JP4929006B2 - 間欠式フィルム成形装置および成型方法 - Google Patents

間欠式フィルム成形装置および成型方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロール状のフィルムの表面に微細凹凸形状を間欠的にプレス成形する装置および方法に関する。
特に、プレス成形後のフィルムを金型から良好に離型するともに、次に成形するフィルムを高い位置精度で供給する間欠式フィルム成型装置および方法に関する。
導光板、光拡散板、レンズ等の光学フィルムを製造する手段として、フィルムの表面に微細凹凸パターンを転写する方法が従来から知られており、例えば、ロール状の長尺のフィルムに対して、間欠的に微細凹凸パターンを形成する装置および方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
これらの装置および方法では、巻出ロールからプレス装置内へと供給したフィルムを微細凹凸パターン付き金型にプレス転写することにより、フィルム表面に凹凸パターンを形成する。プレス転写するときは、金型をフィルムのガラス転移点以上の温度まで加熱しておく。転写完了後は、プレスを継続しながら、金型を一定条件下で冷却する。フィルムがガラス転移点付近まで冷却されれば、プレス圧力を開放するとともに、フィルムに一定の張力を付加するだけで金型より該フィルムは離型するものである。
しかし、この離型方法では、適用する樹脂の特性や、金型表面の離型材の消耗により、金型にフィルムが貼り付いたまま剥がれないという問題が発生する場合がある。さらに、無理に引き剥がすと、金型表面を破損したり、フィルム転写面に傷のような離型跡を残すという問題が発生する場合がある。
そこで、平行に配された剥離ロールと補助ロールとを転写後の金型表面で、フィルムを抱きつかせた状態で回転させながら、搬送下流側から上流側に直動させることによりフィルムを離型する方法が提案されている(特願2006−262874号)。
この方法によれば、金型表面に貼り付いたフィルムに、一定の剥離力を搬送下流側端部から上流側に向かって連続的に与えることができ、スムーズで剥離跡の少ない良好な成形フィルムを得ることができる。
しかし、上記方法でも、以下の問題点があることがあった。
すなわち、フィルムを剥離する際の剥離ロール回転始動時にフィルムと剥離ロールとの間で滑りが生じることにより、剥離ロールの直動距離が一定とならず、フィルムの成形面間のピッチのばらつきが大きかった。その結果、光学パネル部材への組み込み等のその後の加工工程において歩留まりを下げる要因となる可能性が高かった。
特開2005−199455号公報 特開2005−310286号公報
本発明は、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、得られたものであって、ロール状のフィルムをプレス装置に配設した金型の表面から、フィルム転写面や金型表面の品位を損なわずに離型するだけでなく、離型動作を高精度に制御することによりフィルムの成形面間ピッチのばらつきを大幅に抑制できる装置および方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の間欠式フィルム成形装置は、下記(1)の構成を有するものである。
(1)微細凹凸形状が表面に形成された金型と、該金型の表面にフィルムを押圧するプレス装置と、該フィルムを搬送するための搬送装置と、該金型の表面からフィルムを離型するための離型装置とを、少なくとも含む間欠式フィルム成形装置において、前記離型装置がフィルムを剥離するための剥離ロールと、剥離ロールを回転駆動するための剥離ロール回転手段と、フィルムパスラインを挟んで剥離ロールと略平行に配された補助ロールと、フィルムを剥離ロールに抱き付かせるように剥離ロール周辺で補助ロールを移動させる補助ロール移動手段と、前記剥離ロールと前記補助ロールがフィルムを剥離ロールに抱きつかせる相対位置関係を保持したまま金型表面近傍を該表面に平行に直動させる案内ガイドと、前記両ロールの直動距離を制御する直動制御装置とを少なくとも備えたことを特徴とする間欠式フィルム成形装置。
かかる本発明の間欠式フィルム成形装置において、より具体的に好ましくは、以下の(2)の構成からなるものである。
(2)前記直動制御装置が、前記両ロールの直動途中に設けた位置検知器と、前記剥離ロールの回転距離を制御する制御装置を少なくとも含むことを特徴とする上記(1)に記載の間欠式フィルム成形装置。
また、上記課題を解決する本発明の間欠式フィルム成形方法は、下記(3)の構成を有するものである。
(3)微細凹凸が形成された金型表面の近傍に間欠的にフィルムを供給し、該金型表面に該フィルムを押圧することによりフィルム表面に微細凹凸を成形し、成形完了後に剥離ロールと、剥離ロールと略平行に配された補助ロールの両方のロールを回転させながら、フィルムを前記両ロールに抱き付かせた状態で、前記両ロールを金型表面近傍でフィルム搬送下流側から上流側に直動させてフィルムを離型する間欠式フィルム成形方法において、前記両ロールの直動距離がそれぞれ一定となるように制御することを特徴とする間欠式フィルム成形方法。
かかる本発明の間欠式フィルム成形方法において、より具体的に好ましくは、以下の(4)〜(6)のいずれかからなるものである。
(4)前記フィルムを金型から離型させる操作において、前記両ロールが移動中に所定位置に到達した後、前記両ロールの回転を停止させることなく連続的に制御を切り替えて該所定位置から停止する位置までの直動距離を一定となるように制御することを特徴とする上記(3)記載の間欠式フィルム成形方法。
