JP4282936B2 - 表面処理ドクターブレード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理が施されたドクターブレードに関し、さらに詳しく言えば、ドクターブレードを交換した際、刃先とシリンダーとの当たりの調整のために行う空運転の低減を可能とし、かつ連続印刷時の印刷不良の抑制に優れた表面処理ドクターブレードに関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
グラビア(凹版)印刷では、図1および図2(図1の部分拡大図。但し、図1、2共に理解を容易にするためにブレード部分をシリンダーに対して極端に拡大して描いている。)に示すように円筒表面に画像に対応するセルと呼ばれる微小な凹部(図示せず)を多数形成したシリンダー(1)を用い、このシリンダーの円周面にスチール製またはステンレス製のドクターブレード(2)を一定の圧力で押圧しておいて、版面の非画像部に付着しているインキ(3)を掻き落とし除去している。このドクターブレードは非画像部のインキを完全に除去すると共に、画像部に所定量のインキを残す機能を有するものであるから、シリンダーとドクターブレードとの接触圧は常に一定に維持されなければならず、その刃先には耐磨耗性が要求され、一般的にはブレードに表面処理を施したドクターブレードが利用されている。
【0003】
例えば、(1)特開平4−296556には、刃先部の表面が撥インキ性を有する材質(高分子粒子を含有する金属めっき)からなるドクターブレード、
(2)特開2001-80230には、表面に含フッ素処理(例えば、4フッ化エチレン樹脂粒子を共析した金属めっき)を施したヘラウラ防止用のドクター、
(3)特表2000-507523には、ブレード表面に表面エネルギーが10〜60mN/mの表面エネルギーの乏しいポリマーを被覆したドクターブレード、
(4)特開平3-64595には、第1層のニッケル系合金と、その上層のクロムめっきとよりなる発錆び性、耐磨耗性に優れた表面処理ドクターブレードが提案されている。
(5)特許第2952333号には、第1層にNiめっき、その上層にセラミック粉を含有させたNiめっきの2層めっきよりなるドクターブレードの製造方法が提案されている。
(6)特開2001-1664にはブレード芯金表面に、芯金より硬くダイヤモンドライクカーボン被膜よりも軟らかい下地めっき被膜の上層にダイヤモンドライクカーボン被膜が被覆されたドクターブレードが提案されている。
【0004】
しかし、これら従来技術には以下のような問題があった。
(1)で提案されている技術は、刃先表面を撥インキ性とし、版のセルに入っているインキを引張り出すことなくドクタリングすることにより、良好にセルにインキを詰めることを可能とし、精密印刷においても画素の形状を良好に再現することを狙いとするものであるが、撥インキ性高分子粒子含有金属の単層処理であるため、耐磨耗性が十分ではなく、連続印刷に伴い刃先の磨耗が急激に進行し、頻繁にブレードを交換する必要があり生産効率を落すものであった。
【0005】
(2)で提案されている技術は、ブレードに4フッ化エチレン樹脂粒子を含有した金属めっきのみを単層で施すことにより、連続印刷時に刃先の裏側(シリンダー回転方向裏側(図2のR側))に塗工液が蓄積成長することにより、蓄積した液滴が原版上に不規則に転移し、点状、筋状に盛り上がるヘラウラという印刷の欠陥防止には有効ではあるが、4フッ化エチレン樹脂粒子を共析せしめた金属めっきのみでは、めっきが比較的柔らかいため、耐磨耗性が十分ではなく、連続印刷に伴い刃先の磨耗が急激に進行し、その結果頻繁にブレードを交換する必要があり生産効率を落すものであった。また、この単層めっきのみでは、シリンダーからのインキの掻き落し不良が生じやすく、連続印刷時における比較的早い段階から掻き落とし不良に起因すると考えられる印刷不良(カブリ等)が生じるという問題があった。
【0006】
(3)で提案されている技術は、ブレード表面に表面エネルギーが乏しいポリマーを被覆することにより、高粘度のインキを使用した際のインキ溜まりを防止するものであるが、ブレードに施された処理物がポリマーであるため、ブレードの耐磨耗性は全く向上せず、刃先の磨耗によるブレードの交換を頻繁に行う必要があり、生産効率の悪いものであった。また、シリンダーからの薬液の掻き落し不良が生じやすく、印刷の比較的初期の段階で印刷不良(カブリ等)が生じるという問題があった。
【0007】
(4)および(5)で提案されている技術は、2層めっきすることにより、上層のめっきの密着力を向上させ、かつ最表層のめっきであるクロムめっき、あるいはセラミック含有ニッケルめっきにより刃先の耐磨耗性を向上させたものであり、ブレードの磨耗の減少には有効であるが、最表層のめっき皮膜が硬いため、シリンダー自体の磨耗促進、シリンダーの損傷、めっき皮膜自体の剥離等による印刷不良が生じやすいという問題があった。
【0008】
(6)で提案されている技術は、セラミック複合ニッケル被膜とダイヤモンドライクカーボン被膜の2層処理とすることにより、水性インキ使用時の、インキ掻き取り不良による版カブリを防止しようというものであるが、この技術は、ダイヤモンドライクカーボン被膜とセラミック複合ニッケル被膜との密着性が充分でなく、連続印刷時の刃先の磨耗にともない、上層が剥離しやすくなり、この剥離粉のインキへの混入により、印刷不良が生じやすいという問題があった。また、ダイヤモンドライクカーボン被膜をつける生産効率が悪く、かつそれをつけるためにはプラズマ蒸着装置等の特別な装置が必要となり、生産自体が高コストとなる等の問題があった。
【0009】
さらに、これら従来技術(1)〜(6)は、刃先先端がめっきで完全に覆われているため(図3のC)に、ブレードを新規に交換した直後に印刷を行うと、シリンダーと刃先接点での接触不良により、スジ、カブリ等の印刷不良が発生する。そこで、通常30分〜60分の空運転を行い、シリンダーとブレードとの接触(なじみ)をよくした後、実際の印刷を行うのが通常であり、空運転時間分のロスが発生し、印刷効率が非常に悪いだけでなく、空運転時にシリンダーを損傷させたり、ブレードに偏磨耗を生じさせたりするという問題があった(以下、これら問題を一括して「刃先のなじみ性」という。)。
【0010】
