JP2009255411A - 微細形状転写シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレート板やニップロール及び緩衝材による傷がつかず、これらの表面粗さがシート状の樹脂基材に転写することなく微細形状が転写でき、さらに成形時のひずみによる平面性悪化を好適に抑制できる微細形状転写シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】微細形状転写シートの製造方法は、微細形状が表面に形成された金型3の表面にシート状の樹脂基材2を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を、加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に保護フィルムが積層されており、該保護フィルムが基材層と粘着層との2層積層体を含み、該粘着層が該シート状の樹脂基材に面しており、該2層積層体の粘着層側から測定した弾性率が130MPa以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】微細形状転写シートの製造方法は、微細形状が表面に形成された金型3の表面にシート状の樹脂基材2を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を、加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に保護フィルムが積層されており、該保護フィルムが基材層と粘着層との2層積層体を含み、該粘着層が該シート状の樹脂基材に面しており、該2層積層体の粘着層側から測定した弾性率が130MPa以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、微細形状転写シートの製造方法に関する。更に詳しくは、成形後にシート状の樹脂基材の光学特性低下を発生することなく、かつ成形後の平面性を損なうことのない微細形状転写シートの製造方法に関する。
従来、導光板、光拡散板、レンズ等の光学フィルムを製造する手段として、薄いフィルムなどのシート状の基材の表面に、金型の表面に設けた微細凹凸形状を転写するプレス成形方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。このようなプレス成形法では、プレート板によってシート状の基材を金型にプレスするに際し、プレート板の力をシート状の基材全面に均一に伝えることができず、転写ムラを起こすことがあった。
このような観点に基づいて、プレート板とシート状の樹脂基材の間に緩衝材を介してプレスすることが提案されている(特許文献3)。
また、ダイより押出したシート状の基材の表面にロール金型の表面に設けた微細凹凸形状をニップロールにより押圧転写する成形方法において、成形押圧時に別途樹脂フィルムや金属箔をニップロール側になるように供給することで、成形直後に発生するシート状の基材のニップロール側にあたる裏面凹凸が生じにくくなり、かつ樹脂シートや金属箔で支持することにより、成型直後に早期に冷却・固定でき下流工程での平面性悪化を抑制することが可能になることが記載されている。(特許文献4)
特開2005―199455号公報
特開2005―310286号公報
特開2004―288804号公報(段落0018)
特開2007―216505号公報
ところで、上述した特許文献1,2の提案では、使用するプレート板の表面粗さによっては、プレート板と接するシート状の樹脂基材表面に傷がついたり、プレート板の表面粗さがシート状の樹脂基材の非成形面に転写する問題が発生する。また特許文献3の提案では、ポリイミドフィルム、テフロン(登録商標)、シリコーンゴム、PETフィルム、ポリエチレンフィルム、NBR等を緩衝材に使用することが提案されているが、これら市販されている各種フィルムを緩衝材として使用した場合でも、緩衝材と接するシート状の樹脂基材表面に傷がついたり、緩衝材の表面粗さがシート状の樹脂基材の非成形面に転写する問題が発生する。上記のような微細凹凸形状が表面に形成されたプレート状金型へのプレート板の押圧によってシート状の樹脂基材へ微細形状を転写する成形方法のみでなく、例えば、ロール状の金型へのバックアップロール等の押圧によっても、バックアップロールの表面粗さがシート状の樹脂基材の非成形面に転写する問題が発生する。
また、上述した特許文献4の提案を加圧部材がプレート板である成形方法へ応用展開し、具体的には、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材とシート状の樹脂基材のプレート板側に樹脂シートや金属板を空気が噛まないよう溶融樹脂等を介して積層した状態で、シート状の樹脂基材を金型に押圧して樹脂基材の表面に微細形状を転写、早期の冷却・固定を行ったが、平面性悪化を完全に抑制することはできなかった。
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、プレスを実施してもプレート板やニップロール、及び緩衝材の表面粗さの大小に関わらず、プレート板やニップロール及び緩衝材と接する側のシート状の樹脂基材表面に傷がつかず、また、プレート板やニップロール及び緩衝材の表面粗さがシート状の樹脂基材に転写することなく転写成形することができ、さらに成形時のひずみによって生じる成形後の平面性悪化を好適に抑制できる微細形状転写シートの成形方法を提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の微細形状転写シートの製造方法は、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に保護フィルムが積層されており、該保護フィルムが基材層と粘着層との2層積層体を含み、該粘着層が該シート状の樹脂基材に面しており、該2層積層体の粘着層側から測定した弾性率が130MPa以下であることを特徴とするものである。
また、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に樹脂フィルムが積層されており、該シート状の樹脂基材と該樹脂フィルムとの間に空気層を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、プレスを実施してもプレート板やニップロール、及び緩衝材の加圧部材の表面粗さの大小に関わらず、加圧部材と接する側のシート状の樹脂基材表面に傷が付かなくなる。また、加圧部材の表面粗さがシート状の樹脂基材に転写することなく転写成形することができる。さらに成形時のひずみによって生じる成形後の平面性悪化を好適に抑制することができる。
以下、更に詳しく本発明の微細形状転写シートの製造方法について説明する。尚、本発明の微細形状転写シートの製造方法は、微細凹凸形状が表面に形成されたプレート状金型へのプレート板の押圧によってシート状の樹脂基材へ微細形状を転写する成形方法のみでなく、例えば、ロール状の金型へのニップロール等の押圧によって、シート状の樹脂基材へ微細形状を転写する成形方法であっても好適に適用が可能である。
まず、本発明の微細形状転写シートの第1の製造方法は、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面に保護層が積層されており、該保護フィルムが基材層と粘着層との2層積層体を含み、該粘着層が該シート状の樹脂基材に面しており、該2層積層体の粘着層側から測定した弾性率が130MPa以下であることを特徴とするものである。
尚、シート状の樹脂基材の非成形面側に保護フィルムを貼り合わせるのは、加圧部材によりシート状の樹脂基材を押圧する前に行われていればよい。さらに、貼り合わせが気泡等を噛み込むことなく好適に行われ、且つ保護フィルムをシート状の樹脂基材に貼り合わせるためのラミネーターの設置スペースの確保、貼り合わせ時の調整のし易さ等の理由で、シート状の樹脂基材を加圧部材により押圧する直前よりも金型の表面にシート状の樹脂基材を供給する前に実施した方が好ましい。ここで、「シート状の樹脂基材の非成形面」とは、加圧部材による押圧時に、金型と接触する面(成形面)とは反対側の面のことである。