(5)前記制御の切り替えが、前記剥離ロールに連結されたサーボモーターにおいて速度制御方式から位置制御方式に切り替えるものであることを特徴とする上記(4)に記載の間欠式フィルム成形方法。
(6)前記両ロールの直動を前記剥離ロールの回転駆動により行うことを特徴とする上記(3)〜(5)のいずれかに記載の間欠式フィルム成形方法。
本発明の間欠式フィルム成型方法および装置によれば、金型にプレスすることにより微細凹凸が表面に成形されたフィルムを、良好な外観を維持したまま金型から離型することにより高い品質の成形フィルムを得ることができる。
さらに、次に転写されるフィルムを高い位置精度で供給することにより成形面間ピッチを一定にできるので、その後のフィルム加工工程において成形面間ピッチむらに起因した歩留まり低下を防止できる。
以下に、本発明について、図面を参照しながら、好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明の間欠式フィルム成形装置は、微細凹凸形状が表面に形成された金型と、該金型の表面にフィルムを押圧するプレス装置と、該フィルムを搬送するための搬送装置と、該金型の表面からフィルムを離型するための離型装置とを、少なくとも含む間欠式フィルム成形装置において、前記離型装置がフィルムを剥離するための剥離ロールと、剥離ロールを回転駆動するための剥離ロール回転手段と、フィルムパスラインを挟んで剥離ロールと略平行に配された補助ロールと、フィルムを剥離ロールに抱き付かせるように剥離ロール周辺で補助ロールを移動させる補助ロール移動手段と、前記剥離ロールと前記補助ロールがフィルムを剥離ロールに抱き付かせる相対位置関係を保持したまま金型表面近傍を該表面に平行に直動させる案内ガイドと、前記両ロールの直動距離を制御する直動制御装置とを、少なくとも備えたものである。
図1に、かかる本発明の間欠式フィルム成形装置をフィルム幅方向から見た概略側面図を、図2に離型装置をフィルム走行方向(巻取り側)から見た概略側面図を、図3にフィルム離型動作を側面からみた模式図を、図4に成形フィルムの正面図を、それぞれ示している。
図1に示すように、本発明の間欠式フィルム成形装置1は、上記のプレス装置たるプレスユニット10と、上記の離型装置たる離型ユニット20と、上記の温調装置たるヒーターユニット30と、上記の温調装置たる冷却ユニット40と、巻出ユニット50、巻取ユニット60から構成される。巻出ユニット50でロール状に巻き取られたフィルム2が、巻き出されて、プレスユニット10で金型3の微細凹凸形状が加工された表面3aに押しつけられて、フィルムの成形面2aに微細凹凸形状が転写成形され、巻取ユニット60によりロール状に巻き取られる。巻出ユニット50と巻取りユニット60は、上記のフィルムの搬送装置である。
最初に本発明の主たる部分である離型装置たる離型ユニット20について説明する。図2に示したように、離型ユニットは剥離ロール21と補助ロール22から構成され、剥離ロール21には剥離ロール回転手段23が接続されて回転制御される。剥離ロール回転手段23は、回転を制御できるものであればよいが、回転量を厳密に制御できるようにサーボモーターがより好ましい。また、剥離ロール21が回転しながら、金型3の表面に略平行にスムーズに移動できるように、ブラケット26を介して、上記の案内ガイドたる剥離ロール直動ガイド25に連結されている。剥離ロール直動ガイド25は加圧プレート(下)14bの上面に取り付けられている。
また、ブラケット26の片側にはプレート28が取り付けられて、直動ガイド25に沿って剥離ロール21と一緒にプレートも直動する。プレート28が直動する途中には位置検出器29が設けられている。位置検出器はプレートの通過を検知できるものであれば良く、光学式や電磁式等の非接触式または接触式等いかなるものでも良い。そして、位置検出器は直動制御装置たるシーケンサ等の制御装置200およびコートローラ201に電気的に接続されて、プレート28の通過を検出した後、これらの直動制御装置により剥離ロールが一定距離回転して停止するように剥離ロール回転手段23を制御する。また、制御装置200およびコントローラ201は剥離ロールを回転させたままでも速度制御から位置制御等、制御方式を切り替えられるものを適用することが好ましい。
一方、補助ロール22は、図3(a)に示す待機位置22pで剥離ロール21の外表面に沿うように旋回できるように、上記の補助ロール移動手段たる補助ロール旋回手段24が接続されている。補助ロール旋回手段24は電磁モータ、空圧を利用したアクチュエータ等、補助ロールを剥離ロールの周辺でその外周に沿って昇降移動させうるものであればいかなるものでもよい。そして、補助ロールの両端はロール軸心を中心に自在に回転できるように取り付けられている。なお、図2は補助ロール旋回手段24により、剥離ロール21のほぼ上側まで旋回移動させた状態を示している。
実際にフィルムを金型表面から離型し、さらに、次に成形するフィルムの供給動作を、図2、3により説明する。離型動作前は、図3(a)に示す待機位置22pで離型ユニットは待機している。離型動作を開始する場合、図3(b)、(c)に示すように補助ロール旋回手段を駆動して、補助ロール22を剥離ロール21のほぼ上方まで移動させる。その後、図3(d)に示すように剥離ロール回転手段23により剥離ロールを回転させる。剥離ロールは回転とともに、金型3の表面に沿ってフィルム巻出側へ直進移動し、同時に金型に貼り付いたフィルムを剥離ロールに抱きつかせながら離型していく。
