JP2013212677A - 塗布液カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、製造コストを殆ど増加させることなく、インク栓の取り外し時においてインクの飛散が起き得ない塗布液カートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】塗布液カートリッジ1は、吐出部12を有するカートリッジ本体2と、吐出部12に嵌合する圧入部8を有するインク栓3とを備えている。カートリッジ本体2には、吐出部12を囲繞するように張り出した押出ガイド13が設けられ、その押出ガイド13は、緩勾配部18から急勾配部19に段階的に変化する傾斜領域15と、平坦領域16とを有する。インク栓3には、押出ガイド13と当接する摺動部9が設けられている。そして、カートリッジ本体2からインク栓3を離反させる際は、インク栓3をカートリッジ本体2に対して、軸線周りに相対的に回動し、摺動部9を押出ガイド13に沿って移動させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクや糊、修正液等の液体状の塗布液が収容され、塗布具本体に装着される塗布液カートリッジに関するものである。
近年、資源の有効利用等の観点から、特許文献1に示すように、交換可能なインクカートリッジ(単にカートリッジともいう)を用いたマーカーペンやボールペン等の塗布具が普及している。そして、この種の塗布具は、ケース体にカートリッジ装着部(単に装着部ともいう)が設けられ、その装着部にカートリッジが装着される構成とされている。すなわち、カートリッジは、内部のインクを外部に流出させるインク吐出口を有し、そのインク吐出口をケース体のインク導入口と連通させることで、ペン先へのインクの供給を可能としている。
ところで、市場において販売されている単体のカートリッジは、通常、インク吐出口からのインクの流出を阻止するべく、インク吐出口がインク栓で閉塞されている。すなわち、単体カートリッジは、主に、インクが充填されたカートリッジ本体と、インク栓とを有する構成である。このため、この種の単体カートリッジは、塗布具のカートリッジを交換する際に、カートリッジ本体のインク吐出口を開放するべく、カートリッジ本体からインク栓を取り外す必要がある。
そこで、従来より、カートリッジの交換容易性の観点から、カートリッジ本体とインク栓は、容易に分離できる構造にされている。そして、その多くの場合、製造コストを抑えるべく、圧入固定式のインク栓が採用されている。すなわち、このインク栓には、突起状の圧入部が設けられ、その圧入部をインク吐出口に圧入して嵌合させることで、カートリッジ本体内部を密閉できる構成とされている。
ところが、この圧入固定式のインク栓を有したカートリッジは、インク栓を取り外す際に、インクが周囲に飛び散り、その本人や周囲の人、あるいは建物内装等を汚してしまう可能性が高いという不満があった。
これについて簡単に説明すると、カートリッジ本体のインク吐出口に圧入されたインク栓を取り外す場合、インク栓とカートリッジ本体を引き離す方向に力を掛ける必要がある。すなわち、カートリッジを交換する際には、需要者はインク栓をカートリッジ本体から取り外すべく、インク栓をカートリッジ本体から離反する方向、つまり引っ張る方向に力を掛ける。そして、力の方向にインク栓とカートリッジ本体が移動することで、インク栓がカートリッジ本体から脱離する。
ところが、このようにしてインク栓を脱離した場合、力の掛け始めは、インク栓とカートリッジ本体の両者は一体的であり動きはないが、インク栓の嵌合状態が解除された瞬間、各々が互いに離反する方向に移動してしまう場合がある。そして、カートリッジ本体がインク栓と離反する方向に移動した瞬間においては、慣性力によって、カートリッジ本体の内容物たるインクがその移動に追従できず、インク吐出口から外部に放出されることがある。すなわち、カートリッジ本体とインクが相対的に移動することによって、意図せずインク吐出口からインクが漏出してしまうおそれがあった。
