JPWO2019240181A1 - リン酸アミン塩組成物、リン酸アミン塩難燃剤組成物、これを含有する難燃性合成樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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Abstract

加工機に対する腐食のおそれがなく、かつ、合成樹脂に優れた難燃性および耐候性を付与することができる難燃剤として使用できるリン酸アミン塩組成物、リン酸アミン塩難燃剤組成物、これを含有する難燃性合成樹脂組成物およびその成形体を提供する。リン酸アミン塩を1種以上含有するリン酸アミン塩組成物であって、アンモニウムカチオンの含有量が、100〜2000質量ppmであり、リン酸アミン塩組成物中のは、メラミンやピペラジンが好ましい。

Description

本発明は、リン酸アミン塩組成物、リン酸アミン塩難燃剤組成物、これを含有する難燃性合成樹脂組成物およびその成形体に関し、詳しくは、加工機に対する腐食のおそれがなく、かつ、合成樹脂に優れた難燃性および耐候性を付与することができる難燃剤として使用できるリン酸アミン塩組成物、リン酸アミン塩難燃剤組成物、これを含有する難燃性合成樹脂組成物およびその成形体に関する。
合成樹脂は優れた化学的、機械的特性により、建材、自動車部品、包装用資材、農業用資材、家電製品のハウジング材、玩具等に広く用いられている。しかしながら、多くの合成樹脂は可燃性物質であり、用途によっては難燃化が不可欠であった。そして、難燃化方法として、ハロゲン系難燃剤、赤燐等の無機リン系難燃剤、トリアリールリン酸エステル化合物に代表される有機リン系難燃剤、金属水酸化物や難燃助剤である酸化アンチモン、メラミン化合物を単独または組み合わせて用いることが広く知られている。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は、燃焼時に有害なガスを発生するという問題がある。そこで、このような問題を生じないリン系難燃剤を用いる試みがなされている。特に、ポリリン酸アンモニウムや、ポリリン酸とアミンの塩から構成されるリン酸塩系難燃剤がその優れた難燃性から使用されている。例えば、特許文献1では、ポリリン酸アンモニウムを含有する難燃性合成樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2では、ポリリン酸メラミンおよびポリリン酸ピペラジンを含有する難燃性合成樹脂組成物が提案されている。
特開平8−176343号公報 特開2003−26935号公報
しかしながら、これらのリン酸塩系難燃剤は、合成樹脂に優れた難燃性を付与することはできるが、合成樹脂の加工時に加工機を腐食するおそれを有している。さらに得られた成形体の耐候性も、必ずしも十分ではないという問題も存在する。
そこで、本発明の目的は、加工機に対する腐食のおそれがなく、かつ、合成樹脂に優れた難燃性および耐候性を付与することができる難燃剤として使用できるリン酸アミン塩組成物、リン酸アミン塩難燃剤組成物、これを含有する難燃性合成樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討をした結果、難燃剤に使用されるリン酸アミン塩組成物中のアンモニウムカチオンの含有量に着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のリン酸アミン塩組成物は、リン酸アミン塩を1種以上含有するリン酸アミン塩組成物であって、アンモニウムカチオンの含有量が、100〜2000質量ppmであることを特徴とするものである。
本発明のリン酸アミン塩組成物は、前記リン酸アミン塩組成物中のアミンとしては、メラミンやピペラジンが好ましく、前記リン酸アミン塩組成物中のアミンが、メラミンであるリン酸アミン塩組成物(A)と、前記リン酸アミン塩組成物中のアミンが、ピペラジンであるリン酸アミン塩組成物(B)と、の混合物であるものがより好ましい。また、本発明のリン酸アミン塩組成物は、前記リン酸アミン塩組成物(A)と、前記リン酸アミン塩組成物(B)と、の含有比率が、質量比で、(A)/(B)=20/80〜80/20の範囲内であることが好ましい。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物は、本発明のリン酸アミン塩組成物を含有することを特徴とするものである。
本発明の難燃性合成樹脂組成物は、合成樹脂に対し、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物が配合されたことを特徴とするものである。
本発明の難燃性合成樹脂組成物においては、前記合成樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
本発明の成形体は、本発明の難燃性合成樹脂組成物から得られることを特徴とするものである。
本発明によれば、加工機に対する腐食のおそれがなく、かつ、合成樹脂に優れた難燃性および耐候性を付与することができる難燃剤として使用できるリン酸アミン塩組成物、リン酸アミン塩難燃剤組成物、これを含有する難燃性合成樹脂組成物およびその成形体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明のリン酸アミン塩組成物について説明する。本発明のリン酸アミン塩組成物は、リン酸アミン塩を1種以上含有する組成物を意味し、アンモニウムカチオンを100〜2000質量ppm含有する。本発明のリン酸アミン塩組成物において、リン酸アミン塩における「リン酸」とはオルトリン酸、ピロリン酸およびポリリン酸の総称である。
本発明のリン酸アミン塩組成物において、リン酸アミン塩は、オルトリン酸(HPO)のアミン塩であるオルトリン酸アミン塩、オルトリン酸2分子が縮合したピロリン酸(H)のアミン塩であるピロリン酸アミン塩、オルトリン酸が3分子以上縮合したポリリン酸(Hn+23n+1、nは3以上の正の整数を表す)のアミン塩であるポリリン酸アミン塩、メタリン酸((HPO、mは正の整数を表す)のアミン塩等が挙げられ、これらの1種以上が含まれていればよい。ポリリン酸の構造は、線状構造が主であるが、分岐構造を含んでいてもよく、環状構造であってもよい。本発明のリン酸アミン塩組成物においては、リン酸アミン塩は、単独でも2種以上の混合物でもよい。また、リン酸アミン塩は、正塩でもよく、酸性塩でもよく、塩基性塩でもよい。さらに、リン酸アミン塩のアミンは単独でも、2種類以上の混合物でもよく、いわゆる複塩となっていてもよい。
リン酸アミン塩におけるアミンとしては、例えば、アルキルアミン、芳香族アミンおよび複素環式アミン等が挙げられる。また、アミンは水酸基を有していてもよい。リン酸アミン塩を構成するアミンは、1種でも2種以上でもよい。なお、本発明のリン酸アミン塩組成物においては、アンモニアはアミンに含まれない。
アルキルアミンとしては、RNHで表されるモノアルキルアミン、RNHで表されるジアルキルアミン、RNで表されるトリアルキルアミンおよび〔RN(CHNR〕で表されるジアミン等が挙げられる。R、RおよびRは、同一のまたは異なる炭素原子数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。R、R、RおよびRは同一のまたは異なる、水素原子、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を表す。tは正の整数を表し、好ましくは1〜20である。
モノアルキルアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびイソプロピルアミン等が挙げられる。ジアルキルアミンとしては、例えば、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン等が挙げられる。トリアルキルアミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、メチルジエチルアミン、メチルジプロピルアミン、トリエチルアミンおよびトリプロピルアミン等が挙げられる。
〔RN(CHNR〕で表されるジアミンとしては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−ジエチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1、7−ジアミノへプタン、1,8−ジアミノオクタンおよび1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、芳香族モノアミン、芳香族ジアミンおよび芳香族トリアミンが挙げられる。芳香族モノアミンとしては、例えば、アニリン等が挙げられる。芳香族ジアミンとしては、例えば、1,2−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼンおよび1,3−ジアミノベンゼン等が挙げられる。芳香族トリアミンとしては、例えば、1,3,5−トリアミノベンゼン等が挙げられる。
複素環式アミンとしては、窒素原子の少なくとも1種および/または硫黄原子および酸素原子から選択される少なくとも1種を含む炭素原子数2〜14の複素環式アミンが挙げられる。複素環式アミンとしては、例えば、炭素原子数2〜7の脂肪族複素環式アミン、炭素原子数2〜4の五員環芳香族複素環式アミン、炭素原子数2〜5の六員環芳香族複素環式アミンおよび炭素原子数5〜12の多環芳香族複素環式アミン等が挙げられる。
炭素原子数2〜7の脂肪族複素環化合物としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、ピロリジン、アセチジン、アセチジン−2−オンおよびアジリシン等が挙げられ、4〜9員環の化合物が好ましく、6員環の化合物が特に好ましい。
炭素原子数2〜4の五員環芳香族複素環化合物としては、例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾールおよびイソチアゾール等が挙げられる。
炭素原子数2〜5の六員環芳香族複素環式アミンとしては、例えば、メラミン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジンおよび1,2,3−トリアジン等が挙げられる。
炭素原子数5〜12の多環芳香族複素環式アミンとしては、例えば、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、インドール、ベンズイミダゾール、プリン、アクリジンおよびフェノチアジン等が挙げられる。
さらに、これら以外の、アミンの具体例を挙げると、複素環式アミンとしては、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、アクリルグアナミン、2,4−ジアミノ−6−ノニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−エトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−プロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン等が挙げられ、ジアミンとしては、trans−2,5−ジメチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、等が挙げられる。
