JP6032450B1 - 基材におけるシーラントの層の選定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
プラスチックのフイルムやシートを使った袋の製袋や容器に製品を充填した後の封緘には、プラスチックの熱可塑性を利用した熱接着(ヒートシール)が使われている。
包装容器は固形型と柔軟型がある。前者はカップやトレー容器に代表されるもので、固形の容器の開口部(フランジ部)に柔軟体の蓋材がヒートシールされる。後者は柔軟なシートやフイルム同士をヒートシールで製袋するものである。
従来、袋状の包装品の開封は胴部のたるみ部分を摘まんで、内側のヒートシール線から開封している。カップやトレーの場合には、蓋材の一部にタブを加工し、これを摘まんで外側から開口する方法が利用されている。
袋物包装品のヒートシール面の開封方法には課題が多く、別の開封方法として、袋の上端付近のヒートシール面に切り口(ノッチ)を別に加工して、これを起点にして包装の一部を切り裂く方法がある。ノッチの加工には切り口の細工、切り裂きの方向性を規制する付加加工等が要求される。
プラスチックの接着現象は接着面温度の上昇(温度帯;Tp)と共に、接着面のみの界面接着で始まり、接着力(ヒートシール強さ)は順次上昇する。(図1参照)
各加熱温度のサンプルを短冊状に切って、非接着部位の端を摘まんで引張試験をすると接着面が剥離する剥がれシール強さが計測できる。
標本のカット幅を10〜15mmに規制すると、<JIS Z0238>が規定するヒートシール強さになる。(図2(a)、(c)参照)
凝集接着状態の引張強さは材料の伸び強さ又は接着エッジの破断強さとなる。従来は凝集接着の状態を良好なヒートシールとする慣行的な常識がある。
凝集接着状態では接着面の剥離を利用した開封は実施できない。
ヒートシール面の剥がれを利用した開封では、特別な加工等をせずにヒートシール幅、ヒートシール強さ、接着状態等の調節で開封ができる。ヒートシール強さの国際的な評価規格のASTM
F88(1968年制定)が要請しているように、この技術の開発は包装界の長年の課題になっているが、今日においても満足すべき結果は得られていない。
材料が2枚の重ね合わせの平面な接着面では、適用するプラスチック材料の工夫によって、易開封が可能な技術が既に開発されているが、ピロー包装袋に代表される重ね段差のある熱接着では段差部の密着が巧くできないので、平面接着の常識は通用しない。
図3に示したようにフイルムの折り方と接着部位を変えて各種の包装形態(四方袋、三方袋、ピロー袋、ガセット袋、封筒袋)が作られている。(a)の四方シール袋(パウチ)以外は屈曲部や4枚と2枚重ねの混在部を擁する特徴が分る。
(c)ピロー袋、(d)ガセット袋ではボトムと開口部の封止の際に、合掌貼り部はシール部と直交した重ね合わせ部が形成される。ヒートシール面には2枚部と4枚部が構成される。更に合掌貼りの1枚は180度の屈曲状態になって、折り重ね部の段差は拡大する。
通常のヒートシールは平行な固形加熱体で圧着加熱するので、ガセット袋のヒートシールでは図4に示したように、屈曲部6と4枚部8が主たる受圧面になり、2枚部は不圧着部7になる構造的欠陥ができる。従来、2枚部の接着完成は、高温又は加熱の長時間化によって、材料の熱伝導や輻射熱でシーラントを溶かして流動化させ、モールド状態にして接着完成を補完していた。従って、接着面が剥がれる界面接着を適用できなかった。
重ね合わせ段差部9の貫通孔の生成には折り返しの屈曲部6が大きく関与している。更に屈曲部6-1には合掌張り部のシーラントがはみ出すポリ玉が形成されるので、貫通孔の生成はより大きくなる。
屈曲部6の剛性は材料毎に異なる特徴がある。材料の剛性を表す指標の一つであるヤング率を汎用文献から収集した。代表的な包装材料のヤング率(MPa)を表1に示した。
汎用のプラスチックのヤング率は一桁から数千迄存在しているので、個別的な対応を要求している。
