JP2013212853A - チャック付き包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】開封した後の開口が開いた状態を保持することができ、また内容物が粉状体や粒状体であってもチャックテープに噛み込みを生じて再封できなくなるとういう事態の発生を防止できること。
【解決手段】チャックテープを構成する雄型テープ部材10と雌型テープ部材20のうち、少なくとも雌型テープ部材20における凹型嵌合部22と基部21とに間隔をおいて複数の切れ目が間隔をおいて形成されている。チャックテープ自体の剛性が低くなるとともに反りを生じさせる力が分断されるので、開封した後の開口が元に戻ろうとする反発力が低減され、開口が開いた状態が保持される。また、内容物を粉状体や粒状体とした場合に、雌型テープ部材20の凹型嵌合部22に内容物が挟まったとしても、切れ目から内容物が落ちて嵌合時の噛み込みが軽減される。
【選択図】図2

Description

本発明は、粉状体や粒状体をはじめ、その他流動性のある物質などを収納するのに用いられる軟包装袋の技術分野に属し、詳しくは、開封した後に再封が可能なチャック付き包装袋に関するものである。
従来より、内容物の一部をそのまま袋に残して開封箇所を繰り返し封鎖できる軟包装袋として、チャック付き包装袋が多く用いられている。この包装袋は、内面がヒートシール性を有する表裏の積層フィルムからなり、上辺シール部より内側の部位に開口部を開閉するためのチャックを設けるとともに、このチャックより開口端側をヒートシールすることで構成されている。収納した内容物を取り出すには、チャックと上辺シール部との間をノッチを取っ掛かりに手で引き裂いたり、はさみやナイフなどの切断具により切断してから、チャックの噛み合いを外して開封する。そして、所定量の内容物を取り出した後は、チャックを閉じることで再封するようになっている。
特開平10−250746号公報
上記したチャック付き包装袋は、チャックテープ自体に剛性や反りがあるため、開封した後で開口状態を所望の形で保持することができず、内容物の取出しに支障を生じることがある。また、内容物が粉状体あるいは粒状体の場合だと、チャックテープのところで内容物を噛み込んでしまい、しっかり閉じられないといった問題もあった。
本発明は、上記のような従来のチャック付き包装袋が有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、開封した後の開口が開いた状態を保持することができ、また内容物が粉状体や粒状体であってもチャックテープに噛み込みを生じて再封できなくなるとういう事態の発生を防止できるチャック包装袋を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係るチャック付き包装袋は、内面がヒートシール性を有する表裏の積層フィルムを製袋して作成され、開口予定部より内側にチャックテープが取り付けられたチャック付き包装袋であって、チャックテープは、一方の積層フィルムにおける左右の側部に跨がって内面に取り付けられた雄型テープ部材と、これに対向するように他方の積層フィルムにおける左右の側部に跨がって内面に取り付けられた雌型テープ部材とで構成されており、雄型テープ部材は、積層フィルムに熱融着されるテープ状の基部とその基部に対して長さ方向に一体形成された凸型嵌合部とを有し、雌型テープ部材は、積層フィルムに熱融着されるテープ状の基部とその基部に対して長さ方向に一体形成され雄型テープ部材の凸型嵌合部と噛み合う凹型嵌合部とを有しており、少なくとも雌型テープ部材における凹型嵌合部と基部とに複数の切れ目が間隔をおいて形成されていることを特徴とする。
そして、上記構成のチャック付き包装袋において、雌型テープ部材における凹型嵌合部と基部において凹型嵌合部に対向する部分とに切れ目が形成されている形態にすることができる。
本発明のチャック付き包装袋は、チャックテープを構成する雄型テープ部材と雌型テープ部材のうち、少なくとも雌型テープ部材における凹型嵌合部と基部とに間隔をおいて複数の切れ目が間隔をおいて形成されているので、チャックテープ自体の剛性が低くなるとともに反りを生じさせる力が分断されることから、開封した後の開口が元に戻ろうとする反発力が低減され、開口が開いた状態が保持されることとなり、内容物の取出しを容易に行えるようになる。また、内容物を粉状体や粒状体とした場合に、雌型テープ部材の凹型嵌合部に内容物が挟まったとしても、切れ目から内容物が落ちて嵌合時の噛み込みが軽減されるので、再封できなくなるという事態の発生を防止できる。