途中で制御装置200によりプレート28が位置検出器29を通過したことを検知した後、回転を止めることなく、コントローラ201によって位置検出器通過後に剥離ロール21が停止するまでの回転距離を厳密に制御するようにする。図3(e)に示すようにフィルムの離型完了位置まで達すると、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけながら、下流側にある搬送駆動ロールを回転させてフィルムを引っ張る。すると、図3(f)に示すように剥離ロールと補助ロールにフィルムが抱きついた状態で、剥離ロールと補助ロールのユニットがフィルム巻取側へ直進移動して、次に成形するフィルムを金型に供給する。以上の直進移動はすべて、剥離ロール直動ガイド25に沿って移動する。ここで、上記の案内ガイドたる剥離ロール直動ガイド25は、剥離ロールと補助ロールとを、それらがフィルムを該剥離ロールに抱きつかせた相対位置関係を保持したままで、金型表面近傍を該金型表面に平行に、往復で、移動させる役割を有する(図3(c)〜(f))。
剥離ロールとフィルムとの間に滑りが起きなければ、剥離ロール回転距離と直動距離は同じとなり、図4に示すように成形面300のピッチが剥離ロール回転手段の直動距離L0とほぼ等しくなる。
ところが、本発明者らは実際には剥離ロールが回転し始めるときに、剥離ロール表面とフィルムとの間で僅かに滑りが起きて、その場で剥離ロールが直動しない状態で空回りして、直動距離L0は剥離ロールの回転距離より短くなることを見出した。しかも、フィルムの表面状態等により剥離ロールとフィルムとの摩擦力が異なるため空回りする距離も毎回異なることがわかった。
本発明においては、剥離ロールと補助ロールの両ロールにおいて、それぞれ、この直動距離L0を一定になるように制御することにより、次のフィルム供給動作にともなう剥離ロールの巻き取り側への移動量(すなわち、フィルム送り量)を一定にして、成形面間ピッチを一定にせんとするものである。
なお、本発明において「直動距離L0が一定である」とは、同じ装置条件および動作条件で5回繰り返して直動させた際に、5回の直動距離L0の最大値と最小値との差が2mm以内であることをいう。特に、通常のフィルム成形において、好ましく構成された本発明の装置では、該差は1mm以内を示すものであり、そのようなレベルで制御するのが本発明の特徴である。
位置検出器29と、制御装置200およびコントローラ201からなる直動制御装置は、剥離ロールの通過後、一定距離回転するように制御して、直動距離L0(すなわち、成形面間ピッチ)を毎回ほぼ同じにするものである。フィルム剥離時の直動距離L0は剥離ロール回転開始位置から位置検出器までの距離L1と位置検出器から剥離ロールが停止するまでの距離L2との和である。L1は、位置検出器の設置位置で決まる値であり、L2は位置検出器検知後、厳密に制御された剥離ロールの回転距離とほぼ同じであり、いずれも剥離ロールが直動し始めるときのフィルムとの滑りには無関係である。したがって、剥離に伴う全行程の直動距離L0も剥離ロールとフィルムとの初期の滑りに関係なく常にほぼ一定となる。
本発明において、直動距離L0をほぼ一定にする手段としては、上記の態様が装置の動作の安定性、精度等から好ましいが、他の手段の一例としては、当て止め部材をガイド上の所定位置に配設する方法がある。これは、当て止め部材に離型ユニットを当接させることによって停止させるものである。この場合、離型ユニットと当て止め部材との衝突時に振動やフィルムのたるみが発生する可能性があるので、当て止め部にショックアブソーバー等を設けて衝撃を緩和させるのが好ましい。
剥離ロールが巻取側の端位置まで戻ったら、補助ロール旋回手段により、補助ロールを剥離ロールのほぼ下方に旋回移動させてフィルムを開放する。上記の剥離動作は、剥離ロールの回転速度に依存し、剥離速度はロールの周速とほぼ同速度で行える。そのため、厳密に剥離動作を制御することが可能となり、あらゆる成型材料、条件に対してもスムーズな剥離条件を容易に作り出すことができる。
ここで、剥離ロール、補助ロールのフィルム接触部は、一定の弾性および粘着性のあるゴム材質のもので構成されているものが良く、例えば、ゴム硬度(JIS K6253)が、好ましくは40〜70、より好ましくは50〜60であり、表面の中心線平均粗さが(JIS B0601)が、好ましくは0.01μm〜1.0μmの範囲、より好ましくは0.01μm〜0.5μmの範囲のものが良い。好適な材質としては、EPDM、シリコーンゴム、フッ素ゴム等がある。各ロールのゴム硬度が70よりも大きかったり、中心線平均粗さが1μmよりも大きいものの場合、フィルムとロール間の密着性が十分でない場合があり、離型時にフィルムとロールで滑りが生じて、フィルム張力の低下による剥離力の低下が起こったり、一方、ゴム硬度が40未満では、離型動作時のゴム変形が大きいために、離型動作が不安定になる場合があり、フィルム面に離型跡を発生させる要因になる場合があるので、注意が必要である。また、中心線平均粗さが0.01μmよりも小さいものは、製作上、困難である。
なお、離型動作時にフィルムにかける適正な張力は、用いられるフィルム材質、離型時の温度にもよるが、好ましくは概ね1〜100Nであり、さらに好ましくは5〜50Nである。また、各ロールの表面材質は好ましくは耐熱温度が100℃以上、より好ましくは130℃以上のものが良い。高温のフィルムを扱うことから、経時的な寸法劣化、強度劣化による離型動作不良を防止するためである。ここで、耐熱温度の定義は前述したとおりである。
また、フィルムの離型時において、剥離ロールと金型表面は接触してもよい。このとき、剥離ロールのフィルム幅方向両端の近傍に、エアシリンダーやバネ等の弾性部材等を配設して、剥離ロールが金型表面を押圧する力を制御できるようにすることが好ましい。
