JP2006176143A - 易開封性包装袋 - Google Patents

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哲男 松下
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Abstract

【課題】 包装袋の製造が比較的簡単で、包装体で内容物の密封状態を維持できて容易に手指で開封でき、しかも、内容物と包装袋の分離や内容物の取り出しが容易な、背貼りを有するガゼット型包装袋を提供する。
【解決手段】 互いに略平行方向の6辺で画された6つの側面と背貼りとを備え、6辺のうちの相対する1対が内側に折り込まれた谷折り線をなす変型六角筒形状の包装袋で、背貼りは側面のうちの谷折り線を含まない面に設けられており、6辺のうちの、谷折り線の少なくとも一方に隣接する2辺に沿って帯状の接着部分が設けられており、かつ、変型六角筒の両端の少なくとも一端における背貼りと帯状接着部との間に、開封開始手段が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラスチックスフィルム製で、包装体を手指で容易に開封でき、内容物の取り出しも容易な、易開封性でガゼット型の包装袋に関する。
プラスチックフィルムを代表的な材料として用い、内容物の形状と大きさに合わせて構成された包装袋が多く用いられている。中でも、背貼りを有するガゼット型包装袋は、その製造が比較的簡単であるにもかかわらず、箱物や和菓子類等の立体形状を有する内容物の形状にあわせた美しい包装が可能なため、広く用いられている。
しかし、一般にガゼット型包装体の開封は比較的難しく、包装体側部の折り込み部分が開封時の抵抗になりやすい。そのため、開封時にハサミ等の道具を用いて横シール部と内容物との間の部分を切断したりする必要があるが、道具を使用するのでは面倒である。また、羊羹のように流動体を包装袋に充墳してから冷却固化させたゲル状物や、カステラのような充填時に酸素吸収剤を封入するため包装体の中が減圧となっていた場合は、フィルムと内容物が密着しているため、開封後の包装袋と内容物との分離や内容物の取り出しに手間取ることがあった。
また、包装体の一部に開封用のノッチなどを設けて、包装体を手指で引き裂いて開封するようなこともなされているが、その際の開封線のでき方が不安定なため、開封に伴って内容物を傷めてしまうこともあった。さらに、立体形状を有する内容物の場合、内容物を取り出しやすくするためには、包装体の開封口を大きく開けることが必要とされるが、安定して大きな開封口を得るのは難しいのが実情であった。
背貼りを有するガゼット型包装袋に関する易開封技術としては、プラスチックフィルム製の背貼りタイプの袋において、袋の片方の側面或いは対応する両方の側面の内壁面にほぼその全面を覆う巾広の引き裂きガイド補強部材を一体的に設けて構成した、背貼りを有するガゼット型の包装袋が特許文献1に開示されている。しかし、ガイド補強部材は製袋前にあらかじめ貼り付けておく必要があり、貼り付けた後はデザイン変更等の自由度がなくなる。また、ガイド補強部材は意外に外れやすく、外れた場合に開封線が予定外の方向に進行することがあった。さらに、ガイド補強材の分だけ袋上下の横ヒートシール部分の厚みが増大し、その結果、横ヒートシール部分の接着強度が低下する問題があった。
また、開封用テープを包装材から形成された袋体の全長に渡って貼り合わせ、開封用テープの両端部のうちの少なくとも一方の端部に隣接する袋体に、易開封用の処置を施した部分より引き裂くことにより、開封用テープを境にして分割するようにした袋体が特許文献2に開示されている。しかし、開封用テープを装着するため製造設備が複雑となり、製造コストも増大する問題点があった。
また、被包装体をほぼ直方体形状に包み込む、背貼りを有するガゼット型の包装袋であって、シート状をした包装材の相対する端部を接着した帯状接着部と、この帯状接着部により筒形状になった包装材の開放端を重ね合わせて封止するために板状に接着された板状接着部とを有する包装袋において、帯状接着部は、包装袋の直方体形状の長手方向に沿って配置されるとともに、板状接着部に設けられた開封用の切込みより外側かつ近傍に設けられており、開封用の切込みから包装袋を引き裂くことによって帯状接着部に沿って破断が行われて、開封用の切込み部の外側に被包装体の取り出し口が形成される包装袋が、特許文献3に記載されている。しかし、実際に開封してみると必ずしも帯状には開封されず、開封線が途中で細って帯状接着部に沿った直線上開封となりやすい問題があった。