このように、従来技術においては、カートリッジ本体からインク栓を取り外すべく、両者を引き離す方向に力を掛けるという動作が、インクの飛散を招く要因の1つとなっていた。
そこで、インク蓋とカートリッジ本体とにネジ機構を設け、互いに螺合させて固定する方策が案出される。この方策によれば、インク蓋をカートリッジ本体から取り外す際に、圧入固定式の構造のように、インク栓とカートリッジ本体とを引き離す方向に力を掛ける必要がないため、前記したような不具合は起き得ない。
特開2011−104982号公報
しかしながら、製造コストの観点からすれば、インク栓やカートリッジ本体にネジ機構を設けると、大幅なコストアップに繋がるため、避ける必要があった。
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、製造コストを殆ど増加させることなく、インク栓の取り外し時においてインクの飛散が起き得ない塗布液カートリッジを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、塗布液吐出口が設けられたカートリッジ本体と、当該塗布液吐出口を閉塞してカートリッジ本体内部を密閉可能な閉塞部材とを備えた塗布液カートリッジであって、カートリッジ本体には、塗布液吐出口を囲繞するように張り出した押出ガイドが設けられ、当該押出ガイドは、張り出し頂部が囲繞方向に沿って段階的に異なる上り勾配で傾斜した傾斜領域を有し、閉塞部材には、押出ガイドと当接する摺動部が設けられ、前記摺動部を前記押出ガイドの傾斜領域の上り勾配に沿って移動させると、閉塞部材によるカートリッジ本体の密閉状態が解除されることを特徴とする塗布液カートリッジである。
本発明の塗布液カートリッジは、需要者等が、カートリッジ本体と閉塞部材とを引き離す方向に直接的に力を掛けることなく、カートリッジ本体から閉塞部材を容易に取り外すことができる機能を備えている。すなわち、本発明では、そのような機能を持たすべく、カートリッジ本体には塗布液吐出口を囲繞するような押出ガイドが設けられ、閉塞部材にはその押出ガイドの傾斜領域に沿って移動可能な摺動部が設けられた構成とされている。これにより、摺動部が塗布液吐出口を囲繞するように移動すれば、その押出ガイドの傾斜領域の上り勾配に従って、閉塞部材をカートリッジ本体から離反する方向に移動させることができる。換言すれば、本発明は、需要者等が、閉塞部材とカートリッジ本体を、塗布液吐出口を基準とした周方向に相対的に回動する力を加えれば、閉塞部材とカートリッジ本体が離反してカートリッジ本体の密閉状態を解除させることができる。
したがって、本発明によれば、カートリッジ本体と閉塞部材とを相対的に回動させることで、カートリッジ本体から閉塞部材を取り外すことが可能となるため、カートリッジ本体から閉塞部材を取り外す際に、需要者等がカートリッジ本体と閉塞部材とを引き離す方向に直接的に力を掛ける必要がない。これにより、閉塞部材の取り外し時において、カートリッジ本体から塗布液が意図せず飛散してしまうことを防止できる。
また、本発明では、押出ガイドの傾斜領域が、段階的に異なる上り勾配とされているため、カートリッジ本体と閉塞部材とを相対的に回動させる際に要する力が過大とならない。
これについて以下に説明する。
本発明は、前記したように、カートリッジ本体と閉塞部材とを相対的に回動させて、カートリッジ本体から閉塞部材を引き離す方向に移動させる構成である。そのため、傾斜領域の上り勾配が増加するほど、摺動部と押出ガイドとの間には大きな摩擦力が生じ得る構成である。特に、閉塞部材によってカートリッジ本体が密閉された状態、例えば先に説明したような圧入固定式の閉塞部材が採用されていれば、閉塞部材が塗布液吐出口と嵌合した状態においては、摺動部と押出ガイドとの間の摩擦力に加えて、嵌合部における嵌合力及び摩擦力も加算される。すなわち、カートリッジ本体が密閉された状態、つまり閉塞部材を取り外す動作の主に初期段階では、閉塞部材をカートリッジ本体に対して回動する際に生じ得る摩擦力等が過大になり易いと言える。
