JP2009079656A - 無段変速機のアクチュエータ - Google Patents

無段変速機のアクチュエータ Download PDF

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Keisuke Kazuno
恵介 数野
Yasushi Tateishi
康司 立石
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Abstract

【課題】加工工数を低減して低コスト化を図ると共に、コンパクトで高精度な無段変速機のアクチュエータを提供する。
【解決手段】主軸2の外周に軸方向移動自在に装備されたスライダ4と、主軸2の外周に転がり軸受10を介して回転自在に支承された歯車11と、スライダ4に連結されたボールねじ9とを備え、このボールねじ9が、スライダ4の外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されたねじ軸6、およびこれに複数のボールを介して外挿され、スライダ4に対して回転自在、かつ軸方向移動不可に構成されたナット8からなり、ナット8が、径方向外方に延びるフランジ部8bを有し、この外径が歯車11に嵌合されて固定されると共に、歯車11が、フランジ部8bに接合される円板部19と、この内径からねじ軸6の内周面に沿って軸方向に延びる嵌合部20からなり、これに転がり軸受11が装着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車のVベルト式無段変速機のプーリ駆動機構等のアクチュエータに関し、詳しくは、ボールをねじ軸の内径側に沈み込ませて下流側から上流側へ戻すボール循環溝で接続された軸循環タイプのボールねじを備えた無段変速機のアクチュエータに関するものである。
ボールねじは、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじ軸と、円筒面内に螺旋状のねじ溝が形成されたボールねじナットと、対向する両ねじ溝で構成されたボール転動路内に転動自在に収容された多数のボールとからなり、ボールねじ軸あるいはボールねじナットの回転を軸方向の並進運動に変換する機械要素である。
従来、ボールねじは、ねじ軸とナットとの伸縮動作に関係なく、それらの各ねじ溝内に収容される多数のボールの抜け出しを防止するために、ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝とで構成されるボール転動路の両端を連通連結させて閉ループとし、ボールをこの閉ループ内で無限循環させている。
このようなボールねじには、ボールの循環機構が異なる、例えば、リターンチューブやエンドプレートあるいは駒式と呼ばれる種々の形式のものがあるが、こうしたボールねじ
は、例えば、図8に示すようなVベルト式無段変速機のアクチュエータとして使用されている。このボールねじ装置50は、プーリ51に設けられた軸方向に一対の第1、第2フランジ52、53間の軸方向離隔距離を変更することで、プーリ51に巻掛られるベルト54の巻掛径を変更するために用いられている。プーリ51は、回転軸55に軸心回りに回転一体に設けられる第1フランジ52と、軸心回りに回転一体かつ軸方向に沿って摺動自在に配置される第2フランジ53とを備えている。
ボールねじ装置50は、駆動力伝達部材としての樹脂製歯車56と、軸方向に並設された転がり軸受57、58と、これら転がり軸受57、58と同心に配置されたボールねじ59とを有している。樹脂製歯車56の外周歯部56aには、回転動力源から駆動力が伝達されて回転する減速歯車60の歯部60aが噛合されている。
ボールねじ59は、内周面に、両端部間で連続した所定のリード角を有する一条のねじ溝61aが形成されたナット61と、このナット61に内挿されて中心穴62を有する円筒状のねじ軸63とを有している。このねじ軸63は、軸心回りに非回転に支持されると共に、軸方向に不動に支持されている。また、このねじ軸63は、外周面に、互いに平行でそれぞれ独立の閉ループとした所定のリード角を有する3条のねじ溝63aと、これらねじ溝63aの端部どうしをリード角と異なる角度をもって連続させるボール循環溝(図示せず)とを有している。これらボール循環溝によって各ねじ溝63aは別個に閉ループとされ、所謂軸循環タイプのボールねじ59を構成している。
そして、ねじ溝61a、63a間に転動自在に配置される3列のボール群64と、これら各ボール群64をそれぞれ円周方向等配位置に保持する保持器リング65とを備えている。この保持器リング23は、ねじ軸63に対して軸方向にほぼ不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転可能な状態で取り付けられると共に、軸方向に沿うポケット65aが円周方向等配位置に形成され、このポケット65aに各ボール群64のボール64aが1個ずつ計3個配置されている。
