JP2002066802A - Nc旋盤による偏心位置旋削加工方法 - Google Patents

Nc旋盤による偏心位置旋削加工方法

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JP2002066802A
JP2002066802A JP2000254923A JP2000254923A JP2002066802A JP 2002066802 A JP2002066802 A JP 2002066802A JP 2000254923 A JP2000254923 A JP 2000254923A JP 2000254923 A JP2000254923 A JP 2000254923A JP 2002066802 A JP2002066802 A JP 2002066802A
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lathe
hole
turning
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Hiroshi Koshiba
博 小柴
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新たな構成を付加することなく既存のNC旋
盤で実行することができ、コストアップを抑制すること
が可能なNC旋盤による偏心位置旋削加工方法を提供す
る。 【解決手段】 NC旋盤の主軸2の先端にチャック3を
嵌着し、このチャック3に被加工物Wを固定する。この
被加工物Wの主軸2に直交するX−Y平面上の任意の点
に対し、X軸、Y軸及びZ軸方向に移動位置決め制御可
能なタレット刃物台5に工具11を装着する。被加工物
Wを回転させることによって偏心位置にある被加工孔を
旋回させると共に、工具11をX−Y平面上に円弧補間
運動させることによって工具11を被加工孔の旋回移動
に追従して移動させる。これによって被加工孔の中心を
回転中心とした工具11の相対回転運動を行い、被加工
孔を工具11の相対回転による円形軌跡に沿って旋削す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、NC旋盤による
偏心位置旋削加工方法に関するものであり、詳しくは、
主軸に取り付けられた被加工物に対して、主軸の軸心か
ら偏心した位置に形成された透孔の中ぐりや透孔の周縁
部のフェーシング等のように、偏心位置の被加工部に旋
削加工を行う際に好適に使用されるNC旋盤による偏心
位置旋削加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NC旋盤による旋削加工は、通常は主軸
の軸心を中心とした回転対称形の加工に限られている。
そのため、主軸に取り付けられた被加工物の偏心位置
に、透孔の中ぐりや透孔周縁部のフェーシング等の旋削
加工を行う場合には、NC旋盤とは機能が異なる加工装
置を使用して加工を行っている。しかしながら、この加
工方法では、複数の加工装置の準備、加工装置の設置ス
ペースの確保、加工装置間での被加工物の搬送、各加工
装置の段取り替え等に多大のコストを要するという問題
がある。
【0003】そこで、NC旋盤を使用して偏心位置を加
工する加工方法が開発されている。これは、刃物台に旋
削工具とは別に回転工具を回転駆動可能に設けたNC旋
盤を使用し、主軸に取り付けた被加工物を回転させずに
停止させた状態で回転工具を被加工部に近接させ、その
偏心位置で中ぐりやフェーシング等の旋削加工を行おう
とする方法である(例えば特許第2610548号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記加工方法では、被
加工物の回転駆動用の主軸とは別に、回転工具用の回転
駆動軸を備えたNC旋盤を必要とする。そのため、既存
のNC旋盤に新たな構成を付加する必要があり、コスト
アップを招くという問題がある。
