JP2003225987A - 表面処理ドクターブレード - Google Patents
表面処理ドクターブレードInfo
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Abstract
印刷時の印刷不良の発生を抑止することを可能とする表
面処理ドクターブレードを提供する。 【解決手段】 少なくとも刃先部の表面が、フッ素系樹
脂粒子とセラミック粒子が分散したニッケル系複合めっ
きよりなる表面処理ドクターブレード3。
Description
するドクターブレードに起因する印刷不良の抑制に優れ
た表面処理ドクターブレードに関する。
図1および図2(図1の部分拡大図。但し、図1、2共
に理解を容易にするためにブレード部分をシリンダーに
対して極端に拡大して描いている。)に示すように円筒
表面に画像に対応するセルと呼ばれる微小な凹部(図示
せず)を多数形成したシリンダー(1)を用い、このシ
リンダーの円周面にスチール製またはステンレス製のド
クターブレード(2)を一定の圧力で押圧しておいて、
版面の非画像部に付着しているインキ(3)を掻き落と
し除去している。このドクターブレードは非画像部のイ
ンキを完全に除去すると共に、画像部に所定量のインキ
を残す機能を有するものであるから、シリンダーとドク
ターブレードとの接触圧は常に一定に維持されなければ
ならず、その先端部(刃先)には耐磨耗性が要求され、
一般的にはブレードに表面処理を施したドクターブレー
ドが利用されている。
に含フッ素処理(例えば、4フッ化エチレン樹脂粒子を
共析した金属めっき)を施したことを特徴とするヘラウ
ラ防止用のドクター、(2)特表2000-507523には、ブレー
ド表面に表面エネルギーが10〜60mN/mの表面エ
ネルギーの乏しいポリマーを被覆したドクターブレー
ド、(3)特表2000−516171には、ドクターブレードの表
面が減摩剤粒子と耐磨耗性材料粒子を有する被覆層より
なるドクターブレードが提案されている。
4フッ化エチレン樹脂粒子を含有した金属めっきのみを
単層で施すことにより、連続印刷時に刃先の裏側(シリ
ンダー回転方向裏側(図2のR側))に塗工液が蓄積成
長することにより、蓄積した液滴が原版上に不規則に転
移し、点状、筋状に盛り上がるヘラウラという印刷の欠
陥防止には有効ではあるが、4フッ化エチレン樹脂粒子
を共析せしめた金属めっきのみでは、めっきが比較的柔
らかいため、耐磨耗性が十分ではなく、連続印刷に伴い
刃先の磨耗が急激に進行し、頻繁にブレードを交換する
必要があり生産効率を落とすものであった。また、この
単層めっきのみでは、シリンダーからのインキの掻き落
とし不良が生じやすく、連続印刷時における比較的早い
段階から掻き落とし不良に起因すると考えられる印刷不
良(カブリ等)が生じるという問題があった。
面に表面エネルギーが乏しいポリマーを被覆することに
より、高粘度のインキを使用した際のインキ溜まりを防
止するものであるが、ブレードに施された処理物がポリ
マーであるため、ブレードの耐磨耗性は全く向上せず、
刃先の磨耗によるブレードの交換を頻繁に行う必要があ
り、生産効率の悪いものであった。また、シリンダーか
らの薬液の掻き落とし不良が生じやすく、印刷の比較的
初期の段階で印刷不良(カブリ等)が生じるという問題
があった。
剤粒子と耐磨耗性粒子を混在させることにより、ブレー
ドの磨耗の向上、シリンダー版面自体の損傷および磨耗
を抑止しようとしたものであるが、減摩剤粒子および耐
磨耗性粒子の具体的な記述がなく、通常の減摩剤および
耐磨耗性粒子を使用したのでは、ブレードの耐磨耗性
と、シリンダー自体の磨耗損傷の抑止効果の両立は困難
であり、またインキの掻き取り性も劣ったものであっ
た。
画像形状のより精密な再現性が要求されてきており、従
来は問題とされなかったミクロなレベルの画像のニジ
ミ、カスレ等の形状不良までも問題とされるようになっ
てきており、従来技術ではこの問題を解消することが出
来なかった。
術の問題を改善し、刃先の耐磨耗性を向上させるととも
に、連続印刷時の印刷不良の発生を抑止することを可能
とする表面処理ドクターブレードを提供することにあ
る。
時に生じる印刷不良の発生要因を検討した結果以下のこ
とが判明した。連続印刷初期〜中期段階で発生する画像
のニジミ、カスレ、カブリ等の印刷不良は、主にブレー
ドによるインキの掻き取り不良に起因しているものと考
えられ、これを解決するためには以下の、の対策が
有効であることを見出した。
(シリンダー回転方向表側(図2のS側))のブレード
の最表層処理面の表面エネルギーを下げること。表面エ
ネルギーを下げることによって、皮膜の撥インキ性によ
り非画像部より掻き取った余剰インキがシリンダー/ブ
レード接触界面領域(図2のa部)に滞留せず、この接
触界面領域外への排出が促進される結果、内部へのイン
キの巻き込み(ブレードによる掻き取り不良)が抑制さ
れるものと考えられる。
囲とすること。めっきの硬度を特定の範囲とすることに
より、安定、均一かつ十分な圧力をブレードよりシリン
ダーに加圧できることになり、インキの掻き落とし性能
が向上するものと考えられる。
主な要因は、刃先の磨耗、めっきの欠落、シリンダーの