このような事情に基づけば、押出ガイドの傾斜領域を、段階的に異なる上り勾配、言い換えれば、カートリッジ本体の密閉状態が解除されるまでは緩い上り勾配とし、その後、段階的に急な上り勾配とすることが好適である。
そこで、本発明では、押出ガイドの傾斜領域が、段階的に異なる上り勾配となるようにしている。これにより、閉塞部材をカートリッジ本体に対して相対的に回動する際に、需要者が過剰な力を掛ける必要がなくなるため、閉塞部材の取り外しの際の需要者等の負担を軽減できる。これに伴い、閉塞部材の取り外しの際に、大きな力を掛けるべく、カートリッジ本体の姿勢を過度に傾ける等の、塗布液を漏出させ得る要因を予め消しておくことができる。結果、需要者が誤って塗布液を飛散させてしまう可能性を、より低いものとすることができる。
請求項2に記載の発明は、押出ガイドは、傾斜領域の最頂部に連続的に接続された平坦領域を有することを特徴とする請求項1に記載の塗布液カートリッジである。
かかる構成によれば、傾斜領域を通過した閉塞部材の摺動部を、平坦領域に載置できるため、需要者等が閉塞部材から力を解放したとしても、その閉塞部材が傾斜領域を逆走してしまうことがない。すなわち、本発明によれば、密閉状態を解除しカートリッジ本体が、その後、意図せず再び密閉状態にされてしまう不具合は起き得ない。
ここで、例えば、圧入固定式の閉塞部材を採用する場合、塗布液吐出口に圧入部が嵌合されるが、この嵌合される圧入部の抜き差しを可能にするには、塗布液吐出口が外部方向(開口が広がる方向)に変形することが好ましい。
そこで、請求項3に記載の発明は、押出ガイドは、塗布液吐出口を形成する開口形成部の端から一定以上離反した位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布液カートリッジとされている。
かかる構成によれば、塗布液吐出口が変形を要する際に、押出ガイドがその変形を阻害することがないため、圧入固定式の閉塞部材を採用した場合に好適である。
請求項4に記載の発明は、閉塞部材は、塗布液吐出口に圧入して嵌め込まれる圧入部を有し、傾斜領域は、最底部側に配された所定の上り勾配の緩勾配部と、最頂部側に配された当該緩勾配部よりも急な上り勾配の急勾配部とで構成され、塗布液吐出口に嵌合された圧入部は、摺動部が緩勾配部から急勾配部に移行するタイミングで塗布液吐出口との前記嵌合状態が解除されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布液カートリッジである。
かかる構成によれば、閉塞部材の圧入部が塗布液吐出口に嵌合されている間は、閉塞部材の摺動部は緩勾配部を移動するため、需要者等は小さな力でカートリッジ本体の密閉状態を解除することができる。
また、本発明では、カートリッジ本体の密閉状態が解除された後、閉塞部材の摺動部を急勾配部上で移動させることができるため、それに伴い、閉塞部材をカートリッジ本体から大きく離反させることができる。これにより、視覚的に、カートリッジ本体における密閉状態の解除の有無が認識し易くなるため、カートリッジ本体の密閉状態を解除した後に、需要者等が誤ってカートリッジ本体を逆さにしてしまうおそれが殆どない。すなわち、本発明では、カートリッジ本体が密閉されていると誤認知して、塗布液をこぼしてしまうような不具合は発生し得ない。
本発明の塗布液カートリッジは、緩勾配部は、2〜3度勾配であり、急勾配部は、15〜17度勾配であることが望ましい。(請求項5)
ここで、カートリッジ本体の気密性を十分に維持するためには、カートリッジ本体の内部圧力等にもよるが、閉塞部材の圧入部と塗布液吐出口との嵌合領域が、圧入部の抜き差し方向に1.2〜1.3mm程度となるようにすることが、経験則的に望ましい。
そこで、請求項6に記載の発明は、閉塞部材は、摺動部が緩勾配部に沿って移動することで、カートリッジ本体から離反する方向に1.2〜1.4mmの範囲で移動することを特徴とする請求項4又は5に記載の塗布液カートリッジとされている。