また、シート状の樹脂基材は、加圧部材により金型に押圧されるときに加熱された状態であればよく、金型の表面に供給される前に加熱を開始されていてもよく、金型に供給された後に加熱を開始されてもよい。
本発明にかかる保護フィルム層は、基材層と粘着層との2層積層体を含むものである。保護層がこの2層積層体以外に他の層を含んでいてもいいし、この2層積層体のみであってもよい。
基材層と低弾性率を有する粘着層との2層積層体は、基材層である熱可塑性フィルムに低弾性率を有する特殊な粘着加工が施され耐熱性、接着性、再剥離性を有することが特徴である。このようなフィルムとしては、FPC材料のエッチング工程の支持体としてや金属箔の打ち抜き加工、コーティング加工時の保護および支持体として用いられているフィルムを使用することができる。
保護フィルム層が基材層を有することで、加圧部材により樹脂基材を金型に押圧して樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、プレート板、ニップロール、緩衝材等の加圧部材の表面粗さの大小を基材層が吸収して和らげ、加圧部材と接する側のシート状の樹脂基材表面に傷が付かなくなる。また、加圧部材の表面粗さも基材層が吸収して和らげ、シート状の樹脂基材に転写することなく転写成形することができる。
また、保護フィルム層が低弾性率の粘着層を有することで、加圧部材によって押圧される際に生じる加圧面内の圧力分布を緩和することができ、結果としてシート状の樹脂基材内の応力分布が緩和されるので、成形時のひずみを抑えることができ、ひずみに起因する平面性の悪化を抑えることができる。
基材層と粘着層との2層積層体は、ひずみの吸収を考慮すると後述する測定方法で定義される粘着層側から測定した弾性率が130MPa以下である必要がある。下限値に関しては特に規制され得ないが、弾性率が極端に低いとその剛性率も低く、加圧部材で押し圧される際に粘着層自体に変形が発生してしまうことを考慮すると好ましくは10MPa以上である。このような2層積層体としては、例えば、パナック(株)製の型番STの基材厚み38μm等が例示できる。
かかる基材層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。適度の耐熱性とコストを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材層が好ましい。
かかる低弾性率粘着層としては、公知のアクリル系、ゴム系、シリコーン系の粘着樹脂を使用することができる。
かかる低弾性率粘着層としては、公知のアクリル系、ゴム系、シリコーン系の粘着樹脂を使用することができる。
本発明の微細形状転写シートの第2の製造方法は、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に樹脂フィルムが積層されており、該シート状の樹脂基材と該樹脂フィルムとの間に空気層を有することを特徴とするものである。
樹脂フィルムを積層することで、加圧部材によりシート状の樹脂基材を金型に押圧してシート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、プレート板、ニップロール、緩衝材等の加圧部材の表面粗さの大小を樹脂フィルムが吸収して和らげ、加圧部材と接する側のシート状の樹脂基材表面に傷が付かなくなる。また、加圧部材の表面粗さも樹脂フィルムが吸収して和らげ、シート状の樹脂基材に転写することなく転写成形することができる。
また、空気層を有することで、加圧部材によって押圧される際に生じる加圧面内の圧力分布を緩和することができ、結果としてシート状の樹脂基材内の応力分布が緩和されるので、成形時のひずみを抑えることができ、ひずみに起因する平面性の悪化を抑えることができる。
なお、第1の製造方法と同様に、シート状の樹脂基材は、加圧部材により金型に押圧されるときに加熱された状態であればよく、金型の表面に供給される前に加熱を開始されていてもよく、金型に供給された後に加熱を開始されてもよい。
シート状の樹脂基材の非成形面側に積層される樹脂フィルムとは、押圧時、シート状の樹脂基材を加熱するため、加圧部材または金型を加熱する場合があるので、耐熱性に優れたものであれば特に指定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂やリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなるものである。適度の耐熱性とコストを考慮するとポリエチレンテレフタレートが好ましい。ここで、「該シート状の樹脂基材と該樹脂フィルムとの間に空気層を有する」状態とは、該シート状の樹脂基材と該樹脂フィルムの間に空気層が入り込める状態のことを言い、例えば、接着剤等を介しているため空気層が入り込めない状態や接着剤等がない場合でも、該シート状の樹脂基材と該樹脂フィルムが熱融着等により強度不問で密着しており、空気層が入り込めない状態の場合は、空気層を有するとは言えない。
本発明にかかるシート状の樹脂基材は、熱可塑性樹脂を主体とした薄板状物であればよく、後述する成形用の熱可塑性樹脂(以下、成形用熱可塑性樹脂)からなる単層体、支持体の片面に成形用熱可塑性樹脂を積層した2層積層体、支持体の一方の面に成形用熱可塑性樹脂を他方の面に成形用熱可塑性樹脂とは異なる樹脂を積層した3層積層体、支持体の両面に成形用熱可塑性樹脂を積層した3層積層体等がある。単層体は製膜上のハンドリング等に優れている。2層積層体は成形用熱可塑性樹脂を配した面とは反対側の面に易滑性、耐摩擦性などの表面特性や、機械的強度、耐熱性を付与することができる。また、高価な成形用熱可塑性樹脂の使用を減らせるので単層体と比較してコストも抑えられる。3層積層体は支持体の両面に樹脂が積層されるので成形後のカールが防止できる点から好ましい。特に支持体の両面に成形用熱可塑性樹脂を積層した3層積層体の場合、両面の樹脂の特性が同じであるからカールの防止が容易となり好ましい。ただし、シート状の樹脂基材の非成形面も成形し易い成形用熱可塑性樹脂であるため、非成形面にプレート板を直接接して押圧すると、非成形面の成形用熱可塑性樹脂に傷がついたり、プレート板の表面粗さが転写してしまうことがある。このような場合に本発明の成形方法が特に好ましく適用でき、非成形面の樹脂に傷や転写跡が着くのを防止することができる。また、成形熱可塑性樹脂からなる単層体や、2層積層体又は3層積層体における成形面の成形用熱可塑性樹脂からなる層には、本発明の効果を阻害しない範囲において成形用熱可塑性樹脂以外の成分が含まれていてもよい。また、シート状の樹脂基材の厚さは、好ましくは0.01〜3mmの範囲、より好ましくは0.01〜1mmの範囲である。0.01mm未満では成形するのに厚みが十分でない場合があり、3mmを超えると基材の剛性により搬送が難しくなる場合がある。
本発明にかかる成形用熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tgが好ましくは40〜180℃、より好ましくは50〜160℃、最も好ましくは50〜120℃の熱可塑性樹脂である。ガラス転移温度Tgが40℃未満であると成形品の耐熱性が低くなり形状が経時変化する場合がある。また、180℃を上回ると成形温度を高くせざるを得ないものとなりエネルギー的に非効率であり、またフィルムの加熱/冷却時の体積変動が大きくなりフィルムが金型に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる場合がある。成型用熱可塑性樹脂は、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなるものである。これらの中で共重合するモノマー種が多様であり、かつ、そのことによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましく、上述の熱可塑性樹脂が50重量%以上からなることがさらに好ましい。