大きいヤング率の材料は包装袋の仕上がり形状の維持を目的に利用されているが、ヒートシールの段差部9の貫通孔の生成に大きく関与していることは、ほとんど認識されていない。特に汎用的に利用されている材料のOPP、ONYとPETの硬さは非常に大きい。しかしPETは10〜20μmの薄い物が適用されているので、実際にはあまり問題にならない。しかし、OPPは数十μm以上の厚さが多く利用されているので、段差部の制御視点から見ると密封性への影響は非常に大きい。
包装袋の成形仕上げのために材料の剛性を高めている。重ね合わせ材料の中には延伸して、硬くしたものが適用されることも多く、このような場合には合掌貼の折り曲げ部はより屈強になって、段差部の密着を更に困難にしている。
本発明者は溶着面温度測定法:“MTMS”(特許文献1)を適用して、±0.5〜1℃の精密な加熱温度調節(従来は5℃ステップ;ASTM F2029)でヒートシール現象を詳細に解析した結果、平面接着において、微弱な接着強さ(≒0.5N/15mm)状態でも密着が完成していることを「探傷液法」の漏れ試験で突き止めた。
本発明者は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の単一フイルムの平面接着において、初期の軟化状態の約0.5N/15mmの接着力で密着が完成していることを確認し、密着には溶融温度以上の加熱の強い接着帯が必要であるとされていた従来の常識を覆す発見をしている。
従来、密着の完成は材料の熱特性に依存するものとしてきたが、上記の発見はヒートシール面の機械的操作によって密着が制御できることを明らかにした。すなわち密着は荷重操作、剥がれは包装材料の配向力特性に依存していることを本発明者は掴んだ。
市場に出ている代表的なピロー袋3種を買い求め、「探傷液法」の検査で、段差部に漏れがあることを確認した。これらの材料の一部(約4cm)を切り取り、重ねと折り曲げで、ピロー袋のセンターシール部に模して、4枚部、2枚部と屈曲部16のある標本13を作った。(図5参照)
この標本を図5に示した試験装置で条圧着シールした。ヒートジョーの一方に0.6mmの半丸の条突起10を構成した。この微細線状の条突起10を有する加熱体11を空気シリンダ17で圧着した。加熱温度と空気圧を変化して塑性変形密着部15の密着試験をした。
圧着圧は一定にして、2枚部と4枚部の割合は同一として、試験標本の長さ(L)を変化して圧着圧の調整を行った。この操作は、材料の軟化状態の約2枚部以上の塑性変形を与え、段差部の密着状態を確認する。この密着状態の標本のヒートシールエッジの内側に「探傷液」を点滴して、漏れ試験を行った。
「探傷液法」の探傷液は例えば、醸造用アルコールに食用赤色染料を添加した市販の「探傷液」を用い、これを注射器に入れる。室温に冷却した標本のヒートシール線の内側に「探傷液」を点滴し、数分経ったら「探傷液」のシール部へ浸透状態を目視とルーペ観察で調べたものである。詳細は、特許文献2に示されている。
表2に検証結果を示したように、圧接荷重を125N、42N、25N/10mmの3段階になるようにした。加熱温度は各材料のシーラントの剥がれシール強さが低、中のヒートシール強さの発現する温度と溶融温度付近の3レベルを適用した。各材料の融点と軟化点は表2に付記した。
標本<2>、<3>は加熱温度の上昇と圧接荷重の増加に伴って剥がれシールの中間帯で密着が成立している。本発明が提示する密着の実現性を明らかにできた。しかし、<1>の密着はシーラントの剥がれシール温度帯(102〜108℃)より高温(約118℃以上)の加熱を必要としている。(この記述の解析は後述)
共通的に、剥がれシール帯の密着には約20N/10mm以上の荷重が必要であることが分った。
表2で示した<1>の密着不成功を次の2点で検証した。
(1)シーラント(LLDPE)のヒートシール強さの発現特性の計測
(2)密着が完成する温度域の詳細な計測
これらの計測結果のまとめを図6に示した。この実験では、加熱体を材料に直接接触させて、最速の加熱条件とし、加熱速さの影響を極小化した。
