JP4392913B2 - 数値制御自動旋盤及びこの数値制御自動旋盤による被加工物の加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、刃物台の移動や主軸の回転又は主軸台の移動等を数値制御によって行い、前記主軸に保持した被加工物の先端をガイドブッシュで支持させ、このガイドブッシュから前記被加工物の一部を突出させて、前記刃物台に保持した工具で加工する数値制御自動旋盤及びこの数値制御自動旋盤を用いた被加工物の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に数値制御自動旋盤は、回転自在な主軸と、この主軸に保持された被加工物を加工するための複数の工具を保持する刃物台と、この刃物台を前記主軸に保持された前記被加工物に対して移動させる駆動装置と、この駆動装置の駆動を制御する数値制御装置とを有していて、前記数値制御装置の指令によって、前記刃物台に保持された複数の工具の中から所定の工具を加工位置に割り出し、当該工具によって所定の加工を被加工物に行っている。
そして、このような数値制御自動旋盤の中には、前記刃物台を複数有し、各刃物台に保持された工具で前記被加工物の異なる部位を同時に加工することにより、加工時間の短縮を図ったものも広く普及している。
【0003】
ところで、数値制御自動旋盤に設けられる前記刃物台には、工具を環状又は放射状に保持するタレット形と、工具を直線状に配列して保持するくし歯形とがある。タレット形の刃物台は、工具の着脱が容易で加工領域を大きくとれるという利点がある反面、タレットが大型であるため機械の大きさや重量が大きくなる。また、工具を割り出すための割り出し回転の中心から工具の刃先が遠い位置にあるため、高精度な割り出しが困難で割り出し時間も長くなるという欠点がある。
さらに、タレット形の刃物台は、工具の割り出し回転軸がタレット刃物台の移動軸から独立しているため、各軸ごとにプログラミングによって位置の割り出し等を行わなければならず、プログラミングが複雑になるという欠点がある。
【0004】
これに対して、くし歯形の刃物台は、保持することのできる工具本数が少なく、保持される工具の間隔が小さいことから待機中の他の工具と被加工物と干渉しやすく、したがって加工領域をあまり大きくとることができないという制約があるものの、タレット形に比べて数値制御自動施盤を軽量・コンパクトにすることができ、工具の割り出し時間や割り出し精度も良好であるという利点を備えている。
また、工具の割り出し軸とくし歯形の刃物台の移動軸とが共通しているため、タレット刃物台に比してプログラミングが単純であるという利点がある。
【0005】
このような利点の存在から、くし歯形の刃物台を備えた数値制御自動旋盤は、比較的小物で加工工程数の少ない被加工物の加工においてよく利用されている。この中でも、特に、主軸台の前方にガイドブッシュを有し、このガイドブッシュで被加工物の先端を支持させるとともに、前記ガイドブッシュから被加工物の一部を突出させてこの突出部分を前記工具で加工するタイプの数値制御自動旋盤は、ガイドブッシュの近傍で加工が行われることから加工の際の被加工物の撓みをきわめて小さくすることができ、長尺の被加工物の加工や径の小さい細物の加工に適している。
【0006】
くし歯形の刃物台(以下、くし歯刃物台という)を主軸軸線の両側に2つ有する数値制御自動旋盤における複合加工の一例を、図10〜図12に示す。
図10は、主軸軸線の両側に2つのくし歯刃物台を有する数値制御自動旋盤による複合加工の一例を示す概略図である。図10(a)に示すように、被加工物Wを割り出し回転させて位置決めし、これと同時に、ホブカッターT2を被加工物Wの外周部の近傍に配置するとともに回転装置を備えたドリルT1を被加工物Wの端面に対峙させて配置する。
【0007】
この状態で、図10(b)に示すように、主軸台をZ方向に移動させて被加工物Wをガイドブッシュ22から送り出すと、ホブカッターT2によって外周部にギヤ歯が形成されると同時に、回転するドリルT1によって被加工物Wの端面に穴が形成される。このように、被加工物Wを所定角度ずつ割り出し回転させながら主軸台をZ方向に送ることで、被加工物Wの外周部にギヤ歯を形成しながら、同時に、被加工物Wの端面に複数の穴を形成することができるものである。
【0008】
しかし、この複合加工では、ホブカッターT2でギヤ歯を形成するための被加工物Wの最適なZ方向の送り速度と、ドリルT1で穴明け加工を行うための被加工物の最適なZ方向の送り速度とは同じではないため、いずれかの工具T1又はT2に過大な負荷が作用して、工具寿命を著しく低下させるという問題がある。また、図11は、両くし歯刃物台の工具を主軸の軸線方向(Z方向)にわずかにずらして(ずれ量をδで示す)配置し、主軸台をZ方向に移動させてガイドブッシュ22から被加工物Wを送り出しながら、粗加工と仕上げ加工を同時に行う複合加工の一例を示す概略図である。