ねじ軸63の内周面途中に環状の補強部66が形成され、この補強部66の内周面一方側で、かつねじ軸63の縮径部67に対向する内方部位に、アンギュラ玉軸受からなる転がり軸受57が装着されている。
一方、転がり軸受58はアンギュラ玉軸受からなり、外輪68と、内輪69と、内外輪間に転動自在に配置された複数のボール70とを備えている。内輪69は、プーリ51の第2フランジ53に一体に形成された筒軸71の外周面に嵌着されている。外輪68は、外径面軸方向途中に、転がり軸受58の軸心から偏心した中心を有する環状の第一偏心凹部72が形成されると共に、この第一偏心凹部72に軸方向他方側に離隔した端部位置に、環状の第二偏心凹部73が並設されている。
ここで、樹脂製歯車56の樹脂が第一偏心凹部72に充填されるように射出成形され、外輪68と樹脂製歯車56とが一体化されている。樹脂製歯車56の径方向基部56bの一部56cは、第一偏心凹部72と相対形状となっている。また、ナット61の軸方向一方側端部は、他の部分に比べて薄肉に形成されて外輪68の一部を覆う被覆部74とされている。この被覆部74の軸方向他方側に連続する段付部75が第二偏心凹部73と相対形状に形成され、ナット61の段付部75が第二偏心凹部73に嵌合されている。
このように、転がり軸受58の外輪68に第一偏心凹部72および第二偏心凹部73が形成され、各偏心凹部72、73に樹脂製歯車56およびナット61の一部が嵌合され、外輪68、樹脂製歯車56およびナット61が軸心回りに回転一体とされているので、従来用いていた歯車取り付けのためのブラケットを省略して低コストを図ることができると共に、ブラケットを用いた場合に比べて剛性が高くなり、ねじ軸63に対するナット61の軸方向の移動を、正確かつ確実に行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−249036号公報
然しながら、従来のボールねじ装置50では、転がり軸受58と樹脂製歯車56およびナット61を一体化するために、転がり軸受58の外輪68に第一偏心凹部72および第二偏心凹部73が形成され、この第一偏心凹部72に樹脂製歯車56の一部が射出成形により充填されると共に、ナット61の端部に段付部75が形成され、この段付部75に第二偏心凹部73が嵌合されているが、こうした転がり軸受58の外輪68に第一偏心凹部72および第二偏心凹部73を形成するための加工工数が嵩み、製造コストが高騰する。また、ナット61に外輪68の第二偏心凹部73に対応する偏心した段付部75が形成され、この段付部75に外輪68が嵌合されているため、加工誤差や組立誤差によってナット61と樹脂製歯車56および転がり軸受58とが偏心し易く、高速回転時に回転振動や異音が発生する恐れがある。
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたもので、加工工数を低減して低コスト化を図ると共に、コンパクトで高精度な無段変速機のアクチュエータを提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、可動側プーリと固定側プーリとの間隔が適宜変更され、これらのプーリ間に掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される無段変速機のアクチュエータにおいて、主軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、前記可動側プーリが固定されたスライダと、前記主軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、前記スライダに連結されたボールねじとを備え、このボールねじが、前記スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されたねじ軸、およびこのねじ軸に多数のボールを介して外挿され、前記スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、前記可動側プーリに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成されたナットからなり、このナットが、一端部に径方向外方に延びるフランジ部を有し、このフランジ部の外径が前記歯車に所定の径方向すきまを介して嵌合されると共に、当該フランジ部に締結された固定ボルトを介して前記ナットが前記歯車に固定されている。
