JP2008238384A - ボールねじおよびそのねじ溝加工方法 - Google Patents

ボールねじおよびそのねじ溝加工方法 Download PDF

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康司 立石
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Abstract

【課題】所望のねじ溝形状と表面粗さを確保すると共に、加工時間が短く低コストなボールねじおよびそのねじ溝加工方法を提供する。
【解決手段】軸循環タイプのボールねじ1におけるねじ軸3のねじ溝加工方法において、生材からなるねじ軸3にねじ溝3aを旋削する工程と、この旋削したねじ軸3を焼入れする工程とを含み、旋削工程で、ノーズ半径R2がねじ溝3aの溝曲率半径R1よりも小さなエンドミル11を用い、このエンドミル11をねじ溝3aの有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路をねじ溝3aの断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、ねじ溝3aの全体が旋削されているので、所定のねじ溝形状と表面粗さを確保することができると共に、1工程のポイント切削によってねじ溝3aの成形加工を完了させることができ、従来の熱処理後の研削加工あるいは旋削加工を廃止することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動車等のアクチュエータに用いられ、多数のボールが転動する螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじ、詳しくは、ボールをねじ軸の内径側に沈み込ませて下流側から上流側へ戻すボール循環溝で接続された、所謂軸循環タイプのボールねじおよびそのねじ溝加工方法に関するものである。
ボールねじは、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじ軸と、円筒面内に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじナットと、対向する両ねじ溝で構成されたボール転動路内に転動自在に収容された多数のボールとからなり、ボールねじ軸あるいはボールねじナットの回転を軸方向の並進運動に変換する機械要素である。
従来、ボールねじでは、ねじ軸とナットとの伸縮動作に関係なく、それらの各ねじ溝内に収容される多数のボールの抜け出しを防止するために、ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝とで構成されるボール転動路の両端を連通連結させて閉ループとし、ボールをこの閉ループ内で無限循環させている。
このようなボールねじには、一般的に、ボールの循環機構が異なる、例えば、リターンチューブやエンドプレート等、種々の形式のものがあり、その一つに駒式と呼ばれるものがある。この駒式ボールねじは、ねじ溝の連結路を有し、転動路を周回経路とする循環用の駒部材がナットに装着されているもので、構成が比較的簡素で、かつコンパクトに構成できる利点がある。
然しながら、この駒式のボールねじでは、ナットとは別部材でなる駒部材を用いる必要があると共に、駒部材を装着するための駒窓をナットに穿設するする必要があるために、コストが嵩む結果になっている。また、駒部材に形成された連結溝とナットのねじ溝との繋ぎ部を高精度に位置合わせするために、各部品の加工精度を高めなければならないと共に、極めて面倒で手間の掛かる位置決め作業が必要になり、さらにコストが嵩む他、位置ズレによる品質低下を招く要因となっている。このような問題を解決したボールねじとして、ボールをねじ軸の内径側に沈み込ませて下流側から上流側へ戻すボール循環溝で接続された軸循環タイプのボールねじが知られている。
このボールねじ51は、図7に示すように、ナット52と、このナット52に内挿されたねじ軸53と、複数のボール54と、これらのボール54を周方向等配に配置させると共に、ねじ軸53に対して軸方向にほぼ不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転可能な状態で取り付けられた保持器リング(図示せず)とを備え、ナット52とねじ軸53との対向面間でボール54を循環させるようにしている。
ナット52には、一端から他端まで連続する1本のねじ溝52aが形成されている。一方、ねじ軸53には、軸方向途中領域に連続していない略2巻きのねじ溝53a、53bが形成されている。これらナット52のねじ溝52aとねじ軸53のねじ溝53a、53bとは、互いに同じリード角に設定されている。
ここで、ねじ軸53の軸方向で隣り合う2巻きのねじ溝53a、53bの間に存在するねじ山(ランド部)55には、2巻きのねじ溝53a、53bを個別に閉ループとするボール循環溝56、57が設けられている。このボール循環溝56、57は、2巻きのねじ溝53a、53bの上流側と下流側とを個別に連通連結するものであり、ねじ溝53a、53bの下流のボール54を内径側へ沈み込ませてナット52のねじ山(ランド部)58を乗り越えさせて上流側へ戻すように蛇行した形状に形成されている。
ここでは、ナット52を軸方向に往復移動させることにより、ナット52とねじ軸53とが軸方向で重合する範囲が大小変化するが、ねじ軸53において、ボール循環溝56、57により個別に閉ループとされたねじ軸53の2巻きのねじ溝53a、53b内でそれぞれボール54が保持器リングでガイドされながら転動循環することにより、ナット52が所定の螺旋運動が円滑にガイドされると共に、ナット52が所定の移動ストローク範囲を往復移動する過程において、ボール54が抜け出す現象を確実に防止することができる。これにより、駒式のボールねじに伴う連結溝とねじ溝との位置合わせが不要となるため、低コスト化が可能となると共に、位置ズレ等による品質低下を回避できる(例えば、特許文献1参照。)。