【0009】
図11(a)に示すように、ガイドブッシュ22から被加工物を送り出して行くと、まず、粗加工用の工具T1が被加工物Wの先端Waに当接し、粗加工を開始する。このとき、仕上げ加工用の工具T2は、工具T1よりも距離δだけ被加工物Wよりも遠い位置に位置している。
ガイドブッシュ22からの被加工物Wの送り出しを継続すると、工具T2が被加工物Wの先端Waに当接して仕上げ加工を開始する。このようにして、図11(b)に示すように、工具T1による粗加工と工具T2による仕上げ加工が同時に行われる。
【0010】
しかし、この複合加工においては、粗加工用の工具T1が加工端部Wbに達すると、工具T1による加工を停止させるために前記主軸台の移動を停止させ、くし歯刃物台を−X方向に移動させて工具T1を被加工物Wと干渉しない位置に退避させる必要がある。そしてこの後、図11(c)に示すように、被加工物WのZ方向の送り出しを再開して、工具T2による仕上げ加工を加工端部Wcまで行わせるようにしている。
【0011】
また、図12に示す複合加工では、図12(a)に示すように、主軸台の移動によって被加工物WをZ方向に送りながら、一方のくし歯刃物台に保持したドリルT1を回転させて被加工物Wの端面の穴明け加工を行うと同時に、他方のくし歯刃物台の工具T2(エンドミル)で被加工物Wの外周に溝WSの形成を行う。
【0012】
しかし、図12に示す複合加工を効率良く行うには、溝幅Lと穴深さHとが同じであることが条件であり、溝幅Lと穴深さHが異なる場合(例えば溝幅L>穴深さHの場合)には、上記のような複合加工は却って加工効率を低下させる。
【0013】
すなわち、溝幅Lが穴深さHよりも大きい場合、主軸台の移動によって穴明け加工を完了させることはできるが、図12(b)に示すように、主軸台の移動による被加工物Wの送り量が不足していて溝幅Lの溝の加工を完了させることはできない。
溝幅Lの溝WSの加工を完了させるには、エンドミルT2をX方向に退避させ、主軸台を−Z方向に後退させ、さらにドリルT1を被加工物Wと干渉しない位置まで遠ざけた後、エンドミルT2を−X方向に移動させて溝Wa内に位置させ、主軸台を移動させることで溝Waに沿って再びエンドミルT2を被加工物Wに対して相対的に送らなければならない。
【0014】
図10〜図12で説明したように、従来の数値制御自動旋盤では、複合加工を行うことによって工具寿命が低下したり、加工の種類によっては複合加工を行うと却って加工効率が低下するものがあることから、加工前に複合加工の適否を確実に見極め、加工手順を決定してからプログラミング等を行う必要があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点にかんがみてなされたもので、くし歯形の刃物台を備えた数値制御自動施盤で被加工物を加工する場合に、広範な種類の加工を複合的に行うことができる、簡単な構成で加工手順の組立やプログラミングが容易な数値制御自動旋盤を提供すること及びこの数値制御自動旋盤による被加工物の加工方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸線方向のZ1移動軸を有する主軸と、前記主軸軸線を挟んで対向配置された二つの刃物台とを備えた数値制御自動旋盤において、前記刃物台を、前記主軸軸線と直交する方向であるX方向及びY方向の移動軸を有するくし歯刃物台とし、一方のくし歯刃物台に、前記主軸軸線と同方向のZ2移動軸を設け、両前記くし歯刃物台を、加工位置に割り出された各くし歯刃物台の工具が主軸軸線方向にずれるように配置し、前記工具による同時加工に応じて前記主軸と前記工具とを相対的に主軸軸線方向に移動させ、一方のくし歯刃物台の工具による加工が残存する状態で他方のくし歯刃物台の工具が加工端部まで到達した後、前記残存する加工が継続されるように、前記くし歯刃物台をZ2移動軸によって移動させる制御装置を備える構成としてある。この構成によれば、一方のくし歯刃物台を主軸軸線と同じ方向に移動させることで、二つのくし歯刃物台を有する数値制御自動旋盤において、これまで行うことのできなかった複合加工を行うことが可能になる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記主軸に対向して第2の主軸を前記Z1方向に移動可能に配置し、前記一方のくし歯刃物台に、前記第2の主軸台の主軸に保持された被加工物を加工するための工具を取り付けた構成としてある。この構成によれば、前記第2の主軸台に被加工物を保持させ、くし歯刃物台に取り付けた工具で前記被加工物を加工することができるので、同時に二つの被加工物の加工を行うことが可能になる。また、前記主軸台から第2の主軸台に被加工物を受け渡し、二つのくし歯刃物台の工具で被加工物を加工できる位置に前記第2の主軸台を移動させることで、被加工物の両側について同様の複合加工を行うことが可能になる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、両前記くし歯刃物台のずれ量が、各前記工具による前記被加工物の加工点の撓みがそれぞれ最小となるものとしてある。
