JP2001301763A - 食品包装フィルム - Google Patents

食品包装フィルム

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JP2001301763A
JP2001301763A JP2000122123A JP2000122123A JP2001301763A JP 2001301763 A JP2001301763 A JP 2001301763A JP 2000122123 A JP2000122123 A JP 2000122123A JP 2000122123 A JP2000122123 A JP 2000122123A JP 2001301763 A JP2001301763 A JP 2001301763A
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layer
packaging bag
packaging
film
heat
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JP2000122123A
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English (en)
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Shinji Komatsu
慎二 小松
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品の包装に不都合なく、かつ、熱シールの
施された部分において包装袋の両面を容易かつ適切に分
離可能な包装フィルムの提供。 【解決手段】 三方シール包装袋又は四方シール包装袋
を構成させる包装フィルムFである。包装袋Hの外側と
なる側に延伸のベースフィルム層1を、内側となる側に
無延伸のシーラント層2を備えている。ベースフィルム
層1がPETの表層を備えている。シーラント層2が、
第一のPP層2a、第二のPP層2b、PE層2cの順
でこれら三層を積層させて構成されている。第二のPP
層2bよりも第一のPP層2aの溶融温度が高く、か
つ、PE層2cの溶融温度よりも第二のPP層2bの溶
融温度が高くなるようにしてある。包装袋Hの両面4、
4を離れ出させる向きに引っ張ることにより、熱シール
部3においてPE層2cと第二のPP層2bとの間で層
間剥離を生じさせるようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フィルムの搬送
方向に沿った向きに連続して施される第一の熱シール
と、当該搬送方向に交叉する向きに間隔を開けて施され
る第二の熱シールとにより、被包装物を充填しながら順
次連続して形成される三方シール包装袋又は四方シール
包装袋を構成させる包装フィルムであって、当該包装袋
の両面を離れ出させる向きに引っ張ることにより、前記
熱シールが施された部分において熱溶着され合わされて
いる当該包装袋の両面を容易に分離させて被包装物の取
り出しが可能な食品包装フィルムの提供に関する。
【0002】
【従来の技術】三方シール包装または四方シール包装に
より形成される食品が充填された包装袋より充填された
食品を取り出すにあたっては、従前はかかる包装袋を切
り裂いて開封をなす他なかった。この取り出しを容易に
する手法としては、包装フィルムを易裂性を持った素材
としたり、包装袋にノッチを設ける手法があったが、い
ずれも包装袋の切り裂きを前提とするものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、前記三方
シール包装または四方シール包装により構成される包装
袋の両面を引っ張ることにより、前記熱シールの施され
た部分において熱溶着され合わされた当該両面を容易に
分離させて、これらの包装によって包装袋に充填された
被包装物を、当該包装袋内に万遍なく被包装物が充填さ
れているか否かにかかわらず、また、当該被包装物の性
状にかかわらず、容易かつ適切に取り出すことができる
手法を発明し、この手法に関連した出願を先に行ってい
る。(特願平11−11155号、特願平11−882
44号、特願平11−263566号)
【0004】その後、本出願人は、前記三方シール包装
または四方シール包装による食品の包装に不都合なく、
かつ、前記熱シールの施された部分において包装袋の両