これらのアミンが水酸基を有する場合、そのようなアミンとしては例えば、RNHで表されるモノアルキルアミン、RNHで表されるジアルキルアミンおよびRNで表されるトリアルキルアミンにおけるアルキル中の水素原子の一または二以上が水酸基で置換されたアミンが挙げられる。例えば、メタノールアミン、エタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミンおよびトリエタノールアミン等が挙げられる。
リン酸アミン塩におけるアミンの中では、アルキルアミン、芳香族アミン、複素環式アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびジエチレントリアミンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アニリン、メラミン、モルホリン、エチレンジアミン、ピペラジン、1,2−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、ジエチレントリアミン、メチルアミン、エチルアミンおよびジメチルアミンからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、メラミンまたはピペラジンであることが、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点からさらにより好ましく、メラミンであることが最も好ましい。
本発明のリン酸アミン塩組成物において、リン酸アミン塩は、上述したリン酸の1または2以上と、上述したアミンの1または2以上の任意の組み合わせとすることができる。例えば、リン酸がオルトリン酸およびピロリン酸であり、アミンがピペラジンおよびメラミンの場合、リン酸アミン塩としては、オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミンのほか、オルトリン酸とピペラジンおよびメラミンとの複塩や、ピロリン酸とピペラジンおよびメラミンとの複塩等が挙げられる。
本発明のリン酸アミン塩組成物において、リン酸アミン塩は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、オルトリン酸アミン塩、ピロリン酸アミン塩、ポリリン酸アミン塩の群から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、ピロリン酸アミン塩、ポリリン酸アミン塩の群から選ばれる1種以上を含有することがより好ましく、ピロリン酸アミン塩の1種以上を含有することがさらにより好ましい。
全リン酸アミン塩中、ピロリン酸アミン塩の占める比率は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、80質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、95質量%以上100質量%以下がさらにより好ましく、98質量%以上100質量%以下がさらにより好ましい。全リン酸アミン塩におけるオルトリン酸アミン塩、ピロリン酸アミン塩およびポリリン酸アミン塩の比率は、イオンクロマトグラフィー等により求めることができる。
また、本発明のリン酸アミン塩組成物において、リン酸アミン塩は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、リン酸メラミン塩が好ましく、オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれる1種以上を含有することがより好ましく、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれる1種以上を含有することがさらにより好ましく、ピロリン酸メラミンの1種以上を含有することがさらにより好ましい。ピロリン酸メラミンは、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、ピロリン酸とメラミンのモル比が1:2であるピロリン酸二メラミンであることが好ましい。
リン酸メラミン塩において、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、リン酸とメラミンのモル比は、リン酸中のリン原子1モルに対してメラミン0.8〜1.2モルが好ましく、0.9〜1.1モルがより好ましい。
また、本発明のリン酸アミン塩組成物において、リン酸アミン塩は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、リン酸ピペラジン塩も好ましく、オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジンの群から選ばれる1種以上を含有することがより好ましく、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジンの群から選ばれる1種以上を含有することがさらにより好ましく、ピロリン酸ピペラジンの1種以上を含有することがさらにより好ましい。ピロリン酸ピペラジンは、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、ピロリン酸とピペラジンのモル比が、1:1であるピロリン酸一ピペラジンであることが好ましい。
リン酸ピペラジン塩において、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、リン酸とピペラジンのモル比は、リン酸中のリン原子1モルに対してピペラジン0.4〜0.6モルが好ましく、0.45〜0.55モルがより好ましい。
さらにまた、本発明のリン酸アミン塩組成物において、リン酸アミン塩は、加工機の腐食抑制、耐候性、特に難燃性の点から、オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれる1種以上と、オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジンの群から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれる1種以上と、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジンの群から選ばれる1種以上を含有することがより好ましく、ピロリン酸メラミンとピロリン酸ピペラジンとを含有することがさらにより好ましい。
本発明のリン酸アミン塩組成物は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、アミンがメラミンであるリン酸アミン塩組成物(A)(以下、「リン酸メラミン組成物(A)」とも称す。)が好ましい。リン酸メラミン組成物(A)は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンの群から選ばれる1種以上を含有することがより好ましく、ピロリン酸メラミンを含有することがさらにより好ましい。
また、本発明のリン酸アミン塩組成物は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、アミンがピペラジンであるリン酸アミン塩組成物(B)も好ましい(以下、「リン酸ピペラジン組成物(B)」とも称す。)。リン酸ピペラジン組成物(B)は、加工機の腐食抑制、耐候性、難燃性の点から、オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジンの群から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジンの群から選ばれる1種以上を含有することがより好ましく、ピロリン酸ピペラジンを含有することがさらにより好ましい。
さらに、本発明のリン酸アミン塩組成物は、リン酸メラミン組成物(A)とリン酸ピペラジン組成物(B)の両者を含有することが、加工機の腐食抑制と耐候性、特に難燃性の点から好ましい。リン酸メラミン組成物(A)とリン酸ピペラジン組成物(B)の含有比率(質量基準)は、加工機の腐食抑制、耐候性と、特に難燃性の点から、(A)/(B)=20/80〜80/20が好ましく、(A)/(B)=20/80〜50/50がより好ましく、(A)/(B)=30/70〜50/50がさらにより好ましく、35/65〜45/55がさらにより好ましい。
本発明のリン酸アミン塩組成物は、アンモニウムカチオンを100〜2000質量ppm含有する。アンモニウムカチオンの含有濃度が、100ppm未満だと、加工機の腐食抑制効果が失われ、2000質量ppmを超えると、耐候性が悪化する。アンモニウムカチオンの含有濃度は、加工機の腐食抑制と耐候性の点から、200〜1700ppmが好ましく、300〜1500ppmがさらにより好ましい。
アンモニウムカチオンは、本発明のリン酸アミン塩組成物中に含有されるリン酸アミン塩を構成するリン酸との塩であるリン酸アンモニウム塩(例えば、オルトリン酸アンモニウム塩、ピロリン酸アンモニウム塩、ポリリン酸アンモニウム塩等)として含有されている。アンモニウムカチオンの濃度は、全リン酸塩(リン酸アミン塩およびリン酸アンモニウム塩の合計)に対して、100〜2000質量ppm含有する。
全リン酸塩中のアンモニウムカチオンの含有濃度の測定方法は、アンモニウムカチオンを分析される方法であればよく、特に以下に示した陽イオンクロマトグラフィーを用いた分析方法で行うことが好ましい。
<アンモニウムカチオン分析方法>
・イオンクロマトグラフィー:ICS−2000(DIONEX社製)
・カラム:DIONEX IONPAC CS17(4×250mm)
・溶離液:メタンスルホン酸水溶液
アンモニウムカチオンは、リン酸アミン塩が、加熱等により、アミンが分解することで生成する。
本発明のリン酸アミン塩組成物は、リン酸とアミンを中和して得られたリン酸アミン塩を使用することもできるが、加工機の腐食抑制と耐候性の点から、オルトリン酸のアミン塩を加熱して、脱水縮合反応させて得られるリン酸アミン塩が好ましい。また、加工機の腐食抑制と耐候性の点から、オルトリン酸のアミン塩を、固相状態で加熱して、脱水縮合反応させて得られるリン酸アミン塩がさらに好ましく、固相状態での脱水縮合反応の温度は、120〜350℃が好ましく、150〜300℃がより好ましく、160〜280℃がさらにより好ましい。脱水縮合反応は、原料のオルトリン酸のアミン塩の残存量と、生成物のピロリン酸アミン塩およびまたはポリリン酸アミン塩の生成量と、さらにアンモニウムカチオンの濃度を、イオンクロマトグラフィーで分析しながら、反応温度、反応時間等を調節し行えばよい。
リン酸塩として、ピロリン酸メラミンを得る場合、原料となるオルトリン酸のメラミン塩としては、オルトリン酸1モルとメラミン1モルから構成されるオルトリン酸一メラミンが、加工機の腐食抑制と耐候性、難燃性の点から好ましい。
また、リン酸塩として、ピロリン酸ピペラジンを得る場合、原料となるオルトリン酸のピペラジン塩としては、オルトリン酸2モルとピペラジン1モルから構成される二オルトリン酸一ピペラジンが、加工機の腐食抑制と耐候性、難燃性の点から好ましい。
