JP2004359293A - 易開封性包装袋およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】はさみやカッターなどの刃物を使用することなく簡単に開封することができる易開封性包装袋およびその製造方法を提供する。
【解決手段】内面にヒートシール層5を積層した積層シート1を用い、周縁部を熱接着した強シール部12によって収納部13を形成してなる易開封性包装袋10であって、開封部11のヒートシール層5の表層に、該ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層6が形成されており、前記開封部11が、弱接着層6同士もしくは弱接着層6とヒートシール層5との接合により、剥離開封可能にシールされている易開封性包装袋10によれば、用具を用いることなく、小さい力で容易に開封することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】内面にヒートシール層5を積層した積層シート1を用い、周縁部を熱接着した強シール部12によって収納部13を形成してなる易開封性包装袋10であって、開封部11のヒートシール層5の表層に、該ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層6が形成されており、前記開封部11が、弱接着層6同士もしくは弱接着層6とヒートシール層5との接合により、剥離開封可能にシールされている易開封性包装袋10によれば、用具を用いることなく、小さい力で容易に開封することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手指で簡単に剥離して開封することができる易開封性包装袋およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食料品、化粧品、医薬品、医療用品などを包装するための軟包装材料(包装袋)としては、プラスチックや紙、金属箔などを積層してなる種々の積層シート(複合フィルム)が用いられている。開封方法としては、はさみやカッター等の刃物を用いて袋の一端を切断する方法や、袋に手などで引っ張り力を加えて引き裂く方法が用いられている。
プラスチック層を有する軟包装材料は引裂性に劣るので、ノッチやミシン目などを設けて、引裂性を向上した包装体も一般に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、射出成型やシート成型などで成型された剛性のある容器本体に、上述した複合フィルムの蓋材を剥離可能にシールし、ここを剥離して容器を開封する方法は広く用いられる方法である。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−58703号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、切断による方法では、はさみなどの刃物を扱うため手間がかかるとともに、幼少者や老弱者、患者などでは危険を伴うという問題がある。
また、引き裂きによる方法では、内容物に剪断がかかって形状を損なったり、開封時の引張り力のため、開封直後に包装袋の姿勢を崩し、内容物をこぼしたりすることがある。
一方、上述した容器本体と蓋材の組み合わせのように剥離開封可能な包装袋とすることも考えられるが、包装袋は剛性を有する容器と異なり、可撓性に富むため、単に容器本体を柔らかいフィルムに代えて剥離可能な蓋材と同様なフィルムと組み合わせ、その周縁部をヒートシールする構成とすると剥離開封性は発現するものの、内容品を収納して密封した包装体の輸送時に不用意に開封してしまうことがある。通常、包装袋は長方形のものが多用されるが、特に長方形の包装袋の開封部は取扱性の観点から、短辺を開封部とすることが多い。この場合、不用意に開封する箇所は本来の開封部ではなくサイドシール部となることが多い。
【0005】
従って、本発明の課題は、手指で簡単に剥離して開封することができ、輸送中にも不用意に開封してしまうことのない易開封性包装袋およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の発明者は鋭意検討した結果、開封に必要な箇所を剥離可能なシールとし、他の箇所は通常の強いシールとすることで解決することを知見し、本発明を為したものである。すなわち、本発明は、内面にヒートシール層を積層した積層シートを用い、周縁部を熱接着したシール部によって収納部を形成してなる易開封性包装袋であって、開封部のヒートシール層の表層に、該ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層が形成されており、前記開封部が、弱接着層同士もしくは弱接着層とヒートシール層との接合により、剥離開封可能にシールされていることを特徴とする易開封性包装袋を提供する。
前記熱可塑性樹脂としては、前記ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂をポリエチレンとし、前記弱接着層を構成する熱可塑性樹脂をポリプロピレンとする組み合わせを好適に用いることができる。
また、弱接着層をホットメルト樹脂により設けた構成も好適である。
この易開封性包装袋においては、前記積層シートの開封部に、接合された積層シートの一方を部分的に分断する切込みを形成することが好ましい。
また、前記開封部と収納部との間にプラスチックチャックが設けられていることが好ましい。
【0007】