さらにまた、金型の表面凹凸パターンが極めて微細である等、剥離ロールとの接触により損傷しやすい場合には、図2に示す剥離ロールと金型表面の距離(クリアランス)Hは0.1mm〜10mmが良く、より好ましくは0.1mm〜5mm、さらに好ましくは0.1mm〜1.0mmである。
クリアランスHを10mm未満にすると、フィルムの剥離点が剥離ロールの直下近傍に位置し、剥離ロールの移動とともに剥離点も連続的に移動するので好ましい。剥離点が断続的な動きをすると、止まった箇所でフィルムの幅方向にわたって線状の剥離跡が出る可能性が高いためである。ただし、0.1mm未満では金型表面と剥離ロールが接触する可能性があり、金型のパターン形状を破損する場合もあり得るので好ましくない。また、剥離ロールと金型表面の平行度は0.5mm以下が良く、より好ましくは0.1mm以下である。ここで、「平行度」とは、金型表面を基準面として、フィルム幅方向の両端面に取り付けた変位センサーによって測定することができる。すなわち、剥離ロールを該変位センサーの真上に配したときに測定される金型表面とロール外表面との距離の両端での差を平行度とする。
また、剥離ロール、補助ロールに冷却水循環機構等を付加して、各ロールを一定温度に温調することが好ましい。フィルムは離型直後では温度が高いため、直後に接する剥離ロール、補助ロールを一定に温調しておくことが好ましい。また、離型時および離型直後のフィルムの温度を下げる効果もあり、プレス成形後の安定した搬送、巻取りにも有効である。
さらにまた、剥離ロールに、該剥離ロールが横方向に微細な振動を起こさせる振動手段を付加することが好ましい。振動手段としては、電磁アクチュエータを利用したものやリニアアクチュエータを利用したものや超音波振動子を利用したものでよい。また、剥離ロールの外表面のみ振動を与える機構でもよい。剥離ロール自身、または外表面が振動することにより巻き付いているフィルムを介して、剥離点にも伝播し、フィルムのスムーズな剥離に寄与する。
なお、安定した剥離動作を行うために、剥離ロールとフィルムとの間で離型に適正な摩擦力を作り出すことが必要であり、そのためには、フィルムと剥離ロールとのフィルム走行方向の接触長さを30mm〜300mmの範囲で設定できることが好ましい。そして、本発明の装置において、この接触条件を作るためには、剥離ロールの直径が50mm〜200mmの範囲にするとよい。剥離ロールの直径が50mm未満では剥離ロールとフィルムとの接触面積が小さいために接触面で十分な摩擦力が発生せず、十分な剥離力を作り出せず、また、剥離ロールが空回りする可能性もあるので好ましくない。さらに剥離ロールの直径が50mm未満では離型直後のフィルムに形状的に沿わす曲率が大きくなりすぎて、フィルムがカールする等、変形させてしまう可能性が生じてくるからである。一方、剥離ロールの直径が200mmより大きくなると、剥離動作のためのスペースを広く取る必要があるが、プレス装置内で確保することは設計上困難な場合もあって、好ましくないものである。
プレスユニット10は、加圧プレート(上)14aが支柱11をガイドにして昇降移動できるように、プレスシリンダー12に連結されている。支柱11はフレーム(上)16aとフレーム(下)16bに挟まれるように配設されている。加圧プレート(上)14aの下面には温調プレート(上)15aが取り付けられている。一方、加圧プレート(下)14bの上面には温調プレート(下)15bが取り付けられている。各温調プレートには、それぞれ、加熱ユニット30、冷却ユニット40が配管、配線等を介して接続されている。そして、金型3は温調プレート(下)15bの上側表面に取り付けられて、下側温調プレートを介して、加熱、冷却制御される。なお、金型3は温調プレート(上)15aの下面に取り付けられてもよい。なお、各プレートのフィルム押圧面側の平面度は10μm以下が好ましく、さらに好ましくは5μm以下が好ましい。なおまた、成形加工は、加熱成形方式だけに限定されず、例えば、光を利用した成形方式によっても行うことができる。加熱成形方式によらない場合には、本発明の装置・方法において、温調装置たる加熱ユニット30や冷却ユニット40は必要ではない。
プレスシリンダーは、図示していない油圧ポンプとオイルタンクに接続されており、油圧ポンプにより加圧プレート(上)14aの昇降動作および、加圧力の制御を行う。また、本実施形態では油圧方式のプレスシリンダーを適用しているが、加圧力を制御できる機構であれば、いかなるものでもよい。
圧力範囲は0.1MPa〜20MPaの範囲で制御できることが好ましく、さらに好ましくは、1MPaで〜10MPaの範囲で制御できることが好ましい。
プレスシリンダーの昇圧速度は0.01MPa/s〜1MPa/sの範囲で制御できることが好ましく、さらに好ましくは、0.05MPa/s〜0.5MPa/sの範囲で制御できることが好ましい。
本発明に用いられる金型3について説明する。金型の転写面は、微細なパターンを有するものであり、金型に該パターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。該金型の微細なパターンは、フィルム表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。
