JP4077981B2 - ドクターブレード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、グラビア印刷ロールにドクターブレードを突き立ててセルにインクを盛りかつ余分なインクを掻き取るドクターブレードの長寿命化が図れ、かつ水性インキ使用グラビア印刷に適用して油性インキ使用グラビア印刷と同等の印刷速度にしても版かぶりが起きにくく、水性インキ使用グラビア印刷を実用レベルになしうるドクターブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来のグラビア印刷機におけるドクター装置を示す。図2において、符号1はグラビア印刷ロール、符号2はドクター装置のドクターブレードを示す。ドクター装置は、ドクターブレード2を支持してその先端をグラビア印刷ロール1に突き立てて余分なインクを掻き取る装置である。ドクターブレード2の先端はナイフエッヂ形である。ドクターブレード2は、印刷中に矢印Aで示すゆっくりとした横スライドを行うことにより、ドクターブレード2のナイフエッヂの一点がグラビア印刷ロール1のロール面長方向の定まった一点にのみ接触するのを回避して先端形状の均一な摩耗を図っている。
【0003】
もしも、ドクターブレード2が印刷中に矢印Aで示す横スライドを行わないとすれば、ドクターブレード2の先端の摩耗が均一でなくなり、早期に先端の数か所が大きく摩耗してそこのインク掻き取り機能が喪失し版画像に存在しない版面周方向に連続する直線、すなわちドクター筋を予期せぬ多数の箇所に発生した状態に印刷することになる。
【0004】
ドクターブレードに関する先行技術文献として、特開昭61−12396号公報、特開昭62−227645号公報、特開昭62−238743号公報、特開昭62−503085号公報、特開昭63−25038号公報、特開昭63−116852号公報、特開昭63−246249号公報、特開平3−007394号公報、特開平4−012853号公報、特開平4−070341号公報、特開平4−070342公報、特開平4−296556号公報、特開平6−039991号公報、特開平7−276601号公報、特開平8−164598号公報、特開平9−254356号公報、特開平10−278222号公報、特開平10−337840号公報、実開昭62−005959号公報、実開昭63−094576号公報がある。
【0005】
これらの文献の殆どが耐久性の向上に関するものである。特開平10−337840号公報は、版かぶりの解消を目的としているが、水性インキ使用グラビア印刷において効果があるものではない。
【0006】
又、 U.S.P.#5,638,751、U.S.P.#4,895,071があるが、いずれもドクターブレードの形状、保持構造に関する改善である。
【0007】
油性インキ使用グラビア印刷では版かぶりについて技術的な改善が達成されている。他方、水性インキ使用グラビア印刷では版かぶりについて技術的な改善が達成されておらず、実用化が全く進んでいない。これまでのところ、パッケージ用の軟包装フィルムやカレンダー、雑誌に折り込まれるグラビア写真印刷等は、全て油性インキ使用グラビア印刷が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の先行技術文献から判るように、これまでのところ、ドクターブレードに関する改善・改良は、耐摩耗性の向上、耐久性の向上、長寿命化、ドクター筋の解消、ひげの発生の解消といった観点から専ら提案されてきている。例えば、インキにチタンホワイト等を含む場合には摩耗速度が比較的大きくなり、消耗品であるドクターブレードのランニングコストを抑えるためには如何に耐磨耗性を持たせ寿命を向上させ得るかが問題になっていた。
【0009】
従来においては、水性インキ使用グラビア印刷における版かぶりを解消して実用化を達成するという観点から、ドクターブレードの改良が行われた例は存在しない。
【0010】