このように、無段変速機のアクチュエータにおいて、主軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、可動側プーリが固定されたスライダと、主軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、スライダに連結されたボールねじとを備え、このボールねじが、スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されたねじ軸、およびこのねじ軸に多数のボールを介して外挿され、スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、可動側プーリに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成されたナットからなり、このナットが、一端部に径方向外方に延びるフランジ部を有し、このフランジ部の外径が歯車に所定の径方向すきまを介して嵌合されると共に、当該フランジ部に締結された固定ボルトを介してナットが歯車に固定されているので、ナットの同軸度が規制されてボールねじの回転精度を向上させることができ、高精度な無段変速機のアクチュエータを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記歯車が、外周に歯部を有し、鍔部を介して前記ナットのフランジ部に接合される円板部と、この円板部の内径側から前記ねじ軸の内周面に沿って軸方向に延びる円筒状の嵌合部からなる断面略L字状に形成され、この嵌合部と前記主軸との間に前記転がり軸受が装着されていれば、転がり軸受がねじ軸の内径側に収容され、軸方向のコンパクト化を図ることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記歯車が肌焼き鋼からなり、浸炭焼入れによって表面に所定の硬化層が形成されていれば、歯車の剛性および耐摩耗性を向上させると共に、回転精度を高め、高速回転時においても回転振動や異音が発生するのを防止することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ボールねじが、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成されると共に、前記ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部にシールが装着され、このシールが、内径側に二股状に延びて形成されたラジアルリップを一体に有し、このラジアルリップが前記ねじ軸の外周面に摺接されていれば、シールを螺旋状のねじ溝に対応して配設し、また、シールの内周面をねじ溝の形状に合せて形成する必要がなくシールの形状が簡素化され、また、シールの組立工数を低減して低コスト化を図ることができると共に、効果的にグリースの漏洩を防止してシールの密封性を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記ねじ軸のねじ溝が、2条または3条の限られた閉塞螺旋溝で構成されていれば、ボールねじのコンパクト化を図ることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記ねじ軸のねじ溝とボール循環溝がポイント切削によって所定の仕上げ形状に形成されていれば、所望のねじ溝形状と表面粗さを確保することができると共に、加工時間が短く低コストなボールねじを提供することができる。
本発明に係る無段変速機のアクチュエータは、可動側プーリと固定側プーリとの間隔が適宜変更され、これらのプーリ間に掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される無段変速機のアクチュエータにおいて、主軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、前記可動側プーリが固定されたスライダと、前記主軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、前記スライダに連結されたボールねじとを備え、このボールねじが、前記スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されたねじ軸、およびこのねじ軸に多数のボールを介して外挿され、前記スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、前記可動側プーリに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成されたナットからなり、このナットが、一端部に径方向外方に延びるフランジ部を有し、このフランジ部の外径が前記歯車に所定の径方向すきまを介して嵌合されると共に、当該フランジ部に締結された固定ボルトを介して前記ナットが前記歯車に固定されているので、ナットの同軸度が規制されてボールねじの回転精度を向上させることができ、高精度な無段変速機のアクチュエータを提供することができる。