次に、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物について説明する。本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物は、本発明のリン酸アミン塩組成物を含有するものである。本発明のリン酸アミン塩組成物は、難燃剤、特に合成樹脂の難燃剤に使用されることが好適であり、リン酸アミン塩難燃剤組成物として使用される。リン酸アミン塩難燃剤組成物として使用する場合は、本発明のリン酸アミン塩組成物が1種以上含有されればよい。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物は、加工機の腐食抑制と耐候性、難燃性の点から、本発明のリン酸アミン塩組成物の含有量が、10質量%以上100質量%以下であることが好ましく、20質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物は、加工機の腐食抑制と、耐候性、難燃性の点から、リン酸メラミン組成物(A)を含有することが好ましい。
また、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物は、加工機の腐食抑制と耐候性、難燃性の点から、リン酸ピペラジン組成物(B)を含有することが好ましい。
さらにまた、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物は、加工機の腐食抑制と耐候性、特に難燃性の点から、リン酸メラミン組成物(A)およびリン酸ピペラジン組成物(B)を含有することが好ましい。リン酸メラミン組成物(A)とリン酸ピペラジン組成物(B)との含有比率(質量基準)は、加工機の腐食抑制と耐候性、特に難燃性の点から、(A)/(B)=20/80〜80/20が好ましく、(A)/(B)=20/80〜50/50がより好ましく、(A)/(B)=30/70〜50/50がさらにより好ましく、35/65〜45/55がさらにより好ましい。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、難燃助剤である金属酸化物を配合してもよい。金属酸化物の例としては酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウムおよび酸化ケイ素等が挙げられ、その中でも、酸化亜鉛が好ましい。これら金属酸化物は表面処理されていてもよい。
酸化亜鉛は市販品を使用することができ、例えば、酸化亜鉛1種(三井金属鉱業(株)製)、部分被膜型酸化亜鉛(三井金属鉱業(株)製)、ナノファイン50(平均粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業(株)製)、ナノファインK(平均粒径0.02μmの珪酸亜鉛被膜した超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業(株)製)等が挙げられる。金属酸化物を含有させる場合、その含有量は、リン酸アミン塩難燃剤組成物中に含まれるリン酸アミン塩の合計100質量部に対して、難燃性の点から、0.01〜10質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1.0〜7.5質量部がさらにより好ましい。0.01質量部未満であると難燃助剤効果が十分ではなく、10質量部を超えると、樹脂の特性を低下させる場合がある。
また、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、ドリップ防止剤を配合してもよい。ドリップ防止剤としては、フッ素系ドリップ防止剤やシリコンゴム類、層状ケイ酸塩等が挙げられる。
ドリップ防止剤は特にフッ素系のドリップ防止剤が好ましく、フッ素系のドリップ防止剤の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系樹脂やパーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロ−t−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−2−エチルヘキサンスルホン酸カルシウム塩等のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩化合物またはパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。ドリップ防止剤の中でも、ドリップ防止性の点から、ポリテトラフルオロエチレンが最も好ましい。
層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、タルク等が挙げられ、その層間に、有機カチオン、第4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンがインターカレートされているものでもよい。
ドリップ防止剤を含有させる場合、ドリップ防止剤の含有量は、リン酸アミン塩難燃剤組成物中に含まれるリン酸アミン塩の合計100質量部に対して、0.005〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.05〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。0.005質量部未満だとドリップ防止効果が十分ではなく、5質量部を超えると樹脂の特性を低下させる場合がある。
また、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、配合時における二次凝集の抑制や耐水性を改良するためにシリコーンオイルを配合してもよい。シリコーンオイルの例としては、ポリシロキサンの側鎖、末端が全てメチル基であるジメチルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部が水素であるメチルハイドロジェンシリコーンオイル等や、これらのコポリマーが挙げられ、またこれらの側鎖および/または末端の一部に有機基を導入した、アミン変性、エポキシ変性、脂環式エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メルカプト変性、ポリエーテル変性、長鎖アルキル変性、フロロアルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級脂肪酸アミド変性、シラノール変性、ジオール変性、フェノール変性および/またはアラルキル変性した変性シリコーンオイルを使用してもよい。
シリコーンオイルの具体例を挙げると、ジメチルシリコーンオイルとして、KF−96(信越化学(株)製)、KF−965(信越化学(株)製)、KF−968(信越化学(株)製)等が挙げられ、メチルハイドロジェンシリコーンオイルまたはメチルハイドロジェンポリシロキサン構造を有するシリコーンオイルとして、KF−99(信越化学(株)製)、KF−9901(信越化学(株)製)、HMS−151(Gelest社製)、HMS−071(Gelest社製)、HMS−301(Gelest社製)、DMS−H21(Gelest社製)等が挙げられ、メチルフェニルシリコーンオイルの例としては、KF−50(信越化学(株)製)、KF−53(信越化学(株)製)、KF−54(信越化学(株)製)、KF−56(信越化学(株)製)等が挙げられ、エポキシ変性品としては、例えば、X−22−343(信越化学(株)製)、X−22−2000(信越化学(株)製)、KF−101(信越化学(株)製)、KF−102(信越化学(株)製)、KF−1001(信越化学(株)製)、カルボキシル変性品としては、例えば、X−22−3701E(信越化学(株)製)、カルビノール変性品としては、例えば、X−22−4039(信越化学(株)製)、X−22−4015(信越化学(株)製)、アミン変性品としては、例えば、KF−393(信越化学(株)製)等が挙げられる。
シリコーンオイルを含有させる場合、シリコーンオイルの含有量は、リン酸アミン塩難燃剤組成物中に含まれるリン酸アミン塩の合計100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部がさらにより好ましい。0.01質量部未満であると二次凝集の抑制や耐水性が十分でない場合があり、10質量部を超えると、樹脂の特性を低下させる場合がある。
また、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、難燃剤粉末の凝集を防止し、保存安定性の向上のためや、耐水性、耐熱性を付与するために、シランカップリング剤を配合してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、アルケニル基を有するシランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられ、アクリル基を有するシランカップリング剤として、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、メタクリル基を有するシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン等が挙げられ、エポキシ基を有するシランカップリング剤として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシオクチルトリメトキシシラン等が挙げられ、アミノ基を有するシランカップリング剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等が挙げられ、イソシアヌレート基を有するシランカップリング剤として、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられ、メルカプト基を有するシランカップリング剤として、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、ウレイド基を有するシランカップリング剤として、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、スルフィド基を有するシランカップリング剤として、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられ、チオエステル基を有するシランカップリング剤として、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランが挙げられ、イソシアネート基を有するシランカップリング剤として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらシランカップリング剤の中でも、難燃剤粉末の凝集を防止し、保存安定性の向上や、耐水性、耐熱性の点から、エポキシ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤は、市販品が使用でき、その例を挙げると、ビニルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−1003、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−171、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6300、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL XL10、日美商事株式会社製のサイラエースS210等が挙げられ、ビニルトリエトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBE−1003、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−151、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6519、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF56、日美商事株式会社製のサイラエースS220等が挙げられ、ビニルトリアセトキシシランとしては、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF62が挙げられ、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランとしては、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−172が挙げられ、ビニルメチルジメトキシシランとしては、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−2171、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL XL12等が挙げられ、オクテニルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−1083が挙げられ、アリルトリメトキシシランとしては、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6825が挙げられ、p−スチリルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−1403が挙げられ、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランとしては、KBM−5103が挙げられ、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−502、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6033等が挙げられ、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−503、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−174、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6030、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF31、日美商事株式会社製のサイラエースS710等が挙げられ、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBE−502が挙げられ、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBE−503、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のY−9936が挙げられ、メタクリロキシオクチルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−5803が挙げられ、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−303、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−186、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6043、日美商事株式会社製のサイラエースS530等が挙げられ、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−402、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6044、日美商事株式会社製のサイラエースS520等が挙げられ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−403、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−187、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6040、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF80、日美商事株式会社製のサイラエースS510等が挙げられ、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBE−402が挙げられ、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBE−403、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1871、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF82等が挙げられ、グリシドキシオクチルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−4803が挙げられ、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−602、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−2120、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF−95、日美商事株式会社製のサイラエースS310等が挙げられ、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−603、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1120、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1122、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6020、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6094、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF−91、日美商事株式会社製のサイラエースS320等が挙げられ、3−アミノプロピルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−903、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1110、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6610、日美商事株式会社製のサイラエースS360等が挙げられ、3−アミノプロピルトリエトキシシランとしては、KBE−903、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1100、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6011、日美商事株式会社製のサイラエースS330等が挙げられ、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンとしては、KBE−9103、日美商事株式会社製のサイラエースS340等が挙げられ、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−573、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のY−9669、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6883等が挙げられ、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンとしては、日美商事株式会社製のサイラエースXS1003が挙げられ、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩としては、信越化学工業(株)製のKBM−575、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6032、日美商事株式会社製のサイラエースS350等が挙げられ、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートとしては、信越化学工業(株)製のKBM−9659が挙げられ、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−802、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6852、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBM−803、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−189、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6062、日美商事株式会社製のサイラエースS810等が挙げられ、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランとしては、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1891、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6911が挙げられ、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランとしては、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1160が挙げられ、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBE−585が挙げられ、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドとしては、信越化学工業(株)製のKBE−846が挙げられ、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランとしては、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−LINK599が挙げられ、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランとしては、信越化学工業(株)製のKBE−9007、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のA−1310等が挙げられ、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとしては、モンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のY−5187、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のGENIOSIL GF40等が挙げられる。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物中にシランカップリング剤を配合する場合、その含有量は、リン酸アミン塩難燃剤組成物中に含まれるリン酸アミン塩の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、より好ましくは0.05〜3.0質量部、さらにより好ましくは0.1〜2.0質量部である。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱性、加工機の腐食リスク低減、耐候性の点から、ハイドロタルサイト化合物を配合してもよい。本発明において、ハイドロタルサイト化合物とは、マグネシウムおよび/または亜鉛とアルミニウムとの炭酸複塩化合物をいう。ハイドロタルサイト系化合物は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特開昭61−174270号公報等に記載の公知の方法を例示することができる。また、本発明においては、ハイドロタルサイト系化合物の結晶構造、結晶粒子系或いは結晶水の有無およびその量等に制限されることなく使用することできる。