かかる構成によれば、閉塞部材の圧入部の移動距離を最小限に抑えつつ、その距離をもってカートリッジ本体の密閉状態を解除できるため、閉塞部材を取り外す際の需要者等の負担を限りなく小さなものとすることができる。
請求項7に記載の発明は、押出ガイドは、同一の仮想円上に複数の傾斜領域を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗布液カートリッジである。
かかる構成によれば、カートリッジ本体から閉塞部材をバランス良く離反方向に移動させることができるため、閉塞部材の一部がカートリッジ本体のいずれかの部分に引っかかり、閉塞部材が捻れてしまうような不具合が起き難い。
本発明の塗布液カートリッジは、カートリッジ本体と閉塞部材を相対的に回動させて、両者を離反することができるため、閉塞部材の取り外し時に塗布液が飛散してしまうことがない。また、押出ガイドには段階的に異なる上り勾配を呈した傾斜領域が設けられたため、閉塞部材を取り外す際に要する力が過大とならず、またカートリッジ本体の密閉状態の解除の有無を視覚的に認知させることが可能となる。
本発明の実施形態に係るインクカートリッジを示す斜視図である。 図1のインクカートリッジを別の角度から見た斜視図である。 図1のインクカートリッジの分解斜視図である。 図1のインクカートリッジを示す縦断面図である。 押出ガイドに注目した端部形成部材を示す斜視図である。 端部形成部材を示す断面図であり、図4と異なる方向からの断面図である。 端部形成部材を示す平面図である。 押出ガイドを示す展開図である。 インク栓を裏面側から見た斜視図である。 インク栓を裏面側から見た平面図である。 カートリッジ本体とインク栓とが嵌合された状態を示す説明図であり、(a)はインク栓の摺動部とカートリッジ本体の押出ガイドとの関係を示す斜視図で、(b)は摺動部の位置で切った縦断面図である。((a)に示す摺動部をドットで表示) カートリッジ本体とインク栓との嵌合が解除された状態を示す説明図であり、(a)はインク栓の摺動部とカートリッジ本体の押出ガイドとの関係を示す斜視図で、(b)は摺動部の位置で切った縦断面図である。((a)に示す摺動部をドットで表示) カートリッジ本体とインク栓との嵌合が解除された後、インク栓が急勾配部にガイドされている状態を示す説明図であり、(a)はインク栓の摺動部とカートリッジ本体の押出ガイドとの関係を示す斜視図で、(b)は摺動部の位置で切った縦断面図である。((a)に示す摺動部をドットで表示) カートリッジ本体とインク栓との嵌合が解除された後、インク栓が高位平坦部に載置されている状態を示す説明図であり、(a)はインク栓の摺動部とカートリッジ本体の押出ガイドとの関係を示す斜視図で、(b)は摺動部の位置で切った縦断面図である。((a)に示す摺動部をドットで表示) 図1のカートリッジ本体が装着された塗布具を示す斜視図である。 図15の塗布具を示す分解斜視図である。 図15の塗布具を示す縦断面図である。 (a)は端部形成部材の変形例を示す斜視図であり、(b)は(a)の端部形成部材を示す展開図である。 (a)は端部形成部材の別の変形例を示す斜視図であり、(b)は(a)の端部形成部材を示す展開図である。 (a)はインク栓の変形例を示す斜視図であり、(b)は(a)のインク栓を示す展開図である。 インク栓と端部形成部材の変形例を示す分解斜視図である。 インク栓と端部形成部材の別の変形例を示す分解斜視図である。 図22のインクカートリッジの密閉状態を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係るインクカートリッジ(塗布液カートリッジ)1について説明する。
本実施形態のインクカートリッジ1は、所定の塗布具本体50に装着されるインク供給用のタンクであり、図1、2に示すように、内部にインクが充填されたカートリッジ本体2と、カートリッジ本体2からの不要なインクの漏出等を防止するインク栓(閉塞部材)3とを備えた構成とされている。
カートリッジ本体2は、図3に示すように、一方の端部が開放されたタンク部材5と、そのタンク部材5の開放端側に装着される端部形成部材6とで構成されている。