したがって、本発明の課題は、上記従来技術の問題を改善し、シリンダーと刃先とのなじみ性を向上させることにより、空運転の時間を短くすることを可能とし、また刃先の耐磨耗性を向上させるとともに、連続印刷時の印刷不良の発生を抑止することを可能とする表面処理ドクターブレードを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、刃先のなじみ性、インキ掻き取り性、連続印刷特性(耐磨耗性)に関して、鋭意検討した結果、以下のことが判明した。
【0012】
刃先のなじみ性を向上させるには、
▲1▼ブレードとシリンダーが最初に接触する刃先先端部(図3の(A),(B)参照)の硬度を低くすることが有効である。これにより、刃先なじみ性が改善される正確なメカニズムは不明ではあるが、硬度を低くすることにより、シリンダーへの押圧時の刃先先端の変形が促進される結果、シリンダーとの接触面積が広がり、この事が有効に寄与するものと推定される。その具体的な手段として、刃先先端のみブレード基材を露出させておくことが最適である。
▲2▼また、ブレード基材を露出させ、シリンダーとの接触面積を増加させたことにより促進される空運転時の偏磨耗を防止するために、ブレード露出部以外の刃先表面処理部には、潤滑性を有する皮膜が必要となる。
【0013】
また、インキ掻き取り性の向上には、
▲3▼少なくともインキと接する刃先の表側(シリンダー回転方向表側(図2のS側))のブレードの最表層処理面の表面エネルギーを下げる。表面エネルギーを下げることによって、皮膜の撥インキ性により非画像部より掻き取った余剰インキがシリンダー/ブレード接触界面領域(図2のa部)に滞留せず、この接触界面領域外への排出が促進される結果、内部へのインキの巻き込み(ブレードによる掻き取り不良)が抑制されるものと考えられる。
【0014】
▲4▼処理後のブレードの表面硬度を特定の範囲とする。皮膜の硬度を特定の範囲とすることにより、安定、均一かつ十分な圧力を、ブレードよりシリンダーに加圧できることになり、インキの掻き落し性能が向上するものと考えられる。
【0015】
また、連続印刷時には、印刷に伴い刃先の磨耗、めっきの欠落、シリンダーの損傷および磨耗により、印刷不良が生じやすくなるという問題があった(連続印刷特性(耐磨耗性))。これらを抑止するには
▲5▼ブレード表面の摩擦係数を低下させる。すなわち、表面の潤滑性を上げ、ブレードとシリンダーの接点での凝着磨耗を抑制すること。
▲6▼表面硬度を特定の範囲とすること。および
▲7▼膜厚を特定の範囲とすることが有効であることが判明した。
【0016】
以上のように刃先なじみ性、インキ掻き取り性、連続印刷特性(耐磨耗性)を同時に向上させるには、ドクターブレードとして上記▲1▼〜▲7▼のすべてを満足する必要があるが、従来技術では上記条件すべてを満足することは困難であり、本発明で提案するように、刃先部の刃先先端のみブレード基材を露出させ、この刃先先端以外の刃先部分は、表面処理皮膜として2層皮膜構造とし、それぞれの皮膜層で機能を分担させることによって初めて可能になることを見出した。
【0017】
すなわち本願発明は、以下の構成よりなる。
1.少なくとも刃先部の表面が、第1層としてのニッケル系めっき(ただし、めっき中に有機樹脂粒子が分散した有機樹脂分散複合めっきは除く。)とその上の第2層の低表面エネルギー皮膜とからなる表面処理皮膜よりなり、かつ刃先先端部のブレード基材の少なくとも一部が露出していることを特徴とする表面処理ドクターブレード。
2.ニッケル系めっきがセラミック粒子を含有したニッケル-リン系複合めっきである前項1に記載の表面処理ドクターブレード。
3.低表面エネルギー皮膜が、フッ素系樹脂を含有する有機樹脂分散ニッケル系複合めっき皮膜、シリコーン系樹脂皮膜、フッ素系樹脂皮膜、およびシリコーン系樹脂および/またはフッ素系樹脂粒子を含有する有機樹脂皮膜から選ばれる少なくとも1種である前項1または2に記載の表面処理ドクターブレード。
4.刃先表面処理部の表面硬度が、ビッカース硬度(Hv)400〜1500である前項1から3のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブレード。
5.フッ素系樹脂の粒子径が、0.05μm〜10μmである前項3または4に記載の表面処理ドクターブレード。
6.セラミック粒子の粒子径が、0.05〜10μmの粒子径である前項2から5のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブレード。
7.フッ素系樹脂が、4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹脂およびフッ化エチレンプロピレン樹脂から選ばれる少なくとも1種である前項3から6のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブレード。
8.表面処理皮膜の第1層の膜厚(A)と第2層の膜厚(B)の合計(A+B)が、2μm≦A+B≦30μmである前項1から7のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブレード。
9.表面処理皮膜の第1層の膜厚(A)および第2層の膜厚(B)の比(B/A)が0.005≦B/A≦1.3である前項8に記載の表面処理ドクターブレード。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細を説明する。
本発明に使用されるドクターブレード基材は、印刷用、塗装用に使用されている公知のスチール製およびまたはステンレス製基材であればいずれも使用可能である。
また、通常、ドクターブレード用基材は、刃先部となる側縁が薄刃状になるように段付け形成される等の加工が施されていて、その刃の形状の違いにより平行刃、傾斜刃、丸刃、角刃があり、いずれの形状のものも使用することが可能である。また、このような刃先加工を、ブレードの片側のみに行った片刃タイプのもの、両側に行った両刃タイプのものがあり、本発明では用途に応じていずれのものも使用することが可能である。
【0019】
本発明ではブレード基材寸法に何ら制限は無く利用可能であるが、例えば代表的なブレード基材は厚さが0.15mm〜0.6mm、幅が40〜60mmの帯状鋼板よりなる。