【0005】この発明は、上記従来の欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、新たな構成を
付加することなく既存のNC旋盤で実行することがで
き、コストアップを抑制することが可能なNC旋盤によ
る偏心位置旋削加工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び効果】そこで請求項1
のNC旋盤による偏心位置旋削加工方法は、回転可能な
主軸2と、刃物台5とを備え、主軸2と刃物台5とは主
軸2と平行なZ軸とZ軸に直交するX軸及びY軸とから
なる直交3軸方向に相対移動可能に構成されたNC旋盤
10において、上記主軸2に被加工物Wを取り付ける一
方、上記刃物台5に工具11を装着し、上記被加工物W
に対して上記主軸2から偏心した偏心点を中心とした被
加工部を旋削加工するためのNC旋盤による偏心位置旋
削加工方法であって、上記主軸2を回転させることによ
って上記被加工部を旋回させると共に、上記被加工部の
旋回移動に対して上記工具11をX−Y平面上に円弧補
間運動させることによって上記工具11を上記被加工部
の旋回に追従移動させ、これによって上記偏心点を中心
とした工具11の相対回転運動を行い、上記被加工部を
工具11の相対回転による円形軌跡に沿って旋削するこ
とを特徴としている。
【0007】上記請求項1のNC旋盤による偏心位置旋
削加工方法に従えば、被加工物Wの回転による被加工部
の旋回と円弧補間運動による工具11の円形移動とを組
み合わせることによって、被加工物Wにおいて偏心位置
にある被加工部を旋削加工することができる。したがっ
て、既存のNC旋盤10を使用して偏心位置の旋削加工
を行うことができるので、NC旋盤10の汎用性が向上
する。また、回転工具を駆動する回転駆動軸のような新
たな構成をNC旋盤10に付加する必要がないので、コ
ストアップを抑制することができる。
【0008】このように請求項1のNC旋盤による偏心
位置旋削加工方法によれば、1台のNC旋盤10で主軸
2の軸心回りの旋削加工と偏心位置回りの旋削加工とを
行うことができるので、加工工程の集約が可能となり、
また多品種少量生産を低コストで実現することができ
る。さらに、旋削加工時、工具11と被加工物Wとを、
X軸、Y軸及びZ軸方向に相対移動させることによっ
て、回転工具では実行不可能な偏心位置のテーパ加工、
球面加工、ネジ切り加工等の複雑な加工が可能となる。
【0009】また請求項2のNC旋盤による偏心位置旋
削加工方法は、円弧補間運動による上記工具11の円形
移動軌跡の中心点をX方向及び/又はY方向に変位させ
ることにより、上記旋削円形軌跡の直径の大小を調整す
ることを特徴としている。
【0010】上記請求項2のNC旋盤による偏心位置旋
削加工方法に従えば、工具11の円形移動軌跡の中心点
の位置を変えることによって径の異なる被加工部に対す
る旋削加工が可能となる。これによって、必要工具数の
削減による工具費の低減を図ると共に、工具交換等の段
取り替えによる加工効率の低下を防止することができ
る。
【0011】また請求項3のNC旋盤による偏心位置旋
削加工方法は、円弧補間運動による上記工具11の円形
移動に同期させて、上記工具11をZ方向に切削送りす
ることを特徴としている。
【0012】上記請求項3のNC旋盤による偏心位置旋
削加工方法に従えば、偏心位置に形成された被加工孔の
中ぐりを行うことができる。
【0013】請求項4のNC旋盤による偏心位置旋削加
工方法は、円弧補間運動による上記工具11の円形移動
に同期させて、上記工具11をX方向及び/又はY方向
に切削送りすることを特徴としている。
【0014】上記請求項4のNC旋盤による偏心位置旋
削加工方法に従えば、工具11をX−Y平面上で螺旋状
に動かすことができる。したがって、偏心位置に形成さ
れた被加工孔周縁のフェーシング加工をスムーズに行う
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、この発明のNC旋盤による
