JP2013213148A - 難燃性塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】三酸化アンチモンを用いることなく、難燃性、引張伸び、および耐熱変色性が良い、塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂とメラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤、およびホウ酸亜鉛などのホウ素含有化合物を含有する難燃性塩化ビニル系樹脂組成物と、それを用いた樹脂成形体。本発明の難燃性塩化ビニル樹脂組成物は、難燃性、引張伸びおよび耐熱変色性が優れるので、電線またはケーブル被覆用材料、またはテープ材料として有用に用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は新規な難燃性塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
塩化ビニル系樹脂は加工性、耐薬品性、耐候性だけでなく、電気的特性、機械的物性などが優れることから、産業用および家庭用の電気製品に使用されている。電気製品は火災防止のために、非常に高い難燃性が求められ、例えば、米国保険業者安全試験所によって制定された、UL規格の様な厳しい規格が適用される。塩化ビニル系樹脂は比較的難燃性が高いが、UL規格を達成するためには、難燃剤である三酸化アンチモンを含有することが必要であった。
しかし、三酸化アンチモンは劇物であり、不純物として鉛や鉛化合物を含有していることから、使用や保管に当たっては厳格な管理が必要となる。また、アンチモン資源は特定の地域に偏在しているので供給面での不安があるうえ、近年著しい価格の高騰が起こっていることから、使用を避けたい材料になっている。
三酸化アンチモン以外の塩化ビニル系樹脂用の難燃剤として、ホウ酸亜鉛(特許文献1)や水酸化マグネシウム(特許文献2)、メラミン化合物などが知られている。しかしホウ酸亜鉛は難燃性が三酸化アンチモンに劣るうえ、塩化ビニル系樹脂の耐熱変色性が低下するため、電線被覆材などを成形する際に変色し易いという問題がある。
水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物系難燃剤は、塩化ビニル系樹脂の耐熱変色性を低下させることは無いが、UL規格に適合する難燃性を得るためには、質量にして三酸化アンチモンの20倍以上の添加量が必要であり、更に、酸やアルカリなどの薬品と反応しやすいことから、成形品を薬品と接触させた箇所から金属成分が溶出するという問題を有する。メラミン化合物も多量に添加しないと、UL規格に適合する難燃性を得ることはできない。
また、金属水酸化物に限らないが難燃剤を多量に添加した成形品は、引張伸びなどの物性が極端に低下するので、電線やケーブルの被覆材料として使用した場合、被覆が破れたり剥がれたりする危険性が高くなる。
特公昭56−67363号公報 特開平07−278386号公報
本発明は、三酸化アンチモンを用いることなく、難燃性と耐熱変色性が高く、電線やケーブルの被覆、あるいはテープなどに加工した際の物性も優れた、難燃性塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂と窒素含有有機難燃剤およびホウ素含有化合物を含む組成物が、目的の性能を達成することを見いだした。
本発明を利用した樹脂組成物は、既存の難燃剤を使用した時には達成困難であったUL−94のV−0規格が達成可能となり、耐熱変色性が高いことから加工成形時の変色が少なく、成形品の美観、外観が優れる。添加量が少なくて済むことから、引張伸びなどの物性が低下しにくい。また窒素、ホウ素などありふれた元素で構成されている化合物なので供給面での不安がない。更にこの樹脂組成物は耐アルカリ性に優れることから、電線やケーブルの被覆材料にした際に、アルカリ雰囲気のような特殊な環境でも使用できる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体などが挙げられる。
窒素含有有機難燃剤としては、メラミン(シアヌール酸トリアミド)、アムメリン(シアヌール酸ジアミド)、アムメリド(シアヌール酸モノアミド)、メラム([3,5−(NH2)C3N3]NHであると推定)、メラミンシアヌレート(メラミンとシアヌール酸との縮合物)、メラミン樹脂、ピロリン酸メラミン、ホモグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのメラミン誘導体などメラミン類の他、尿素など尿素類、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどグアニジン類が挙げられるが、安価であり酸・アルカリなどの薬品に溶けにくい、メラミンシアヌレートが好適に用いられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
メラミンシアヌレートは、メラミンとシアヌール酸との反応生成物であり、その構造内に多量の窒素原子を有し、約350℃以上の高温にさらされると窒素ガスを発生して燃焼を阻害する働きを示す。シアヌール酸にはエノール型とケト型の2つの互変異性体があるが、本発明でいうシアヌール酸はエノール型およびケト型の両方を意味するものである。