また、ハイドロタルサイト化合物は、過塩素酸処理することもでき、その表面をステアリン酸のような高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のような高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のような有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆したものも使用できる。ハイドロタルサイト化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Mgx1Znx2Al(OH)2(X1+X2)+4・CO・mHO (1)
ここで、式(1)中、x1およびx2は各々下記式で表される条件を満たす数を示し、mは実数を示す。
0≦x2/x1<10、2≦x1+x2<20
ハイドロタルサイト系化合物は市販品を使用することができ、例えば、DHT−4(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、DHT−4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、マグセラ−1(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー1(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー2(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー4(アルカマイザーP−93)(亜鉛変性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー7(亜鉛変性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー5(過塩素酸処理ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)等が挙げられ、特にDHT−4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)が好ましい。
ハイドロタルサイト系化合物を含有させる場合の、その含有量は、リン酸アミン塩難燃剤組成物中に含まれるリン酸アミン塩の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部であり、耐熱性、加工機の腐食リスク低減、耐候性の点から、より好ましくは0.05〜4質量部であり、さらにより好ましくは0.1〜2質量部である。
また本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記金属酸化物以外の難燃助剤を配合することもできる。難燃助剤としては例えば多価アルコール化合物が挙げられる。
多価アルコール化合物とは、複数のヒドロキシル基が結合している化合物であり、難燃性を向上させる難燃助剤として添加する化合物である。難燃助剤の多価アルコール化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、キシロース、スクロース(シュクロース)、トレハロース、イノシトール、フルクトース、マルトース、ラクトース等が挙げられる。これらのうち、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール等の、ペンタエリスリトール、または、ペンタエリスリトールの縮合物が好ましく、ペンタエリスリトールの縮合物がより好ましく、ジペンタエリスリトールが特に好ましい。また、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートおよびソルビトールも好適に使用することができる。ペンタエリスリトールの縮合物は、ペンタエリスリトールとペンタエリスリトールの縮合物の混合物でもよい。
また、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、滑剤を配合してもよい。このような滑剤としては、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、低分子量ポリエチレン、ポリエチレンワックス等の純炭化水素系滑剤;ハロゲン化炭化水素系滑剤;高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤;脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステル、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル(エステルワックス)等のエステル系滑剤;金属石鹸、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリグリセロールの部分エステル系の滑剤や、シリコーンオイル、鉱油等が挙げられる。滑剤は2種以上でもよい。
滑剤を含有させる場合の含有量は、リン酸アミン塩難燃剤組成物中に含まれるリン酸アミン塩の合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量である。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、更に、ハロゲンを含有しない、有機または無機系の難燃剤または難燃助剤の一種以上を使用することができる。それら難燃剤・難燃助剤としては、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、無機リン系難燃剤、ジアルキルホスフィン酸塩、シリコーン系難燃剤、金属酸化物、ホウ酸化合物、膨張性黒鉛、その他の無機系難燃助剤、その他の有機系難燃剤等が挙げられる。
トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン、アンメリン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3−ヘキシレンジメラミン等が挙げられる。
金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、キスマー5A(協和化学工業(株)製水酸化マグネシウムの商標)等が挙げられる。
リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリスイソプロピルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(t−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
縮合リン酸エステル系難燃剤の例としては、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ナフタレン−2,5−ジイル−テトラフェニル ビス(ホスフェート)、[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル−テトラフェニル ビス(ホスフェート)、[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ビス(ホスフェート)、テトラフェニル(チオビス(4,1−フェニレン))ビス(ホスフェート)、テトラフェニル(スルホニルビス(4,1−フェニレン))ビス(ホスフェート)等が挙げられる。
無機リン系難燃剤としては、赤リンが挙げられる。
ジアルキルホスフィン酸塩としては、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。
その他の無機系難燃助剤としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等の無機化合物、およびその表面処理品が挙げられる。その具体例としては、例えば、TIPAQUE R−680(石原産業(株)製酸化チタンの商標)、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製酸化マグネシウムの商標)、DHT−4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー4(協和化学工業(株)製亜鉛変性ハイドロタルサイトの商標)、等の種々の市販品を用いることができる。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、必要に応じて、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、老化防止剤等を配合してもよい。これらの成分は本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物にあらかじめ配合してもよいし、合成樹脂に配合するときに合成樹脂に配合してもよい。これらを配合することにより合成樹脂を安定化することが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらのフェノール系酸化防止剤の配合量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。これらのリン系酸化防止剤の配合量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、および、ペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルチオプロピオン酸)エステル類が挙げられる。これらのチオエーテル系酸化防止剤の配合量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。これらの紫外線吸収剤の配合量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜30質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,2,3,4−ブタンカルボン酸/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール/3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナール/1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルエステル重縮合物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)=デカンジオアート/メチル=1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=セバカート混合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルヘキサデカノエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオクタデカノエート等が挙げられる。これらのヒンダードアミン系光安定剤の配合量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜30質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。