また、袋の表面および背面のうち一方の面に、両サイド辺と平行に合掌状の背貼りシール帯が背びれ状に形成されていると共に、その両サイド辺と直交する2辺のうちの一方の辺にシール帯が形成されている袋において、シール帯にV字形のノッチを、そのV字形の切り欠きが前記背貼りシール帯にも差しかかるように、かつそのVの字の先端が前記背貼りシール帯の基端線に位置するように設置する包装袋が、特許文献4に開示されている。しかし、これでは開封口が直線状となり、内容物が立体的で密に充填包装されている場合に、内容物が取り出し難いという問題があった。
特許第2585096号公報 実開昭64−26250号公報 特許第3516539号公報 特開2003−54578号公報
本発明は、包装袋の製造が比較的簡単で、包装体で内容物の密封状態を維持できて容易に手指で開封でき、しかも、内容物と包装袋の分離や内容物の取り出しが容易な、背貼りを有するガゼット型包装袋を提供することを課題とする。
本発明の第1は、互いに略平行方向の6辺で画された6つの側面と背貼りとを備え、前記6辺のうちの相対する1対が内側に折り込まれた谷折り線をなす変型六角筒形状の包装袋であって、前記背貼りは前記側面のうちの前記谷折り線を含まない面に設けられており、前記の6辺のうちの、前記谷折り線の少なくとも一方に隣接する2辺に沿って帯状の接着部分が設けられており、かつ、前記変型六角筒の両端の少なくとも一端における前記背貼りと前記帯状接着部との間に、開封開始手段が設けられていることを特徴とする易開封性包装袋である。 ここで、前記の背貼りは、前記6辺に略平行であり、かつ当該背貼りが設けられた面の略中央に位置していることは、外観上や製造のしやすさ等から好ましい。また、前記の帯状の接着部分が、前記軸方向の全長に渡って設けられていることは、開封線が予定外に山折り線に近づいた場合にも易開封性を保つことができて好ましい。また、少なくとも基材層と熱接着性樹脂層とを有する積層フィルムを用いて構成されたことは、包装袋の必要強度を満たし易く好ましい。また、上記に記載のいずれかの包装袋に、内容物がタイトに収納されている易開封性包装体であることは、易開封の効果を得られ易く好ましい。
本発明の包装体から得られる包装体は、内容物が密封包装できてかつ容易に手指で開封できる。その際、背貼りと帯状接着部とに挟まれた部分が引き裂け、かつ引き裂きによりできる開封線が二本の帯状接着部の間に入り込まないので、開口が大きくなる。そのため、開封後の内容物の取り出しが容易である。包装体両端部のヒートシール強度が大きい。また、補強材が不要で包装袋の製造が比較的容易であり、製造設備的にも簡単な設備を追加するだけで製造できる。
本発明の実施の形態例について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、易開封性包装袋の概略構成を示した模式図である。図1(1)は包装袋1を内容物投入用の開口50の方向から見た斜視図であり、図1(2)は同じ包装袋1の正面図であり、図1(3)は包装袋1の左側面図である。なお、図1では熱接着部分を斜線で示している。図2〜4でも同様である。
包装袋1は、内容物を収納した場合に箱型の空間を構成しうる6つの側面からなる変型六角筒形状の側面部と、変型六角筒の軸方向の両端に位置して、熱接着により密封されているか若しくは内容物充填後に密封可能な端部とからなる。図1に示す例では、一方の端部27が熱接着されて形成された熱接着部31により密封されており、他方の端部26は内容物を充填するために開いたままの開口50となっている。端部26は内容物が充填されたのち、熱接着されて密封される。側面部は、軸方向に略並行の6辺20〜25で画されて、かつ互いに順次接続された6つの側面10〜16からなる六角筒を構成している。なお、面10と面16は背貼り30で同一面(背面)になるよう接続されている。これら六辺のうちの相対する一対の二辺22、23を谷折り線として、側面12〜15が六角筒の内側に折り込まれた変形六角筒形状となっている。ここで軸方向とは、図1(1)に両矢印で示したように、おおむね軸対称に構成されている包装袋1の対称軸に対して平行方向を意味する。また、相対するとは、包装袋の対称軸に対して略対称位置にあることを言う。
包装袋は、内容物が充填されるまでは、谷折り線22、23を含む平面12〜15を内側に折り込んだ状態となっている。これに開口50から内容物が充填されると、側面12と13、および側面14と15との間の折りたたみ状態が消滅して、それぞれが略一つの平面になる。これで、側面部は変型六角筒形状から箱形状に変形する。この箱形状の内側に内容物が収納される(ガゼット型包装袋)。