損傷および磨耗によるものであり、これらを抑止するに
は、 ブレード表面の摩擦係数を低下させる。すなわち、表
面の潤滑性を上げ、ブレードとシリンダーの接点での、
凝着磨耗を抑制すること。 表面硬度を特定の範囲とすること。および 膜厚を特定の範囲とすることが有効であることが判明
した。
を得るには、ドクターブレードとして上記〜のすべ
てを同時に満足する必要があるが、従来技術では上記条
件すべてを満足することは困難であり、本発明で提案し
た、めっき中に少なくともフッ素系樹脂粒子およびセラ
ミック粒子からなる特定の2種の物質を分散させること
により初めて可能になることを見出した。
下の構成よりなる。 1.少なくとも刃先部の表面が、フッ素系樹脂粒子とセ
ラミック粒子が分散したニッケル系複合めっきよりなる
表面処理ドクターブレード。 2.ビッカース硬度(Hv)が400〜1500である前項
1に記載の表面処理ドクターブレード。 3.セラミック粒子が、SiC粒子である前項1または
2に記載の表面処理ドクターブレード。 4.フッ素系樹脂の粒子径が、0.05μm〜10μmであ
る前項1から3のいずれか1項に記載の表面処理ドクタ
ーブレード。 5.フッ素系樹脂粒子が4フッ化エチレン樹脂、パーフ
ロロアルコキシ樹脂およびフッ化エチレンプロピレン樹
脂の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂粒子である前
項1から4のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブ
レード。 6.フッ素系樹脂粒子の含有量が、1〜50vol%、
セラミック粒子の含有量が0.5〜40vol%である前
項1から5のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブ
レード。 7.めっき厚が2μm〜30μmである前項1から6の
いずれか1項に記載の表面処理ドクターブレード。
本発明に使用されるドクターブレード基材は、印刷用、
塗装用に使用されている公知のスチール製およびまたは
ステンレス製基材であればいずれも使用可能である。ま
た、通常、ドクターブレード用基材は、刃先部となる側
縁が薄刃状になるように段付け形成される等の加工が施
されていて、その刃の形状の違いにより平行刃、傾斜
刃、丸刃、角刃があり、いずれの形状のものも使用する
ことが可能である。また、このような刃先加工を、ブレ
ードの片側のみに行った片刃タイプのもの、両側に行っ
た両刃タイプのものがあり、本発明では用途に応じてい
ずれのものも使用することが可能である。
無く利用可能であるが、代表的なブレード基材は厚さが
0.15mm〜0.6mm、幅が40〜60mmの帯状鋼板よ
りなる。本発明による表面処理ドクターブレードは、上
記ドクターブレード基材の表面にフッ素系樹脂粒子およ
びセラミック粒子が分散したニッケル系複合めっきが施
された表面処理ドクターブレードである。
は、(1)ブレード表面の表面エネルギーを下げ、撥イン
キ性を持たせることにより非画像部より掻き取った余剰
インキをシリンダー/ブレード接触界面領域(図2の
a)に滞留させず、この接触界面領域外への排出を促進
し、ブレード/シリンダー接点内部へのインキの進入を
抑制し、インキの掻き取り性を向上させる機能、および
(2)ブレード/シリンダー接点部での潤滑性を向上させ
ることにより、ブレード/シリンダー接点部での凝着に
よるブレードおよびシリンダーの磨耗を低減させる機能
を有する。分散粒子がフッ素系樹脂粒子以外の粒子で
は、めっき中にフッ素系樹脂粒子と同一量の樹脂を含有
させても、フッ素系樹脂粒子と同一レベルまで表面エネ
ルギーを下げたり、潤滑性を向上させたりすることがで
きず、フッ素系樹脂と同一レベルの性能を得るために
は、めっき中の樹脂含有量は過剰となり、本発明で必要
とするめっき密着性、耐磨耗性が得られなくなる。
径は、0.05〜10μmが好ましい。粒子径が0.05μm未
満では、下地めっきとの密着性が劣るので好ましくな
い。一方、10μmを超えると、樹脂粒子がめっき中か
ら欠落しやすくなり、本発明の効果が得られず本発明に
は適さない。特に好ましい粒子径は0.1〜3μmであ
り、さらに好ましくは0.15〜0.8μmである。
ば、4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹
脂、フッ化エチレンプロピレン樹脂、4フッ化エチレン
ーパーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、4フ
ッ化エチレンーエチレン共重合樹脂、3フッ化塩化エチ
レン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等の樹脂粒子であり、
これらのなかでも4フッ化エチレン樹脂、パーフロロア
ルコキシ樹脂、フッ化エチレンプロピレン樹脂が適して
おり、特に4フッ化エチレン樹脂が最適である。
しては、めっき中1〜50vol%が好ましく、特に1
0〜30vol%が好ましい。1vol%未満では、表
面エネルギーを下げたり、潤滑性を向上させたりする効
果は得られず、50vol%を超えると、めっきの密着
性が劣る。
にさらにセラミック粒子を共析させる。このセラミック
