JP2017032124A - ボールねじ - Google Patents

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Keisuke Kazuno
恵介 数野
慎介 平野
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Abstract

【課題】位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図ったボールねじを提供する。【解決手段】外周に螺旋状のねじ溝2aが形成されたねじ軸2と、このねじ軸2に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝3aが形成された円筒状のナット3と、このナット3の両端面に装着され、内周にナット3のねじ溝3aに連続する螺旋状のねじ溝5aが形成されたエンドキャップ5と、を備え、ねじ溝の断面形状が台形形状に形成されると共に、対向するねじ軸2とナット3のねじ溝2a、3aのねじ面7、6間に複数のボール4が転動可能に介装され、ねじ軸2とナット3の径方向すきまSr1、Sr2がボール4の外径Dよりも小さく設定されると共に、ねじ軸2のねじ面7とナット3のねじ面6の軸方向すきまSa1がボール4の外径Dよりも大きく設定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、放電加工機やタッピングセンター等の各種工作機械、あるいは自動車の電動パワーステアリングやアクチュエータ等に使用されるボールねじに関し、特に、ボールの循環機能を省略した有限ストロークタイプのボールねじに関する。
例えば、各種駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、電動モータの回転運動を軸方向の直線運動に変換する機構として、台形ねじあるいはラックアンドピニオン等の歯車機構が一般的に使用されている。これらの変換機構は、滑り接触部を伴うため動力損失が大きく、電動モータの大型化や消費電力の増大を余儀なくされている。そのため、より効率的なアクチュエータとしてボールねじ機構が採用されるようになってきた。
ボールねじは、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成された転動路に収容された複数のボールと、転動路を周回経路とする循環機構とを備え、例えば、ナットを回転運動させることでねじ軸を直線運動させる運動変換機構として使用されている。
一般的にボールねじにはボールの循環機構が異なる種々の形式のものがあり、その一つに駒式と呼ばれるものがある。この駒式ボールねじは、ねじ溝の連結路を有し、転動路を周回経路とする循環用の駒部材がナットに装着されているもので、構成が比較的簡素で、かつコンパクトに構成できる利点がある。駒部材内のボールの循環溝はナットのねじ溝よりも若干低めに設定されているが、ボールが循環する経路は、ボールが荷重を受けながらねじ溝内を転動する負荷圏と駒部材内の無負荷圏および両者を繋ぐボール掬い上げ部で構成されているため、通常の転がり軸受と比較した場合、負荷の変動が大きく、ボール同士に競り合いや衝突等により、前述した特性は不利になる。また、ナットと駒部材が別体であるため、駒部材の固定方法が悪いと、ナットのねじ溝と駒部材の循環溝の横方向のズレが発生してさらに特性が悪化する恐れがある。
一方、前述した台形ねじ等の滑りねじでは、ボールを使用していないため、前述したボール循環による悪影響はないが、滑りを発生させるという機能上、一般的なボールねじと比較して、ねじ軸とナット間に大きなすきまが必要となり、ボールねじより高精度な位置決めは難しい。
駒部材等の循環部材を廃止し、低コスト化を図ったものとして、図3に示すようなボールねじ用ナットの製造方法が知られている。このナット51は、段付き円筒部を有する円筒状に形成され、内周に螺旋状のボール循環溝51aが形成されると共に、ボール戻し溝(図示せず)が一体に形成されている。
ナット51の素材である中空円筒部材Nの内周に、図4(a)に示すような金型Mを用いて鍛造加工によってボール戻し溝51bが形成される。この金型Mは、中空円筒部材Nの内径より小径の外径を有する円筒状であって、その外表面に(b)、(c)に示すようなS字状の凸部Maを2つ形成され、これらの凸部Maは、ボール戻し溝51bの形状に対応している。
(a)に示すように、金型Mを中空円筒部材Nの内部に挿入して、その内周の上部に凸部Maを当接させ、さらに金型Mの両端を支持した状態で、中空円筒部材Nを金型Mに向かってプレス力Pを負荷し、鍛造加工によってボール戻し溝51bが形成される。
