JP2013213313A - 水栓 - Google Patents

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Koji Nakada
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Abstract

【課題】ハンドルの操作部と被操作部に対する連結部とが軸方向に大きく離隔している場合であっても、ハンドルが連結部を支点として傾斜したり或いは撓み変形したりし、またがたつきを生じる問題を解決し得る水栓を提供する。
【解決手段】操作部158と、水栓本体14側に延び出して操作力を水栓本体14側の駆動軸(被操作部)140に伝達する伝達軸部160とを有する回転式の温調ハンドル38を、操作部158とは軸方向に離隔した、伝達軸部160の先端部で駆動軸140に連結する状態に組み付けるに際して、筒状のハンドル支持部材178を、軸方向の一端側で水栓本体14に締結固定して、ハンドル支持部材178を水栓本体14から操作部158側に且つ伝達軸部160を内部に嵌入させる状態に延び出させ、ハンドル支持部材178にて内部の伝達軸部160を支持するようになす。
【選択図】 図10

Description

この発明は水栓に関し、特に混合水栓の温調(温度調節)ハンドルや切替ハンドル等のハンドルの組付構造に特徴を有するものに関する。
従来、水栓のハンドル組付構造として、回転式のハンドルに操作部と、その操作部から水栓本体側に延び出した、操作力を伝達する伝達軸部とを備え、その伝達軸部の先端部を水栓本体側の被操作部に連結する状態にハンドルを組み付ける構造が広く用いられている。
例えば混合水栓にあっては、温調(温度調節)ハンドルの組付構造として、温調ハンドルに操作部と伝達軸部とを備え、その伝達軸部の先端部を水栓本体側の温調弁(温度調節弁)ユニットの駆動軸(被操作部)に連結する状態に温調ハンドルを組み付ける構造が用いられている。
同様にカラン側の吐水口からの吐水とシャワーエルボからの吐水等、吐水先を切替操作する切替ハンドルの組付構造として、その切替ハンドルに操作部と伝達軸部とを備え、その伝達軸部の先端部を水栓本体側の切替弁ユニットの駆動軸(被操作部)に連結する状態に切替ハンドルを組み付ける構造が用いられている。
これらの場合において、通常は伝達軸部の先端部と駆動軸とをセレーション嵌合することで、伝達軸部と駆動軸とを一体回転状態に連結する。
ところでこのようなハンドルの組付構造において、ハンドルの操作部と伝達軸部の先端部、つまり水栓本体側の被操作部に対する連結部とが軸方向に大きく離隔してしまうことがある。
例えば金属製の水栓本体をカバーで覆って成るカバー付きの水栓でこのようなことが生じることがある。
従来の混合水栓の場合、水栓本体における金属製の鋳物製の本体ボデーがそのまま水栓の外観を成しており、そこで水栓の意匠性を高めるべく、従来にあっては一般に本体ボデー外面にメッキを施して外面を美麗に仕上げることを行っている。
しかしながらこの場合、良好な外観を実現するために本体ボデーに余剰の肉を付けて外面をフラットとし、研磨処理を施した上でメッキ処理することとなるため、本体ボデーが必然的に重くなって施工作業がしづらくなり、また鋳物材料の使用量も多くなるとともに、研磨及びメッキ処理の工程が必要となってコストも高くなってしまう。
また使用者が本体ボデーに触れたときの火傷防止などのために、本体ボデーにウォータージャケット構造を設けて、そこに水を巡らすようにしており、そのウォータージャケット構造のために本体ボデーの構造が複雑化し、また重量も重くなってしまう。
このような事情の下で、水栓本体をカバーで覆い、水栓をカバー付き水栓として構成することも従来行われている。
例えば下記特許文献1,特許文献2にこのようなカバー付き水栓が開示されている。
このようなカバー付き水栓では上記した問題を解決することができる。
具体的には、カバー付き水栓の場合、カバーが水栓の外観を成すために、水栓の本体ボデーに余剰の肉を付けてその外面を凹凸の無いフラットな形に形成してメッキ処理したりしなくても良く、重量を軽量化することができる。
またカバーによって、使用者が直接本体ボデーに触れるのを防ぐことが可能となり、従来本体ボデーに設けていたウォータージャケット構造を省くことも可能となる。
更にカバー付き水栓にあっては、水栓本体を変えなくてもカバーの種類を変えるだけで様々な外観を水栓に与えることが可能となる。
ところがこのようなカバー付き水栓において、カバーが水栓本体に対して大きく、水栓本体側の駆動軸即ち被操作部の位置が、カバーの端位置よりもカバー内側に大きく引き込んだ位置にあると、外部に現れたハンドルの操作部から伝達軸部をカバーの内部まで大きく延び出させて、その先端部を駆動軸と連結しなければならず、この場合、ハンドルの操作部と被操作部に対する連結部とが軸方向に大きく離隔してしまう。
そうすると、ハンドルの操作部に力が加わったときに、長く延びた伝達軸部が被操作部との連結部を支点として傾斜してしまい易い。
更に伝達軸部の強度が十分でない場合には(通常ハンドルは樹脂製とされることが多く、この場合には強度が十分でない)、伝達軸部が撓み変形し易く、また上記の傾斜や撓み変形によってハンドルががたつきを生じ易く、それらが水栓の品位を低下させてしまう。
以上カバー付き水栓を例にとって説明したが、このような現象はカバー付き水栓のみならず、ハンドルの操作部と伝達軸部の先端部即ち被操作部との連結部とが、軸方向に大きく離隔している場合に共通して生じ得る問題である。
例えばカバー付き水栓以外において、ハンドルの操作部と被操作部との連結部が軸方向に大きく離隔している場合の例が、下記特許文献3において開示されている。
但しこの特許文献3には、ハンドルの操作部から伝達軸部を水栓本体側に大きく延び出させている点は開示されているものの、そのことにより生じる問題及びその解決手段については示されていない。
特開2011−219959号公報 特開昭61−183527号公報 特許第2686897号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、ハンドルの操作部と被操作部に対する連結部とが大きく離隔している場合であっても、ハンドルが連結部を支点として傾斜したり或いは撓み変形したりし、更にはハンドルががたつきを生じる問題を解決し得る水栓を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、操作部と、該操作部から水栓本体側に延び出し、操作力を該水栓本体側の被操作部に伝達する伝達軸部と、を有する回転式のハンドルを、該操作部とは軸方向に離隔した、該伝達軸部の先端部で前記被操作部に連結する状態に組み付けて成る水栓であって、前記水栓本体及びハンドルとは別体をなす筒状のハンドル支持部材を、軸方向の一端側で該水栓本体に固定して、該ハンドル支持部材を該水栓本体から前記ハンドルの操作部側に且つ前記伝達軸部を内部に嵌入させる状態に延び出させ、該ハンドル支持部材にて内部の該伝達軸部を支持するものとなしてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記ハンドル支持部材の内面には、前記伝達軸部の外面に接して該伝達軸部を摺動させる樹脂製の摺動リングが組み込んであることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項2において、前記摺動リングは、内面の少なくとも一部が前記ハンドル支持部材の内面よりも前記伝達軸部側に突出する状態に組み込んであることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記水栓本体を覆うカバーを備えたカバー付きの水栓であって、前記伝達軸部が該カバーの内部に入り込んで前記被操作部と連結されていることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、水栓本体及びハンドルとは別体をなす筒状のハンドル支持部材を、軸方向の一端側で水栓本体に固定して、ハンドル支持部材を水栓本体からハンドルの操作部側に且つハンドルの伝達軸部を内部に嵌入させる状態に延び出させ、そのハンドル支持部材にて内部の伝達軸部を支持するようになしたものである。
かかる本発明によれば、ハンドルの操作部と被操作部に対する連結部とが軸方向に大きく離隔し、伝達軸部が長いものであっても、ハンドル支持部材にて伝達軸部を内部に嵌め入れ、納めた状態にハンドル支持部材にて伝達軸部を支持するため、ハンドルの操作部に力が加えられた場合であっても、長く延びた伝達軸部が被操作部との連結部を支点として傾斜してしまうのを良好に防ぐことができる。
こうした効果は、ハンドルの伝達軸部が金属製であっても発揮することができるが、特に伝達軸部を含むハンドルが樹脂製である場合には、このような傾斜の問題以外に、長い伝達軸部が操作部に加えられた力によって撓み変形するといったことも生じ得る。
これに対して本発明によれば、ハンドル支持部材にて伝達軸部の撓み変形をも良好に抑制することができる。
そしてそれらによってハンドルががたつきを生じるのを良好に防ぐことができ、これにより水栓の品位を高く保持することができる。
ここでハンドル支持部材はハンドルよりも高剛性の部材、特に金属にて構成しておくことが望ましい。
尚、ハンドル支持部材を水栓本体に一体に構成しておくといったことも考えられるが、そのようにすると、例えばカバー付き水栓においてカバーの大きさを変えるごとに専用の水栓本体が必要となり、共通の水栓本体を用いながらカバーを変えるだけで様々な外観を水栓に与えることができるといったカバー付き水栓の利点が減殺されてしまう。
しかるにハンドル支持部材を水栓本体と別体として、これを水栓本体に固定するようにすれば、カバー付き水栓においてカバーの大きさが変わった場合には、ハンドル支持部材を変更するだけで対応することが可能となる。
本発明は、混合水栓の温調(温度調節)ハンドルを温調弁(温度調節弁)ユニットの駆動軸(被操作部)に連結状態に組み付ける構造の水栓に適用することができる。
また、カラン側の吐水口からの吐水とシャワーエルボからの吐水等、吐水先を切り替える切替ハンドルを切替弁ユニットの駆動軸(被操作部)に連結状態に組み付ける構造の水栓に適用することができる。
本発明では、ハンドル支持部材の内面(内周面)に、伝達軸部の外面(外周面)に接して伝達軸部を摺動させる樹脂製の摺動リングを組み込んでおくことができる(請求項2)。
このようにすれば、ハンドル支持部材の材質の如何に拘らず、例えばハンドルがメッキ処理されている場合において、伝達軸部がハンドル支持部材と擦れることによってメッキ剥れしてしまうのを防ぐことができる。
また樹脂製の摺動リングを組み込んでおくことで、伝達軸部を円滑に回転運動させること、即ちハンドルを円滑に回転操作することが可能となる。
この場合において、摺動リングは、その内面がハンドル支持部材の内面と面一となるように設けておくこと、或いは請求項3に従って、内面の少なくとも一部がハンドル支持部材の内面よりも伝達軸部側に突出する状態に設けておくことができる。