本発明に係るチャック付き包装袋の一例を示す平面図である。 図1のX−X線での断面を示す説明図である。 チャックテープを構成する雌型テープ部材の一例を示す斜視図である。 チャックテープを構成する雌型テープ部材の別の例を示す斜視図である。 チャックテープに切れ目を形成する方法を説明するための斜視図である。 チャックテープの材質を説明するための模式断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1およびび図2に示すチャック付き包装袋Pは、基材フィルム層1にシーラント層2が積層され内面がヒートシール性を有する積層フィルムFを使用して作成されている。すなわち、2枚の積層フィルムFをシーラント層2どうしが向かい合う状態で重ね合わせ、しかる後、その周囲3辺をヒートシールして底部シール部3と左右のサイドシール部4を形成した平パウチの構造に製袋されたもので、開口予定部5となる位置に対応して左右のサイドシール部4にそれぞれ開封用ノッチ6が形成されており、開封予定部5より内側にチャックテープTが取り付けられている。
このチャックテープTは、図2の断面図に示すように、一方の積層フィルムFにおける左右の側部に跨がって内面に取り付けられた雄型テープ部材10と、これに対向するように他方の積層フィルムFにおける左右の側部に跨がって内面に取り付けられた雌型テープ部材20とで構成されている。このうち雄型テープ部材10は、積層フィルムFに熱融着されるテープ状の基部11と、その基部11に対して長さ方向に一体形成された凸型嵌合部12とを有しており、雌型テープ部材20は、積層フィルムF熱融着されるテープ状の基部21と、その基部21に対して長さ方向に一体形成され雄型テープ部材10の凸型嵌合部12と噛み合う凹型嵌合部22を有している。
ここで、本発明の主要な構成として、チャックテープTにおける雌型テープ部材20には、図3に示すように、基部21と凹型嵌合部22に対して複数の切れ目αがで形成されている。この実施形態では、凹型嵌合部22が連続形成される方向と直交するようにして5〜10mmの一定間隔で切れ目αが形成されている。
この切れ目αは、雌型部材20を積層フィルムFに熱融着した後、基部21と凹型嵌合部22とに渡ってにカッター刃を入れることで形成され、この雌型部材20を取り付けた積層フィルムFと雄型部材10を取り付けたもう一方の積層フィルムFとを用いて図1のチャック付き包装袋Pが製袋される。
そして、図1に示すチャック付き包装袋Pに対し、その上部開口から内容物を所定量投入し、しかる後その開口をヒートシールして上部シール部を形成することにより、内容物を充填した製品としてのチャック付き包装袋を製造する。
この製品包装袋から内容物を取り出すに際しては、開封用ノッチ6の部分を取っ掛かりとして積層フィルムFを引き裂くことで開口を形成してから、チャックテープTの嵌合状態を外して開封する。このようにして開封すると、チャックテープTの雌型テープ部材20に複数の切れ目αが一定間隔で形成されているので、チャックテープT自体の剛性が低くなるとともに反りを生じさせる力が分断される。したがって、開封した後の開口が元に戻ろうとする反発力が低減され、開口が開いた状態が保持されることとなり、内容物の取出しを容易に行える。また、内容物を粉状体や粒状体とした場合に、雌型テープ部材20の凹型嵌合部22に内容物が挟まったとしても、切れ目αから内容物が落ちて嵌合時の噛み込みが軽減され、再封できなくなるという事態の発生を防止できる。また、凹型嵌合部22が各ブロックに分断されていることにより、凸型嵌合部12と凹型嵌合部22が嵌合していない箇所を認識しやすくなるため、確実に嵌合することができる。
本発明における切れ目は、開封した後の開口が開いた状態を保持できるように凹型嵌合部22と基部21とに形成されればどのような形状でも構わないが、凹型嵌合部22が連続形成される方向と直交するように形成するのが本数を多く形成できる点で好ましい。また、切れ目の間隔は等間隔でもランダムでも構わない。
図4は雌型テープ部材20の他の例を示しており、この雌型テープ部材20は、凹型嵌合部22とそれに対向する基部21の一部に複数の切れ目βを一定間隔で形成したものである。雌型テープ部材20がこのタイプの場合、バラバラにならないので、一本のチャックテープとしてロール状態で供給しながらチャック付き包装袋Pを製袋することができる。
図3および図4に示す例では雌型テープ部材20にのみ切れ目を入れたが、雌型テープ部材20に加え、雄型テープ部材10にも同様な切れ目を形成するようにしてもよい。