老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニルジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系等が挙げられる。これらの老化防止剤の配合量は、合成樹脂に配合したときに、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として強化材を配合してもよい。これらの成分は本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。この強化材としては、通常合成樹脂の強化に用いられる繊維状、板状、粒状、粉末状のものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維および硼素繊維等の無機繊維状強化材、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、再生セルロース繊維、アセテート繊維、ケナフ、ラミー、木綿、ジュート、麻、サイザル、亜麻、リネン、絹、マニラ麻、さとうきび、木材パルプ、紙屑、古紙およびウール等の有機繊維状強化材、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトおよび白土等の板状や粒状の強化材が挙げられる。これらの強化材は、エチレン/酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で被覆または集束処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシラン等のカップリング剤等で処理されていてもよい。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、更に結晶核剤を配合してもよい。結晶核剤としては一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを適宜用いることができ、本発明においては無機系結晶核剤および有機系結晶核剤のいずれをも使用することができる。これらの成分は本発明のリン酸塩系難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。
無機系結晶核剤の具体例としては、カオリナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネート等の金属塩を挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレート等の有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウム等の有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等のリン化合物金属塩、および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム等を挙げることができる。
また、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、合成樹脂中の残渣触媒を中和するために、公知の中和剤を添加してもよい。中和剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸金属塩、または、エチレンビス(ステアロアミド)、エチレンビス(12−ヒドロキシステアロアミド)、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド化合物が挙げられ、これら中和剤は混合して用いてもよい。
さらに、本発明のリン酸アミン塩難燃性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、更にアクリル系加工助剤を配合してもよい。アクリル系加工助剤は、(メタ)アクリル酸エステルの1種を重合または2種以上を共重合させたものが使用できる。これらの成分は本発明の難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。重合または共重合する(メタ)アクリル酸エステルの例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。また、これら以外にも、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ基を含有した(メタ)アクリル酸エステルも挙げられる。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、可塑剤を配合してもよい。可塑剤としては、一般にポリマーの可塑剤として用いられるものを適宜用いることができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、エーテルエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤等を挙げることができる。これらの成分も、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。
その他、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物には、必要に応じて通常合成樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、帯電防止剤、金属石鹸、充填剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、発泡剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、アクリル系加工助剤以外の加工助剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で、配合することができる。これらの成分は、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物を合成樹脂に配合するときに、合成樹脂に配合してもよい。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物として、2種類以上のリン酸アミン塩を使用する場合や、上述の他の配合成分と混合する場合は、混合には各種混合機を用いることができる。混合時には加熱してもよい。使用できる混合機の例を挙げると、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型混合機、W型混合機、スーパーミキサー、ナウターミキサー等が挙げられる。
次に、本発明の難燃性合成樹脂組成物について説明する。本発明の難燃性合成樹脂組成物は、合成樹脂に対し、本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物が配合されたものである。本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物は、合成樹脂の難燃化に効果があり、合成樹脂に配合し、難燃性合成樹脂組成物として好ましく用いられる。本発明の難燃性合成樹脂組成物は、加工機の腐食が抑制されて加工性に優れ、また耐候性と難燃性に優れる成形体が得られる。
本発明のリン酸アミン塩難燃剤組成物により、難燃化される合成樹脂の具体例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンおよびこれらの共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂;石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等の芳香族ポリエステルおよびポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル;ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタムおよびポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリカーボネート、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらのブレンド物あるいはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴムポリエーテルスルホン、ポリサルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等を挙げることができる。更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
さらに難燃化させる合成樹脂の具体例を挙げると、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ニトリル系熱可塑性エラストマー、ナイロン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これら合成樹脂は、1種でも2種以上を使用してもよい。また合成樹脂はアロイ化されていてもよい。
本発明で使用する合成樹脂は、分子量、重合度、密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合、立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料となるモノマーの種類や配合比率、重合触媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロセン触媒等)等に関わらず、使用することができる。これら合成樹脂の中でも、優れた難燃性を付与できる点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の例を挙げると、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、ハイインパクトコポリマーポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ヘミアイソタクチックポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリブテン、シクロオレフィンポリマー、ステレオブロックポリプロピレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン/プロピレンブロックまたはランダム共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のα−オレフィン共重合体等が挙げられる。