油性インキ使用グラビア印刷は、油性インキに含まれる50%超の有機溶剤が揮発して大気の汚れの一因になっているので、アルコール分が5〜10%と少ない水性インキ使用グラビア印刷への切替えが注目されている。
【0011】
しかしながら、水性インキ使用グラビア印刷は、版かぶりが顕著に生じ易く、高精度な印刷が全く実現できなかった。
【0012】
グラビア印刷は、ドクターブレードをグラビア印刷ロールに突き立ててセルにインクを盛りかつ余分なインクを掻き取るので、理論的には非画線部にインキが残らない訳であるが、実際にはインキがドクターブレードを潜って非画線部に残るために、版かぶりが起こる。
【0013】
版かぶりとは、インキがドクターブレードを潜って版面の非画線部に残され、該インキが印刷される前までの間に必要な乾燥度合いにならないために被印刷物に転移して画像が汚れる現象であり、印刷速度が速過ぎたり、印刷枚数が多くなりドクターブレードの摩耗が進んだときに起こる現象である。
【0014】
版かぶりは、特に水性インキを使用するときは顕著に起きて現状では回避が困難な問題であるが、油性インキを使用しても起こる現象である。
【0015】
版かぶりが起こるメカニズムについて説明する。
仮に今、ロール面を極めて高精度の鏡面にバフ研磨してからセルを形成し耐刷力を付けるクロムメッキを行って、メッキのバリを除去し、かつ極めて高精度の鏡面にして油性インキ使用グラビア印刷を行うものとし、又、ドクターブレードは、インキ掻き取り機能が極めて良好に行える刃先を備えているものとする。
【0016】
この場合、ドクターブレードは、最初の僅かな時間は版面の非画線部に油性インキが全く残らないように掻き取ることができる。しかし、この過程のインキの掻き取りは、ドクターブレードと版面との間に潤滑剤が存在しないことになる。そのため、ドクターブレードと版面の非画線部の相対的な摩擦係数が大きくなり、ドクターブレード及び版面の摩耗が生じ易く、ドクターブレードのインキ掻き取り機能が低下しかつ版面がすぐに粗れてしまう。すると、油性インキがドクターブレードを通過して非画線部に残り、これが版かぶりとなる。又、ドクターブレードと版面との間に潤滑剤が存在しないと、ドクターブレードと版面の非画線部に相関的に生ずる摩擦力が印刷ロールの偏心と相俟って絶えず変化し振動が発生することになり、このため、油性インキがドクターブレードを通過して非画線部に残り、版かぶりが大きく生じる。
【0017】
そこで、2000〜3000番位の砥石で表面粗さのロール面を極めて高精度の鏡面にバフ研磨してからセルを形成し耐刷力を付けるクロムメッキを行って、バリ取りしかつ十分均一にサンドペーパー痕が残る手仕上げ研磨することを行うと、版面に自己潤滑性が生じる。これによって油性インキ使用グラビア印刷では版かぶりが生じない印刷が行われている。
【0018】
版面の自己潤滑性は、以下のように説明できる。
版面に耐刷力を付けるクロムメッキをサンドペーパーで擦ると非画線部にサンドペーパー痕が付く。ドクターブレードをグラビア印刷ロールに突き立ててセルにインクを盛りかつ余分なインクを掻き取る。すると、サンドペーパー痕に入った極微量の油性インキがドクターブレードを潜る。ドクターブレードを潜ったサンドペーパー痕に残る油性インキは、顔料が少なく樹脂分及び溶剤が多い。そして、サンドペーパー痕に残る油性インキは、ドクターブレードを潜るときに樹脂分及び溶剤がドクターブレードと版面との間に潤滑剤として介在する。このため、ドクターブレードと版面の非画線部の相対的な摩擦係数を小さくし、ドクターブレードの刃先の摩耗及び版面の摩耗を小さく抑える。
【0019】
サンドペーパー痕に残る極微量の油性インキは、極めて薄膜になっているから乾燥空気に晒される面積割合が飛躍的に大きくなるので、該油性インキ中の溶剤分は、110〜130m/minという印刷速度で印刷位置に移行するまでの微小な時間経過以内に揮発する。その結果、顔料及び樹脂分は、サンドペーパー痕の底へ引き寄せられ軽く乾燥した状態となり被印刷物に転移しない。そうして、サンドペーパー痕の底へ引き寄せられ軽く乾燥した顔料及び樹脂分は、再び塗布される油性インクと合わさるときに、溶剤が含浸してウエットになるので、サンドペーパー痕の底に乾燥堆積しない。このため、印刷時間が経過しても版かぶりが起きない。しかし、印刷速度を大きくすると、ドクターブレードを潜った非画線部に形成されたサンドペーパー痕に残る極微量の油性インキは、印刷位置に移行されるまでの経過時間内に揮発しないので版かぶりが起きる。