雄型テープ部材10と雌型テープ部材20の両方に切れ目を入れるには、それぞれに対して別々の工程で切れ目入れるようにしてもよいが、一回の工程で雄型テープ部材10と雌型テープ部材20の両方に切れ目を入れることができる。すなわち、チャックテープTを積層フィルムFに取り付ける前の段階において、雄型テープ部材10と雌型テープ部材20を嵌合した状態で、図5に示すように、雌型テープ部材20の基部21側から凹型嵌合部22に切れ目を形成するようにカッター刃Cを入れるようにする。この場合、基部11および基部21を、凸型嵌合部21および凹型嵌合部22よりも広い幅としておき、凹型嵌合部22および基部21の凹型嵌合部22と対向する部分に切れ目を形成する。このとき、雄型テープ部材10には凸型嵌合部12のみに切れ目を形成するようにしてもよいし、基部11まで貫通するように切れ目を形成してもよい。このようにして雄型テープ部材10と雌型テープ部材20を嵌合した状態で切れ目を形成すると、一本のチャックテープとしてロール状態で供給しながらチャック付き包装袋Pを製袋することができる。なお、図5のように、雄型テープ部材10と雌型テープ部材20を嵌合した状態で切れ目を形成する場合は、図3のように、雌型テープ部材20の凹型嵌合部22と基部21の全幅に切れ目が形成される場合であっても、雄型テープ部材10の基部11を貫通しないように切れ目を形成することにより、一本のチャックテープとしてロール状態で供給しながらチャック付き包装袋Pを製袋することができる。
両方の部材10,20に切れ目を入れたチャックテープTを用いたチャック付き包装袋Pにあっては、雌型テープ部材20のみに切れ目を入れたものに比べて、チャックテープT自体の剛性はより低くなるとともに、反りを生じさせる力は両方の部材10,20に渡って分断されるので一層弱くなる。また、開封した後の開口が元に戻ろうとする反発力も一層低減され、開口状態がより良好に保持れるようになり、内容物が粉状体や粒状体の場合にこれらの噛み込みが一層軽減される。
〔積層フィルム〕
本発明のチャック付き包装袋に用いる積層フィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられ、簡単な構成では、基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられるが、袋に充填される内容物や、充填後の取扱い条件、或いは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて、基材フィルム層とシーラント層との間などに、例えば、中間層として、水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用する。また、上記の基材フィルム層、中間層、シーラント層などは、それぞれ単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
基材フィルム層には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのほか、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムなどの二軸延伸ポリエステルフィルムや、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などの二軸延伸ポリアミドフィルムなどを好適に使用することができるが、必要に応じて各種エンジニアリングプラスチックフィルムを使用することもできる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
中間層をガスバリヤー層とする場合、中間層には、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリルなどのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを使用することができる。これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。また、中間層を強度向上層とする場合は、前記基材フィルムを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。上記の基材フィルム層と中間層の積層には、公知のドライラミネーション法または押出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
シーラント層には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンのほか、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレンまたはその共重合体などを使用することができる。シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押出しラミネーション法で積層してもよく、また、上記の樹脂を押出しコートして積層することもできる。
