JP5821757B2 - 溶融金属めっき用浴中ロールおよび溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法 - Google Patents

溶融金属めっき用浴中ロールおよび溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融金属めっき浴中に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールおよび溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法に関するものである。
鋼板の表面に溶融金属めっき層を形成する溶融金属めっきラインは、溶融金属が貯留されるめっき浴槽を有し、このめっき浴槽の内部に溶融金属めっき用浴中ロールが配置されている。この溶融金属めっき用浴中ロールは、めっき浴槽内において鋼板の走行方向を変更するために設けられている。
この溶融金属めっき用浴中ロールは、例えば特許文献1,2に開示されているように、鋼材からなるロール本体と、このロール本体の表面に形成された溶射皮膜と、を備えている。この溶射皮膜は、溶融金属によるロール本体の溶損を防止するために設けられるものであり、例えばサーメット合金等で構成されている。さらに、この溶射皮膜の上に、封孔処理を施すことによって、封孔処理膜が形成されたものが提供されている。
また、案内する鋼板が溶融金属によってスリップすることを防止するために、溶融金属めっき用浴中ロールのロール表面に凹凸が設けられている。例えば、ロール表面に、複数の平行溝、あるいは、1条又は2条以上の螺旋溝を形成し、ロール表面に、山頂部と谷底部を形成したものが提供されている。
ここで、溶融金属めっき用浴中ロールには、めっき浴中の金属成分(例えば、鉄、亜鉛、アルミニウム等)が起因となってドロス屑と呼ばれる介在物が付着することがある。このドロス屑がロール表面の溝等を埋めるように付着した場合には、鋼板がスリップしてしまうことになる。
そこで、特許文献3−5には、溝の形状を検討し、ドロス屑の詰りを防止する技術が提案されている。
また、特許文献6には、溶融金属めっき用浴中ロールの表面に付着したドロス屑を、ワイパー及びスクレイパー等によって削ぎ落とす技術が提案されている。
特開2004−218057号公報 特開2009−161847号公報 特開平08−003710号公報 特許第3502332号公報 特開平08−074017号公報 特開2002−309357号公報
ところで、近年では、生産効率向上の観点から、鋼板の通板速度を上昇させることが求められており、鋼板がさらにスリップしやすい状況にある。また、単位時間当りのめっき処理量が増加するため、ドロス屑の発生量も多く、溝の詰りが発生し易い状況にある。
このため、特許文献3−5に記載されたように、溝の形状を変更した場合であっても、ドロス屑の詰りを十分に防止することができず、長時間の操業を安定して行うことができなかった。
また、特許文献6に記載されたように、ドロス屑をワイパー及びスクレイパー等で削ぎ落とす方法では、ワイパー及びスクレイパーが早期に損耗してしまい、長時間の操業を安定して行うことができなかった。また、ワイパー及びスクレイパーによって除去されたドロス屑等が脱落して鋼板に押し込まれることにより、黒点と呼ばれる表面欠陥が発生することがあった。
近年では、鋼板に対する要求品質も高くなってきており、上述の黒点欠陥をさらに低減する必要があった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、鋼板のスリップの発生を抑制でき、長時間の操業を安定して行うことができるとともに、黒点欠陥等が少なく高品質な溶融金属めっき鋼板を製出することが可能な溶融金属めっき用浴中ロール、及び、この溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る溶融金属めっき用浴中ロールは、溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールであって、ロール表面には溝部が形成され、この溝部によって、径方向外方に突出した山頂部と径方向内方に後退した谷底部とが画成されており、前記ロール表面に形成された溶射皮膜と、この溶射皮膜の表面に積層された封孔処理膜と、を備え、前記ロール表面に研磨加工が施されており、前記山頂部の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とされ、前記谷底部の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされていることを特徴としている。
なお、本発明における算術平均粗さRa、十点平均粗さRzは、JIS B 0601(1994)で規定されたものである。
この構成の溶融金属めっき用浴中ロールによれば、ロール表面に研磨加工が施されており、溝部によって形成される山頂部の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とされているので、ロール表面に押し付けられるワイパー及びスクレイパーの早期損耗を抑制できる。よって、ワイパー及びスクレイパーによってドロス屑を効果的に除去することができるとともに、ワイパー及びスクレイパーからのドロス屑の脱落を抑制できる。これにより、長時間の操業を安定して行うことができるとともに、黒点欠陥等が少なく高品質な溶融金属めっき鋼板を製出することが可能となる。
ここで、前記谷底部の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされていることが好ましい。
谷底部においては、封孔処理を実施した際に、必要以上の封孔材が堆積することがある。そして、この封孔材の一部が、ドロス屑とともに剥がれ落ちて黒点欠陥の原因となるおそれがある。
そこで、ロール表面に研磨加工を施して、谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、としているので、谷底部の過剰な封孔材を除去することができ、黒点欠陥を抑制することができる。また、溝部の深さが確保されることから、ドロス屑によって溝が埋まることを抑制できる。