【0020】
叙上が、油性インキ使用グラビア印刷において、版面の自己潤滑性を持たせると版かぶりが起きない理由である。
【0021】
これに対し、水性インキ使用グラビア印刷においては、版面の自己潤滑性を持たせることと版かぶりが起きないこととの因果関係を同じに論ずることはできない。水性インキ使用グラビア印刷では版かぶりが起きる別の状況が存在する。
【0022】
先ず、ロール面を極めて高精度の鏡面にバフ研磨してからセルを形成し耐刷力を付けるクロムメッキを行って、バリ取りし、かつ極めて高精度の鏡面にして水性インキ使用グラビア印刷を行う場合、上述した油性インキ使用グラビア印刷を行う場合と同様に、ドクターブレードは、最初の極僅かな時間は版面の非画線部に油性インキが全く残らないように掻き取ることができるが、ドクターブレードと版面の非画線部の相対的な摩擦係数が大きいために摩耗が大きく表面がすぐに粗れてしまい、水性インキがドクターブレードを通過して非画線部に残り、版かぶりが大きく生じることになる。
【0023】
そこで、油性インキ使用グラビア印刷のときと同様に、2000〜3000番位の砥石で表面粗さのロール面を極めて高精度の鏡面にバフ研磨してからセルを形成し耐刷力を付けるクロムメッキを行って、バリを取ってかつ十分均一にサンドペーパー痕が残る手仕上げ研磨して印刷ロールを製作すると、版面に自己潤滑性が生じるが、水性インキ使用グラビア印刷では版かぶりが顕著に生じ、高精度な印刷が全く実現できない。
【0024】
その理由として、いくつかの複合的な原因がある。
水性インキは油性インキに比べ顔料の成分濃度が30%位多いので、サンドペーパー痕に存してドクターブレードの掻き取りを潜る水性インキは、顔料濃度が多いこと、水の蒸発ー顔料の乾燥は、有機溶剤の揮発ー顔料の乾燥に比べて乾燥負荷が遙かに大きく乾燥がかなり遅れるので、ドクターブレードを潜った水性インキが印刷位置に移行するまでの微小な経過時間内に十分に乾かないこと、特に顔料及び樹脂に結合している結合水は容易には蒸発しないこと、及び、サンドペーパー痕の底へ引き寄せられ軽く乾燥した顔料及び樹脂分は、水分との親和性が溶剤との親和性に比べて小さく、再びファニッシャロールにより塗布される水性インキと合わさってもインキ成分の水やアルコールとの親和が遅れてサンドペーパー痕の底に堆積していくこと、及び従来では炭素鋼からなるドクターブレードを使用していたので、20,000mも印刷すると、摩耗が大きく刃先が大きく後退して刃先の厚みが当初の55μmから100μm位になってインキ掻き取り機能を顕著に低下してドクターブレードの掻き取りを潜る水性インキの量が多くなることが考えられる。
【0025】
このように、水性インキ使用グラビア印刷では非画線部にサンドペーパー痕を形成することが、版面に自己潤滑性を付与するものの、版かぶりの解消にはならず、むしろ版かぶりの原因となってしまう。
【0026】
従って、水性インキ使用グラビア印刷では版面の非画線部にサンドペーパー痕を形成しないで、別の手段でドクターブレードと版面との相対的な潤滑性を高めかつ版かぶりが起きないようにする必要がある。
【0027】