タンク部材5は、図3、4に示すように、外観がほぼ円筒状であり、円筒の軸線方向一方の端部が開放(タンク開放端部とも言う)され、他方の端部が閉塞(タンク閉塞端部とも言う)された有底状の構造である。すなわち、タンク部材5は、その円筒の内部にインクが貯留される空間(内部空間)20が形成されている。より具体的には、タンク部材5は、円筒の側壁を形成するタンク側面壁30と、タンク閉塞端部の端壁を形成するタンク端面壁31を有し、それらによって内部空間20が形成されている。
また、タンク部材5は、さらに内周凸23と、2つの係合突起21と、外周段部24とを有する。
内周凸23は、タンク開放端部側に位置し、タンク側面壁30の内側面に沿って形成された凸部である。
係合突起21は、タンク開放端部の縁端部を基端として軸線方向に張り出した部分であり、正面視した形状が方形状にされている。そして、この係合突起21は、後述する端部形成部材6の係合溝22と同等の大きさあるいは若干小さく設定されている。
外周段部24は、タンク閉塞端部側(タンク端面壁31側)に位置し、タンク側面壁30の外側面に沿って形成された一条の螺旋状段部である。
端部形成部材6は、図5に示すように、円筒状の筒体本体11と、タンク部材5に貯留されたインクを外部に導く円筒状の吐出部12と、カム機能を備えた押出ガイド13とで構成されている。
筒体本体11は、図6に示すように、軸線方向の一方の端部が開放(端部開放端部とも言う)され、他方の端部が閉塞(端部閉塞端部とも言う)された有底状の構造であり、内部に端部空間29が形成されている。より具体的には、筒体本体11は、円筒の側壁を形成する端部側面壁32と、端部閉塞端部の端壁を形成する端部端面壁33とを有し、それらによって端部空間29が形成されている。
また、筒体本体11は、さらに外周突条25と、2つの係合溝22と、1つの端面貫通孔35とを有する。
外周突条25は、端部側面壁32の外側面に形成された段部であり、前記内周凸23に係合する部分である。
係合溝22は、端部端面壁33の縁端部分に形成された切り欠き状の溝部であり、正面視した形状が方形状にされている。そして、タンク部材5の係合突起21と同等の大きさあるいは若干大きく設定されている。
端面貫通孔35は、端部端面壁33のほぼ中央に位置し、端部端面壁33の部材厚方向に貫通した孔である。
吐出部(塗布液吐出口)12は、前記したように、端部閉塞端部、つまり端部端面壁33に設けられており、その端部端面壁33に対して直交方向(端部形成部材6の軸線方向)外側に張り出した円筒状の部分である。より具体的には、吐出部12は、図4に示すように、筒体本体11の端部側面壁32と反対方向に突出しており、その基端側が筒体本体11の端面貫通孔35と連通する配置にされている。そして、吐出部12は、内径の大きさが、端面貫通孔35の開口径とほぼ同程度の大きさあるいはその径より若干大きく設定されている。すなわち、吐出部12は、端面貫通孔35を介して筒体本体11の端部空間29と連通している。換言すれば、吐出部12は、端面貫通孔35を通過したインクを、外部に流出させるインク吐出口として機能する部分である。
さらに、吐出部12の内径について付言しておく。
前記したように、カートリッジ本体の吐出部は、インク吐出口として、インクを意図して流通させ得る機能を要する。しかしながら、その一方で、吐出部インクを意図せず漏出させない機能を備える必要がある。すなわち、カートリッジ本体の吐出部は、何らかの拍子に、開放状態の吐出部を下方に向けた場合であっても、インクが滴下しないことが望ましい。そこで、本実施形態では、吐出部12の内径を、3.0mm超〜4.0mm未満、好ましくは3.2mm〜3.8mmの範囲に設定している。また、より好ましい吐出部12の内径としては、3.4mm〜3.6mmであり、本実施形態では、そのうち最も好ましい3.5mmの内径が採用されている。