この構成によれば、各工具の主分力や背分力の大きさの違いに基づいて、工具の配置位置をZ方向に所定距離ずらすことで、各工具による前記被加工物の加工点の撓みを最小にすることができる。したがって、撓みの生じやすい細物の加工を行う場合や高精度が求められる加工を行う場合に適している。
【0021】
本発明においては、例えば、前記第1の加工を粗加工とし、前記第2の加工を仕上げ加工として、前記他方のくし歯刃物台の粗加工用の工具を前記一方のくし歯刃物台の仕上げ加工用の工具よりも前記Z方向に前記主軸台寄りに配置し、両前記工具の位置関係を維持した状態で前記第1の加工及び第2の加工を行うようにしてもよい。本発明では、粗加工用の工具が加工端部に達すると、一方のくし歯刃物台がZ2移動軸によって移動して仕上げ加工を完了させるので、粗加工用の工具の被加工物からの退避を待つことなく、粗加工と仕上げ加工とを同時に行うことができる。
【0022】
また、前記第1の加工を粗加工とし、前記第2の加工を仕上げ加工とし、前記一方のくし歯刃物台の粗加工用の工具を前記他方のくし歯刃物台の仕上げ加工用の工具よりも前記Z方向に前記主軸台寄りに配置し、両前記工具の位置関係を維持した状態で前記第1の加工及び第2の加工を行うようにしてもよい。このようにすれば、粗加工用の工具が加工端部に達すると、一方のくし歯刃物台がZ2移動軸によって移動して、前記粗加工用の工具を前記被加工物の移動に追随させるので、粗加工用の工具の被加工物からの退避を待つことなく、粗加工と仕上げ加工とを同時に行うことができる。
【0023】
また、本発明によれば、一方及び他方のくし歯刃物台のうち、工具が先に加工端部に達した方のくし歯刃物台を、前記工具が前記加工端部に達すると同時に前記工具を前記被加工物から退避させる方向に移動させ、次の加工のための準備を行うようにすることも可能である。このようにすれば、一方のくし歯刃物台の工具で加工を行っている間に他方のくし歯刃物台で工具の割り出し等を行うことができ、次の加工のための準備を迅速に行うことができる。この場合、くし歯刃物台はタレット形の刃物台に比して割り出し速度が早く、その分加工時間を短縮できるという利点がある。
【0024】
また、本発明によれば、両前記くし歯刃物台の工具がそれぞれ、前記第1の加工部の加工端部及び前記第2の加工部の加工端部に達した後に、前記主軸を前記Z1方向に逆向きに移動させるか又は前記一方のくし歯刃物台を前記Z2移動軸によって逆向きに移動させることで連続加工を行うことも可能である。例えば2つのエンドミルで被加工物の2箇所に溝を形成する場合などに、エンドミルを被加工物から遠ざける必要なく、連続して加工を行うことができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、前記工具の少なくとも一方が回転工具とすることも可能で、バイトのような固定工具に限らず、ホブカッター、エンドミル、ドリル及びタップなどの回転工具を用いた複合加工にも適用が可能である。特に、ドリルによる穴明け加工やタップによるねじ切り加工とエンドミル等による溝切り加工とを同時に行うことは、従来の数値制御自動旋盤では困難であったが、くし歯刃物台の一方を主軸台と同方向に移動可能とし、主軸台の移動と同期させてくし歯刃物台の一方を移動させることで、これら回転工具による加工とエンドミル等による切削加工を同時に行うことが可能になる。
【0027】
さらに、本発明においては、請求項4に記載するように、請求項1〜3のいずれかに記載の数値制御自動旋盤において、前記主軸に、外周部及び前記主軸の軸線と交叉する端面とを有する前記被加工物が保持され、前記Z2移動軸を持たない第1のくし歯刃物台に回転工具が装着され、前記制御装置が、前記第1のくし歯刃物台を、回転工具が前記被加工物の前記端面に位置決めされるように移動させるとともに、前記Z2移動軸を備えた第2のくし歯刃物台を、工具が前記外周部に位置決めされるように移動させ、前記主軸の回転により前記被加工物を回転させながら前記第2のくし歯刃物台の工具で前記外周部の加工を行うとともに、前記主軸の回転によって前記主軸の軸線から離間した位置にある前記加工位置が描く軌跡を円弧補間し、この円弧補間のデータに基づいて前記第1のくし歯刃物台を前記X1方向及び前記Y1方向に移動させることによって前記被加工物の加工位置に対する前記回転工具の位置を維持しながら前記主軸を前記第1のくし歯刃物台の工具に対してZ1方向に相対的に移動させて、前記端面の穴明け加工を行わせる機能を備えた構成とすることも可能である。