面を容易かつ適切に分離可能な包装フィルムの検討をさ
らに行い、本出願にかかる包装フィルムに到達するに至
った。
【0005】すなわち、この発明の目的は、三方シール
包装または四方シール包装による食品の包装に不都合な
く、かつ、熱シールの施された部分において包装袋の両
面を容易かつ適切に分離可能な包装フィルムの提供にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明にあっては、食品包装フィルムが以下の
(1)〜(6)の構成を備えたものとした。 (1)フィルムの搬送方向に沿った向きに連続して施さ
れる第一の熱シールと、当該搬送方向に交叉する向きに
間隔を開けて施される第二の熱シールとにより、被包装
物を充填しながら順次連続して形成される三方シール包
装袋又は四方シール包装袋を構成させる包装フィルムで
あって、(2)この包装フィルムが、前記包装袋の外側
となる側に延伸のベースフィルム層を、当該包装袋の内
側となる側に当該ベースフィルム層に接着剤を介してラ
ミネートされた無延伸のシーラント層を備えており、
(3)前記ベースフィルム層が、少なくともポリエチレ
ンテレフタレート(PET)により構成された表層を備
えると共に、(4)前記シーラント層が、前記ベースフ
ィルム層への接着側から当該接着側と反対の側に向け
て、第一のポリプロピレン層(第一のPP層)、第二の
ポリプロピレン層(第二のPP層)、ポリエチレン層
(PE層)の順でこれら三層を積層させて構成されてお
り、(5)しかも、前記シーラント層を構成する前記第
二のポリプロピレン層よりも第一のポリプロピレン層の
溶融温度が高く、かつ、前記ポリエチレン層の溶融温度
よりも前記第二のポリプロピレン層の溶融温度が高くな
るようにしてあると共に、(6)前記包装袋の両面を離
れ出させる向きに引っ張ることにより、前記第一及び第
二の熱シールが施された部分において互いに溶着し合っ
ている当該包装袋の両面側の前記ポリエチレン層と当該
包装袋のいずれかの面側の前記第二のポリプロピレン層
との間で層間剥離を生じさせるようにしてある。
【0007】かかる構成によれば、前記包装袋の両面を
離れ出させる向きに引っ張ることにより、前記第一及び
第二の熱シールが施された部分において互いに溶着し合
っている当該包装袋の両面側の前記ポリエチレン層と当
該包装袋のいずれかの面側の前記第二のポリプロピレン
層との間で層間剥離を生じさせて、包装されている被包
装物を包装袋を切り裂くことなく当該包装袋内から円滑
に取り出すことができる。
【0008】ベースフィルム層を構成する延伸PET
は、透明性が良好であり、また、吸湿性および吸水性が
小さく、さらに、耐熱性などに優れているため、食品を
三方シール包装または四方シール包装により適切に包装
することができる。
【0009】また、シーラント層を構成するPE層は熱
溶融温度が低く、かつ、熱シール可能な温度領域が広い
ため、三方シール包装または四方シール包装をなす充填
包装機によって高速で前記包装袋を形成させることがで
きる。
【0010】また、シーラント層を構成するPE層はベ
ースフィルム層との接着側と反対の側において第二のP
P層に積層されていることから、この第二のPP層とP
E層との材質の違いにより、前記包装袋の両面を離れ出
させる向きに引っ張ることによって前記第一及び第二の
熱シールが施された部分において、当該包装袋の両面側
の溶着し合っているPE層と当該包装袋のいずれかの面
側にある第二のPP層との間に適切に層間剥離を生じさ
せることができる。
【0011】また、PE層の溶融温度が第二のPP層の
溶融温度より低められていることから、PE層を溶融さ
せる温度で熱シールを施す限り第二のPP層までもが溶
融してしまうことがなく、PE層と第二のPP層との接
触界面において両層が混ざり合って溶融して前記層間剥
離を生じさせ難くすることがない。
【0012】また、第一のPP層の溶融温度が第二のP
P層の溶融温度よりも高められていることから、前記包
装袋に充填された被包装物のボイル殺菌などの加熱処理
や冷凍処理などにより、当該包装袋の外側、つまり、前
記ベースフィルム層との接着側にある前記第一のPP層
が劣化し難く、温度変化に対する包装フィルムの耐久性
を高めさせることができ、また、包装フィルムに適度の
剛性を付与することができる。
【0013】その一方で、第二のPP層の溶融温度は第