また、吐出部12は、図6に示すように、内側面に被嵌合部36が設けられている。被嵌合部36は、吐出部12の内径が狭小にされた部分であり、吐出部12の軸線方向ほぼ中央から基端までの領域fである。具体的には、被嵌合部36の占める領域fは、吐出部12の先端から軸線方向2.5〜3.0mm程度基端寄りの位置から基端までである。すなわち、吐出部12は、領域f以外の先端側の内径が、被嵌合部36の内径よりも若干広い構成にされている。
押出ガイド13は、筒体本体11の端部端面壁33に設けられ、その端部端面壁33に対して直交方向(端部形成部材6の軸線方向)に張り出すように形成されたガイド用の壁である。具体的には、押出ガイド13は、図5に示すように、大別して、端部端面壁33を基準に、張り出し長さ(立設高さ)が変化する傾斜領域15と、張り出し長さ(立設高さ)が一定の平坦領域16を有する。そして、押出ガイド13は、図7に示すように、傾斜領域15と平坦領域16とによって、平面視形状が円形になるように配されており、傾斜領域15は、張り出し頂部が円周方向に傾斜する構成にされている。
より具体的には、本実施形態では、押出ガイド13は、図7、8に示すように、傾斜領域15と平坦領域16とを1つの組とした単体ガイド領域17を有し、2組の単体ガイド領域17a、17bを組み合わせて形成されている。そして、押出ガイド13は、その2組の単体ガイド領域17a、17bを組み合わせて形成される円の中心が、吐出部12の軸心と一致するような配置、且つ、押出ガイド13の径が、吐出部12の外径よりも大きくなるような構成にされている。すなわち、押出ガイド13は、吐出部12の径方向外側の位置で囲繞する配置にされている。そして、本実施形態では、押出ガイド13の内側面が、吐出部12の外側面から一定距離離反されており、押出ガイド13と吐出部12との間に隙間41を形成している。
また、各単体ガイド領域17のそれぞれは、前記したように、傾斜領域15と平坦領域16を有する構成である。そして、本実施形態では、傾斜領域15と平坦領域16とが、さらに細分化された領域を有する。すなわち、傾斜領域15は、円周方向に勾配の異なる2つの領域を有する。具体的には、図5、8に示すように、傾斜領域15は、一方の領域よりも勾配が緩い緩勾配部18と、他方の領域よりも勾配が急な急勾配部19とを備え、緩い勾配から急な勾配に段階的に変化する構成である。
緩勾配部18は、図7、8に示すように、単体ガイド領域17の一部の領域であって、円周方向に開いた角度tが110〜113度の領域(円弧領域)、好ましくは角度tが112度の円弧領域であり、さらに張り出し頂部(立設頂部)が2〜3度の上り勾配(張り出し方向に向けた勾配)α、好ましくは3度の上り勾配αにされた部分である。本実施形態では、緩勾配部18の傾斜が、押出ガイド13を平面視した状態で、反時計回りに上り勾配を呈している。
急勾配部19は、単体ガイド領域17の一部の領域であって、緩勾配部18の最頂部(上り勾配の傾斜に沿った終点部)を始点に、円周方向に開いた角度uが23〜26度の円弧領域、好ましくは角度uが25度の円弧領域であり、さらに張り出し頂部(立設頂部)が15〜17度の上り勾配(張り出し方向に向けた勾配)β、好ましくは17度の上り勾配βにされた部分である。すなわち、急勾配部19は、緩勾配部18と同様、反時計回りに上り勾配を呈している。
一方、平坦領域16は、傾斜領域15を挟む位置の2箇所に設けられている。具体的には、図3、5に示すように、平坦領域16は、一方の領域よりも張り出し長さ(立設高さ)が短い(低い)低位平坦部26と、他方の領域よりも張り出し長さ(立設高さ)が長い(高い)高位平坦部27とを備えた構成である。
低位平坦部26は、図6、7に示すように、単体ガイド領域17の一部であって、円周方向に開いた角度sが8〜11の円弧領域、好ましくは角度sが10度の円弧領域であり、さらに筒体本体11の端部端面壁33からの張り出し長さ(立設高さ)が1.0〜1.2mm程度とされた部分である。そして、低位平坦部26は、円周方向一方の端部(反時計回り方向終点部)に緩勾配部18の最底部(上り勾配の傾斜に沿った始点部)が連続的に接続されている。換言すれば、低位平坦部26は、反時計回り方向を基準にすれば、単体ガイド領域17の始点に相当する。