但し摺動リングの内面をハンドル支持部材の内面と面一状に設ける場合には、かかる摺動リングをハンドル支持部材の、上記操作部側の端部に配置しておくことが望ましい。
伝達軸部がハンドル支持部材の内部で傾斜しようとしたり、或いは撓み変形しようとしたとき、伝達軸部がハンドル支持部材の、操作部側の端部の内面に当り擦れることとなるが、そのような端部に樹脂製の摺動リングを組み込んでおくことで、伝達軸部がハンドル支持部材の端部内面に直接当り擦れるのを効果的に防ぐことが可能となる。
一方請求項3に従って摺動リングの内面の少なくとも一部をハンドル支持部材の内面から伝達軸部側に突出させる状態に摺動リングを設けておく場合には、摺動リングの位置は必ずしもハンドル支持部材の上記操作部側の端部でなくても良い。
このように摺動リングを突出状態に設ける場合には、摺動リングの位置が操作部側の端部でなくても、摺動リングをハンドル支持部材の内面よりも優先して伝達軸部に接触させ、相対摺動させることが可能である。
而してこのように摺動リングをハンドル支持部材の内面よりも伝達軸部側に突出させる状態に設ける場合、摺動リングと伝達軸部との間の隙間(クリアランス)を、ハンドル支持部材の内面と伝達軸部との間のクリアランス(隙間)よりも小とすることができ、ハンドル操作の際に、伝達軸部のハンドル支持部材内部でのがたつきを更に効果的に抑制することができる。
尚、摺動リングをハンドル支持部材の内面よりも伝達軸部側に突出させる状態に設ける場合においても、その配置位置を、ハンドル支持部材における操作部側の端部に設けておくことが望ましい。
このようにすることで、伝達軸部の傾きや撓み変形をより効果的に抑制することができる。
また併せて、伝達軸部のハンドル支持部材内でのがたつきもより一層効果的に抑制することができる。
本発明は、水栓本体を覆うカバーを備えたカバー付きの水栓に好適に適用することができ、この場合において、ハンドルの伝達軸部をカバーの内部に入り込ませて、その先端部を被操作部と連結する状態にハンドルを組み付けておくことができる(請求項4)。
本発明の一実施形態のカバー付き水栓の外観斜視図である。 図1のカバー付き水栓の正面図である。 図1,図2とは異なる方向で示したカバー付き水栓の外観斜視図である。 図1のカバー付き水栓の左側面図である。 図1のカバー付き水栓を、上カバー及び下カバーを除いた状態で示した図である。 図1のカバー付き水栓のカバーを分解して水栓本体とともに示した図である。 図1のカバー付き水栓における本体ボデーにクランク脚を接続した状態を示した図である。 図1のカバー付き水栓のブラケット及び隙間カバーを示した図である。 (A):図1のカバー付き水栓における上カバーの要部を拡大して示した図である。(B):図1のカバー付き水栓におけるカバーの固定構造を示した図である。 図1のカバー付き水栓における温調ハンドルの組付構造を周辺部とともに示した図である。 (A):図10の摺動リングを周辺部とともに拡大して示した図である。(B):図10のハンドル支持部材と本体ボデーとの固定部分を拡大して示した図である。 図10の温調ハンドル周辺部品の分解斜視図である。 図10の温調ハンドルを示した図である。 図10の摺動リングを示した図である。 図1のカバー付き水栓における切替ハンドルの組付構造を周辺部とともに示した図である。 図10の切替ハンドル周辺部品の分解斜視図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1〜図4において、10はクランク脚を備えた壁付きのカバー付き水栓(混合水栓)で、図6に示しているようにハウジングをなす本体ボデー12の内部に温調弁ユニット138(図10),切替弁ユニット148(図15)その他の水栓機構部を内蔵した水栓本体14と、壁W(図5参照)裏に配管された給水用の元配管,給湯用の元配管からの水,湯をそれぞれ水栓本体14に供給する給水用の配管,給湯用の配管を兼ねた水側のクランク脚16,湯側のクランク脚18と、それらを全体的に囲い込むカバー(ここでは樹脂製)20を含んで構成されている。
ここで本体ボデー12は金属の鋳物から成っている。但し外面の研磨及びメッキ処理は施されておらず、外面は鋳肌そのままとなっている。
水栓本体14は、金属製の一対のクランク脚16,18にて壁Wに固定され、そして水栓本体14にカバー20が固定されている。
クランク脚16,18は、図7に示しているように壁W裏の元配管にシール状態にねじ接続されて、壁Wから水平方向に突き出す雄ねじ管から成る管体22と、これから壁面と平行方向に直角に折れ曲った管体24とを有しており、その管体24の先端部に袋ナット26が設けられている。
ここで水側のクランク脚16及び湯側のクランク脚18における一対の管体24は、正面視においてハ字状をなしている。
そしてこの袋ナット26により管体24の先端部が水栓本体14、詳しくは本体ボデー12に備えられた、外周面に雄ねじを有する水側,湯側の接続口28にねじ接続されている。
尚図7において、30は壁W裏の元配管とクランク脚16,18の管体22との接続部を覆って隠蔽する椀座である。
一方、本体ボデー12の前部からはカラン側の吐水口32が下向きに突出しており、また図5にも示しているようにその背面からは、シャワー水をシャワーホースを介してシャワーヘッドに吐水するシャワーエルボ34が下向きに突出している。
尚、図7に示すようにカラン側の吐水口32の先端部には雄ねじ部が設けられていて、そこにキャップ35(図6参照)が螺着されている。