窒素含有有機難燃剤の添加量は、樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であり、好ましくは2〜20質量部であり、より好ましくは3〜10質量部である。1質量部未満では塩化ビニル系樹脂組成物の難燃性が低下し、50質量部を超えると難燃性塩化ビニル系樹脂組成物の引張伸びなどの物性が低下する。
ホウ素系化合物としては、ホウ酸マンガン、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、リン酸ホウ素などが挙げられ、燃焼時の断熱層形成能力に優れ難燃性が比較的高いホウ酸亜鉛が好適に用いられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
ホウ素系化合物の添加量は、樹脂100質量部に対し、0.5〜25質量部であり、好ましくは1〜20質量部であり、より好ましくは3〜10質量部である。0.5質量部未満では塩化ビニル系樹脂組成物の難燃性が低下し、25質量部を超えると耐熱変色性が低下する。
本発明には難燃組成物の製造目的に応じて、可塑剤、安定剤、充填剤、燃焼時の樹脂垂れ(ドリップ)を防ぐためのドリップ防止剤、難燃性を更に高めるための金属酸化物、などの各種添加剤を使用することができる。その例を以下に述べる。
可塑剤としては、DOP(ジオクチルフタレート)、n−DOP(ジ−n−オクチルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレート)、DIDP(ジイソデシルフタレート)、混合アルキルフタレートなどのフタル酸エステル系化合物、TOTM(トリオクチルトリメリテート)、TnOTM(n−トリオクチルトリメリテート)、トリイソデシルトリメリテート、トリオクチルピロメリテートなどの芳香族カルボン酸エステル系化合物、ポリプロピレン・アジペート、ポリプロピレン・セバケートなどのポリエステル系化合物、DOA(アジピン酸ジオクチル)、DIDA(アジピン酸ジイソデシル)、DOZ(アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル))、DOS(セバシン酸ジオクチル)などの脂肪酸二塩基性エステル系化合物、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などが挙げられる。特に耐熱性がよくゲル化性が良好なDOP、DINP、DIDP、TOTM、ポリエステル系化合物が好適に用いられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
安定剤としては、バリウム−亜鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、スズ系安定剤、有機化合物系安定剤などが挙げられる。例えば、カルシウム−亜鉛系安定剤は、脱塩酸捕捉を目的としたハイドロタルサイトを主成分とするもので、他に、塩化水素を捕捉、長鎖ポリエンの抑制に効果がある金属石鹸類、不安定Clの置換に効果のあるβジケトン化合物、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などから構成される。
上記ハイドロタルサイトは、一般式M2+ 1−x3+ (OH)n− x/n ・mH O(但し、M2+は、Mg2+,Zn2+,Fe2+,Mn2+,Co2+,Ni2+およびCu2+からなる群より選ばれた少なくとも1種の2価の陽イオン、M3+は、Al3+,Fe3+,Cr3+およびCo3+からなる群より選ばれた少なくとも1種の3価の陽イオン、An−は、OH,CO 2−,SO 2−,NO3−およびClからなる群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンを示し、xは0<x≦0.5の数を示し、mは0≦m≦1の数を示し、nは1≦n≦3を示す)であり、天然物でも合成物でも良い。
ハイドロタルサイト類化合物の具体例としては、MgAl(OH)16CO・4HOMg4.5Al(OH)13CO・3.5HOMg4.5Al(OH)13COMg3.5Zn1.0Al(OH)13CO・3.5HOなどが挙げられる。市販品としては、S T A B I A C E H T − 1 、S TA B I A C E H T − 7 、S T A B I A C E H T − P ( いずれも堺化学工業社製) や、アルカマイザー1 、アルカマイザー2 、アルカマイザー3 、アルカマイザー4 、アルカマイザー5 、D H T − 4 A ( いずれも協和化学工業社製) などがある。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
上記金属石鹸の例としてはステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ベヘン酸リチウム、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸アルミニウム、ベヘン酸バリウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸バリウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、ミリスチン酸亜鉛、
パルミチン酸亜鉛などが挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