一のPP層よりもPE層の溶融温度に近しいため、第二
のPP層とPE層との接着性が良好とされ、共押出し多
層法により前記シーラント層を構成するフィルムを適切
に成形することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図7に基づい
て、この発明にかかる食品包装フィルムの典型的な実施
の形態について説明する。
【0015】なお、ここで図1は、かかる包装フィルム
Fによって被包装物Mを充填しながら包装袋H(図1に
示される例では四方シール包装袋)を連続して形成する
充填包装機の構成の概要を斜視の状態として、また、図
2は、当該構成の概要を側方から見た状態で、それぞれ
示している。また、図3は、かかる包装フィルムFによ
って形成された包装袋Hの熱シール部3を当該包装袋H
の両面4、4を離れ出させる向きに引っ張って層間剥離
させ始めた状態を拡大して示した構成図である。また、
図4および図5は、前記包装袋Hの一例を示しており、
また、図6は、図4に示される包装袋Hの熱シール部3
を層間剥離させて当該包装袋Hに充填されていた被包装
物Mを取り出した状態を示している。また、図7は、図
4ないし図6に示される包装袋Hと熱シール部3の構成
の一部を異ならせる包装袋Hの一例を示している。
【0016】この実施の形態にかかる食品包装フィルム
Fは、フィルムの搬送方向xに沿った向きに連続して施
される第一の熱シール8と、当該搬送方向xに交叉する
向きに間隔を開けて施される第二の熱シール9とによ
り、被包装物Mを充填しながら順次連続して形成される
三方シール包装袋又は四方シール包装袋を構成させるも
のであり、食品の包装に適したものである。
【0017】かかる包装フィルムFによる前記包装袋H
の形成は、典型的には、図1に示される構成を備えた充
填包装機によってなされる。
【0018】前記被包装物Mの充填は、前記第一の熱シ
ール8が施されて偏平の筒状とされる前記フィルムFの
内側に、前記第二の熱シール9を施す熱シール手段16
の直上位置に吐出口11aを位置させるように充填管1
1を入り込ませ、当該充填管11を通じて当該吐出口1
1aから連続的に、あるいは、間欠的に、ミンチ状にさ
れるなどして流動性をもった状態で用意された被包装物
Mを送り込ませることによりなされる。
【0019】また、前記第一の熱シール8は、回転軸線
を前記フィルムFの搬送方向xに直交する向きに配した
一対の縦熱ロール15a、15aから構成される熱シー
ル手段15により施される。
【0020】図1に示される例では、図中符号13で示
される原反フィルムから引き出される包装フィルムF
を、符号14で示される二つ折り手段によって二つ折り
にして、このように二つ折りにされた包装フィルムFの
折り辺y側および折り辺y側と反対の側zに沿って一対
の前記第一の熱シール8を施す構成が採られている。す
なわち、図1に示される例では、前記一対の縦熱ロール
15a、15aはそれぞれ、その両端部に、二つ折りに
された包装フィルムFにおける折り辺y側および当該折
り辺y側と反対の側zの縁部に、当該包装フィルムFを
引き込み、かつ、送り出しながら当該包装フィルムFの
搬送方向xに沿って連続的に前記第一の熱シール8を施
す外鍔状をなす環状の隆起部15bを備えている。
【0021】そして、かかる一対の縦熱ロール15a、
15aは、前記隆起部15bを互いに他の縦熱ロール1
5aに向き合った側で当該他の縦熱ロール15aの隆起
部15bに突き当てるように近接させながら、当該近接
される隆起部15bの間に二つ折りにされた包装フィル
ムFを前記二つ折り手段14の側から引き込み、かつ、
引き込まれた当該包装フィルムFを前記第二の熱シール
9を施す熱シール手段16の側に送り出すように、他方
の縦熱ロール15aに対して逆向きに回転される構成と
してある。
【0022】また、前記第二の熱シール9は、回転軸線
を前記包装フィルムFの搬送方向xに直交する向きに配
した一対の横熱ロール16a、16aから構成される熱
シール手段16により施される。
【0023】図1に示される例では、かかる一対の横熱
ロール16a、16aは、前記一対の縦熱ロール15
a、15aにより前記第一の熱シール8の施された包装
フィルムFに対し、当該包装フィルムFを引き込み、か
つ、送り出しながら所定間隔を開けて順次に前記第二の
熱シール9を施す突条部16bを当該横熱ロール16a
の回転軸線方向に沿って突き出し状に備えている。