側面部を構成する六つの面10〜16は1枚のフィルムから構成されており、変型六角筒の対称軸に沿って、面10と16の接合部に設けられた背貼り30により筒状となっており、さらに相対する2本の谷折り線22、23と、4本の山折り線20、21、24、25により変型六角筒形状をなしている。背貼り30は、2本の谷折り線22、23のいずれも含まない面(面10+面16)の、軸に直角方向のほぼ中央の位置に設けられており、これにより、後述する熱接着部32、33との間に、開封線を形成する引き裂きを開始可能な部分(図1(2)中の両矢印で示す領域A)が保持される。なお、背貼り30の軸に直角方向の位置は、手指で引き裂き開始するための領域Aを確保するためには、面の中央の位置から左右いずれかにある程度ずれていても良いが、面の略中央とするのがより望ましい。これにより包装袋の製造が容易となるうえ、開封線が意図せぬ部分に入り込みにくくなる。
包装袋1の一方の谷折り線23に隣接する2本の山折り線24、25に沿って、帯状の熱接着部32、33が、包装袋1の全長に渡って設けられている。これらの部分は、もともと一枚のフィルムからなっているが、さらに帯状に熱接着することによりこれらの部分の引き裂き強度を上げる。これは、背貼り30と帯状の熱接着部32、33に挟まれた部分を引き裂くことにより包装体を開封するのであるが、その際、生成される開封線が背貼り30と帯状の熱接着部32、33により挟まれた範囲内に限定されるようにするためである。これにより、開封線が熱接着部32、33より側面側に入り込むのを防ぐことができ、予期せぬ開封線の発生によるトラブルを防ぐことができる。
また、帯状の熱接着部32、33を、少なくとも谷折り線23に隣接する2本の山折り線24、25に沿って設けることにより、帯状の熱接着部32、33に挟まれた部分を開封口とすることが可能となる。つまり、帯状の熱接着部32、33によりこれらを越えて開封線が生成されるのを防止することで、面16と面11にそれぞれ発生する開封線の間隔が細ってしまうことを防ぐことができる。その結果、開封口を大きく確保することが可能となる。なお、帯状の熱接着部は、図1の例では4本の山折り線の2本だけに設けているが、残りの2本にも設けても良いことは言うまでもない。
帯状の熱接着部32、33は、包装袋の全長に渡って設けるようにするのが確実な開封のために望ましいが、開封開始手段41に近い部分では途切れていても良く、必ずしも全長に渡って設けなければならないわけではない。開封開始手段41に近い部分では、まだ開封線は熱接着部32、33に到達しないため、熱接着部をこの部分まで設けておく必要はないからである。
帯状の熱接着部の幅は、包装袋の大きさにもよるが、一般に1mm以上10mm以下とするのが好ましい。この範囲内で、開封の際に必要な強度を確保しながら、包装体の外観やフィルム使用量への影響を最小に留めることができる。より好ましくは1mm以上8mm以下であり、さらに好ましくは2mm以上5mm以下である。
端部26の、背貼り30と帯状の熱接着部32、33とに挟まれた領域Aには、開封を開始するための手段41を設けている。この開封開始手段41から手指で包装体の開封を開始する。開封開始手段41は、切り欠き、ノッチ、微細傷痕、ミシン目等のいずれでもよく、また、その形状は、直線状、V字型、半円形等のいずれの形状でもよく、手指の力で開封を開始できるものであればよい。
開封開始手段41の軸方向に直角方向の位置は、帯状の熱接着部32と背貼り30との間とするのがよい。この位置に開封開始手段41を設けることにより、帯状の熱接着部32と背貼り30に挟まれた範囲に開封線が生じる範囲を限定することができる。より好ましくは、図1(2)で示したように谷折り線23と背貼り30の間に配置するのがよい。このようにすることにより、面14、15の存在が、摘み方によって開封時の引き裂きの際の抵抗になったりすることがなく、よりスムーズに開封を行うことが可能になる。
また、図1の例では、開封開始部41は端部26の一カ所だけに設けているが、端部27に設けてもよく、また端部26と端部27の両方に設けても良い。さらに、帯状の熱接着部を4本の山折り線20、21、24、25のそれぞれに沿って設けた場合は、図2に示した対称位置の4カ所の領域Aのいずれに設けても良いし、全部に設けても良い。
