JP2005299720A - 自動車用ボールねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ねじ軸のじん性が高くて折損が生じ難く、またコスト低下が図れる自動車用ボールねじを提供する。
【解決手段】 この自動車用ボールねじ1は、自動車の変速機等のアクチュエータに使用されるボールねじであって、ねじ軸2およびナット3と、これらねじ軸2およびナット3の対向面に形成されたねじ溝4,5間に介在するボール6とでなる。ねじ軸2は、使用時にボール6が転走する軸方向範囲Lと、カップリング嵌合部2dとに限定して高周波焼入れし、その他の部分は未処理とする。ねじ軸2の高周波焼入れされた部分の残留オーステナイト量は1〜10%とし、未焼入れ部分は残留オーステナイト量を零とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車における自動マニュアルトランスミッション(AMT)のシフト用やセレクト用アクチュエータ、その他各種の自動車用アクチュエータに使用されるボールねじに関し、特にそのねじ軸の熱処理に係るものである。
従来、ボールねじのナットは、その形状の複雑さから、焼割れを防止するために、浸炭焼入れで製造されることが多い。また、ねじ軸についても、浸炭焼入れで処理されることが多い(例えば特許文献1)。
特開2000−346162号公報
しかしながら、浸炭焼入れは、表面全体に浸炭され、硬度が上昇するため、じん性の確保という点では不利になることが考えられる。
自動車用のアクチュエータに用いられる場合、特に、変速機等の部品に用いられる場合は、破損の形態として、折損するよりも曲がりが発生する方が安全上、望ましい。自動車の場合は、安全性が強く要望されるため、折損を極力回避する必要がある。そのため、表面の全体に浸炭焼入れされる浸炭焼入れはあまり好ましくない。また、浸炭焼入れでは、表面異常層の除去を行わないと、表面部が脆いため、短寿命の原因となる。この表面異常層の除去に手間がかかってコスト増となっている。
この発明の目的は、ねじ軸のじん性が高くて折損が生じ難く、またコスト低下が図れる自動車用ボールねじを提供することである。
この発明の自動車用ボールねじは、自動車用アクチュエータに使用されるボールねじであって、ボールを転走させるねじ溝が対向して形成されたねじ軸およびナットと、前記対向するねじ溝間に介在した複数のボールとを備え、前記ねじ軸は、限定された範囲のねじ溝表面が高周波焼入れされ、ねじ軸の高周波焼入れされた部分の残留オーステナイト量が1〜10%、未焼入れ部分の残留オーステナイト量が零であることを特徴とする。
自動車用ボールねじ、特に変速機等の部品に用いられるボールねじは、安全性の向上の上で、じん性が強く望まれる。そのため、ねじ軸に求められる機能としては、ボールが転動するのに必要最小限の範囲に硬度上昇した部分があり、その他の部分はじん性向上のために、未処理の方が有利である。高周波焼入れによると、選択的に限定範囲のみに焼入れを施すことができ、これにより、全面焼入れとなる浸炭焼入れされたねじ軸に比べてじん性の高いものとできる。また、必要な部分のみ熱処理を施すことで、熱処理時間の短縮となり、低コスト化が可能である。
高周波焼入れの場合、その焼入れ方法の特徴として残留オーステナイト量が少いが、これにつき、さらに焼入れ範囲を限定された範囲とすることにより、使用時の温度が高温となったり、また経年使用した場合の寸法変化についても更に安定したものとなる。ねじ軸の高周波焼入れされた部分の残留オーステナイト量が1〜10%、未焼入れ部分の残留オーステナイト量が零であれば、じん性についてより優れたものとなり、寸法安定性についても優れたものとなる。
前記高周波焼入れを行う限定範囲は、ねじ軸の軸方向、および表面からの深さ方向について所定の範囲とされる。長さ方向については、前記限定された範囲は、このボールねじの使用時にボールが転走する軸方向範囲とすることが好ましい。
ねじ軸におけるねじ溝は、使用上からはボールが転走する範囲だけに設けられていれば良いが、ナットやボールの組立の都合上、ねじ軸の端部まで、あるいはねじ軸におけるねじ溝が形成される軸径部分の全長に渡ってねじ溝が形成される。しかし、このように設けられる転走範囲外の部分は、組立時に無負荷で使用されるだけであるため、全長に渡って表面の硬度が高められている必要はない。