本発明かかるシート状の樹脂基材の形成方法としては、例えば、単層体の場合、シート形成用材料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)が挙げられる。その他の方法として、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いで、かかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も挙げられる。
また、積層体の製造方法としては、支持体の樹脂と成形用熱可塑性樹脂をそれぞれ二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製した支持体に成形用熱可塑性樹脂を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、支持体と成形用熱可塑性樹脂で構成されたシートをそれぞれ別々に単膜作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、シート形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液をシート上に塗布する方法(コーティング法)等が挙げられる。また、積層体の場合にも上述の溶融ラミネート法、熱ラミネート法、コーティング法等を用いることができる。かかるシート状の樹脂基材は、下地調整材や下塗り材などの処理が施されたものであっても良い。また、他の機能をもった基材との複合体としての構成も好ましい。
また、本発明にかかるシート状の樹脂基材には、重合時もしくは重合後に各種の添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤、増粘剤、可塑剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。特に、離型剤として、長鎖カルボン酸、もしくは長鎖カルボン酸塩、などの低表面張力のカルボン酸やその誘導体、および、長鎖アルコールやその誘導体、変性シリコーンオイルなどの低表面張力のアルコール化合物等を重合時に少量添加することが好ましく行われる。
本発明にかかる金型は、その転写面に微細なパターンを有するものである。金型にパターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。金型の微細なパターンは、シート状の樹脂基材の表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。
本発明にかかるプレート板は、シート状の樹脂基材を金型にプレスしてシート状樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、シート状の樹脂基材を金型方向へ押し付ける役割をするものである。プレート板のフィルム押圧面側の平面度は10μm以下が好ましく、さらに好ましくは5μm以下である。また、シート状の樹脂基材をプレスする際に、シート状の樹脂基材を加熱・冷却できるように、プレート板には加熱・冷却制御ができる機能が付与されることもある。
本発明の微細形状転写シートの成形方法では、プレート板によりシート状の樹脂基材を金型に押圧するに際し、プレート板とシート状の樹脂基材の間に緩衝材を設けて押圧することが好ましい。プレート板とシート状の樹脂基材との間に緩衝材を設けることで、プレート板の力をシート状の樹脂基材全面に均一にかけることができるので、転写ムラを起こすことがなく好ましい。このように緩衝材を使用する場合においても、本発明の微細形状転写シートの成形方法によれば、緩衝材の表面粗さの大小に関わらず、緩衝材と接する側のシート状の樹脂基材表面に傷が付かず、また、緩衝材の表面粗さが転写することなく転写成形することができる。
本発明にかかる緩衝材は、プレート板によりシート状の樹脂基材を金型にプレスしてシート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、その成形性を満たすもの、ならびに押圧時プレートまたは金型を加熱する場合があるので、耐熱性に優れたものであれば、各種ゴム、各種フィルム等いずれでも良い。しかしながら、押圧前にシート状の樹脂基材の非成形面に本発明にかかる保護フィルムを貼り合わせずに押圧した場合、緩衝材の表面粗さがシート状の樹脂基材に転写してしまう。
本発明の微細形状転写シートの成形方法を実現するための成形装置について、以下図面に基づいて具体的に説明する。図面に沿って説明する成形装置は、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材をプレート板により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材が、その非成形面に弾性率が130MPa以下である粘着層と基材層の2層積層体を含む保護フィルムが貼り合わされた製造方法を実現するものである。
図1に、かかる本発明の微細形状転写シートの成形装置を、シート状の樹脂基材としてフィルムを用いた場合で、該フィルム幅方向から見た概略断面図を示す。
図1に示すように、本発明の微細形状転写シートの成形装置1は、プレスユニット10と、離型ユニット20と、ヒーターユニット30と、冷却ユニット40と、巻出ユニット50、押圧前保護フィルムラミネーターユニット90、押圧後保護フィルムラミネーターユニット100、巻取ユニット60から構成される。巻出ユニット50でロール状に巻き取られたフィルム2が、巻き出されて、事前にクリーナーロール69a、69bにて粉塵等を除去し、フィルム2の非成形面に保護フィルムが押圧前保護フィルムラミネーターユニット90にて貼り合わされ、プレスユニット10で金型3の微細凹凸形状が転写形成され、事前に再度クリーナーロール76a、76bにて粉塵等を除去し、フィルム2の成形面に保護フィルムが押圧後保護フィルムラミネーターユニット100にて貼り合わされ、巻取ユニット60によりロール状に巻き取られる。巻出ユニット50と巻取ユニット60は、上記のフィルムの搬送装置である。プレスユニット10は、加圧プレート(上)14aが支柱11をガイドにして昇降移動できるように、プレスシリンダー12に連結されている。支柱11はフレーム(上)16aとフレーム(下)16bに挟まれるように配設されている。加圧プレート(上)14aの下面には温調プレート(上)15aが取り付けられている。一方、加圧プレート(下)14bの上面には温調プレート(下)15bが取り付けられている。各温調プレートには、それぞれ、加熱ユニット30、冷却ユニット40が配管、配線等を介して接続されている。そして、金型3は温調プレート(下)15bの上側表面に取り付けられて、下側温調プレートを介して、加熱、冷却制御される。
なお、金型3は温調プレート(上)15aの下面に取り付けられてもよい。各プレートのフィルム押圧面側の平面度は10μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましい。プレスシリンダーは図示しない油圧ポンプとオイルタンクに接続されており、油圧ポンプにより加圧プレート(上)14aの昇降動作および、加圧力の制御を行う。また、本実施形態では油圧方式のプレスシリンダーを適用しているが、加圧力を制御できる機構であれば、いかなるものでもよい。圧力範囲は0.1MPa〜20MPaの範囲で制御できることが好ましく、1MPaで〜10MPaの範囲で制御できることがさらに好ましい。プレスシリンダーの昇圧速度は0.01MPa/s〜1MPa/sの範囲で制御できることが好ましく、0.05MPa/s〜0.5MPa/sの範囲で制御できることがさらに好ましい。本発明に用いられる金型3について説明する。
