる位置まで上昇させる(図5(c)参照)。
(F)温調プレート(上)15aが上昇を完了した後、フィルム固定部65を開放して、補助ロール旋回手段を駆動して、補助ロール22を剥離ロール21の上部まで旋回移動させて、フィルム2を剥離ロール21、補助ロール22に抱きつかせる(図5(d)参照)。
(G)その後、剥離ロール21をフィルム表面で23aの方向に回転させる。剥離ロール21は、フィルム表面との摩擦力により回転と同時に23bの方向に移動する。移動はプレス装置の加圧プレートに設けた剥離ロール直動ガイドに案内されながら移動する。この時に、金型表面に密着したフィルムが良好に離型される(図6(e)参照)。
(H)金型3の巻出側端部まで剥離が完了すると、剥離ロールの回転を停止する(図6(f)参照)。
(I)その後、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけて、フィルム固定部54を開放して、搬送駆動ロール64、82、82aを回転させることにより、剥離ロール21と補助ロール22が相対位置を維持したまま、巻取側へ移動する。このとき、巻出側から新しいフィルムを引き出し、押圧前保護フィルムラミネーター90でフィルムの非成形面に保護フィルムを貼り合わせるとともに、成形したフィルムは巻取側に送り出される(図6(g)参照)。
(J)フィルムの引き出しが終わると、フィルム固定部54でフィルムを固定した後、補助ロールがもとの位置まで旋回して戻り、フィルム固定部65でフィルムを固定する。新しいフィルムが供給されることにより、あらかじめ引出バッファ部53で張力をかけていたフィルムが巻き取り側に引き出されるが、センサー57bによりフィルムが検知する位置まで、巻出ロール回転手段を作動させて、巻出ロールから新たなフィルムが引出バッファ部に供給される。一方、成型が完了したフィルムが送り出されると、送り出された長さ相当のフィルムは、一時的に巻取バッファ部63で保留され、センサー68aでフィルムを検知しなくなるまで、すなわち、新たに溜まった分の長さ相当のフィルムを、巻取ロール回転手段を作動させ、押圧後保護フィルムラミネーターユニット100でフィルムの成形面に保護フィルムを貼合するとともに巻き取る(図6(h)参照)。
(K)フィルムの離型が完了すると同時に、またはその直前から温調プレート(上)(下)の加熱を開始する。そして、プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)をフィルムの上面付近まで下降させておく。
昇温が完了した後にプレス成形を行い、上述した(C)からの動作を繰り返す。
上記の(F)〜(H)の動作により、スムーズな離型動作を間欠式フィルムの成形サイクルに組み込むことが可能となり、離型跡の少ない高品質な成形フィルムを生産できる。
また、上記の(I)の動作により、次サイクルで成形するフィルムを素早くフィルムの非成形面に保護フィルムを貼り合わせ、フィルムプレスユニット内に供給することができるので、高い生産性で間欠的フィルム成形を実現できる。そして、両者のフィルムの離型動作、供給動作を組み合わせることにより、高品質な成形フィルムを高い生産性で生産できる。
(1)離型強度の測定法
離型強度は下記手順にて求めた。まず、表面粗さ(以下Ra)が3nm、平行度が1μmのNi材質の表面に図1に示す形状が形成されている金型(一辺40mmの立方体、a=27.7μm、b=41.5μm)を準備し、125℃まで加熱した。本微細形状転写用シートの離型層が金型に接するように図2に示すようにして置き、3MPa×20秒プレスした後、プレスを開放した。本微細形状転写用シートと金型が一体化している状態でプッシュプルゲージへ設置する(図3)。そして所定の離型温度まで冷却して、金型からフィルムを10mm/秒の速度で金型中心まで離型したときの最大力を測定した。これを3回繰り返したときの値の平均値を離型強度とした。
〔実施例1〕
(1)金型サイズ:40mm×40mm×20mm(厚み)
(2)金型:表面に図1に示す楕円形状(a=27.7μm、b=41.5μm)が形成された金型
(3)微細形状:図1に示す楕円形状
(4)プレス装置:離型強度を測定するための簡易型プレス装置(ミカドテクノス株式会社製 MKP−150TV−WH 2ton真空ヒータープレス)を使用。
(5)緩衝材:図2に示す、微細形状転写用シートの上に厚みが500μmのシリコンラバーを置く。さらにその上にプレート板への密着を防ぐため、厚み500μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製 カプトン)を置く。
(6)シート状樹脂基材:厚みが90μm、層構成は3層構成〔両層:低融点のポリエチレンテレフタレート(Tg75℃)、中心層:ポリエチレンテレフタレート)である。
(7)離型層:重離型剤(信越化学工業株式会社製 X−62−7655)と軽離型剤(信越化学工業株式会社製 X−62−7622)と触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−7605)を95:5:1(重量比)で混合させたものをIPAとN−ブタノールで固形分2.5%に調整した塗剤を、塗布、乾燥させて形成した。
(7)動作方法:上記の装置を用い、金型のみを125℃まで加熱した。そして金型の上に微細形状転写用シートの離型層側が金型表面に接するように置く。その上にシリコンラバーとポリイミドフィルムを置き3MPa×20秒プレスした後、プレスを開放した。本微細形状転写用シートと金型が一体化している状態でプッシュプルゲージへ設置する(図3)。そして所定の離型温度まで冷却して、金型からフィルムを10mm/秒の速度で金型中心まで離型したときの最大力を測定した。これを3回繰り返したときの値の平均値を離型強度とした。
(8)離型強度は離型温度70℃で80g/40mm、80℃で80g/40mm、90℃で100g/40mmであり、微細形状の変形も見られなかった。
〔比較例1〕
離型層を下記のものに変更する以外は、実施例1と同様にして離型強度を測定した。
(1)離型層:重離型剤(信越化学工業株式会社製 X−62−7655)と触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−7605)を100:1(重量比)で混合させたものをIPAとN−ブタノールで固形分2.5%に調整した塗剤を、塗布、乾燥させて形成した。
(2)離型強度は離型温度70℃で40g/40mm、80℃で100g/40mm、90℃で150g/40mmであり、大きな微細形状の変形は見られなかったものの90℃では、微細形状が若干安定性に欠けていた。
〔比較例2〕
離型層を下記のものに変更する以外は、実施例1と同様にして離型強度を測定した。
(1)離型層:軽離型剤(信越化学工業株式会社製 X−62−7622)と触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−7605)を100:1(重量比)で混合させたものをIPAとN−ブタノールで固形分2.5%に調整した塗剤を、塗布、乾燥させて形成した。
(2)離型強度は離型温度70℃で0g/40mm、80℃で0g/40mm、90℃で0g/40mmであり、微細形状の変形は見られなかった。しかしながら、この離型強度では、微細形状転写用シートをプレート板により押圧し、プレスを開放する際、微細形状転写用シートが金型から離脱し、プレート板に追従してしまうという問題が発生する可能性が高い。
〔比較例3〕
離型層を下記のものに変更する以外は、実施例1と同様にして離型強度を測定した。
(1)離型層:主剤(フランクリン社製 ダイヤモンドコート)を水で固形分2.5%に調整した塗剤を、塗布、乾燥して形成した。
(2)離型強度は離型温度70℃で110g/40mm、80℃で210g/40mm、90℃で340g/40mmであり、離型温度が80〜90℃で微細形状の変形が見られた。
Figure 2009166409
離型剤を施した離型層付きのシート状樹脂基材(微細形状転写用シート)の離型強度を測定するための金型の表面に形成されている形状である。 離型剤を施した離型層付きのシート状樹脂基材(微細形状転写用シート)の離型強度を測定する前の微細形状転写用シートが金型に接するように置かれる状態を模式的に例示するものである。 離型剤を施した離型層付きのシート状樹脂基材(微細形状転写用シート)の離型強度を測定する際の状態ならびに測定器具を模式的に例示するものである。 本発明の微細形状転写シートの成形装置を、微細形状転写用シートとしてフィルムを用いた場合で、該フィルム幅方向から見た概略断面図である。 図4に示した本発明の装置を用いて、ロール状の連続フィルムを間欠成形する動作をフィルム幅方向から見た概略断面図である。 図4に示した本発明の装置を用いて、ロール状の連続フィルムを間欠成形する動作をフィルム幅方向から見た概略断面図であり、図5に示した動作に続く下流での動作を示したものである。
符号の説明
1:微細形状
2:微細形状転写用シート
3:金型
4:手動Z軸ステージ
5:プッシュプルゲージ
6:断熱材
7:ボルト
8:微細形状転写シートの成形装置
9:セロテープ(登録商標)
10:プレスユニット
11:支柱
12:プレスシリンダー
13:昇降ガイド
14a、b:加圧プレート(上)、(下)
15a、b:プレート板(温調プレート)(上)、(下)
16:フレーム
17:緩衝材
20:離型ユニット
21:剥離ロール
22:補助ロール
30:ヒーターユニット
40:冷却ユニット
50:巻出ユニット
51:巻出ロール回転手段
52a〜d:ガイドロール
53:引出バッファ部
54:フィルム固定部
55:ボックス
56:吸引排気手段
57a、b:センサー
60:巻取ユニット
61:巻取ロール回転手段
62a〜d:ガイドロール
63:巻取バッファ部
64:搬送駆動ロール
65:フィルム固定部
66:ボックス
67:吸引排気手段
68a、b:センサー
69a、b:クリーナーロール
70a、b:補助クリーナーロール
71:保護フィルム巻き出し部
72:セパレーター巻き上げ部
73:ガイドロール
74a、b:ラミネート部
75a、b:補助クリーナーロール
76a、b:クリーナーロール
77、79:保護フィルム巻き出し部
78、80:セパレーター巻き上げ部
81a、b:ラミネート部
90:押圧前保護フィルムラミネーターユニット
100:押圧後保護フィルムラミネーターユニット