このように、背貼り30と帯状の熱接着部で挟まれた部分に開封線が生じる範囲を限定することで、予期せぬ開封性の発生を防止することができ、また、谷折り線を挟む2本の山折り線に沿って帯状の熱接着部を設けることで、開封に伴い発生する表裏フィルムの2本の開封線の間隔が狭くなってしまうのを防止して、大きい開封口を確保することが可能となる。このような包装袋は、開封用テープや補強部材を用いることなく、わずかな製造設備の追加だけで容易に製造することができる。
図3は、図1の包装体1に箱状の内容物を収納して、端部26をヒートシールして熱接着部34を構成し、密封包装した包装体2の斜視図である。なお、内容物の収納は、通常のガゼット型包装袋と同様にすればよい。内容物の収納にあたっては、タイトに収納するのが望ましい。ここで、タイトに収納するとは、包装袋の側面部が四角筒形状となった場合の最大容積に対して、内容物の体積が80%以上を占めることを言う。より好ましくは90%以上である。このような場合であっても、大きく開いて取り出しやすい開口を安定して得ることができる。開封開始手段41に近い軸方向の2辺24、25に帯状の熱接着部32、33が設けられている。この包装体2を開封するには、開封開始手段41の両側を手指でつかんで熱接着部34を引き裂くようにすればよい。
図4は、この包装体2を開封する途中の状態を示した斜視図であり、引き裂かれた包装体の開封片36が、図中の矢印B方向に包装体2から切り離されつつある状態が示されている。開封開始手段41から生じた開封線42と43は、表裏の面16と11を蛇行しながら伝搬し、開封の途中でそれぞれが帯状の熱接着部32と33に到達する。帯状の熱接着部32と33に到達すると、開封線42、43は帯状の熱接着部32と33にそれぞれ沿って伝搬し、その際に帯状の熱接着部32と33を横切って伝搬することはない。さらに開封を続けると、開封線42と42が下端の熱接着部31に到達するまで包装袋を引き裂くことができる。このようにすることで、開封口を大きく確保でき、内容物51を十分に露出させることができる。これで内容物51の取り出しが容易となる。
このような包装体は、壊れやすい内容物でも、壊すことなく開封と取り出しを行うことができる。また、羊羹やカステラのように内容物とフィルムとが密着している包装体でも、包装体から内容物を容易に分離することができる。さらに、大きい開封口を確保できるから、インスタントカメラのような箱状の内容物が高い充填率で密に包装されている場合でも包装体から容易に取り出すことができる。また、開封テープや補強部材を用いないので、両端部のヒートシール強度が十分大きく維持でき、予期せぬ破袋が生じるおそれがない。また、開封テープなどがないため内容物や印刷が見づらくなることがなく、外観が美しく陳列効果に優れている。
次に、このような包装袋の製造方法について説明する。まず、包装袋の材料のは、少なくとも基材層と熱接着性樹脂層とが積層して構成されたプラスチック製の積層フィルムを用いるのがよい。また、基材層と熱接着性樹脂層は、それぞれに適したプラスチックフィルムを用いるのがよい。さらに、積層フィルムを得るには、複数のプラスチックフィルムやその他の材質の層を公知の積層手段で積層すればよい。
基材層に用いるフィルムは、包装体に必要な強度を付与するためのフィルムであり、ポリプロピレン(以下、PP)製延伸フィルム(以下、OPP)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのナイロン樹脂(以下、Ny)製延伸フィルム(以下、ONy)、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂の二軸延伸フィルム等が好適に用いられる。また、必要に応じてこれら以外のフィルムも用いることができる。引き裂き方向性を付与するためには、延伸されたものを用いるのが好ましい。特に、袋の開封方向とフィルムの引き裂き方向とが一致するように、フィルムの配向方向を調整する方がよい。
基材層に用いるフィルムは、強度以外の機能も有しているのが好ましい。例えばガスバリヤー性、中でも酸素バリヤー性を持たせることは好ましい。バリヤー性の付与の方法として、例えば、前記OPP、ONy、PETフィルムの表面にポリ塩化ビニリデン(以下PVDC)、ポリビニルアルコール(以下PVA)、オルガノシロキサン等のバリヤー性を有する層をコーティングしたフィルムを用いることができる。また、前記OPP、ONy、PETフィルムの表面にアルミニウム(以下Al)を蒸着したフィルムや、ONy、PETフィルムの表面に酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の無機酸化物を蒸着したフィルムを用いることができる。
