JP5683579B2 - 微細表面構造を有するフィルムの製造方法および製造装置 - Google Patents

微細表面構造を有するフィルムの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、連続状のフィルムを順次、成形装置に供給して、該フィルムの表面に微細構造を成形する微細表面構造を有するフィルムの製造方法および製造装置に関する。特に、直交する複数の微細な溝を有する微細表面構造を有した成形フィルムを金型からスムーズに剥離することのできる微細表面構造を有するフィルムの製造方法および製造装置に関する。
導光板、光拡散板、レンズ等の光学媒体に用いられるフィルムの製造方法として、フィルム表面に微細構造を成形する方法が従来から知られており、例えば、ロール状の長尺のフィルムに対して、間欠的に微細構造を形成する装置および方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
これらの装置および方法では、巻出ロールからプレス装置内へと供給したフィルムを微細構造が表面に形成された金型でプレスすることにより、フィルム表面に金型表面の微細構造を転写する。なお、プレスにより転写するときは、フィルムを構成する樹脂のガラス転移点以上までフィルムを加熱することにより、フィルムを軟化させて成形性を向上させる。成形完了後はプレス圧力を解放するとともに、フィルムに一定の張力を付加して金型表面よりフィルムを剥離する。その後、フィルムを下流側へ送るとともに、次に成形するフィルムを金型表面に供給し、プレスによる転写を繰り返す。
上記の一連の工程において、金型表面からフィルムをスムーズに剥離することがその成形フィルムの性能の観点から極めて重要である。剥離過程で金型に樹脂が残存した場合、以降に成形されたフィルムに表面の微細構造面に欠け等の欠陥が生じて、外観等の品位の問題や光学特性等の機能的な問題を引きおこす。
金型からフィルムをスムーズに剥離する方法として、平行に配された2本のロールを転写後の金型表面で、フィルムを抱きつかせた状態で回転させながら、搬送方向に直動させる方法が提案されている(特許文献3、特許文献4)。これらの方法は、剥離方向をフィルムの搬送方向と同一にして、金型表面でロールを回転させながら移動することにより、剥離線(金型とフィルムが剥離する境界)でフィルムに一定の張力を付与し続けるので、成形領域全面で均一でスムーズな剥離状態を作り出すことができる。特に、金型表面の溝が剥離線の移動方向(剥離方向)に沿って形成されている場合はよりスムーズな剥離動作が可能である。
しかしながら、フィルムの搬送方向と幅方向に沿って互いに直交する溝が形成されている場合では、剥離方向とフィルム幅方向の溝が直交し、剥離抵抗が甚大となり、スムーズな剥離が困難になる場合があった。剥離抵抗が甚大となる理由は、剥離時、すなわち、溝内部に充填された樹脂成形体を引き抜く時に、幅方向の各溝で同時に大きな樹脂変形を必要とし、金型の溝壁面と樹脂との間に発生する摩擦力が大きくなるためである。
そこで、2方向の溝が交差する場合でもスムーズな剥離を行うことを目的として、2本の溝の交差角をαとした時に、溝からα/2傾いた方向に剥離する方法が提案されている(特許文献5)。しかしながら、この特許文献5は、製品設計上、あるいは製品収率(成形フィルムから製品として利用できる割合)上、最も有利となるケースとして、溝を搬送方向と幅方向に沿って直交するように配した場合についての具体的な解決手段を提示するには至っていない。
特開2005−199455号公報 特開2005−310286号公報 特開2008−105407号公報 特開2008−105408号公報 特開2007−296683号公報
本発明は、上記のような問題を解決するために鋭意検討した結果、得られたものであって、連続したフィルムを順次、成形装置に供給して、とくに該フィルム表面に直交する2方向の溝を有する微細構造を間欠的に成形して、成形後にスムーズに離型して搬送することができる微細表面構造を有するフィルムの製造方法および製造装置に関するものであって、特に離型工程に起因する欠点や収率の低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る微細表面構造を有するフィルムの製造方法は、フィルムを、表面に少なくともフィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝と該溝と交差する方向に延びる溝とが形成された金型に間欠的に供給する供給工程と、
供給されてきたフィルムを前記金型の表面に押圧することにより該フィルムの少なくとも一方の面に金型の表面形状に対応する形状を転写する表面成形工程と、
前記表面成形工程で金型に貼り付いたフィルムを金型から剥離する離型工程と、を少なくとも含む微細表面構造を有するフィルムの製造方法であって、
前記離型工程において、前記金型からのフィルムの剥離を、剥離開始部が線状に延びる剥離線を形成し該剥離線をフィルムの搬送方向上流側に向けて連続的に移動させるように行うとともに、該連続的に移動する剥離線のフィルムの搬送方向に対する角度を15度〜75度の範囲内とすることを特徴とする方法からなる。本発明においては、金型の表面に形成される溝としては、前述の如きフィルムの剥離時の不具合解消の目的の面から、フィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝は必須の溝とするが、該溝と交差する方向に延びる溝は、必ずしも上記溝と直交している必要はない。また、フィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝に関しては、必ずしも直線状に延びている必要はなく、多少波打ちながらフィルムの搬送方向と直交する方向に延びていてもよい。すなわち、このような形態のものも本発明の範囲内に含まれる。
上記のような本発明に係るフィルムの製造方法においては、離型工程における金型からのフィルムの剥離時に、剥離線がフィルムの搬送方向上流側に向けて連続的に移動されるとともに、剥離線がフィルムの搬送方向に対して15度〜75度の範囲内の角度傾けられた状態にて連続的に移動される。したがって、金型の表面に形成されたフィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝に対してフィルムが剥離される際には、該溝と剥離線が常時斜交することになり、該溝に対しては該溝の延設方向に沿って順次フィルムが剥離されていくことになる。そのため、該溝の延設方向各部位において同時に剥離される場合のような大きな剥離力は要求されず、小さな剥離抵抗をもって連続的な剥離がスムーズに行われる。また、剥離抵抗が小さく抑えられ、溝の壁面と溝内樹脂との間に発生する摩擦力も小さく抑えられることから、溝内にフィルム構成樹脂が残存するような不具合の発生も防止され、成形されるフィルム側からみれば、表面の微細構造の欠損や外観上の欠点の発生が低減あるいは防止される。
上記本発明に係るフィルムの製造方法においては、上記金型の表面に形成された溝が、フィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝とフィルムの搬送方向に延びる溝との互いに直交する2方向の溝を含んでいる形態を採ることができる。このような両溝の方向設定により、フィルム搬送方向に沿って、フィルム幅方向とフィルム長手方向に延びる互いに直交する微細凹凸が形成されることになるので、フィルム全体から表面に所望の微細凹凸構造が形成されたフィルム製品部を採取する上で最も無駄なく採取することが可能になり、製品収率が向上される。