【0024】この実施の形態にあっては、当該横熱ロー
ル16aは、その両端側にそれぞれ外鍔状部16cを有
すると共に、この外鍔状部16c間に亙って前記突条部
16bを有している。この突条部16bは、この実施の
形態にあっては、かかる横熱ロール16aの回転方向に
亙って間隔を開けて複数か所形成されている。そして、
一対の横熱ロール16a、16aの突条部16bがそれ
ぞれ、当該横熱ロール16aの回転に伴って他方の横熱
ロール16aに向き合う側において、順次に他方の横熱
ロール16aの突条部16bに突き当てられるように近
接され、かかる一対の横熱ロール16a、16a間に引
き込まれる包装フィルムFに対し断続的に当該突条部1
6bによって前記第二の熱シール9を施す構成としてあ
る。
【0025】なお、図1に示される例では、以上のよう
に施される第一の熱シール8と第二の熱シール9とによ
り被包装物Mが充填されて連続状態に形成された包装袋
Hを搬送させる送りローラ10の次順位位置に、かかる
連続状態に形成された包装袋Hに対し、前記第二の熱シ
ール9の幅内においてカッティングを施して個別の包装
袋Hに切り分ける切断手段12が設けてある。
【0026】このように包装袋Hに充填される被包装物
Mとしては、各種の食品が予定される。典型的には、前
記充填段階では流動性を有すると共に、その後の時間の
経過により、あるいは、包装袋Hに包装した状態でのそ
の後の加熱や冷凍処理により固化する食品などが予定さ
れる。
【0027】また、前記三方シール包装袋は、三方シー
ル包装により成形される包装袋Hである。かかる三方シ
ール包装は、長尺の包装フィルムFを二つ折りにした状
態で当該包装フィルムFの長さ方向を搬送方向xに沿わ
せた状態で搬送しながら、当該包装フィルムFの搬送方
向xに沿った向きに連続して第一の熱シール8を施すと
共に、当該搬送方向xに交叉する向きに間隔を開けて第
二の熱シール9を施して、折り辺y以外の少なくとも三
辺(折り辺yと第一の熱シール8との間にさらに一又は
複数の第一の熱シール8を施して包装袋Hが区分された
複数の収納空間を持つようにしてあることもある。)に
熱シール部3を形成させて前記被包装物Mを封入した包
装袋Hを順次連続して形成させるものである。
【0028】また、前記四方シール包装袋Hは、四方シ
ール包装により成形される包装袋Hである。かかる四方
シール包装は、長尺の包装フィルムFを二つ折りにした
状態で、または、二枚の包装フィルムF、Fを向き合わ
せた状態で、当該包装フィルムFの長さ方向を搬送方向
xに沿わせた状態で搬送しながら、当該包装フィルムF
の搬送方向xに沿った向きに連続して一対の第一の熱シ
ール8、8を施すと共に、当該搬送方向xに交叉する向
きに間隔を開けて第二の熱シール9を施して、少なくと
も四辺(前記一対の熱シール8、8間にさらに一又は複
数の第一の熱シール8を施して包装袋Hが区分された複
数の収納空間を持つようにしてあることもある。)に熱
シール部3を形成させて前記被包装物Mを封入した包装
袋Hを順次連続して形成させるものである。
【0029】また、この実施の形態にかかる食品包装フ
ィルムFは、前記包装袋Hの両面4、4を離れ出させる
向きに引っ張ることにより、前記第一及び第二の熱シー
ル8、9が施された部分(熱シール部3)において互い
に溶着し合っている当該包装袋Hの両面4、4側の後述
するポリエチレン層2cと当該包装袋Hのいずれかの面
側の後述する第二のポリプロピレン層2bとの間2dで
層間剥離を生じさせるものである。
【0030】前記三方シール包装袋または四方シール包
装袋を、こうした層間剥離可能に熱シールされるフィル
ムFによって形成することとしているのは、包装される
食品を包装袋H内から円滑に取り出せるようにするため
である。
【0031】すなわち、前記三方シール包装袋または四
方シール包装袋を、こうした層間剥離可能に熱シールさ
れる後述するシーラント層2を有する包装フィルムFに
よって形成しておけば、包装袋Hの任意の一辺にある包
装フィルムFの縁5と、当該包装フィルムFの縁5側に
向けられた熱シール部3の外縁との間に未シール部6が
形成されるように当該熱シール部3を施しておくことに
より、この未シール部6を剥ぎ取り代として包装袋Hの
両面4、4を離れ出させる向きに引っ張り操作して当該
熱シール部3を容易に壊すことができ、引き続きかかる
引っ張り操作をなすことにより壊された前記一辺にある