粒子は、フッ素系樹脂粒子のみでは皮膜自体の硬度が低
下し、耐磨耗性、インキ掻き取り性が劣化するため、こ
れを抑止し、さらには向上させる効果を有する。ここで
いうセラミック粒子とは、例えば、Al2O3、Cr
2O3、Fe2O3、TiO2、ZrO2、ThO2、Si
O2、CeO2、BeO2、MgO、CdO、ダイヤモン
ド、SiC、TiC、WC、VC、ZrC、TaC、C
r3C2、B4C、BN、ZrB2、TiN、Si3N4、W
Si2等の中から選ばれる少なくとも1種の粒子であ
り、これらの中でも耐磨耗性の観点からSiC粒子が最
も好ましい。
めっき中0.5vol%〜40vol%が好ましく、さら
に3vol%〜30vol%が好ましく、特に7vol
%〜25vol%が最も好ましい。0.5vol%未満で
は、耐磨耗性を向上させる効果は得られず、40vol
%を超えると、めっきの密着性が劣る。なお、本発明で
使用するセラミック粒子の粒子径は、0.05μm〜6μm
が好ましく、さらに0.1μm〜3μmが好ましく、特に
0.15μm〜1μmが最も好ましい。
びセラミック粒子が所定量めっき中に含有されていれ
ば、本発明に支障のない範囲で、これら成分以外の粒子
を含有させることは可能である。
子が分散する金属マトリックスであるニッケル系複合め
っきとは、例えば、純ニッケルめっき、またはニッケル
−コバルト、ニッケル−鉄、ニッケル−クロム、ニッケ
ル−タングステン、ニッケル−マンガン、ニッケル−ス
ズ、ニッケル−リン、ニッケル−ボロン、ニッケル−リ
ン−ボロン等の合金めっきであり、中でもニッケル−リ
ン系合金めっきが最適である。
分の表面硬度をビッカース硬度(Hv)で400〜1500
とする。硬度が400未満では、掻き取り不良が生じ易
く連続印刷初期段階で、画像の形状不良等の印刷不良が
生じやすくなるだけでなく、耐磨耗性にも劣るため本発
明には適さない。また、ビッカース硬度が1500を超える
と、めっきが脆く剥離しやすくなるばかりか、シリンダ
ーの版面を傷つけてしまい、印刷不良が生じやすくなる
ので本発明には適さない。特に好ましいビッカース硬度
(Hv)は700〜1300であり、さらに好ましくは80
0〜1150である。
v)とは、JIS Z 2251の微小硬さ試験方法のビッカース
硬さ試験に準拠しておこなうものである(試験荷重に関
しては、めっき厚に応じて50gf未満の荷重を利用し
て測定することも可能である。)。
30μmとする。めっき厚が2μm未満では、耐磨耗性
の効果が得られず本発明には適さない。また、30μm
を超えると、経済的に不利であるばかりか、めっきの密
着性が劣るので本発明には適さない。特に好ましい膜厚
は3μm〜15μmであり、さらに好ましくは5μm〜
10μmである。
方法が利用できる。例えば、(1)蛍光X線測定装置を用
いてめっきから放射される蛍光X線量を測定して、めっ
きの厚さを測定する方法、(2)めっきの垂直断面を光学
顕微鏡、電子顕微鏡で観察しめっき厚を測定する方法
等、JIS H 8501に示されているめっきの厚さ試験方法の
中から適宜選択することにより測定可能である。
する手段としては、公知の製造技術のいずれの手段を利
用しても行うことが可能であり、本発明によれば生産効
率および生産コストを著しく劣化させることはなく表面
処理ドクターブレードの製造が可能となる。製造法とし
ては、例えば、脱脂→水洗→活性化処理→水洗→めっき
→水洗→乾燥→焼鈍→所定寸法への剪断により製造可能
であり、さらに、前記の工程の焼鈍前および/または焼
鈍後に、刃先研磨による刃先調整、表面研磨による表面
調整を行ってもよいし、焼鈍工程を省略してもよい。
解めっき等の公知のめっき技術を利用することがでる。
さらに、本発明では、ブレード基材との密着性を上げた
り、めっき皮膜の析出を促進させたりすることを狙いと
して、予めめっきの下地処理として、ニッケル系めっ
き、銅系めっき等による下地めっきを行うことも可能で
ある。特に、ブレード基材としてステンレス素材を利用
する場合は、第1層のめっき前の下地めっきとしてニッ
ケルストライクめっきが有効である。
態様としては以下のものが挙げられ、いずれの態様をと
っても支障がない。 (1)ブレード両側(シリンダー回転方向表側(図2の
S側)および裏側(図2のR側))全面に本発明による
2層めっきを施した態様、(2)ブレード全面の片側に
本発明による2層めっきを施した態様、具体的には刃先
の表側(図2のS側)に本発明による2層めっきを施
し、刃先の裏側(図2のR側)にニッケル系めっき、ま
たはクロム系めっきを施すか、またはめっき無しスチー
ルのままのもの、(3)少なくとも刃先のみの両側(図
2のS側およびR側)に本発明による2層めっきを施し
たもの、(4)少なくとも刃先の片側に本発明による2
層めっきを施した態様、具体的に刃先の表側(図2のS
側)に本発明による2層めっきを施し、刃先の裏側(図
2のR側)にニッケル系めっき、またはクロム系めっき
を施すか、またはめっき無しスチールのままのもの。
たブレードを新しいブレードに交換する際、新しいブレ
ードの刃先とシリンダーとの接触不良により生じるスジ
等の印刷欠陥を防止するため、30分〜60分の空運転
を行い、シリンダーとブレードとの接触(なじみ性)を