こうしたボールねじ51では、ねじ溝53a、53bをねじ軸53に複数本設ける場合、ねじ溝53a、53bをそれぞれ研削加工するのは手間であった。そのため、図8に示すように、砥石59、60が取り付けられた回転軸61をねじ溝53a、53bのリード角θ分だけ軸方向Dに対して傾斜させて、砥石59、60をそれぞれねじ溝53a、53bに当てて研削加工することにより、複数本のねじ溝53a、53bを同時に研削加工することが可能となり、ねじ溝53a、53bを一つずつ研削加工する場合に比べて製造工程が簡素になり、ねじ軸53の製造コストを低減するができる(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−74665号公報 特開2004−249373号公報
然しながら、こうした従来の加工方法によると、研削工程は加工の度に砥石59、60を成形して形状を管理する必要があると共に、研削加工にはねじ研削盤および砥石59、60を成形するためのドレス等の付帯設備が必要となるため、さらなる加工コストの低減を図るには限界があった。
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたもので、所望のねじ溝形状と表面粗さを確保すると共に、加工時間が短く低コストなボールねじおよびそのねじ溝加工方法を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成された軸循環タイプのボールねじにおいて、前記ねじ軸のねじ溝とボール循環溝が切削加工によって所定の仕上げ形状に形成されている。
このように、軸循環タイプのボールねじにおいて、ねじ軸のねじ溝とボール循環溝が切削加工によって所定の仕上げ形状に形成されているので、所望のねじ溝形状と表面粗さを確保すると共に、加工時間が短く低コストなボールねじを提供することができる。
また、本発明のうち請求項2に記載の方法発明は、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、これらのボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成された軸循環タイプのボールねじにおける、前記ねじ軸のねじ溝加工方法において、生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含み、前記旋削工程で、ノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さなエンドミルを用い、このエンドミルを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、前記ねじ溝の全体が旋削されている。
このように、軸循環タイプのボールねじにおけるねじ軸のねじ溝加工方法において、生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含み、旋削工程で、ノーズ半径がねじ溝の溝曲率半径よりも小さなエンドミルを用い、このエンドミルをねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、ねじ溝の全体が旋削されているので、所定のねじ溝形状と表面粗さを確保することができると共に、1工程のポイント切削によってねじ溝の成形加工を完了させることができ、従来の熱処理後の研削加工あるいは旋削加工を廃止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径に近付けて設定されていれば、ねじ溝のポイント切削が開始されるまでの加工時間を短縮することができ、一層加工コストを低減することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記エンドミルが、径方向に進退自在に、かつ軸方向に移動自在に支持され、NC制御により位置決めされると共に、前記ねじ軸が所定の方向に同期回転された状態で、当該エンドミルの軌跡を複数重ねることにより前記ねじ溝が成形加工されれば、所定のねじ溝を精度良く仕上げることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記焼入工程の後に、少なくとも前記ねじ溝にショットピーニングによる仕上げ加工が施されていれば、ねじ溝に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去することができ、ボールねじの耐久性を向上させることができる。
本発明に係るボールねじは、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、これらのボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成された軸循環タイプのボールねじにおいて、前記ねじ軸のねじ溝とボール循環溝が切削加工によって所定の仕上げ形状に形成されているので、所望のねじ溝形状と表面粗さを確保すると共に、加工時間が短く低コストなボールねじを提供することができる。
また、本発明に係るボールねじのねじ溝加工方法は、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、これらのボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成された軸循環タイプのボールねじにおける、前記ねじ軸のねじ溝加工方法において、生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含み、前記旋削工程で、ノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さなエンドミルを用い、このエンドミルを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、前記ねじ溝の全体が旋削されているので、所望のねじ溝形状と表面粗さを確保することができると共に、1工程のポイント切削によってねじ溝の成形加工を完了させることができ、従来の熱処理後の研削加工あるいは旋削加工を廃止することができる。