金型の転写面は、微細なパターンを有するものであり、金型に該パターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。該金型の微細なパターンは、フィルム表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。また、フィルムにある程度の厚みムラがあっても全面でムラなく成形できるように、温調プレート(下)15bの上側表面に金型3が取り付けられている場合には、温調プレート(上)15aとフィルム2の間に好ましくは緩衝材17を設置する。また、温調プレート(上)15aの下側表面に金型3が取り付けられている場合には、温調プレート(下)15bとフィルム2の間に好ましくは緩衝材17を設置する。該緩衝材17としては、プレート板によりシート状の樹脂基材を金型にプレスしてシート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、その成形性を満たすもの、ならびに押圧時プレートならびに金型を加熱する場合があるので、耐熱性に優れたものであれば、各種ゴム、各種フィルム等いずれでも良い。
次に、上記の離型装置たる離型ユニット20について説明する。図1に示したように、離型ユニットは剥離ロール21と補助ロール22から構成され、剥離ロール21には図示しない剥離ロール回転手段が接続されて、指定の回転数で回転制御される。剥離ロール回転手段は、回転数を制御できるものであればよいが、回転量を厳密に制御できるようにサーボモータがより好ましい。また、剥離ロール21が回転しながら、金型3の表面に略平行にスムーズに移動できるように、直動用の案内ガイド等が加圧プレート(下)14bの上面に取り付けられている。
一方、補助ロール22は、剥離ロール21の外表面に沿うように旋回できるように、上記の補助ロール移動手段たる補助ロール旋回手段が接続されている。補助ロール旋回手段は電磁モータ、空圧を利用したアクチュエータ等、補助ロールを剥離ロールの周辺でその外周に沿って昇降移動させうるものであればいかなるものでもよい。そして、補助ロールの両端はロール軸心を中心に自在に回転できるように取り付けられている。
実際にフィルムを金型表面から離型し、さらに、次に成形するフィルムの供給動作を説明する。
離型動作前は、巻取側端位置で補助ロール22を剥離ロール21のほぼ上方まで移動させる。その後、剥離ロール回転手段により剥離ロールを回転させる。剥離ロールは回転とともに、金型3の表面に沿ってフィルム巻出側へ直進移動し、同時に金型に貼り付いたフィルムを剥離ロールに抱きつかせながら離型していく。金型の全領域でフィルムの離型が完了すると、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけながら、下流側にある搬送駆動ロールを回転させてフィルムを引っ張る。すると、剥離ロールと補助ロールにフィルムが抱きついた状態で、剥離ロールと補助ロールのユニットがフィルム巻取側へ直進移動する。
剥離ロールが巻取側の端位置まで戻ったら、補助ロール旋回手段により、補助ロールを剥離ロールのほぼ下方に旋回移動させて、フィルムを開放する。上記の剥離動作は剥離ロールの回転速度に依存し、剥離速度はロールの周速とほぼ同速度で行える。そのため、厳密に剥離動作を制御することが可能となり、あらゆる成型材料、条件に対してもスムーズな剥離条件を容易に作り出すことができる。
また、離型ユニットの別の実施形態について説明する。上記で説明した構成に加えて、剥離ロールにリニアモーター、電磁シリンダー、空圧シリンダー等の剥離ロール直動手段を連結する。フィルムを剥離する場合は、剥離ロール回転手段に一定トルクを保持させながら、剥離ロール直動手段を駆動して、離型ユニットを巻出側へ移動させながら剥離を行う。剥離動作が完了すれば、上記と同様に剥離ロールの回転を止めた状態で、下流側にある搬送駆動ロールを回転させて、フィルムを引っ張る。
次に、加熱ユニット30について説明する。加熱ユニット30は温調プレート(上)、(下)15a、15bをアルミ合金とし、プレート内に鋳込んだ電熱ヒーターにより制御するものが良い。また、温調プレート内に鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは、機械加工により加工した穴の内部に温調された熱媒体を流すことにより加熱制御するものでもよい。さらには両者を組み合わせた装置構成でもよい。
熱媒体としてはバーレルサーム(松村石油(株))、NeoSK−OIL(綜研テクニックス(株))等が良く、また、100℃以上に加熱された水を循環させてもよい。そして、効率良く伝熱ができるように、配管内部のレイノズル数が1.0×104〜12×104の範囲になることが好ましい。
また、鋳込みヒーター、カートリッジヒーター等にする場合は、温調プレートを分割制御できることが好ましい。
温調プレートは昇温中、降温中、一定温調中のすべてにおいて、レンジで10℃以内、さらに好ましくは5℃以内の温度分布におさまることが好ましい。
また、金型に直接、熱媒配管ラインを加工し、金型を直接温調するようにしてもよい。
次に、冷却ユニット40について説明する。冷却ユニットは温調プレート(上)(下)15a、15bに鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは機械加工により加工した穴の内部に温調された冷媒体を流すことにより冷却制御する。
冷媒体としては、水が最適であるが、エチレングリコール溶液などでもよい。温度は10℃〜50℃の範囲が好ましく、効率良く伝熱できるように、配管内でのレイノズル数が1.0×104〜12×104の範囲になることが好ましい。
フィルム搬送装置たる巻出ユニット50、巻取ユニット60について説明する。巻出ユニット50は巻出ロール回転手段51と、ガイドロール52a〜52dと、引出バッファ部53と、フィルム固定部54から構成される。巻取ユニット60は巻取ロール回転手段61と、ガイドロール62a〜62cと、巻取バッファ部63と、搬送駆動ロール64と、フィルム固定部65から構成される。
引出バッファ部53、巻取バッファ部63はそれぞれボックス55、66とこれらに接続された吸引排気手段56、67から構成される。吸引排気手段56、67は真空ポンプ等、エアーを吸引、排気できるものであれば良く、ボックス内のエアーを排気することにより、ボックス内に挿入されたフィルムの表裏面で圧力差を与えることにより、一定の張力を付与したりボックス内でフィルムを弛ませたりして保持する。ボックス内に挿入されるフィルムの長さは、フィルムを成形する前後で間欠的に搬送するフィルム長さ分が適当である。さらに、ボックス55、66内にはセンサー57a、57b、68a、68bが取り付けられている。センサーは所定位置でフィルムを検知できるものであればよい。上記した離型ユニットによりフィルムが離型、搬送されて、ボックス内でセンサー検知位置からフィルムが外れたときに、上下流の巻出ロール回転手段51、あるいは巻取ロール回転手段61を駆動して、フィルムを巻き出し、あるいは巻き取り、常に、ボックス内で所定位置にフィルムを張ったり、弛ましておくことができる。
また、フィルム固定部54、65は表面に吸引孔が形成された平板であることが好ましいが、さらに、クリップでフィルムを挟む機構のもの、あるいは、これらを組み合わせたものでもよい。
フィルム固定部54、65はプレス動作を行うときは両方とも作動させる。そして、フィルムを離型するときはフィルム固定部54を作動させてフィルムを固定し、フィルム固定部65が開放させることが好ましい。また、フィルムを供給するときはフィルム固定部54、65を両方とも開放することが好ましい。
搬送駆動ロール64は図示しないがモータ等の回転駆動手段に連結されて、フィルム搬送時にはニップロール64aが搬送駆動ロール64に近接し、フィルムを挟み、搬送駆動ロール64にてトルク制御を行いながらフィルムを一定張力のもとで搬送する。