この構成によれば、被加工物を主軸とともに回転させながら外周部の加工を行うと同時に、被加工物の端面にドリルなどで穴明け加工を行うことが可能である。回転する被加工物に対する回転工具の相対的な位置決めは、主軸の回転による被加工物の加工位置の軌跡を円弧補間することによって行うとよい。円弧補間は、主軸の角速度と、主軸の軸線から加工位置までの距離とから、簡単な演算処理によって行うことができる。そのため、主軸の回転と同期させて回転工具を回転させるための複雑な装置が不要で、数値制御自動旋盤を大型かつ複雑化することがない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1にしたがって、本発明の数値制御自動旋盤の構成を説明する。
数値制御自動旋盤のベッド1上には、X方向に延びるX方向ガイドレール35及びZ方向に延びるZ方向ガイドレール23,49が設けられている。
サドル33が、X方向ガイドレール35に移動自在に設けられ、このサドル33の一側面には支持体32が設けられ、この支持体32の一側面にY方向に延びるY方向ガイドレール30aが立設されている。
【0029】
そして、このY方向ガイドレール30aに沿って、他方のくし歯刃物台である第1刃物台3が移動自在に設けられている。符号31は、第1刃物台3を移動させるための駆動機構である。第1刃物台3には、工具ホルダ38によってY方向に工具Tが複数保持されている。この工具Tは、第1刃物台3とともにX方向及びY方向に移動自在である。
【0030】
主軸台2が、Z方向ガイドレール23に沿って移動自在に設けられている。
主軸台2は、被加工物Wが挿通できる貫通穴を軸線上に有する主軸21を回転自在に支持する。被加工物Wは、前記貫通穴を挿通して、主軸21の先端からZ方向に延出し、先端が被加工物保持部材であるガイドブッシュ22によって芯出し,保持される。図示するような長尺の被加工物Wに加工を施す場合、工具Tによる加工部位の近傍をガイドブッシュ22のような被加工物保持部材で保持させるようにすれば、前記加工部位における被加工物の撓みを最小限に抑制することができ、高精度加工に有利である。
【0031】
第2のサドル43がZ方向ガイドレール49に沿って移動自在に設けられている。このサドル43は、Z方向ガイドレール49に案内させながら移動する図示しない別のサドル上に設けられていて、この別のサドルに設けられたX方向ガイドレール45に沿ってX方向に移動自在である。さらに、サドル43の一側面にはY方向に延びるY方向ガイドレール40aが設けられ、このY方向ガイドレール40aに沿って一方のくし歯刃物台である第2刃物台4が移動自在に設けられている。符号41は第2刃物台4を移動させる駆動機構である。第2刃物台4には工具ホルダ48によって複数の工具Tが保持され、工具Tは、第2刃物台4とともにX,Y,Zの3方向に移動自在である。
【0032】
上記したサドル33,第1刃物台3,主軸台2,サドル43及び第2刃物台4の移動量は、X方向リニアスケール36,46、Y方向リニアスケール37,47、Z方向リニアスケール24,44によって計測され、被加工物Wの加工部位や工具Tの位置座標が演算によって求められる。
【0033】
図1に示した数値制御自動旋盤にはさらに、主軸台2に対向して第2主軸台5が設けられ、主軸台2に保持した被加工物Wの一側面の加工が終了した後に主軸台2のZ方向に移動によって被加工物を第2主軸台5の主軸51に受け渡し、Z方向に移動することのできる第2刃物台4の工具Tで被加工物Wの他側面の加工も行うことができるようになっている。
【0034】
図1に示した数値制御自動旋盤で行うことのできる複合加工の一例を図2及び図3に示す。なお、図2及び図3では、説明の便宜のために、第1刃物台3側の工具Tに添え字「1」を付して表し、第2刃物台4側の工具Tに添え字「2」を付して表すものとする。
図2に示す複合加工では、第1刃物台3の工具T1で被加工物Wの外周面に第1の加工である粗加工を行い、それと同時に粗加工の終了した部分を第2刃物台4の工具T2で第2の加工である仕上げ加工を行う。
【0035】
主軸21は、ガイドブッシュ22で先端側を支持させた状態で被加工物Wを保持して回転している。