さらに本発明は、内面にヒートシール層を積層した積層シートを用い、周縁部を熱接着したシール部によって収納部を形成してなる易開封性包装袋の製造方法であって、前記開封部のヒートシール層の表層に、該ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層を形成し、前記開封部を、弱接着層同士もしくは弱接着層とヒートシール層との接合により、剥離開封可能にシールすることを特徴とする易開封性包装袋の製造方法を提供する。
弱接着層は、ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂を、ヒートシール層と共に溶融押出するか、もしくは、ヒートシール層の上に塗布することにより形成することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1(a)は、本発明の易開封性包装袋(以下、単に「包装袋」という場合がある)の一例を示す図であり、図1(b)は、包装袋のA−A’線に沿う断面図である。
図1(b)に示すように、易開封性包装袋10に用いられる積層シート1は、紙層2とアルミニウム層4の間にポリエチレンなどのプラスチック層3が介在された複合基材7のアルミニウム層4側の面に、ヒートシール層5が積層されている。
さらに、ヒートシール層5の上には、帯状に、ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層6が形成されている。後述するように、弱接着層6は容易に剥離することが可能であり、この剥離により包装袋10を開封することができる開封部11(イージーピール部)となっている。
【0009】
ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂としては、通常ヒートシール層として用いられるものが採用可能で、例えばポリエチレン(PE)の類であれば、エチレン―メチルメタクリレート共重合体(EMMA)などのエチレン―メタクリル酸エステル共重合体、エチレン―アクリル酸エステル共重合体、エチレン―アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などが挙げられる。ポリプロピレン(PP)の類であってもよい。
また、弱接着層6を構成する熱可塑性樹脂は、ヒートシール層と組み合わせたときに、公知メカニズムでイージーピールを発現する構成となる樹脂の組み合わせでよい。
上記熱可塑性樹脂の組み合わせの代表例としては、ヒートシール層5をポリエチレンとし、弱接着層6をポリプロピレンとした組み合わせ、あるいは、その逆の組み合わせが挙げられる。
【0010】
易開封性包装袋10は、略矩形状であり、その周縁部の一方が、開封部11となっている。開封部11側の周縁部11aを除く両側部12a,12aおよび底部12bが熱接着されて強シール部12となっており、これら三方に設けられた強シール部12によって、内部に収納部13が形成されている。
この易開封性包装袋10において積層シート1は、2枚(符号を区別して1A,1Bという場合がある)がヒートシール層5同士を向かい合わせに配置されている。強シール部12は、ヒートシール層5が熱接着(ヒートシール)されることにより形成されており、収納部13は、未シールであるヒートシール層5の間に設けられている。
【0011】
開封部11は、該開封部11の全幅にわたって設けられた弱接着層6同士のシールにより、熱接着されている。開封部11は、手指などで弱接着層6を剥離することにより、積層シート1同士を離間させて包装袋10を開封することができるようになっている。
弱接着層6を容易に剥離できるためには、開封部11の接着力は、1〜4N/25mm(20℃)の範囲内が好ましい。これにより、小さい力でも開封部11を容易に開封することができる。この範囲より小さいと輸送中に開封してしまうことがあり、この範囲より大きいと開封しづらいことがある。
【0012】
なお、弱接着層6が剥離する方式としては特に制限されず、公知の方式を採用することができる。例えば、(1)弱接着層6が単層の場合、弱接着層6と弱接着層6がパートコートされているヒートシール層5あるいは弱接着層6の相手側のヒートシール層5との界面で剥離が起こる方式、(2)弱接着層6が多層であり弱接着層6の積層界面で剥離が起こる方式、(3)弱接着層6の凝集力が低く、弱接着層6が凝集破壊される方式、(4)強いヒートシール強度を発現する温度が高かったり、温度領域が狭い弱接着樹脂層6同士の界面で剥離が起こる方式などを挙げることができる。
【0013】
これらの方式の内、剥離強度の制御および製造が容易なので、(1)の方式が本発明には好ましく、開封部11の両側に弱接着層6が存在する場合は、弱接着層6の樹脂とヒートシール層5の樹脂の性質の違いにより、弱接着層6同士が強固に接合され、これに比べて、弱接着層6とヒートシール層5との接着強度が弱いので、弱接着層6とヒートシール層5の界面の剥離が起こる。弱接着層6は片側のみに存在していてもよい。
また、(4)の方式も製造が容易であり、温度や時間、圧力等の熱接着の条件を調節することにより、弱接着層6,6同士の接着強度を弱くしたときには、弱接着層6,6内での剥離が起こる。本発明は、上記方式によって限定されるものではなく、ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂と、弱接着層6を構成する熱可塑性樹脂とが異なって、弱接着層6によって開封部11を易剥離にすることができる限り、いずれの方式でもよいものである。
【0014】
本発明の好ましい態様は、開封部11において、接合された2枚の積層シート1A,1Bの一方を部分的に分断する切込み14が形成されている。ここでは切込み14は、積層シート1Aの1つの角部にある三角形状の小部分14aを他の部分から分断するように、斜めに形成されている。分断された部分14aは、弱接着層6同士のシールにより、積層シート1Bに接着された状態になっている。