また、フィルムにある程度の厚みムラがあっても全面でムラなく成形できるように、温調プレート(上)15aとフィルム2の間に130℃以上の耐熱温度を有した弾性板17を設置することが好ましい。該弾性板17としては、例えば、厚みが0.3mm〜1.0mmのエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴム等を好ましく用いることができ、さらに好ましくは表面に易滑処理を施したものがよい。ここで、耐熱温度とはその温度で24時間放置したときの引張り強さの変化率が10%を超えるときの温度をいう。
次に、加熱ユニット30について説明する。加熱ユニット30は温調プレート(上)、(下)15a、15bをアルミ合金とし、プレート内に鋳込んだ電熱ヒーターにより制御するものが良い。また、温調プレート内に鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは、機械加工により加工した穴の内部に温調された熱媒体を流すことにより加熱制御するものでもよい。さらには両者を組み合わせた装置構成でもよい。
熱媒体としてはバーレルサーム(松村石油(株))、NeoSK−OIL(綜研テクニックス(株))等がよく、また、100℃以上に加熱された水を循環させてもよい。そして、効率良く伝熱できるように、配管内部のレイノズル数が1.0×104〜12×104の範囲になることが好ましい。
また、鋳込みヒーター、カートリッジヒーター等にする場合は、温調プレートを分割制御できることが好ましい。
温調プレートは、昇温中、降温中、一定温調中のすべてにおいて、レンジで10℃以内、さらに好ましくは5℃以内の温度分布におさまることが好ましい。
また、金型に直接、熱媒配管ラインを加工し、金型を直接温調するようにしてもよい。
次に、冷却ユニット40について説明する。冷却ユニットは温調プレート(上)(下)15a、15bに鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは機械加工により加工した穴の内部に温調された冷媒体を流すことにより冷却制御する。
冷媒体としては、水が最適であるが、エチレングリコール溶液などでもよい。温度は10℃〜50℃の範囲が好ましく、効率良く伝熱できるように、配管内でのレイノズル数が1.0×104〜12×104の範囲になることが好ましい。
上記のフィルム搬送装置たる巻出ユニット50、巻取ユニット60について説明する。巻出ユニット50は巻出ロール回転手段51と、搬送ロール52a〜52dと、引出バッファ部53と、フィルム固定部54から構成される。巻取ユニット60は巻取ロール回転手段61と、搬送ロール62a〜62dと、巻取バッファ部63と、搬送駆動ロール64と、フィルム固定部65から構成される。
引出バッファ部53、巻取バッファ部63はそれぞれボックス55、66とこれらに接続された吸引排気手段56、67から構成される。吸引排気手段56、67は真空ポンプ等、エアーを吸引、排気できるものであればよく、ボックス内のエアーを排気することにより、ボックス内に挿入されたフィルムの表裏面で圧力差を与えることにより、一定の張力を付与するとともにボックス内でフィルムを弛ませて保持する。ボックス内に挿入されるフィルムの長さは、フィルムを成形する前後で間欠的に搬送するフィルム長さ分が適当である。さらに、ボックス55、66内にはセンサー57a、57b、68a、68bが取り付けられている。センサーは所定位置でフィルムを検知できるものであればよい。上記した離型ユニットによりフィルムが離型、搬送されて、ボックス内でセンサー検知位置からフィルムが外れたときに、上下流の巻出ロール回転手段51、あるいは巻取ロール回転手段61を駆動して、フィルムを巻き出し、あるいは巻取り、常に、ボックス内で所定位置にフィルムを弛ましておくことができる。
また、フィルム固定部54、65は表面に吸引孔が形成された平板であることが好ましいが、さらに、クリップでフィルムを挟む機構のもの、あるいは、これらを組み合わせたものでもよい。
フィルム固定部54、65はプレス動作を行うときは両方とも作動させる。そして、フィルムを離型するときはフィルム固定部54を作動させてフィルムを固定し、フィルム固定部65が開放させることが好ましい。また、フィルムを供給するときは、フィルム固定部54、65を両方とも開放することが好ましい。
搬送駆動ロール64は、図示しないがモータ等の回転駆動手段に連結されて、フィルム搬送時にはニップロール64aが搬送駆動ロール64に近接し、フィルムを挟み、搬送駆動ロール64にてトルク制御を行いながらフィルムを一定張力のもとで搬送する。
本装置に適用されるフィルム2は、ガラス転移温度Tgが、好ましくは40〜180℃のものであり、より好ましくは50〜160℃であり、最も好ましくは50〜120℃である熱可塑性樹脂を主たる成分とするフィルムである。ガラス転移温度Tgがこの範囲を下回ると、成形品の耐熱性が低くなり形状が経時変化するため好ましくない。また、この範囲を上回ると、成形温度を高くせざるを得ないものとなりエネルギー的に非効率であり、また、フィルムの加熱/冷却時の体積変動が大きくなりフィルムが金型に噛み込んで離型できなくなったり、また、離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる場合がある等の理由により好ましくない。
また、本発明に適用されるフィルムなどのシート状の基材の好ましい厚さ(厚み、膜厚)としては、0.01〜3mmの範囲であり、より好ましくは、0.01〜1mmの範囲内にあることである。0.01mm未満では、成形するのに十分な厚みがない点で難しく、また、3mmよりも大きいものでは剛性が大きく、搬送が一般に難しい。
本発明に適用されるシート状の基材は、代表的には、熱可塑性樹脂を主たる成分としたフィルムであり、より具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などからなるものである。