本発明の難燃性合成樹脂組成物は、リン酸アミン塩難燃剤組成物の合計含有量が、加工機の腐食抑制と耐候性、難燃性の点から、難燃性合成樹脂組成物中、10質量%以上60質量%未満であることが好ましく、20質量%以上50質量%未満であることがより好ましく、25質量%以上45質量%未満であることがさらにより好ましい。10質量%未満だと十分な難燃性が発揮できない場合があり、60質量%以上だと樹脂本来の物性を損なう場合がある。
次に、本発明の成形体について説明する。本発明の成形体は、本発明の難燃性合成樹脂組成物から得られるものである。本発明の難燃性合成樹脂組成物は成形することにより、難燃性と耐候性に優れた成形品を得ることができる。成形方法は、特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、ブロー成形等が挙げられ、樹脂板、シート、フィルム、異形品等の種々の形状の成形品が製造できる。
本発明の難燃性合成樹脂組成物は加工時に加工機の腐食の恐れがなく、さらに得られる成形体は、耐候性と難燃性に優れる。
本発明の難燃性合成樹脂組成物およびその成形体は、電気自動車、機械、電気・電子機器、OA機器等のハウジング(枠、筐体、カバー、外装)や部品、自動車内外装材等に使用できる。
本発明の難燃性合成樹脂組成物およびその成形体は、電気・電子・通信、農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類、医療、石炭、石油、ゴム、皮革、自動車、精密機器、木材、建材、土木、家具、印刷、楽器等の幅広い産業分野に使用することができる。より具体的には、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、複写機、ファクシミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、カード、ホルダー、文具等の事務、OA機器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の家電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレーヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV機器、コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電気・電子部品および通信機器、OA機器等のハウジング(枠、筐体、カバー、外装)や部品、自動車内外装材の用途に用いられる。
さらに、本発明の難燃性合成樹脂組成物およびその成形体は、座席(詰物、表地等)、ベルト、天井張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サンバイザー、ホイルカバー、マットレスカバー、エアバック、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被覆材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、デッキ材、壁材、柱材、敷板、塀の材料、骨組および繰形、窓およびドア形材、こけら板、羽目、テラス、バルコニー、防音板、断熱板、窓材等の、自動車、ハイブリッドカー、電気自動車、車両、船舶、航空機、建物、住宅および建築用材料や、土木材料、衣料、カーテン、シーツ、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、テント、楽器等の生活用品、スポーツ用品、等の各種用途に使用される。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
下記の製造例1〜10に従い、本発明のリン酸アミン塩組成物を製造した。また、比較製造例1〜6に従い、比較リン酸アミン塩組成物を製造した。製造例1〜10および比較製造例1〜6のリン酸アミン塩組成物の組成分析は、下記の分析条件で行なった面積比(%)から求めた。
・イオンクロマトグラフィー:ICS−2100(DIONEX社製)
・カラム:DIONEX IONPAC AS19(4×250mm)
・溶離液:水酸化カリウム水溶液
また、製造例1〜10および比較製造例1〜6のリン酸アミン塩組成物中の、アンモニウムカチオンの濃度は、下記の分析方法で行なった。
・イオンクロマトグラフィー:ICS−2000(DIONEX社製)
・カラム:DIONEX IONPAC CS17(4×250mm)
・溶離液:メタンスルホン酸水溶液
なお、本分析方法の検出限界(LOD)は 0.1質量ppmである。
〔製造例1〕リン酸メラミン組成物−1の製造
オルトリン酸一メラミンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度215〜225℃、回転数800〜1000rpmの条件で5.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸メラミン組成物−1を得た。得られたリン酸メラミン組成物−1は、オルトリン酸一メラミンを1.9質量%、ピロリン酸メラミンを98.0質量%、3分子以上のオルトリン酸一メラミンが縮合したポリリン酸メラミンを0.1質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを950ppm含んでいた。
〔製造例2〕リン酸メラミン組成物−2の製造
オルトリン酸一メラミンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度210〜220℃、回転数800〜1000rpmの条件で6.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸メラミン組成物−2を得た。得られたリン酸メラミン組成物−1は、オルトリン酸一メラミンを3.2質量%、ピロリン酸メラミンを96.75質量%、3分子以上のオルトリン酸一メラミンが縮合したポリリン酸メラミンを0.05質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを130ppm含んでいた。
〔製造例3〕リン酸メラミン組成物−3の製造
オルトリン酸一メラミンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度210〜220℃、回転数800〜1000rpmの条件で7.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸メラミン組成物−3を得た。得られたリン酸メラミン組成物−3は、オルトリン酸一メラミンを2.8質量%、ピロリン酸メラミンを97.1質量%、3分子以上のオルトリン酸一メラミンが縮合したポリリン酸メラミンを0.1質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを320ppm含んでいた。
〔製造例4〕リン酸メラミン組成物−4の製造
オルトリン酸一メラミンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度215〜225℃、回転数800〜1000rpmの条件で6.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸メラミン組成物−4を得た。得られたリン酸メラミン組成物−4は、オルトリン酸一メラミンを1.5質量%、ピロリン酸メラミンを98.2質量%、3分子以上のオルトリン酸一メラミンが縮合したポリリン酸メラミンを0.3質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを1470ppm含んでいた。
〔製造例5〕リン酸メラミン組成物−5の製造
オルトリン酸一メラミンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度215〜225℃、回転数800〜1000rpmの条件で7.5時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸メラミン組成物−4を得た。得られたリン酸メラミン組成物−5は、オルトリン酸一メラミンを1.0質量%、ピロリン酸メラミンを98.5質量%、3分子以上のオルトリン酸一メラミンが縮合したポリリン酸メラミンを0.5質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを1960ppm含んでいた。
〔比較製造例1〕比較リン酸メラミン組成物−1の製造
オルトリン酸一メラミンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度210〜215℃、回転数800〜900rpmの条件で7.5時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、比較リン酸メラミン組成物−1を得た。得られた比較リン酸メラミン組成物−1は、オルトリン酸一メラミンを3.6質量%、ピロリン酸メラミンを96.35質量%、3分子以上のオルトリン酸一メラミンが縮合したポリリン酸メラミンを0.05質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを50ppm含んでいた。
〔比較製造例2〕比較リン酸メラミン組成物−2の製造
オルトリン酸一メラミンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度215〜225℃、回転数800〜1000rpmの条件で8.5時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、比較リン酸メラミン組成物−2を得た。得られた比較リン酸メラミン組成物−5は、オルトリン酸一メラミンを0.6質量%、ピロリン酸メラミンを98.6質量%、3分子以上のオルトリン酸一メラミンが縮合したポリリン酸メラミンを0.8質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを2120ppm含んでいた。
〔比較製造例3〕比較ピロリン酸メラミン−3
水中、5〜20℃の温度で、ピロリン酸とメラミンを中和反応させ、沈殿したピロリン酸メラミンを濾別し、蒸留水で洗浄後、30℃で真空乾燥し、粉末状の比較ピロリン酸メラミン−3を得た。得られた比較ピロリン酸メラミン−3は、ピロリン酸メラミン100質量%であった(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンは、検出限界(LOD)未満であった。
〔製造例6〕リン酸ピペラジン組成物−6の製造
二オルトリン酸一ピペラジンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度235〜245℃、回転数800〜1000rpmの条件で3.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸ピペラジン組成物−6を得た。得られたリン酸ピペラジン組成物−6は、二オルトリン酸一ピペラジンを1.0質量%、ピロリン酸ピペラジンを98.95質量%、3分子以上の二オルトリン酸一ピペラジンが縮合したポリリン酸ピペラジンを0.05質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを660ppm含んでいた。