また、開封部11と収納部13との間には、プラスチックチャック15が設けられている。プラスチックチャック15は公知のものであり、オス型とメス型が嵌合する方式のものが好適である。これにより、開封後も包装袋10の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで内容物を保存することができる。
【0015】
易開封性包装袋10を開封する手順としては、例えば、図2に示すように、切込み14の近傍部を指先でつまんで揉むようにすり合わせ、弱接着層6のシールを弱めてから積層シート1B側をめくるようにして引っ張る方法がある。積層シート1Bは、引張り力によって湾曲し、これに対して積層シート1Aは、弾性力のため引張り力に抗して突っ張り、平らな状態を維持しようとする。この結果、弱接着層6のシールを剥がして積層シート1A,1Bの間を離し、収納部13まで開口させて開封することができる。
【0016】
本実施の形態の包装袋10を製造するには、まず、ドライラミネートや押出ラミネートにより、積層シート1を製造する。積層シート1は、例えば押出ラミネートを用いる場合、アルミニウム層4の上に熱可塑性樹脂を押し出し被覆することによりプラスチック層3を形成し、紙層2とラミネートして複合基材7とする。この複合基材7のアルミニウム層4が露出された面上に、例えば、2層Tダイなどを用いてヒートシール層5と弱接着層6とを共押出しし、弱接着層6をヒートシール層5の上にパートコートすることにより形成することができる。
【0017】
図3(a)は、弱接着層6をヒートシール層5の上にパートコートするために用いられるTダイの一例の概略構成を示す部分切欠正面図である。
このTダイ20は、成形されるシート状物品の長手方向(図3(a))では左右方向)に延びる筒状をなし、内部にはマニホールド22と呼称される空間が形成されたダイ本体21と、マニホールド22内に挿入されたディッケル25を少なくとも備えて構成されている。
【0018】
ダイ本体21の押出方向の先端側(図3(a)の下側)には、マニホールド22と連通するスリット状の開口部24が、ダイ本体21の長手方向に沿って形成されている。また、ダイ本体21の開口部24と反対側の長手方向中央部には、押出スクリューなどから溶融樹脂をマニホールド22内に注入するための樹脂注入口23が形成されている。
【0019】
ディッケル25は、マニホールド22と略同一の断面形状を有し、マニホールド22内でダイ本体21の長手方向に沿って摺動移動可能になっている。ダイ本体21の両端はそれぞれ端板27,27で覆われている。ディッケル25は、少なくともダイ本体21の開口部24の幅よりも長くされており、ディッケル25は、前記端板27,27にそれぞれの端部25a,25bを支持されている。
ディッケル25は長手方向で所定の間隔をおいて離れた位置に、肉厚が薄くなった溝26(ここでは2本)を有している。ディッケル25をマニホールド22の全長に亘って内に挿入した状態では、溝26は樹脂注入口23とダイ本体21の開口部24を連通するように配置される。
【0020】
このTダイ20を用いて溶融樹脂の押出を行うことにより、溶融樹脂の流れはディッケル25に妨げられ、溶融樹脂が溝26を通って押し出されるようになるので、図3(b)に示すように、複数の積層シート1を取れる原反シート8に対して、溝26の位置に対応した位置に弱接着層6をパートコートすることが可能になる。
押出装置が上記Tダイ20と、ヒートシール層5をフィルム状に押出成形する他のTダイとを組み合わせた2層Tダイである場合、複合基材7上にヒートシール層5と弱接着層6とを一工程で形成することができる。
【0021】
このようにして製造された積層シート1は、他の積層シート1と袋の裏表の関係になるように重ね合わせ、開封部11を除く周縁部12a,12bを熱シールして強シール部12を形成することにより三方袋とする。この時、弱接着層は両側にあっても、片側のみでも剥離開封可能となる。なお、製袋の工程においてプラスチックチャック15を挿入しつつ熱シールすることで、必要に応じて該積層シート1の内面にプラスチックチャック15を取り付けることができる。
収納部13に内容物を収納した後、開封部11を熱シールし、さらに公知の方法でハーフカットして開封部11の角部に切込み14を入れる。これにより、内容物が収納された易開封性包装袋10を製造することができる。
【0022】
以上説明したように、本実施の形態の易開封性包装袋によれば、開封部11が弱接着層6同士の熱接着によりシールされているので、用具を用いることなく、小さい力で容易に剥離開封することができる。
開封部11の角部に、接合された積層シートの一方1Aを部分的に分断する切込み14が形成されているので、該切込み14により積層シート1Aの他の部分から分断された部分14aがタブの役割を果たし、当該部分14aをつまんで開封部11のシールを剥がしやすくなる。
開封部11と収納部13の間にプラスチックチャック15を設けることにより、開封部11の弱接着層6を剥離して開封した後も、包装袋10の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで開封部11を閉鎖して保存することができる。
本実施の形態の易開封性包装袋は、例えば湿布やパップ剤などの医療用品、食料品、化粧品、医薬品等の包装に好適である。
【0023】
本発明の易開封性包装袋において、弱接着層を成形する方法は、押出成形法によるパートコートに限定されず、他の方法によっても行うことができる。