本発明は、上述した点に鑑み案出したもので、グラビア印刷ロールにドクターブレードを突き立ててセルにインクを盛りかつ余分なインクを掻き取るドクター装置のドクターブレードの長寿命化が図れ、かつ水性インキ使用グラビア印刷に適用して油性インキ使用グラビア印刷と同等の印刷速度にしても版かぶりが起きにくく、水性インキ使用グラビア印刷を実用レベルになしうるドクターブレードを提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、水性インキ使用グラビア印刷に用いられかつ版面の非画線部に形成されたサンドペーパー痕を有するグラビア印刷ロールにドクターブレードの先端を突き立ててセルに水性インクを盛りかつ余分な水性インクを掻き取るドクターブレードであって、先端がナイフエッジになっている薄肉な炭素鋼板製の、若しくはステンレス鋼板製の芯金と、該芯金にコートされていて芯金よりも硬くダイヤモンドライクカーボン被膜よりも軟らかくて芯金の硬さを補強する下地被膜と、芯金の少なくともナイフエッジにコートするダイヤモンドライクカーボン被膜とから構成したことを特徴とするドクターブレードを提供するものである。前記下地被膜としてはセラミック複合ニッケルメッキを使用することができる。上記構成により、前記サンドペーパー痕に存する水性インキに近づき易く、ドクターブレードを潜る水性インキの量を極めて少なく抑え、版かぶりを有効に回避できるという効果が達成される。
【0029】
【発明の実施の形態】
本願発明のドクターブレードの実施の形態を図1を参照して説明する。
ドクターブレード3は、グラビア印刷ロールの大きさや機械によって異なるが、具体的には、長さ2200〜1050mm×幅60〜80mm×厚さ120〜180mm×μmの大きさで、かつ、片側又は両側に、先端における厚さが50〜70μm位である刃先を有しており、グラビア印刷ロールの径に合わせて位置を調整され、刃先をグラビア印刷ロールに対して傾斜状態に突き立てて余分なインクを掻き取りつつグラビア印刷ロールのセルにインクを盛る役目を果たす。
【0030】
本願発明のドクターブレード3は、芯金3aと、該芯金3aにコートする下地皮膜3bと、該下地皮膜3bの上からオーバーコートするダイヤモンドライクカーボン被膜3cとから構成されている。
【0031】
芯金3aは、腰が強い可撓性を有する薄肉な鋼板若しくはステンレススチールより形成され、先端がナイフエッジになっている。鋼板よりなる芯金3aにあっては、焼入れすることによりビッカース硬度が約600である炭素鋼からなる。ここで言うナイフエッジとは、先端に向かって漸次に厚さが小さくなっている楔形断面の他、先端が一段階又は数段階厚さが薄くなる階段状断面も含む。
【0032】
下地皮膜3bは、芯金3aの片面又は両面に約5〜10μmの厚さでインキ掻き取り側の面にコートされている。下地皮膜3bは、芯金3aの摩耗強度を増すために設けるものであるから、芯金3aよりも硬いメッキ材料又はセラミック材料よりなる。他方、下地皮膜3bは、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cよりも軟らかい必要がある。下地皮膜3bがダイヤモンドライクカーボン被膜3cよりも硬い場合には、芯金3aの摩耗強度の補強が大き過ぎて、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cが先に摩耗し、剥き出しになって版面に対してインキ掻き取りを行なうことになってしまい、下地皮膜3bの滑り摩擦係数が大きいために、版面の摩耗が大きくなり、又、下地皮膜3bが硬くかつヤング率が大きいために、水性インキ使用グラビア印刷において顕著に生ずる版かぶりに特別の効果を発揮しない。
【0033】
版面の硬さは、硬質クロムメッキの場合、ビッカース硬さが1000〜1100であり、下地皮膜3bは、版面よりも軟らかいことが好ましい。その理由は、下地皮膜3bも版面を擦るので、版面の摩耗を小さく抑えるには、下地皮膜3bとして、硬くても摩擦係数が小さく材料を選択するか、又は版面よりも軟らかい材料を選択する必要があるからである。
【0034】
このような観点から、下地皮膜3bとして好適な材料は、セラミック複合ニッケルメッキである。このメッキは、無電解ニッケル浴、或いは電気ニッケル浴中に、炭化珪素、窒化ホウ素等の各種のセラミックス微粉の中から適宜に選択される一種類、又は複数類のセラミックス微粉を適当量添加し、攪拌下にメッキ処理を行なうことにより、ニッケルメッキを付けると同時にメッキ被膜内に前記微粉を析出させ、必要に応じて焼付処理を施すものである。