シーラント(LLDPE)のヒートシール強さ[a]の発現は平衡溶着面温度の100℃付近から立ち上がり、108℃付近で界面接着と凝集接着の境界になっている。他方、常温では剛性の大きい基材(OPP)の塑性変形は、軟化の始まる118℃付近から起こり、条突起の集中圧接によって、密着が始まっている。基材の塑性変形密着が容易に完成する128℃付近ではシーラント(LLDPE)はほぼ溶融して、モールド接着になっているから密封は完成するが、接着面からの剥離はできない。延伸加工されているこの基材(OPP)は124℃付近からシュリンクが始まっているのでこれ以上高い温度帯の加熱は不適当となる。
別に、この組み合わせ材料を平面接着して、密着の不完全領域を調べてみるとシーラントだけの場合は(≒0.5N/15mm)の圧接荷重でも密着が完成している。 しかしOPPフイルムとのラミネーション状態では3N/15mm以下では漏れが起こっている。すなわち基材のミクロの撓み力がシーラントの接着力を上回り、シーラントが固結する前に熱間剥離現象(ホットタック)が起こっていることを確認した。すなわち、剥がれシール帯の密封を確立するためには、基材の反発力が小さくなる軟化域で、剥がれシールが起こるシーラントが必要であることを確認した。
従来、ヒートシールの不具合が発生すると常套手段一つとして、シーラントの接着の発現温度帯を低温側に移行する方法が30〜40年前から世界的に行われていた。シーラントの接着発現温度と密着が可能な温度帯との乖離が大幅に進み、すなわち凝集接着帯への偏重が世界的に行われていた。そして密封と易開封が背反する論理の定着してしまった。本発明の提示するシーラントの剥がれシール温度帯を基材の軟化温度域に上昇させる方策はお呼びもつかなかった。
この不具合事例において、図6中に付記したように、シーラントのヒートシール強さ[a]を基材の密着が可能な軟化温度帯(118〜128℃)[b]へ移行するシーラントを用意すれば剥がれシール帯における密着の達成ができる。
本発明者はこの論理の実施に成功した。
すなわち、本発明は、基材層とシーラント層を有する積層材において、基材層の塑性変形領域とシーラント層の剥がれシール領域を求め、両領域の少なくとも一部が重複するシーラント層を選定することを特徴とするシーラント層の選定方法を提供するものである。
本発明者は既に微細条突起を持つ加熱体ともう一方に耐熱性の弾性体を装着して、密着と剥がれシールの面加熱を同時にできる新ヒートシール技法を提示している。(特許第5779291号)
上記のような構成の包装材料を新ヒートシール技法に適用することによって、密封と易開封の達成は容易になった。
従って、本発明は、基材層とシーラント層を有する積層材において、基材層の塑性変形温度領域とシーラント層の剥がれシール温度領域を求め、両領域の少なくとも一部が重複するシーラント層を選定し、この積層材のヒートシールに、帯状に設けられる剥がれシールと、該帯状剥がれヒートシール内でその長尺方向に線条ヒートシールが剥がれシールで付加されている複合ヒートシール構造を適用することを特徴とするヒートシール方法をも提供するものである。
(1)開封用のノッチの加工を省略できる。
(2)ヒートシール面を利用した易開封が可能になった。
(3)ヒートシール用シーラントの設計方法の合理化が図れた。
(4)ヒートシール製品の製造工程を簡略化できる。
(5)段差部の貫通孔ができる長年月の密封と易開封の課題を解消した。
(6)高齢者/障碍者の開封操作を容易にし、易開封のユニバーサルデザインに反映できる。
(7)包装のコストダウンが図れる
汎用のOPPでは軟化点より10℃以上、好ましくは15℃以上高い温度で、融点より15℃以下好ましくは20℃以下の低い温度範囲が好適である。
そして、基材層とシーラント層以外層も含まれていてもよい。例えば、ガスバリア性や遮光性を向上させるアルミフォイルや不透明材等を含んでいてもよい。
(1)使いたい基材層となる材料を用意する。
(2)薄手(10〜20μm)のLLDPEフイルムを用意する。(市販の汎用品でよい)
(3)ピロー袋のセンターシールを模して、LLDPEフイルムをシーラントの位置になるように当該材に挟み込む。LLDPEフイルムの挟み込みは、基材の軟化塑性変形の密着が10μm程度以下に到達したセンサとして利用する。