本発明による表面処理ドクターブレードは、ブレードの刃先先端部のブレード基材が露出し、かつ刃先先端部以外の刃先部分が特定の表面処理皮膜で被覆されていることを特徴とする。
【0020】
本発明における基材が露出した刃先先端部の態様としては、刃先先端部のブレード基材の少なくとも一部が露出していればよい。具体例としては、例えば、図3(A)及び(B)の刃先先端部の断面図に示されるような態様が挙げられ、連続印刷特性より、刃先なじみ性をより重視する場合は、図3(A)のように刃先先端が特定角度(例えば、刃先先端角度α:10°〜70°)となるように刃先先端を形成させ、ブレード基材を露出させたものが好適に利用でき、また、刃先なじみ性より連続印刷特性をより重視する場合は、図3(B)に例示されるような、刃先最先端のみブレード基材を露出させたものが好適に利用できる。このように、刃先先端のブレード基材の露出の態様としては、その印刷方式、および求められる性能により、ブレード基材の露出のさせ方を適宜変化させることにより対応可能である。
刃先先端部のブレード基材が露出していない場合は、刃先なじみ性の効果が全く得られないため本発明には適さない。
また、本発明では、上記ブレード基材露出部以外の刃先部分は、特定の2層構造よりなる表面処理皮膜が被覆されていることを特徴とする。すなわち、第1層として特定のニッケル系めっき、その上層に第2層として低表面エネルギー皮膜よりなる表面処理皮膜で被覆されていることが必要であり、これ以外の表面処理皮膜では、前述の▲2▼〜▲7▼の効果が得られず、本発明の目的である刃先なじみ性、インキ掻き取り性、連続印刷特性(耐磨耗性)に優れた表面処理ドクターブレードは得られない。
以下にさらに詳細に説明する。
【0021】
第1層のめっきは、主にブレードに硬度を付与する機能を有し、ニッケル系めっきが有効である。ただし、めっき中に有機樹脂粒子が分散したニッケル系分散複合めっき、および上記以外のめっきでは所定の硬度を得ることが出来ないか、ブレード基材に対するめっきの密着性が劣るため適さないので本発明では除外される。
【0022】
ここでいうニッケル系めっきとは、純ニッケルめっき、ニッケル−コバルト、ニッケル−鉄、ニッケル−クロム、ニッケル−タングステン、ニッケル−マンガン、ニッケル−スズ、ニッケル−リン、ニッケル−ボロン、ニッケル−リン−ボロン等の合金めっき、およびこれらニッケル系金属よりなるマトリックス中に有機樹脂以外の粒子、例えば、Al2O3、Cr2O3、Fe2O3、TiO2、ZrO2、ThO2、SiO2、CeO2、BeO2、MgO、CdO、ダイヤモンド、SiC、TiC、WC、VC、ZrC、TaC、Cr3C2、B4C、BN、ZrB2、TiN、Si3N4、WSi2等の中から選ばれる少なくとも1種の粒子が分散したニッケル系分散めっきのことをいい、いずれのものを使用してもよい。
なお、上記微粒子のほかに本発明に支障のない範囲であれば、有機樹脂等のその他成分を微量含有させることが可能である。
【0023】
これらニッケル系めっきの中でも第1層のめっきとして、セラミック粒子が分散したもの、中でもSiC粒子が分散したニッケル-リン系複合めっきが好ましく、特にSiC粒子が分散したニッケル−リン系合金めっきが最も好ましい。
【0024】
なお、本発明で使用するセラミック粒子の粒子径は0.05μm〜5μmが好ましい。粒子径が0.05μm未満あるいは5μmを超えると、連続印刷特性(耐磨耗性)、インキ掻き取り性、またはめっき密着性が劣るため本発明では適さない。好ましい粒子径は0.1μm〜2μm、さらに好ましい粒子径は0.15μm〜1μmである。
【0025】
また、セラミック粒子のめっき中での含有量としては、めっき中に0.5vol%〜40vol%が好ましい。0.5vol%未満では、連続印刷特性(耐磨耗性)を向上させる効果は得られず、40vol%を超えると、めっきの密着性が劣るため好ましくない。特に好ましい含有量は3vol%〜30vol%、さらに好ましくは5vol%〜25vol%である。
【0026】
第2層の皮膜は、(1)ブレード表面の表面エネルギーを下げ、撥インキ性を持たせることにより非画像部より掻き取った余剰インキを滞留させず、ブレード/シリンダー接触界面領域(図2のa)から系外への排出を促進し、ブレード/シリンダー接点内部へのインキの進入を抑制する機能、および(2)ブレード/シリンダー接点部での潤滑性を向上させることにより、刃先先端部のブレード基材を露出させたことによる空運転時の偏磨耗を抑制する機能と、連続印刷時の接点部での凝着による磨耗を低減させる機能を有するものであり、低表面エネルギー皮膜が有効である。
ここでいう、低表面エネルギー皮膜とは、撥インキ性を有し、かつ潤滑性を有する皮膜のことをいう。
【0027】
具体的には、金属めっきとしては、フッ素系樹脂粒子を含有した有機樹脂分散ニッケル系複合めっきが挙げられる。また、樹脂皮膜としては表面エネルギーの低い有機樹脂、例えばポリエチレン、ポリプリピレン等のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、イミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、およびこれらの樹脂を粒子として含有する樹脂皮膜から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これら以外の金属めっきあるいは樹脂皮膜では本発明で必要とする低表面エネルギーを得ることができず、インキ掻き取り性、連続印刷特性(耐磨耗性)に劣るか、あるいはインキに対する耐性がなく皮膜が劣化するため本発明には適さない。
【0028】
これらの中でも好ましい表面処理皮膜は、フッ素系樹脂粒子を含有した有機樹脂分散ニッケル系複合めっき皮膜、フッ素系樹脂皮膜、シリコーン系樹脂皮膜および、フッ素系樹脂粒子および/またはシリコーン系樹脂粒子を含有する樹脂皮膜であり、特に好ましいのはフッ素系樹脂粒子を含有する有機樹脂分散ニッケル系複合めっき皮膜である。
【0029】
ここでいう、フッ素系樹脂を含有する有機樹脂分散ニッケル系複合めっきとは、例えば、純ニッケルめっき、ニッケル−コバルト、ニッケル−鉄、ニッケル−クロム、ニッケル−タングステン、ニッケル−マンガン、ニッケル−スズ、ニッケル−リン、ニッケル−ボロン、ニッケルーリンーボロン等の合金よりなるニッケル系金属マトリックス中にフッ素系樹脂を含有する分散めっきであり、中でもフッ素系樹脂が分散したニッケルーリン系複合めっきが特に好ましい。
