JP5517810B2 - 化粧キャップの組付構造 - Google Patents
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Description
この場合、現在のハンドル位置がどの温度調節位置にあるか、即ち吐水をどのような温度で行う状態にあるかを使用者に明示する必要がある。
従来にあっては、そのための表示を水栓本体側の外面即ち化粧面に施すことが多い。
従って化粧キャップを固定ナットに組み付けるにしても、これを固定ナットに対し回転可能となしておくことが必要である。
そのための一例が下記特許文献1に開示されている。
しかしながらこの特許文献1に開示のものでは、固定ナットに対する化粧キャップの回転方向位置を微妙に調節するといったことができない問題がある。
この特許文献1に開示のものでは、雄スプライン部と雌スプライン部とが噛合い可能な位置に化粧キャップの位置が限定されてしまい、雄スプライン部と雌スプライン部の各噛合歯の1ピッチ分以下の範囲内での化粧キャップの微妙な位置調節ができない。
加えてこの特許文献1に開示のものでは、化粧キャップを固定ナットに組み付けた状態の下で回転方向位置を調節することができず、位置調節するためには一旦化粧キャップを固定ナットから取り外した上で、回転方向の位置を定め、その状態で再び固定ナットに組み付けるといったことをしなければならず、位置調節のための作業が面倒である問題もある。
またこのようなスプライン部を固定ナットと化粧キャップとのそれぞれに設けるといったことは、加工コストも高くなってしまう。
尚中間リングに化粧キャップを組み付けた状態の下で化粧キャップに入力を加えることで、中間リングと化粧キャップとを一体に回転方向に位置調節することもできる。
従って化粧キャップに表示を施す場合において、その表示を予め設定した位置に厳密に位置合せすることができる。
しかもその位置調節を、中間リング及び化粧キャップを組み付けた状態の下で行うことができる。
このようにすれば、化粧キャップと中間リングとの一方に設けた係合部としての弾性爪片を、他方に設けた被係合部としての切欠部に係入させるだけで、簡単に化粧キャップを中間リングに対し回転方向に位置決め状態に組み付けることができる。
このようにしておけば、化粧キャップが中間リングに対して周方向の誤った位置に組み付けられてしまうのを防ぐことができる。
このようにしておけば中間リングの正面位置が分り易く、中間リングを固定部材の立上り部に組み付ける際若しくはその後において位置調節する際に、中間リングを予め設定された回転方向位置に組み付け易く、また位置を合せ易い。
このようにすれば、中間リングを組み付けるに際して表と裏とを区別することなく組付けができ、組付性が良好となる。
或いは調整を必要とする場合においても、極めて僅かな微調整を加えるだけで、化粧キャップを本来の目的とする設定位置に位置させることができる。
図1において、10は本発明の適用対象の一例であるシングルレバー水栓で、カウンター上面等の取付面12から起立する水栓本体14と、これから延び出した吐水管16と、水栓本体14の上部に設けられたレバーハンドル18とを有している。
ボデー30は、上向きに起立する円筒部32を有しており、その内側に弁室34を形成している。そしてそこにシングルレバー水栓10の混合弁が弁ユニット36として収容されている。
ここで駆動軸38とレバーハンドル18とは、ビス(留具)40にて固定されている。
供給された水と湯とは、弁ユニット36で所定比率で混合され、混合水となって流出管44から流出する。
上記ホース26は、この流出管44に接続されており、流出管44から流出した混合水が、ホース26を通じて吐水口20へと導かれる。
この実施形態において、回転部46及び基部48は各外面が外部に露出しており、それらの外面がそのまま化粧面を成している。
尚上記ハウジング28における回転部46は、図2及び図3に示しているようにその上部が円筒部32上端よりも僅かに上方に突き出す位置まで延びている。
この立上り部58の外周面には、全周に亘ってリング溝60が形成されており、そこに弾性部材としての弾性リング(ここではゴム製)62が所定の締代で嵌め込まれ、保持されている。
ここで中間リング64は、図3及び図4に示しているように全体として円形状をなしている。
而して回転方向に位置調節したところで加えていた力を除くと、そこで中間リング64は弾性リング62による弾性反力に基づく摩擦力で、その調節位置に位置保持される。
尚この中間リング64は、固定ナット50における段付面68によって下方から支持される。
そしてその突き出した部分、詳しくはリング溝60よりも上側の部分において、その外周面且つ180°異なった2個所に平坦な切落し形状の工具掛部70(図4参照)が設けられている。
従って固定ナット50は、弾性リング62及び中間リング64組付状態の下で、工具掛部70に工具を掛けてこれを回転操作することが可能である。
尚この突部72の両側部分は平坦な切落し面74とされている。
ここで中間リング64は、その正面位置が水栓使用者に対して真正面となる位置に、具体的には水栓本体における前面側の中央位置に位置せしめられる。
尚この中間リング64は、表形状と裏返し形状とが同一形状とされている。従って中間リング64は表裏どちらの向きで固定ナット50に組み付けた場合であってもその働きは同じとなる。