押圧前のフィルム2の非成形面に保護フィルムを貼り合わせる押圧前保護フィルムラミネーターユニット90、ならびに押圧後のフィルム2の成形面に保護フィルムを貼り合わせる押圧後保護フィルムラミネーターユニット100について説明する。押圧前保護フィルムラミネーターユニット90は駆動ロール82、82aとラミネーター前の粉塵等の除去を目的とするクリーナーロール69a、69bとクリーナーロールに付着した粉塵等をさらに除去する補助クリーナーロール70a、70bとラミネート部74a、74bと保護フィルム巻出し部71と保護フィルムのセパレーター等を巻き上げる巻き上げ部72から構成される。
保護フィルム巻出し部71には巻径検知トルク制御により張力を一定化させており、また、フィルム2の張力は引出バッファ部53と駆動ロール82、82aで調整している。尚、クリーナーロールにはニップ圧調整機能が付いており、クリーナーロールでのシワ等を防ぐことが出きる。押圧後保護フィルムラミネーターユニット100は、ラミネーター前の粉塵等の除去を目的とするクリーナーロール76a、76bとクリーナーロールに付着した粉塵等をさらに除去する補助クリーナーロール75a、75bとラミネート部81a、81bと保護フィルム巻出し部77、79と保護フィルムのセパレーターを巻き上げる巻き上げ部78、80から構成される。保護フィルム巻出し部77、79には巻径検知トルク制御により張力を一定化させており、また、フィルム2の張力は巻取バッファ部63と巻取ロール回転手段61で調整している。尚、クリーナーロールにはニップ圧調整機能が付いており、クリーナーロールでのシワ等を防ぐことができる。
図1の微細形状転写シートの成形装置1では、金型3の表面に供給される前のフィルム2に対して保護フィルムを貼り合わせる位置に押圧前保護フィルムラミネーターユニット90が配置されているが、金型3の表面に供給されてから押圧される前のフィルム2に対して保護フィルムを貼り合わせる機構を設けてもよい。
尚、上記本発明にかかる微細形状転写シートの成形装置の構造は一例であり、適宜必要な機能を保有する構成装置を追加してもよい。
また、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材をプレート板により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、プレート板により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に樹脂フィルムを空気層が有するようさらに積層したものであることを特徴とする製造方法の場合は、保護フィルム巻き出し部71に保護フィルムの代わりに樹脂フィルムを設置し、押圧後保護フィルムラミネーターユニット100よりも上流側で樹脂フィルムを剥離する機構を設けること以外は、微細形状転写シートの成形装置1と同様の成形装置で成形することができる。
次に、微細形状転写シートの成形装置1による一連のフィルム成形動作について説明する。図2と図3は、本発明の装置を用いてロール状の連続フィルムを間欠成形する動作をフィルム幅方向から見た概略断面図であり、以下に説明するプロセス(A)〜(K)の流れで成形するものである。
(A)あらかじめ、金型3をプレスユニット10にセットした後、フィルム2を巻出ユニット50にセットし、フィルム2の巻出部を引き出し、ガイドロール、押圧前保護フィルムラミネーターユニット90を経由し、プレスユニット内の金型の表面に沿わせ、さらに、離型ユニット20、押圧後保護フィルムラミネーターユニット100を経由して、巻取ユニット60で巻き取る。あわせて、押圧前後の保護フィルムも各ユニットの巻出し部へ設置し準備しておく(図2(a)参照)。
(B)次に、加熱ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bをともに成型温度まで上昇させる。
(C)プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)15aを下降させて、金型3の表面と温調プレート(上)との間に押圧前保護フィルムラミネーターユニット90でフィルムの非成形面に保護フィルムが貼り合わされたフィルムを挟むようにプレスする。このとき、フィルム固定部54および65を作動させてフィルムを固定しておく。温度、プレス圧力昇圧速度、加圧時間等の条件は、フィルムの材質、転写形状、特に凹凸のアスペクト比等に依存する。概ね、成形温度は100〜180℃、プレス圧力は1〜10MPa、成形時間が1秒〜60秒、昇圧速度は0.05MPa/s〜1MPa/sの範囲で設定される(図2(b)参照)。
(D)加熱しながらのプレスを完了した後、冷却ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bを降温させる。なお、冷却中もプレス加圧を継続していることが好ましい。冷却温度は金型表面の温度がフィルムを離型するのに十分に冷却されるように設定される。例えば、金型3の表面温度がフィルムのガラス転移点以下まで冷却を行うのが良い。
(E)冷却完了後、プレス圧力を開放して、温調プレート(上)15aを離型ユニット20がプレス装置内を水平移動させるのに十分なスペースを確保できる位置まで上昇させる(図2(c)参照)。
(F)温調プレート(上)15aが上昇を完了した後、フィルム固定部65を開放して、補助ロール旋回手段を駆動して、補助ロール22を剥離ロール21の上部まで旋回移動させて、フィルム2を剥離ロール21、補助ロール22に抱きつかせる(図2(d)参照)。
(G)その後、剥離ロール21をフィルム表面で23aの方向に回転させる。剥離ロール21は、フィルム表面との摩擦力により回転と同時に23bの方向に移動する。移動はプレス装置の加圧プレートに設けた剥離ロール直動ガイドに案内されながら移動する。この時に、金型表面に密着したフィルムが良好に離型される(図3(e)参照)。
(H)金型3の巻出側端部まで剥離が完了すると、剥離ロールの回転を停止する(図3(f)参照)。
(I)その後、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけて、フィルム固定部54を開放して、搬送駆動ロール64、82、82aを回転させることにより、剥離ロール21と補助ロール22が相対位置を維持したまま、巻取側へ移動する。このとき、巻出側から新しいフィルムを引き出し、押圧前保護フィルムラミネーター90でフィルムの非成形面に保護フィルムを貼り合わせるとともに、成形したフィルムは巻取側に送り出される(図3(g)参照)。
(J)フィルムの引き出しが終わると、フィルム固定部54でフィルムを固定した後、補助ロールがもとの位置まで旋回して戻り、フィルム固定部65でフィルムを固定する。新しいフィルムが供給されることにより、あらかじめ引出バッファ部53で張力をかけていたフィルムが巻き取り側に引き出されるが、センサー57bによりフィルムが検知する位置まで、巻出ロール回転手段を作動させて、巻出ロールから新たなフィルムが引出バッファ部に供給される。一方、成型が完了したフィルムが送り出されると、送り出された長さ相当のフィルムは、一時的に巻取バッファ部63で保留され、センサー68aでフィルムを検知しなくなるまで、すなわち、新たに溜まった分の長さ相当のフィルムを、巻取ロール回転手段を作動させ、押圧後保護フィルムラミネーターユニット100でフィルムの成形面に保護フィルムを貼り合わせるとともに巻き取る(図3(h)参照)。
(K)フィルムの離型が完了すると同時に、またはその直前から温調プレート(上)(下)の加熱を開始する。そして、プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)をフィルムの上面付近まで下降させておく。
昇温が完了した後にプレス成形を行い、上述した(C)からの動作を繰り返す。
上記の(F)〜(H)の動作により、スムーズな離型動作を間欠式フィルムの成形サイクルに組み込むことが可能となり、離型跡の少ない高品質な成形フィルムを生産できる。