(4)図5の圧着装置を用い、表2の圧接荷重を参照して、温度を2℃ステップで微細円弧状で局部加熱する。常温に冷却後、「探傷液法」によって密着状態を検査する。200倍程度の顕微鏡を用いれば、数μm程度の着色した貫通孔を目視検査できる。
(5)検討するシーラント材に就いて(2)と(3)を除いて、シーラント材の密着性を同様に試験する。
(6)検査結果をグラフにして、<1>2〜10N/15mm以上のヒートシール強さ範囲、<2>密着が完成する上限圧接荷重以下(材料毎に異なる)を確認して、当該材料毎の加熱温度と圧着範囲を選定する。
(7)基材の密着が可能となる開始温度で、約1N/15mm以上のヒートシール強さが発現するようなシーラント材を選択するのが好ましい。
その場合、線条シール部は接着面積が小さいので外力に対する耐破袋性が非常に小さい。周辺に通常5mm幅以上の剥がれシールの面接着帯を設けて、剥離エネルギーを利用した、耐破袋性能を高める必要がある。
この複合ヒートシール構造は、図5に示すヒートシール機で形成できる。
合掌貼り部の作成時に接着面の内側のヒートシール線には溶融したシーラントがはみ出すと屈曲部の段差は増幅され、段差部の密封が阻害されるが軟化温度帯にシーラントの剥がれシール帯を選べば不具合は解消できる。
(1)基材仕様:市販品の2軸延伸ポリプロピレン(OPP)50μm
(2)密着検知シーラント:LLDPE;≒10μm(市販品)
(3)適合性試験の対象に選んだシーラント
1)PP Co-polymer:20μm
2)層間剥離シーラント:30μm
3)凝集剥離シーラント:30μm
(4)標本寸法:2枚部;10mm(折り曲げ)、4枚部;(内部折り曲げ)10mm、2枚部;10mm(端部開放)[図5(a)参照]
(5)加熱面幅:15mm
(6)条突起:0.6mm丸棒 (長さ;≒40mm)
(7)圧接荷重:20、40、60、80、100N/10mm
(8)加熱温度:加熱体表面温度:100〜140℃(精度±0.4℃)
(9)加熱時間:3s(平衡温度到達の最少時間)
(10)加熱標本の冷却:加熱後2s以内に室温のアルミ体で軽く圧接し強制冷却
(11)密着試験:「探傷液」を条突起線に点滴し、「探傷液」の浸透を×10〜20のルーペで目視確認
加熱温度と圧接荷重をパラメータにして、基材の密着確認を10μmのLLDPEを密着センサとして挟んで、約20μm以内の密着が完成する範囲を試験した。
この検証結果を表3にまとめた。
当該材料は2軸延伸が掛けられているので、延伸時の温度に近づくと元の容積に戻るためシュリンクが起こる。従って、延伸フイルムはシュリンク前の温度帯で利用する必要がある。当該材料では124℃付近で観察された。
本試験の結果、当該材料の密着が可能な適正温度帯は約10℃幅の114〜124℃付近が得られた。この温度帯に一致するようなシーラントの選択又は設計が求められる。
密封と易開封の適合性の制約条件は
(1)易開封適正はヒートシールの安定性の視点から、ヒートシール強さを2N/15mm以上、開封力の最大値制限から10N/15mmの範囲の適用が要求される。
(2)圧接荷重は装置の発生荷重の制約から80N/10mmの上限を設定した。
(3)延伸の掛かった材料では延伸時の温度より高くなると溶融状態の容積に戻るのでシュリンクが発生する。本試験に適用した基材で124℃付近に制限温度がある。
このシーラントは、規則配列(アイソタクチック)、不規則配列(アタクチック)のco-polymerを配合して、ヒートシール強さの発現温度や剥がれシール温度帯を拡張した材料である。
本ケースの密封と易開封の適正加熱範囲は、約6℃幅の117〜123℃が得られた。
層間剥離シーラントの本発明への適用性を検討するために<層間剥離シーラント:30μm>を選んだ。この材料は基材、層間剥離層とシーラントで構成していて、シーラントは約10μmで薄い。