よくした後、印刷を行うのが通常であり、空運転時間分
のロスが発生し、印刷効率を落としている。そこで、こ
のなじみ性をよくするため、本発明による表面処理ドク
ターブレードの刃先先端部分を予めバフ、サンドペーパ
ー等により研磨して、刃先先端のブレード基材を露出さ
せておくことにより、刃先のなじみ性を向上(空運転時
間の短縮)させることも可能である。
ドは、グラビア印刷等の印刷用の用途に利用可能である
が、塗装用途、画像形成装置等に装備される残留トナー
除去用途等のその他の用途にも適宜利用可能である。ま
た、印刷あるいは塗装時に利用される、インキあるいは
塗料は、水性のものであれ、油性のものであれいずれの
タイプでも利用可能である。さらに、印刷機のインキン
グ装置としては、ドブ漬け方式、ファニシャローラー方
式等また、塗装時の塗装方法として2ロール方式、3ロ
ール方式等あるが、本発明では、ブレードを使用する方
式であれば、インキング方式、塗装方式にとらわれず利
用可能である。
説明するが、本発明は以下の記載により限定されるもの
ではない。なお、実施例および比較例による表面処理ド
クターブレードのめっき厚および表面硬度は下記の方法
により測定した。 [ビッカース硬度]下記条件で、5点測定し、その平均
値をビッカース硬度(Hv)とした。 測定箇所:刃先表側(ロール回転方向表側)の刃先部、 測定機:株式会社 島津製作所製 HMV−2000、 測定条件:試験荷重25gf、保持時間10秒。 [めっき厚]刃先の断面を、電子顕微鏡で観察し、めっ
き厚を測定した。
先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチ
ール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により
表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとと
もにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態の
まま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT-T;60g/
リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15
分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、Si
C(平均粒子径0.5μm)、4フッ化エチレン樹脂(1)
(PTFE(1))(平均粒子径:0.22μm)を分散さ
せた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめ
っき液、シューマ−SC−80−1:20vol%、シュー
マ−SC−80−4:2vol%、カニフロンー4A(4フ
ッ化エチレン樹脂(1)分散液):2vol%)中に8
7℃でめっき厚が所定膜厚になるまで浸漬し、4フッ化
エチレン樹脂、SiCを含有したニッケル−リン複合め
っきを行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサー
とブレードを巻き戻し分割し、得られた表面処理ドクタ
ーブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全
に除去した後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所
定の寸法に剪断した。表1にこの表面処理ドクターブレ
ードのめっき厚(μm)、SiC含有量(vol%)、
4フッ化エチレン樹脂(PTFE)含有量(vol
%)、ビッカース硬度(Hv)の値をまとめて示す。
および水性インキを使用して印刷を行い、印刷物にス
ジ、カブリ、カスレ、ニジミ等の印刷欠陥が発生した時
点をブレードの寿命とし、後述のSiC分散ニッケル−
リン複合単層めっきブレード(比較例1)の寿命と比較
して下記に示す基準により評価した。
ド(比較例1)より格段に優れる。 2:寿命がSiC分散ニッケル−リン複合めっきブレー
ド(比較例1)より若干優れる。 3:寿命がSiC分散ニッケル−リン複合めっきブレー
ド(比較例1)と同等。 4:寿命がSiC分散ニッケル−リン複合めっきブレー
ド(比較例1)より劣る。
ラビア印刷機による印刷時の印刷速度を徐々に変化さ
せ、インキの掻き取り不良(カブリ等)が生じ始める印
刷速度を測定し、それを限界印刷速度とし、めっき処理
していないスチール品と下記の基準で比較して評価し
た。 ◎:限界印刷速度がスチール品の1.4倍以上 ○:限界印刷速度がスチール品の1.1倍以上1.4倍未満 △:限界印刷速度がスチール品の1.0倍以上1.1倍未満 ×:限界印刷速度がスチール品の1.0倍未満
し、所定角度に曲げ、次いで曲げられた曲げ部にテープ
剥離試験を実施し、めっきの剥離の有無を目視で観察
し、下記の基準により評価した。 ○:良好(めっき剥離無し)、 △:やや不良(めっき剥離若干あり)、 ×:不良(めっき剥離大)。 上記の結果をまとめて表1に示す。
先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチ
ール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により
表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサ−とと
もにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態の
まま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT-T;60g/リッ
トル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分
間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、SiC
(平均粒子径0.5μm)を分散させた無電解Niめっき液
(日本カニゼン(株)社製のめっき液、シューマーSC−80
−1:20vol%、シューマーSC−80−4:2vol
%)中に87℃で、めっき厚が所定膜厚になるまで浸漬
し、SiCを含有したニッケル−リン複合めっきを行い
水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレード
を巻き戻し分割し、得られた表面処理ドクターブレード
にバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去した
後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に
せん断した。この表面処理ドクターブレードのめっき膜
厚、ビッカース硬度、連続印刷特性、インキの掻き取り
性およびめっき密着性等を実施例1と同様に測定評価し
て結果を表1に示す。
先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチ
ール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により
表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとと
もにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態の
まま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT-T;60g/
リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15
分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、4フ
ッ化エチレン樹脂(1)(PTFE(1)(平均粒子
径:0.22μm)を分散させた無電解Niめっき液(日本
カニゼン(株)社製のめっき液((カニフロン−0:20
vol%、カニフロンー4A(4フッ化エチレン樹脂
(1)分散液):2vol%)中に86℃で、めっき厚が
所定膜厚になるまで浸漬し、4フッ化エチレン樹脂を含
有したニッケル−リン複合めっきを行い水洗後、乾燥を
行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割
し、得られた表面処理ドクターブレードにバフ研磨を行
い表面のめっき残渣等を完全に除去した後、300℃×
1時間の焼鈍処理を行い、所定の寸法に剪断した。この
表面処理ドクターブレードのめっき膜厚、ビッカース硬
度、連続印刷特性、インキの掻き取り性およびめっき密
着性等を実施例1と同様に測定評価して結果を表1に示
す。
先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチ
ール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により
表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとと
もにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態の
まま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT-T;60g/
リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15
分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、無電
解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液
(シューマーSC-80-1:20vol%)中に86℃で、
めっき厚が所定膜厚になるまで浸漬し、ニッケル−リン
合金めっきを行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペ
ーサーとブレードを巻き戻し分割し、得られた表面処理
ドクターブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等
を完全に除去した後、300℃×1時間の焼鈍処理を行
