JP2006349058A - ボールねじのねじ溝加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
良好な表面粗さが得られ、全体の加工時間が短く低コストなボールねじのねじ溝加工方法を提供する。
【解決手段】
生材からなるワークWにねじ溝2aを旋削する工程と、この旋削したワークWを焼入れする工程とを含むボールねじのねじ溝加工方法において、旋削工程で、切刃6aのノーズ半径R2がねじ溝2aの溝曲率半径R1よりも小さな汎用バイト6を用い、この汎用バイト6をねじ溝2aの有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝2aの断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、ねじ溝2aの全体が旋削されると共に、ねじ溝2aのツールマーク高さが2μm以下となるように切刃6aのノーズ半径R2と刻み角度αが設定されている。これにより、ねじ溝2aに所望の表面粗さが得られ、ポイント切削によってねじ溝2aの成形加工を完了させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、多数のボールが転動する螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじ軸またはナットのねじ溝を加工するボールねじのねじ溝加工方法に関するものである。
ボールねじは、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじ軸と、円筒面内に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじナットと、対向する両ねじ溝で構成されたボール転動路内に転動自在に収容された多数のボールとからなり、ボールねじ軸あるいはボールねじナットの回転を軸方向の並進運動に変換する機械要素である。
従来、自動車用のアクチュエータ等に使用されるボールねじにおいて、そのボールねじ軸またはナットのねじ溝は、生材にねじ溝を旋削する工程と、焼入工程と、ねじ溝を研削する工程を経て加工されている。なお、旋削工程では、ねじ溝と同じ形状の工具(総型バイト)を使用している。
しかしながら、総型バイトで旋削すると、バイトに対する切削抵抗が大きくて剛性の不足が生じ、バイトの振動、所謂ビビリが生じ易い。その結果、加工精度が悪化すると共に、研削取代を大きく残しておく必要があり、研削工程に時間がかかる。こうした問題を解決するため、本出願人は、ねじ溝の形状変化に容易に対処でき、かつ総加工時間の短縮が図れるボールねじのねじ溝加工方法を既に提案している。
このねじ溝加工方法は、図8に示すように、ねじ軸51におけるねじ溝52の加工を行う方法であって、生材からなるワークWにねじ溝52を旋削する工程と、この旋削したワークWを焼入れする工程と、焼入後のワークWのねじ溝52を研削する工程とを含む。まず、同図(A)に示すように、生材の棒状ワークWにねじ溝52を旋削する。(a)は、ワークWを旋盤の主軸チャック53で把持した状態を示し、(b)は旋削が進んだ段階におけるねじ溝52の拡大断面を示す。この場合の旋削は、所謂ポイント切削で行う。すなわち、切刃54aのノーズRがねじ溝52の曲率半径よりも小さな汎用バイト54を用い、この汎用バイト54をねじ溝52の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路P1、P2〜Pnをねじ溝52の断面形状の円弧方向に順次ずらせることによりねじ溝52の全体を旋削する。ねじ溝52の旋削が完了した後、ワークWを加熱炉55で焼入れし(図8(B))、この焼入れしたワークWを砥石56で研削してねじ軸51が完成する(図8(C))。
特開平6−249317号公報
こうした従来の加工方法によると、小さなバイト54でポイント切削を行うので、バイト54の経路変更を行うだけで容易にねじ溝52の形状変更ができ、バイト54に対する切削抵抗が小さくてなってビビリの問題もなく、高精度に旋削が行えるという特徴を有している。然しながら、総型バイトを使用する旋削加工に比べ、ある程度のコスト低減は可能であるが、研削工程は、加工の度に砥石56を成形して形状を管理する必要がある。この研削工程は、ねじ溝52の加工工程全体の加工コストに対して、大きなウェイトを占めているため、さらなる加工コストの低減を図るには限界があった。
本発明は、こうした従来の問題を解決し、良好な表面粗さが得られ、加工時間が短く低コストなボールねじのねじ溝加工方法を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の方法発明は、生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含むボールねじのねじ溝加工方法において、前記旋削工程で、切刃のノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さな汎用バイトを用い、この汎用バイトを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、前記ねじ溝の全体が旋削されると共に、前記ねじ溝のツールマーク高さが所定値以下となるように前記切刃のノーズ半径と刻み角度が設定されている。