例えば、弱接着層6は、開封部11に弱接着性のホットメルト樹脂を塗布することにより形成することができる。ここで、ホットメルト樹脂は、加熱により軟化して粘着性(タック)を示す熱可塑性樹脂であり、ホットメルト接着剤やホットメルト粘着剤を包含するものである。
ホットメルト樹脂は、開封部11となる部分にベタに塗布してもよいが、パターン状に塗布するようにしてもよい。ホットメルト樹脂を塗布するパターンとしては、スポット状(点状)、ストライプ状(縞状)、格子状、波線状などが挙げられる。
【0024】
ホットメルト樹脂の塗布厚みは、特に限定されないが、例えば10〜100μmである。ホットメルト樹脂の接着力は、1〜4N/25mm(20℃)の範囲内が好ましい。このようなホットメルト樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。
また、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)やスチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)などの合成ゴム系成分を含有する熱可塑性のエラストマーも好ましく使用できる。
具体例としては、日本エヌエスシー株式会社製のH2525Jや10514−22CD(商品名)等が挙げられる。これらは、140℃での粘度が8000〜80000mPa・s、軟化点が90〜130℃であり、糊残りしにくい。また再封性を有するので、プラスチックチャックを設けなくても、開封部11を開封した後、再度押し付ければ開封部11を封着できるので、開封後も包装袋10の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで内容物を保存することができる。
このようにして構成した易開封性包装袋によっても、上記実施の形態の易開封性包装袋と同様の効果を奏し、小さい力で開封部11を容易に開封することができる。
【0025】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない限り種々の改変が可能である。
例えば、切込み14は、図4(a)に示すように、開封部11の幅方向中央部に、例えば半月状の部分14aを分断するように円弧状に設けてもよい。あるいは、図4(b)に示すように、開封部11を、周縁部11aの側と収納部13の側とに二分するような、幅方向に沿って延在する様態としてもよい。いずれの場合でも、切込み14により周縁部11a側に分断された小部分14aをタブのように摘むことができ、開封部11を開封しやすくすることができる。もちろん、切込み14は、上記以外の形状でもよい。
また、弱接着層6は開封部11において、両側の積層シート1に存在する必要はなく、片側のみでもよい。さらに、製袋される包装袋の形状は平袋に限らず、底部が開拡する自立袋やガゼット袋でもよく、開封部を予め剥離開封可能にシールして製袋しておいて、他の未シール部から内容品を収納し、該未シール部を強シールして密封してもよい。
【0026】
上記実施の形態では、図1(a),図2に示すように、弱接着層6が開封部11側の周縁部11aの全幅にわたって形成されたものとしたが、特にこれに限定されることはない。開封部11を開封して内容物の取り出しに十分な開口を開くことができるものであれば、開封部11側の周縁部11aと側方の周縁部12aとの間の角部は、イージーピールでない強シール部12としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の易開封性包装袋によれば、開封部に設けられた弱接着層により、該開封部が易剥離となるので、幼少者や老弱者、患者などの力の弱い人でも用具を用いることなく、小さい力で容易に開封することができる。
開封部において、接合された積層シートの一方を部分的に分断する切込みを設けた場合、該切込みによって分断された小部分をタブのように扱うことができ、一層開封しやすい易開封性包装袋となる。
開封部と収納部との間にプラスチックチャックを設けた場合、開封後も包装袋の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで内容物を保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の易開封性包装袋の一例を示す(a)正面図、(b)断面図である。
【図2】図1の易開封性包装袋を開封する所作の一例を示す斜視図である。
【図3】(a)図1の易開封性包装袋の製造に用いられるTダイ装置の一例を示す部分切欠正面図である。(b)Tダイ装置によって製造される積層シートの一例を示す正面図である。
【図4】(a)本発明の易開封性包装袋の第2例を示す正面図である。(b)本発明の易開封性包装袋の第3例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…積層シート、1A…一方の積層シート、1B…他方の積層シート、5…ヒートシール層、6…弱接着層、10…易開封性包装袋(包装袋)、11…開封部、12…強シール部(シール部)、13…収納部、14…切込み、14a…切込みによって分断された部分、15…プラスチックチャック。
【発明の属する技術分野】
本発明は、手指で簡単に剥離して開封することができる易開封性包装袋およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食料品、化粧品、医薬品、医療用品などを包装するための軟包装材料(包装袋)としては、プラスチックや紙、金属箔などを積層してなる種々の積層シート(複合フィルム)が用いられている。開封方法としては、はさみやカッター等の刃物を用いて袋の一端を切断する方法や、袋に手などで引っ張り力を加えて引き裂く方法が用いられている。