また、OPPの代わりにPPとエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下EVOH)を積層し延伸したフィルム等を用いたり、ONyの代わりにNyとメタキシレンアジパミド樹脂を積層し延伸したフィルムやNyとEVOHを積層し延伸したフイルム等を用いることができる。また、前記OPP、ONy、PETフィルムに、PVDCフィルム、EVOHフィルム、Al箔等のそれ自身がガスバリヤー性を有するフィルムを積層することができる。さらに必要に応じて前記各種フィルムならびに前記以外のフィルムを積層してもよい。また、消費者の購買意欲を促進するためや包装された食品に関する情報を表示するために、前述したOPP、ONy、PETフィルム等の基材フィルム62の一部に印刷を行なってもよい。これらの基材層として用いることができるフィルムは、公知の方法で製造することができる。
熱接着性樹脂層に用いるフィルムは、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等を用いることができる。具体的には、東セロ社製のTUXシリーズ(商品名)の厚み40ミクロン〜80ミクロンの一般タイプをあげることができる。
ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂のフィルムの製造方法としては公知のフィルム製造方法を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂をTダイより押し出して冷却ロールにより冷却・製模する方法、円形ダイより押し出してインフレーションにより冷却・製膜する方法等がある。また、いったんフィルムを形成してから延伸してもよい。
基材層となるフィルムと熱接着性樹脂層となるフィルムを積層する方法は、接着剤を使用したドライラミネーションによるのが、様々なフィルムを組み合わせることができるため好ましい。しかし、溶融した樹脂を2枚のフィルムの間に押出しして介在層とする押し出しラミネーションでもよい。その際、必要に応じてフィルム表面にアンカーコート剤を塗布し、接着強度の向上を図ってもよい。介在層に使用する樹脂は、LDPE、エチレン−αオレフィン共重合体、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、PP等を用いることができる。
包装袋の製造にあたっては、熱接着性樹脂層が包装袋の内側になるようにして、通常のガゼット型包装袋の製造と同様にして製造すればよい。通常のガゼット型包装袋の製造工程と異なる部分は、帯状の熱接着部を設けるためのヒートシール工程があること、帯状の熱接着部を形成する際に、ヒートシールバーとフィルムとの位置関係がずれないように措置すること、いずれかの端部において帯状の熱接着部と背貼りとの間に開封開始手段を設けることである。
これらを前提として、包装袋の製造は次のようにすればよい。長尺の基材層用フィルムと、熱接着性層用フィルムとをドライラミネーションで積層した積層フィルムをあらかじめ用意する。製袋工程では、長尺方向に積層フィルムを流しながら、筒状に丸めて合わせ部分を流れ方向にヒートシールして背貼りを作る。次に、この背貼りを略中央にして、その両サイドを内側に折り込んで折り畳み、変型六角筒に成型する。その際、フイルムの流れ方向に平行方向のヒートシールバーを用いて、変型六角筒の少なくとも一方の山折り線の部分をヒートシールし、帯状の熱接着部を設ける。
次いで、フィルム流れ方向に直角方向のヒートシールバーを用いて、包装体端部の密封端になる熱接着部を一定間隔ごとに形成する。次に、この密封端となる熱接着部の近傍で、六角筒を一定長さごとに切断し、合わせていずれかの端部に開封開始手段の切り欠き等を設ける。これで、包装袋が完成する。なお、積層フィルムの熱接着強度は、大きい方が良いことは言うまでもないが、20N/15mm幅以上であれば実用的には十分である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、熱接着強度の評価は以下のようにして行った。まず試験片は、2枚のフィルムの熱接着面を合わせて、その一端をテスター産業(株)製ヒートシールテスターTP−701Sで、熱接着時間1秒、熱接着圧力98kPa、熱接着温度を180℃として試験片を作成した。熱接着強度の測定はJIS−Z1707に従い、23℃、相対湿度50%環境下にて測定した。ただし、試験速度は、毎分300±30mmとした。フィルムの流れ方向(MD)と幅方向(TD)についてそれぞれ複数の試験片を測定して平均をとった。