このように、切刃のノーズ半径をねじ溝の溝曲率半径よりも小さくしてねじ溝がポイント切削によって成形加工されると共に、ねじ溝のツールマーク高さが所定値以下となるように切刃のノーズ半径とポイント切削の刻み角度が設定されているので、ねじ溝に所望の表面粗さが得られ、ポイント切削によってねじ溝の成形加工を完了させることができる。したがって、従来の熱処理後の研削加工あるいは旋削加工を廃止することができ、ボールねじの精度・耐久性を確保することができると共に、加工コストを低減したボールねじを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ねじ溝のツールマーク高さが2μm以下に規制されていれば、ねじ溝の表面粗さが0.25〜1.0Raと、少なくとも従来品の精度以上を確保することができ、精度・耐久性に優れたねじ溝が得られる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記切刃のノーズ半径を前記ねじ溝の溝曲率半径に近付ければ、ねじ溝2aのポイント切削が開始されるまでの加工時間を短縮することができ、一層加工コストを低減することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記焼入工程の後に、少なくとも前記ねじ溝にショットピーニングによる仕上げ加工が施されていれば、ねじ溝に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去することができ、ボールねじの耐久性を向上させることができる。
本発明に係るボールねじのねじ溝加工方法は、生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含むボールねじのねじ溝加工方法において、前記旋削工程で、切刃のノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さな汎用バイトを用い、この汎用バイトを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、前記ねじ溝の全体が旋削されると共に、前記ねじ溝のツールマーク高さが所定値以下となるように前記切刃のノーズ半径と刻み角度が設定されているので、ねじ溝に所望の表面粗さが得られ、ポイント切削によってねじ溝の成形加工を完了させることができる。したがって、従来の熱処理後の研削加工あるいは旋削加工を廃止することができ、ボールねじの精度・耐久性を確保することができると共に、加工コストを低減したボールねじを提供することができる。
生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含むボールねじのねじ溝加工方法において、前記旋削工程で、切刃のノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さな汎用バイトを用い、この汎用バイトを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、前記ねじ溝の全体が旋削されると共に、前記ねじ溝のツールマーク高さが2μm以下となるように前記切刃のノーズ半径と刻み角度が設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るボールねじのねじ溝加工方法を適用するボールねじの一例を示す縦断面図、図2は、本発明に係るねじ軸のねじ溝加工状態を示す説明図、図3は、本発明に係るねじ軸のねじ溝加工工程を示すねじ溝の拡大断面図、図4は、ねじ軸のねじ溝を示す要部拡大図である。
このボールねじ1は、S55C等の中炭素鋼やSCM415等の肌焼き鋼からなり、外周に螺旋状のねじ溝2aが形成されたねじ軸2と、SCM430等の肌焼き鋼からなり、このねじ軸2に外挿され、内周にねじ溝2aに対応する螺旋状のボールねじ溝3aが形成されたナット3と、両ねじ溝2a、3a間に転動自在に収容された多数のボール4と、円筒状のナット3の胴部に装着され、ねじ溝3aを連結する連結溝5aが形成された駒部材5とを備えている。そして、ねじ溝2a、3aによりボール転動路が構成され、駒部材6の連結溝5aによって多数のボール4が無限循環することができる。
ここで、ねじ溝2a、3aは、ボール4の半径よりも僅かに大きい曲率半径からなる2つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝に形成されている。無論、ねじ溝2a、3aは、このゴシックアーチ形状以外にも、ボール4とサーキュラコンタクトする円弧状の形状であっても良い。なお、ボール循環方式は駒式に限らず、リターンチューブ式やエンドキャップ式であっても良い。
