JP2009079655A - ボールねじおよびこれを備えた無段変速機のアクチュエータ - Google Patents

ボールねじおよびこれを備えた無段変速機のアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクト化を図ると共に、効果的にシールの密封性を図ったボールねじおよびこのボールねじを備えた無段変速機のアクチュエータを提供する。
【解決手段】内周に螺旋状のねじ溝8aが形成された円筒状のナット8と、このナット8に内挿され、外周にねじ溝8aのリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝6a、6bが形成されたねじ軸6と、両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボール7とを備え、ねじ軸6の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部16に、ねじ溝6a、6bを個別に閉ループとするボール循環溝が設けられた軸循環タイプのボールねじ9で構成されると共に、ナット8とねじ軸6との間に形成される環状空間の開口部にシール15が装着され、このシール15が、内径側に二股状に延びて形成されたラジアルリップを一体に有し、ねじ軸6の外周面に摺接されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車のVベルト式無段変速機のシーブ駆動機構等のアクチュエータに使用され、多数のボールが転動する螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじ、詳しくは、ボールをねじ軸の内径側に沈み込ませて下流側から上流側へ戻すボール循環溝で接続された、所謂軸循環タイプのボールねじおよびこれを備えた無段変速機のアクチュエータに関するものである。
ボールねじは、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじ軸と、円筒面内に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじナットと、対向する両ねじ溝で構成されたボール転動路内に転動自在に収容された多数のボールとからなり、ボールねじ軸あるいはボールねじナットの回転を軸方向の並進運動に変換する機械要素である。
従来、ボールねじは、ねじ軸とナットとの伸縮動作に関係なく、それらの各ねじ溝内に収容される多数のボールの抜け出しを防止するために、ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝とで構成されるボール転動路の両端を連通連結させて閉ループとし、ボールをこの閉ループ内で無限循環させている。
このようなボールねじには、ボールの循環機構が異なる、例えば、リターンチューブやエンドプレートあるいは駒式と呼ばれる種々の形式のものがあるが、こうしたボールねじ
は、例えば、図8に示すようなVベルト式無段変速機50のシーブ駆動機構51に使用されている。このシーブ駆動機構51は、プライマリシーブ軸52の外周にスプライン嵌合により移動自在に装備されると共に、可動シーブ53が固定されたスライダ54と、このスライダ54の外周に軸受55を介して回転自在に連結されると共に、スライダ54に対する軸方向の相対移動が規制されることにより、プライマリシーブ56の可動シーブ53に対し、回転自在、かつ軸方向に一体に移動可能に連結された回転スライド部材(ナット)57と、この回転スライド部材57に固定された往復歯車58と、回転スライド部材57の内側に同心に配置された送りガイド筒(ねじ軸)59と、送りガイド筒59と回転スライド部材57との間に設けられたボールねじ機構60と、送りガイド筒59の固定側端から回転スライド部材57の外周部を覆うように設けられた有底円筒状のアウター部材61と、ボールねじ機構60の内部空間62をシールするべく回転スライド部材57とアウター部材61との間に設けられたオイルシール63とを備えている。
送りガイド筒59は、回転スライド部材57に螺合するボールねじ機構60を介し、往復歯車58の回転方向および回転量に応じて回転スライド部材57をプライマリシーブ軸52の軸線方向に移動させる。このプライマリシーブ軸52が貫通するアウター部材61は、プライマリシーブ軸52の他端部を図示しないクランクケースに回転自在に支持する支持部材64にボルト固定されている。このシーブ駆動機構51は、図示しない電動モータから減速機構を介して往復歯車58に入力される回転に応じて、可動シーブ53を軸方向に移動調整する。
ボールねじのシールは、一般的に、ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部に配設されるのが望ましいが、ねじ軸の全域に螺旋状のねじ溝が形成されているため、シールは螺旋状のねじ溝に対応して配設する必要がある。すなわち、シールの内周面はねじ溝の形状に合せて形成すると共に、組立も位相を一致させて装着する必要があるが、前述したオイルシール63のように、ボールねじ機構60を構成する回転スライド部材57とは別体にアウター部材61が設けられ、このアウター部材61に装着されることにより、オイルシール63の形状が簡素化されて低コスト化できると共に、オイルシール63の組立工数を低減することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−71255号公報
然しながら、こうした従来のボールねじ機構60では、ボールねじ機構60の内部空間62をシールするために別部材のアウター部材61が必要となり、コンパクト化が阻害されるだけでなく、オイルシール63が回転スライド部材(ナット)57と送りガイド筒(ねじ軸)59との間に形成される環状空間の開口部から遠く離れた位置に配設されているため、ボールねじ機構60内に充填されるグリースの漏洩を防止する効果が半減する。