また、上記剥離線のフィルムの搬送方向に対する角度としては、剥離線がフィルムの搬送方向に対して45度をなすことが最も好ましい。特に金型の表面にフィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝とフィルムの搬送方向に延びる溝との互いに直交する2方向の溝が形成されている場合、剥離線がフィルムの搬送方向に対して45度の角度をなしていると、両溝に対して同じ斜交角度状態となるので、両溝に対し小さな剥離力をもって円滑な剥離を行うことが可能になる。ただし、この剥離線のフィルムの搬送方向に対する角度は正確に45度であることが望ましいものの、45度±2度程度の範囲内であれば、同等の作用効果が得られる。
また、上記離型工程のより具体的な形態として、例えば、上記離型工程は、フィルムを金型から剥離する剥離ロールと、剥離ロールと平行に配された補助ロールとを用いて行うことができる。すなわち、上記離型工程は、フィルムを金型から剥離する剥離ロールと、剥離ロールと平行に配された補助ロールとにフィルムを抱きつかせた状態で、両ロールを回転させながら、両ロールを金型の表面と平行に移動させることにより、金型表面からフィルムを剥離する方法を採用することができる。このような形態においては、後述の実施例で詳細に説明するように、フィルムが金型から一層スムーズに剥離される。
この剥離ロールと補助ロールを用いる方法においては、後述の実施例で詳細に説明するように、上記両ロールを金型の表面と平行にフィルム搬送方向下流側から上流側に向けて移動させることにより、金型表面からフィルムを剥離し、かつ、上記両ロールの軸心が、上記剥離線と平行である形態を採用できる(第1の形態)。
この第1の形態においては、上記両ロールとフィルムとはエアー層の介在により非接触状態に保たれることが好ましい。ロールとフィルムが非接触状態に保たれることにより、フィルム剥離中にフィルムとロール表面との間に例えばロール軸方向の相対速度が生じるような場合にあっても、フィルムとロール表面との直接接触による擦れを回避でき、それによってフィルム表面の傷付きや、成形された微細凹凸構造の崩れを防止できる。
また、上述の剥離ロールと補助ロールを用いる方法においては、後述の実施例で詳細に説明するように、上記両ロールの金型に対する移動方向を、上記剥離線と垂直の方向にする形態を採用できる(第2の形態)。
この第2の形態においては、連続的に移動する剥離線のフィルムの搬送方向に対する角度が15度〜75度の範囲内の角度とされ、かつ、上記両ロールの金型に対する移動方向を、上記剥離線と垂直の方向とされる。そして、この剥離形態において、金型から剥離中のフィルムと、剥離されたフィルムを抱きつかせた状態で移動される上記両ロールとについてみれば、両ロールは、フィルムの搬送方向に対しては斜め方向に移動されるものの、上記剥離線に対しては該剥離線と垂直の方向に移動されるので、金型から剥離された直後のフィルムは剥離ロールの表面との間に相対的なずれを生じることなくそのまま円滑に剥離ロールの表面に巻き付いていくことになる。補助ロールは剥離ロールと平行に配されているので、剥離ロールの表面上のフィルムは剥離ロールの表面から補助ロールの表面へとフィルム幅方向にずれを生じることなくそのまま円滑に移行されていき、補助ロールの表面からフィルムの搬送方向下流側へと送られていく。その結果、金型からのフィルム剥離から、補助ロールからフィルムの搬送方向下流側への送り出しまでの間において、フィルムと両ロールとの間に表面同士の擦れ等は生じないことになり、表面に微細構造が成形されたフィルムの表面品位が良好に保たれる。
本発明に係る微細表面構造を有するフィルムの製造装置は、表面に少なくともフィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝と該溝と交差する方向に延びる溝とが形成された金型と、
該金型に対しフィルムを間欠的に供給する供給手段と、
供給されてきたフィルムを前記金型の表面に押圧することにより該フィルムの少なくとも一方の面に金型の表面形状に対応する形状を転写するプレス成形手段と、
該金型の表面に押圧され金型に貼り付いたフィルムを金型から剥離する離型手段と、を少なくとも含む微細表面構造を有するフィルムの製造装置において、
前記離型手段が、金型上のフィルムに対し転動しながら該フィルムを金型から剥離する剥離ロールと、該剥離ロールと平行に配された補助ロールと、フィルムを前記剥離ロールに抱きつかせる位置に前記補助ロールを保持する補助ロール保持手段と、前記剥離ロールにフィルムを抱きつかせた状態における前記両ロールの相対位置関係を保持したまま両ロールを金型の表面と平行に連続的に移動させるロール移動手段とを備えており、かつ、前記両ロールの軸心の方向のフィルムの搬送方向に対する角度が15度〜75度の範囲内に設定されていることを特徴とするものからなる。この装置においても、金型の溝の方向に関する概念は上述したとおりである。
このようなフィルムの製造装置においては、上記金型の表面に形成された溝が、フィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝とフィルムの搬送方向に延びる溝との互いに直交する2方向の溝を含んでいることが好ましい。
また、上記両ロールの軸心の方向が、フィルムの搬送方向に対して45度をなすように設定されていることが好ましい。この両ロールの軸心の方向に関しても、正確に45度であることが望ましいものの、45度±2度程度の範囲は許容範囲である。
このようなフィルムの製造装置においても、上記ロール移動手段による上記両ロールの移動方向がフィルムの搬送方向上流側に向かう方向に設定されている形態(第1の形態)を採用することもできるし、上記ロール移動手段による上記両ロールの移動方向が上記両ロールの軸心の方向と垂直の方向に設定されている形態(第2の形態)を採用することもできる。
上記第1の形態においては、上記両ロールは表面からエアー吹き出し可能に構成されていることが好ましい。この場合、上記両ロールの外表面が多孔質体から形成されていることが好ましく、それによって容易に均一な望ましいエアー吹き出し構造を達成できる。
また、上記のような本発明に係るフィルムの製造装置においては、上記両ロールは回転自在に構成されており、上記ロール移動手段は金型の表面と平行にフィルムの搬送方向上流側に向かう方向に強制的に直進駆動する機構を含み、フィルムに張力を付与する張力付与機構が、上記補助ロールよりもフィルム搬送方向下流側に設けられている形態を採ることができる。
本発明に係る微細表面構造を有するフィルムの製造方法および製造装置によれば、金型の表面に、製品設計が容易で製品収率の高いフィルム搬送方向と幅方向とに直交する溝があっても、スムーズにフィルムを離型することが可能となり、金型の溝内部に樹脂を残存させることがない。その結果、製造したフィルムの微細表面構造の欠損や外観上の欠点を低減でき、さらに金型の高寿命化を図ることができる。
また、従来の方法で剥離できていた場合でも、剥離速度を速くすることが可能なので、タクトタイムを短くすることが可能になり、それにより生産性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施態様に係るフィルムの製造装置をフィルム幅方向から見た概略側面図である。 本発明の一実施態様に係るフィルムの製造方法に適用する金型の一例を示す斜視図である。 本発明の第1実施態様に係るフィルムの製造装置におけるフィルム離型供給装置の一例を示す上面側から見た概略平面図である。 図3のフィルム離型供給装置をフィルム搬送方向の巻取側から見た概略正面図である。 本発明の第1実施態様に係るフィルムの製造方法におけるフィルムの離型工程を上面側から見た概略平面図である。 本発明の第1実施態様に係るフィルムの製造方法におけるフィルムの供給工程を上面側から見た概略平面図である。 本発明の第2実施態様に係るフィルムの製造装置におけるフィルム離型供給装置の一例を示す上面側から見た概略平面図である。 図7のフィルム離型供給装置をフィルム搬送方向の巻取側から見た概略正面図である。 本発明の第2実施態様に係るフィルムの製造方法におけるフィルムの離型工程を上面側から見た概略平面図である。 本発明の第2実施態様に係るフィルムの製造方法におけるフィルムの供給工程を上面側から見た概略平面図である。