内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、これらのボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように蛇行した略S字状に形成されている軸循環タイプのボールねじにおける、前記ねじ軸のねじ溝加工方法において、生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含み、前記旋削工程で、ノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さなエンドミルを用い、このエンドミルを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を前記ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせ、当該エンドミルの軌跡を複数重ねることにより前記ねじ溝の全体が旋削加工される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るボールねじの一実施形態を示す概念図、図2は、図1のボール循環路を示す横断面図、図3(a)は、ねじ軸を示す側面図、(b)は、同上斜視図、図4は、ねじ軸におけるねじ溝の加工状態を示す説明図、図5(a)は、ねじ軸におけるサーキュラアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図、(b)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図、図6(a)は、ねじ軸におけるゴシックアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図、(b)〜(d)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。
このボールねじ1は、図1および図2に示すように、円筒状のナット2と、このナット52に内挿されたねじ軸3と、このねじ軸3とナット2間に収容された多数のボール4と、これらのボール4を周方向等配に保持する保持器リング5とを備えている。保持器リング5は、ねじ軸3に対して軸方向にほぼ不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転可能な状態で取り付けられている。
ナット2はSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、その内周に螺旋状のねじ溝2aが形成されている。一方、ねじ軸3はS55C等の中炭素鋼やSCM415等の肌焼き鋼からなり、外周に軸方向途中領域に連続していない複数(ここでは2巻き)のねじ溝3a、3bが形成されている。これらナット2のねじ溝2aとねじ軸3のねじ溝3a、3bとは、互いに同じリード角θに設定されている。なお、ねじ溝2a、3a、3bは、断面がボール4の半径よりも僅かに大きい曲率半径からなる2つの円弧を組み合わせたゴシックアーク形状に形成されている。無論、ねじ溝2a、3a、3bは、このゴシックアーク形状以外にも、ボール4の半径よりも僅かに大きい曲率半径からなり、ボール4とアンギュラコンタクトするサーキュラアーク形状であっても良い。
ここで、本実施形態では、複数のねじ溝3a、3bが閉ループとされ、複数のねじ溝3a、3b内にそれぞれ収容されるボール4が独立して無限循環するように構成されている。すなわち、図3に示すように、ねじ軸3の軸方向で隣り合うねじ溝3a、3bの間に存在するランド部6に、複数のねじ溝3a、3bを個別に閉ループとするボール循環溝7、8が設けられている。
このボール循環溝7、8は、ねじ溝3a、3bの上流側と下流側とを個別に連通連結するものであり、ねじ溝3a、3bの下流のボール4を内径側へ沈み込ませ、ナット2のランド部9を乗り越えさせて上流側へ戻すように蛇行した略S字状に形成されている。したがって、ボール循環溝7、8の深さは、ボール4がボール循環溝7、8内でナット2におけるねじ溝2aのランド部9を乗り越えることができる深さとされている(図2参照)。
図4は、ねじ軸3におけるねじ溝3a、3bの加工状態を示している。生材の棒状ワークW(3)が旋盤の主軸チャック10で把持され、所定の方向に同期回転された状態でエンドミル11によって旋削加工される。このエンドミル11は、径方向に進退自在に、かつ軸方向に移動自在に支持され、NC制御により位置が決められている。ねじ溝3a、3bの旋削加工は、所謂ポイント切削で行われる。すなわち、ねじ溝3a(3b)が、図6(a)に示すようなゴシックアーク形状の場合、エンドミル11のノーズ半径R2が、ねじ溝3aの溝曲率半径R1よりも小さなエンドミル11を用い、(b)〜(d)に示すように、このエンドミル11をねじ溝3aの有効長さ分だけ複数回移動させ、エンドミル11の軌跡を複数重ねることにより所定形状のねじ溝3aの成形が行われる。
ここで、エンドミル11のノーズ半径R2をねじ溝3aの溝曲率半径R1に近付けて寸法設定することにより、エンドミル11を軸方向に移動させることなくねじ溝3aの概略形状が得られ、加工時間を短縮することができる。なお、ねじ溝3a(3b)が、図5(a)に示すようなサーキュラアーク形状の場合、エンドミル11のノーズ半径R4が、ねじ溝3aの溝曲率半径R3と同一のエンドミル11を用い、(b)に示すように、このエンドミル11を半径方向に送り込むことにより所定形状のねじ溝3aの成形を行うようにしても良い。