プラスチック層を有する軟包装材料は引裂性に劣るので、ノッチやミシン目などを設けて、引裂性を向上した包装体も一般に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、射出成型やシート成型などで成型された剛性のある容器本体に、上述した複合フィルムの蓋材を剥離可能にシールし、ここを剥離して容器を開封する方法は広く用いられる方法である。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−58703号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、切断による方法では、はさみなどの刃物を扱うため手間がかかるとともに、幼少者や老弱者、患者などでは危険を伴うという問題がある。
また、引き裂きによる方法では、内容物に剪断がかかって形状を損なったり、開封時の引張り力のため、開封直後に包装袋の姿勢を崩し、内容物をこぼしたりすることがある。
一方、上述した容器本体と蓋材の組み合わせのように剥離開封可能な包装袋とすることも考えられるが、包装袋は剛性を有する容器と異なり、可撓性に富むため、単に容器本体を柔らかいフィルムに代えて剥離可能な蓋材と同様なフィルムと組み合わせ、その周縁部をヒートシールする構成とすると剥離開封性は発現するものの、内容品を収納して密封した包装体の輸送時に不用意に開封してしまうことがある。通常、包装袋は長方形のものが多用されるが、特に長方形の包装袋の開封部は取扱性の観点から、短辺を開封部とすることが多い。この場合、不用意に開封する箇所は本来の開封部ではなくサイドシール部となることが多い。
【0005】
従って、本発明の課題は、手指で簡単に剥離して開封することができ、輸送中にも不用意に開封してしまうことのない易開封性包装袋およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の発明者は鋭意検討した結果、開封に必要な箇所を剥離可能なシールとし、他の箇所は通常の強いシールとすることで解決することを知見し、本発明を為したものである。すなわち、本発明は、内面にヒートシール層を積層した積層シートを用い、周縁部を熱接着したシール部によって収納部を形成してなる易開封性包装袋であって、開封部のヒートシール層の表層に、該ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層が形成されており、前記開封部が、弱接着層同士もしくは弱接着層とヒートシール層との接合により、剥離開封可能にシールされていることを特徴とする易開封性包装袋を提供する。
前記熱可塑性樹脂としては、前記ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂をポリエチレンとし、前記弱接着層を構成する熱可塑性樹脂をポリプロピレンとする組み合わせを好適に用いることができる。
また、弱接着層をホットメルト樹脂により設けた構成も好適である。
この易開封性包装袋においては、前記積層シートの開封部に、接合された積層シートの一方を部分的に分断する切込みを形成することが好ましい。
また、前記開封部と収納部との間にプラスチックチャックが設けられていることが好ましい。
【0007】
さらに本発明は、内面にヒートシール層を積層した積層シートを用い、周縁部を熱接着したシール部によって収納部を形成してなる易開封性包装袋の製造方法であって、前記開封部のヒートシール層の表層に、該ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層を形成し、前記開封部を、弱接着層同士もしくは弱接着層とヒートシール層との接合により、剥離開封可能にシールすることを特徴とする易開封性包装袋の製造方法を提供する。
弱接着層は、ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂を、ヒートシール層と共に溶融押出するか、もしくは、ヒートシール層の上に塗布することにより形成することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1(a)は、本発明の易開封性包装袋(以下、単に「包装袋」という場合がある)の一例を示す図であり、図1(b)は、包装袋のA−A’線に沿う断面図である。
図1(b)に示すように、易開封性包装袋10に用いられる積層シート1は、紙層2とアルミニウム層4の間にポリエチレンなどのプラスチック層3が介在された複合基材7のアルミニウム層4側の面に、ヒートシール層5が積層されている。
さらに、ヒートシール層5の上には、帯状に、ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層6が形成されている。後述するように、弱接着層6は容易に剥離することが可能であり、この剥離により包装袋10を開封することができる開封部11(イージーピール部)となっている。
【0009】
ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂としては、通常ヒートシール層として用いられるものが採用可能で、例えばポリエチレン(PE)の類であれば、エチレン―メチルメタクリレート共重合体(EMMA)などのエチレン―メタクリル酸エステル共重合体、エチレン―アクリル酸エステル共重合体、エチレン―アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などが挙げられる。ポリプロピレン(PP)の類であってもよい。