以下に、本発明について、図面を参照しながら、好ましい実施の形態を中心に詳細に説明する。
本発明の微細表面構造を有するフィルムの製造装置は、金型と、該金型の表面にフィルムを押圧するプレス装置と、該金型の表面のフィルムを剥離するとともに、次に成形するフィルムを金型の表面に供給するための離型供給装置と、フィルムを搬送するための搬送装置と、を少なくとも含む表面微細構造フィルムの製造装置であり、前記離型供給装置が、例えば、フィルムを剥離するための剥離ロールと、フィルムのパスラインを挟んで該剥離ロールと平行に配された補助ロールと、フィルムを該剥離ロールに抱きつかせるように該補助ロールを保持する補助ロール保持手段(例えば、フィルムを該剥離ロールに抱きつかせるように該補助ロールを付勢する補助ロール付勢手段)と、フィルムを該剥離ロールに抱きつかせる相対位置関係を保持したまま、前記両ロールを該金型の表面と平行に移動させるロールユニット平行移動手段、を少なくとも備えており、さらに、前記両ロールの軸心が、フィルムの搬送方向に対して15度〜75度をなすように配置されている。
図1に、本発明の微細表面構造フィルムの製造装置1の一実施形態をフィルム2の幅方向から見た側面図を示す。直交する2方向の溝が表面に形成された金型3の一実施形態を示す斜視図を図2に示す。本発明の第1実施態様に係る装置に含まれる離型供給装置の一実施形態を示す平面図を図3に、フィルム搬送方向の巻取側から見た正面図を図4に示す。
図1に示すように、本発明の微細表面構造フィルム製造装置1は、プレス装置10と、上記の搬送装置たる巻出ユニット50と巻取ユニット60と、表面に微細凹凸形状が形成された金型3に密着した成形用フィルムを離型し、次に成形する成形用フィルムを供給するための離型供給装置20と、金型3を加熱、冷却するためのヒーターユニット30と、冷却ユニット40とを備えている。
微細表面構造フィルム製造装置1の動作としては、巻出ユニット50でロール状に巻き取られた成形用フィルム2が巻き出されて、プレス装置10で金型3の微細形状が加工された表面3aに押しつけられて、フィルムの成形面2aに金型3の表面の形状に対応する形状、つまり金型3の微細形状とは逆パターンの微細形状が転写成形され、離型され、巻取ユニット60に向かって搬送されつつ、次に転写成形されるフィルム2が金型に供給される。この動作を1サイクルとして、転写成形、離型、供給が順次に繰り返されて行われる。なお、成形加工は、加熱成形方式だけに限定されず、例えば、光を利用した成形方式によっても行うことができる。加熱成形方式によらない場合には、本発明の装置・方法において、温調装置たる加熱ユニット30や冷却ユニット40は必要ではない。金型3の表面には、図2の図示例では、フィルム2の搬送方向と直交する方向に延びる溝311と該溝311と交差する方向(とくに、直交する方向)に延びる溝312が形成されており、フィルム2に転写される金型表面の微細凹凸形状が形成されている。
本発明の主要構成部分である離型供給装置20の一実施形態について図面を用いて説明する。
離型供給装置20は、2本のロールでフィルム2を抱きつかせるように把持するロールユニット210と、ロールユニット210をフィルムの搬送方向に往復移動させるユニット直動手段220から構成される。剥離ロール211と補助ロール212が平行に配されたロールユニット210は、支持板230を介してユニット直動手段220に連結されており、剥離ロール211の表面の一部にフィルムを抱きつかせた状態で、金型表面付近を該表面に平行に搬送方向(矢印A、B)に沿って移動させることができる。補助ロール212は、両ロールの間にフィルムを通した時に、剥離ロール211に外表面の一部にフィルムが抱きつくように剥離ロール外表面近傍に付勢するようにアーム支持板230に接続される。
ロールユニット210では、剥離ロール211と補助ロール212の軸心(一点鎖線S)とフィルムの搬送方向(矢印AあるいはB)とのなす角度θが15〜75度の範囲内の角度となるように設定する。両ロールの軸心(一点鎖線S)を搬送方向からずらすことにより、金型表面でフィルム幅方向に沿って溝311が形成されている場合に、剥離線D(金型とフィルムが剥離する境界線)が連続的に金型表面を移動し、剥離線Dと溝方向とが15〜75度の角度をなす。θが15度より小さい場合、あるいは75度よりも大きい場合は、溝内部に存在する樹脂成形体を引き抜く際に、1本の溝ごとに同時に必要な樹脂成形体の変形量が大きくなり、極めて大きな剥離力を必要とするためスムーズな離型が困難となる。また、樹脂の特性や溝形状等によっては、剥離時の樹脂変形が弾性変形限界を超えて、成形フィルム表面に所望のパターン形状が得られないことも起こる。
上記剥離線が、フィルムの搬送方向に対して45度をなすことがより好ましい。この場合、最も小さい力で剥離できるため、離型時の樹脂のちぎれや金型内の樹脂残存を抑制できる。
剥離ロール211はロール軸心(一点鎖線S)を中心に自在に回転できるように両端部が取り付けられている。両端の取り付け位置は、剥離線と搬送方向とのなす角度に応じて図3に例示するように搬送方向にずれる。また、剥離ロール211を強制的に回転駆動する場合は回転駆動手段215が片側の端部に接続される。この場合は、図示しない上位制御器からの指令により正回転/逆回転のどちらの方向にも指定の回転数で動作できるように構成されている。例えば、回転駆動手段としてサーボモーターを、回転制御器としてサーボアンプを組み合わせた構成が好ましい。
また、補助ロール212も、ロール軸心(一点鎖線S)を中心に自在に回転できるように両端部が取り付けられており、両端の取り付け位置は、ロール軸心の搬送方向からの傾きθに応じて搬送方向にずれる。
ユニット直動手段220は、リニア駆動モーター等の直進駆動手段221とロールユニット210を移動し案内するためのボールネジ225、直動ガイド223が連結されている。直進駆動手段221と回転駆動手段215は、動作の同期を取れるものがスムーズな動作を得る上で好ましいのでサーボモーター駆動が適しているが、電磁アクチュエータや空圧アクチュエータ等でもよい。なお、フィルム2と剥離ロール211との摩擦力が十分に高く、剥離ロール211が一定の駆動力によって回転される場合は、摩擦力とフィルム張力のみでロールユニット210の直進力が得られるので、直動駆動手段221が無くてもよい。
また、摩擦が大きすぎて剥離後のスムーズな搬送ができない場合は、安定した剥離搬送動作を得るために、フィルムへの張力付与を補助ロール212よりも搬送方向の巻き取り側からモーター等の駆動に連結されたニップロール等に担わせるのが良い。この場合、ロールユニット210の直動は、上記で説明した直進駆動手段221により行う。剥離ロール211および補助ロール212は回転自在に保持されて、両ロールを前記金型表面に沿って強制的に直進駆動する機構が備えられて、フィルムに張力を付加する張力付与機構が、補助ロール212よりフィルム搬送方向の巻取側に設置されることが好ましい。張力付与機構としては、図1に示すように搬送駆動ロール64が図示しないモーター等の回転駆動手段に連結された構造でよい。
フィルム2を剥離する場合は、剥離ロール211を回転させながら、ユニット直動手段220を駆動して、離型ユニットを搬送方向の巻出側(矢印A方向)へ移動させる。
さらにまた、金型3の表面微細パターンが極めて微細である等、剥離ロール211との接触により損傷しやすい場合には、図4に示す剥離ロール211と金型表面の距離H(クリアランス)は0.1mm〜5mmが良く、より好ましくは0.1mm〜1mmである。