図2は、ねじ軸2におけるねじ溝2aの加工状態を示している。生材の棒状ワークW(2)が図示しない旋盤の主軸チャックで把持され、所定の方向に回転された状態で汎用バイト6によって旋削加工される。このバイト6は、径方向に進退自在に、かつ軸方向に移動自在に支持されたホルダー7に固定されている。この場合の旋削は、所謂ポイント切削で行われる。すなわち、バイト6の切刃6aのノーズ半径R2が、ねじ溝2aの溝曲率半径R1よりも小さな汎用バイト6を用い、このバイト6をねじ溝2aの有効長さ分だけ複数回移動させてねじ溝2aの成形が行われる。
次に、図3(a)〜(j)を用いてねじ溝2aの加工工程を説明する。
図3(a)は、旋削加工前の棒状の生材を示し、(b)〜(d)の順に、切刃6aがワークWの軸心方向に送られて、ねじ溝2aの概略形状がバイト6の切刃6aによって成形される。ここで、切刃6aのノーズ半径R2をねじ溝2aの溝曲率半径R1に近付けて寸法設定することにより、切刃6aを軸方向に移動させることなくねじ溝2aの概略形状が得られ、加工時間を短縮することができる。
そして、図3(e)に示すように、ねじ溝2aの旋削加工がある程度進んだ段階でポイント切削が開始される。(e)〜(j)に示すように、切刃6aをねじ溝2aの有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路をねじ溝2aの円弧方向に順次ずらせることによりねじ溝2aの全体形状が旋削される。
なお、本実施例では、ねじ溝2aがゴシックアーチ形状であっても、バイト6の切刃6aのノーズ半径R2がねじ溝2aの溝曲率半径R1よりも小さく設定されているので、加工するねじ溝2aと対向するねじ溝2aに干渉することはない。ところが、従来の総型バイトによるねじ溝加工と違い、この種のポイント切削においては、図4に示すようなツールマークの発生を免れない。ここで、本実施例では、ポイント切削時のツールマーク高さHは、ねじ溝2aの溝曲率半径R1と切刃6aのノーズ半径R2および刻み角度αによって決定されている。すなわち、ツールマーク高さHが2μm以下となるように切刃6aのノーズ半径R2と刻み角度αが設定されている。
ねじ溝2aの表面粗さはボールねじの精度や耐久性に影響する重要な特性であり、一般的にこのねじ溝2aの表面粗さはRaで管理されるが、ここで、ツールマーク高さHは、ねじ溝2aの粗さ曲線においてRzに相当する。なお、Rzは、JISの粗さ形状パラメータの一つで(JIS B0601−1994)、10点平均粗さ、すなわち、基準長さ毎の山頂の高い方から5点、谷底から低い方から5点を選び、その10点の平均高さを言う。また、Raは算術平均粗さで、平均線から絶対値偏差の平均値を言う。これらのパラメータRz、Ra間には、概ねRa≒Rz/4の関係がある。したがって、ツールマーク高さHが2μm以下となるように切刃6aのノーズ半径R2および刻み角度αを設定することにより、ねじ溝2aの表面粗さが0.25〜1.0Raと、少なくとも従来品の精度以上を確保することができ、精度・耐久性に優れたねじ溝2aが得られる。
このように、本実施例では、切刃6aのノーズ半径R2をねじ溝2aの溝曲率半径R1よりも小さくしてねじ溝2aがポイント切削によって成形加工されると共に、切刃6aのノーズ半径R2とポイント切削の刻み角度αを所定値に設定することにより、ツールマーク高さHが1μm以下に規制するようにしたので、ねじ溝2aに所望の表面粗さが得られ、ポイント切削によってねじ溝2aの成形加工を完了させることができる。したがって、従来の熱処理後の研削加工あるいは旋削加工を廃止することができ、ボールねじ1の精度・耐久性を確保することができると共に、加工コストを低減したボールねじ1を提供することができる。
図5は、本発明に係るポイント切削によるねじ溝加工方法と従来の総型バイト(タップ)により成形されたねじ溝の母線崩れ(理論Rに対する崩れ量)を比較したグラフである。また、図6は、同じくねじ溝の表面粗さを比較したグラフである。測定値は、ゴシックアーチ溝の左右フランク(ボールが転動する接触角が45°付近)の平均値を示している。なお、サンプルは、ねじ軸の材質がSCM415で、軸径が16mm、リードが3mm、ボール径が2.381mm、溝曲率半径が1.4mmである。それぞれのサンプルは、実施例の方は超硬製のチップを使用してワーク回転数が200rpmでポイント切削され、また、比較例の方はチタンコーティング(TIN)されたタップを使用し、ワーク回転数が45rpmで総型旋削されてたものである。図5および図6のグラフからも明らかなように、ねじ溝の母線崩れは従来のタップ加工に比べ、11.5μmから8μmと略30%改善することができると共に、表面粗さにおいては、30%以上の改善が認められた。
さらに、本実施例では、ポイント切削によってねじ溝2aの成形加工を完了させた後、熱処理によってその表面に55〜62HRCの範囲の硬化層が形成されている。熱処理は、浸炭焼入れでも高周波誘導加熱による焼入れでも良いが、表層に粒界酸化層が抑制でき、また、局部加熱ができて硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波焼入れが好適である。