また、弱接着層6を構成する熱可塑性樹脂は、ヒートシール層と組み合わせたときに、公知メカニズムでイージーピールを発現する構成となる樹脂の組み合わせでよい。
上記熱可塑性樹脂の組み合わせの代表例としては、ヒートシール層5をポリエチレンとし、弱接着層6をポリプロピレンとした組み合わせ、あるいは、その逆の組み合わせが挙げられる。
【0010】
易開封性包装袋10は、略矩形状であり、その周縁部の一方が、開封部11となっている。開封部11側の周縁部11aを除く両側部12a,12aおよび底部12bが熱接着されて強シール部12となっており、これら三方に設けられた強シール部12によって、内部に収納部13が形成されている。
この易開封性包装袋10において積層シート1は、2枚(符号を区別して1A,1Bという場合がある)がヒートシール層5同士を向かい合わせに配置されている。強シール部12は、ヒートシール層5が熱接着(ヒートシール)されることにより形成されており、収納部13は、未シールであるヒートシール層5の間に設けられている。
【0011】
開封部11は、該開封部11の全幅にわたって設けられた弱接着層6同士のシールにより、熱接着されている。開封部11は、手指などで弱接着層6を剥離することにより、積層シート1同士を離間させて包装袋10を開封することができるようになっている。
弱接着層6を容易に剥離できるためには、開封部11の接着力は、1〜4N/25mm(20℃)の範囲内が好ましい。これにより、小さい力でも開封部11を容易に開封することができる。この範囲より小さいと輸送中に開封してしまうことがあり、この範囲より大きいと開封しづらいことがある。
【0012】
なお、弱接着層6が剥離する方式としては特に制限されず、公知の方式を採用することができる。例えば、(1)弱接着層6が単層の場合、弱接着層6と弱接着層6がパートコートされているヒートシール層5あるいは弱接着層6の相手側のヒートシール層5との界面で剥離が起こる方式、(2)弱接着層6が多層であり弱接着層6の積層界面で剥離が起こる方式、(3)弱接着層6の凝集力が低く、弱接着層6が凝集破壊される方式、(4)強いヒートシール強度を発現する温度が高かったり、温度領域が狭い弱接着樹脂層6同士の界面で剥離が起こる方式などを挙げることができる。
【0013】
これらの方式の内、剥離強度の制御および製造が容易なので、(1)の方式が本発明には好ましく、開封部11の両側に弱接着層6が存在する場合は、弱接着層6の樹脂とヒートシール層5の樹脂の性質の違いにより、弱接着層6同士が強固に接合され、これに比べて、弱接着層6とヒートシール層5との接着強度が弱いので、弱接着層6とヒートシール層5の界面の剥離が起こる。弱接着層6は片側のみに存在していてもよい。
また、(4)の方式も製造が容易であり、温度や時間、圧力等の熱接着の条件を調節することにより、弱接着層6,6同士の接着強度を弱くしたときには、弱接着層6,6内での剥離が起こる。本発明は、上記方式によって限定されるものではなく、ヒートシール層5を構成する熱可塑性樹脂と、弱接着層6を構成する熱可塑性樹脂とが異なって、弱接着層6によって開封部11を易剥離にすることができる限り、いずれの方式でもよいものである。
【0014】
本発明の好ましい態様は、開封部11において、接合された2枚の積層シート1A,1Bの一方を部分的に分断する切込み14が形成されている。ここでは切込み14は、積層シート1Aの1つの角部にある三角形状の小部分14aを他の部分から分断するように、斜めに形成されている。分断された部分14aは、弱接着層6同士のシールにより、積層シート1Bに接着された状態になっている。
また、開封部11と収納部13との間には、プラスチックチャック15が設けられている。プラスチックチャック15は公知のものであり、オス型とメス型が嵌合する方式のものが好適である。これにより、開封後も包装袋10の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで内容物を保存することができる。
【0015】
易開封性包装袋10を開封する手順としては、例えば、図2に示すように、切込み14の近傍部を指先でつまんで揉むようにすり合わせ、弱接着層6のシールを弱めてから積層シート1B側をめくるようにして引っ張る方法がある。積層シート1Bは、引張り力によって湾曲し、これに対して積層シート1Aは、弾性力のため引張り力に抗して突っ張り、平らな状態を維持しようとする。この結果、弱接着層6のシールを剥がして積層シート1A,1Bの間を離し、収納部13まで開口させて開封することができる。
【0016】
本実施の形態の包装袋10を製造するには、まず、ドライラミネートや押出ラミネートにより、積層シート1を製造する。積層シート1は、例えば押出ラミネートを用いる場合、アルミニウム層4の上に熱可塑性樹脂を押し出し被覆することによりプラスチック層3を形成し、紙層2とラミネートして複合基材7とする。この複合基材7のアルミニウム層4が露出された面上に、例えば、2層Tダイなどを用いてヒートシール層5と弱接着層6とを共押出しし、弱接着層6をヒートシール層5の上にパートコートすることにより形成することができる。
【0017】
図3(a)は、弱接着層6をヒートシール層5の上にパートコートするために用いられるTダイの一例の概略構成を示す部分切欠正面図である。
このTダイ20は、成形されるシート状物品の長手方向(図3(a))では左右方向)に延びる筒状をなし、内部にはマニホールド22と呼称される空間が形成されたダイ本体21と、マニホールド22内に挿入されたディッケル25を少なくとも備えて構成されている。
【0018】