偏心位置旋削加工方法の具体的な実施の形態について、
図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明のN
C旋盤による偏心位置旋削加工方法が実行されるNC旋
盤10の構成を示す斜視図である。
【0016】NC旋盤10の主軸台1の側部には主軸2
が回転可能に取り付けられており、この主軸2の先端に
はチャック3が取り付けられている。そして、このチャ
ック3に被加工物Wが把持されるようになっている。
【0017】一方、基台6は、主軸台1の側部に隣接し
て設置されている。基台6の上部には、Z軸台7が配置
されている。Z軸台7は、主軸2の軸心と平行なZ軸方
向に移動可能である。また、Z軸台7の上部には、X軸
台8が配置されている。X軸台8は、Z軸に直交するX
軸方向に移動可能である。さらに、X軸台8の側部に
は、Y軸台9が配置されている。Y軸台9は、X軸とZ
軸とに直交するY軸方向に移動可能である。そして、Y
軸台9にはタレットヘッド4が装着されている。したが
って、タレットヘッド4は、X軸、Y軸及びZ軸の直交
3軸方向に移動位置決め制御可能である。さらに、タレ
ットヘッド4には、タレット刃物台5が装着されてお
り、このタレット刃物台5には、工具11が取り付けら
れている。したがって、工具11は、タレットヘッド4
及びタレット刃物台5と共に、X軸、Y軸及びZ軸方向
に移動されるようになっている。
【0018】上記NC旋盤10による偏心位置に対する
旋削加工方法について説明する。ここでは、偏心位置に
形成された円形の透孔に対して旋削加工を行う場合を説
明する。
【0019】まず、透孔(被加工孔)に対して中ぐり加
工を行う場合を説明する。図2は、被加工物Wと工具1
1とをX軸方向から見た側面図であり、図3は、被加工
物WをZ軸方向から見た正面図である。まず、被加工物
Wを停止させた状態で、工具11の切削刃12の刃先1
2aと被加工孔Hにおける加工面W1とが一致する位置
に、工具11を位置決めする。
【0020】次に、被加工物Wを回転させることによっ
て被加工孔Hを旋回させると共に、工具11をX−Y平
面上に円弧補間運動させることによって、工具11を被
加工孔Hの旋回に追従移動させる。円弧補間運動は、工
具11の位置決めをしたときに、被加工孔Hの中心Aを
通ってZ軸に平行な直線上の任意点を基準点として、こ
の基準点が主軸2の軸心Oを中心として軸心Oから被加
工孔Hの中心Aまでの距離を半径とする円運動をするよ
うに行う。尚、図2及び図3では、理解しやすくするた
めに、工具11の中心T、正確には円柱状の工具本体1
3の中心Tを基準点としている。
【0021】上記円弧補間運動によって、被加工孔Hの
中心Aは、被加工孔Hに対する工具11の相対的な回転
中心となる。したがって、加工面W1上の点Bは、順次
B→B1→B2→B3→Bへと工具11の中心T回りを
回転する。この回転運動をさせながら、工具11をZ軸
方向に移動させることによって、中ぐり加工を行うこと
ができる。
【0022】加工完了後は、工具11を、X軸方向及び
Y軸方向に移動させて切削刃12の刃先12aと被加工
物Wとが干渉しないようにし、それからZ軸方向に移動
させることで、加工面W1に戻しツールマークをつける
ことなく、工具11を被加工孔Hから退避させることが
できる。
【0023】図4は、同一の工具11を用いて径の異な
る被加工孔を旋削する場合の工具11と被加工孔Hとの
位置関係を示す正面図である。尚、工具11の中心Tと
切削刃12の刃先12aとの距離の2倍の直径の孔を基
準孔とする。工具11の中心Tを被加工物Wの被加工孔
Hの中心Aから切削刃12とは反対方向に距離a1離れ
た位置となるよう工具11を位置決めし、上記孔加工と
同様の動作を行えば、基準孔よりも小径孔の旋削加工を
行うことができる。
【0024】尚、円弧補間運動を行う際の基準点は、上
述したように工具11の位置決めをしたときに被加工孔
Hの中心Aを通ってZ軸に平行な直線上の任意点でもよ
いが、工具11の位置決め位置を変更するたびに基準点