この本体ボデー12を含む水栓本体14の左端側(使用者からの正面視において左端側)には温調(温度調節)ハンドル38が、また右端側には切替ハンドル40がそれぞれ回転操作可能に取り付けられており、これら温調ハンドル38,切替ハンドル40が、図1〜図4に示すようにカバー20から左右方向に突出せしめられている。
ここで温調ハンドル38は、回転操作によって吐水の温度調節を行う。また切替ハンドル40は、回転操作によってカラン側の吐水口32からの吐水と、シャワーエルボ34からの吐水との切替えを行うとともに、カラン側の吐水口32及びシャワーエルボ34からの吐水の流量調節と吐止水とを行う。
尚、温調ハンドル38及び切替ハンドル40周りの構造については後に詳しく説明する。
カバー20は、図6に示しているように水栓本体14に下向きに被せられて、これを上側から覆う上カバー42と、水栓本体14を下側から覆う下カバー44と、更に補助的なカバーとして上カバー42及び下カバー44と壁Wとの間の隙間を閉じ、隠蔽する隙間カバー46とを有している。
上カバー42は、略水平方向に平坦な板状の上面カバー部48と、上面カバー部48の前端から立ち下がった板状の前面カバー部50と、上面カバー部48の左右各一端から立ち下がった一対の板状の側面カバー部52とを有する、下面が開放された箱型形状とされており、その上面カバー部48によって、水側及び湯側の一対のクランク脚16,18ごと水栓本体14を上側から覆い、また前面カバー部50によって水栓本体14の上部を前側から覆い、更に一対の側面カバー部52によって、一対のクランク脚16,18ごと水栓本体14の上部を側方から覆っている。
ここで一対の側面カバー部52には、温調ハンドル38と切替ハンドル40とを突出させるための略半円形状の切欠部54が設けられている。
また上カバー42の内面には、縦横にリブ58が設けられている。
尚、上カバー42はその全体を一体成形しておくこともできるし、或いは上面カバー部48と前面カバー部50及び一対の側面カバー部52を含む外周の枠部とを別体に構成して、それらを組み付けることで上カバー42を構成するようにしても良い。
一方下カバー44は、図6に示すように略水平方向に延びる平坦な板状の下面カバー部60と、図2,図3及び図4に示しているように下面カバー部60の前端から斜め上方に立ち上がる傾斜形状の前面カバー部62と、下面カバー部60の左右両端から同じく斜め上方に立ち上がる一対の傾斜形状の側面カバー部64とを有しており、その下面カバー部60によって水側及び湯側の一対のクランク脚16,18ごと水栓本体14を下側から覆い、また前面カバー部62によって水栓本体14の下部を前側から覆い、更に一対の側面カバー部64によって、一対のクランク脚16,18ごと水栓本体14の下部を側方から覆っている。
ここで一対の側面カバー部64には、図6に示しているように温調ハンドル38,切替ハンドル40を突出させるための、側面視形状が略半円形状の凹陥部66が設けられている。
また下面カバー部60には、水栓本体14の上記のカラン側の吐水口32を下向きに突出させるための円形且つ貫通の開口部68と、シャワーエルボ34を下向きに突出させるための長穴形状の貫通の開口部70とが設けられている。
この下カバー44の下面カバー部60は、一対のクランク脚16,18における管体22の上部の高さ位置で、水栓本体14を下側から覆う主部60Aと、一対のクランク脚16,18を下側から覆う脚カバー部60B(図3参照)とを有している。
脚カバー部60Bは、図3に示しているように下向きに湾曲して突出した逆ブリッジ状をなしており、管体22に組み込まれた止水栓の回転式の操作部72、及びストレーナを脱着操作するための回転式の操作部74を操作するための開口部76をその前端位置に形成している。
ここで開口部76は、使用者側の前方に向けて開口した正面方向の開口部とされている。
尚、一対の側面カバー部64と前面カバー部62とには、上カバー42の側面カバー部52と前面カバー部50とに内嵌して、下カバー44と上カバー42とを左右方向及び前後方向に位置決めするリブ63が設けられている。
上記隙間カバー46は、図8に示しているように板状をなす平坦な上面閉鎖部78と、一対の側面閉鎖部80と、更に上面閉鎖部78の前端から立ち下がり、それら上面閉鎖部78及び一対の側面閉鎖部80を連結する前面部81とを有している。
ここで側面閉鎖部80は、上面閉鎖部78の左右両端から垂直に立ち下がる上部80Aと、上部80Aの下端から下カバー44の側面カバー部64に対応した傾斜形状で斜め下向きに延びる下部80Bとを有している。
上部80Aは、隙間カバー46を壁Wに向けてスライド移動させる際に上カバー42の内側をスライド移動し、また下部80Bは、下カバー44の傾斜形状の側面カバー部64の内側を前後方向にスライド移動する。
本実施形態のカバー付き水栓10を現場設置する際、上カバー42及び下カバー44と壁Wとの間に施工上隙間が生じてしまう。
この隙間カバー46はその隙間を埋め、閉鎖する働きを有するもので、隙間カバー46を後述のブラケット82による支持の下で後方にスライド移動させ、壁Wに当てることで、上カバー42及び下カバー44と壁Wとの間の隙間を閉鎖することができる。
本実施形態のカバー付き水栓10では、施工に際して、先ず一対のクランク脚16,18が壁W裏の元配管への接続状態で壁Wに固定され、次いで一対のクランク脚16,18に対して水栓本体14が固定された後に、その水栓本体14に対してカバー20が固定される。