ダイ本体21の押出方向の先端側(図3(a)の下側)には、マニホールド22と連通するスリット状の開口部24が、ダイ本体21の長手方向に沿って形成されている。また、ダイ本体21の開口部24と反対側の長手方向中央部には、押出スクリューなどから溶融樹脂をマニホールド22内に注入するための樹脂注入口23が形成されている。
【0019】
ディッケル25は、マニホールド22と略同一の断面形状を有し、マニホールド22内でダイ本体21の長手方向に沿って摺動移動可能になっている。ダイ本体21の両端はそれぞれ端板27,27で覆われている。ディッケル25は、少なくともダイ本体21の開口部24の幅よりも長くされており、ディッケル25は、前記端板27,27にそれぞれの端部25a,25bを支持されている。
ディッケル25は長手方向で所定の間隔をおいて離れた位置に、肉厚が薄くなった溝26(ここでは2本)を有している。ディッケル25をマニホールド22の全長に亘って内に挿入した状態では、溝26は樹脂注入口23とダイ本体21の開口部24を連通するように配置される。
【0020】
このTダイ20を用いて溶融樹脂の押出を行うことにより、溶融樹脂の流れはディッケル25に妨げられ、溶融樹脂が溝26を通って押し出されるようになるので、図3(b)に示すように、複数の積層シート1を取れる原反シート8に対して、溝26の位置に対応した位置に弱接着層6をパートコートすることが可能になる。
押出装置が上記Tダイ20と、ヒートシール層5をフィルム状に押出成形する他のTダイとを組み合わせた2層Tダイである場合、複合基材7上にヒートシール層5と弱接着層6とを一工程で形成することができる。
【0021】
このようにして製造された積層シート1は、他の積層シート1と袋の裏表の関係になるように重ね合わせ、開封部11を除く周縁部12a,12bを熱シールして強シール部12を形成することにより三方袋とする。この時、弱接着層は両側にあっても、片側のみでも剥離開封可能となる。なお、製袋の工程においてプラスチックチャック15を挿入しつつ熱シールすることで、必要に応じて該積層シート1の内面にプラスチックチャック15を取り付けることができる。
収納部13に内容物を収納した後、開封部11を熱シールし、さらに公知の方法でハーフカットして開封部11の角部に切込み14を入れる。これにより、内容物が収納された易開封性包装袋10を製造することができる。
【0022】
以上説明したように、本実施の形態の易開封性包装袋によれば、開封部11が弱接着層6同士の熱接着によりシールされているので、用具を用いることなく、小さい力で容易に剥離開封することができる。
開封部11の角部に、接合された積層シートの一方1Aを部分的に分断する切込み14が形成されているので、該切込み14により積層シート1Aの他の部分から分断された部分14aがタブの役割を果たし、当該部分14aをつまんで開封部11のシールを剥がしやすくなる。
開封部11と収納部13の間にプラスチックチャック15を設けることにより、開封部11の弱接着層6を剥離して開封した後も、包装袋10の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで開封部11を閉鎖して保存することができる。
本実施の形態の易開封性包装袋は、例えば湿布やパップ剤などの医療用品、食料品、化粧品、医薬品等の包装に好適である。
【0023】
本発明の易開封性包装袋において、弱接着層を成形する方法は、押出成形法によるパートコートに限定されず、他の方法によっても行うことができる。
例えば、弱接着層6は、開封部11に弱接着性のホットメルト樹脂を塗布することにより形成することができる。ここで、ホットメルト樹脂は、加熱により軟化して粘着性(タック)を示す熱可塑性樹脂であり、ホットメルト接着剤やホットメルト粘着剤を包含するものである。
ホットメルト樹脂は、開封部11となる部分にベタに塗布してもよいが、パターン状に塗布するようにしてもよい。ホットメルト樹脂を塗布するパターンとしては、スポット状(点状)、ストライプ状(縞状)、格子状、波線状などが挙げられる。
【0024】
ホットメルト樹脂の塗布厚みは、特に限定されないが、例えば10〜100μmである。ホットメルト樹脂の接着力は、1〜4N/25mm(20℃)の範囲内が好ましい。このようなホットメルト樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。
また、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)やスチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)などの合成ゴム系成分を含有する熱可塑性のエラストマーも好ましく使用できる。
具体例としては、日本エヌエスシー株式会社製のH2525Jや10514−22CD(商品名)等が挙げられる。これらは、140℃での粘度が8000〜80000mPa・s、軟化点が90〜130℃であり、糊残りしにくい。また再封性を有するので、プラスチックチャックを設けなくても、開封部11を開封した後、再度押し付ければ開封部11を封着できるので、開封後も包装袋10の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで内容物を保存することができる。
このようにして構成した易開封性包装袋によっても、上記実施の形態の易開封性包装袋と同様の効果を奏し、小さい力で開封部11を容易に開封することができる。
【0025】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない限り種々の改変が可能である。