を変更したのでは制御が複雑になるので、工具11の中
心Tを基準点として使用する。但し、この場合は、円弧
補間運動の中心点も主軸2の中心Oから位置決め時の工
具11の中心Tの移動方向と同方向に同距離a1離れた
位置とする。
【0025】また、工具11のTを被加工物Wの被加工
孔Hの中心Aから切削刃12と同方向に距離a2離れた
位置となるよう工具11を位置決めし、上記孔加工と同
様の動作を行うことで、基準孔よりも大径孔の旋削加工
を行うことができる。尚、円弧補間運動を行う際、基準
点は工具11の中心Tであり、また円弧補間運動の中心
点は主軸2の中心から位置決め時の工具11の中心Tの
移動方向と同方向に同距離a2離れた位置とする。
【0026】例えば被加工孔Hに仕上げ加工を行う場合
には、工具11の切削刃12の刃先12aが仕上げ加工
面に一致する位置に工具11を移動させ、上記と同様の
動作を行うことによって、仕上げ加工を行うことができ
る。したがって、1本の工具11を用いて荒加工及び仕
上げ加工を行うことが可能である。
【0027】図5は、偏心位置の被加工孔周縁のフェー
シング加工を行う場合に、被加工物Wと工具11とをX
軸方向から見た側面図であり、図6は被加工物WをZ軸
方向から見た正面図である。ここでは、タレット刃物台
5に対面する表面ではなく、裏面にフェーシング加工を
行う場合を説明する。
【0028】まず、被加工物Wを停止させた状態で、工
具11の切削刃12の刃先12aと被加工物Wの被加工
孔周縁のフェーシング加工面W2とが一致する位置に、
工具11を位置決めする。
【0029】次に、被加工物Wを回転させることによっ
て被加工孔Hを旋回させると共に、工具11をX−Y平
面上に円弧補間運動させることによって、工具11を被
加工孔Hの旋回に追従移動させる。円弧補間運動は、上
述した中ぐり加工の場合と同様に、工具11の位置決め
をしたときに、被加工孔Hの中心Aを通ってZ軸に平行
な直線上の任意点を基準点として、この基準点が主軸2
の軸心Oを中心として軸心Oから被加工孔Hの中心Aま
での距離を半径とする円運動をするように行う。尚、理
解しやすくするために、工具11の中心Tを基準点とし
ている。
【0030】上記円弧補間運動によって、被加工孔Hの
中心Aは、被加工孔Hに対する工具11の相対的な回転
中心となる。したがって、フェーシング加工面W2上の
点Cは、順次C→C1→C2→C3→Cへと工具11の
中心T回りを回転する。この回転運動をさせながら、工
具11をY方向に切削送りさせることによって、順次D
→D1→D2→D3→D4へと被加工孔Hの周縁のフェ
ーシング加工を行うことができる。
【0031】加工完了後は、工具11を、切削刃12の
刃先12aがフェーシング加工面W2から離反するよう
にZ方向に移動させてから、さらに切削刃12の刃先1
2aが被加工孔Hの内周面に接触しないようにX方向又
はY方向に移動させ、それからZ方向に移動させること
で、戻しツールマークをつけることなく工具11を被加
工孔Hから退避させることができる。
【0032】図7は、同一の工具11を用いて径の異な
る被加工孔周縁のフェーシング加工を行う場合の工具1
1と被加工孔Hとの位置関係を示す正面図である。尚、
工具11の中心Tと切削刃12の刃先12aとの距離の
2倍の直径の孔を基準孔とする。工具11の中心Tを被
加工物Wの被加工孔Hの中心Aから切削刃12とは反対
方向に距離a3離れた位置となるよう工具11を位置決
めし、上記被加工孔周縁のフェーシング加工と同様の動
作を行えば、基準孔よりも小径孔に対するフェーシング
加工を行うことができる。尚、円弧補間運動を行う際、
基準点は工具11の中心Tであり、また円弧補間運動の
中心点は主軸2の中心Oから位置決め時の工具11の中
心Tの移動方向と同方向に同距離a3離れた位置とす
る。
【0033】また、工具11の中心Tを被加工物Wの被
加工孔Hの中心Aから切削刃12と同方向に距離a4離
れた位置となるよう工具11を位置決めし、上記被加工
孔周縁のフェーシング加工と同様の動作を行えば、基準