熱シール部3に隣り合う包装袋Hの二辺の熱シール部
3、3を連続して壊して、三辺において前記両面4、4
を分離させて封入されている食品を容易に取り出すこと
が可能とされる。(図4、図6)
【0032】かかる包装袋Hの未シール部6を剥取り代
とした開封操作をより容易にする観点からは、この未シ
ール部6において、当該包装袋Hの一面4側のフィルム
の縁5が他面4側のフィルムの縁5よりも内側に位置さ
れるように、この未シール部6において両面4、4のフ
ィルムの縁5が位置をズラした状態で、この未シール部
6側の熱シール部3を形成させることが好ましい。(図
5)このように包装袋Hの両面4、4のフィルムの縁5
が位置をズラしていれば、前記開封のための引っ張り操
作をなすに先立っての、かかる未シール部6における包
装袋Hの両面4、4の摘まみ持ちをなし易いからであ
る。
【0033】また、かかる包装袋Hの未シール部6を剥
ぎ取り代とした開封操作をより容易にする観点からは、
前記未シール部6側にある熱シール部3の外縁が、この
未シール部6側に向けて頂部3bを有するように形成さ
れた、山形状あるいは波形状の縁3aとなるように、当
該熱シール部3を形成しておくことが好ましい。(図
7)このようにかかる熱シール部3を形成しておけば、
前記未シール部6を剥取り代として包装袋Hの両面4、
4を離れ出す向きに引っ張った際に、この引っ張り力を
当該熱シール部3の頂部3bに集中させてこの頂部3b
側から当該熱シール部3をより容易に破壊できるからで
ある。
【0034】具体的には、この実施の形態にかかる包装
フィルムFにあっては、前記包装袋Hの外側となる側に
延伸のベースフィルム層1を、当該包装袋Hの内側とな
る側に当該ベースフィルム層1に接着剤を介してラミネ
ートされた(いわゆるドライラミネーション)無延伸の
シーラント層2を備えている。
【0035】かかるベースフィルム層1とシーラント層
2との接着をなす接着剤1aとしては、典型的には、ポ
リエステル系接着剤やポリエーテルウレタン系接着剤を
用いることができる。
【0036】また、前記ベースフィルム層1が、少なく
ともポリエチレンテレフタレート(PET)により構成
された表層を備えている。図3に示される例では、かか
るベースフィルム層1は、延伸PETにより構成された
単層構造とされている。
【0037】かかるベースフィルム層1を延伸PETに
より構成するのは、PETの透明性が良好であること、
また、吸湿性および吸水性が小さいため、食品包装フィ
ルムFのベースフィルム層1に用いるものとして最も適
切だからである。すなわち、前記包装袋Hに充填される
被包装物Mは加熱状態で充填される場合もあり、また、
かかる被包装物Mは少なからず水分を含む場合が多く、
さらには、必要に応じて当該被包装物Mを充填した包装
袋Hごとボイル殺菌などの加熱処理や冷凍処理が施され
るものであるため、前記ベースフィルム層1にはこうし
た環境下にあっても劣化し難いPETを用いるのが最適
だからである。こうした環境下でも劣化し難いPETを
ベースフィルム層1に用いた場合、当該ベースフィルム
層1の寸法安定性を高く確保できるので、包装フィルム
Fに対する多色グラビア印刷において色ズレを生じさせ
難く、また、光電制御による自動製袋充填包装を適切に
なすことができる。
【0038】かかるベースフィルム層1として一般的に
利用可能なプラスチック材料としては、他に、セロハ
ン、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(NY)が考え
られるが、セロハンおよびNYはPETよりもいずれも
吸水性が高い。(PETは吸水率0.1%以下、NYは
吸水率9%、セロハンは吸水率40〜100%)また、
PPは熱収縮を生じやすい。
【0039】PET層と後述するシーラント層2との間
に、アルミ層、SiOx層などの一又は複数の中間層を
設けさせるようにして当該ベースフィルム層1を構成し
てあることもある。かかるアルミ層などを設けさせた場
合、包装フィルムFのガスバリア性、防湿性、紫外線透
過防止性などを高めることができる。
【0040】また、前記シーラント層2が、前記ベース
フィルム層1への接着側から当該接着側と反対の側に向
けて、第一のポリプロピレン層2a(第一のPP層2
a)、第二のポリプロピレン層2b(第二のPP層2
b)、ポリエチレン層2c(PE層2c)の順でこれら
三層を積層させて構成されている。