積層フィルムとして、基材層としての厚み12μmのPETフィルム、介在層としての厚み15μmの低密度ポリエチレン、バリア層としての厚さ7μmのアルミニウム箔、第1の熱接着性樹脂層としての厚さ30μmの低密度ポリエチレン、第2の熱接着性樹脂層としての厚さ20μmのEVAフィルムをこの順番で積層して積層フィルムとし、これをスリットして幅190mmの長尺の積層フィルムを得た。
次に、この積層フィルムを用いて、図1に記載の包装袋と同様のガゼット型包装袋を製袋した。包装袋の幅は55mm、包装体としたときの厚みは30mm、包装袋全体の長さは180mm、背貼り部分の幅は10mm、包装袋全長に渡る帯状の熱接着部のヒートシール幅は2mm、一方の端部の軸方向に直角方向の横ヒートシールの幅は15mmとした。また、横ヒートシールがされた軸方向に直角方向の端辺において、帯状の熱接着部が設けられた軸方向に平行方向の端辺からの距離が20mmとなる位置に、深さ3mmのI字型のノッチを設けて、一端が開口で他端が密封された包装袋を得た。
次に、このようにして得た包装袋に、長さ110mm、幅50mm、厚さ30mmのほぼ直方体のインスタントカメラを挿入して、開口を幅15mmで熱接着して密封し、包装体を得た。同様にして同様の包装体50個を用意した。
これらの包装体を、I字型のノッチから包装体の長さ方向に引き裂いて開封したところ、開封線はすべて帯状の熱接着部に沿うようにして生じ、帯状の熱接着部を越えて開封線が生じることもなかった。また、かなり乱暴に引き裂いても同様であった。いずれも開封口は大きく開き、インスタントカメラをスムーズに取り出すことができた。
比較例1
帯状の熱接着部を設けない以外は、実施例1と同様にして包装体50個を得た。これらをI字型ノッチから引き裂いて開封を試みたところ、すべてのサンプルで開封線が山折り線を越えて伝搬し、その結果、開封線が先細りのV字形状になってしまい、開封口が十分に開かないままとなった。その結果、インスタントカメラをスムーズに取り出すことができなかった。
背貼りを有するガゼット型包装袋の構成例を示した(1)斜視図、(2)正面図、(3)左側面図である。 領域Aとしうる4カ所の対称位置を示した正面図である。 包装体とした場合を示した斜視図である。 包装体の開封状態を説明するための斜視図である。
符号の説明
1 包装袋
2 包装体
10-16 変型六角筒の側面
20、21 軸方向に平行方向の端辺または山折り線(帯状の熱接着部なし)
22、23 谷折り線
24、25 軸方向に平行方向の端辺または山折り線(帯状の熱接着部あり)
26、27 軸方向に直角方向の端辺
30 背貼り
31、34 包装体両端の熱接着部(横ヒートシール部)
32、33、35 帯状の熱接着部
36 開封片
40、41、46 開封開始手段(V字型ノッチ)
42、43 開封線
50 開口
51 内容物

Claims (5)

  1. 互いに略平行方向の6辺で画された6つの側面と背貼りとを備え、前記6辺のうちの相対する1対が内側に折り込まれた谷折り線をなす変型六角筒形状の包装袋であって、前記背貼りは前記側面のうちの前記谷折り線を含まない面に設けられており、前記の6辺のうちの、前記谷折り線の少なくとも一方に隣接する2辺に沿って帯状の接着部分が設けられており、かつ、前記変型六角筒の両端の少なくとも一端における前記背貼りと前記帯状接着部との間に、開封開始手段が設けられていることを特徴とする易開封性包装袋。
  2. 前記の背貼りは、前記6辺に略平行であり、かつ当該背貼りが設けられた面の略中央に位置していることを特徴とする請求項1に記載の易開封性包装袋。
  3. 前記の帯状の接着部分が、前記軸方向の全長に渡って設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の易開封性包装袋。
  4. 少なくとも基材層と熱接着性樹脂層とを有する積層フィルムを用いて構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の易開封性包装袋。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の包装袋に、内容物がタイトに収納されていることを特徴とする易開封性包装体。
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