可動側プーリと固定側プーリとの間隔が適宜変更され、これらのプーリ間に掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される無段変速機のアクチュエータにおいて、主軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、前記可動側プーリが固定されたスライダと、前記主軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、前記スライダに連結されたボールねじとを備え、このボールねじが、前記スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されたねじ軸、およびこのねじ軸に多数のボールを介して外挿され、前記スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、前記可動側プーリに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成されたナットからなり、このナットが、一端部に径方向外方に延びるフランジ部を有し、このフランジ部の外径が前記歯車に所定の径方向すきまを介して嵌合され、当該フランジ部に締結された固定ボルトを介して前記ナットが前記歯車に固定されると共に、前記歯車が、外周に歯部を有し、鍔部を介して前記ナットのフランジ部に接合される円板部と、この円板部の内径側から前記ねじ軸の内周面に沿って軸方向に延びる円筒状の嵌合部からなる断面略L字状に形成され、この嵌合部と前記主軸との間に前記転がり軸受が装着されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る無段変速機のアクチュエータの一実施形態を示す要部断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図1のボールねじを示す概念図、図4は、図3の横断面図、図5は、図3のねじ軸におけるねじ溝の加工状態を示す説明図、図6(a)は、同上ねじ軸におけるサーキュラアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図、(b)は、ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図、図7(a)は、ねじ軸におけるゴシックアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図、(b)〜(d)は、ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。
図1に示す無段変速機のアクチュエータ1は、主軸2の外周にスプライン3を介して軸方向に移動自在に装備されると共に、可動側プーリ(図示せず)が固定されたスライダ4と、このスライダ4の外周に転がり軸受5を介して回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結された円筒状のねじ軸6、およびこのねじ軸6に多数のボール7を介して外嵌され、スライダ4に対する軸方向の相対移動が規制されることにより、可動側プーリに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成されたナット8からなるボールねじ9と、主軸2の外周に転がり軸受10を介して回転自在に支承された歯車11とを備えている。
後述するねじ軸6は、一端部に他の部位よりも肉厚に形成された嵌合部12を有し、この嵌合部12とスライダ4との間に転がり軸受5が装着されている。この転がり軸受5は深溝玉軸受からなり、止め輪13、14によって軸方向に位置決め固定されている。また、ねじ軸6の嵌合部12には固定ボルト15を介して回転止め部材16が締結され、ねじ軸6の回転が規制されている。
ナット8は、一端部に径方向外方に延びるフランジ部8bが形成されると共に、このフランジ部8bに固定ボルト17を介して歯車11が締結され、この歯車11の回転に伴ってナット8が一体に回転する。歯車11は、外周に歯部11aを有し、鍔部18を介してナット8のフランジ部8bに接合される円板部19と、この円板部19の内径側からねじ軸6の内周面に沿って軸方向に延びる円筒状の嵌合部20からなる断面略L字状に形成されている。そして、嵌合部19と主軸2との間に転がり軸受10が装着されている。この転がり軸受10は深溝玉軸受からなり、止め輪21によって軸方向に位置決め固定されている。