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたもので、コンパクト化を図ると共に、効果的にシールの密封性を図ったボールねじおよびこのボールねじを備えた無段変速機のアクチュエータを提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成されると共に、前記ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部にシールが装着され、このシールがラジアルリップを一体に有し、前記ねじ軸の外周面に摺接されている。
このように、ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成されると共に、ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部にシールが装着され、このシールがラジアルリップを一体に有し、ねじ軸の外周面に摺接されているので、シールを螺旋状のねじ溝に対応して配設し、また、シールの内周面をねじ溝の形状に合せて形成する必要がなく、また、シールの形状が簡素化され、シールの組立工数を低減して低コスト化を図ることができると共に、効果的にグリースの漏洩を防止してシールの密封性を図ったボールねじを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ラジアルリップが、内径側に二股状に延びて形成されていれば、ボールねじの内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が内部に侵入するのを効果的に防止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ねじ軸のねじ溝が、2条または3条の限られた閉塞螺旋溝で構成されていれば、ボールねじのコンパクト化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ねじ軸のねじ溝とボール循環溝がポイント切削によって所定の仕上げ形状に形成されていれば、所望のねじ溝形状と表面粗さを確保することができると共に、加工時間が短く低コストなボールねじを提供することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記ねじ軸の外周面のうち少なくとも前記ねじ溝にショットピーニングによる仕上げ加工が施されていれば、ねじ溝に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去することができ、ボールねじの耐久性を向上させることができる。
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、可動シーブと固定シーブとの間隔が適宜変更され、このシーブに掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される無段変速機のアクチュエータにおいて、シーブ軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、前記可動シーブが固定されたスライダと、前記シーブ軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、前記スライダに連結された前記請求項1乃至5いずれかに記載のボールねじとを備え、このボールねじのねじ軸が、前記スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されると共に、前記ナットが、前記スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、前記可動シーブに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成され、このナットが、そのフランジ部に締結された固定ボルトを介して前記歯車に固定されている。
このように、無段変速機のアクチュエータにおいて、シーブ軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、可動シーブが固定されたスライダと、シーブ軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、スライダに連結されたボールねじとを備え、このボールねじのねじ軸が、スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されると共に、ナットが、スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、可動シーブに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成され、このナットが、そのフランジ部に締結された固定ボルトを介して歯車に固定されているので、コンパクト化を図ると共に、密封性を向上させた無段変速機のアクチュエータを提供することができる。
本発明に係るボールねじは、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成されると共に、前記ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部にシールが装着され、このシールがラジアルリップを一体に有し、前記ねじ軸の外周面に摺接されているので、シールを螺旋状のねじ溝に対応して配設し、また、シールの内周面をねじ溝の形状に合せて形成する必要がなく、シールの形状が簡素化されると共に、シールの組立工数を低減することができ、低コスト化を図ることができる。さらに、ボールねじを覆う別部材のアウター部材等が不要となり、コンパクト化が達成できると共に、シールをねじ溝から遠く離れた位置に配設する必要もなく、効果的にグリースの漏洩を防止してシールの密封性を図ったボールねじを提供することができる。