例えば、切込み14は、図4(a)に示すように、開封部11の幅方向中央部に、例えば半月状の部分14aを分断するように円弧状に設けてもよい。あるいは、図4(b)に示すように、開封部11を、周縁部11aの側と収納部13の側とに二分するような、幅方向に沿って延在する様態としてもよい。いずれの場合でも、切込み14により周縁部11a側に分断された小部分14aをタブのように摘むことができ、開封部11を開封しやすくすることができる。もちろん、切込み14は、上記以外の形状でもよい。
また、弱接着層6は開封部11において、両側の積層シート1に存在する必要はなく、片側のみでもよい。さらに、製袋される包装袋の形状は平袋に限らず、底部が開拡する自立袋やガゼット袋でもよく、開封部を予め剥離開封可能にシールして製袋しておいて、他の未シール部から内容品を収納し、該未シール部を強シールして密封してもよい。
【0026】
上記実施の形態では、図1(a),図2に示すように、弱接着層6が開封部11側の周縁部11aの全幅にわたって形成されたものとしたが、特にこれに限定されることはない。開封部11を開封して内容物の取り出しに十分な開口を開くことができるものであれば、開封部11側の周縁部11aと側方の周縁部12aとの間の角部は、イージーピールでない強シール部12としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の易開封性包装袋によれば、開封部に設けられた弱接着層により、該開封部が易剥離となるので、幼少者や老弱者、患者などの力の弱い人でも用具を用いることなく、小さい力で容易に開封することができる。
開封部において、接合された積層シートの一方を部分的に分断する切込みを設けた場合、該切込みによって分断された小部分をタブのように扱うことができ、一層開封しやすい易開封性包装袋となる。
開封部と収納部との間にプラスチックチャックを設けた場合、開封後も包装袋の再閉および再開が可能になり、内容物を使い切るまで内容物を保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の易開封性包装袋の一例を示す(a)正面図、(b)断面図である。
【図2】図1の易開封性包装袋を開封する所作の一例を示す斜視図である。
【図3】(a)図1の易開封性包装袋の製造に用いられるTダイ装置の一例を示す部分切欠正面図である。(b)Tダイ装置によって製造される積層シートの一例を示す正面図である。
【図4】(a)本発明の易開封性包装袋の第2例を示す正面図である。(b)本発明の易開封性包装袋の第3例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…積層シート、1A…一方の積層シート、1B…他方の積層シート、5…ヒートシール層、6…弱接着層、10…易開封性包装袋(包装袋)、11…開封部、12…強シール部(シール部)、13…収納部、14…切込み、14a…切込みによって分断された部分、15…プラスチックチャック。
Claims (8)
- 内面にヒートシール層を積層した積層シートを用い、周縁部を熱接着したシール部によって収納部を形成してなる易開封性包装袋であって、
開封部のヒートシール層の表層に、該ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層が形成されており、前記開封部が、弱接着層同士もしくは弱接着層とヒートシール層との接合により、剥離開封可能にシールされていることを特徴とする易開封性包装袋。 - 前記ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂がポリエチレンであり、前記弱接着層を構成する熱可塑性樹脂がポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載の易開封性包装袋。
- 前記弱接着層がホットメルト樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の易開封性包装袋。
- 前記積層シートの開封部に、接合された積層シートの一方を部分的に分断する切込みが形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の易開封性包装袋。
- 前記開封部と収納部との間にプラスチックチャックが設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の易開封性包装袋。
- 内面にヒートシール層を積層した積層シートを用い、周縁部を熱接着したシール部によって収納部を形成してなる包装袋の製造方法であって、
前記開封部のヒートシール層の表層に、該ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂からなる弱接着層を形成し、前記開封部を、弱接着層同士もしくは弱接着層とヒートシール層との接合により、剥離開封可能にシールすることを特徴とする易開封性包装袋の製造方法。 - 前記弱接着層が、ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂を、ヒートシール層と共に溶融押出することにより形成することを特徴とする請求項6に記載の易開封性包装袋の製造方法。
- 前記弱接着層が、ヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂を、ヒートシール層の上に塗布することにより形成することを特徴とする請求項6に記載の易開封性包装袋の製造方法。
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