前記溝部は、深さが0.05mm以上1mm以下、幅が0.05mm以上1.6mm以下、ピッチが0.5mm以上10mm以下、とされていることが好ましい。
この場合、溝部の深さが0.05mm以上、幅が0.05mm以上、ピッチが0.5mm以上とされているので、ドロス屑を効率良く排出することができ、鋼板のスリップを防止することができる。また、溝部の深さが1mm以下、幅が1.6mm以下、ピッチが10mm以下とされているので、鋼板の表面に溝形状が転写されて表面品質が劣化することを抑制できる。
本発明に係る溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法は、溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法であって、溝部が形成されたロール本体の表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成工程と、前記溶射皮膜に対して封孔処理を施す封孔処理工程と、前記封孔処理工程後に、ロール表面を研磨する表面研磨工程と、前記表面研磨工程後に、前記ロール表面を洗浄する表面洗浄工程と、を有し、前記表面研磨工程により、前記溝部によって画成される山頂部の表面粗度を、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とし、前記溝部によって画成される谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とすることを特徴としている。
この構成の溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法によれば、溶射皮膜形成工程及び封孔処理工程後にロール表面を研磨する表面研磨工程により、前記溝部によって形成される山頂部の表面粗度を、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、としているので、ロール表面を拭き取るワイパー及びスクレイパーの早期損耗を抑制できる。
また、溶射皮膜形成工程及び封孔処理工程後にロール表面を研磨する表面研磨工程と、前記表面研磨工程後に前記ロール表面を洗浄する表面洗浄工程と、を備えているので、ロール本体の表面に過剰に付着した溶射材及び封孔材を除去することができるとともに、研磨時に発生した研磨屑を除去することができる。
ここで、前記表面研磨工程により、前記溝部によって画成される谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とすることが好ましい。
この場合、溶射皮膜形成工程及び封孔処理工程後にロール表面を研磨する表面研磨工程により、前記溝部によって形成される谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、としているので、谷底部に堆積した過剰な封孔材を除去することが可能となる。また、溝深さが確保されることから、溝部がドロス屑によって埋まることを抑制できる。
上述のように、本発明によれば、鋼板のスリップの発生を抑制でき、長時間の操業を安定して行うことができるとともに、黒点欠陥等が少なく高品質な溶融金属めっき鋼板を製出することが可能な溶融金属めっき用浴中ロール、及び、この溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールを備えた溶融金属めっきラインの一部概略説明図である。 本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールの概略説明図である。 本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールのロール表面拡大説明図である。 本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールの山頂部及び谷底部の表面粗度の測定方法の説明図である。 本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法を示すフロー図である。 図5における研磨処理工程の説明図である。 本発明の他の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールの概略説明図である。
以下に、本発明の一実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10及び溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
まず、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10を備えた溶融金属めっきライン1について説明する。本実施形態における溶融金属めっきライン1は、鋼板Sの表面にZn−Al合金めっき層を形成する溶融亜鉛めっきライン1とされている。
図1に示すように、溶融金属めっきライン1は、溶融金属Mが貯留されるめっき浴槽2と、本実施形成である溶融金属めっき用浴中ロール10と、走行する鋼板Sを案内するガイドロール5と、溶融金属めっき用浴中ロール10のロール表面に押し当てられるスクレイパー7と、を備えている。
本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10は、図2に示すように、軸部11とロール部12とを備えており、ロール部12の外周面(ロール表面)に、溝部15が形成されている。本実施形態では、図2に示すように、溶融金属めっき用浴中ロール10の軸線Oに直交する断面に沿って延在する複数の溝部15が軸線O方向に等間隔に形成されている。
ここで、溝部15は、深さが0.05mm以上1mm以下、幅が0.05mm以上1.6mm以下、ピッチが0.5mm以上10mm以下とされている。
そして、図3に示すように、この溶融金属めっき用浴中ロール10のロール部12は、ロール本体21と、このロール本体21の表面に形成された溶射皮膜22と、溶射皮膜22の表面に積層された封孔処理膜23と、を備えている。