層間剥離のシーラントの特徴は、ヒートシール強さ発現初期はシーラントの界面接着面強さが現れ、シーラントが凝集接着温度まで加熱されるとシーラントの隣接するラミネーション材が熱変性して、接着力を微小になるように設計されている。この温度以上に加熱された後に、常温にして、この接着エッジに開封力が付与するとエッジは破断して、熱変性して接着力が低下した加熱面部の開封となる。 本ケースではシーラントの破断力は6N/15mmであり、加熱の熱変性でデラミ部は約1.5N/15mmになっていて、低い易開封を獲得している。
シーラントは112〜126℃帯で20N/10mmもしくは以下で密着していて、基材との極めて良好な相性を示している。基材との密封と易開封の相性の図解を図8(b)に示した。加熱温度が112〜120℃ではシーラントの界面接着の剥がれ特性を示している。120℃に到達するとシーラントは凝集接着状態となる。この付近の温度帯に到達すると層間剥離層は熱分解によって、接着力を失うデラミ状態になる。
薄いシーラント(≒10μm)で構成されているので、内側のヒートシールエッジに開封力(≒6N/15mm)が作用すると容易に破断して、層間の剥離に移行する。122〜126℃の層間剥離力は(1.2〜2.5N/15mm)となっている。この場合の開封は、ヒートシール幅が15mmなら開封力は、一旦、約12Nに上がって、プッツン!と切れて、その後は直ちに3〜4Nの低開封力に移行する。
本ケースの場合の制約条件は圧接荷重の上限(80N/10mm)温度とシュリンク開始温度が制約条件となり、約8℃幅の116〜124℃付近が密封と易開封の適正加熱範囲となる。層間剥離の発現温度を116℃以下に設定すれば、基材が密着する116〜124℃の全域で低い開封力の易開封が実施できる。(図9参照)
凝集剥離のシーラントは2種以上の高分子の相溶性を利用している。
お互いに接着しない異種のプラスチックをシーラントに混合して作成する。この面を合わせて、混合した高分子の一方のみが接着する温度帯で加熱するとシーラント内の粒子間で接着の不揃いが起こる。冷却後の開封力で層内に破壊剥離が起こる。
一定値迄の加熱温度の接着力は混合分子の割合や分子の種類の選択で、ほぼ一定な間引き接着力を示す特徴がある。加熱温度が更に上昇するともう一方の混合分子も接着状態になるので層内の破壊剥離はなくなり、全体が凝集接着状態になる。本例では低ヒートシール強さの材料を適用した。所望の開封力を得るには異種分子の混合割合で調節する。
実施例において本発明が3種のシーラントに対応できることを示し、その汎用性を検証した。そして本実施例の検証法を適用して、適格なシーラントの合理的な設計法が確認できた。
以上の検討結果をまとめ、密封と易開封を両立させる本発明の包装材料の設計法のモデル化を図9に示した。
実施例の基材とシーラントを組み合わせた複合シール材料を特許(5779291)法でヒートシールを行った。引張試験の実測剥離パターンを図10に示した。
この結果、密着部に剥がれシール帯を共存させる本発明の設計法が有効に機能して、弱い密着部が周辺の剥がれシールの剥離エネルギーによって、破袋が防御されている様子を確認できた。
2 加熱体2
3 材料
4 ガセット折部
5 センターシール
6 屈曲部
7 不圧着部
8 4枚部
9 段差部
10 条突起
11 加熱体
12 加熱体
13 標本
14 押し潰し荷重
15 成形密着部
16 屈曲点
17 空気シリンダ
18 線条突起
19 加熱体
20 加熱体
21 材料
22 弾性体
23 押し潰し荷重
24 4枚部
25 2枚部
Claims (2)
- 基材層とシーラント層を有する積層材において、基材層の塑性変形温度領域とシーラント層の剥がれシール温度領域を求め、両領域の少なくとも一部が重複するシーラント層を選定することを特徴とするシーラント層の選定方法
- 基材層とシーラント層を有する積層材において、基材層の塑性変形温度領域とシーラント層の剥がれシール温度領域を求め、両領域の少なくとも一部が重複するシーラント層を選定し、この積層材のヒートシールに、帯状に設けられる剥がれシールと、該帯状剥がれヒートシール内でその長尺方向に線条ヒートシールが剥がれシールで付加されている複合ヒートシール構造を適用することを特徴とするヒートシール方法
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