この歯車11はSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、浸炭焼入れによって表面に55〜62HRCの範囲の硬化層が形成されている。これにより、歯車11の剛性および耐摩耗性を向上させると共に、回転精度を高め、高速回転時においても回転振動や異音が発生するのを防止することができる。
本実施形態では、ねじ軸6が転がり軸受5を介してスライダ4に支持されると共に、歯車11の鍔部18にナット8のフランジ部8bが所定の径方向すきまを介して内嵌されてねじ軸6およびナット8の同軸度が規制されているので、ボールねじ9の回転精度を向上させることができる。また、転がり軸受10が装着される歯車11の嵌合部20がねじ軸6の内径側に収容されているので、軸方向にコンパクト化を図ることができ、高精度な無段変速機のアクチュエータ1を提供することができる。
歯車11に図示しない駆動モータからの回転力が入力されると、ナット8が回転してねじ軸6が軸方向(図では左方向)に移動を開始する(図中二点鎖線にて示す)。これに伴い、スライダ4を介して可動側プーリが軸方向に駆動される。この時、ねじ軸6の移動量に対応して可動側プーリと固定プーリ(図示せず)との間隔が適宜変更され、これらプーリ間に掛け渡されたVベルト(図示せず)の径が無段階に調整される。
本実施形態におけるボールねじ9は、図3および図4に示すように、円筒状のナット8と、このナット8に内挿されたねじ軸6と、このねじ軸6とナット8間に収容された多数のボール7と、これらのボール7を周方向等配に保持する保持器リング22と、後述するシール23とを備えている。保持器リング22は、ねじ軸6に対して軸方向にほぼ不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転可能な状態で取り付けられている。
ナット8はSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、その内周に螺旋状のねじ溝8aが形成されている。一方、ねじ軸6はS55C等の中炭素鋼やSCM415等の肌焼き鋼からなり、外周に軸方向途中領域に連続していない2条または3条(ここでは2条)の限られた閉塞螺旋溝からなるねじ溝6a、6bが形成された軸循環タイプで構成されている。これらナット8のねじ溝8aとねじ軸6のねじ溝6a、6bとは、互いに同じリード角θに設定されている。なお、ねじ溝8a、6a、6bは、断面がボール7の半径よりも僅かに大きい曲率半径からなる2つの円弧を組み合わせた、所謂ゴシックアーク形状に形成されている。無論、ねじ溝8a、6a、6bは、このゴシックアーク形状以外にも、ボール7の半径よりも僅かに大きい曲率半径からなり、ボール7とアンギュラコンタクトするサーキュラアーク形状であっても良い。
そして、複数のねじ溝6a、6bが閉ループとされ、ねじ溝6a、6b内にそれぞれ収容されるボール7が独立して無限循環するように構成されている。すなわち、図3に示すように、ねじ軸6の軸方向で隣り合うねじ溝6a、6bの間に存在するランド部24に、複数のねじ溝6a、6bを個別に閉ループとするボール循環溝25、26が設けられている。
このボール循環溝25、26は、ねじ溝6a、6bの上流側と下流側とを個別に連通連結するものであり、ねじ溝6a、6bの下流のボール7を内径側へ沈み込ませ、ナット8のランド部27を乗り越えさせて上流側へ戻すように蛇行した略S字状に形成されている。したがって、ボール循環溝25、26の深さは、ボール7がボール循環溝25、26内でナット8におけるねじ溝8aのランド部27を乗り越えることができる深さとされている(図4参照)。
ここで、ボールねじ9は、図2に拡大して示すように、ナット8とねじ軸6との間に形成される環状空間の開口部にシール23が装着されている。このシール23はニトリルゴム等の弾性部材からなり、ナット8の一端部内周に形成された環状溝28に嵌合される基部23aと、この基部23aから内径側に二股状に延びるラジアルリップ23b、23cとからなる。そして、これらラジアルリップ23b、23cがねじ軸6の外周面に所定のシメシロを介して摺接されている。こうした二股状に延びるラジアルリップ23b、23cを有するシール23を使用することにより、ボールねじ9の内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が内部に侵入するのを効果的に防止することができる。
本実施形態では、ねじ軸6のねじ溝6a、6bが、2条の限られた閉塞螺旋溝で構成されているため、ねじ軸6のランド部24を利用して円筒面用摺動型リップからなるシール23を配置することができる。したがって、シール23を螺旋状のねじ溝に対応して配設し、また、シール23の内周面をねじ溝の形状に合せて形成する必要がなく、シール23の形状が簡素化され、また、シール23の組立工数が低減されて低コスト化を図ることができると共に、効果的にグリースの漏洩を防止してシール23の密封性を向上させたボールねじ9を提供することができる。