ここで、外周の段付き円筒部と軸方向において略同位置に、ボール戻し溝51bを配置しないようにしたので、ボール戻し溝51b成形時の無理な材料流動を生じさせず、パンチの寿命が増大する。さらに無理な材料流動が生じないことで他の部分に形成したボール戻し溝51bの深さおよび位置精度に悪影響を与えることがなく、また、外周の段付き円筒部を変形させることもない。
次に、ボール戻し溝51bを形成した中空円筒部材Nの内周に、切削工具を用いて切削加工によりボール循環溝51aが形成される。次に、ボール戻し溝51bおよび循環溝51aを形成した中空円筒部材Nの内周に、高周波焼入処理によって所定の硬化処理が行われる。
特に、従来のボールねじ機構で用いられているチューブやコマ等の循環部材は、一般的に熱処理が行われていないから、長期間にわたりボールねじを作動すると摩耗し、循環不良の原因となるが、ボール循環溝51aのみならずボール戻し溝51bにも焼入れを同時に行うことができるので、耐摩耗性を確保すると同時に粒界酸化を抑制できるので、長寿命が期待できる。
さらに、外周の段付き円筒部に歯車、セレーションまたはローレット等の動力伝達形状を塑性加工にて形成するが、その際にボール戻し溝51bの変形を考慮する必要が無く、加工の自由度が増加する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−62570号公報
然しながら、この従来のボールねじでは、ナット51に駒部材を装着するための駒窓を形成する必要がなく、直接鍛造加工によりボール戻し溝51bを形成することができる特徴を備えているが、内径が小さいナット51の場合、金型Mでボール戻し溝51bを鍛造加工するには強度に限界があると共に、金型Mの交換頻度が増加して塑性加工そのものが成立しない恐れがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ボールねじと滑りねじとの中間の特性を備えたボールねじに着目し、位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図ったボールねじを提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットの両端面に装着され、内周に前記ナットのねじ溝に連続する螺旋状のねじ溝が形成されたエンドキャップと、を備え、前記ねじ溝の断面形状が台形形状に形成されると共に、対向する前記ねじ軸とナットのねじ溝のねじ面間に複数のボールが転動可能に介装されている。
このように、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットの両端面に装着され、内周にナットのねじ溝に連続する螺旋状のねじ溝が形成されたエンドキャップと、を備え、ねじ溝の断面形状が台形形状に形成されると共に、対向するねじ軸とナットのねじ溝のねじ面間に複数のボールが転動可能に介装されているので、位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図ったボールねじを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ねじ軸とナットの径方向すきまが前記ボールの外径よりも小さく設定されると共に、前記ねじ軸のねじ面と前記ナットのねじ面の軸方向すきまが前記ボールの外径よりも大きく設定されていれば、ボールはねじ軸とナットとの間の環状空間には行かず、ねじ軸のねじ面とナットのねじ面との間に形成される螺旋状空間に転動可能に収容することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ボールの外径が前記ねじ軸の外径の1%以下に設定されていれば、組立時にボールの脱落を防止することができると共に、ボールねじの小型化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ナットのねじ面と前記ねじ軸のねじ面との間のボール生存空間の100%に対して前記ボールが間引いて収容されていれば、ボール同士の競り合いや衝突等により、ボールのスムーズな転動が阻害されるのを防止することができ、低コストで一般的なボールねじに近い作動効率を実現することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記ねじ軸とエンドキャップのすきまが前記ねじ軸とナットのすきまよりも小さく設定されていれば、無負荷の状態では、エンドキャップの近傍に移動してきたボールの動きが規制され、他のボールと接触してボール生存空間に押し出されると共に、負荷を受けた状態では、ナットの端面まで移動したボールは、これを越えて転動することができなくなってロックし、ボールが脱落するのを防止することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記ねじ軸のねじ溝径と前記ナットのねじ山径の径方向すきまが、前記ねじ軸のねじ山径と前記ナットのねじ溝径の径方向すきまよりも大きく設定されていれば、ボールはねじ軸のねじ溝とナットのねじ山との間の環状空間には行かず、潤滑グリースが両ねじ面間に流動し易くなり、耐摩耗性を向上させると共に、滑り接触部を伴う台形ねじの課題を解消して作動効率を高めることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記ねじ軸のねじ面と前記ナットのねじ面間に潤滑グリースが充填されていれば、耐摩耗性を向上させると共に、組立時にねじ軸のねじ溝の表面に塗布された潤滑グリースにボールを貼り付けることができ、ボールがナットから脱落せずに保持された状態でボールねじを容易に組み立てることができる。
本発明に係るボールねじは、外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットの両端面に装着され、内周に前記ナットのねじ溝に連続する螺旋状のねじ溝が形成されたエンドキャップと、を備え、前記ねじ溝の断面形状が台形形状に形成されると共に、対向する前記ねじ軸とナットのねじ溝のねじ面間に複数のボールが転動可能に介装されているので、位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図ったボールねじを提供することができる。
本発明に係るボールねじの一実施形態を示す一部を断面した斜視図である。 (a)は、図1のボールねじを示す縦断面図、(b)は、(a)のIIb部を示す要部拡大図、(c)は、(a)のIIc部を示す要部拡大図である。 従来のボールねじ用ナットの縦断面である。 (a)は、中空円筒部材と金型の断面図、(b)は、(a)の構成を矢印IVb方向に見た図、(c)は、(b)の金型を矢印IVc方向に見た図である。
外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、このナットの両端面に装着され、内周に前記ナットのねじ溝に連続する螺旋状のねじ溝が形成されたエンドキャップと、を備え、前記ねじ溝の断面形状が台形形状に形成されると共に、対向する前記ねじ軸とナットのねじ溝のねじ面間に複数のボールが転動可能に介装され、前記ねじ軸とナットの径方向すきまが前記ボールの外径よりも小さく設定されると共に、前記ねじ軸のねじ面と前記ナットのねじ面の軸方向すきまが前記ボールの外径よりも大きく設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るボールねじを示す一部を断面した斜視図、図2(a)は、図1のボールねじを示す縦断面図、(b)は、(a)のIIb部を示す要部拡大図、(c)は、(a)のIIc部を示す要部拡大図である。
図1に示すボールねじ1は、例えば、自動車の電動パワーステアリングの駆動部等の用途に使用され、外周に螺旋状のねじ溝2aが形成されたねじ軸2と、このねじ軸2に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝3aが形成されたナット3と、対向する両ねじ溝2a、3aのねじ面(歯面)間に介装された複数のボール4と、ナット3の両端面に装着されたエンドキャップ5と、を備えている。各ねじ溝2a、3aの断面形状は、ねじ山の先端角度が29°または30°の台形形状に形成された、所謂台形ねじを構成している。
ねじ軸2はS55C等の中炭素鋼やSCM415等の肌焼き鋼からなり、転造加工によってねじ溝2aが形成されている。一方、ナット3はSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、旋削等の切削加工によってねじ溝3aが形成されている。これらナット3のねじ溝3aとねじ軸2のねじ溝2aとは、互いに同じリード角に設定されると共に、リードとピッチが等しい1条ねじで構成されている。なお、これに限らず、2条ねじあるいは3条ねじ等、多条ねじで構成されていても良い。