また、金型3の表面微細パターンの損傷の懸念が少ない場合は、フィルム2の剥離時において、剥離ロール211と金型3の表面は接触してもよい。このとき、剥離ロール211のフィルム幅方向両端の近傍に、エアシリンダーやバネ等の弾性部材等を配設して、剥離ロール211の金型表面を押圧する力を制御できるようにすることが好ましい。金型表面にフィルム2を接触または押圧することによりスムーズな剥離が得られる。
剥離ロール211および補助ロール212のフィルム接触部は、金型表面にフィルムを接触もしくは押圧しながら供給しても、金型表面の微細なパターン形状が破損しないように、また、高温の金型によりロール表面が劣化することがないようにシリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂を主成分とする樹脂で構成してもよい。剥離方向(矢印C)とロールユニットの離型時移動方向(矢印A)は方向が異なるために、剥離後のフィルムは剥離ロール211の表面で一定の滑りを必要とする。したがって、剥離ロール211や補助ロール212の表面の材質として、摩擦係数の低い材質が好ましく、フッ素樹脂を含む樹脂や金属等も好ましく用いられる。また、これらの樹脂や金属の表面に摩擦係数を下げる表面処理を施すのも良い。摩擦係数を下げる表面処理の一例として、ダイヤモンドライクカーボンやフッ素系樹脂のコーティング(成膜)が挙げられる。ここで、「ダイヤモンドライクカーボン」とは、ダイヤモンドに類似した高硬度、表面平滑性をもつカーボン系薄膜の総称であり、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等でコーティング(成膜)され得るものである。
また、フィルムの表面に傷が入らないように剥離されたフィルムが、剥離ロール211や補助ロール212の表面で摩擦する際に、各ロールとフィルムとの間にエアー層を介在させることが好ましい。エアー層の厚みは1μmから100μmの範囲が好ましく、1μm未満ではエアー層がつぶれて、ロールとフィルムが接触する可能性が高く、また、100μmを超えると大きいエアー圧力が必要であり、搬送が不安定になる。
エアーを介在させる機構として、ロールのフィルム接触部に多数の孔や溝を設けた部材や多孔質体材料等を設けて、コンプレッサ等の圧空源に接続する構成が好ましい。なお、フィルムを把持しない時は、コンプレッサと遮断し、リークラインと連通させ大気圧状態にする。好ましいエアー圧力は、適用するフィルムの特性や剥離の際のフィルム張力、剥離速度に依存するが、概ね0.01MPa〜0.5MPaの範囲である。
多孔質体はエアー噴出部がフィルムの幅方向にわたって分散されるために吹き出し孔の跡が抑制され、品質上好ましい。多孔質体としては金属、セラミックス、樹脂のいずれでもよく、フィルム材質や製品用途等によって使い分けると良い。例えば、傷つきやすいフィルム材質であれば、多孔質体を樹脂製にすることがフィルムの傷防止の観点から好ましい。また、多孔質体の摩耗による製品への汚染が懸念される場合は、金属やセラミックスで構成するのが好ましい。なお、金属ではステンレス、アルミ、チタン、銅、ニッケル、アルミニウム等や、もしくはこれらを含む合金を適用できる。また、セラミックスではアルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素等を適用できる。樹脂ではポリエチレン、ポリプロピレン等を適用できる。但し、材質は上記に挙げた材質に限られるものではなく、多孔質体に加工できるものであればよい。
次に、本発明に用いられる金型3の好ましい形態について説明する。金型の転写面は、微細なパターンを有するものであり、金型に該パターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。ここで、金型に形成される表面微細形状とは、例えば、深さ10nm〜1mm、周期10nm〜1mmで周期的に繰り返された溝を含む。溝の深さはより好ましくは1μm〜100μmであり、周期はより好ましくは1μm〜100μmである。また、溝の長手方向から見た溝の断面形状としては、円の一部、楕円の一部、四角形(台形を含む)、三角形等の多角形、あるいはこれらを組み合わせた任意の形状がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。該金型の微細なパターンは、フィルム表面に付与したい微細構造パターンに対応して形成されているものである。
前記金型の表面に互いに直交する二方向に沿って溝が形成される場合、該二方向のうち一方向がフィルムの搬送方向と略同一となるように前記金型がプレス装置内に配置されることが好ましい。これは、直交溝パターンを有する製品の設計上、最も一般的である製品の縦方向と横方向に直交溝を構成するケースにおいて、成形フィルムから製品として利用できる割合、すなわち、製品収率が最も有利となるのは、直交する溝の一方向を搬送方向に合わせた場合になるからである。
以下に、離型供給装置以外の装置構造について図1を用いて説明する。
プレス装置10は、加圧プレート(上)14aが支柱11をガイドにして昇降移動できるように、プレスシリンダー12に連結されている。支柱11はフレーム(上)16aとフレーム(下)16bに挟まれるように配設されている。加圧プレート(上)14aの下面には温調プレート(上)15aが取り付けられている。一方、加圧プレート(下)14bの上面には温調プレート(下)15bが取り付けられている。各温調プレートには、それぞれ、加熱ユニット30、冷却ユニット40が配管、配線等を介して接続されている。そして、金型3は温調プレート(下)15bの上側表面に取り付けられて、下側温調プレートを介して、加熱、冷却制御される。なお、金型3は温調プレート(上)15aの下面に取り付けられてもよい。
プレスシリンダー12は、図示していない油圧ポンプとオイルタンクに接続されており、油圧ポンプにより加圧プレート(上)14aの昇降動作および、加圧力の制御を行う。また、本実施形態では油圧方式のプレスシリンダー12を適用しているが、加圧力を制御できる機構であれば、いかなるものでもよい。圧力範囲は0.1MPa〜20MPaの範囲で、適用する成形材料やパターン形状に合わせて制御する。
加熱ユニット30は、温調プレート(上)、(下)15a、15bをアルミ合金とし、プレート内に鋳込んだ電熱ヒーターにより制御するものや、温調プレート内に鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは、機械加工により加工した穴の内部に加熱された水等の熱媒体を流すことにより加熱制御するものでよい。さらには両者を組み合わせた装置構成でもよい。また、金型に直接、熱媒配管ラインを加工し、金型を直接温調するようにしてもよい。
冷却ユニット40は、温調プレート(上)(下)15a、15bに鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは機械加工により加工した穴の内部に冷却された水等の冷媒体を流すことにより冷却制御することが好ましい。
巻出ユニット50は巻出ロール回転手段51と、搬送ロール52a〜52dと、引出バッファ部53とから構成される。巻取ユニット60は巻取ロール回転手段61と、搬送ロール62a〜62cと、巻取バッファ部63と、搬送駆動ロール64と、フィルム固定部65から構成されることが好ましい。
引出バッファ部53、巻取バッファ部63はそれぞれボックス55、66とこれらに接続された吸引排気手段56、67から構成され、ボックス内に挿入された成形用フィルムの表裏面で圧力差を与えることにより、一定の張力を付与するとともにボックス内で成形用フィルムを弛ませて保持する。
搬送駆動ロール64は図示しないがモーター等の回転駆動手段に連結されており、成形後のフィルムを搬送する時にはニップロール64aが搬送駆動ロール64に近接し、成形用フィルムを挟み、搬送駆動ロール64にてトルク制御を行いながら成形用フィルムを一定張力のもとで搬送する。