また、本実施例では、ポイント切削によって複数のねじ溝3a、3bの成形加工を完了させた後、熱処理によってその表面に55〜62HRCの範囲の硬化層が形成されている。熱処理は、浸炭焼入れでも高周波誘導加熱による焼入れでも良いが、表層に粒界酸化層が抑制でき、また、局部加熱ができて硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波焼入れが好適である。
さらに、熱処理によりねじ溝3a、3b等に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去するためにショットピーニングによる仕上げ加工(図示せず)が行われている。このショットピーニングは、スチールビーズの粒径を20〜100μm、噴射時間は約90秒、噴射圧は1〜3kg/cm、噴射ノズルとワークの表面までの距離は略140mmとした。これにより、ボールねじ1の耐久性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るボールねじは、自動車等のアクチュエータに用いられるボールねじに適用できる。
本発明に係るボールねじの一実施形態を示す概念図である。 図1のボール循環路を示す横断面図である。 (a)は、ねじ軸を示す側面図である。 (b)は、同上斜視図である。 ねじ軸におけるねじ溝の加工状態を示す説明図である。 (a)は、ねじ軸におけるサーキュラアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図である。 (b)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。 (a)は、ねじ軸におけるゴシックアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図である。 (b)〜(d)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。 従来のボールねじのボール循環経路を模式的に示す側面図である。 同上、ねじ溝の研削加工の初期設定状態を示す側面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・ボールねじ
2・・・・・・・・・・・ナット
2a、3a・・・・・・・ねじ溝
3・・・・・・・・・・・ねじ軸
4・・・・・・・・・・・ボール
5・・・・・・・・・・・保持器リング
6、9・・・・・・・・・ランド部
7、8・・・・・・・・・ボール循環溝
10・・・・・・・・・・主軸チャック
11・・・・・・・・・・エンドミル
51・・・・・・・・・・ボールねじ
52・・・・・・・・・・ナット
52a、53a、53b・ねじ溝
53・・・・・・・・・・ねじ軸
54・・・・・・・・・・ボール
55、58・・・・・・・ねじ山
56、57・・・・・・・ボール循環溝
59、60・・・・・・・砥石
61・・・・・・・・・・回転軸
R1、R3・・・・・・・ねじ溝の曲率半径
R2、R4・・・・・・・エンドミルのノーズ半径
θ・・・・・・・・・・・リード角

Claims (5)

  1. 内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、
    このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、
    前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、これらのボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成された軸循環タイプのボールねじにおいて、
    前記ねじ軸のねじ溝とボール循環溝が切削加工によって所定の仕上げ形状に形成されていることを特徴とするボールねじ。
  2. 内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、
    このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、
    前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、これらのボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成された軸循環タイプのボールねじにおける、前記ねじ軸のねじ溝加工方法において、
    生材からなるワークにねじ溝を旋削する工程と、この旋削したワークを焼入れする工程とを含み、前記旋削工程で、ノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径よりも小さなエンドミルを用い、このエンドミルを前記ねじ溝の有効長さ分だけ複数回移動させて、各回の移動経路を当該ねじ溝の断面形状の円弧方向に順次ずらせることにより、前記ねじ溝の全体が旋削されていることを特徴とするボールねじのねじ溝加工方法。
  3. 前記ノーズ半径が前記ねじ溝の溝曲率半径に近付けて設定されている請求項2に記載のボールねじのねじ溝加工方法。
  4. 前記エンドミルが、径方向に進退自在に、かつ軸方向に移動自在に支持され、NC制御により位置決めされると共に、前記ねじ軸が所定の方向に同期回転された状態で、当該エンドミルの軌跡を複数重ねることにより前記ねじ溝が成形加工される請求項2または3に記載のボールねじのねじ溝加工方法。
  5. 前記焼入工程の後に、少なくとも前記ねじ溝にショットピーニングによる仕上げ加工が施されている請求項2乃至4いずれかに記載のボールねじのねじ溝加工方法。
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