また、本実施形態では、ねじ軸2は転造加工の後、旋削等の切削加工によって複数のねじ溝2aの成形加工を完了させ、その後、熱処理によってその表面に55〜62HRCの範囲の硬化層が形成されている。熱処理は、浸炭焼入れでも高周波誘導加熱による焼入れでも良いが、表層に粒界酸化層が抑制でき、また、局部加熱ができて硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波焼入れが好適である。
さらに、熱処理によりねじ溝2a等に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去し、耐久性を向上させるためにショットピーニングによる仕上げ加工(図示せず)が行われている。このショットピーニングは、スチールビーズの粒径を20〜100μm、噴射時間は約90秒、噴射圧は1〜3kg/cm、噴射ノズルとワークの表面までの距離は略140mmとした。
一方、ナット3は、真空浸炭焼入れによってその表面に55〜62HRCの範囲に硬化処理が施されている。これにより、熱処理後のスケール除去のためのバフ加工等を省略することができ、低コスト化を図ることができる。
ここで、図2(a)に示すように、エンドキャップ5は円板状に形成され、内周にナット3のねじ溝3aと連続して螺旋状のねじ溝5aと、ナット3の端面に形成されたインロウ部3bに所定のシメシロをもって圧入される小径部5bを備えている。このエンドキャップ5はPA(ポリアミド)66等の熱可塑性合成樹脂から射出成形によって形成され、さらにGF(ガラスファイバー)等の強化材が30〜50wt%添加されている。これにより、耐摩耗性に優れ、強度・剛性が高くなり長期間に亘って耐久性を向上させることができる。
なお、エンドキャップ5は、この材質以外に、PA6・12、PPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の射出成形可能な合成樹脂やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の特殊エーテル系合成樹脂材、あるいは、エンドキャップ5をNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムを例示することができる。また、繊維状強化材としては、GFに限らず、CF(炭素繊維)やアラミド繊維、ホウ素繊維等を例示することができる。
エンドキャップ5の小径部5bをナット3のインロウ部3bに圧入することにより、ナット3とエンドキャップ5との同軸度を確保した状態で、エンドキャップ5がナット3の両端部に固定されている。なお、エンドキャップ5を金属製とした場合は、図示しない固定ボルト等により強固に固定することもできる。
(b)に示すように、ねじ軸2のねじ山径とナット3のねじ底径との径方向すきまSr1は、ボール4の外径Dよりも小さく(Sr1<D)設定されると共に、ナット3のねじ面6と、このねじ面6に対向するねじ軸2のねじ面7との軸方向すきまSa1はボール4の外径Dよりも僅かに大きく(Sa1>D)設定されている。ここでは、ボール4の外径Dがねじ軸2の外径の1%以下の小径ボールが使用されている。これにより、組立時にボール4の脱落を防止することができると共に、ボールねじ1の小型化を図ることができる。
なお、ここでいう径方向すきまSr1とは、ねじ軸2のねじ山径からナット3のねじ底径との差をさらに2分の1したもの(半径)のことをいう。また、同様に軸方向すきまSa1とは、ナット3のねじ面6の対向するナット3のねじ面10、ねじ軸2のねじ面7の背面に位置するねじ軸2のねじ面11のナット3のねじ面6(A点)から10(A’点)間の軸方向幅(A−A’)とねじ軸2のねじ面7(B点)から11(B’点)間の軸方向幅(B−B’)との差、すなわち、同一円周上に存在するA−A’とB−B’の差のことをいう。
これにより、ボール4はねじ軸2の外径とナット3のねじ底との間の環状空間には行かず、ナット3のねじ面6とねじ軸2のねじ面7との間に形成される螺旋状空間に転動可能に収容することができる。なお、ねじ軸2のねじ溝2aの外径とナット3のねじ山径との径方向すきまSr2は、前述したSr1以上(Sr2≧Sr1)、かつ、ボール4の外径Dよりも小さく(Sr2<D)に設定されている。これにより、ボール4はねじ軸2のねじ溝2aとナット3のねじ山との間の環状空間には行かず、後述する潤滑グリースが両ねじ面6、7間に流動し易くなり、耐摩耗性を向上させると共に、滑り接触部を伴う台形ねじの課題を解消して作動効率を高めることができる。
また、(c)に示すように、ねじ軸2のねじ山径とエンドキャップ5のねじ底径との径方向すきまSr3は、前述したSr1よりも小さく(Sr3<Sr1)設定されると共に、エンドキャップ5のねじ面8と、このねじ面8に対向するねじ軸2のねじ面7との軸方向すきまSa2は、前述したSa1よりも小さく(Sa2<Sa1)設定されている。