次に、図5乃至図7を用いて、ねじ軸6におけるねじ溝6a、6bの加工方法について説明する。図5は、ねじ軸6におけるねじ溝6a、6bの加工状態を示している。生材の棒状ワークW(6)が旋盤の主軸チャック29で把持され、所定の方向に同期回転された状態でボールエンドミル30によって旋削加工される。このボールエンドミル30は、径方向に進退自在に、かつ軸方向に移動自在に支持され、NC制御により位置決めされている。ねじ溝6a、6bの旋削加工は、所謂ポイント切削で行われる。すなわち、図6(a)に示すように、ねじ溝6a(6b)がサーキュラアーク形状の場合、ボールエンドミル30のノーズ半径R2が、ねじ溝6aの溝曲率半径R1と同一のボールエンドミル30を用い、(b)に示すように、このボールエンドミル30を半径方向に送り込むことにより所定形状のねじ溝6aの成形が行われる。
一方、図7(a)に示すように、ねじ溝6a(6b)がゴシックアーク形状の場合、ボールエンドミル30のノーズ半径R4が、ねじ溝6aの溝曲率半径R3よりも小さなボールエンドミル30を用い、(b)〜(d)に示すように、このボールエンドミル30をねじ溝6aの有効長さ分だけ複数回移動させ、ボールエンドミル30の軌跡を複数重ねることにより所定形状のねじ溝6aの成形が行われる。
なお、ボールエンドミル30のノーズ半径R4をねじ溝6aの溝曲率半径R3に近付けて寸法設定することにより、ボールエンドミル30を軸方向に移動させることなくねじ溝6aの概略形状が得られ、加工時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、ポイント切削によって複数のねじ溝6a、6bの成形加工を完了させた後、熱処理によってその表面に55〜62HRCの範囲の硬化層が形成されている。熱処理は、浸炭焼入れでも高周波誘導加熱による焼入れでも良いが、表層に粒界酸化層が抑制でき、また、局部加熱ができて硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波焼入れが好適である。
さらに、熱処理によりねじ溝6a、6b等に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去するためにショットピーニングによる仕上げ加工(図示せず)が行われている。このショットピーニングは、スチールビーズの粒径を20〜100μm、噴射時間は約90秒、噴射圧は1〜3kg/cm、噴射ノズルとワークの表面までの距離は略140mmとした。これにより、ボールねじ9の耐久性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る無段変速機のアクチュエータは、ボールねじを用いた自動車のVベルト式無段変速機のプーリ駆動機構等に適用できる。
本発明に係る無段変速機のアクチュエータの一実施形態を示す要部断面図である。 図1の要部拡大図である。 図1のボールねじを示す概念図である。 図3の横断面図である。 図3のねじ軸におけるねじ溝の加工状態を示す説明図である。 (a)は、ねじ軸におけるサーキュラアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図である。 (b)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。 (a)は、ねじ軸におけるゴシックアーク形状からなるねじ溝の拡大断面図である。 (b)〜(d)は、同上ねじ溝の加工工程を示す拡大断面図である。 従来のVベルト式無段変速機のシーブ駆動機構を示す要部断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・無段変速機のアクチュエータ
2・・・・・・・・・・・主軸
3・・・・・・・・・・・スプライン
4・・・・・・・・・・・スライダ
5、10・・・・・・・・転がり軸受
6・・・・・・・・・・・ねじ軸
6a、6b、8a・・・・ねじ溝
7・・・・・・・・・・・ボール
8・・・・・・・・・・・ナット
8b・・・・・・・・・・フランジ部
9・・・・・・・・・・・ボールねじ
11・・・・・・・・・・歯車
11a・・・・・・・・・歯部
12、20・・・・・・・嵌合部
13、14、21・・・・止め輪
15、17・・・・・・・固定ボルト
16・・・・・・・・・・回転止め部材
18・・・・・・・・・・鍔部
19・・・・・・・・・・円板部
22・・・・・・・・・・保持器リング
23・・・・・・・・・・シール
23a・・・・・・・・・基部
23b、23c・・・・・ラジアルリップ
24、27・・・・・・・ランド部