これらの中で共重合するモノマー種が多様であり、かつ、そのことによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、あるいはアクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましく、上述の熱可塑性樹脂が50重量%以上からなることがさらに好ましい。
また、該フィルムは、上述の樹脂の単体からなるフィルムであってもかまわないし、複数の樹脂層からなる積層体であってもよい。
また、本発明に適用するフィルムには、重合時もしくは重合後に各種の添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤、増粘剤、可塑剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。特に、離型剤として、長鎖カルボン酸、もしくは長鎖カルボン酸塩、などの低表面張力のカルボン酸やその誘導体、および、長鎖アルコールやその誘導体、変性シリコーンオイルなどの低表面張力のアルコール化合物等を重合時に少量添加することが好ましく行われる。
次に、間欠式フィルム成形装置1による一連のフィルム成形動作について、以下にプロセス(A)〜(K)の流れで成形するものである。
(A)あらかじめ、金型3をプレスユニット10にセットした後、フィルム2を巻出ユニット50にセットし、フィルム2の巻出部を引き出し、ガイドロールを経由し、プレスユニット内の金型の表面に沿わせ、さらに、離型ユニット20を経由して、巻取ユニット60で巻き取る。
(B)次に、加熱ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bをともに成型温度まで上昇させる。
(C)プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)15aを下降させて、金型3の表面と温調プレート(上)との間にフィルムを挟むようにプレスする。このとき、フィルム固定部54および65を作動させてフィルムを固定しておく。温度、プレス圧力、昇圧速度、加圧時間等の条件は、フィルムの材質、転写形状、特に凹凸のアスペクト比等に依存する。概ね、成形温度は100〜180℃、プレス圧力は1〜10MPa、成形時間が1秒〜60秒、昇圧速度は0.05MPa/s〜1MPa/sの範囲で設定される。
(D)加熱しながらのプレスを完了した後、冷却ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bを降温させる。なお、冷却中もプレス加圧を継続していることが好ましい。冷却温度は金型表面の温度がフィルムを離型するのに十分に冷却されるように設定される。例えば、金型3の表面温度がフィルムのガラス転移点以下まで冷却を行うのがよい。
(E)冷却完了後、プレス圧力を開放して、温調プレート(上)15aを離型ユニット20がプレス装置内を水平移動させるのに十分なスペースを確保できる位置まで上昇させる。
(F)温調プレート(上)15aが上昇を完了した後、フィルム固定部65を開放して、補助ロール旋回手段を駆動して、補助ロール22を剥離ロール21の上部まで旋回移動させて、フィルム2を剥離ロール21、補助ロール22に抱きつかせる(図3(a)(b)参照)。
(G)その後、剥離ロール21をフィルムを巻き取る方向に回転させる。剥離ロール21は、フィルム表面との摩擦力により回転とともに巻き出し側へ移動する。移動はプレス装置の加圧プレートに設けた剥離ロール直動ガイドに案内されながら移動する。このときに、金型表面に密着したフィルムが良好に離型される。途中で位置検出器29を通過した後は停止するまでの回転移動距離(L2)が一定となるように制御し、剥離ロールの直動距離(L0)を常にほぼ一定とする(図3(c)(d)参照)。
(H)金型3の巻出側端部まで剥離が完了すると、剥離ロールの回転を停止する(図3(e)参照)。
(I)その後、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけて、フィルム固定部54を開放して、搬送駆動ロール64を回転させることにより、剥離ロール21と補助ロール22が相対位置を維持したまま、巻取側へ移動する。このとき、巻出側から新しいフィルムを引き出すとともに、成形したフィルムは巻取側に送り出される。(図3(f)参照)
(J)フィルムの引き出しが終わると、フィルム固定部54でフィルムを固定した後、補助ロールがもとの位置まで旋回して戻り、フィルム固定部65でフィルムを固定する。新しいフィルムが供給されることにより、あらかじめ引出バッファ部53で弛ましてあったフィルムが巻取り側に引き出されるが、センサー57bによりフィルムが検知する位置まで、巻出ロール回転手段を作動させて、巻出ロールから新たなフィルムが引出バッファ部に供給される。一方、成型が完了したフィルムが送り出されると、送り出された長さ相当のフィルムは、一時的に巻取バッファ部63で保留され、センサー68aでフィルムを検知しなくなるまで、すなわち、新たに溜まった分の長さ相当のフィルムを、巻取ロール回転手段を作動させて巻き取る。
(K)フィルムの離型が完了すると同時に、またはその直前から温調プレート(上)(下)の加熱を開始する。そして、プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)をフィルムの上面付近まで下降させておく。
昇温が完了した後にプレス成形を行い、上述した(C)からの動作を繰り返す。