い、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレ
ードのめっき膜厚、ビッカース硬度、連続印刷特性、イ
ンキの掻き取り性およびめっき密着性等を実施例1と同
様に測定評価して結果を表1に示す。
さ1.4mm、刃先先端厚0.07mm、片側、平行刃のドク
ターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)に適宜
前処理を行った後、SiC(平均粒子径0.5μm)および
各種4フッ化エチレン樹脂(PTFE(1)〜(6))
を分散させた実施例2〜26に示す表面処理ドクターブ
レードを作成した。 これら表面処理ドクターブレード
のめっき膜厚、ビッカース硬度、連続印刷特性、インキ
の掻き取り性およびめっき密着性等を実施例1と同様に
測定評価して結果を表1に示す。また、表2に、使用し
た4フッ化エチレン樹脂粒子(PTFE(1)〜PTF
E(6))の平均粒子径を示す。
先端厚0.07mm、片側、平行刃のドクターブレードスチ
ール基材(鋼帯、全長50m)を、連続的に電解処理
(パクナエクレーターJ:5vol%、NaOH:50
g/リットル、30℃,2.5A)し水洗後、電気クロムめっ
き(無水クロム酸:250g/リットル、H2SO4:2.5g
/リットル、HEEF25C:2vol%、浴温50℃)で
めっき厚が所定膜厚になるようにめっき電流およびめっ
き時間を調整しクロムめっきを行い、水洗、乾燥した。
その後、バフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除
去した後、300℃×1時間の焼鈍処理を行い、所定の
寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードのめっ
き膜厚、ビッカース硬度、連続印刷特性、インキの掻き
取り性およびめっき密着性等を実施例1と同様に測定評
価して結果を表1に示す。
の印刷を安定して行える表面処理ドクターブレードを低
コストで製造することができる。
版)印刷の概念図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも刃先部の表面が、フッ素系樹
脂粒子とセラミック粒子が分散したニッケル系複合めっ
きよりなる表面処理ドクターブレード。 - 【請求項2】 ビッカース硬度(Hv)が400〜1500
である請求項1に記載の表面処理ドクターブレード。 - 【請求項3】 セラミック粒子が、SiC粒子である請
求項1または2に記載の表面処理ドクターブレード。 - 【請求項4】 フッ素系樹脂の粒子径が、0.05μm〜1
0μmである請求項1から3のいずれか1項に記載の表
面処理ドクターブレード。 - 【請求項5】 フッ素系樹脂粒子が4フッ化エチレン樹
脂、パーフロロアルコキシ樹脂およびフッ化エチレンプ
ロピレン樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂粒
子である請求項1から4のいずれか1項に記載の表面処
理ドクターブレード。 - 【請求項6】 フッ素系樹脂粒子の含有量が、1〜50
vol%、セラミック粒子の含有量が0.5〜40vol
%である請求項1から5のいずれか1項に記載の表面処
理ドクターブレード。 - 【請求項7】 めっき厚が2μm〜30μmである請求
項1から6のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブ
レード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002025076A JP2003225987A (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 表面処理ドクターブレード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002025076A JP2003225987A (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 表面処理ドクターブレード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003225987A true JP2003225987A (ja) | 2003-08-12 |
Family
ID=27747342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002025076A Pending JP2003225987A (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 表面処理ドクターブレード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003225987A (ja) |
-
2002
- 2002-02-01 JP JP2002025076A patent/JP2003225987A/ja active Pending
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