孔よりも大径孔に対するフェーシング加工を行うことが
できる。尚、円弧補間運動を行う際、基準点は工具11
の中心Tであり、また円弧補間運動の中心点は主軸2の
中心Oから位置決め時の工具11の中心Tの移動方向と
同方向に同距離a4離れた位置とする。
【0034】以上のように本実施の形態によれば、被加
工物Wの回転による被加工孔Hの旋回と円弧補間運動に
よる工具11の円形移動とを組み合わせることによっ
て、被加工物Wにおいて偏心位置にある被加工孔Hに対
して旋削加工(中ぐり加工やフェーシング加工など)を
施すことができる。したがって、既存のNC旋盤10を
使用して偏心位置の旋削加工を行うことができるので、
NC旋盤10の汎用性が向上する。また、回転工具を駆
動する回転駆動軸のような新たな構成をNC旋盤10に
付加する必要はなく、制御プログラムの追加・変更で対
応できるので、コストアップを抑制することができる。
【0035】このように1台のNC旋盤10で主軸2の
軸心O回りの旋削加工と偏心位置の旋削加工とを行うこ
とができるので、加工工程の集約が可能となり、また多
品種少量生産を低コストで実現することができる。さら
に、旋削加工時、工具11をX方向及び/又はY方向に
移動させると共に、被加工物WをZ方向に移動させるこ
とによって、回転工具では実行不可能な偏心位置のテー
パ加工、球面加工、ネジ切り加工等の複雑な加工が可能
となる。
【0036】また、工具11の円形移動軌跡の中心点の
位置を変えることによって、径の異なる被加工孔Hに対
する旋削加工が可能となるので、必要工具数の削減によ
る工具費の低減を図ると共に、工具交換等の段取り替え
による加工効率の低下を防止することができる。
【0037】さらに、工具11をX−Y平面で螺旋状に
動かすことができるので、偏心位置に形成された被加工
孔周縁のフェーシング加工をスムーズに行うことができ
る。また、裏面のフェーシング加工の場合、工具回転方
式では図8(b)に示すように被加工孔Hの内径に対し
て抜きしろLaと回転しろLbとを確保する必要がある
ため、工具本体13の外形rが小さくなるのに対し、本
実施形態の被加工物回転方式では図8(a)に示すよう
に被加工孔Hの内径に対して抜きしろLaを確保するだ
けでよいため、工具本体13の外形Rを工具回転方式の
場合よりも大きくできる。したがって、本実施形態では
工具本体13を太くできるので、振動の発生が少なくな
り、切削面の品質を確保することができる。
【0038】以上にこの発明の具体的な実施形態につい
て説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施する
ことができる。
【0039】上記実施形態では、工具11をX方向及び
Y方向に移動させるNC旋盤10を用いているが、被加
工物WをX方向及びY方向に移動させるNC旋盤を用い
てもよい。この場合、中ぐり加工については、図2に示
すようにまず被加工物Wの回転を停止した状態で、工具
11の切削刃12の刃先12aが加工面W1と一致する
位置に、被加工物Wを位置決めする。
【0040】次に、主軸2を回転させて被加工物Wを回
転させると共に、主軸2をX−Y平面上に円弧補間運動
させることによって被加工孔Hの中心Aが固定点となる
ように、即ち被加工孔Hの中心Aを回転中心として被加
工物Wが回転するように移動させる。これによって、被
加工孔Hの中心Aは被加工物Wに対する工具11の相対
的な回転中心となる。この回転運動をさせながら、工具
11をZ方向に移動させることにより、偏心位置の被加
工孔Hに対する中ぐり加工を行うことができる。
【0041】また、被加工孔周縁のフェーシング加工に
ついては、図5に示すようにまず被加工物Wの回転を停
止した状態で工具11の切削刃12の刃先12aと被加
工物Wの被加工孔周縁のフェーシング加工面W2とが一
致する位置に、被加工物Wを位置決めする。
【0042】次に、主軸2を回転させて被加工物Wを回
転させると共に、主軸2をX−Y平面上に円弧補間運動
させることによって被加工孔Hの中心Aが固定点となる