【0030】
本発明におけるフッ素系樹脂粒子およびフッ素系樹脂皮膜用のフッ素系樹脂としては、例えば4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹脂、フッ化エチレンプロピレン樹脂、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、4フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ素化したアクリルポリマー、フッ素化したメタクリルポリマー等が挙げられ、特に、4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹脂、フッ化エチレンプロピレン樹脂が好ましく、中でも4フッ化エチレン樹脂がさらに好ましい。
【0031】
本発明において、フッ素系樹脂粒子を使用する場合、そのフッ素系樹脂粒子の粒子径は、0.05μm〜10μmが好ましい。粒子径が0.05μm未満では、下地めっきとの密着性が劣るので好ましくない。一方、10μmを超えると、樹脂粒子がめっき中から欠落しやすくなり、本発明の効果が得られず本発明には適さない。中でも好ましい粒子径は0.07μm〜5μmであり、さらに好ましくは0.1μm〜1μm、最も好ましくは0.15μm〜0.5μmである。
【0032】
金属めっき皮膜あるいは樹脂皮膜中のフッ素系樹脂粒子の含有量としては、皮膜中に2〜50vol%が好ましい。2vol%未満では、表面エネルギーを下げたり、潤滑性を向上させたりする効果は得られず、50vol%を超えると、皮膜の密着性が劣るため好ましくない。中でも10vol%〜40vol%が好ましく、さらに20vol%〜30vol%が好ましい。但し、本発明に支障のない範囲であれば、皮膜中にフッ素系樹脂粒子以外の成分を微量含有させることが可能である。
【0033】
本発明では、以上説明したような第1層の特定のニッケル系めっきと、第2層の低表面エネルギー皮膜の両者が組み合わさって初めて本発明の複合効果が得られるものであり、それぞれ単独では、本発明の効果は全く得られない。
【0034】
本発明では、刃先表面処理部分の表面硬度をビッカース硬度(Hv)で400〜1500とする。硬度が400未満では、掻き取り不良が生じ易く連続印刷初期段階で、画像の形状不良等の印刷不良が生じやすくなるだけでなく、連続印刷特性(耐磨耗性)にも劣るため本発明には適さない。また、ビッカース硬度が1500を超えると、めっきが脆く剥離しやすくなるばかりか、シリンダーの版面を傷つけてしまい、印刷不良が生じやすくなるので本発明には適さない。特に好ましいビッカース硬度(Hv)は700〜1300であり、さらに好ましくはHv800〜1150である。
【0035】
なお、本発明におけるビッカース硬度(Hv)とは、JIS Z 2251の微小硬さ試験方法のビッカース硬さ試験に準拠して行うものである(試験荷重に関しては、皮膜厚に応じて50gf未満の荷重も適宜選択して使用することも可能である。)。
【0036】
本発明における表面処理皮膜の膜厚は、第1層の膜厚(A)および第2層の膜厚(B)のトータルの膜厚(A+B)を2μm〜30μmとする。2層トータルでの皮膜厚が2μm未満では、連続印刷特性(耐磨耗性)の効果が得られず本発明には適さない。また、30μmを超えると、経済的に不利であるばかりか、連続印刷特性(耐磨耗性)、皮膜の密着性が劣ってくるので本発明には適さない。特に好ましい膜厚は、3μm≦A+B≦15μmであり、さらに5μm≦A+B≦10μmが好ましい。
さらに、第1層の膜厚(A)および第2層の膜厚(B)の比(B/A)が0.005≦B/A≦1.3を満足することが好ましい。各層の皮膜厚の比が0.005未満では、インキ掻き取り不良が生じやすく、また、1.3を超えると連続印刷特性(耐磨耗性)が劣る。特に好ましい皮膜厚比は、0.05≦B/A≦0.6であり、さらに好ましくは0.1≦B/A≦0.3である。
【0037】
めっき厚および樹脂皮膜厚の測定方法としては、公知の測定方法が利用できる。
例えば、(1)蛍光X線測定装置を用いて膜厚を測定する方法、(2)剥離液により表面処理皮膜を剥離し、その前後の重量差により膜厚を測定する方法、(3)垂直断面を光学顕微鏡、電子顕微鏡で観察しめっき厚および樹脂皮膜厚を測定する方法等、公知技術を適宜選択することにより測定可能である。
【0038】
以上説明したように、本発明による表面処理ドクターブレードは、刃先先端部のブレード基材が少なくとも一部露出し、かつブレード基材露出部以外の刃先部分が前述した特定の2層構造よりなる表面処理皮膜で被覆されることにより初めて、本発明の効果(刃先なじみ性、インキ掻き取り性、連続印刷特性(耐磨耗性))を得ることができる。
【0039】
本発明による刃先先端部の基材が少なくとも一部露出したブレードは、例えば、「ブレード基材の刃先先端部をマスキング剤でシール」→「表面処理」→「マスキング剤剥離」→「焼鈍」→「所定寸法に剪断」、「表面処理」→「刃先先端部のみをバフあるいはサンドペーパー等により研磨」→「焼鈍」→「所定寸法に剪断」、あるいは「表面処理」→「刃先先端部のみをバフあるいはサンドペーパー等により研磨」→「焼鈍」→「刃先先端部のみをバフあるいはサンドペーパー等により研磨」→「所定寸法に剪断」の工程により製造することができる。
【0040】
表面処理の具体的な手段としては、公知製造技術のいずれかの手段を利用して行うことができる。例えば、第2層がめっき皮膜の場合は、脱脂→水洗→活性化処理→水洗→めっき→水洗→めっき→水洗→乾燥、あるいは脱脂→水洗→活性化処理→水洗→めっき→水洗→(脱脂、酸処理、研磨、水洗等、何れか少なくとも一つによる表面調整)→めっき→水洗→乾燥等により製造可能であり、第2層が樹脂皮膜の場合は、脱脂→水洗→活性化処理→水洗→めっき→水洗→乾燥→塗装→焼付け、あるいは脱脂→水洗→活性化処理→水洗→めっき→水洗→乾燥→焼鈍→(場合によっては、前処理(脱脂、水洗等)→乾燥)→塗装→乾燥・焼き付け等により製造可能である。
さらに、これら製造工程に、刃先研磨による刃先調整、表面研磨による表面調整を行ってもよいし、焼鈍工程を省略してもよい。