この実施形態では、カバー20を水栓本体14に固定するための、補強部材を兼ねた金属製の剛性のブラケット82を有しており、カバー20はそのブラケット82に対して直接固定される。
以下その固定構造を詳しく説明する。
先ずブラケット82の水栓本体14への固定構造を説明する。
図5及び図7に示しているように、水栓本体14には鍔状の被固定部86が一体に設けられている。
この被固定部86には、図7に示しているように固定用の挿通孔87が設けられている。
一方ブラケット82は、図8に示しているように左右方向の離隔した位置に一対の固定機能部88を有している。
ブラケット82は、これら一対の固定機能部88を連結部100で左右方向に連結した形態の一体構造体をなしている。
一対の固定機能部88のそれぞれは、水栓本体14の被固定部86に固定される水栓本体側の固定部90を有しており、更にこれから左右方向外方に離隔した位置において、上カバー42,下カバー44及び隙間カバー46を固定するためのカバー側の固定部92を有している。
そしてそれぞれに、固定具としてのボルト等を挿通する挿通孔94及び雌ねじ孔96,98が設けられている。
ブラケット82は、図5に示しているように水栓本体14側の固定部90を水栓本体14の被固定部86上に載置した状態で、ビス102を水栓本体14における被固定部86の挿通孔87に挿通し、固定部90の雌ねじ孔96にねじ込むことで、水栓本体14に固定される。
上記上カバー42には、図6及び図9(A)に示しているように側面視形状がコ字形状をなす固定部104が左右に一対設けられている。
これら固定部104には、図9(A)に示すようにその底部に挿通孔106が設けられ、またその内部には、図9(B)に示しているようにナット108が保持されている。
上カバー42は、図9(B)に示しているようにボルト110を固定部92の挿通孔94に上向きに挿通し、更に上カバー42の固定部104の挿通孔106を挿通して、固定部104内部に保持されたナット108にねじ込むことで、ブラケット82に固定される。
尚上カバー20には、図6に示しているようにその前端部且つ左右両端部に下カバー44との固定用の一対の固定部112が設けられている。
これら固定部112には挿通孔114が設けられ、更にその内部にはナット108(図9(B)参照)が保持されている。
一方下カバー44の対応する前端部且つ左右両端部には、円筒状の固定部116が設けられている。図6及び図9(B)に示すようにこれら固定部116にもまた挿通孔118が設けられている。
上カバー42と下カバー44とは、下カバー44の固定部116の挿通孔118を挿通してボルト110を下側から上向きに挿通し、更にそれらボルト110を上カバー20の固定部112における挿通孔114を挿通して、それらの内部に保持されたナット108にねじ込むことで互いに固定される。
下カバー44にはまた、図6に示しているようにその後端部且つ左右両端部に、下カバー44をブラケット82に固定するための一対の固定部120が設けられている。
これら固定部120は下端が開口し、上端に底部を有する有底円筒状をなしており、その上端の底部に挿通孔122が設けられている。
他方隙間カバー46には、図8に示しているように前方に延出する一対の固定部124が設けられており、それぞれに前後方向に長穴形状をなす挿通孔126が設けられている。
この固定部124にはまた、上向きの立上り部128に、前後方向に延びるスライド部130が設けられている。
このスライド部130の下側には溝132が形成されており、そこにブラケット82における固定機能部88のスライド保持部134が挿入されている。
隙間カバー46は、スライド部130においてブラケット82のスライド保持部134により前後方向にスライド可能に保持されている。
この実施形態において、下カバー44と隙間カバー46とは次のようにしてブラケット82の固定部92に固定される。
即ち、図8(B)及び図9(B)に示しているように隙間カバー46の固定部124を、ブラケット82の固定部92と下カバー44の固定部120との間に挟み込んだ状態で、図8(B)及び図9(B)に示すビス136を、固定部120の挿通孔122及び隙間カバー46の固定部124の長穴状の挿通孔126に挿通して、ブラケット82の雌ねじ孔98にねじ込むことで、それら下カバー44と隙間カバー46とがブラケット82に固定される。
尚ビス136を緩めた状態では、隙間カバー46は前後方向にスライド可能である。
上記回転式の温調ハンドル38は樹脂製のもので、図10に示しているように水栓本体14、詳しくは、本体ボデー12内部に組み込まれた温調弁ユニット138の駆動軸(被操作部)140に一体回転状態に連結されている。
温調ハンドル38は、この駆動軸140を回転させることで、温調弁ユニット138のハウジング142内で回転体144を回転させ、その回転体144の回転により混合弁体を軸方向(図10中左右方向)に位置移動させ、吐水の温度調節を行う。
尚図10において、146は本体ボデー12の端部にねじ込まれて温調弁ユニット138を本体ボデー12に固定する円筒状の固定部材である。
上記の回転式の切替ハンドル40もまた樹脂製のもので、図15に示しているように、水栓本体14における本体ボデー12の内部に組み込まれた切替弁ユニット148の駆動軸(被操作部)150に一体回転状態に連結されている。
切替ハンドル40は、駆動軸150を回転させることで、切替弁ユニット148のハウジング152内で回転体154を回転させ、その回転体154の回転により切替弁体を回転させ、流路の切替えを行う。即ち上記のカラン側の吐水口32からの吐水と、シャワーエルボ34からの吐水との切替えを行う。