また、本発明に係る無段変速機のアクチュエータは、可動シーブと固定シーブとの間隔が適宜変更され、このシーブに掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される無段変速機のアクチュエータにおいて、シーブ軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、前記可動シーブが固定されたスライダと、前記シーブ軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、前記スライダに連結された前記請求項1乃至5いずれかに記載のボールねじとを備え、このボールねじのねじ軸が、前記スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されると共に、前記ナットが、前記スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、前記可動シーブに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成され、このナットが、そのフランジ部に締結された固定ボルトを介して前記歯車に固定されているので、コンパクト化を図ると共に、密封性を向上させた無段変速機のアクチュエータを提供することができる。
内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、前記複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成され、当該ねじ溝が2条または3条の限られた閉塞螺旋溝で構成されると共に、前記ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部にシールが装着され、このシールが、内径側に二股状に延びて形成されたラジアルリップを一体に有し、前記ねじ軸の外周面に摺接されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るボールねじが適用された無段変速機のアクチュエータの一実施形態を示す要部断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図1のボールねじを示す概念図、図4は、図3の横断面図、図5は、図3のねじ軸におけるねじ溝の加工状態を示す説明図、図6(a)は、同上ねじ軸におけるサーキュラアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図、(b)は、ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図、図7(a)は、ねじ軸におけるゴシックアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図、(b)〜(d)は、ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。
図1に示す無段変速機のアクチュエータ1は、シーブ軸(主軸)2の外周にスプライン3を介して軸方向に移動自在に装備されると共に、可動シーブ(図示せず)が固定されたスライダ4と、このスライダ4の外周に転がり軸受5を介して回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結された円筒状のねじ軸6、およびこのねじ軸6に多数のボール7を介して外嵌され、スライダ4に対する軸方向の相対移動が規制されることにより、可動シーブに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成されたナット8からなるボールねじ9と、シーブ軸2の外周に転がり軸受10を介して回転自在に支承された歯車11とを備えている。ナット8は、そのフランジ部8bに締結された固定ボルト12を介して歯車11に固定され、この歯車11と一体に回転する。なお、13は、ねじ軸6に固定ボルト12を介してケース(図示せず)に係合され、ねじ軸6の回転を規制する回転止め部材である。
歯車11に図示しない駆動モータからの回転力が入力されると、ナット8が回転してねじ軸6が軸方向(図では左方向)に移動を開始する(図中二点鎖線にて示す)。これに伴い、スライダ4を介して可動シーブが軸方向に駆動される。この時、ねじ軸6の移動量に対応して可動シーブと固定シーブ(図示せず)との間隔が適宜変更され、このシーブに掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される。
本実施形態におけるボールねじ9は、図3および図4に示すように、ねじ軸6のねじ溝6a、6bが、2条または3条(ここでは2条)の限られた閉塞螺旋溝からなる軸循環タイプで構成され、円筒状のナット8と、このナット8に内挿されたねじ軸6と、このねじ軸6とナット8間に収容された多数のボール7と、これらのボール7を周方向等配に保持する保持器リング14と、後述するシール15とを備えている。保持器リング14は、ねじ軸6に対して軸方向にほぼ不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転可能な状態で取り付けられている。