また、上記の(I)の動作により、次サイクルで成形するフィルムを素早くフィルムの非成形面に保護フィルムを貼り合わせ、フィルムプレスユニット内に供給することができるので、高い生産性で間欠的フィルム成形を実現できる。そして、両者のフィルムの離型動作、供給動作を組み合わせることにより、高品質な成形フィルムを高い生産性で生産できる。
(1)弾性率の測定法
ダイヤルゲージ(三豊製作所製)に標準測定子(No900030 先端断面積0.5mm2)を取り付け、ダイヤルゲージスタンド(No7001DGS−M)に設置する。ダイヤルゲージ押さえ部分に荷重をかけないときの測定対象物の厚みをd0、300gの荷重をかけたときの厚みをd300として下記式で求める。基材層と粘着層との2層積層体の場合は粘着層側に荷重をかけて測定した。尚、測定値は4個の測定対象物をそれぞれ3回ずつ測定した値の平均値として求めた。
・弾性率(MPa)=5.9/{(d0―d300)/d0}。
(2)表面粗さの測定法
レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK9700)を用いて、成形後のシート状の樹脂基材の非成形面を1000倍で観察し、中心線平均粗さRaを測定した。測定はJIS 1994 B 0601に基づいて測定した。各サンプルについて1回、3サンプルについて測定した計3回の測定値の平均値を表面粗さの値とした。
レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK9700)を用いて、成形後のシート状の樹脂基材の非成形面を1000倍で観察し、中心線平均粗さRaを測定した。測定はJIS 1994 B 0601に基づいて測定した。各サンプルについて1回、3サンプルについて測定した計3回の測定値の平均値を表面粗さの値とした。
(3)ヘイズの測定法
濁度計(日本電色工業製NDH 2000)を用いて、成形後のシート状の樹脂基材の非成形面のヘイズを測定した。測定はJIS K7105に基づいて測定した。各サンプルについて1回、3サンプルについて測定した計3回の測定値の平均値をヘイズの値とした。
濁度計(日本電色工業製NDH 2000)を用いて、成形後のシート状の樹脂基材の非成形面のヘイズを測定した。測定はJIS K7105に基づいて測定した。各サンプルについて1回、3サンプルについて測定した計3回の測定値の平均値をヘイズの値とした。
(4)平面性の評価方法
成形後のシート状の樹脂基材の成形面を上にして、水平な金属製等のテーブルに静置する。静電気等によるテーブルへの密着がないよう、十分除電した状態で目視確認を行った。
各サンプルについて1回ずつ目視確認を行った。
成形後のシート状の樹脂基材の成形面を上にして、水平な金属製等のテーブルに静置する。静電気等によるテーブルへの密着がないよう、十分除電した状態で目視確認を行った。
各サンプルについて1回ずつ目視確認を行った。
〔実施例1〕
(1)金型サイズ:500mm(フィルム幅方向)×800mm(フィルム走行方向)×20mm(厚み)。
(2)金型:緩衝材と接する側のフィルム表面の状態を確認しやすくするため、形状のない平板を使用。
(3)微細形状:形状なし。
(4)プレス装置:最大3000kNまで加圧できるもので、加圧は油圧ポンプによってされる。プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の温調プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。なお、金型は下側の温調プレート上面に取り付けられている。加熱装置は熱媒循環装置で、熱媒はバーレルサーム#400(松村石油株式会社製)で、150℃に加熱したものを100L/minの流量で流す。また、冷却装置は冷却水循環装置で、20℃に冷却された水を150L/minの流量で流すものである。
(5)緩衝材:上側の温調プレートに、厚み0.25mmの白色のPETフィルム(東レ株式会社製 ルミラー(登録商標)E6SL E6SL表面粗さRa0.22μm)を貼り付ける。
(6)離型装置:図1に示したものと同じ構成で剥離ロールと補助ロールを組み合わせたものを使用した。
(7)シート状の樹脂基材:厚みが38μm、層構成は3層構成〔両層:低融点のポリエチレンテレフタレート(Tg85℃)、中心層:ポリエチレンテレフタレート)、幅は520mmである。プレス開放時の緩衝材とシート状の樹脂基材の非成形面との密着防止や、シート状の樹脂基材の成形面が金型へ強密着することを防止するため、シート状の樹脂基材の両層表面には離型コートが施されている。
(8)保護層:粘着層と基材層の2層構成である保護フィルム(パナック(株)製 (登録商標)ST 基材層:ポリエステル、基材層厚み:38μm、粘着層:粘着層厚み:7μm)
(9)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成形を行った。あらかじめ、シート状の樹脂基材と保護フィルムを巻出装置から押圧前の保護フィルムラミネーターを経由し、巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。押圧前の保護フィルムラミネーターによって、シート状の樹脂基材の非成形面と保護フィルムの粘着層とを貼り合わせる。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で7MPaで、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動して、フィルムを離型する。
(10)上記の動作を繰り返し、成形フィルムを作成した。非成形面の保護フィルムを剥離させた後の非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して、変化のない状態であり、また、平面性悪化のない状態であった。
(1)金型サイズ:500mm(フィルム幅方向)×800mm(フィルム走行方向)×20mm(厚み)。
(2)金型:緩衝材と接する側のフィルム表面の状態を確認しやすくするため、形状のない平板を使用。
(3)微細形状:形状なし。
(4)プレス装置:最大3000kNまで加圧できるもので、加圧は油圧ポンプによってされる。プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の温調プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。なお、金型は下側の温調プレート上面に取り付けられている。加熱装置は熱媒循環装置で、熱媒はバーレルサーム#400(松村石油株式会社製)で、150℃に加熱したものを100L/minの流量で流す。また、冷却装置は冷却水循環装置で、20℃に冷却された水を150L/minの流量で流すものである。
(5)緩衝材:上側の温調プレートに、厚み0.25mmの白色のPETフィルム(東レ株式会社製 ルミラー(登録商標)E6SL E6SL表面粗さRa0.22μm)を貼り付ける。
(6)離型装置:図1に示したものと同じ構成で剥離ロールと補助ロールを組み合わせたものを使用した。
(7)シート状の樹脂基材:厚みが38μm、層構成は3層構成〔両層:低融点のポリエチレンテレフタレート(Tg85℃)、中心層:ポリエチレンテレフタレート)、幅は520mmである。プレス開放時の緩衝材とシート状の樹脂基材の非成形面との密着防止や、シート状の樹脂基材の成形面が金型へ強密着することを防止するため、シート状の樹脂基材の両層表面には離型コートが施されている。
(8)保護層:粘着層と基材層の2層構成である保護フィルム(パナック(株)製 (登録商標)ST 基材層:ポリエステル、基材層厚み:38μm、粘着層:粘着層厚み:7μm)