高位平坦部27は、単体ガイド領域17の一部であって、円周方向に開いた角度vが31〜34度の円弧領域、好ましくは角度vが33度の円弧領域であり、さらに筒体本体11の端部端面壁33からの張り出し長さ(立設高さ)が4.0〜4.2mm程度とされた部分である。そして、高位平坦部27は、円周方向一方の端部(反時計回り方向始点部)に急勾配部19の最頂部が連続的に接続されている。また、この急勾配部19と高位平坦部27との接続部40について付言しておくと、図5、8に示すように、張り出し頂部が滑らかな曲線状に形成されている。具体的には、この接続部40は、張り出し頂部の曲率が一定の割合で変化するクロソイド曲線を呈する形状にされている。
このように、各単体ガイド領域17は、反時計回りの方向に、低位平坦部(平坦領域)26、緩勾配部(傾斜領域)18、急勾配部(傾斜領域)19、高位平坦部(平坦領域)27の順番に並べられて、押出ガイド13の円周のうち180度に開いた円弧領域(半円)を占める構成である。すなわち、押出ガイド13は、図7、8に示すように、2つの単体ガイド領域17a、17bが円周方向に並んでおり、一方の単体ガイド領域17aの高位平坦部27と他方の単体ガイド領域17bの低位平坦部26とが接続され、一方の単体ガイド領域17aの低位平坦部26と他方の単体ガイド領域17bの高位平坦部27とが接続されて一連の円形状の壁を形成している。
なお、便宜上、図5において、低位平坦領域26と緩勾配部18との接続部、及び、緩勾配部18と急勾配部19との接続部を、急に角度が変化するように描いているが、これらの接続部の実際の形状としては、滑らかに角度変化していることが好ましい。尤も、本発明では、図5に示したように、前記接続部が急に角度が変化する構成であっても構わない。
インク栓3は、図3、9に示すように、一方の面が開放された有底状のキャップ体7と、キャップ体7の内側に設けられた突起状の圧入部8及び摺動部9とで構成されている。
キャップ体7は、外観が円筒状であり、側壁を形成するキャップ側面壁45と、円筒の一方の端部壁を形成するキャップ端面壁46とを備えており、さらにそれらによって囲繞されたキャップ空間47を有する。
圧入部8は、キャップ空間47内に位置し、キャップ端面壁46を基端に、キャップ体7の開放端側に向けて突出した部分である。また、圧入部8は、断面形状がほぼ円形であり、突出方向(キャップ体7の軸線方向)先端側に挿入容易化部48が設けられている。挿入容易化部48は、圧入部8の断面積がその他の箇所よりも狭小にされた部分であり、圧入部8の突出方向中途の位置から先端までの領域である。具体的には、挿入容易化部48の占める領域は、圧入部8の突出方向中途の位置から先端までが1.5〜1.8mm程度の長さにされている。
摺動部9は、キャップ空間47内に位置し、キャップ側面壁45の内側面から突出した部分である。具体的には、摺動部9は、キャップ体7の軸線方向に直線状に延びた突条にされている。また、本実施形態では、摺動部9は1つのキャップ体7に2箇所設けられ、その摺動部9a、9b同士がキャップ体7の直径上に対向するように配されている。換言すれば、2つの摺動部9a、9bは、図10に示すように、1つの直線で結べば、その直線上且つ中央に圧入部8が位置する配置である。
続いて、本実施形態のインクカートリッジ1の各部材の位置関係について説明する。
本実施形態のインクカートリッジ1は、インク栓3によりカートリッジ本体2が密閉された状態で販売されている。そこで、以下においては、インク栓3が装着されたインクカートリッジ1を基に各部材の位置関係について説明する。