また併せて、それら吐水口32及びシャワーエルボ34からの吐水の流量調節と吐止水とを行う。
尚図15において、156は本体ボデー12の端部にねじ込まれて切替弁ユニット148のハウジング152、つまり切替弁ユニット148を本体ボデー12に固定する円筒状の固定部材である。
温調ハンドル38は、図10及び図13に示しているように、カバー20の外部に露出した有底の円筒形状の操作部158と、操作部158の径方向内側で操作部158から水栓本体14側に向って図中右方向に延出し、上記の駆動軸140に操作力を伝達する伝達軸部160を一体に有している。
ここで伝達軸部160は、操作部158よりも小径の円筒状をなしている。
操作部158は、図中左端の底部に開口部162を有しており、その開口部162がキャップ164にて閉鎖されている。
この実施形態において、図6及び図10に示しているように水栓本体14の左右寸法に対してカバー20の左右寸法が大きく、水栓本体14に組み込まれた温調弁ユニット138の駆動軸140が、カバー20の図中左端位置よりもカバー20の内部且つ図中右側に大きく引き込んだ位置にある。
そこでこの実施形態では、伝達軸部160が水栓本体14に向ってカバー20内部に深く入り込んでおり、その先端部において温調弁ユニット138の駆動軸140にセレーション部材166を介し一体回転状態に連結されている。
詳しくは、図13に示しているように伝達軸部160の先端部には雌セレーション部168が設けられており、その雌セレーション部168が、図10に示しているようにセレーション部材166の外周面に形成された外周面の雄セレーション部170に噛合状態に嵌合されている。即ちセレーション嵌合されている。
セレーション部材166は、内周面に雌セレーション部168を有しており、その雌セレーション部168が、駆動軸140の外周面に形成された雄セレーション部170に噛合状態に嵌合されている。
温調ハンドル38の回転は、これらセレーション部の噛合いに基づいて、リング状のセレーション部材166を介し温調弁ユニット138の駆動軸140に伝えられる。
尚、伝達軸部160には弾性爪172が設けられていて、この弾性爪172が、駆動軸140の部分球状の掛止部174に掛止されている。
更に弾性爪172は、軸状の押え部材176にて外周側から押えられて、開き方向に弾性変形阻止されており、これによって温調ハンドル38が、駆動軸140から図10中左方向に抜け防止されている。
操作部158に設けられた上記の開口部162は、この押え部材176を脱着するための開口部であり、その開口部162がキャップ164にて閉鎖されている。
この実施形態では、図10に示すように温調ハンドル38の上記の伝達軸部160が図中右方向に長く延びて、カバー20の内部に深く入り込んでおり、伝達軸部160の先端部と駆動軸140との連結部が、温調ハンドル38の操作部158に対して左右の軸方向に大きく離隔している。
そのため、カバー20の外部に露出した操作部158に対してハンドル操作の際などに力が加わったとき、カバー20内部に深く入り込んだ長い伝達軸部160が駆動軸部140との連結部、即ちセレーション嵌合部を支点として傾斜したり、或いは撓み変形したりする恐れがある。
そこでここでは、図10に示すようにこれを防ぐためのハンドル支持部材178が設けてある。
このハンドル支持部材178は、金属製の剛性の部材で円筒形状をなしており、図12にも示しているようにその先端部(図中右端部)の外周面に雄ねじ部180が設けてある。
ハンドル支持部材178は、この雄ねじ部180において水栓本体14の雌ねじ部182にねじ締結されている。
即ちハンドル支持部材178は、ねじ締結手段にて軸方向の一端側が水栓本体14に剛固定されており、そして図中左側の軸方向の他端側が、水栓本体14から温調ハンドル38の操作部158に向って延び出している。
尚、図11(B)にも詳しく示しているように円筒形状をなすハンドル支持部材178は、雄ねじ部180側の先端面が全周に亘り軸直角方向の平坦な当接面184とされている。
一方水栓本体14側、具体的には本体ボデー12には、雌ねじ部182の奥側に隣接した位置に段付形状部が設けられており、そこに同じく全周に亘って軸直角方向の平坦面をなす、当接面186が設けられている。
ハンドル支持部材178は、その先端面の当接面184を水栓本体14側の当接面186に強く押し付ける状態に、雄ねじ部180が雌ねじ部182にねじ込まれている。
これによってハンドル支持部材178が、ねじ部のバックラッシによって傾斜するのが防止され、ハンドル支持部材178が駆動軸140と正しく同軸をなすように水栓本体14に組付固定されている。
ハンドル支持部材178は、長く延びた伝達軸部160を図中左端の開口から内部に嵌入させる状態に操作部158側に延びており、内部の伝達軸部160を外周側から支持している。
ここでハンドル支持部材178の内面と伝達軸部160の外面との間には、径方向片側で0.2mm程度の微小なクリアランス(隙間)が生じている。
ハンドル支持部材178の図中左側の端部の内面、即ち伝達軸部160の付根側の端部の内面には、樹脂製(ここではPOM樹脂)の摺動リング188が内嵌状態に組み込んである。
この摺動リング188は、伝達軸部160の外面に接して伝達軸部160を摺動させる働きを有するもので、図12及び図14に示しているように周方向の所定個所に切目190が設けてあり、その切目190によって全体的に縮径方向に弾性変形可能とされている。