【0041】かかるシーラント層2は、これら三層を共
押出し多層法によって成形し、無延伸で形成することに
より得ることができる。
【0042】かかるシーラント層2を無延伸で形成する
のは、延伸フィルムは延伸により分子構造が変化するた
め、熱シール性が低下するためである。
【0043】また、前記ベースフィルム層1への接着側
と反対の側、すなわち、前記包装袋Hの内側となる側を
前記PE層2cとするのは、PEは、熱溶融温度が低
く、かつ、熱シール可能な温度領域が広いため、前記の
ような充填包装機によって高速で前記包装袋Hを形成さ
せやすいからである。(PEの熱溶融温度は、一般的
に、100℃〜110℃)
【0044】また、第一のPP層2aおよび第二のPP
層2bを設けているのは、これらPP層とPE層2cと
の材質の違いにより、前記包装袋Hの前記第一及び第二
の熱シール8、9が施された部分(熱シール部3)にお
いて、当該包装袋Hの両面4、4側の溶着し合っている
PE層2cと当該包装袋Hのいずれかの面側にある第二
のPP層2bとの間2dに層間剥離を生じさせるためで
ある。(より、具体的には、前記共押出し多層法により
シーラント層2を成形するにあたり、前記第二のPP層
2bとPE層2cとの間には接着層が介在されるが、こ
の接着層において当該第二のPP層2bとPE層2cと
の間2dに層間剥離を生じやすくするためである。)
【0045】また、前記シーラント層2を構成する前記
第二のPP層2bよりも第一のPP層2aの溶融温度が
高く、かつ、前記PE層2cの溶融温度よりも前記第二
のPP層2bの溶融温度が高くなるようにしてある。
【0046】PE層2cの溶融温度を第二のPP層2b
の溶融温度より低めているのは、PE層2cを溶融させ
る温度で第二のPP層2bまでもが溶融してしまうと、
PE層2cと第二のPP層2bとの接触界面において両
層が混ざり合って溶融してしまい前記層間剥離を生じさ
せ難くするからである。
【0047】また、第一のPP層2aの溶融温度を第二
のPP層2bの溶融温度よりも高めているのは、前記包
装袋Hに充填された被包装物Mのボイル殺菌などの加熱
処理や冷凍処理などにより、当該包装袋Hの外側、つま
り、前記ベースフィルム層1との接着側にある前記第二
のPP層2bを劣化し難いようにしておくことにより、
温度変化に対する包装フィルムFの耐久性を高めさせる
ことができるからである。また、この第二のPP層2b
により包装フィルムFに適度の剛性を付与することがで
きるからである。
【0048】また、第一のPP層2aと第二のPP層2
bとは、材質が同じため、前記共押出し多層法による成
形にあたり両層の馴染みが良く、両層間で層間剥離を生
じさせることがない。
【0049】典型的には、前記第一及び第二の熱シール
8、9を形成させるための熱シール温度が130℃〜1
40℃である場合、100℃〜110℃で溶融されるP
E層2cに対し、第二のPP層2bは150℃〜155
℃、第一のPP層2aは160℃〜165℃で溶融され
るようにしてシーラント層2を構成する。
【0050】また、典型的には、包装フィルムFの全厚
が37〜85μmである場合、前記ベースフィルム層1
は12〜25μm、シーラント層2は25〜60μmと
され、また、このシーラント層2を構成する第一及び第
二のPP層2bはそれぞれ9〜18.5μm、PE層2
cは5〜20μmとされる。
【0051】前記第一及び第二の熱シール8、9の施さ
れた部分にある当該包装袋Hの両面4、4を、当該包装
袋Hの両面4、4を離れ出させる向きに引っ張ることに
より、分離させることが可能なように当該包装袋Hを構
成する包装フィルムFとして、次の三種のものを用意
し、JIS規格番号Z1707の7.5に規定されるヒ
ートシール強さの試験を行った。
【0052】(1)実験例 シーラント層2をベースフィルム層1との接着側から当
該接着側と反対の側に向けて、第一のPP層2a、第二
のPP層2b、PE層2cの順の三層を積層させてな
り、シーラント層2の厚さを25μmとする包装フィル
ムF (2)比較例1 シーラント層2をベースフィルム層1との接着側から当
該接着側と反対の側に向けて、第一のPE層、第二のP
E層、PP層の順の三層を積層させてなり、シーラント
層2の厚さを30μmとする包装フィルムF (3)比較例2 シーラント層2をベースフィルム層1との接着側から当
該接着側と反対の側に向けて、第一のPE層、第二のP
E層、エチレン・酢酸ビニル共重合体層の順の三層を積