ナット8はSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、その内周に螺旋状のねじ溝8aが形成されている。一方、ねじ軸6はS55C等の中炭素鋼やSCM415等の肌焼き鋼からなり、外周に軸方向途中領域に連続していない複数(ここでは2巻き)のねじ溝6a、6bが形成されている。これらナット8のねじ溝8aとねじ軸6のねじ溝6a、6bとは、互いに同じリード角θに設定されている。なお、ねじ溝8a、6a、6bは、断面がボール7の半径よりも僅かに大きい曲率半径からなる2つの円弧を組み合わせた、所謂ゴシックアーク形状に形成されている。無論、ねじ溝8a、6a、6bは、このゴシックアーク形状以外にも、ボール7の半径よりも僅かに大きい曲率半径からなり、ボール7とアンギュラコンタクトするサーキュラアーク形状であっても良い。
そして、複数のねじ溝6a、6bが閉ループとされ、ねじ溝6a、6b内にそれぞれ収容されるボール7が独立して無限循環するように構成されている。すなわち、図3に示すように、ねじ軸6の軸方向で隣り合うねじ溝6a、6bの間に存在するランド部16に、複数のねじ溝6a、6bを個別に閉ループとするボール循環溝17、18が設けられている。
このボール循環溝17、18は、ねじ溝6a、6bの上流側と下流側とを個別に連通連結するものであり、ねじ溝6a、6bの下流のボール7を内径側へ沈み込ませ、ナット8のランド部19を乗り越えさせて上流側へ戻すように蛇行した略S字状に形成されている。したがって、ボール循環溝17、18の深さは、ボール7がボール循環溝17、18内でナット8におけるねじ溝8aのランド部19を乗り越えることができる深さとされている(図4参照)。
図5は、ねじ軸6におけるねじ溝6a、6bの加工状態を示している。生材の棒状ワークW(6)が旋盤の主軸チャック20で把持され、所定の方向に同期回転された状態でボールエンドミル21によって旋削加工される。このボールエンドミル21は、径方向に進退自在に、かつ軸方向に移動自在に支持され、NC制御により位置決めされている。ねじ溝6a、6bの旋削加工は、所謂ポイント切削で行われる。すなわち、図6(a)に示すように、ねじ溝6a(6b)がサーキュラアーク形状の場合、ボールエンドミル21のノーズ半径R2が、ねじ溝6aの溝曲率半径R1と同一のボールエンドミル21を用い、(b)に示すように、このボールエンドミル21を半径方向に送り込むことにより所定形状のねじ溝6aの成形が行われる。
一方、図7に示すように、ねじ溝6a(6b)がゴシックアーク形状の場合、ボールエンドミル21のノーズ半径R4が、ねじ溝6aの溝曲率半径R3よりも小さなボールエンドミル21を用い、(b)〜(d)に示すように、このボールエンドミル21をねじ溝6aの有効長さ分だけ複数回移動させ、ボールエンドミル21の軌跡を複数重ねることにより所定形状のねじ溝6aの成形が行われる。
なお、ボールエンドミル21のノーズ半径R4をねじ溝6aの溝曲率半径R3に近付けて寸法設定することにより、ボールエンドミル21を軸方向に移動させることなくねじ溝6aの概略形状が得られ、加工時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、ポイント切削によって複数のねじ溝6a、6bの成形加工を完了させた後、熱処理によってその表面に55〜62HRCの範囲の硬化層が形成されている。熱処理は、浸炭焼入れでも高周波誘導加熱による焼入れでも良いが、表層に粒界酸化層が抑制でき、また、局部加熱ができて硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波焼入れが好適である。
さらに、熱処理によりねじ溝6a、6b等に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去するためにショットピーニングによる仕上げ加工(図示せず)が行われている。このショットピーニングは、スチールビーズの粒径を20〜100μm、噴射時間は約90秒、噴射圧は1〜3kg/cm、噴射ノズルとワークの表面までの距離は略140mmとした。これにより、ボールねじ9の耐久性を向上させることができる。
ここで、ボールねじ9は、図2に拡大して示すように、ナット8とねじ軸6との間に形成される環状空間の開口部にシール15が装着されている。このシール15はニトリルゴム等の弾性部材からなり、ナット8の一端部内周に形成された環状溝22に嵌合される基部23と、この基部23から内径側に二股状に延びるラジアルリップ24、25とからなる。そして、これらラジアルリップ24、25がねじ軸6の外周面に所定のシメシロを介して摺接されている。こうした二股状に延びるラジアルリップ24、25を有するシール15を使用することにより、ボールねじ9の内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が内部に侵入するのを効果的に防止することができる。
本実施形態では、ねじ軸6のねじ溝6a、6bが、2条の限られた閉塞螺旋溝で構成されているため、ねじ軸6のランド部16を利用して円筒面用摺動型リップからなるシール15を配置することができる。したがって、シール15を螺旋状のねじ溝に対応して配設し、また、シール15の内周面をねじ溝の形状に合せて形成する必要がなく、シール15の形状が簡素化されると共に、シール15の組立工数を低減することができ、低コスト化を図ることができる。さらに、従来のように、ボールねじを覆う別部材のアウター部材等が不要となり、コンパクト化が達成できると共に、シール15をねじ溝6a、6bから遠く離れた位置に配設する必要もなく、効果的にグリースの漏洩を防止してシール15の密封性を図ったボールねじ9を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るボールねじは、自動車の無段変速機等のアクチュエータに用いられるボールねじに適用できる。