まず、第1刃物台3及び第2刃物台4が、粗加工を行うための工具T1と仕上げ加工を行うための工具T2を所定位置に割り出す。そして、第1刃物台3及び第2刃物台4のX方向及びY方向の移動によって、工具T1,T2の刃先が被加工物Wの外周面から所定寸法切り込む位置に、工具T1,T2を位置決めする。このとき、工具T1による粗加工の直後に工具T2によって仕上げ加工を行うように、工具T2の方を工具T1よりもZ方向にずれ量δだけ被加工物Wから遠ざけた位置に位置させておく。
【0036】
主軸台2がZ方向に移動すると、ガイドブッシュ22から被加工物Wが送り出され、最初に工具T1が被加工物Wの先端Waに当接して粗加工を開始する(図2(a)の状態)。主軸台のZ方向に移動し続けることで、工具T2も被加工物Wに当接し、被加工物Wに粗加工と仕上げ加工とが同時に行われる(図2(b)で示す状態)。工具T1が被加工物Wにおける粗加工部の加工端部Wbに達すると(図2(c)の状態)、主軸台2のZ方向の移動を停止させ、第2刃物台4をZ方向に、ずれ量δに相当する分だけ移動させて、工具T2を仕上げ加工部の加工端部Wcまで移動させ、仕上げ加工を終了する(図2(c)において仮想線で示す状態)。
【0037】
次に、例えば被加工物Wに、径方向の寸法を変更する等の他の加工を行う場合には、第1刃物台3及び/又は第2刃物台4を−X方向及び+X方向に移動させて工具T1及び工具T2を被加工物Wから遠ざけ、次の工具を選択する。この際、工具T1,T2をそれぞれY方向に割り出して所定の工具を選択し、選択した新たな工具T1,T2を被加工物Wに当接するまで+X方向及び−X方向に移動して加工を行う。
図2に示す加工例では、第2刃物台4のZ方向の移動開始と同時に工具T1を加工端部Wbから直線的にX方向に退避位置(図2(c)において仮想線で示す位置)まで移動させ、その位置で工具の割り出し等次の加工を準備を行ない、再び直線的に被加工物Wまで移動させて被加工物Wの加工を開始するので、無駄な時間を削減でき、加工効率を向上させることができる。
さらに、くし歯刃物台である第1刃物台3及び第2刃物台4は、タレット形の刃物台に比して短時間で所定の工具の選択を行うことができるので、その分加工時間を短縮できるという利点もある。
【0038】
また、これまで、ガイドブッシュを備えた数値制御自動旋盤では、ガイドブッシュの性質上、被加工物の両方送りができない、つまり、送り出した被加工物Wを逆方向に引き戻すことができなかったため、被加工物Wの外周面で工具を往復させて加工することができず、加工順序が制限されて同一箇所に複数の加工を行う必要のある加工においては、複雑な手順やプログラムが必要であった。この発明の数値制御自動旋盤は、第2刃物台4がZ方向に移動することができるので、被加工物の外周面で工具を往復させて加工することができ、加工順序に拘束されることなく、加工手順の計画及びプログラミングも容易になる。
【0039】
なお、図2に示す加工では、工具T1の主分力や背分力により被加工物Wに生じる曲げモーメントと、工具T2の主分力や背分力により被加工物Wに生じる曲げモーメントが互いにうち消し合うように作用するので、これらの力の大きさの違いを考慮に入れてずれ量δを求めることにより、加工中における被加工物Wの撓みを最小限度に抑制することができ、高精度の加工を行うことができるという利点がある。このような加工方法は、撓みの生じやすい小径の被加工物Wを加工する場合に特に有利である。
【0040】
図3の加工では、第1刃物台3側のドリルT1と第2刃物台4側のエンドミルT2とで被加工物Wの外周面の穴明け加工(穴を符号WHで示す)及び溝切り加工(溝を符号WSで示す)を行う。主軸台2は、Z方向に間欠移動して所定位置に位置決め停止され、当該位置でドリルT1により被加工物Wに穴明け加工が行われる。
図3(a)に示す最初の穴明け加工において、ドリルT1が被加工物Wに穴明け加工を行っている間、第2刃物台4のZ方向の移動とともにエンドミルT2が溝切り加工を行っている。
【0041】
最初の穴明け加工が終了し、次の穴明け加工を行うべく主軸台2がZ方向に移動すると、第2刃物台4はエンドミルT2の最適な送りを確保しつつ主軸台2のZ方向の移動に同期して移動する。図示しない数値制御装置は、主軸台2と第2刃物台4のZ方向の相対移動から、エンドミルT2の被加工物Wにおける位置を常に割り出している。主軸台2の移動中にエンドミルT2が溝WSの端部(加工端部)に達すれば(図3(b)の状態)、主軸台2のZ方向の移動に同期させて第2刃物台4をZ方向に移動させ、被加工物Wに対するエンドミルT2の相対速度を0にする(図3(c)の状態)。このように、第2刃物台4のZ方向の移動速度を、主軸台2の送り速度との関係において常に一定に保つことにより、エンドミルT2の加工に最適な送り速度を常に保つことができる。
【0042】
なお、第1刃物台3側にエンドミルを取り付け、第2刃物台4側にドリルを取り付けて図3に示すような被加工物Wの加工を行うことも可能である。