【0041】
めっきの手段としては、電気めっき、無電解めっき等の公知のめっき技術を利用することができる。
本発明では、ブレード基材と第1層のめっき、および/または第1層めっきと第2層皮膜との密着性を上げたり、めっき皮膜の析出を促進させたりすることを狙いとして、予め第1層めっきおよび/または第2層皮膜の下地処理として、ニッケル系めっき、銅系めっき等による下地めっきを行うことも可能である。特に、ブレード基材としてステンレス素材を利用する場合は、第1層のめっき前の下地めっきとしてニッケル系ストライクめっきが有効である。
【0042】
本発明の実施の形態としては、ドクターブレードの少なくとも刃先部が、本発明による処理が施されていればよく、本発明によりブレード刃先部以外の部分の処理を制限するものではない。
本発明の表面処理ドクターブレード実施の態様としては例えば以下のものが挙げられ、いずれの態様をとっても支障がない。
【0043】
(1)ブレード全面の両側(シリンダー回転方向表側(図2のS側)および裏側(図2のR側))に本発明による2層皮膜を施した態様、
(2)ブレード全面の片側に本発明による2層皮膜を施した態様、具体的には刃先の表側(図2のS側)に本発明による2層皮膜を施し、刃先の裏側(図2のR側)にニッケル系めっき、またはクロム系めっきを施すか、またはめっき無しスチールのままのもの、
(3)少なくとも刃先のみの両側(図2のS側およびR側)に本発明による2層皮膜を施したもの、
(4)少なくとも刃先の片側に本発明による2層皮膜を施した態様、具体的に刃先の表側(図2のS側)に本発明による2層皮膜を施し、刃先の裏側(図2のR側)にニッケル系めっき、またはクロム系めっきを施すか、またはめっき無しスチールのままのもの。
【0044】
本発明で得られる表面処理ドクターブレードは、グラビア印刷等の印刷用の用途に使用可能であるが、塗装用途、画像形成装置等に装備される残留トナー除去用途等のその他の用途にも適宜使用可能である。また、印刷あるいは塗装時に利用される、インキあるいは塗料は、水性のものであれ、油性のものであれいずれも利用可能である。さらに、印刷機のインキング装置として、ドブ漬け方式、ファニシャローラー方式等があるが、本発明では、ブレードを使用する方式であれば、インキング方式にとらわれず利用可能である。
【0045】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の記載により限定されるものではない。
なお、実施例および比較例による表面処理ドクターブレードの表面硬度、皮膜厚、および表面エネルギーは下記の方法により測定した。
[表面硬度(ビッカース硬度)]
下記条件で、5点測定し、その平均値をビッカース硬度(Hv)とした。
測定箇所:刃先表側(ロール回転方向表側(図2のS側))の刃先部、
測定機:株式会社 島津製作所製 HMV−2000、
測定条件:試験荷重25gf、保持時間10秒。
[皮膜厚]
刃先の断面を電子顕微鏡で観察し、各層の皮膜厚を測定した。
[表面エネルギー]
刃先表面処理部分の表面へ水滴を落とし、水滴と表面の接する接触角(水の接触角)を測定し、後述のSiC分散ニッケル−リン複合単層めっきブレード(比較例1)の水の接触角との大小を比較することにより、表面エネルギーの尺度とした。
高:接触角がSiC分散ニッケル−リン複合単層めっきブレード(比較例1)と同じかこれより小、
低:接触角がSiC分散ニッケル−リン複合単層めっきブレード(比較例1)より大。
【0046】
実施例1
めっき工程1:板幅50mm、板厚0.15mm、刃先長さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、平均粒径 0.5μmのSiC(3)を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液、シューマ−SC−80−1:20vol%、シューマ−SC−80−4:2vol%)中に87℃で膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、SiCを含有したニッケル複合めっきを行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、SiC粒子含有ニッケル−リン系複合(Ni−P−SiC(3))単層めっきブレード1を得た、
【0047】
表面調整工程:上記単層めっきブレード1にバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去し、単層めっきブレード2を得た。
めっき工程2:単層めっきブレード2を、再度、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:50g/リットル)に5分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、4フッ化エチレン樹脂(1)(PTFE(1))(平均粒子径:0.22μm)を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液(カニフロン−0:20vol%、カニフロンー4A(4フッ化エチレン樹脂(1)分散液):2vol%)中に86℃で、膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、4フッ化エチレン樹脂(1)を20〜25vol%含有した有機樹脂分散ニッケル−リン複合めっき(Ni−P−PTFE(1))を行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割してNi−P−SiC(3)めっきの上にPTFE(1)分散ニッケル−リン複合めっき(Ni−P−PTFE(1))層を有する2層めっきブレード1を得た。
後処理工程:上記2層めっきブレードの刃先先端のみを#2000のサンドペーパーで刃先研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去し、ブレード基材を完全に露出させた後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。表1に第1層の膜厚(A)、第2層の膜厚(B)、第2層の4フッ化エチレン樹脂(PTFE)含有量、第2層の表面エネルギー、トータル膜厚(A+B)、膜厚比(B/A)、表面硬度(Hv)の値をまとめて示す。