ロール本体21の表面には、下地溝が形成されており、この下地溝の表面に上述の溶射皮膜22と封孔処理膜23とが積層されることによって、溝部15が形成されているのである。また、この溝部15によって、溶融金属めっき用浴中ロール10のロール表面には、径方向外方に突出した山頂部16と径方向内方に後退した谷底部17とが画成されているのである。
ここで、ロール本体21は、例えば、マルテンサイト系ステンレス鋼等の鋼材で構成されている。
溶射皮膜22は、例えば、サーメットといった硬質材料で構成されている。
封孔処理膜23は、例えば、クロム酸化物、シリカ、ジルコニア、アルミナ、といった金属酸化物で構成されている。
そして、この溶融金属めっき用浴中ロール10のロール表面には、研磨加工が施されており、溝部15によって画成された山頂部16の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とされている。
また、溝部15によって画成された谷底部17の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされている。
ここで、図4に示すように、山頂部16及び谷底部17の表面粗度は、溝部15の延在方向に沿って、すなわち、山頂部16の延在方向Z1及び谷底部17の延在方向Z2に沿って測定することになる。
次に、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10の製造方法について、図5及び図6を参照して説明する。
まず、表面に複数の下地溝を形成したロール本体21を成形する(ロール本体成形工程S01)。このロール本体成形工程S01においては、ロール本体21の外周面にバイトを押し当てて切削加工することによって下地溝を形成する。
次に、ロール本体21の表面に溶射皮膜22を形成する(溶射皮膜形成工程S02)。この溶射皮膜形成工程S02においては、密着性向上のためにグリットブラストを行った後、高速ガス溶射、プラズマ溶射、爆発溶射等によって溶射皮膜22を形成する。
次に、溶射皮膜22に対して封孔処理を行い、封孔処理膜23を形成する(封孔処理工程S03)。
例えば、クロム酸化物からなる封孔処理膜23は、クロム酸水溶液を溶射皮膜22の上に付着させて、350℃から550℃で焼成することによって形成される。なお、これらの作業を複数回繰り返すことで、封孔処理膜23の厚さが調整される。
また、シリカ、ジルコニア、アルミナ等からなる封孔処理膜23は、シリコン、ジルコニウム、アルミニウムのアルコキシドを含むアルコール溶液を溶射皮膜22の上に付着させて、100℃から500℃で焼成することによって形成される。なお、これらの作業を複数回繰り返すことで、封孔処理膜23の厚さが調整される。
次に、封孔処理工程S03後のロール表面を研磨処理する(表面研磨工程S04)。この表面研磨工程S04では、バフ研磨によって、溝部15によって画成された山頂部16及び谷底部17に対しても研磨加工を行う。
この表面研磨工程S04によって、図5に示すように、山頂部16において突出していた溶射皮膜22の一部が除去される。また、谷底部17において過剰に堆積していた封孔処理膜23が除去される。
そして、山頂部16の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下とされ、谷底部17の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされるのである。
次に、表面研磨工程S04後のロール表面を洗浄する(表面洗浄工程S05)。表面研磨を実施した後、ロール表面に付着した研磨屑等を除去するために、水洗し、ウエス等によって拭き取る。
このようにして、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10が製造されることになる。
本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10は、図1に示すように、めっき浴槽2内に浸漬されて使用される。めっき浴槽2内に供給された鋼板Sは、溶融金属めっき用浴中ロール10に巻き掛けられることによって走行方向が上方に向けて変更され、ガイドロール5を介してめっき浴槽2から排出されることになる。また、スクレイパー7によって溶融金属めっき用浴中ロール10のロール表面に付着したドロス屑が剥ぎ取られることになる。
以上のような構成とされた本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール10及び溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法によれば、表面研磨工程S04によって、山頂部16において突出していた溶射皮膜22の一部が除去され、山頂部16の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とされているので、ロール表面に押し当てられるスクレイパー7の早期損耗を抑制できる。よって、スクレイパー7によってドロス屑を効果的に除去することが可能となり、鋼板Sのスリップを抑制でき、長時間の操業を安定して行うことが可能となる。さらに、スクレイパー7からのドロス屑の脱落が抑えられるので、鋼板Sに黒点欠陥が発生することを抑制できる。
また、表面研磨工程S04によって、谷底部17において過剰に堆積していた封孔処理膜23が除去され、谷底部17の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされているので、過剰な封孔処理膜23の一部が脱落してドロス屑とともに鋼板Sに押し込まれることが抑制され、黒点欠陥の発生を抑制することができる。また、溝部15の深さが確保されることになり、ドロス屑によって溝部15が埋まることが抑制されるので、長時間の操業を安定して行うことが可能となる。
さらに、本実施形態では、溝部15は、深さが0.05mm以上1mm以下、幅が0.05mm以上1.6mm以下、ピッチが0.5mm以上10mm以下、とされているので、ドロス屑を効率良く排出することができるとともに、鋼板Sの表面に溝形状が転写されて表面品質が劣化することを抑制できる。