25、26・・・・・・・ボール循環溝
28・・・・・・・・・・環状溝
29・・・・・・・・・・主軸チャック
30・・・・・・・・・・ボールエンドミル
50・・・・・・・・・・ボールねじ装置
51・・・・・・・・・・プーリ
52・・・・・・・・・・第1フランジ
53・・・・・・・・・・第2フランジ
54・・・・・・・・・・ベルト
55・・・・・・・・・・回転軸
56・・・・・・・・・・樹脂製歯車
56a・・・・・・・・・外周歯部
56b・・・・・・・・・径方向基部
56c・・・・・・・・・径方向基部の一部
57、58・・・・・・・転がり軸受
59・・・・・・・・・・ボールねじ
60・・・・・・・・・・減速歯車
60a・・・・・・・・・歯部
61・・・・・・・・・・ナット
61a、63a・・・・・ねじ溝
62・・・・・・・・・・中心穴
63・・・・・・・・・・ねじ軸
64・・・・・・・・・・ボール群
64a、70・・・・・・ボール
65・・・・・・・・・・保持器リング
65a・・・・・・・・・ポケット
66・・・・・・・・・・補強部
67・・・・・・・・・・縮径部
68・・・・・・・・・・外輪
69・・・・・・・・・・内輪
71・・・・・・・・・・筒軸
72・・・・・・・・・・第一偏心凹部
73・・・・・・・・・・第二偏心凹部
74・・・・・・・・・・被覆部
75・・・・・・・・・・段付部
R1、R3・・・・・・・ねじ溝の曲率半径
R2、R4・・・・・・・ボールエンドミルのノーズ半径
W・・・・・・・・・・・棒状ワーク
θ・・・・・・・・・・・リード角

Claims (6)

  1. 可動側プーリと固定側プーリとの間隔が適宜変更され、これらのプーリ間に掛け渡されたVベルトの径が無段階に調整される無段変速機のアクチュエータにおいて、
    主軸の外周に軸方向に移動自在に装備され、前記可動側プーリが固定されたスライダと、
    前記主軸の外周に転がり軸受を介して回転自在に支承された歯車と、
    前記スライダに連結されたボールねじとを備え、
    このボールねじが、前記スライダの外周に回転不可に、かつ軸方向に移動可能に連結されたねじ軸、およびこのねじ軸に多数のボールを介して外挿され、前記スライダに対する軸方向の相対移動が規制されることにより、前記可動側プーリに対し、回転自在、かつ軸方向に移動不可に構成されたナットからなり、
    このナットが、一端部に径方向外方に延びるフランジ部を有し、このフランジ部の外径が前記歯車に所定の径方向すきまを介して嵌合されると共に、
    当該フランジ部に締結された固定ボルトを介して前記ナットが前記歯車に固定されていることを特徴とする無段変速機のアクチュエータ。
  2. 前記歯車が、外周に歯部を有し、鍔部を介して前記ナットのフランジ部に接合される円板部と、この円板部の内径側から前記ねじ軸の内周面に沿って軸方向に延びる円筒状の嵌合部からなる断面略L字状に形成され、この嵌合部と前記主軸との間に前記転がり軸受が装着されている請求項1に記載の無段変速機のアクチュエータ。
  3. 前記歯車が肌焼き鋼からなり、浸炭焼入れによって表面に所定の硬化層が形成されている請求項1または2に記載の無段変速機のアクチュエータ。
  4. 前記ボールねじが、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、
    このナットに内挿され、外周に前記ねじ溝のリード角と同一のリード角からなる複数のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記両ねじ溝間に転動自在に収容された多数のボールとを備え、
    前記ねじ軸の軸方向で隣り合うねじ溝の間に存在するランド部に、当該複数のねじ溝を個別に閉ループとするボール循環溝が設けられ、このボール循環溝が、前記ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈み込ませ、前記ナットのランド部を乗り越えさせて上流側へ戻すように略S字状に形成されると共に、
    前記ナットとねじ軸との間に形成される環状空間の開口部にシールが装着され、このシールが、内径側に二股状に延びて形成されたラジアルリップを一体に有し、このラジアルリップが前記ねじ軸の外周面に摺接されている請求項1乃至3いずれかに記載の無段変速機のアクチュエータ。
  5. 前記ねじ軸のねじ溝が、2条または3条の限られた閉塞螺旋溝で構成されている請求項4に記載の無段変速機のアクチュエータ。
  6. 前記ねじ軸のねじ溝とボール循環溝がポイント切削によって所定の仕上げ形状に形成されている請求項4または5に記載の無段変速機のアクチュエータ。
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