〔製造例7〕リン酸ピペラジン組成物−7の製造
二オルトリン酸一ピペラジンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度230〜240℃、回転数800〜1000rpmの条件で4.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸ピペラジン組成物−7を得た。得られたリン酸ピペラジン組成物−7は、二オルトリン酸一ピペラジンを2.1質量%、ピロリン酸ピペラジンを97.85質量%、3分子以上の二オルトリン酸一ピペラジンが縮合したポリリン酸ピペラジンを0.05質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを120ppm含んでいた。
〔製造例8〕リン酸ピペラジン組成物−8の製造
二オルトリン酸一ピペラジンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度230〜240℃、回転数800〜1000rpmの条件で5.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸ピペラジン組成物−8を得た。得られたリン酸ピペラジン−8は、二オルトリン酸一ピペラジンを1.7質量%、ピロリン酸ピペラジンを98.25質量%、3分子以上の二オルトリン酸一ピペラジンが縮合したポリリン酸ピペラジンを0.05質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを310ppm含んでいた。
〔製造例9〕リン酸ピペラジン組成物−9の製造
二オルトリン酸一ピペラジンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度235〜245℃、回転数800〜1000rpmの条件で5.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸ピペラジン組成物−9を得た。得られたリン酸ピペラジン組成物−9は、二オルトリン酸一ピペラジンを0.6質量%、ピロリン酸ピペラジンを99.2質量%、3分子以上の二オルトリン酸一ピペラジンが縮合したポリリン酸ピペラジンを0.2質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを1420ppm含んでいた。
〔製造例10〕リン酸ピペラジン組成物−10の製造
二オルトリン酸一ピペラジンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度235〜245℃、回転数800〜1000rpmの条件で6.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、リン酸ピペラジン組成物−10を得た。得られたリン酸ピペラジン組成物−10は、二オルトリン酸一ピペラジンを0.4質量%、ピロリン酸ピペラジンを99.2質量%、3分子以上のオルトリン酸一ピペラジンが縮合したポリリン酸ピペラジンを0.4質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを1910ppm含んでいた。
〔比較製造例4〕比較リン酸ピペラジン組成物−4の製造
二オルトリン酸一ピペラジンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度230〜235℃、回転数800〜900rpmの条件で5.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、比較リン酸ピペラジン組成物−4を得た。得られた比較リン酸ピペラジン組成物−4は、二オルトリン酸一ピペラジンを2.4質量%、ピロリン酸ピペラジンを97.55質量%、3分子以上の二オルトリン酸一ピペラジンが縮合したポリリン酸ピペラジンを0.05質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを40ppm含んでいた。
〔比較製造例5〕比較リン酸ピペラジン組成物−5の製造
二オルトリン酸一ピペラジンの粉末30Kgを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T、容量150L)を使用して、温度240〜250℃、回転数800〜1000rpmの条件で7.0時間加熱撹拌し、脱水縮合反応を行い、比較リン酸ピペラジン組成物−5を得た。得られたリン酸ピペラジン組成物−5は、二オルトリン酸一ピペラジンを0.3質量%、ピロリン酸ピペラジンを99.1質量%、3分子以上の二オルトリン酸一ピペラジンが縮合したポリリン酸ピペラジンを0.6質量%含有していた。(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンを2170ppm含んでいた。
〔比較製造例6〕比較ピロリン酸ピペラジン−6
水中、5〜20℃の温度で、ピロリン酸とピペラジンを中和反応させ、沈殿したピロリン酸ピペラジンを濾別し、蒸留水で洗浄後、30℃で真空乾燥し、粉末状の比較ピロリン酸ピペラジン−6を得た。比較ピロリン酸ピペラジン−6はピロリン酸ピペラジン100質量%であった(ただし、全リン酸アミン塩の合計を100質量%とする)。また、アンモニウムカチオンは、検出限界(LOD)未満であった。
〔実施例1〜15および比較例1〜9〕
表1〜3記載の配合で、製造例1〜10で得られたリン酸アミン塩組成物、および比較製造例1〜6で得られた比較リン酸アミン塩組成物を用いて、リン酸アミン塩難燃剤組成物を調整した。なお、表1〜3には、リン酸アミン塩中のアンモニウムカチオンの含有量を併記した。得られたリン酸アミン塩難燃剤組成物の腐食試験を、下記腐食試験方法で行った。結果を表1〜3に示す。
<腐食試験方法>
容量100mlのガラス製のテストチューブにリン酸アミン塩難燃剤組成物10gを入れた。更にそのテストチューブの中に直径10mmの真鍮製の試験棒を、リン酸アミン塩難燃剤組成物に試験棒の下半分が浸るように入れた。テストチューブを、air中、200℃のブロックバスに入れ加熱した。400時間後の、真鍮製の試験棒のリン酸アミン塩難燃剤組成物に浸かっていた部分の表面状態を目視で確認し、以下のように評価した。
評価は、試験棒の表面に変化が見られなかったものを良好であり評価1とし、評価の数値が大きくなるほど、試験棒の表面が変色し、腐食されたことを示し、評価5では、試験棒の表面全体が黒く変色し、最も腐食されて悪かったことを示す。
〔実施例1〜15および比較例1〜9〕
ポリプロピレン(メルトフローレート=8g/10min)60質量部に、ステアリン酸カルシウム(滑剤)0.1質量部、テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル]メタン(フェノール系酸化防止剤)0.1質量部、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト(リン系酸化防止剤)0.1質量部、グリセリンモノステアレート(滑剤)0.3質量部を配合して得られたポリプロピレン樹脂組成物に対して、製造例1〜10および比較製造例1〜6で得られたリン酸アミン塩難燃剤組成物を表1〜3記載の配合量(質量部)で添加して実施例1〜15および比較例1〜9の難燃性合成樹脂組成物を得た。なお、表1〜3には、リン酸アミン塩組成物中のアンモニウムカチオンの含有量を併記した。
難燃性合成樹脂組成物を、2軸押出機((株)日本製鋼所製 TEX−28)を用いて、230℃、9kg/時間の条件で押し出してペレットを製造し、これを使用して200℃で射出成型し、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの試験片を得た。この試験片を用いて難燃性試験として、下記試験方法で、UL−94V試験を行った。結果を表1〜3に示す。さらに、この試験片を用いて、下記試験方法で耐候性試験を行った。結果を表1〜3に示す。
<難燃性UL−94V試験方法>
得られた試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行ない、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。また、落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。1回目と2回目の燃焼時間、および綿着火の有無等から、UL−94V規格にしたがって燃焼ランクをつけた。燃焼ランクはV−0が最も難燃性に優れ、V−1、V−2となるにしたがって難燃性は低下し、NRが最も難燃性に劣る。
<耐候性試験(耐候着色性試験)方法>
得られた試験片を、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製)、雨有り、ブラックパネル温度63℃で600時間まで耐候性促進試験を行った。0時間(初期値)と、600時間における試験片の黄色度(YI)、黄変度(ΔYI)を測定した。黄変度(ΔYI)の値が小さいほど耐候着色性に優れる。
Figure 2019240181
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表1〜3の結果から、加工機に対する腐食のおそれがなく、かつ、合成樹脂に優れた難燃性および耐候性を付与することができる難燃剤として使用できるリン酸アミン塩組成物、リン酸アミン塩難燃剤組成物、これを含有する難燃性合成樹脂組成物が得られることがわかる。本発明によれば、加工機を腐食せずに容易に加工して得られ、耐候性と難燃性に優れた成形体が得られる。

Claims (9)

  1. リン酸アミン塩を1種以上含有するリン酸アミン塩組成物であって、アンモニウムカチオンの含有量が、100〜2000質量ppmであることを特徴とするリン酸アミン塩組成物。
  2. 前記リン酸アミン塩組成物中のアミンが、メラミンである請求項1記載のリン酸アミン塩組成物。
  3. 前記リン酸アミン塩組成物中のアミンが、ピペラジンである請求項1記載のリン酸アミン塩組成物。
  4. 請求項2記載のリン酸アミン塩組成物(A)と、請求項3記載のリン酸アミン塩組成物(B)と、の混合物であるリン酸アミン塩組成物。
  5. 前記リン酸アミン塩組成物(A)と、前記リン酸アミン塩組成物(B)と、の含有比率が、質量比で、(A)/(B)=20/80〜80/20の範囲内である請求項4記載のリン酸アミン塩組成物。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項記載のリン酸アミン塩組成物を含有することを特徴とするリン酸アミン塩難燃剤組成物。
  7. 合成樹脂に対し、請求項6記載のリン酸アミン塩難燃剤組成物が配合されたことを特徴とする難燃性合成樹脂組成物。
  8. 前記合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である請求項7記載の難燃性合成樹脂組成物。
  9. 請求項7または8記載の難燃性合成樹脂組成物から得られることを特徴とする成形体。
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