以上、本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール及び溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、図1に示す構成の溶融金属めっきラインに用いられる溶融金属めっき用浴中ロールとして説明したが、これに限定されることはなく、他の構成の溶融金属めっきラインに適用してもよい。
また、本実施形態では、溶融金属めっき用浴中ロールの軸線Oに直交する断面に沿って延在する複数の溝部が形成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、図7に示すように、溶融金属めっき用浴中ロール110の軸線Oに直交する断面に対して傾斜した1条又は2条以上の螺旋溝115としてもよい。この場合、螺旋溝115の端部がロール端面に開口した構成とすることによって、ドロス屑を効率的に排出することが可能となる。
本発明の効果を確認すべく実施した実験結果について説明する。
ロール径が800mm、ロール幅(ロール軸線方向長さ)が2100mmのロール本体を準備した。なお、ロール本体の表面には、図2に示すように複数の溝部を形成した。溝部の深さを1.5mm、幅を0.7mm、ピッチを1.5mmとした。
このロール本体の表面に、サーメットからなる溶射皮膜を形成した。
次に、溶射皮膜の上に、クロム酸化物からなる封孔処理膜を形成した。溶射皮膜を形成したロール本体を、クロム酸水溶液に浸漬した後、乾燥した。この浸漬作業及び乾燥作業を3回繰り返して、封孔処理膜を形成した。
そして、バフ研磨によって、ロール表面の研磨を行い、山頂部及び谷底部の表面粗度を調整した。
その後、水洗及びウエスでの拭き取りを実施した。
なお、山頂部及び谷底部の表面粗度は、JIS B 0651(1996)に規定される触針式表面粗さ測定機を用いて測定した。このとき、測定子は、図4に示すように、溝部(山頂部及び谷底部)の延在方向に沿って走行させた。
得られた溶融金属めっき用浴中ロールを用いて、鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを形成した。このとき、めっき条件を、浴温450〜470℃、目付下限値45g/m、通板速度120mpmとし、鋼板の処理量約3000tで黒点を評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005821757
山頂部の表面粗度が本発明の範囲から外れたNo.1、2、3においては、黒点欠陥が発生した。この黒点欠陥を分析した結果、スクレイパーに付着したドロス屑が起因であることが確認された。
一方、山頂部の表面粗度が本発明の範囲内であるNo.4,5においては、黒点欠陥は発生しなかった。
この結果から、山頂部の表面粗度を規定することによって、スクレイパーに付着したドロス屑が起因となる黒点欠陥の発生を抑制できることが確認された。
また、谷底部の表面粗度がRa:4.0μm,Rz:13.9μmとされたNo.6においては、黒点欠陥が発生した。この黒点欠陥を分析した結果、クロム成分が確認されており、脱落した封孔処理膜が起因であることが確認された。
一方、谷底部の表面粗度がRa:3.1μm,Rz:10.8μmとされたNo.7においては、黒点欠陥は発生しなかった。
この結果から、谷底部の表面粗度を規定することによって、脱落した封孔処理膜が起因となる黒点欠陥の発生を抑制できることが確認された。
1 溶融金属めっきライン
2 めっき浴槽
7 スクレイパー
10 溶融金属めっき用浴中ロール
15 溝部
16 山頂部
17 谷底部
21 ロール本体
22 溶射皮膜
23 封孔処理膜

Claims (3)

  1. 溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールであって、
    ロール表面には溝部が形成され、この溝部によって、径方向外方に突出した山頂部と径方向内方に後退した谷底部とが画成されており、
    前記ロール表面に形成された溶射皮膜と、この溶射皮膜の表面に積層された封孔処理膜と、を備え、
    前記ロール表面に研磨加工が施されており、前記山頂部の表面粗度が、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とされ
    前記谷底部の表面粗度が、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とされていることを特徴とする溶融金属めっき用浴中ロール。
  2. 前記溝部は、深さが0.05mm以上1mm以下、幅が0.05mm以上1.6mm以下、ピッチが0.5mm以上10mm以下、とされていることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき用浴中ロール。
  3. 溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法であって、
    溝部が形成されたロール本体の表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成工程と、前記溶射皮膜に対して封孔処理を施す封孔処理工程と、前記封孔処理工程後に、ロール表面を研磨する表面研磨工程と、前記表面研磨工程後に、前記ロール表面を洗浄する表面洗浄工程と、を有し、
    前記表面研磨工程により、前記溝部によって画成される山頂部の表面粗度を、算術平均粗さRaで4μm以上6.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで20μm以下、とし
    前記溝部によって画成される谷底部の表面粗度を、算術平均粗さRaで3.5μm以下、かつ、十点平均粗さRzで12μm以下、とすることを特徴とする溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法。
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