(9)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成形を行った。あらかじめ、シート状の樹脂基材と保護フィルムを巻出装置から押圧前の保護フィルムラミネーターを経由し、巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。押圧前の保護フィルムラミネーターによって、シート状の樹脂基材の非成形面と保護フィルムの粘着層とを貼り合わせる。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で7MPaで、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動して、フィルムを離型する。
(10)上記の動作を繰り返し、成形フィルムを作成した。非成形面の保護フィルムを剥離させた後の非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して、変化のない状態であり、また、平面性悪化のない状態であった。
〔実施例2〕
金型サイズ、金型、微細形状、プレス装置、緩衝材、シート状の樹脂基材、離型装置は、実施例1と同様にして評価を行った。
(1)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成形を行った。あらかじめ、シート状の樹脂基材と樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)T60 厚み38μm)を巻出装置から押圧前の保護フィルムラミネーターを経由し、巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。押圧前の保護フィルムラミネーターによって、シート状の樹脂基材の非成形面に樹脂フィルムを、空気層を有するように積層した。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で7MPa、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動して、フィルムを離型する。
(2)上記の動作を繰り返し、成形フィルムを作成した。非成形面の樹脂フィルムを剥離させた後の非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して、変化のない状態であり、また、端部のごく一部のみに平面性悪化が見られるが、使用可能レベルと判断できる。
金型サイズ、金型、微細形状、プレス装置、緩衝材、シート状の樹脂基材、離型装置は、実施例1と同様にして評価を行った。
(1)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成形を行った。あらかじめ、シート状の樹脂基材と樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)T60 厚み38μm)を巻出装置から押圧前の保護フィルムラミネーターを経由し、巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。押圧前の保護フィルムラミネーターによって、シート状の樹脂基材の非成形面に樹脂フィルムを、空気層を有するように積層した。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で7MPa、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動して、フィルムを離型する。
(2)上記の動作を繰り返し、成形フィルムを作成した。非成形面の樹脂フィルムを剥離させた後の非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して、変化のない状態であり、また、端部のごく一部のみに平面性悪化が見られるが、使用可能レベルと判断できる。
〔比較例1〕
押圧前の保護フィルムラミネーターを動作させず、シート状の樹脂基材の非成形面に保護フィルムを貼り合わせないこと以外は実施例1と同様の成形装置、成形方法にて成形フィルムを作成した。保護フィルムを貼り合わせていない非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して表面粗さ(Ra)が約3倍、ヘイズが約40倍になる変化があった。また、平面性悪化は全面に見られた。
押圧前の保護フィルムラミネーターを動作させず、シート状の樹脂基材の非成形面に保護フィルムを貼り合わせないこと以外は実施例1と同様の成形装置、成形方法にて成形フィルムを作成した。保護フィルムを貼り合わせていない非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して表面粗さ(Ra)が約3倍、ヘイズが約40倍になる変化があった。また、平面性悪化は全面に見られた。
〔比較例2〕
金型サイズ、金型、微細形状、プレス装置、緩衝材、離型装置は、実施例1と同様にして評価を行った。
(1)シート状の樹脂基材:厚みが38μm、層構成は3層構成〔両層:低融点のポリエチレンテレフタレート(Tg85℃)、中心層:ポリエチレンテレフタレート)。上記シート状の樹脂基材の非成形面側に予め離型コートが施され、さらに同一面に厚み38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を溶融押出し積層しておく。幅は520mmである。尚、プレス開放時の緩衝材とシート状の樹脂基材の非成形面との密着防止や、シート状の樹脂基材の成形面が金型へ強密着することを防止するため、成形面側の低融点ポリエチレンテレフタレート面と非成形面側の溶融押出し積層された38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂表面に離型コートが施されている。つまり、離型コート/シート状の樹枝基材/離型コート/溶融押出し積層されたポリエチレンテレフタレート樹脂/離型コートの層構成となっている。
(2)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成形を行った。あらかじめ、上記(1)のフィルムを巻出装置から押圧前の保護フィルムラミネーターを経由し、巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。保護フィルムラミネーターは動作させない。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で7MPaで、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動して、フィルムを離型する。
(3)上記の動作を繰り返し、成形フィルムを作成した。非成形面の溶融押出しにて積層したポリエチレンテレフタレート樹脂を剥離させた後の非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して、変化のない状態であるが、平面性悪化は全面に見られた。
金型サイズ、金型、微細形状、プレス装置、緩衝材、離型装置は、実施例1と同様にして評価を行った。
(1)シート状の樹脂基材:厚みが38μm、層構成は3層構成〔両層:低融点のポリエチレンテレフタレート(Tg85℃)、中心層:ポリエチレンテレフタレート)。上記シート状の樹脂基材の非成形面側に予め離型コートが施され、さらに同一面に厚み38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を溶融押出し積層しておく。幅は520mmである。尚、プレス開放時の緩衝材とシート状の樹脂基材の非成形面との密着防止や、シート状の樹脂基材の成形面が金型へ強密着することを防止するため、成形面側の低融点ポリエチレンテレフタレート面と非成形面側の溶融押出し積層された38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂表面に離型コートが施されている。つまり、離型コート/シート状の樹枝基材/離型コート/溶融押出し積層されたポリエチレンテレフタレート樹脂/離型コートの層構成となっている。