【0035】
その他、下地皮膜3bとして、硬質ニッケルメッキ、或いは軟質クロムメッキを形成したものでも良いし、或いは、窒化珪素セラミックやジルコニア等を形成したものでも良いし、さらに、アルミナを溶射しても良い。下地皮膜3bは、芯金3aの少なくとも刃先の片面又は両面にコートされていれば良い。
【0036】
下地皮膜3bは、種類によって異なるが約5〜10μmの厚さに形成する。アルミナを溶射する場合は、芯金3aの刃先のインキ掻き取り側の片面にのみ形成することができる。
【0037】
ダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、下地皮膜3bをコートした芯金3aの両面に、真空下で処理する薄膜形成技術により0.1〜5μmの膜厚に形成される非晶質の炭素化合物の被膜である。
【0038】
ダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、硬いといわれるセラミックよりもさらに硬くて耐摩耗性が大きく、それでいて、セラミックのような脆性はなく、ヤング率が極めて小さくて被膜として柔軟性があり、しかも、表面が平滑で摩擦係数がμ=0.12と小さくて滑り易く、表面エネルギーが極めて小さくて摩擦熱の発生が小さく焼きつきが起きる惧れがない、優れた特性を有している。
【0039】
ダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、又は気相成長法により形成されるものであって良い。
【0040】
ダイヤモンドライクカーボン被膜の表面粗さは、Ra=7.3オングストロームであり、硬質膜とされるTiN膜の表面粗さは、Ra=113オングストロームである。
【0041】
ダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、焼入れした炭素鋼やステンレス鋼に比べ、表面平滑性、硬度及び耐摩耗性のいずれもが遙に大きい。
【0042】
又、ダイヤモンドライクカーボン被膜の摩擦係数は、硬質膜とされるTiN膜、CrN膜、TiCN膜や超硬合金の摩擦係数の約1/4と極めて小さく、焼入れした炭素鋼に比べると一層小さい。
【0043】
ダイヤモンドライクカーボン被膜の硬度は、被膜形成する対象の材質により相違し、シリコンゴムに形成する場合にはビッカース硬度500位、チタン鋼に形成する場合には2000〜3000位であると言われている。
【0044】
炭素鋼に形成したダイヤモンドライクカーボン被膜3cについてビッカース硬度が950あるヤスリで擦ったところ、全く痕が付かなかった。超微小硬度計により測定したところ、セラミックドクターよりも硬かった。
【0045】
本願発明において、ドクターブレード3の刃先の両面を覆ってダイヤモンドライクカーボン被膜3cを形成するのは、ドクターブレードの耐摩耗性の向上が図れ、水性インキ使用グラビア印刷において顕著に生ずる版かぶりを回避でき、版面の摩耗を小さく抑えることができるからである。
【0046】
水性インキ使用グラビア印刷の実用化は、スクリン線数を175線/インチメートルから300線/インチメートルへと切り換えて版画像を高精細化して水分蒸発の時間を短縮化すること、ドクターブレードの摩耗及び版面の摩耗を小さくすること、版かぶりが起きにくい水性インキを使用すること等の改善が必要であり、特に版を形成してクロムメッキした後の版面の表面粗さをできるかぎり小さくなるように鏡面加工することを前提として解決する必要がある。
【0047】
しかるに、版面を鏡面加工することは、ドクターブレードを潜るインキを皆無に近づけるものであって、版面の自己潤滑性を低く抑えることであり、ドクターブレードと版面との摩擦係数が大きくなり、ドクターブレードと版面の双方の摩耗が大きくなることが予想される。
【0048】