上記β−ジケトン化合物としては、例えば、デヒドロ酢酸、アセチルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、ジベンゾイルメタン、ベンゾイル−4−クロロベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、4−第三ブチルベンゾイル−4−メトキシベンゾイルメタン、ベンゾイル−4−イソプロピルベンゾイルメタン、ビス(4−メトキシベンゾイル)メタン、アセチルベンゾイルメタン、アセチルベンゾイルアリルメタン、プロピオニル−3−メトキシカルボニルベンゾイルメタン、イソバレロイルベンゾイルイメタン、オクタノイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ジピバロイルメタン、ジステアロイルメタンなどが挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、
2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6―ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,4,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイトなどが挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
その他の安定剤として多価アルコール系安定剤を使用しても良い。多価アルコール系安定剤としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ポリビニルアルコールなどの多価アルコールや、多価アルコールを有機酸で部分エステル化したものなどが挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
充填剤の例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、マイカなどの無機化合物を用いることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
ドリップ防止剤の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどのフッ素系樹脂やパーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロ−t−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−2−エチルヘキサンスルホン酸カルシウム塩などのパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩またはパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩、シリコンゴム類が挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
金属酸化物の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウムが挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
これら以外にも、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、造核剤、帯電防止剤、顔料、滑剤、発泡剤の他、既存の難燃剤を添加してもよい。
樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、たとえば、パウダー状またはペレット状の塩化ビニル系樹脂と窒素含有有機難燃剤とホウ素系化合物とその他の成分を、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、リボンブレンダー、コニカルブレンダーなど公知の機械を用い混合する方法がある。機械を使わずハンドブレンドなど人の手で混合してもよい。混合時には組成物の成分が揮発や分解しない範囲で加熱しても良いし、あるいは冷却しても良い。組成物を押出機などでストランドまたはペレットに加工しても良い。
製造した樹脂組成物は、そのままプレス、インジェクション、押出機などの加工機で電気製品の部材に成形することができるが、ロール、押出機、バンバリーミキサーなどで混練した後、同様にプレス、インジェクション、押出機などを用いて成形することもできる。
以下、実施例により本発明を詳細に示す。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。なお、表1の配合は、すべて質量部基準である。
<試験片作成方法>
所定の配合組成をポリ袋に計量し、1分間振り混ぜることにより難燃性塩化ビニル系樹脂組成物を作成した。作成した難燃性塩化ビニル系樹脂組成物を、ロール表面温度が170℃の8インチロールで、5分間混練してシートを作成し、該シートを厚さ1.6mmになるように170℃でプレスした。プレスシートを長さ127mm、幅12.7mmに裁断してUL−94用試験片を得た。同様にプレスシートを、JIS−K7113に記載の2号ダンベル形に裁断して、引張物性測定用試験片を得た。
<UL−94試験>