摺動リング188は、縮径方向に弾性変形させられた状態で、フランジ部192をハンドル支持部材178の軸端面に当接させる状態に、ハンドル支持部材178の軸端側の環状の凹所193内に嵌め込まれ、ハンドル支持部材178にて保持されている。
この摺動リング188は、外面の複数個所に凸部194が設けられており、摺動リング188は、これら凸部194においてハンドル支持部材178の凹部193の内面に当接せしめられている。
摺動リング188にはまた、その内面にも凸部196が周方向の複数個所に設けられており、これら凸部196において伝達軸部160の外面に接し、これを摺動させるようになっている。
この実施形態において、摺動リング188は、図11(A)に示しているように内面の凸部196がハンドル支持部材178の内面よりも伝達軸部160側に突出し、また凸部196を除いた他の部分の内面がハンドル支持部材178の内面と同一位置、即ち面一面をなすように構成されている。
ここで凸部196の突出寸法は0.1mmとされている。
但し摺動リング188の内面全体を、ハンドル支持部材178の内面よりも伝達軸部160側に突出させておくことも可能である。
このようにハンドル支持部材178の内面に樹脂製の摺動リング188を組み込み、伝達軸部160の外面をこの摺動リング188に摺動させることで、樹脂製の伝達軸部160の外面が金属製のハンドル支持部材178の内面に直接擦れるのを抑制ないし防ぐことができる。
特に摺動リング188をハンドル支持部材178の端部に組み込んでおくことで、伝達軸部160がハンドル支持部材178の内部で駆動軸140との連結部を支点として傾斜し或いは撓み変形しようとしたときに、摺動リング188をハンドル支持部材178の内面よりも優先して伝達軸部160の外面に接触させ易く、より有効に伝達軸部160の外面とハンドル支持部材178とが擦れ合うのを抑制ないし防止することができる。
更にこの実施形態では、摺動リング188の内面に部分的に突出した凸部196が設けてあり、これら凸部196が、ハンドル支持部材178の内面よりも伝達軸部160側に突出しているため、その凸部196と伝達軸部160との間のクリアランスを、ハンドル支持部材178の内面と伝達軸部160との間のクリアランスよりも小となし得て、より一層有効に摺動リング188を伝達軸部160に対して接触させることができるとともに、伝達軸部160がハンドル支持部材178内部で、それらの間のクリアランスに基づいて軸直角方向にがたつきを生じるのを効果高く抑制することができる。
図10に示しているように、温調ハンドル38の操作部158には、その操作方向及び操作状態を表示するための表示リング198が一体回転状態に組み付けられている。
この表示リング198は高温側が赤色に、低温側が青色に色分けされている。
この表示リング198に対応して、表示リング198の所定部位を指示する突起状の指示部200(図12参照)を備えた指示リング(ここでは樹脂製)202が固定状態に設けられている。
図10において、204はこの指示リング202を保持し、これを水栓本体14側に取り付けるための保持部材であって、樹脂製且つ円筒形状をなしている。
この保持部材204は、図12にも示しているように図中右端側に部分的に大径をなす嵌合固定部206を有しており、この嵌合固定部206が、同じく部分的に大径化されたハンドル支持部材178の図中右端側の被固定部208に外嵌状態に嵌合されている。
詳しくは、嵌合固定部206の内面には、周方向に沿って複数個所にリブ状の押圧部210が所定間隔で設けられており、保持部材204は、これら押圧部210をハンドル支持部材178の被固定部208の外面に当接及び押圧することで、嵌合固定部206においてハンドル支持部材178の被固定部208に固定されている。
尚、保持部材204の嵌合固定部206からは位置決片212が軸方向に突出している。
一方水栓本体14の本体ボデー12には、対応する位置に切欠部214が設けられており、保持部材204は、位置決片212をこの切欠部214に軸方向に嵌め入れることによって、本体ボデー12に対し回転方向に位置決めされている。
この保持部材204の、嵌合固定部206とは反対側の端部且つ内面側に、図10に示すように径方向内向きに突出する内フランジ部216が設けられており、この内フランジ部216が、温調ハンドル38における伝達軸部160の外面に対し、径方向に対峙せしめられている。
この保持部材204にはまた、内フランジ部216と同じ軸方向位置において、径方向外方に突出する外フランジ部218が設けられている。
図12に示しているようにこの外フランジ部218の軸方向外方側には保持部220が設けられていて、そこに上記の指示リング202が外嵌状態に嵌め合され、保持されている。
ここで指示リング202は、周方向所定個所に切目222を有して、その切目222によって全体的に拡径方向に弾性変形可能とされている。
指示リング202は、その拡径方向の弾性変形を伴って、保持部材204の保持部220に外嵌状態に嵌め合されている。
この指示リング202には、周方向に延びる弾性爪224が内面に設けられている。
一方保持部220には、周方向に延びる溝226が外面に設けられており、指示リング202は、弾性爪224を溝226に弾性的に嵌め込むことによって、保持部材204から軸方向に抜け防止されている。
尚この保持部220には、周方向所定個所に位置決用の突起227が設けられている。
一方指示リング202には、対応する位置に溝228が設けられている。
指示リング202は、溝228を突起227に嵌め合せることによって、保持部材204に対し回転方向に位置決めされている。