しかしながら、本願発明のドクターブレードは、芯金3aの硬さを補強した下地被膜3bをさらにダイヤモンドライクカーボン被膜3cで覆っており、耐摩耗性が極めて大きくかつ摩擦係数がTiN膜、CrN膜、TiCN膜や超硬合金の摩擦係数の約1/4と極めて小さいダイヤモンドライクカーボン被膜で摩擦力の大部分を担持し、摩擦係数が大きい芯金及び下地被膜の刃先の端面における摩擦力の分担を小さく抑えられるので、ドクターブレード全体としての摩擦係数は小さく抑えることができる。
【0049】
ドクターの版面に対する押圧力は、インキ掻き取り側で大きく、背面側になるに従い小さくなる圧力分布となる。又、芯金3a及び下地被膜3bの刃先の端面は、磨耗係数が大きいが版面に対する接触面積がダイヤモンドライクカーボン被膜3cに比べて遙に大きいので、単位面積当たりの圧力は、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cに比べて遙に小さくなり、このため、版面の擦り減りへの関与が小さくなる。
【0050】
従って、単位面積当たりの圧力が大きいダイヤモンドライクカーボン被膜3cが版面の擦り減りに大きく関与し、特に、インキ掻き取り側のダイヤモンドライクカーボン被膜3cの関与が大きい。しかしながら、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、硬度・耐磨耗性が極めて大きく、表面が極めて平滑であり、摩擦係数がμ=0.12と小さくて滑り易く、表面エネルギーが極めて小さくて摩擦熱の発生が小さく焼きつきが起きる惧れがないという、優れた特性を有しているから、版面の擦り減りについて従来よりも充分に小さく関与することになる。
【0051】
インキ掻き取り側のダイヤモンドライクカーボン被膜3aが耐摩耗性が極めて大きく容易には擦り減らないので、芯金3a及び下地被膜3bの刃先の端面も容易には擦り減らない。芯金3a及び下地被膜3bの刃先の端面は、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cよりも軟らかく耐摩耗性が小さいから、インキ掻き取り側のダイヤモンドライクカーボン被膜3aが擦り減るのに従って擦り減る。ダイヤモンドライクカーボン被膜3aが摩耗しても芯金3a及び下地被膜3bの刃先の端面が残って剥き出しになることがない。
【0052】
背面側のダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、芯金3a及び下地被膜3bの刃先の端面の擦り減りを効果的に抑制する。
【0053】
下地被膜3bにオーバコートしたダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、下地被膜3bを硬脆なセラミックで構成した場合において該セラミックのクラックの発生を回避できる。
【0054】
従って、本願発明のドクターブレードは、鏡面加工した版面との間の摩擦係数が大きくなるのを回避でき、又、ダイヤモンドライクカーボン被膜の耐摩耗性が極めて大きいので、実用的な印刷速度、印刷長さの印刷を行ってもドクターブレードの刃先のインキの切れをいつまでも良好に維持することができる。
【0055】
本願発明のドクターブレード3は、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cが版面に対して滑ってセルにインキを盛り余分なインキを掻き取るものであり、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cが、表面平滑性が高いこととヤング率が極めて小さいので、インキの切れをいつまでも良好に維持することができる。
【0056】
ダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、ヤング率が極めて小さく、セラミックやTiN、CrN、TiCN等とは異なって弾性を有しており、版面に接触している部分が僅少であるが歪んで滑るので摩擦係数μが0.12と極めて小さく、版面の摩耗を小さく抑えられる。さらに、ダイヤモンドライクカーボン被膜3cは、表面エネルギーが小さいので、摩擦による発熱が小さく焼き付きが生ずる惧れがない。
【0057】