【0048】
(1)刃先なじみ性
実施例1のブレードを装着した印刷機により、油性インキを使用し空運転を行い、開始直後から、印刷物にスジ、カブリ、カスレ、ニジミ等の印刷欠陥が生じず、正常に印刷できるようになるまでの時間で評価した。
◎:5分未満、
○:5分以上30分未満、
△:30分以上60分未満、
×:60分以上。
(2)連続印刷特性(耐磨耗性)
実施例1のブレードを装着した印刷機により、油性インキおよび水性インキを使用して刃先なじみを調整後印刷を行い、印刷物にスジ、カブリ、カスレ、ニジミ等の印刷欠陥が発生した時点をブレードの寿命とし、この寿命に達するまでの印刷物の量を測定後、後述のSiC分散ニッケル−リン複合単層めっきブレード(比較例1)の印刷量と比較して下記に示す基準により評価した。
【0049】
【0050】
[評価基準]
1:印刷量がSiC分散ニッケル−リン複合めっきブレード(比較例1)より格段に多い。
2:印刷量がSiC分散ニッケル−リン複合めっきブレード(比較例1)より若干多い。
3:印刷量がSiC分散ニッケル−リン複合めっきブレード(比較例1)と同等。
4:印刷量がSiC分散ニッケル−リン複合めっきブレード(比較例1)より少ない。
【0051】
(3)インキの掻き取り性
水性インキを使用し、実施例1のブレードを装着したグラビア印刷機による印刷時の印刷速度を徐々に変化させ、インキの掻き取り不良(カブリ等)が生じ始める印刷速度を測定し、それを限界印刷速度とし、めっき処理していないスチール品と下記の基準で比較して評価した。
◎:限界印刷速度がスチール品の1.4倍以上、
○:限界印刷速度がスチール品の1.1倍以上1.4倍未満、
△:限界印刷速度がスチール品の1.0倍以上1.1倍未満、
×:限界印刷速度がスチール品の1.0倍未満。
【0052】
(4)皮膜密着性
表面処理を施したドクターブレードを、JIS H 8504に準拠し、所定角度に曲げ、次いで曲げられた、曲げ部にテープ剥離試験を実施し、皮膜の剥離の有無を目視で観察し、下記の基準により評価した。
○:良好(皮膜剥離無し)、
△:やや不良(皮膜剥離若干あり)、
×:不良(皮膜剥離大)。
上記の結果をまとめて表1に示す。
【0053】
実施例2〜36
めっき工程:実施例1と同様に、板幅50mm、板厚0.15mm、刃先長さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)に適宜前処理を行った後、表3に示す平均粒子径を有する各種SiC(SiC(1)〜SiC(5))を分散させた無電解Niめっき液中に87℃で膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、SiCを含有したニッケル-リン複合めっき(Ni−P−SiC(1)〜(5))を行い、水洗後、表2に示す平均粒子径を有する各種4フッ化エチレン樹脂(PTFE(1)〜(8))を分散させた無電解Niめっき液中に86℃で、膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、4フッ化エチレン樹脂を含有したニッケル−リン複合めっき((Ni−P−PTFE(1)〜(8))を行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割した後、2層めっきブレード1を得た。
後処理工程:上記2層めっきブレード1の刃先先端のみを#2000のサンドペーパーで刃先研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去し、ブレード基材を完全に露出させた後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1にまとめて示す。
【0054】
実施例37〜41
めっき工程1:実施例1と同様に、板幅50mm、板厚0.15mm、刃先長さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)に適宜前処理を行った後、SiC(3)を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液、シューマ−SC−80−1:20vol%、シューマ−SC−80−4:2vol%)中に87℃で膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、SiCを含有したセラミック分散ニッケル−リン複合めっき(Ni−P−SiC(3))を行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、単層めっきブレード1を得た。
表面調整工程:上記単層めっきブレード1にバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去し、300℃×1時間の焼鈍処理を行った後、単層めっきブレード2を得た。
塗布工程:単層めっきブレード2を、表1に示す樹脂よりなる樹脂塗料を乾燥膜厚で1μmになるようにロールコーターで塗布し、熱風乾燥炉にて、乾燥させ2層処理ブレードとした。
後処理工程:上記2層処理ブレードの刃先先端のみを#2000のサンドペーパーで刃先研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去しブレード基材を完全に露出させた後、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。
また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1にまとめて示す。
【0055】
実施例42
めっき工程1:実施例1と同様に、板幅50mm、板厚0.15mm、刃先長さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)に適宜前処理を行った後、窒化ホウ素(BN)を分散させた無電解Niめっき液中に87℃で膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、窒化ホウ素(BN)を含有したニッケル−リン複合めっき(Ni−P−BN)を行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、単層めっきブレード1を得た。