さらに、熱処理によりねじ溝2a等に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去するためにショットピーニングによる仕上げ加工(図示せず)が行われている。このショットピーニングは、スチールビーズの粒径を20〜100μm、噴射時間は約90秒、噴射圧は1〜3kg/cm、噴射ノズルとワークの表面までの距離は略140mmとした。
図7は、本発明に係るナットにおけるねじ溝の加工状態を示している。なお、前述した実施例と同一あるいは同一機能を有する部品や部位には同じ符号を付して重複した説明を避ける。
ここでは、前述したねじ軸2におけるねじ溝2aの加工と同様、生材の筒状ワークW(3)が図示しない旋盤の主軸チャックで把持され、所定の方向に回転された状態で汎用バイト6によって旋削加工される。このバイト6は、径方向に進退自在に、かつ軸方向に移動自在に支持されたホルダー7に固定されている。この場合の旋削もポイント切削で行われる。すなわち、バイト6の切刃6aのノーズ半径R2が、ねじ溝3aの溝曲率半径R1よりも小さな汎用バイト6を用い、バイト6をねじ溝3aの有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路をねじ溝3aの円弧方向に順次ずらせることによりねじ溝3aが旋削される。
本実施例においても、切刃6aのノーズ半径R2をねじ溝3aの溝曲率半径R1よりも小さくしてねじ溝3aがポイント切削によって成形加工されると共に、切刃6aのノーズ半径R2とポイント切削の刻み角度αを所定値に設定することにより、ツールマーク高さHが2μm以下に規制するようにしたので、ねじ溝3aに所望の表面粗さが得られ、ポイント切削によってねじ溝3aの成形加工を完了させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るボールねじのねじ溝加工方法は、特に自動車等のアクチュエータや電動パワーステアリング装置に用いられボールねじにおけるねじ軸あるいはナットのねじ溝の加工に適用できる。
本発明に係るボールねじのねじ溝加工方法を適用するボールねじの一例を示す縦断面図である。 本発明に係るねじ軸のねじ溝加工状態を示す説明図である。 (a)〜(j)は、本発明に係るねじ軸のねじ溝加工工程を示すねじ溝の拡大断面図である。 同上、ねじ軸のねじ溝を示す要部拡大図である。 本発明に係るポイント切削によるねじ溝加工方法と従来の総型バイトにより成形されたねじ溝の母線崩れを比較したグラフである。ねじ溝の表面粗さを比較したグラフである。 同上、ねじ溝の表面粗さを比較したグラフである。 本発明に係るナットのねじ溝加工状態を示す説明図である。 従来のねじ軸のねじ溝加工方法を示す工程説明図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・ボールねじ
2・・・・・・・・・・・ねじ軸
2a、3a・・・・・・・ねじ溝
3・・・・・・・・・・・ナット
4・・・・・・・・・・・ボール
5・・・・・・・・・・・駒部材
5a・・・・・・・・・・連結溝
6・・・・・・・・・・・汎用バイト
6a・・・・・・・・・・切刃
7・・・・・・・・・・・ホルダー
51・・・・・・・・・・ねじ軸
52・・・・・・・・・・ねじ溝
53・・・・・・・・・・主軸チャック
54・・・・・・・・・・汎用バイト
54a・・・・・・・・・切刃
55・・・・・・・・・・加熱炉
56・・・・・・・・・・砥石
H・・・・・・・・・・・ツールマーク高さ
P1〜Pn・・・・・・・バイトの移動経路
R1・・・・・・・・・・ねじ溝の溝曲率半径
R2・・・・・・・・・・切刃のノーズ半径
W・・・・・・・・・・・ワーク
α・・・・・・・・・・・刻み角度

Claims (4)

  1. 生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含むボールねじのねじ溝加工方法において、
    前記旋削工程で、切刃のノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さな汎用バイトを用い、この汎用バイトを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、前記ねじ溝の全体が旋削されると共に、前記ねじ溝のツールマーク高さが所定値以下となるように前記切刃のノーズ半径と刻み角度が設定されていることを特徴とするボールねじのねじ溝加工方法。
  2. 前記ねじ溝のツールマーク高さが2μm以下に規制されている請求項1に記載のボールねじのねじ溝加工方法。
  3. 前記切刃のノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径に近付けて設定されている請求項1または2に記載のボールねじのねじ溝加工方法。
  4. 前記焼入工程の後に、少なくとも前記ねじ溝にショットピーニングによる仕上げ加工が行われる請求項1乃至3いずれかに記載のボールねじのねじ溝加工方法。
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