本発明に係るボールねじが適用された無段変速機のアクチュエータの一実施形態を示す要部断面図である。 図1の要部拡大図である。 図1のボールねじを示す概念図である。 図3の横断面図である。 図3のねじ軸におけるねじ溝の加工状態を示す説明図である。 (a)は、ねじ軸におけるサーキュラアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図である。 (b)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。 (a)は、ねじ軸におけるゴシックアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図である。 (b)〜(d)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。 従来のVベルト式無段変速機のシーブ駆動機構を示す要部断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・無段変速機のアクチュエータ
2・・・・・・・・・・・シーブ軸
3・・・・・・・・・・・スプライン
4・・・・・・・・・・・スライダ
5、10・・・・・・・・転がり軸受
6・・・・・・・・・・・ねじ軸
6a、6b、8a・・・・ねじ溝
7・・・・・・・・・・・ボール
8・・・・・・・・・・・ナット
8b・・・・・・・・・・フランジ部
9・・・・・・・・・・・ボールねじ
11・・・・・・・・・・歯車
12・・・・・・・・・・固定ボルト
13・・・・・・・・・・回転止め部材
14・・・・・・・・・・保持器リング
15・・・・・・・・・・シール
16、19・・・・・・・ランド部
17、18・・・・・・・ボール循環溝
20・・・・・・・・・・主軸チャック
21・・・・・・・・・・ボールエンドミル
22・・・・・・・・・・環状溝
23・・・・・・・・・・基部
24、25・・・・・・・ラジアルリップ
50・・・・・・・・・・Vベルト式無段変速機
51・・・・・・・・・・シーブ駆動機構
52・・・・・・・・・・プライマリシーブ軸
53・・・・・・・・・・可動シーブ
54・・・・・・・・・・スライダ
55・・・・・・・・・・軸受
56・・・・・・・・・・プライマリシーブ
57・・・・・・・・・・回転スライド部材
58・・・・・・・・・・往復歯車
59・・・・・・・・・・送りガイド筒
60・・・・・・・・・・ボールねじ機構
61・・・・・・・・・・アウター部材
62・・・・・・・・・・内部空間
63・・・・・・・・・・オイルシール
64・・・・・・・・・・支持部材
R1、R3・・・・・・・ねじ溝の曲率半径
R2、R4・・・・・・・ボールエンドミルのノーズ半径
W・・・・・・・・・・・棒状ワーク
θ・・・・・・・・・・・リード角

Claims (6)

  1. 内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、
    このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、
    前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成されると共に、
    前記ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部にシールが装着され、このシールがラジアルリップを一体に有し、前記ねじ軸の外周面に摺接されていることを特徴とするボールねじ。
  2. 前記ラジアルリップが、内径側に二股状に延びて形成されている請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記ねじ軸のねじ溝が、2条または3条の限られた閉塞螺旋溝で構成されている請求項1または2に記載のボールねじ。
  4. 前記ねじ軸のねじ溝とボール循環溝がポイント切削によって所定の仕上げ形状に形成されている請求項1乃至3いずれかに記載のボールねじ。
  5. 前記ねじ軸の外周面のうち少なくとも前記ねじ溝にショットピーニングによる仕上げ加工が施されている請求項1乃至4いずれかに記載のボールねじ。
  6. 可動シーブと固定シーブとの間隔が適宜変更され、このシーブに掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される無段変速機のアクチュエータにおいて、
    シーブ軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、前記可動シーブが固定されたスライダと、
    前記シーブ軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、
    前記スライダに連結された前記請求項1乃至5いずれかに記載のボールねじとを備え、
    このボールねじのねじ軸が、前記スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されると共に、
    前記ナットが、前記スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、前記可動シーブに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成され、このナットが、そのフランジ部に締結された固定ボルトを介して前記歯車に固定されていることを特徴とする無段変速機のアクチュエータ。
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