Claims (5)

  1. シート状樹脂基材の少なくとも一方の面に離型層が設けられ、シート状樹脂基材の該一方の面側部分を構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、離型層の(Tg−5)℃〜(Tg+15)℃における明細書中で定義する離型強度が80〜120g/40mmである微細形状転写用シート。
  2. 前記離型層が、下記重離型剤と下記軽離型剤とを重量比で重離型剤:軽離型剤=80:20〜95:5の割合で混合した離型剤を塗工して形成されたものである請求項1に記載の微細形状転写用シート。
    ・重離型剤:重離型剤を塗工して形成された離型層の、(Tg−5)℃おける明細書中で定義する離型強度が20〜50g/40mm、(Tg+15)℃における離型強度が150g/40mm以上である。
    ・軽離型剤:軽離型剤を塗工して形成された離型層の、(Tg−5)℃おける明細書中で定義する離型強度が0〜20g/40mm、(Tg+15)℃における離型強度が0〜20g/40mmである。
  3. 前記シート状樹脂基材の一方の面側部分を構成する樹脂のガラス転移温度が40〜180℃である請求項1又は2に記載の微細形状転写用シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の微細形状転写用シートの前記離型層に凹凸形状が付与された微細形状転写シート。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の微細形状転写用シートの前記離型層に、微細凹凸形状が形成された金型を押圧し、離型層表面に微細凹凸形状を転写する微細形状転写シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014175340A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Dainippon Printing Co Ltd インプリント方法、インプリント用のモールドおよびインプリント装置

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