(2)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成形を行った。あらかじめ、上記(1)のフィルムを巻出装置から押圧前の保護フィルムラミネーターを経由し、巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。保護フィルムラミネーターは動作させない。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で7MPaで、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動して、フィルムを離型する。
(3)上記の動作を繰り返し、成形フィルムを作成した。非成形面の溶融押出しにて積層したポリエチレンテレフタレート樹脂を剥離させた後の非成形面の表面粗さ、ヘイズを測定した結果、プレス処理を施していないシート状の樹脂基材と比較して、変化のない状態であるが、平面性悪化は全面に見られた。
1:微細形状転写シートの成形装置
2:シート状の樹脂基材
3:金型
10:プレスユニット
11:支柱
12:プレスシリンダー
13:昇降ガイド
14a、b:加圧プレート(上)、(下)
15a、b:プレート板(温調プレート)(上)、(下)
16:フレーム
17:緩衝材
20:離型ユニット
21:剥離ロール
22:補助ロール
30:ヒーターユニット
40:冷却ユニット
50:巻出ユニット
51:巻出ロール回転手段
52a〜d:ガイドロール
53:引出バッファ部
54:フィルム固定部
55:ボックス
56:吸引排気手段
57a、b:センサー
60:巻取ユニット
61:巻取ロール回転手段
62a〜d:ガイドロール
63:巻取バッファ部
64:搬送駆動ロール
65:フィルム固定部
66:ボックス
67:吸引排気手段
68a、b:センサー
69a、b:クリーナーロール
70a、b:補助クリーナーロール
71:保護フィルム巻き出し部
72:セパレーター巻き上げ部
73:ガイドロール
74a、b:ラミネート部
75a、b:補助クリーナーロール
76a、b:クリーナーロール
77、79:保護フィルム巻き出し部
78、80:セパレーター巻き上げ部
81a、b:ラミネート部
90:押圧前保護フィルムラミネーターユニット
100:押圧後保護フィルムラミネーターユニット
2:シート状の樹脂基材
3:金型
10:プレスユニット
11:支柱
12:プレスシリンダー
13:昇降ガイド
14a、b:加圧プレート(上)、(下)
15a、b:プレート板(温調プレート)(上)、(下)
16:フレーム
17:緩衝材
20:離型ユニット
21:剥離ロール
22:補助ロール
30:ヒーターユニット
40:冷却ユニット
50:巻出ユニット
51:巻出ロール回転手段
52a〜d:ガイドロール
53:引出バッファ部
54:フィルム固定部
55:ボックス
56:吸引排気手段
57a、b:センサー
60:巻取ユニット
61:巻取ロール回転手段
62a〜d:ガイドロール
63:巻取バッファ部
64:搬送駆動ロール
65:フィルム固定部
66:ボックス
67:吸引排気手段
68a、b:センサー
69a、b:クリーナーロール
70a、b:補助クリーナーロール
71:保護フィルム巻き出し部
72:セパレーター巻き上げ部
73:ガイドロール
74a、b:ラミネート部
75a、b:補助クリーナーロール
76a、b:クリーナーロール
77、79:保護フィルム巻き出し部
78、80:セパレーター巻き上げ部
81a、b:ラミネート部
90:押圧前保護フィルムラミネーターユニット
100:押圧後保護フィルムラミネーターユニット
Claims (8)
- 微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、
加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に保護フィルムが積層されており、該保護フィルムが基材層と粘着層との2層積層体を含み、該粘着層が該シート状の樹脂基材に面しており、該2層積層体の粘着層側から測定した弾性率が130MPa以下である微細形状転写シートの製造方法。 - 前記加圧部材により前記シート状の樹脂基材を押圧する前に、該シート状の樹脂基材の非成形面側に前記保護フィルムを積層する請求項1に記載の微細形状転写シートの製造方法。
- 前記金型の表面に前記シート状の樹脂基材を供給する前に、該シート状の樹脂基材の非成形面側に前記保護フィルムを積層する請求項1に記載の微細形状転写シートの製造方法。
- 微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、加熱された状態のシート状の樹脂基材を加圧部材により金型に押圧し、シート状の樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの製造方法であって、
加圧部材により押圧されるシート状の樹脂基材の非成形面側に樹脂フィルムが積層されており、該シート状の樹脂基材と該樹脂フィルムとの間に空気層を有する微細形状転写シートの製造方法。 - 前記加圧部材により前記シート状の樹脂基材を押圧する前に、該シート状の樹脂基材の非成形面側に前記樹脂フィルムを積層する請求項4に記載の微細形状転写シートの製造方法。
- 前記金型の表面に前記シート状の樹脂基材を供給する前に、該シート状の樹脂基材の非成形面側に前記樹脂フィルムを積層する請求項4に記載の微細形状転写シートの製造方法。
- 前記加圧部材が、ロール又はプレート板である請求項1〜6のいずれかに記載の微細形状転写シートの製造方法。
- 前記加圧部材がプレート板であり、該プレート板により前記シート状の樹脂基材を前記金型に押圧するに際し、緩衝材を介してプレート板によりシート状の樹脂基材を金型に押圧する請求項1〜6のいずれかに記載の微細形状転写シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008107589A JP2009255411A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | 微細形状転写シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008107589A JP2009255411A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | 微細形状転写シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009255411A true JP2009255411A (ja) | 2009-11-05 |
Family
ID=41383475
Family Applications (1)
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JP2008107589A Pending JP2009255411A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | 微細形状転写シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009255411A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011090139A1 (ja) * | 2010-01-21 | 2011-07-28 | Jsr株式会社 | 樹脂成形体 |
-
2008
- 2008-04-17 JP JP2008107589A patent/JP2009255411A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011090139A1 (ja) * | 2010-01-21 | 2011-07-28 | Jsr株式会社 | 樹脂成形体 |
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