この場合は、主軸台21のZ方向の移動によってエンドミルで溝を加工し、ドリルを主軸台21と同期移動させながら穴明け加工を行う。第2刃物台4を主軸台21の移動に同期させることでドリルと被加工物Wの相対速度を0にすることができるので、ドリルによって被加工物Wの穴明け加工を行うことができる。
【0043】
次に、図4〜図7にしたがって、本発明における他の複合加工の実施形態を説明する。
なお、図4及び図7は数値制御自動旋盤を簡略化的にしたものであるが、その基本的な構成は図1で示した数値制御自動旋盤と変わりがないので、対応する部位には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0044】
図4の数値制御自動旋盤では、第1刃物台3に回転工具であるドリルT4が保持され、第2刃物台4に回転工具であるホブカッターT3が保持されている。
この実施形態の複合加工においては、ホブカッターT3で被加工物W2の外周部にギヤ歯W2bを形成しながら、ドリルT4で被加工物W2の端面に穴W2aを形成して図5に示すような被加工物W2を形成する。
【0045】
まず、第2刃物台4の割り出し動作によって回転工具であるホブカッターT3を所定位置に割り出す。また、第1刃物台3の割り出し動作によって、回転工具であるドリルT4を所定位置に割り出す。
第1刃物台3及び第2刃物台4をX,Y方向に移動させてドリルT4及びホブカッターT3を被加工物W2に対して位置決めするとともに、主軸21を回転させて被加工物W2を回転させる。
【0046】
この状態で、被加工物W2の歯切り加工に適した回転速度で被加工物W2を回転させ、さらに、被加工物W2の端面の穴明け加工に適した回転速度になるように、ドリルT4を被加工物W2に対して相対的に回転させる。そして、ホブカッターT3をX方向に移動させて歯切り加工を行う。
被加工物Wを回転させながら、前記主軸の軸線から離間した位置に設けられた前記端面の加工位置に穴明け加工を行う場合には、被加工物W2の前記加工位置に対してドリルT4を常に一定位置に保つ必要がある。ドリルT4の先端を回転している被加工物W2の前記加工位置に対して常に一定に保つ手段としては、例えば、第2の刃物台4にドリルT4を保持して、主軸の回転と同期させて前記主軸の軸線の周りにドリルT4を回転させる回転装置を設けることなどが考えられる。この実施形態では、前記主軸の軸線から離れたところにある前記加工位置の軌跡を円弧補間することによって、ドリルT4の位置を被加工物W2の前記加工位置に追随させている。このような円弧補間によれば、数値制御自動旋盤の機械的な構成を複雑にすることなく、加工上の簡単なプログラムを追加するだけで回転する被加工物の端面に穴明け加工を行うことができる。
【0047】
図4の数値制御自動旋盤では、図6に示すような被加工物も複合加工によって形成することが可能である。図6に示す被加工物W3の加工手順を以下に説明する。
主軸21を割り出し回転させて、被加工物W3の所定の面を第1刃物台3側に向ける。
【0048】
また、第1刃物台3及び第2刃物台4は、割り出し動作によって回転工具である図略のエンドミル及びセンタドリルを所定位置に割り出す。
第2刃物台4はセンタドリルを割り出し、X,Y,Z方向に移動して前記センタドリルを被加工物W3の端面に対峠した所定位置に位置決めする。一方、第1刃物台3はエンドミルを割り出し、X,Y方向に移動して前記エンドミルを被加工物W3の上方に位置させる。
【0049】
次いで、エンドミルをX方向に移動させて所定深さの溝W3aを形成するとともに、第2刃物台4をZ方向に移動させて被加工物W3の端面にセンタ穴を形成する。
これら加工が終了した後、第1刃物台3及び主軸台2を移動させてエンドミル及びセンタを被加工物W3から遠ざける。
【0050】
第1刃物台3及び第2刃物台4は割り出し動作によって次の工具、例えば、溝W3aに穴W3bを形成するためのドリル及び前記センタ穴に穴W3cを形成するためのドリルを割り出す。第1刃物台3は、X,Y方向に移動して前記ドリルを溝W3aに対する所定位置に位置決めし、第2刃物台4はX,Y,Z方向に移動して前記センタ穴と同一の軸線上に前記ドリルを位置決めする。そして、第1刃物台3をX方向に移動させて穴W3bを形成すると同時に、第2刃物台4をZ方向に移動させて穴W3cを形成する。
この後、さらにねじ切りや座ぐり等を行う場合等においても、上記手順を繰り返すことによって、被加工物W3の異なる部位に、複数の加工を同時に行うことが可能である。
【0051】
本発明によれば、従来独立して行っていた複数の加工を同時に行うことができるという利点があある。