ねじ軸に求められる機能としては、前述のように、ボールが転動するのに必要最小限の範囲に硬度上昇した部分があり、その他の部分はじん性向上のために、未処理の方が有利である。自動車用ボールねじでは、汎用のボールねじと異なり、例えば変速機のアクチュエータなど、限定された用途のものとして設計されるため、使用時にボールが転走する軸方向範囲は、必然的に定まる。このように定まる軸方向範囲に高周波焼入れを施し、残りの軸方向範囲は未処理とする。なお、高周波焼入れを施す軸方向範囲は、厳密にボールが転走する範囲だけとする必要はなく、各種の誤差や生産上の都合等を考慮し、少なくともボール転走範囲は高周波焼入れされていて、それよりも若干長い範囲まで、高周波焼入れされていても良い。
前記ねじ軸は、ねじ溝が形成された軸径部分の両端部に焼逃げ部分を設け、この焼逃げ部分の長さを、少なくとも前記軸径部分の軸径の半分以上とすることが好ましい。
高周波焼入れを施す範囲は、上記のようにボールが転走する軸方向範囲だけで良いが、それ以上の範囲に設定されていても良い。しかし、その場合でも、上記の焼逃げ部分を設けることが好ましい。
ねじ軸の両端部に焼逃げ部分を設けると、高周波焼入れ時のオーバーヒートを防止することができる。この焼逃げ部分が、ねじ部の径の半分未満であると、オーバーヒートの防止効果を十分に得ることが難しいが、半分以上であると、オーバーヒートを十分に防止することができる。
この発明の自動車用ボールねじにおいて、前記ねじ軸が端部にカップリング嵌合部を有する場合、このカップリング嵌合部にも高周波焼入れを施すことが好ましい。
カップリング嵌合部は、モータの反転動作のトルクが作用し、繰り返し荷重を受けるため、耐摩耗性に優れた物であることが好ましい。このため、カップリング嵌合部は高周波焼入れされていて、表面硬さが硬くされていることが好ましい。
ねじ軸の材質は、中炭素鋼以上の炭素量を含有した鋼材であることが好ましい。このように炭素量の多いものが、高周波焼入れを行って表面硬さを高める上で好ましい。ねじ軸の材質は、このような材質の中でも、高周波焼入れに適した材質がより好ましい。特には、S45C,S48C,S53C,S55C,SCM440C,SAE4150,SUJ2等が適切である。
高周波焼入れされたねじ部転走面の表面粗さはRa0.1以下であることが好ましい。表面粗さがRa0.1以下と小さいと、ボールの転走に対する寿命の面で好ましい。
転造加工されたねじ軸は、低コスト化のためにはその焼入れ時に発生するスケールを除去する程度で使用できる必要がある。浸炭焼入れの場合は、表面異常層(粒界酸化膜)の除去を行わないと、表面部が脆いため、短寿命の原因となる。しかし、高周波焼入れされた転走面は、浸炭焼入れと異なり、表面異常層が発生しないため、表層の品質が高い。そのため、ナイロンブラシ等の比較的柔らかい仕上げ部材での表面仕上げが可能である。その結果、高周波焼入れ後、スケール除去したのみの転走面は、転造時の優れた表面粗さが殆ど残っており、Ra0.1以下の表面が容易に得られる。
この発明の自動車用ボールねじは、自動車用アクチュエータに使用されるボールねじであって、ボールを転走させるねじ溝が対向して形成されたねじ軸およびナットと、前記対向するねじ溝間に介在した複数のボールとを備え、前記ねじ軸は限定された範囲のねじ溝表面が高周波焼入れされ、前記ねじ軸の高周波焼入れされた部分の残留オーステナイト量が1〜10%、未焼入れ部分の残留オーステナイト量が零であるため、ねじ軸のじん性が高くて折損が生じ難く、また熱処理が簡単でコスト低下が図れるという効果がある。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図5と共に説明する。この自動車用ボールねじ1は、自動車のアクチュエータに使用されるボールねじであって、ねじ軸2およびナット3と、これらねじ軸2およびナット3の対向面に形成されたねじ溝4,5間に介在するボール6とでなる。ねじ軸4,5は、ボール6を転走させる螺旋状の溝である。この実施形態の自動車用ボールねじ1を使用する自動車用アクチュエータは、自動車の変速機、例えば自動マニュアルトランスミッション(AMT)等を構成するものであるが、この他に、パワーステアリング装置や、後輪操舵装置等を構成するものであっても良い。
