JP2013213271A - 溶融金属めっき用浴中ロールおよび溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロール10であって、ロール表面には溝部15が形成され、この溝部15によって径方向外方に突出した山頂部16と径方向内方に後退した谷底部17とが画成されており、前記ロール表面に研磨加工が施されており、山頂部16の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とされていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
そこで、特許文献3−5には、溝の形状を検討し、ドロス屑の詰りを防止する技術が提案されている。
また、特許文献6には、溶融金属めっき用浴中ロールの表面に付着したドロス屑を、ワイパー及びスクレイパー等によって削ぎ落とす技術が提案されている。
このため、特許文献3−5に記載されたように、溝の形状を変更した場合であっても、ドロス屑の詰りを十分に防止することができず、長時間の操業を安定して行うことができなかった。
近年では、鋼板に対する要求品質も高くなってきており、上述の黒点欠陥をさらに低減する必要があった。
なお、本発明における算術平均粗さRa、十点平均粗さRzは、JIS B 0601(1994)で規定されたものである。
谷底部においては、封孔処理を実施した際に、必要以上の封孔材が堆積することがある。そして、この封孔材の一部が、ドロス屑とともに剥がれ落ちて黒点欠陥の原因となるおそれがある。
そこで、ロール表面に研磨加工を施して、谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、としているので、谷底部の過剰な封孔材を除去することができ、黒点欠陥を抑制することができる。また、溝部の深さが確保されることから、ドロス屑によって溝が埋まることを抑制できる。
この場合、溝部の深さが0.05mm以上、幅が0.05mm以上、ピッチが0.5mm以上とされているので、ドロス屑を効率良く排出することができ、鋼板のスリップを防止することができる。また、溝部の深さが1mm以下、幅が1.6mm以下、ピッチが10mm以下とされているので、鋼板の表面に溝形状が転写されて表面品質が劣化することを抑制できる。
また、溶射皮膜形成工程及び封孔処理工程後にロール表面を研磨する表面研磨工程と、前記表面研磨工程後に前記ロール表面を洗浄する表面洗浄工程と、を備えているので、ロール本体の表面に過剰に付着した溶射材及び封孔材を除去することができるとともに、研磨時に発生した研磨屑を除去することができる。
この場合、溶射皮膜形成工程及び封孔処理工程後にロール表面を研磨する表面研磨工程により、前記溝部によって形成される谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、としているので、谷底部に堆積した過剰な封孔材を除去することが可能となる。また、溝深さが確保されることから、溝部がドロス屑によって埋まることを抑制できる。
ここで、溝部15は、深さが0.05mm以上1mm以下、幅が0.05mm以上1.6mm以下、ピッチが0.5mm以上10mm以下とされている。
ロール本体21の表面には、下地溝が形成されており、この下地溝の表面に上述の溶射皮膜22と封孔処理膜23とが積層されることによって、溝部15が形成されているのである。また、この溝部15によって、溶融金属めっき用浴中ロール10のロール表面には、径方向外方に突出した山頂部16と径方向内方に後退した谷底部17とが画成されているのである。
溶射皮膜22は、例えば、サーメットといった硬質材料で構成されている。
封孔処理膜23は、例えば、クロム酸化物、シリカ、ジルコニア、アルミナ、といった金属酸化物で構成されている。
また、溝部15によって画成された谷底部17の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされている。
ここで、図4に示すように、山頂部16及び谷底部17の表面粗度は、溝部15の延在方向に沿って、すなわち、山頂部16の延在方向Z1及び谷底部17の延在方向Z2に沿って測定することになる。
まず、表面に複数の下地溝を形成したロール本体21を成形する(ロール本体成形工程S01)。このロール本体成形工程S01においては、ロール本体21の外周面にバイトを押し当てて切削加工することによって下地溝を形成する。
例えば、クロム酸化物からなる封孔処理膜23は、クロム酸水溶液を溶射皮膜22の上に付着させて、350℃から550℃で焼成することによって形成される。なお、これらの作業を複数回繰り返すことで、封孔処理膜23の厚さが調整される。
また、シリカ、ジルコニア、アルミナ等からなる封孔処理膜23は、シリコン、ジルコニウム、アルミニウムのアルコキシドを含むアルコール溶液を溶射皮膜22の上に付着させて、100℃から500℃で焼成することによって形成される。なお、これらの作業を複数回繰り返すことで、封孔処理膜23の厚さが調整される。
そして、山頂部16の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下とされ、谷底部17の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされるのである。
このようにして、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10が製造されることになる。
例えば、本実施形態では、図1に示す構成の溶融金属めっきラインに用いられる溶融金属めっき用浴中ロールとして説明したが、これに限定されることはなく、他の構成の溶融金属めっきラインに適用してもよい。
ロール径が800mm、ロール幅(ロール軸線方向長さ)が2100mmのロール本体を準備した。なお、ロール本体の表面には、図2に示すように複数の溝部を形成した。溝部の深さを1.5mm、幅を0.7mm、ピッチを1.5mmとした。
次に、溶射皮膜の上に、クロム酸化物からなる封孔処理膜を形成した。溶射皮膜を形成したロール本体を、クロム酸水溶液に浸漬した後、乾燥した。この浸漬作業及び乾燥作業を3回繰り返して、封孔処理膜を形成した。
その後、水洗及びウエスでの拭き取りを実施した。
一方、山頂部の表面粗度が本発明の範囲内であるNo.4,5においては、黒点欠陥は発生しなかった。
この結果から、山頂部の表面粗度を規定することによって、スクレイパーに付着したドロス屑が起因となる黒点欠陥の発生を抑制できることが確認された。
一方、谷底部の表面粗度がRa:3.1μm,Rz:10.8μmとされたNo.7においては、黒点欠陥は発生しなかった。
この結果から、谷底部の表面粗度を規定することによって、脱落した封孔処理膜が起因となる黒点欠陥の発生を抑制できることが確認された。
2 めっき浴槽
7 スクレイパー
10 溶融金属めっき用浴中ロール
15 溝部
16 山頂部
17 谷底部
21 ロール本体
22 溶射皮膜
23 封孔処理膜
Claims (5)
- 溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールであって、
ロール表面には溝部が形成され、この溝部によって、径方向外方に突出した山頂部と径方向内方に後退した谷底部とが画成されており、
前記ロール表面に研磨加工が施されており、前記山頂部の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とされていることを特徴とする溶融金属めっき用浴中ロール。 - 前記谷底部の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされていることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき用浴中ロール。
- 前記溝部は、深さが0.05mm以上1mm以下、幅が0.05mm以上1.6mm以下、ピッチが0.5mm以上10mm以下、とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶融金属めっき用浴中ロール。
- 溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法であって、
溝部が形成されたロール本体の表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成工程と、前記溶射皮膜に対して封孔処理を施す封孔処理工程と、前記封孔処理工程後に、ロール表面を研磨する表面研磨工程と、前記表面研磨工程後に、前記ロール表面を洗浄する表面洗浄工程と、を有し、
前記表面研磨工程により、前記溝部によって画成される山頂部の表面粗度を、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とすることを特徴とする溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法。 - 前記表面研磨工程により、前記溝部によって画成される谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とすることを特徴とする溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法。
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JP2015107494A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-06-11 | 三井金属鉱業株式会社 | 金属溶湯用部材、金属溶湯用部材の製造方法および金属溶湯保持炉 |
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