ダイヤモンドライクカーボン被膜のドクターブレードを使用すると、刃先の平滑度・直線度が高く、濡れ性が大きく、硬度が大きいがヤング率が極小で膜に柔軟性があるので版面を滑りやすく、特に弾性があるので版面の非画線部に形成したサンドペーパー痕に存する水性インキに近づき易く、ドクターブレードを潜るインキの量を極めて少なく抑えられるので、耐摩耗性が大きくてドクターブレードの刃先のインキの切れをいつまでも良好に維持することができることと相俟って、版かぶりを有効に回避でき、実用的な印刷速度、印刷長さの印刷を行っても版かぶりを起こさない。
【0058】
他方、版面の摩耗を小さく抑えられることは、印刷時間経過時の非画線部の表面の粗面化を抑えることができるから、版かぶりを生じさせない有効な手段である。
【0059】
これに対して、セラミック製ドクターブレードは、摩擦係数が大きくて版面の摩耗を大きくして版かぶりを起こす。
【0060】
本願のドクターブレード3は、ダイヤモンドライクカーボン被膜で炭素鋼の焼入れした刃先又はステンレス鋼の刃先の両面を覆っており、耐摩耗性がセラミックよりも優れていて長寿命であり、刃欠けが起きずドクター筋が発生する惧れがなく、ドクターとしての信頼性が高い。
【0061】
セラミック製ドクターブレードは、摩耗が少なく長寿命であるが、刃欠けが起きてドクター筋を生じることがある。
【0062】
【実施例】
(1)水性インキ使用グラビア印刷を行って版かぶりの発生が観察できない適正な印刷速度を調べた。炭素鋼を焼入れした厚さ150μm芯金にセラミック複合ニッケルメッキよりなる厚さ10μmの下地被膜を両面コートし、さらにダイヤモンドライクカーボン被膜を厚さ4μmとなるようにオーバーコートした本願発明のドクターブレードでは、油性インキ使用グラビア印刷と同じ110〜130m/minの実用的な印刷速度で版かぶりの発生が見られなかった。又、印刷が100000mに及んでも、ドクター筋やひげの発生が見られなかった。これに対して、従来の極薄帯状鋼板製のドクターブレードでは95m/minの印刷速度で版かぶりの発生が見られた。又、セラミック製ドクターブレードも略同じ印刷速度で版かぶりの発生が見られ、印刷時間が長くなったときにドクター筋の発生が見られた。
【0063】
(2)上記(1)の本願発明のドクターブレードを装着し、水性インキ使用グラビア印刷(水性インキは東洋インキ株式会社製のアクアピア白(商品名/チタンホワイト含有)を使用)を行い、28,000m印刷した後、刃先の磨耗量を測定した結果、86μmの摩耗があった。これは、印刷長さ10,000m当たり、30μmの摩耗が生じる割合であった。
【0064】
これに対し、従来の極薄帯状鋼板製のドクターブレードで水性インキ使用グラビア印刷を行い、20,000m印刷した後、刃先の磨耗量を測定した結果、660μmの摩耗があった。これは、印刷長さ10,000m当たり、330μmの摩耗が生じる割合であった。
【0065】
水性インキ使用グラビア印刷では、油性インキ使用グラビア印刷の場合と同等のドクターブレードの刃先の摩耗・後退があると、版かぶりが顕著に現れることも判明した。
【0066】
(3)上記(1)の本願発明のドクターブレードを装着し、水性インキ使用グラビア印刷(水性インキは東洋インキ株式会社製のアクワエコール(商品名)を使用)を行い、50,000m印刷した後、版面の磨耗量を測定した結果、印刷ロールは、画線部で2μm、非画線部で0〜1μmの摩耗があった。
【0067】
これに対し、従来の極薄帯状鋼板製のドクターブレードで水性インキ使用グラビア印刷を行い、同50,000m印刷後の版面の磨耗量を測定した結果、印刷ロールは、画線部で4μm、非画線部で2μmの摩耗があった。
【0068】
(4)本願発明のドクターブレードについて、ダイヤモンドライクカーボン被膜の成膜をプラズマCVD法により製作し、アニーリング硬度の測定を行った。サーモラベルによるダイヤモンドライクカーボン被膜の成膜時の温度は膜内面で210℃、膜外面で200℃であった。これに対し、炭素鋼からなるブレード芯金3aの焼入れ温度は300℃を越えているので、成膜時の加熱によってブレード芯金3aが焼きなましされることがなく、ビッカース硬度600の硬さが保たれ、ブレード芯金3aがダイヤモンドライクカーボン被膜の支持体として硬度が小さ過ぎることはない。