この化粧キャップ76は、図5に示しているようにその内面の周方向の3個所から係合部としての弾性爪片78-1,78-2が下向きに突出している。
そしてその状態で化粧キャップ76は、弾性爪片78-1,78-1,78-2と切欠部74-1,74-1,74-2との係合によって回転方向に位置決状態で、中間リング64により保持されている。
表示板82には、レバーハンドル18の回転方向の基準位置を表示するための表示が施してある。
ここでレバーハンドル18の基準位置は、レバーハンドル18が低温側の回動端即ち水吐水する位置であって、レバーハンドル18が使用者に向って突き出し使用者に正対した位置で、レバーハンドル18がこの基準位置に到ったときに、レバーハンドル18側に設けた指示部が上記の表示に一致した状態となる。
そしてその状態で中間リング64に対して化粧キャップ76を組み付けると、化粧キャップ76の表示が使用者に対してほぼ正対した位置となる。つまりレバーハンドル18を上記の基準位置に位置させたときに、レバーハンドル18側の指示部に対し表示がほぼ一致した状態となる。
そこで化粧キャップ76に対して図7(III)に示すように回転方向の力を加え、化粧キャップ76を中間リング64とともに回転方向に微少に位置調節することで、化粧キャップ76に施した表示を正しく目的とする設定位置に位置させることができる。
即ち固定ナット50に中間リング64を組み付けた状態のまま固定ナット50を回転操作し、これにより固定ナット50を取り外したり、或いは一旦取り外した固定ナット50を中間リング64組付状態のまま再び水栓本体14に対しねじ込み、結合することができる。
或いは中間リング64に化粧キャップ76を組み付けた状態の下で化粧キャップ76に入力を加えることで、中間リング64と化粧キャップ76とを一体に回転方向に位置調節することができる。
或いは調整を必要とする場合においても、極めて僅かな微調整を加えるだけで、化粧キャップ76を本来の目的とする設定位置に位置させることができる。
36 弁ユニット
50 固定ナット(ねじ固定部材)
58 立上り部
62 弾性リング(弾性部材)
64 中間リング
70 工具掛部
72 突部
76 化粧キャップ
74-1,74‐2 切欠部(被係合部)
78-1,78-2 弾性爪片(係合部)
Claims (7)
- 水栓本体側に弁ユニットを固定する固定部材に対し、化粧キャップを該弁ユニットと該固定部材を通る方向を軸として該軸周りに回転可能に組み付けて成る化粧キャップの組付構造であって
前記固定部材には円形の外周面を有する立上り部を設けて、該立上り部に、前記化粧キャップの組付けのための、該固定部材及び化粧キャップとは別体をなす中間リングを、該立上り部の外周面と該中間リングとで弾性部材を径方向に弾性圧縮し挟み込む状態に且つ該中間リング組付状態の下での回転方向への入力により該弾性部材の該外周面又は/及び該中間リングに対する滑りを伴って該回転方向に位置移動可能に嵌合組付けして、該中間リングに対し前記化粧キャップを組み付けてあり、
且つ該化粧キャップと中間リングとは、一方に設けた周方向の単数若しくは複数の回転方向の位置決め用の係合部と、該係合部に対応して他方に設けた被係合部との係合により一体回転状態に位置決めし、組み付けてあることを特徴とする化粧キャップの組付構造。 - 請求項1において、前記弾性部材が前記中間リングとは別体に構成された、周方向に切目なく連続した弾性リングであって、前記立上り部の円形の外周面に弾性嵌合させてあり、前記中間リングが円形の内周面で該弾性リングに外嵌してあることを特徴とする化粧キャップの組付構造。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記係合部が突出形状の弾性爪片であり、前記被係合部が該弾性爪片を係入させる切欠部であることを特徴とする化粧キャップの組付構造。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記係合部及び被係合部が周方向に複数設けてあり、且つそれら係合部及び被係合部のそれぞれが周方向に非等分に配置してあることを特徴とする化粧キャップの組付構造。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記中間リングには正面位置が設定してあり、該正面位置に突部又は凹部が設けてあることを特徴とする化粧キャップの組付構造。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記中間リングは表形状と裏返し形状とが同一形状となしてあることを特徴とする化粧キャップの組付構造。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記固定部材が前記水栓本体側にねじ込まれて前記弁ユニットを固定するねじ固定部材であって前記立上り部が前記中間リング組付状態で該中間リングよりも高く突出する形状となしてあり、且つ該立上り部の少なくとも該中間リングよりも突出した部分に、工具により前記固定部材を回転操作するための工具掛部が設けてあることを特徴とする化粧キャップの組付構造。
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