図2,図3に示すように、ナット3は、ボール6を循環させる循環部品7が設けられている。循環部品7は駒式のものであり、ナット3に設けられた嵌合用開口8に嵌合して加締部11(図2)で固定されている。循環部品7は、内面にナット3の螺旋状のねじ溝5の隣合う各周の部分同士を連結する連結溝9を設けたものであり、この連結溝9により、ねじ軸2とナット3のねじ溝4,5間で形成される螺旋状のボール転走路が周回経路となる。
ナット3に設ける循環部品7は、リターンチューブやエンドキャップ式、ガイドプレート式等のものであっても良いが、コンパクト化等の面から、駒式のものが好ましい。
ナット3は、他の部品との連結部として、トラニオン軸14が設けられている。ナット3は、連結部として、トラニオン軸14の代わりに、図6のように溝16を形成したものであっても良く、またこれらの連結部を有しないものであっても良い。
ねじ軸2は、図1および図4に示すように、軸方向の中間がねじ溝4の形成されたねじ溝形成部2aとされていて、両端部分は、ねじ溝形成部2aよりも小径の軸部2b,2cとされている。一端の軸部2bは、その全体または先端側の一部が、カップリング嵌合部2dとされている。カップリング嵌合部2dは、カップリングに回転伝達可能に嵌合可能なように、非円形の断面形状とされている。他端小径軸部2cは、軸受を嵌合させる部分となる。
ねじ軸2のねじ溝形成部2aにおける両端付近には、ナット3の脱落防止用のリング部材10が取付けられている。リング部材10は、例えば合成樹脂性のものである。
ねじ軸2のねじ溝4の断面形状は、図5のように、溝底に対する両側の溝側面4a,4aが、互いに半径が同じで曲率中心の異なる円弧状となったゴシックアーチ形状とされている。ねじ軸2のねじ溝4に対するボール6の接触角αは、ボール6のねじ溝肩乗り上げを防止するために、30〜38度の範囲が好ましい。
ねじ軸2の材質は、中炭素鋼以上の炭素量を含有した鋼材とされ、その中でも高周波焼入れに適した材質のものであることがより好ましい。
図1に示すように、ねじ軸2は、限定された範囲のねじ溝表面が高周波焼入れされる。同図に交差斜線を施した範囲が、高周波焼入れ部分である。この限定範囲は、ねじ軸2の軸方向および深さ方向について、それぞれ限定された所定の範囲とされる。深さ方向については、有効硬化深さhが限定範囲として管理される。有効硬化深さhは、ねじ軸2のねじ溝形形成部2aの軸表面からの深さであり、ねじ溝4よりも深い値とされる。例えば、ねじ溝4の深さが1mmであると、有効硬化深さhは1.7mm程度とされる。
ねじ軸2の高周波焼入する軸方向の限定範囲は、この自動車用ボールねじ1の使用時にボール6が転走する軸方向範囲Lとされる。なお、軸方向の限定範囲は、有効硬化深さhが確保される軸方向範囲のことであり、この範囲の両側に、硬化深さが次第に浅くなる部分が生じる。この自動車用ボールねじ1は、変速機用等に用途の特定されたものであるため、使用時にボール6が転走する軸方向範囲Lは定まっており、この軸方向範囲Lの両側に延びるねじ溝部分は、ねじ溝4の転造等による加工や、ナット3の組立等の都合で形成される部分である。
ねじ軸2の高周波焼入れされた部分の残留オーステナイト量は1〜10%、未焼入れ部分の残留オーステナイト量が零とされる。
ねじ軸2の 高周波焼入れを施す範囲は、上記のようにボール6が転走する軸方向範囲Lだけで良いが、それ以上の範囲に設定されていても良い。しかし、いずれの場合であっても、ねじ溝4が形成された軸径部分2aの両端部に焼逃げ部分18を設けることが好ましい。この焼逃げ部分18の長さAは、少なくともねじ溝形成部分2aとなる軸径部分の軸径dの半分以上、つまり1/d以上とすることが好ましい。また、高周波焼入れされたねじ溝4の表面粗さは、Ra0.1以下とすることが好ましい。
なお、ナット3のねじ溝5の内面の表面粗さは、ねじ軸2のねじ溝4の表面粗さと同等にすることが好ましい。
ねじ軸2におけるカップリング嵌合部2dについても、高周波焼入れを施すことが好ましい。
高周波焼入れの処理には、円筒状のコイル(図示せず)を用い、焼入れしようとする区間だけ、コイル電流を流しながら、ねじ軸2に対して移動させ、焼入れを行う。例えば、カップリング嵌合部2d等のように、短い区間の場合は、ワンショットでコイルを移動させずに処理を行う。
図6は、ねじ軸2の製造過程を示す。ねじ軸2は、丸棒状の素材を定寸切断し(S1,,S2)、両側の支持部となる小径軸部2b,2cの加工を行う。この後、ねじ溝形成部2aとなる部分の外径面のセンタレス加工を行い(S3)、ねじ溝成形部2aのねじ溝4の転造加工を行う(S5)。この転造の後、必要部分の高周波焼入れを行い(S6)、曲がり直し(S7)、およびスケール除去(S8)を行う。この後、軸端の小径軸部2b,2cの円筒研削を行い(S9)、洗浄(S10)して、ねじ軸2が完成する。