【0069】
(5)印刷ロールの版面の表面粗さと版面の濡れ性と版かぶりの関係を調べた結果では、版面の表面粗さが大きくなればなる程、みかけの濡れ性が小さくなり滴下液の接触角が大きくなり、版かぶりが大きく現れる。このことと符合するように、ダイヤモンドライクカーボン被膜は、極めて平滑な表面を有し、炭素鋼、ニッケル、セラミックのいずれよりも接触角が小さく濡れ性が大きいことが認められた。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本願発明のドクターブレードによれば、炭素鋼又はステンレス鋼よりなる芯金3aに、芯金3aよりも硬い下地被膜3bを片面又は両面にコートし、さらにダイヤモンドライクカーボン被膜3cをオーバーコートしてなるので、グラビア印刷ロールに先端を突き立てて余分なインクを掻き取るドクターブレードの自己潤滑機能と耐磨耗性を確保して長寿命化が図れ、版面に対して優しく傷を付ける惧れがない。
【0071】
本願発明のドクターブレードによれば、水性インキ使用グラビア印刷において実用的な印刷速度、実用的な印刷長さ(印刷枚数)を印刷しても版かぶりが生じない。ダイヤモンドライクカーボン被膜のドクターブレードを使用すると、刃先の平滑度・直線度が高く、濡れ性が大きく、表面に柔軟性があるので、版面の非画線部に形成したサンドペーパー痕に存する水性インキに近づき易く、ドクターブレードを潜るインキの量を極めて少なく抑えられるので、版かぶりを有効に回避できる。
【0072】
従来における水性インキ使用グラビア印刷は、実用的な印刷速度にすると版かぶりが生じていたが、本願発明のドクターブレードを使用すれば、版面の表面粗さを小さくすることと、版画像を高精細化すること等との併用によって水性インキ使用グラビア印刷の商業的実用が初めて実現できる。
【0073】
本願発明のドクターブレードによれば、インキ掻き取り機能を保障する刃先の摩耗が従来品に対して約1/10になるから、ドクターブレードの寿命を従来品に比して10倍に延ばすことができて、版かぶりの発生を長時間にわたり回避できる。又、ドクターブレードを短時間毎に取り替える必要がなく、メンテナンスが楽になる。
【0074】
本願発明のドクターブレードによれば、版面の磨耗を小さく抑えることができるので、版面の耐刷枚数を実質的に二倍以上に高めることができ、再クロムメッキを行う回数を半減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のドクター装置の実施の形態を示す要部断面図。
【図2】従来のドクター装置を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1 ・・・・グラビア印刷ロール
2 ・・・・ドクターブレード
3 ・・・・ドクターブレード
3a ・・・・芯金
3b ・・・・下地被膜
3c ・・・・ダイヤモンドライクカーボン被膜
Claims (2)
- 水性インキ使用グラビア印刷に用いられかつ版面の非画線部に形成されたサンドペーパー痕を有するグラビア印刷ロールにドクターブレードの先端を突き立ててセルに水性インクを盛りかつ余分な水性インクを掻き取るドクターブレードであって、先端がナイフエッジになっている薄肉な炭素鋼板製の、若しくはステンレス鋼板製の芯金と、該芯金にコートされていて芯金よりも硬くダイヤモンドライクカーボン被膜よりも軟らかくて芯金の硬さを補強する下地被膜と、芯金の少なくともナイフエッジにコートするダイヤモンドライクカーボン被膜とから構成したことを特徴とするドクターブレード。
- 前記下地被膜がセラミック複合ニッケルメッキであることを特徴とする請求項1記載のドクターブレード。
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