すなわち、X,Y方向に移動可能な第1刃物台及び第2刃物台とZ方向に移動可能な主軸台とを有する従来の数値制御自動旋盤によって、図6に示すような被加工物を加工するには、第1刃物台のX,Y方向の移動によって溝W3aを形成し、この加工の終了後に前記第1刃物台をX,Y方向に移動させて被加工物W3からエンドミルを遠ざけ、この後、第2刃物台のX,Y方向移動によって被加工物W3の端面に対峠して位置にドリルを位置決めし、このドリルに向けて主軸台を移動させることで穴W3cを形成していた。
【0052】
本発明では、くし歯形の第2刃物台4をZ方向にも移動可能にしているので、これら複数の加工を同時に行うことが可能になり、加工時間を大幅に短縮することができるものである。
【0053】
図7は本発明のさらに他の実施形態にかかる数値制御自動旋盤である。
この実施形態の数値制御自動施盤は、Z方向ガイドレール53に沿って移動自在な第2の主軸台5を有している。第2の主軸台5の主軸51は、主軸台2の主軸21と同一軸線上にあって、主軸21と主軸51の問で被加工物Wの授受を行い、被加工物の両面加工を行うことができるようになっている。また、この数値制御自動施盤は、第2刃物台4の工具ホルダ48に、主軸51に保持された被加工物を加工するためのエンドミルやドリルなどの工具T5,T6を保持している。
【0054】
図7に示す数値制御自動旋盤では、図6に示すような被加工物W3の加工が行えるだけでなく、図8に示すような被加工物W4の加工も可能である。
図8に示す被加工物W4は、図6の被加工物W3の溝W3a、穴3b,3cが両端に形成されている。一方側の溝W3a,穴3b,3cの加工については、先の説明と同じであるので省略する。
【0055】
他方側の溝W3a,穴3b,3cを加工するには、被加工物W4を素材から切断する前に第1の刃物台3の工具によって前記と同様の手順により溝3a及び穴3bを加工し、この後、被加工物W4を素材から切り離すとともに第2の主軸台5の主軸51に受け渡し、主軸51を向くセンタドリルやドリルなどの工具T5,T6で穴W3bの加工を行うことができる。
【0056】
また、第1の刃物台3や主軸台2及び第2の主軸台5のZ方向のストロークが十分にある場合は、主軸台2を加工領域Aから後退させた状態で第2刃物台4をZ方向に移動させ、第2の工具ホルダ48に保持された工具T5,T6を加工領域Aに位置させるとともに、第2の主軸台5をZ方向に移動させて主軸51に保持した被加工物W3を加工領域Aに位置させることにより、第1の刃物台3及び第2の刃物台4で先と同様の加工を行うことができる。
【0057】
図9は、工具Tの代わりに冷却剤を噴射する噴射ノズルNを第2刃物台4に取り付けた実施形態を示す槻略図である。
工具Tで被加工物Wの加工を行う場合には、加工ポイントPの冷却と切粉の排除を効率良く行い、これによってクーラントや冷却エアなどの冷却剤の使用量を少なくするとともに、加工精度の向上とコストの削減及び環境に与える影響の最小化を図ることが好ましい。そのためには、噴射ノズルにより、可能な限り近い位置から加工ポイントPに集中的にクーラントや冷却エアを噴射するのが好ましい。
【0058】
従来のX,Y方向に移動可能な刃物台の組み合わせによる数値制御自動旋盤では、噴射ノズルが被加工物W,工具T又は主軸21に干渉しやすく、噴射ノズルを加工ポイントPに近づけるにしても限界があり、効率的な冷却等を行うことは困難であった。
【0059】
本発明では、第2刃物台4をZ方向に移動可能としているため、図8に示すように、主軸軸線上の被加工物Wから離れた位置から加工ポイントPに向けて噴射ノズルNの噴射口Naを近づけることが可能になり、被加工物W,工具T又は主軸21と干渉することなく加工ポイントPのきわめて近接した位置からクーラント等を噴射させることができるようになる。
【0060】
本発明の好適な実施形態を説明してきたが、本発明は、第2刃物台をZ方向に移動できるようにするだけで、従来の数値制御自動旋盤では困難であったさまざまな種類の複合加工を可能にすることができるものである。
本発明は、上述した以外の複合加工にも適用が可能で、これらの複合加工に本発明を適用することにより、加工時間の大幅な短縮を図ることができる。
また、上記の説明では第2の刃物台4のみをZ方向に移動自在としているが、第1刃物台及び第2刃物台の双方をZ方向に移動できるようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、くし歯形の刃物台の少なくとも一方をX,Y,Zの3軸方向に移動可能にするだけで、それまで困難であった種々の加工の複合化を、簡単な加工手順とプログラミングによって行うことができるようになり、被加工物の加工時間を短縮して加工コストを大幅に削減することができる。