表面調整工程:上記単層めっきブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去し、単層めっきブレード2を得た。
めっき工程2:単層めっきブレード2を、実施例1のめっき工程2に示した前処理をした後、4フッ化エチレン樹脂(1)(PTFE(1))(粒子径:0.22μm)を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液(カニフロン−0:20vol%、カニフロンー4A(4フッ化エチレン樹脂(1)分散液) :2vol%)中に86℃で、膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、4フッ化エチレン樹脂(1)を20〜25vol%含有した有機樹脂分散ニッケル−リン複合めっき(Ni−P−PTFE(1))を行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割した後、2層めっきブレード1を得た。
後処理工程:上記2層処理ブレード1の刃先先端のみを#2000のサンドペーパーで刃先研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去しブレード基材を完全に露出させた後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0056】
実施例43
第1層のめっきとして、セラミック(SiC)を含まないめっきを施した以外は、実施例1と同一処理で製造し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去しブレード基材を完全に露出させた表面処理ブレードを製造し、この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0057】
比較例1
めっき工程1:板幅50mm、板厚0.15mm、刃先長さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーと共にリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、SiC(3)を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液、SC−80−1:20vol%、SC−80−4:2vol%)中に87℃で、膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、SiC(3)を含有したニッケル−リン複合めっき(Ni−P−SiC(3))を行い水洗後乾燥した。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、単層めっきブレード1を得た。
表面調整工程:上記単層めっきブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去し、単層めっきブレード2を得た。
後処理工程:上記単層めっきブレード2の刃先先端のみを#2000のサンドペーパーで刃先研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去し、ブレード基材を完全に露出させた後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0058】
比較例2
めっき工程1:板幅50mm、板厚0.15mm、刃先長さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、4フッ化エチレン樹脂(1)(PTFE(1))を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液((カニフロン−0:20vol%、カニフロンー4A(4フッ化エチレン樹脂(1)分散液):2vol%)中に86℃で、皮膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、4フッ化エチレン樹脂(1)を20〜25vol%含有したニッケル−リン複合めっき(Ni−P−PTFE(1))を行い水洗後乾燥した。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、単層めっきブレード1を得た、
表面調整工程:上記単層めっきブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去し、単層めっきブレード2を得た。
後処理工程:上記単層めっきブレード2の刃先先端のみを#2000のサンドペーパーで刃先研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去し、ブレード基材を完全に露出させた後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0059】
比較例3
#2000番のサンドぺーパーによる刃先研磨の工程のみ省略し、実施例1と同様に処理して、刃先先端にも処理皮膜を有する表面処理ブレードを製造し、この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定し、また表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0060】
比較例4
#2000番のサンドぺーパーによる刃先研磨の工程のみ省略し、実施例37と同一処理で製造し、刃先先端にも処理皮膜を有する表面処理ブレードを製造し、この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定し、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0061】
比較例5
#2000番のサンドぺーパーによる刃先研磨の工程のみ省略し、比較例1と同一処理で製造し、刃先先端にも処理皮膜を有する表面処理ブレードを製造し、この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定し、また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0062】