〔チャックテープ〕
図6は本発明で用いるチャックテープの材質を説明するための模式断面図であり、2枚の積層フィルムFの間で相対する位置に取り付けられた雄型テープ部材10と雌型テープ部材20とをそれらの噛み合いが外された状態で示してある。
雄型テープ部材10と雌型テープ部材20は、2層以上の多層(図では2層)の樹脂で構成されており、雄型テープ部材10では、その凸型嵌合部11のある嵌合部側10aと積層フィルムFに熱融着される取付け側10bとが、また、雌型テープ部材20では、その凹型嵌合部21のある嵌合部側20aと積層フィルムに熱融着される取付け側20bとが、それぞれ熱融着温度の異なる樹脂で形成されている。ただし、雄型テープ部材10の取付け側10bと雌型テープ部材20の取付け側20bは同じ樹脂でよい。
これは、雄型テープ部材10と雌型テープ部材20をそれぞれ積層フィルムFに熱融着する際に、両者を嵌合させた一本のチャックテープとしてロール状態で供給しながら熱融着する方法があり、このような方法を採る場合、それぞれの嵌合部側10a,20aと取付け側10b,20bとが同じ樹脂だと、突き合わされた雄型テープ部材10と雌型テープ部材20のテープ体同士が熱融着しやすく、熱融着すると嵌合状態の解離が不可能となるからである。したがって、雄型テープ部材10の嵌合部側10aの樹脂と雌型テープ部材20の嵌合部側20aの樹脂とは、互いに熱融着しないか、熱融着する場合はその融着温度が、取付け側10b,20bの樹脂よりも5〜25℃程度高いことが好ましい。
各テープ部材10,20における嵌合部側10a,20aの樹脂と取付け側10b,20bの樹脂の選定は、積層フィルムFのシーラント層の樹脂との関係も考慮して決定する必要があるが、例えば、嵌合部側10a,20aの樹脂にポリプロピレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1共重合体などを用いた場合、取付け側10b,20bの樹脂には、それらの密度、分子量を小さくした樹脂、或いは、それらの共重合体や、共重合体でコモノマーの含有量を多くした樹脂、さらには、材質とともに融点などの異なる樹脂などを、前記温度差をつけられるように適宜選択して用いることができる。
本発明の包装袋は、上記した四方シール袋に限るものではなく、三方シール袋、ガセット袋、スタンディングパウチ、その他のいずれの包装形態を採りえるものである。
また、本発明の包装袋は、電子レンジ用途にも使用することができる。雌型テープ部材と雄型テープ部材を嵌合させた状態で電子レンジで加熱調理するが、内圧が高まる前に切れ目が蒸気の通り道となって蒸気を逃がすことができる。したがって、内容物が飛び出すことがなく、安全に加熱調理することができる。また、内圧が高まらないと蒸気が逃げず、袋の中には一定の蒸気が充満しているため、圧力を必要とする調理や蒸らして調理する用途にも好適である。
P チャック付き包装袋
F 積層フィルム
T チャックテープ
C カッター刃
α,β 切れ目
1 基材フィルム層
2 シーラント層
3 底部シール部
4 サイドシール部
5 開口予定部
6 開封用ノッチ
10 雄型テープ部材
10a 嵌合部側
10b 取付け側
11 基部
12 凸型嵌合部
20 雌型テープ部材
20a 嵌合部側
20b 取付け側
11 基部
21 基部
22 凹型嵌合部

Claims (2)

  1. 内面がヒートシール性を有する表裏の積層フィルムを製袋して作成され、開口予定部より内側にチャックテープが取り付けられたチャック付き包装袋であって、チャックテープは、一方の積層フィルムにおける左右の側部に跨がって内面に取り付けられた雄型テープ部材と、これに対向するように他方の積層フィルムにおける左右の側部に跨がって内面に取り付けられた雌型テープ部材とで構成されており、雄型テープ部材は、積層フィルムに熱融着されるテープ状の基部とその基部に対して長さ方向に一体形成された凸型嵌合部とを有し、雌型テープ部材は、積層フィルムに熱融着されるテープ状の基部とその基部に対して長さ方向に一体形成され雄型テープ部材の凸型嵌合部と噛み合う凹型嵌合部とを有しており、少なくとも雌型テープ部材における凹型嵌合部と基部とに複数の切れ目が間隔をおいて形成されていることを特徴とするチャック付き包装袋。
  2. 雌型テープ部材における凹型嵌合部と基部において凹型嵌合部に対向する部分とに切れ目が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチャック付き包装袋。
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