本発明に適用される熱可塑性樹脂を主たる成分としたフィルムは、具体的に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいは、ポリ塩化ビニル系樹脂などからなるものである。このなかで共重合するモノマー種が多様であり、かつそのことによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましく、上述の熱可塑性樹脂が50重量%以上からなることがさらに好ましい。
本発明に適用するフィルムは上述の樹脂の単体からなるフィルムであっても構わないし、複数の樹脂層からなる積層体であってもよい。この場合、単体フィルムと比べて、易滑性や耐摩擦性などの表面特性や、機械的強度、耐熱性を付与することができる。このように複数の樹脂層からなる積層体とした場合はフィルム全体が前述の要件を満たすことが好ましいが、フィルム全体としては前記要件を満たしていなくても、少なくとも前述の要件を満たす層が表層に形成されていれば容易に表面を形成することができる。
また、本発明に適用するフィルムの好ましい厚さとしては、0.01〜1mmの範囲であることが好ましい。0.01mm未満では成形するのに十分な厚みがなく、また1mmを越えるとフィルムの剛性により搬送が一般に難しい。
以上では、フィルムを熱可塑性樹脂として説明したが、連続状の基材の表面に成形用の樹脂をコーティングしたものでもよい。コーティングする樹脂として、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいは、熱可塑性樹脂を溶剤で溶解し溶液状にしたもの等を適用することができる。
次に、本発明の微細表面構造フィルムの製造方法について説明する。
本発明の微細表面構造フィルムの製造方法は、例えば、直交する2方向の溝が表面に形成された金型に、間欠的にフィルムを供給する供給工程と、該金型に該フィルムを接触させ押圧することにより、該フィルムの少なくとも一方の面に該金型表面の形状に対応する形状を成形する成形工程と、該金型表面に貼り付いた成形後の該フィルムを剥離して搬送する離型工程と、を少なくとも含む表面微細構造フィルムの製造方法であって、成形工程でフィルム表面に転写された前記溝の互いに直交する2方向が、フィルムの搬送方向と幅方向と略同一であり、前記離型工程において、連続的に移動する剥離線が、フィルムの搬送方向に対して15度〜75度をなすものである。
以下に、上記のフィルムの製造方法を、図3、図4に示した本発明の第1実施態様に係る装置について、図面を参照しながら説明する。一連の成形、離型動作は以下のプロセス(A)〜(E)の流れで成形するものである。
金型3は、図2に示すような直交する2方向の溝を有した構造で、あらかじめ、2方向の溝がフィルム搬送方向(矢印A、B)とフィルム幅方向に一致するようにプレス装置10の内部に配置されている。
フィルム2を巻出ユニット50にセットし、成形用フィルム2の巻出部を引き出し、ガイドロールを経由し、プレス装置内の金型の表面に沿わせ、さらに、離型供給装置を経由して、巻取ユニット60で巻き取っている状態とする。また、加熱ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bをともに成型温度まで上昇させておく。なお、下記の(A)〜(C)が成形工程、(D)が離型工程、(E)が供給工程である。
(A)最初にプレス装置10を作動させて、温調プレート(上)15aを下降させて、金型3の表面と温調プレート(上)との間に成形用フィルムを挟むようにプレスを開始する。温度、プレス圧力、昇圧速度、加圧時間等の条件は、成形用フィルムの材質、転写形状、特に凹凸のアスペクト比等に依存する。概ね、成形温度は100〜180℃、プレス圧力は1〜10MPa、成形時間が1秒〜60秒、昇圧速度は0.05MPa/s〜1MPa/sの範囲で設定される。
(B)次に、プレス成形中において、冷却ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bを降温させる。なお、冷却中もプレス加圧を継続していることが好ましい。冷却温度は金型表面の温度が成形用フィルムを離型するのに十分に冷却されるように設定される。例えば、金型3の表面温度がフィルムのガラス転移点以下まで冷却を行うのが良い。
(C)冷却完了後、プレス圧力を開放して、温調プレート(上)15aをロールユニット210がプレス装置内を水平移動させるのに十分なスペースを確保できるように上昇させる。
(D)次に、図5(a)〜(c)に示すように、ユニット直動手段220によりロールユニット210を搬送方向の巻き出し側(矢印A方向)に所定の速度で移動させる。同時に剥離ロール回転手段により剥離ロール211を矢印Dの方向に回転させてフィルム2を金型3から剥離する。また、剥離ロールを自在に回転できるように保持して、搬送駆動ロールでフィルムに張力を付加してもよい。フィルムは剥離線(D)で剥離されつつ、剥離線の移動方向、すなわち、剥離方向(矢印C)に沿って剥離が進む。直交した溝から樹脂をスムーズに剥離し、溝内部に樹脂を残存させないためには、フィルム搬送方向(矢印AあるいはB)と剥離線Dとのなす角は15度〜75度の範囲が好ましい。さらに、より深いアスペクトの大きい溝形状に対しては、45度にすることにより最も小さい力で剥離できる。上記に説明した、剥離ロール、補助ロールの表面に構成したエアー吹き出し孔や多孔質材料により、ロールとフィルムの間のエアーを介在させて、剥離ロールあるいは補助ロールとフィルムが非接触となるように搬送してもよい。この場合、離型過程でのフィルムと両ロール表面との摩擦によって入る傷が解消あるいは抑制されて好ましい。
(E)ロールユニット210が図5(c)の位置まで到達し、金型表面のフィルムがすべて剥離できたら、図6(a)〜(c)に示すように次に成形するフィルムを金型に供給する。剥離ロール211及び補助ロール212が回転させずに、ユニット直動手段220によりロールユニットを搬送方向の巻き取り側(矢印Bの方向)に移動させる。両ロールを回転させないようにするために、回転駆動手段215にブレーキをかけながら、巻き取り側の搬送駆動ロール64で適正な張力を付与しながらユニット直動手段220を駆動すれば良い。ユニット直動手段219を搬送方向下流側(矢印B)にあらかじめ設定した長さ分移動させることにより、成形面と成形面との間に所定の間隔を保持しつつ、次のフィルム成形部を金型の表面に供給する。また、所定の間隔を保持するために、供給後に一定量巻き戻してもよい。
なお、上記の形態の成形加工は、加熱による樹脂の軟化特性を利用した方式の一例を示したものであるが、上記方式だけに限定されず、例えば、光硬化樹脂を適用した成形方式や熱硬化樹脂を適用した成形方式等も適用可能である。
上記の一連の表面微細構造フィルムの成形・離型・供給工程により、表面微細構造にフィルム搬送方向と幅方向に直交する溝があっても、スムーズに離型することが可能となり、金型内部に樹脂を残存させることがない。その結果、製造したフィルム表面微細構造の欠損や外観上欠点を低減でき、さらに金型の高寿命化を図ることができる。また、従来の方法で剥離できていた場合でも、剥離速度を速くすることが可能なので、タクトタイムを短くすることにより生産性を向上させることが可能となる。
(第1実施態様の実施例)
実施例1
(1)金型:
以下のとおりの金型を製作し使用した。
金型サイズ:200mm(フィルム幅方向)×400mm(フィルム搬送方向)×20mm(厚み)。
金型材質:銅。
微細構造:金型表面に直交する2方向(フィルム搬送方向とフィルム幅方向)の溝が形成されている。溝の断面形状は、深さが20μm、幅が20μmであり、200μmピッチで形成されている。
(2)プレス装置:
油圧ポンプで加圧される機構で、プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の温調プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。なお、金型は下側の温調プレートに取り付けられている。加熱装置は熱媒循環装置で、熱媒はバーレルサーム#400(松村石油株式会社製)を使用し、150℃に加熱したものを100L/minの流量で流す。また、冷却装置は冷却水循環装置であり、20℃に冷却された水を150L/minの流量で流すものである。
(3)離型供給装置:
図3、4に示したものと同じ構成で剥離ロールと補助ロールを組み合わせた離型供給装置を使用した。剥離ロールは外径が150mmで表面がフッ素樹脂に覆われて、サーボモーターに連結している。補助ロールは外径が50mmで表面がフッ素樹脂に覆われて、回転自在に取り付けられている。また、剥離ロールと金型表面との距離(クリアランス)は0.5mmであった。また、剥離ロールと補助ロールのユニットを金型表面で往復移動させる直動駆動源として直動用サーボモーターを用いた。剥離ロールと補助ロールを、各ロールの軸心とフィルム搬送方向が15度の角度をなすように設置した。
(4)フィルム:
ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが188μm、幅は250mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され巻き取られる。
(5)動作方法:
上記の装置を用い、以下のように間欠的に成形を行った。あらかじめ、フィルムを巻出装置から巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で5MPa、30秒で実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが70℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動する。
剥離ロールと補助ロールにフィルムを巻き付かせた状態で、剥離ロールを周速が5m/分となるように正回転させながら直動用サーボモーターを駆動する。剥離ロールの正回転とともに、剥離ロールが巻き出し側に移動しつつ、フィルムを金型から離型する。フィルムを金型からすべて離型した後、搬送方向の巻き出し側のフィルム固定部を開放して、剥離ロールと補助ロールを回転しないように保持しながら、直動用サーボモーターを駆動して20m/分の速度で剥離ロールと補助ロールのユニットを巻取り側へ移動させて、次に成形するフィルムを金型の表面に供給する。
(6)結果 :
上記の動作を10回繰り返し、成形フィルムを作成した。成形面を目視で評価した結果、外観上剥離跡の無い全面均一な成形面を得た。但し、剥離速度を10m/分まで増速した場合、剥離跡が発生した。
実施例2
(1)金型:実施例1と同じ
(2)プレス装置:実施例1と同じ
(3)離型供給装置:
剥離ロールと補助ロールの軸心をフィルム搬送方向と45度とする以外は実施例1と同じ構成を用いた。
(4)フィルム:実施例1と同じ
(5)動作方法:剥離時の剥離ロールの周速を20m/分とする以外は実施例1と同じ
(6)結果:
上記の動作を10回繰り返し、成形フィルムを作成した。成形面を目視で評価した結果、外観上剥離跡の無い全面均一な成形面を得た。
比較例1
(1)金型:実施例1と同じ
(2)プレス装置:実施例1と同じ
(3)離型供給装置:
剥離ロールと補助ロールの軸心をフィルム搬送方向と90度とする以外は実施例1と同じ構成を用いた。
(4)フィルム:実施例1と同じ
(5)動作方法:実施例1と同じ
(6)結果:
上記の動作を行い、成形フィルムの作成を試みたが、剥離の途中でフィルムが破断し、成形フィルムを得ることができなかった。
比較例2
(1)金型:実施例1と同じ
(2)プレス装置:実施例1と同じ
(3)離型供給装置:
剥離ロールと補助ロールの軸心をフィルム搬送方向と80度とする以外は実施例1と同じ構成を用いた。
(4)フィルム:実施例1と同じ
(5)動作方法:実施例1と同じ
(6)結果:
上記の動作を10回繰り返し、成形フィルムを作成した。成形面を目視で評価した結果、すべての成形面で外観上剥離跡が発生し、金型の溝内に樹脂が残存した。
次に、ロール移動手段による剥離ロールと補助ロールの両ロールの移動方向が、両ロールの軸心の方向と垂直の方向に設定されている本発明の第2実施態様に係るフィルムの製造装置について説明する。図1、図2に示した構成は、この第2実施態様においても実質的に同じである。
以下に、この第2実施態様における、本発明の主要構成部分である離型供給装置20の一実施形態について図面を用いて説明する。
図7に示すように、離型供給装置20は、2本のロールでフィルムを抱きつかせるように把持するロールユニット410と、ロールユニット410を金型3の表面付近で金型表面に平行に往復移動させるユニット直動手段420から構成される。剥離ロール411と補助ロール412が平行に配されたロールユニット410は、支持板430を介してユニット直動手段420に連結されており、剥離ロール411の軸心(一点鎖線S)が金型表面と平行に、かつ、搬送方向(矢印A)とのなす角度θが15度〜75度の範囲となるように配置される。そして、ロールユニット410が軸心(一点鎖線S)と直交する剥離方向(矢印C)に沿って往復移動できるようにユニット直動手段420を構成する。また、補助ロール412は、両ロールの間にフィルムを通した時に、剥離ロール411の外表面の一部にフィルムが抱きつくように剥離ロール外表面近傍に付勢するようにアーム支持板430に接続される。
第1実施態様と同様、ロールユニット410では、剥離ロール411と補助ロール412の軸心(一点鎖線S)とフィルムの搬送方向(矢印AあるいはB)とのなす角度θが15〜75度の範囲となる。両ロールの軸心(一点鎖線S)を搬送方向からずらすことにより、金型表面でフィルム幅方向に沿って溝が形成されている場合に、剥離線D(金型とフィルムが剥離する境界線)が連続的に金型表面を移動し、剥離線D(図8に図示)と溝方向とが15〜75度の角度をなす。θが15度より小さい場合、あるいは75度よりも大きい場合は、溝内部に存在する樹脂成形体を引き抜く際に、1本の溝ごとに同時に必要な樹脂成形体の変形量が大きくなり、極めて大きな剥離力を必要とするためスムーズな離型が困難となる。また、樹脂の特性や溝形状等によっては、剥離時の樹脂変形が弾性変形限界を超えて、成形フィルム表面に所望のパターン形状が得られないことも起こる。
前記両ロールユニット410の軸心(一点鎖線S)が、フィルム2の搬送方向に対して略45度とすることがさらに好ましい。最も小さい力で剥離できるため、離型時の樹脂のちぎれや金型内の樹脂残存を抑制できる。
また、剥離ロール411を強制的に回転駆動する場合は回転駆動手段415が片側の端部に接続される。この場合は、図示しない上位制御器からの指令により正回転/逆回転のどちらの方向にも指定の回転数で動作できるように構成されている。例えば、回転駆動手段としてサーボモーターを、回転制御器としてサーボアンプを組み合わせた構成が好ましい。
また、補助ロール412も、ロール軸心(一点鎖線S)を中心に自在に回転できるように両端部が取り付けられて、両端の取り付け位置は、ロール軸心の搬送方向からの傾きθに応じて搬送方向にずれる。
ユニット直動手段420は、リニア駆動モーター等の直進駆動手段421とロールユニット410を移動し案内するためのボールネジ425、直動ガイド423が連結されている。直動ガイド423は、ロールユニット410を構成する各ロールの軸心(一点鎖線S)と直交する方向に往復移動できるように設置される。直進駆動手段421と回転駆動手段415は、動作の同期を取れるものがスムーズな動作を得る上で好ましいのでサーボモーター駆動が適しているが、電磁アクチュエータや空圧アクチュエータ等でもよい。なお、フィルム2と剥離ロール411との摩擦力が十分に高く、剥離ロール411が一定の駆動力によって回転される場合は、摩擦力とフィルム張力のみでロールユニットの直進力が得られるので直動駆動手段421が無くてもよい。