また、本発明の数値制御自動旋盤は、くし歯形の刃物台を備えていることを前提としているので、数値制御自動旋盤の小型、軽量、省スペース化を図ることができ、さらに、加工精度の向上も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の数値制御自動旋盤の構成を説明する平面図である。
【図2】図1の数値制御自動旋盤を用いた複合加工の一例を説明する図である。
【図3】図1の数値制御自動旋盤を用いた複合加工の他の例を説明する図である。
【図4】本発明における他の複合加工を実施するための数値制御旋盤の平面図である。
【図5】図4の数値制御自動旋盤によって形成することのできる被加工物の一例にかかり、(a)は被加工物の断面側面図、(b)は(a)の左側面図である。
【図6】図4の数値制御自動旋盤によって形成することのできる被加工物の他の例にかかり、(a)は被加工物の側面図、(b)は溝部分で断面した被加工物の左側面図である。
【図7】本発明のさらに他の複合加工を実施するための数値制御自動旋盤の平面図である。
【図8】図7の数値制御自動旋盤により加工される被加工物の一例を示す図である。
【図9】工具の代わりにクーラントの噴射ノズルを第2刃物台に取り付けて被加工物の加工を行う実施形態を示す槻略図である。
【図10】本発明の従来例にかかり、主軸軸線の両側に2つのくし歯刃物台を有する数値制御自動旋盤による複合加工の一例を示す図である。
【図11】本発明の従来例にかかる複合加工の他の例を示す図である。
【図12】本発明の従来例にかかる複合加工のさらに他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ベッド
2 主軸台
3 第1刃物台(第1のくし歯刃物台)
4 第2刃物台(第2のくし歯刃物台)
5 第2主軸台
21 主軸
22 ガイドブッシュ
35,45 X方向ガイドレール
30a,40a Y方向ガイドレール
23,49 Z方向ガイドレール
W 被加工物
Wb,Wc 加工端部
WS 溝
WH 穴
T 工具
N 噴射ノズル
Claims (4)
- 軸線方向のZ1移動軸を有する主軸と、前記主軸軸線を挟んで対向配置された二つの刃物台とを備えた数値制御自動旋盤において、
前記刃物台を、前記主軸軸線と直交する方向であるX方向及びY方向の移動軸を有するくし歯刃物台とし、一方のくし歯刃物台に、前記主軸軸線と同方向のZ2移動軸を設け、
両前記くし歯刃物台を、加工位置に割り出された各くし歯刃物台の工具が主軸軸線方向にずれるように配置し、
前記工具による同時加工に応じて前記主軸と前記工具とを相対的に主軸軸線方向に移動させ、一方のくし歯刃物台の工具による加工が残存する状態で他方のくし歯刃物台の工具が加工端部まで到達した場合、前記残存する加工が継続されるように、前記くし歯刃物台をZ2移動軸によって移動させる制御装置を備えること、
を特徴とする数値制御自動旋盤。 - 前記主軸に対向して第2の主軸を前記Z1方向に移動可能に配置し、前記一方のくし歯刃物台に、前記第2の主軸台の主軸に保持された被加工物を加工するための工具を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の数値制御自動旋盤。
- 両前記くし歯刃物台のずれ量が、各前記工具による前記被加工物の加工点の撓みがそれぞれ最小となるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御自動旋盤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の数値制御自動旋盤において、前記主軸に、外周部及び前記主軸の軸線と交叉する端面とを有する前記被加工物が保持され、前記Z2移動軸を持たない第1のくし歯刃物台に回転工具が装着され、前記制御装置が、前記第1のくし歯刃物台を、回転工具が前記被加工物の前記端面に位置決めされるように移動させるとともに、前記Z2移動軸を備えた第2のくし歯刃物台を、工具が前記外周部に位置決めされるように移動させ、前記主軸の回転により前記被加工物を回転させながら前記第2のくし歯刃物台の工具で前記外周部の加工を行うとともに、前記主軸の回転によって前記主軸の軸線から離間した位置にある前記加工位置が描く軌跡を円弧補間し、この円弧補間のデータに基づいて前記第1のくし歯刃物台を前記X1方向及び前記Y1方向に移動させることによって前記被加工物の加工位置に対する前記回転工具の位置を維持しながら前記主軸を前記第1のくし歯刃物台の工具に対してZ1方向に相対的に移動させて、前記端面の穴明け加工を行わせる機能を備えたことを特徴とする数値制御自動旋盤。
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