難燃性試験はUL規格の内、UL−94(垂直燃焼試験法)に基づいて行った。前述のUL−94用試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後、炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消えるまでの時間を測定した。また、試験片から落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。
1回目および2回目の燃焼時間、綿着火の有無などから、UL−94規格に従って難燃性評価を行った。難燃性評価はV−0が最高であり、以下、V−1、V−2の順に難燃性は低下する。但し、V−0〜V−2のランクの何れにも該当しないものは燃焼とした。
<引張物性試験(JIS K7113参照)>
前述の引張物性測定用試験片を用い、島津製作所製万能試験機A−500型で試験片が破断するまでに伸びた長さを測定し、引張伸び(%)を算出した。
<耐熱変色性試験>
上記の引張物性試験で作成した試験片を、185℃のギアオーブン内に置き、目視により外観の耐変色性をチェックした。この際、90分間を超えても変色しないものを○、60〜90分で変色したものを△、60分未満で変色したものを×と判定した。変色した組成物は、商品価値の低下が著しいため電線の被覆には適さない。
<耐アルカリ性試験>
引張物性試験で作成した試験片を、30mm四方に切り取り質量を測定した。(試験前の質量とする)50mlビーカーに切り取った試験片1個と、10質量%に調整した水酸化ナトリウム溶液を20ml加え、試験片を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させた。試験片と水酸化ナトリウムが入ったビーカーを、35℃〜40℃に24時間保温した。試験片は、洗浄水のpHが8未満になるまで洗浄し、40℃の乾燥機で1晩乾燥したのち質量を測定した。(試験後の質量とする)アルカリ溶出分を以下の式で求め、耐アルカリ性の指標とした。
(試験前質量−試験後質量)÷試験前質量×100
[実施例1−8]
表1の各実施例に記載された処方に従い塩化ビニル系樹脂組成物を作成し、前述の試験を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1−3]
表1の各比較例に記載された処方に従い塩化ビニル系樹脂組成物を作成し、前述の試験を行った。その結果を表1に示す。
* 1:塩化ビニル樹脂/重合度1,000(大洋塩ビ製)
* 2:トリオクチルトリメリテート(ジェイプラス製)
* 3:カルシウム亜鉛系複合安定剤/耐熱電線用(堺化学製)
* 4:メラミンシアヌレート(堺化学製)
* 5:ホウ酸亜鉛(堺化学製)
* 6:水酸化マグネシウム(堺化学製)
* 7:日本化学産業製
表1、表2より塩化ビニル樹脂と、メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤と、ホウ酸亜鉛などのホウ素含有化合物を含有した組成物は、難燃剤としてメラミンシアヌレート、または、ホウ酸亜鉛だけを含む塩化ビニル系樹脂組成物に比べ、良好な耐熱変色性を維持しつつ、UL−94試験においてV−1からV−0という高い難燃性を示している。更に、成形物の引張伸び(%)が低下しないので、電線またはケーブル被覆材料として使用した場合、被覆の破れや剥がれが生じず、テープ材料として使用した場合はテープが切れにくくなる。また、窒素含有有機難燃剤としてメラミンシアヌレートを選択した場合は、アルカリ溶出量が少ないことから耐アルカリ性に優れている。

Claims (6)

  1. 塩化ビニル系樹脂と窒素含有有機難燃剤およびホウ素含有化合物を含有する難燃性塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 塩化ビニル樹脂100質量部に対して、窒素含有有機難燃剤を1〜50質量部、ホウ素含有化合物を0.5〜25質量部含有する、請求項1に記載の難燃性塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 塩化ビニル樹脂100質量部に対して、可塑剤を20〜100質量部含有する、請求項2に記載の難燃性塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 可塑剤がDOP、DINP、DIDP、TOTM、ポリエステル系可塑剤の単独または複数を組み合わせたものである、請求項3記載の難燃性塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 電線またはケーブル被覆用材料、またはテープ材料として用いられる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の難燃性塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物から得られる樹脂成形体。
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CN104004296A (zh) * 2014-05-13 2014-08-27 博硕科技(江西)有限公司 无锑阻燃聚氯乙烯电缆料及其制备方法
JP2020139903A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 日立金属株式会社 電線被覆材料の評価方法

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