上記の(F)〜(H)の動作により、スムーズな離型動作を間欠式フィルムの成形サイクルに組み込むことが可能となり、離型跡の少ない高品質な成形フィルムを生産できる。
また、上記の(I)の動作により、次サイクルで成形するフィルムを毎回、一定長さ供給して、成形面間ピッチを一定にすることができるので、後工程で高価な位置補正機構を設けなくても、フィルムカットや貼り合わせの処理が可能となる。
実施例1
500mm(フィルム幅方向)×800mm(フィルム走行方向)のサイズの金型をプレス装置に取り付け、フィルムを間欠的に成形した。金型の材質は銅で、厚みは20mmである。微細形状はピッチが50μm、凸部幅が25μm、凸部高さが50μmで、フィルム走行方向から見たときの断面が矩形形状のものである。
プレス装置は、最大3000kNまで加圧できるもので、加圧は油圧ポンプによってされる。プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の温調プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。なお、金型は下側の温調プレートに取り付けられている。加熱装置は熱媒循環装置で、熱媒はバーレルサーム#400(松村石油株式会社製)で、150℃に加熱したものを100L/分で流す。また、冷却装置は冷却水循環装置で、20℃に冷却された水を150L/分で流すものである。
そして、離型装置は、図2に示すものと同じ構造であり、剥離ロールと補助ロールを組み合わせたものである。そして、位置検出器(オムロン(株)製EE−SX637)を、両ロールの直動ガイド上の剥離開始位置(離型時の剥離ロール回転開始位置)から巻出側へ500mm離れた位置に設けた。また、直動制御装置として制御装置たるシーケンサ(三菱電機(株)製MELSEC−Qシリーズ)とコントローラたる位置決めユニット(三菱電機(株)製QD75M4)を用いて、剥離ロール回転駆動手段としてACサーボアンプ(三菱電機(株)製MR−J2S)とサーボモーター(三菱電機(株)製HC−KFS)を用いた。剥離ロールは外径が150mmで表面がゴム硬度が60(JIS K6253)、表面の中心線平均粗さが0.5μm(JIS B0601)のシリコーンゴムで覆われている。補助ロールは外径が50mmで表面がゴム硬度が60(JIS K6253)、表面の中心線平均粗さが0.5μm(JIS B0601)のシリコーンゴムで覆われている。また、剥離ロールと金型表面との距離(クリアランス)は5mmであった。用いたフィルムはポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが100μm(厚みむら:±10μm)、幅は520mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され、巻き取られる。
上記の装置を用い、以下のように間欠的に成型を行った。あらかじめ、フィルムを巻出装置から巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。次に、温調プレートが上下ともに110℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で5MPaで、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動する。
補助ロールを剥離ロールの上側まで移動させて、フィルムを巻き付かせた後、剥離ロールを周速が5m/分となるように回転させる。剥離ロールの回転とともに、剥離ロールが巻き出し側に移動しつつ、フィルムを金型から離型する。位置検出器で両ロールの通過を検知すると、制御装置およびコントローラ(位置決めユニット)により剥離ロール回転駆動用のサーボモーターを剥離ロールの回転駆動を持続させたまま速度制御から位置制御に切り替えて、ロールを直動距離で300mm回転させた後、停止させる。
そして、フィルムを金型からすべて離型した後、剥離ロールの回転方向にブレーキをかけながら、巻取装置側の搬送駆動ロールによりフィルムに張力を付加して、離型ユニットごと下流側へ引き寄せるようにプレス装置巻取り側の端部まで20m/分で移動させて、次に、成型するフィルム面を金型表面にセッティングする。その後、補助ロールが旋回移動して、元の位置に戻る。
上記の動作を繰り返し、剥離跡のない5枚の成型フィルムを作成した。また、離型動作の際に、図5に示すようにダイヤルゲージ220((株)ミツトヨ製2052S−19)を設置して、離型時の剥離ロール直動終了位置に剥離ロールの停止位置の目盛りを測定した。成形面間ピッチが850mmとなる位置をゼロとして巻取り側へのずれをプラス、巻出側へのずれをマイナスとして、停止位置のばらつき(フィルム成形面間ピッチのばらつきとほぼ同等)を測定した。停止位置のばらつきは0.42mmであった。結果を表1に示す。
実施例2
離型時の剥離ロールの周速を10m/分となるように回転させる以外は、上記実施例1と同様に剥離跡のない5枚の成型フィルムを作成した。成形面間ピッチが850mmとなる位置をゼロとして巻き出し側へのずれをプラス、巻取り側へのずれをマイナスとして、停止位置のばらつき(フィルム成形面間ピッチのばらつきとほぼ同等)を測定した。停止位置のばらつきは0.45mmであった。結果を表1に示す。
実施例3
離型時の剥離ロールの周速を15m/分となるように回転させる以外は、上記実施例1と同様にして剥離跡のない5枚の成型フィルムを作成した。成形面間ピッチが850mmとなる位置をゼロとして巻き出し側へのずれをプラス、巻取り側へのずれをマイナスとして、停止位置のばらつき(フィルム成形面間ピッチのばらつきとほぼ同等)を測定した。停止位置のばらつきは0.55mmであった。結果を表1に示す。