また、第1実施態様と同様、摩擦が大きすぎて剥離後のスムーズな搬送ができない場合は、安定した剥離搬送動作を得るために、フィルムへの張力付与を補助ロール412よりも搬送方向の巻き取り側からモーター等の駆動に連結されたニップロール等に負わせるのが良い。この場合、ロールユニットの直動は、上記で説明した直進駆動手段421により行う。剥離ロール411および補助ロール412は回転自在に保持されて、前記両ロールを前記金型表面に沿って強制的に直進駆動する機構が備えられて、フィルムに張力を付加する張力付与機構が、前記補助ロールよりフィルム搬送方向の巻き取り側に設置されることが好ましい。張力付与機構としては、図1に示すように搬送駆動ロール64が図示しないモーター等の回転駆動手段に連結された構造でよい。
フィルム2を剥離する場合は、剥離ロール411を回転させながら、ユニット直動手段を駆動して、ロールユニット410を搬送方向の巻き出し側(矢印A)に向かって、ロール軸心と直交する方向に移動させる。
さらにまた、金型3の表面微細パターンが極めて微細である等、剥離ロール411との接触により損傷しやすい場合には、図8に示す剥離ロール411と金型表面の距離H(クリアランス)は0.1mm〜5mmが良く、より好ましくは0.1mm〜1mmである。
また、金型3の表面微細パターンの損傷の懸念が少ない場合は、フィルム2の剥離時において、剥離ロール411と金型の表面は接触してもよい。このとき、剥離ロール411のフィルム幅方向両端の近傍に、エアシリンダーやバネ等の弾性部材等を配設して、剥離ロール411の金型表面を押圧する力を制御できるようにすることが好ましい。金型表面に接触または押圧することによりスムーズな剥離が得られる。
第1実施態様と同様、剥離ロール411および補助ロール412のフィルム接触部は、金型表面にフィルムを接触もしくは押圧しながら供給しても、金型表面の微細なパターン形状が破損しないように、また、高温の金型によりロール表面が劣化することがないようにシリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂を主成分とする樹脂で構成してもよい。剥離方向(矢印C)とロールユニットの移動方向が同じとなるために、剥離後のフィルムは剥離ロール411の表面で擦れること無く、離型し搬送することが可能となり、フィルム表面への傷を抑制できる。剥離ロール411や補助ロール412の表面の材質としては、ロール表面でフィルムに皺が入ることを抑制するために、摩擦係数の低い材質が好ましく、フッ素樹脂を含む樹脂や金属等が好適である。また、これらの樹脂や金属の表面に摩擦係数をさげる表面処理を施すのも良い。摩擦係数を下げる表面処理の一例として、ダイヤモンドライクカーボンやフッ素系樹脂のコーティング(成膜)があげられる。ここで、「ダイヤモンドライクカーボン」とは、ダイヤモンドに類似した高硬度、表面平滑性をもつカーボン系薄膜の総称であり、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等でコーティング(成膜)され得るものである。
次に、上記第2実施態様における、本発明の表面微細構造フィルムについて、図面を参照しながら説明する。一連の成形、離型動作は、第1実施態様と同様の前述のプロセス(A)〜(E)の流れで成形するが、工程(A)〜(C)は第1実施態様と同じ流れで行われるものの、(D‘)離型工程、(E’)供給工程については第1実施態様とは異なるプロセスとなる。これら異なるプロセスについて以下に説明する。
(D‘)図9(a)〜(c)に示すように、ユニット直動手段420によりロールユニット410を搬送方向の巻き出し側に、ロール軸心(一点鎖線S)と直交する剥離方向(矢印C)に所定の速度で移動させる。同時に剥離ロール回転手段により剥離ロール411を矢印Dの方向に回転させてフィルム2を金型3から剥離する。また、剥離ロールを自在に回転できるように保持して、搬送駆動ロールでフィルムに張力を付加してもよい。図9(b)に示すように、フィルムは剥離線(D)で剥離されつつ、剥離線の移動方向、すなわち、剥離方向(矢印C)に沿って剥離が進む。直交した溝から樹脂をスムーズに剥離し、溝内部に樹脂を残存させないためには、フィルム搬送方向(矢印AあるいはB)と剥離線Dとのなす角は15度〜75度の範囲が好ましい。さらに、より深いアスペクトの大きい溝形状に対しては、45度にすることにより最も小さい力で剥離できる。
(E‘)ロールユニット410が図9(c)の位置まで到達し、金型表面のフィルムがすべて剥離できたら、図10(a)〜(c)に示すように次に成形するフィルムを金型に供給する。剥離が終わった位置(図10(a))で、ロールユニット411の移動を止めた状態で、剥離ロール411を剥離時と同じ方向に回転させながら、フィルムを所定長さ分、巻き取り側に送り出す。この時、剥離ロール411は自在に回転できるように保持しておき、巻き取り側に配置された張力付与手段により、所定長さ分、搬送してもよい。その後、ユニット直動手段420により、ロールユニット411を巻き取り側に移動させつつ、剥離ロール411を剥離時とは逆方向に回転して、金型表面に次に成形するフィルムを供給する(図10(b)→図10(c))。
この第2実施態様においても、上記の一連の表面微細構造フィルムの成形・離型・供給工程により、表面微細構造にフィルム搬送方向と幅方向に直交する溝があっても、スムーズに離型することが可能となり、金型内部に樹脂を残存させることがない。その結果、製造したフィルム表面微細構造の欠損や外観上欠点を低減でき、さらに金型の高寿命化を図ることができる。また、従来の方法で剥離できていた場合でも、剥離速度を速くすることが可能なので、タクトタイムを短くすることにより生産性を向上させることが可能となる。
(第2実施態様の実施例)
実施例3
(1)金型:第1実施態様の実施例1と同じ
(2)プレス装置:第1実施態様の実施例1と同じ
(3)離型供給装置:
図7、8に示したものと同じ構成で剥離ロールと補助ロールを組み合わせた離型供給装置を使用した。剥離ロールは外径が150mmで表面がフッ素樹脂に覆われて、サーボモーターに連結している。補助ロールは外径が50mmで表面がフッ素樹脂に覆われて、回転自在に取り付けられている。また、剥離ロールと金型表面との距離(クリアランス)は0.5mmであった。また、剥離ロールと補助ロールのロールユニットを金型表面で、ロール軸心と直交する方向に往復移動させる直動駆動源として直動用サーボモーターを用いた。剥離ロールと補助ロールを、各ロールの軸心とフィルム搬送方向が15度の角度をなすように設置した。
(4)フィルム:第1実施態様の実施例1と同じ
ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが188μm、幅は250mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され巻き取られる。
(5)動作方法:上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動するまでは、第1実施態様の実施例1と同じ。剥離ロールと補助ロールにフィルムを巻き付かせた状態で、剥離ロールを周速が5m/分となるように正回転させながら直動用サーボモーターを駆動する。剥離ロールの正回転とともに、剥離ロールが巻き出し側に移動しつつ、フィルムを金型から離型する。フィルムを金型からすべて離型した後、搬送方向の巻き出し側のフィルム固定部を開放して、剥離ロールと補助ロールのユニットが移動しないように保持した状態で、剥離ロールを周速20m/分で正回転させて、巻取り側に500mm送り出す。その後、剥離ロールを周速20m/分で逆回転させつつ、直動用サーボモーターを駆動して20m/分の速度で剥離ロールと補助ロールのユニットを巻取り側へ移動させて、次に成形するフィルムを金型の表面に供給する。
(6)結果 :