層させてなり、シーラント層2の厚さを30μmとする
包装フィルムF
【0053】その結果を次の表により示す。
【0054】
【表1】 実験例のヒートシール強さがもっとも弱いことが認めら
れた。包装袋Hの両面4、4を離れ出させる向きに引っ
張って前記第一及び第二の熱シール8、9の施された部
分にある当該両面4、4を容易に分離可能なヒートシー
ル強さは10N/15mm幅以下であり、比較例1、比
較例2は前記包装袋Hを構成させる包装フィルムFとし
て用いることに不向きであることが認められた。
【0055】
【発明の効果】この発明にかかる食品包装フィルムによ
れば、三方シール包装または四方シール包装により食品
を不都合なく包装することができ、また、熱シールの施
された部分において包装袋の両面を容易かつ適切に分離
させて包装された食品を包装袋を切り裂くことなくスム
ースに取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充填包装機の概要構成図
【図2】充填包装機の構成概要図
【図3】包装袋Hの熱シール部3を層間剥離させ始めた
状態を示す拡大構成図
【図4】包装袋Hの一例を示す斜視図
【図5】図4におけるA−A線断面図
【図6】図4に示される包装袋Hの熱シール部3を層間
剥離させて被包装物Mを取り出した状態を示す斜視図
【図7】図4ないし図6に示される包装袋Hと熱シール
部3の構成の一部を異ならせる包装袋Hの一例を示す斜
視図
【符号の説明】
x 搬送方向 F 包装フィルム M 被包装物 H 包装袋 1 ベースフィルム層 1a 接着剤 2 シーラント層 2a 第一のポリプロピレン層 2b 第二のポリプロピレン層 2c ポリエチレン層 4 両面 8 第一の熱シール 9 第二の熱シール
フロントページの続き Fターム(参考) 3E035 BA08 BB08 BC02 BD02 BD04 CA04 3E064 AA04 AA05 BA17 BA26 BA30 BA55 BA60 BB03 BC07 BC08 BC14 BC18 EA12 FA04 FA05 GA01 HN06 HP04 HP06 4F100 AA20 AB10 AJ04 AK01A AK04E AK07B AK07D AK42C AK48 AK51G BA03 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10E BA26 EH20 EH202 EJ37B GB15 JA04B JA04D JL05 JL12B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムの搬送方向に沿った向きに連続
    して施される第一の熱シールと、当該搬送方向に交叉す
    る向きに間隔を開けて施される第二の熱シールとによ
    り、被包装物を充填しながら順次連続して形成される三
    方シール包装袋又は四方シール包装袋を構成させる包装
    フィルムであって、 この包装フィルムが、前記包装袋の外側となる側に延伸
    のベースフィルム層を、当該包装袋の内側となる側に当
    該ベースフィルム層に接着剤を介してラミネートされた
    無延伸のシーラント層を備えており、 前記ベースフィルム層が、少なくともポリエチレンテレ
    フタレートにより構成された表層を備えると共に、 前記シーラント層が、前記ベースフィルム層への接着側
    から当該接着側と反対の側に向けて、第一のポリプロピ
    レン層、第二のポリプロピレン層、ポリエチレン層の順
    でこれら三層を積層させて構成されており、 しかも、前記シーラント層を構成する前記第二のポリプ
    ロピレン層よりも第一のポリプロピレン層の溶融温度が
    高く、かつ、前記ポリエチレン層の溶融温度よりも前記
    第二のポリプロピレン層の溶融温度が高くなるようにし
    てあると共に、前記包装袋の両面を離れ出させる向きに
    引っ張ることにより、前記第一及び第二の熱シールが施
    された部分において互いに溶着し合っている当該包装袋
    の両面側の前記ポリエチレン層と当該包装袋のいずれか
    の面側の前記第二のポリプロピレン層との間で層間剥離
    を生じさせるようにしてあることを特徴とする食品包装
    フィルム。
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