比較例1
位置検出器を用いることなく、剥離ロールの回転を、離型開始位置から離型完了位置の全行程を位置制御により行う以外は、実施例1(離型速度:5m/分)と同じ条件で剥離跡のない5枚の成形フィルムを作成した。剥離ロールの停止位置のばらつきは3.96mmであった。結果を表1に示す。
比較例2
位置検出器を用いることなく、剥離ロールの回転を、離型開始位置から離型完了位置の全行程を位置制御により行う以外は、実施例2(離型速度:10m/分)と同じ条件で剥離跡のない5枚の成形フィルムを作成した。剥離ロールの停止位置のばらつきは11.80mmであった。結果を表1に示す。
比較例3
位置検出器を用いることなく、剥離ロールの回転を、離型開始位置から離型完了位置の全行程を位置制御により行う以外は、実施例3(離型速度:15m/分)と同じ条件で剥離跡のない5枚の成形フィルムを作成した。剥離ロールの停止位置のばらつきは19.58mmであった。結果を表1に示す。
かかる表1からわかるように、本発明の間欠式フィルム成形装置と成形方法によれば、フィルムの成形面間ピッチのばらつきを大幅に抑制できるものである。
Figure 0004929006
本発明の間欠式フィルム成形装置をフィルム幅方向から見た概略側面図である。 本発明の間欠式フィルム成形装置における離型装置をフィルム走行方向(巻き取り側)から見た概略側面図である。 本発明の間欠式フィルム成形方法におけるフィルム離型動作を側面からみたモデル図である。 本発明の間欠式フィルム成形方法による成形フィルムをモデル的に示した概略正面図である。 本発明の実施例における離型装置停止位置の測定方法を示す概略側面図である。
符号の説明
1:間欠式フィルム成形装置
2:フィルム
3:金型
10:プレスユニット
11:支柱
12:プレスシリンダー
13:昇降ガイド
14a、b:加圧プレート(上)、(下)
15a、b:温調プレート(上)、(下)
16:フレーム
17:弾性板
20:離型ユニット
21:剥離ロール
22:補助ロール
22p:待機位置
23:剥離ロール回転手段
24:補助ロール回転手段
25:剥離ロール直動ガイド
26:ブラケット
28:プレート
29:位置検出器
30:ヒーターユニット
40:冷却ユニット
50:巻出ユニット
51:巻出ロール回転手段
52a〜d:ガイドロール
53:引出バッファ部
54:フィルム固定部
55:ボックス
56:吸引排気手段
57a、b:センサー
60:巻取ユニット
61:巻取ロール回転手段
62a〜d:ガイドロール
63:巻取バッファ部
64:搬送駆動ロール
65:フィルム固定部
66:ボックス
67:吸引排気手段
68a、b:センサー
200:制御装置
201:コントローラ
220:ダイヤルゲージ
300:成形面
H:クリアランス
L0:直動距離
L1:離型ロール回転開始位置から位置検出器までの距離
L2:位置検出器から回転停止までの距離

Claims (6)

  1. 微細凹凸形状が表面に形成された金型と、該金型の表面にフィルムを押圧するプレス装置と、該フィルムを搬送するための搬送装置と、該金型の表面からフィルムを離型するための離型装置とを、少なくとも含む間欠式フィルム成形装置において、前記離型装置がフィルムを剥離するための剥離ロールと、剥離ロールを回転駆動するための剥離ロール回転手段と、フィルムパスラインを挟んで剥離ロールと略平行に配された補助ロールと、フィルムを剥離ロールに抱き付かせるように剥離ロール周辺で補助ロールを移動させる補助ロール移動手段と、前記剥離ロールと前記補助ロールがフィルムを剥離ロールに抱きつかせる相対位置関係を保持したまま金型表面近傍を該表面に平行に直動させる案内ガイドと、前記両ロールの直動距離を制御する直動制御装置とを少なくとも備えたことを特徴とする間欠式フィルム成形装置。
  2. 前記直動制御装置が、前記両ロールの直動途中に設けた位置検知器と、前記剥離ロールの回転距離を制御する制御装置とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の間欠式フィルム成形装置。
  3. 微細凹凸が形成された金型表面の近傍に間欠的にフィルムを供給し、該金型表面に該フィルムを押圧することによりフィルム表面に微細凹凸を成形し、成形完了後に剥離ロールと、剥離ロールと略平行に配された補助ロールの両方のロールを回転させながら、フィルムを前記両ロールに抱きつかせた状態で、前記両ロールを金型表面近傍でフィルム搬送下流側から上流側に直動させてフィルムを離型する間欠式フィルム成形方法において、前記両ロールの直動距離がそれぞれ一定となるように制御することを特徴とする間欠式フィルム成形方法。
  4. 前記フィルムを金型から離型させる操作において、前記両ロールが移動中に所定位置に到達した後、前記両ロールの回転を停止させることなく連続的に制御を切り替えて、該所定位置から停止する位置までの直動距離を一定となるように制御することを特徴とする請求項3に記載の間欠式フィルム成形方法。
  5. 前記制御の切り替えが、前記剥離ロールに連結されたサーボモーターにおいて速度制御方式から位置制御方式に切り替えるものであることを特徴とする請求項4に記載の間欠式フィルム成型方法。
  6. 前記両ロールの直動を前記剥離ロールの回転駆動により行うことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の間欠式フィルム成形方法。
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