この構成の自動車用ボールねじ1によると、ねじ軸2は、必要最小限となるボール6が転走する軸方向範囲Lおよびカップリング嵌合部2dのみに高周波焼入れを施し、その他の部分は熱処理を未処理としたため、じん性に優れたものとなる。そのため、ねじ軸1が折損し難く、万一破損しても、その破損の形態が折損ではなく曲がりとなり、事故に繋がるような損傷とならず、安全性が高いものとなる。また、必要な部分のみに熱処理を施すことで、熱処理時間の短縮となり、低コスト化が可能である。
焼入れ方法として高周波焼入れを採用するため、浸炭焼入れ等と異なり、選択的に限定範囲のみに焼入れを施すことが容易である。また、残留オーステナイト量を、ねじ軸2の高周波焼入れされた部分では1〜10%、未焼入れ部分では零とするため、じん性についてより優れたものとなる。高周波焼入れの場合、その焼入れ方法の特徴として残留オーステナイト量が少いが、その残留オーステナイト量を上記範囲に限定することにより、一層のじん性の向上が図れ、また使用時の温度が高温となったり、また経年使用した場合の寸法変化についても更に安定したものとなる。
ねじ軸2の両端部には焼逃げ部分18を設けているため、高周波焼入れ時のオーバーヒートを防止することができる。この焼逃げ部分18が、ねじ溝形成部2aの径dの半分未満であると、オーバーヒートの防止効果を十分に得ることが難しいが、半分以上としたたは、オーバーヒートを十分に防止することができる。
また、ねじ軸2は、カップリング嵌合部2dにも高周波焼入れを施しているため、カップリング嵌合部2dの耐摩耗性が優れたものとなる。カップリング嵌合部2dは、モータの反転動作のトルクが作用し、繰り返し荷重を受けるため、耐摩耗性が要求される。この要求に対して、高周波焼入れを施すことで、表面硬さが硬くし、耐摩耗性を確保することができる。
ねじ軸2の高周波焼入れされた部分のねじ溝表面の表面粗さはRa0.1以下と小さくしてあるため、ボール6の転走に対する寿命に優れたものとなる。
転造加工されたねじ軸2は、低コスト化のためにはその焼入れ時に発生するスケールを除去する程度で使用できる必要がある。浸炭焼入れの場合は、表面異常層(粒界酸化膜)の除去を行わないと、表面部が脆いため、短寿命の原因となる。しかし、高周波焼入れされたねじ溝内面である転走面は、浸炭焼入れと異なり、表面異常層が発生しないため、表層の品質が高い。そのため、上記スケール除去の処理(S8)として、ナイロンブラシ等の比較的柔らかい仕上げ部材での表面仕上げが可能である。その結果、高周波焼入れ後、スケール除去したのみの転走面は転造時の表面粗さが殆ど残っており、Ra0.1以下の表面が容易に得られる。
図8〜図10は、これらの実施形態に係るボールねじ1,1Aを使用した自動マニュアルトランスミッション(AMT)におけるシフト機構の一例を示す。このシフト機構30は、ハウジング31内に複数本平行に設置された進退自在な任意のシフトレール32を、その長手方向(Y方向)に移動させることで、シフト動作、つまり変速ギヤ(図示せず)の切換を行うものである。各シフトレール32は、切欠32aを有していて、図9のシフトフィンガ33が係合可能である。このシフトフィンガ33の係脱により、進退動作させるシフトレール32が選択される。
シフトフィンガ33を上記選択のために進退させるを動作に、第1のモータ34および第1のボールねじ36が用いられる。また、シフトフィンガ33を揺動させてシフトレール32を進退させる動作に、図10の第2のモータ35および第2のボールねじ37が用いられる。図9の第1のボールねじ36には、図6,図7に示した実施形態のボールねじ1Aが用いられる。図10の第2のボールねじ37には図1ないし図5に示した実施形態のボールねじ1が用いられる。