ように、即ち被加工孔Hの中心Aを回転中心として被加
工物Wが回転するように移動させる。これによって、被
加工孔Hの中心Aは被加工物Wに対する工具11の相対
的な回転中心となる。この回転運動をさせながら、被加
工物WをX方向及び/又はY方向に切削送りすることに
よって、偏心位置の被加工孔周縁のフェーシング加工を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態で使用するNC旋盤の概
略構成を示す斜視図である。
【図2】偏心位置での中ぐり加工を行う場合の工具と被
加工物の位置関係を示す側面図である。
【図3】偏心位置での中ぐり加工を行う場合の工具と被
加工物の位置関係を示す正面図である。
【図4】偏心位置での径の異なる被加工孔に対して同一
工具で中ぐり加工を行う場合の工具と被加工物の位置関
係を示す正面図である。
【図5】偏心位置での被加工孔周縁のフェーシング加工
を行う場合の工具と被加工物の位置関係を示す正面図で
ある。
【図6】偏心位置での被加工孔周縁のフェーシング加工
を行う場合の工具と被加工物の位置関係を示す正面図で
ある。
【図7】偏心位置での径の異なる被加工孔周縁に対して
同一工具でフェーシング加工を行う場合の工具と被加工
物の位置関係を示す正面図である。
【図8】フェーシング加工を行う場合の工具本体の外径
について説明するための断面図であり、(a)は被加工
物回転方式の場合を示し、(b)は工具回転方式の場合
を示す。
【符号の説明】
2 主軸 4 タレットヘッド 5 タレット刃物台 10 NC旋盤 11 工具 12 切削刃 12a 刃先 H 被加工孔 A 被加工孔の中心 W 被加工物 W1 加工面 W2 フェーシング加工面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能な主軸(2)と、刃物台(5)
    とを備え、主軸(2)と刃物台(5)とは主軸(2)と
    平行なZ軸とZ軸に直交するX軸及びY軸とからなる直
    交3軸方向に相対移動可能に構成されたNC旋盤(1
    0)において、上記主軸(2)に被加工物(W)を取り
    付ける一方、上記刃物台(5)に工具(11)を装着
    し、上記被加工物(W)に対して上記主軸(2)から偏
    心した偏心点を中心とした被加工部を旋削加工するため
    のNC旋盤による偏心位置旋削加工方法であって、上記
    主軸(2)を回転させることによって上記被加工部を旋
    回させると共に、上記被加工部の旋回移動に対して上記
    工具(11)をX−Y平面上に円弧補間運動させること
    によって上記工具(11)を上記被加工部の旋回に追従
    移動させ、これによって上記偏心点を中心とした工具
    (11)の相対回転運動を行い、上記被加工部を工具
    (11)の相対回転による円形軌跡に沿って旋削するこ
    とを特徴とするNC旋盤による偏心位置旋削加工方法。
  2. 【請求項2】 円弧補間運動による上記工具(11)の
    円形移動軌跡の中心点をX方向及び/又はY方向に変位
    させることによって、上記旋削円形軌跡の直径の大小を
    調整することを特徴とする請求項1のNC旋盤による偏
    心位置旋削加工方法。
  3. 【請求項3】 円弧補間運動による上記工具(11)の
    円形移動に同期させて、上記工具(11)をZ方向に切
    削送りすることを特徴とする請求項1又は請求項2のN
    C旋盤による偏心位置旋削加工方法。
  4. 【請求項4】 円弧補間運動による上記工具(11)の
    円形移動に同期させて、上記工具(11)をX方向及び
    /又はY方向に切削送りすることを特徴とする請求項1
    又は請求項2のNC旋盤による偏心位置旋削加工方法。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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