上記の動作を10回繰り返し、成形フィルムを作成した。成形面を目視で評価した結果、外観上剥離跡の無い全面均一な成形面を得た。但し、剥離速度を10m/分まで増速した場合、剥離跡が発生した。
実施例4
(1)金型:実施例3と同じ
(2)プレス装置:実施例3と同じ
(3)離型供給装置:
剥離ロールと補助ロールの軸心をフィルム搬送方向と45度とする以外は実施例3と同じ構成を用いた。
(4)フィルム:実施例3と同じ
(5)動作方法:剥離時の剥離ロールの周速を20m/分とする以外は実施例3と同じ
(6)結果:
上記の動作を10回繰り返し、成形フィルムを作成した。成形面を目視で評価した結果、外観上剥離跡の無い全面均一な成形面を得た。
比較例3
(1)金型:実施例3と同じ
(2)プレス装置:実施例3と同じ
(3)離型供給装置:
剥離ロールと補助ロールの軸心をフィルム搬送方向と90度(フィルム幅方向)とする以外は実施例3と同じ構成を用いた。
(4)フィルム:実施例3と同じ
(5)動作方法:実施例3と同じ
(6)結果:
上記の動作を行い、成形フィルムを作成を試みたが、剥離の途中でフィルムが破断し、成形フィルムを得ることができなかった。
比較例4
(1)金型:実施例3と同じ
(2)プレス装置:実施例3と同じ
(3)離型供給装置:
剥離ロールと補助ロールの軸心をフィルム搬送方向と80度とする以外は実施例3と同じ構成を用いた。
(4)フィルム:実施例3と同じ
(5)動作方法:実施例3と同じ
(6)結果:
上記の動作を10回繰り返し、成形フィルムを作成した。成形面を目視で評価した結果、すべての成形面で外観上剥離跡が発生し、金型の溝内に樹脂が残存した。
本発明は、間欠的に供給されるフィルムの表面に所望の微細な凹凸構造を成形することが要求されるあらゆる分野に適用可能である。
1:本発明の微細表面構造フィルムの製造装置
2:フィルム
3:金型
10:プレス装置
20:離型供給装置
30:ヒーターユニット
40:冷却ユニット
50:巻出ユニット
60:巻取ユニット
210,410:ロールユニット
211,411:剥離ロール
212,412:補助ロール
220,420:ユニット直動手段
221,421:直進駆動手段
311、312:溝
A:搬送方向(巻き出し側)
B:搬送方向(巻き取り側)
C:剥離方向
D:剥離線

Claims (15)

  1. フィルムを、表面に少なくともフィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝と該溝と交差する方向に延びる溝とが形成された金型に間欠的に供給する供給工程と、
    供給されてきたフィルムを前記金型の表面に押圧することにより該フィルムの少なくとも一方の面に金型の表面形状に対応する形状を転写する表面成形工程と、
    前記表面成形工程で金型に貼り付いたフィルムを金型から剥離する離型工程と、を少なくとも含む微細表面構造を有するフィルムの製造方法において、
    前記離型工程において、前記金型からのフィルムの剥離を、剥離開始部が線状に延びる剥離線を形成し該剥離線をフィルムの搬送方向上流側に向けて連続的に移動させるように行うとともに、該連続的に移動する剥離線のフィルムの搬送方向に対する角度を15度〜75度の範囲内とすることを特徴とする、微細表面構造を有するフィルムの製造方法。
  2. 前記金型の表面に形成された溝が、前記フィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝とフィルムの搬送方向に延びる溝との互いに直交する2方向の溝を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 前記剥離線が、フィルムの搬送方向に対して45度をなすことを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルムの製造方法。
  4. 前記離型工程は、フィルムを金型から剥離する剥離ロールと、剥離ロールと平行に配された補助ロールとにフィルムを抱きつかせた状態で、両ロールを回転させながら、両ロールを金型の表面と平行に移動させることにより、金型表面からフィルムを剥離することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  5. 前記両ロールを金型の表面と平行にフィルム搬送方向下流側から上流側に向けて移動させることにより、金型表面からフィルムを剥離し、かつ、前記両ロールの軸心が、前記剥離線と平行であることを特徴とする、請求項4に記載のフィルムの製造方法。
  6. 前記両ロールと前記フィルムとはエアー層の介在により非接触状態に保たれることを特徴とする、請求項5に記載のフィルムの製造方法。
  7. 前記両ロールの金型に対する移動方向を、前記剥離線と垂直の方向にすることを特徴とする、請求項4に記載のフィルムの製造方法。
  8. 表面に少なくともフィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝と該溝と交差する方向に延びる溝とが形成された金型と、
    該金型に対しフィルムを間欠的に供給する供給手段と、
    供給されてきたフィルムを前記金型の表面に押圧することにより該フィルムの少なくとも一方の面に金型の表面形状に対応する形状を転写するプレス成形手段と、
    該金型の表面に押圧され金型に貼り付いたフィルムを金型から剥離する離型手段と、を少なくとも含む微細表面構造を有するフィルムの製造装置において、
    前記離型手段が、金型上のフィルムに対し転動しながら該フィルムを金型から剥離する剥離ロールと、該剥離ロールと平行に配された補助ロールと、フィルムを前記剥離ロールに抱きつかせる位置に前記補助ロールを保持する補助ロール保持手段と、前記剥離ロールにフィルムを抱きつかせた状態における前記両ロールの相対位置関係を保持したまま両ロールを金型の表面と平行に連続的に移動させるロール移動手段とを備えており、かつ、前記両ロールの軸心の方向のフィルムの搬送方向に対する角度が15度〜75度の範囲内に設定されていることを特徴とする、微細表面構造を有するフィルムの製造装置。
  9. 前記金型の表面に形成された溝が、前記フィルムの搬送方向と直交する方向に延びる溝とフィルムの搬送方向に延びる溝との互いに直交する2方向の溝を含んでいることを特徴とする、請求項8に記載のフィルムの製造装置。
  10. 前記両ロールの軸心の方向が、フィルムの搬送方向に対して45度をなすように設定されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のフィルムの製造装置。
  11. 前記ロール移動手段による前記両ロールの移動方向がフィルムの搬送方向上流側に向かう方向に設定されていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載のフィルムの製造装置。
  12. 前記両ロールは表面からエアー吹き出し可能に構成されていることを特徴とする、請求項11に記載のフィルムの製造装置。
  13. 前記両ロールの外表面が多孔質体から形成されていることを特徴とする、請求項12に記載のフィルムの製造装置。
  14. 前記ロール移動手段による前記両ロールの移動方向が前記両ロールの軸心の方向と垂直の方向に設定されていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載のフィルムの製造装置。
  15. 前記両ロールは回転自在に構成されており、前記ロール移動手段は前記金型の表面と平行にフィルムの搬送方向上流側に向かう方向に強制的に直進駆動する機構を含み、フィルムに張力を付与する張力付与機構が、前記補助ロールよりもフィルム搬送方向下流側に設けられていることを特徴とする、請求項8〜14のいずれかに記載のフィルムの製造装置。
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