図9において、ハウジング31に第1のシャフト部材38が進退自在に設置され、その外周にスリーブ39が進退のみ自在に嵌合している。スリーブ39は、第1のシャフト38と一体に回動が可能である。このスリーブ39に、上記シフトフィンガ34が設けられている。第1のシャフト部材38と平行に、第1のボールねじ36のねじ軸2が配置されてハウジング31に回転自在に支持され,ねじ軸2の一端は第1のモータ34の出力軸にカップリング40を介して回転伝達可能に連結されている。ボールねじ36のナット3は、溝16(図6,図7)を有していて、この溝16に、スリーブ39に設けられた係合片41がナット進退方向に係合する。この係合のため、モータ34でボールねじ36のねじ軸2を回転させることにより、そのナット3が進退し、ナット3と共に、スリーブ39およびシフトフィンガ33を進退させることができる。この進退により、任意のシフトレール32の切欠32aにシフトフィンガ33を係合させることができる。
図10において、第2のボールねじ37のねじ軸2は、ハウジング31に回転自在に設置されていて、モータ35の出力軸にカップリング42を介して回転伝達可能に連結されている。ボールねじ37のナット3に設けられたトラニオン軸部16は、レバー44に設けられた係合切欠44aに係合している。レバー44は、ハウジング31に支持部45によって回動自在に支持された回動シャフト46と一体に固定されており、回動シャフト46の軸心回りに正逆揺動自在である。第2のモータ35により第2のボールねじ37のねじ軸2を回転させると、ナット3が進退し、このナット3の進退により、レバー44と共に回動シャフト46が回動させられる。回動シャフト46は、図9の第1のシャフト38と平行に設けられていて、レバー等の駆動伝達手段(図示せず)を介し、その回動を第1のシャフト38に伝達可能である。このため、第2のモータ35で第2のボールねじ37のねじ軸2を回転させ、これによりそのナット3を進退させることにより、レバー44、回動シャフト46、および第1のシャフト38を介してスリーブ39が回動させられる。このスリーブ39の回動により、そのシフトフィンガ34が係合したシフトレール32を進退させ、変速ギヤ(図示せず)の切換動作が行える。
この自動マニュアルトランスミッションは、このように2つのボールねじ36,37を備えていて、これらのボールねじ36,37に、前記各実施形態の自動車用ボールねじ1A,1がそれぞれが用いられる。
この発明の第1の実施形態に係る自動車用ボールねじのねじ軸を示す半裁断面図である。 同自動車用ボールねじの全体の正面図である。 同自動車用ボールねじの一部省略断面図である。 そのねじ軸の正面図である。 同ねじ軸のねじ溝の接触角の説明図である。 ねじ軸の製造工程の工程説明図である。 この発明の他の実施形態にかかる自動車用ボールねじの正面図である。 同ボールねじを用いた手動マニュアルトランスミッションの切換機構の平面図である。 図8のA−A線拡大断面図である。 図8のB−B線拡大断面図である。
符号の説明
1…自動車用ボールねじ
2…ねじ軸
2a…ねじ溝形成部分
2b,2c…小径軸部
2d…カップリング嵌合部
3…ナット
7…循環部品

Claims (6)

  1. 自動車用アクチュエータに使用される自動車用ボールねじであって、ボールを転走させるねじ溝が対向して形成されたねじ軸およびナットと、前記対向するねじ溝間に介在した複数のボールとを備え、前記ねじ軸は限定された範囲のねじ溝表面が高周波焼入れされ、前記ねじ軸の高周波焼入れされた部分の残留オーステナイト量が1〜10%、未焼入れ部分の残留オーステナイト量が零であることを特徴とする自動車用ボールねじ。
  2. 請求項1において、高周波焼入れを行う前記限定された範囲が、このボールねじの使用時にボールが転走する軸方向範囲である自動車用ボールねじ。
  3. 請求項1または請求項2において、ねじ軸のねじ溝が形成された軸径部分の両端部に焼逃げ部分を設け、この焼逃げ部分の長さを、少なくとも前記軸径部分の軸径の半分以上とした自動車用ボールねじ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ねじ軸が端部にカップリング嵌合部を有し、このカップリング嵌合部に高周波焼入れを施した自動車用ボールねじ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記ねじ軸の材質は、中炭素鋼以上の炭素量を含有した鋼材である自動車用ボールねじ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、高周波焼入れされたねじ溝表面の表面粗さがRa0.1以下である自動車用ボールねじ。
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