比較例6
#2000番のサンドぺーパーによる刃先研磨の工程のみ省略し、比較例2と同一処理で製造し、刃先先端にも処理皮膜を有する表面処理ブレードを製造し、この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定し、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0063】
比較例7
めっき工程1:板幅50mm、板厚0.15mm、刃先長さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、4フッ化エチレン樹脂(1)(PTFE(1))を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液((カニフロン−0:20vol%、カニフロンー4A(4フッ化エチレン樹脂(1)分散液):2vol%)中に86℃で、膜厚が所定膜厚になるまで浸漬し、4フッ化エチレン樹脂(1)を20〜25vol%含有したニッケル−リン複合めっき(Ni−P−PTFE(1))を行い水洗後乾燥した。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、単層めっきブレード1を得た、
表面調整工程:上記単層めっきブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去し、単層めっきブレード2を得た。
めっき工程2:さらに実施例1のめっき工程1と同様にしてSiC(3)を含有したニッケル複合めっき(Ni−P−SiC(3))を行い、水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割した後、2層めっきブレード1を得た。
後処理工程:上記2層処理ブレード1の刃先先端のみを#2000のサンドペーパーで刃先研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去しブレード基材を完全に露出させた後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0064】
比較例8
第2層として、フッ素系樹脂を含まないニッケル−リン合金めっき(Ni−P)を行う以外は、実施例1と同一の処理を施し、この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定した。また、この表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0065】
比較例9
第1層として、実施例1と同様にしてSiC粒子含有ニッケル−リン系複合めっき(Ni−P−SiC(3))を施し、300℃×1時間の焼鈍処理をおこなった後、第2層としてエポキシ樹脂塗料を塗布し、塗膜を焼付け後、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの表面硬度(Hv)、皮膜厚および表面エネルギーを測定し、またこの表面処理ドクターブレードの刃先なじみ性、連続印刷特性、インキの掻き取り性および皮膜密着性を実施例1と同様にして測定評価した。これらの結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、寿命が向上し、高品質の印刷を安定して行える表面処理ドクターブレードを低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ドクターブレードを使用するグラビア(凹版)印刷の概念図である。
【図2】 図1の部分拡大図である。
【図3】 (A)及び(B)は基材が露出した本発明のブレードの刃先先端部の態様を示す断面図であり、(C)は従来技術のブレードの刃先先端部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダー(グラビア版)
2 ドクターブレード
3 インキ
4 2層皮膜
5 刃先先端
6 基材露出部
7 ブレード基材
8 表面処理皮膜
a ブレード/シリンダー接触界面領域
Claims (9)
- 少なくとも刃先部の表面が、第1層としてのニッケル系めっき(ただし、めっき中に有機樹脂粒子が分散した有機樹脂分散複合めっきは除く。)とその上の第2層のフッ素系樹脂を含有する有機樹脂分散ニッケル系複合めっき皮膜とからなる表面処理皮膜を有するドクターブレードの刃先先端部を研磨することによりブレード基材の少なくとも一部を露出させることを特徴とする、刃先先端部のブレード基材の少なくとも一部が露出した表面処理ドクターブレードの製造方法。
- 刃先先端部の研磨角度がブレード面に対して10°〜70°となるように研磨する請求項1に記載の製造方法。
- ニッケル系めっきがセラミック粒子を含有したニッケル−リン系複合めっきである請求項1に記載の製造方法。
- 刃先表面処理部の表面硬度が、ビッカース硬度(Hv)400〜1500である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
- フッ素系樹脂の粒子径が、0.05μm〜10μmである請求項3または4に記載の製造方法。
- セラミック粒子の粒子径が、0.05〜10μmの粒子径である請求項2から5のいずれか1項に記載の製造方法。
- フッ素系樹脂が、4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹脂およびフッ化エチレンプロピレン樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項3から6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 表面処理皮膜の第1層の膜厚(A)と第2層の膜厚(B)の合計(A+B)が、2μm≦A+B≦30μmである請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 表面処理皮膜の第1層の膜厚(A)および第2層の膜厚(B)の比(B/A)が0.005≦B/A≦1.3である請求項8に記載の製造方法。
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