これにより、無負荷の状態では、エンドキャップ5の近傍に移動してきたボール4の動きが規制され、他のボール4と接触して生存空間9、すなわち、ナット3のねじ面6とねじ軸2のねじ面7との間の螺旋状空間に押し出される。一方、負荷を受けた状態では、ナット3の端面まで移動したボール4は、これを越えて転動することができなくなってロックし、ボール4が脱落するのを防止することができる。なお、ねじ軸2のねじ溝2aの外径とエンドキャップ5のねじ山径との径方向すきまSr4は、Sr3以上(Sr4≧Sr3)、かつ、ボール4の外径Dよりも小さく(Sr4<D)に設定されている。これにより、ボール4はねじ軸2のねじ溝2aとエンドキャップ5のねじ山との間の環状空間には行かず、加工バラツキによる両者の干渉を防止することができる。
本実施形態では、ボール生存空間9の100%にボール4が収容されるのではなく、ボール4を間引いて、ボール生存空間の50%にボール4が収容されている。これにより、ボール4同士の競り合いや衝突等により、ボール4のスムーズな転動が阻害されるのを防止することができ、低コストで一般的なボールねじに近い作動効率を実現することができる。
次に、本発明に係るボールねじ1の組立方法について説明する。ナット3にねじ軸2を螺合(挿入)させるまでに、予めねじ軸2のねじ溝2aの表面に潤滑グリースが塗布される。そして、塗布された潤滑グリースにボール4を貼り付け、ナット3に押し当てるようにしながら螺合される。これにより、ボール4がナット3から脱落せずに保持された状態で容易に組み立てることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るボールねじは、自動車の電動アクチュエータ等に使用されるボールねじに適用することができる。
1 ボールねじ
2 ねじ軸
2a、3a、5a ねじ溝
3 ナット
3b インロウ部
4 ボール
5 エンドキャップ
5b 小径部
6、10 ナットのねじ面
7、11 ねじ軸のねじ面
8 エンドキャップのねじ面
9 生存空間
50 保持器付きボールねじ
51 ナット
51a ボール循環溝
51b ボール戻し溝
D ボールの外径
M 金型
Ma 凸部
N 中空円筒部材
P プレス力
Sa1 ナットのねじ面とねじ軸のねじ面の軸方向すきま
Sa2 エンドキャップのねじ面とねじ軸のねじ面の軸方向すきま
Sr1 ねじ軸のねじ山径とナットのねじ底径の径方向すきま
Sr2 ねじ軸のねじ溝の外径とナットのねじ山径の径方向すきま
Sr3 ねじ軸のねじ山径とエンドキャップのねじ底径の径方向すきま
Sr4 ねじ軸のねじ溝の外径とエンドキャップのねじ山径の径方向すきま

Claims (7)

  1. 外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    このねじ軸に外嵌され、内周に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、
    このナットの両端面に装着され、内周に前記ナットのねじ溝に連続する螺旋状のねじ溝が形成されたエンドキャップと、を備え、
    前記ねじ溝の断面形状が台形形状に形成されると共に、
    対向する前記ねじ軸とナットのねじ溝のねじ面間に複数のボールが転動可能に介装されていることを特徴とするボールねじ。
  2. 前記ねじ軸とナットの径方向すきまが前記ボールの外径よりも小さく設定されると共に、前記ねじ軸のねじ面と前記ナットのねじ面の軸方向すきまが前記ボールの外径よりも大きく設定されている請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記ボールの外径が前記ねじ軸の外径の1%以下に設定されている請求項1または2に記載のボールねじ。
  4. 前記ナットのねじ面と前記ねじ軸のねじ面との間のボール生存空間の100%に対して前記ボールが間引いて収容されている請求項1に記載のボールねじ。
  5. 前記ねじ軸とエンドキャップのすきまが前記ねじ軸とナットのすきまよりも小さく設定されている請求項1に記載のボールねじ。
  6. 前記ねじ軸のねじ溝径と前記ナットのねじ山径の径方向すきまが、前記ねじ軸のねじ山径と前記ナットのねじ溝径の径方向すきまよりも大きく設定されている請求項1に記載のボールねじ。
  7. 前記ねじ軸のねじ面と前記ナットのねじ面間に潤滑グリースが充填されている請求項1に記載のボールねじ。
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