保持部材204にはまた、指示リング202の内側において、ストッパ232(図12参照)を備えたリング状のストッパ部材230が組み付けられ、保持されている。
ここでストッパ232は、温調ハンドル38と一体に回転する、図10に示す可動側のストッパ234とともに、温調ハンドル38が自由に回転できる回転範囲を一定範囲内に回転規制するロック機構を構成している。
ここで回転側のストッパ234は、温調ハンドル38に一体回転状態に組み付けられた、ロック解除のための解除操作部材236の先端部に一体に構成されている。
以上のように本実施形態では、温調ハンドル38の操作部158と、被操作部である温調弁ユニット138の駆動軸140に対する連結部とが軸方向に大きく離隔し、温調ハンドル38の伝達軸部160が長いものであっても、ハンドル支持部材178にて伝達軸部160を内部に嵌め入れ、納めた状態にハンドル支持部材178にて伝達軸部160を支持するため、温調ハンドル38の操作部158に力が加えられた場合であっても、長く延びた伝達軸部160が駆動軸140との連結部を支点として傾斜したり撓み変形してしまうのを良好に防ぐことができる。
そしてこれにより、温調ハンドル38ががたつきを生じるのを良好に防ぐことができ、水栓の品位を高く保持することができる。
またハンドル支持部材178を水栓本体14と別体として、これを水栓本体14に締結固定しているため、カバー付き水栓10においてカバー20の大きさが変わった場合には、水栓本体14を変えなくても、ハンドル支持部材178を変更するだけで対応することが可能となる。
本実施形態では、また、ハンドル支持部材178の内面に、伝達軸部160の外面に接して伝達軸部160を摺動させる樹脂製の摺動リング188が組み込んであるため、温調ハンドル38がメッキ処理されている場合において、伝達軸部160がハンドル支持部材178と擦れることによってメッキ剥れしてしまうのを防ぐことができる。
また樹脂製の摺動リング188を組み込んでおくことで、伝達軸部160を円滑に回転運動させること、即ち温調ハンドル38を円滑に回転操作することが可能となる。
本実施形態において、切替ハンドル40もまた温調ハンドル38と同様の組付構造で組み付けられている。
その組付構造は基本的に温調ハンドル38と同様であるので、図15及び図16に対応する部分について符号のみを示し、詳しい説明は省略する。
尚図15及び図16に示す切替ハンドルの組付構造にあっては、ハンドル支持部材178側に雌ねじ部182が設けられる一方、水栓本体14側に雄ねじ部180が設けられ、それらのねじ締結によって、ハンドル支持部材178が一端側において水栓本体14に剛固定されている。
またここでは前記の固定部材156の図中右端面を軸直角方向の平坦な当接面186として、そこにハンドル支持部材178の側の軸直角方向の平坦な当接面184を当接させる状態に、ハンドル支持部材178を水栓本体14に、詳しくは本体ボデー12にねじ込んで、ハンドル支持部材178を切替弁ユニット148の駆動軸150と同軸状に水栓本体14側に組み付けるようにしている。
尚238は、切替ハンドル40の操作状態を表示するための表示リングで、温調ハンドル38側と同様にこの表示リング238が、円筒状の保持部材204にて保持されている。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明はハンドル支持部材をねじによる締結以外の手段で水栓本体に固定することも可能であるし、またカバー付きでない水栓に対しても適用可能である。更に温調ハンドル,切替ハンドル以外の他のハンドルの組付構造に適用することも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
10 カバー付き水栓
14 水栓本体
20 カバー
38 温調ハンドル
40 切替ハンドル
138 温調弁ユニット
140,150 駆動軸
148 切替弁ユニット
158 操作部
160 伝達軸部
178 ハンドル支持部材
188 摺動リング
196 凸部

Claims (4)

  1. 操作部と、該操作部から水栓本体側に延び出し、操作力を該水栓本体側の被操作部に伝達する伝達軸部と、を有する回転式のハンドルを、該操作部とは軸方向に離隔した、該伝達軸部の先端部で前記被操作部に連結する状態に組み付けて成る水栓であって、
    前記水栓本体及びハンドルとは別体をなす筒状のハンドル支持部材を、軸方向の一端側で該水栓本体に固定して、該ハンドル支持部材を該水栓本体から前記ハンドルの操作部側に且つ前記伝達軸部を内部に嵌入させる状態に延び出させ、該ハンドル支持部材にて内部の該伝達軸部を支持するものとなしてあることを特徴とする水栓。
  2. 請求項1において、前記ハンドル支持部材の内面には、前記伝達軸部の外面に接して該伝達軸部を摺動させる樹脂製の摺動リングが組み込んであることを特徴とする水栓。
  3. 請求項2において、前記摺動リングは、内面の少なくとも一部が前記ハンドル支持部材の内面よりも前記伝達軸部側に突出する状態に組み込んであることを特徴とする水栓。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記水栓本体を覆うカバーを備えたカバー付きの水栓であって、前記伝達軸部が該カバーの内部に入り込んで前記被操作部と連結されていることを特徴とする水栓。
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