インクカートリッジ1は、図1〜3に示すように、タンク部材5のタンク開放端部に端部形成部材6が装着されてカートリッジ本体2が形成されており、その端部形成部材6の吐出部12を閉塞するようにインク栓3が装着されている。具体的には、カートリッジ本体2は、図4に示すように、タンク部材5の内部空間20側に端部形成部材6の端部側面壁32が位置するように配されている。そして、端部形成部材6とタンク部材5は、端部端面壁33の縁端部を、タンク開放端部に当接した姿勢、つまり端部形成部材6の係合溝22を、タンク部材5の係合突起21に係合させた姿勢(図1、2)で、端部形成部材6の外周突条25をタンク部材5の内周凸23に係合(図4)させて両者を一体的に接続している。換言すれば、係合溝22と係合突起21の係合により、タンク部材5と端部形成部材6との間における周方向に対する回転が規制されている。
そして、そのカートリッジ本体2の端部形成部材6の吐出部12に、インク栓3の圧入部8が圧入されて嵌合されている。具体的には、インク栓3は、図4に示すように、圧入部8の先端側に位置する挿入容易化部48が、吐出部12の被嵌合部36に位置しており、その圧入部8の挿入容易化部48よりも基端寄りの部分の一部(圧入嵌合領域)が、被嵌合部36に圧入されて嵌合されている。より具体的には、圧入部8は、圧入嵌合領域が圧入方向に1.2mm程度確保するような配置とされている。
また同時に、インク栓3は、摺動部9が押出ガイド13と当接する配置でもある。具体的には、図11に示すように、インク栓3の各摺動部9a、9bは、それぞれ異なる単体ガイド領域17a、17bの低位平坦部26に配置されている。
次に、カートリッジ本体2からインク栓3を取り外す際の動作について説明する。
本実施形態のインクカートリッジ1は、カートリッジ本体2とインク栓3とを、インクカートリッジ1の軸線の周方向に相対的に回動させることで、両者を離反できる機能を有する。
すなわち、上記したカートリッジ本体2が密閉された状態(図11)において、インクカートリッジ1を立てた状態、つまりインクカートリッジ1の軸線がほぼ鉛直方向を向く姿勢にして、カートリッジ本体2を固定し、インク栓3に対して、反時計回りの方向に力を加える。すると、インク栓3が、カートリッジ本体2に対して回動する。具体的には、インク栓3が回動される直前においては、インク栓3の摺動部9a、9bは、双方ともカートリッジ本体2における押出ガイド13の低位平坦部26に位置しており、反時計回り方向の力が加わることで摺動部9a、9bが低位平坦部26に隣接する緩勾配部18に向けて移動する。そして、インク栓3の摺動部9a、9bが、カートリッジ本体2の緩勾配部18に移行すると、回動力によってその傾斜を駆け上がる。すなわち、摺動部9a、9bが緩勾配部18に沿って移動し、それに伴って、インク栓3がカートリッジ本体2から離反する方向に移動する。結果、インク栓3の圧入部8が、カートリッジ本体2の吐出部12から引き抜ける方向に移動する。
そして、図12に示すように、インク栓3の摺動部9a、9bが、カートリッジ本体2の緩勾配部18の反時計回り方向終点部(緩勾配部18の最頂部)に到達すると、インク栓3がさらにカートリッジ本体2から離反した状態となり、圧入部8と吐出部12との嵌合状態が解除される。すなわち、図12に示すインク栓3の圧入部8は、インク栓3をカートリッジ本体2に対して相対的に回動させることによって、図11に示すインク栓3の回動開始直前の状態から、引き抜け方向に一定距離g(本実施形態では、1.20〜1.40mm、好ましくは1.30mm程度)移動する。換言すれば、摺動部9a、9bが緩勾配部18の最底部から最頂部まで移動することによって、インク栓3は、図11に示す状態から、カートリッジ本体2から離反する方向に前記一定距離gを移動する。
インク栓3の圧入部8とカートリッジ本体2の吐出部12との嵌合状態が解除された状態から、インク栓3をさらに反時計回りに回動すると、図13に示すように、インク栓3の摺動部9a、9bがカートリッジ本体2の急勾配部19に移行する。そして、摺動部9a、9bは、急勾配部19に沿って移動し、それに伴って、インク栓3がカートリッジ本体2から離反する方向に大きく移動する。具体的には、摺動部9a、9bが急勾配部19の最底部から最頂部まで移動すれば、インク栓3は、図12に示すインク栓3の嵌合が解除された直後の状態から、カートリッジ本体2から離反する方向に一定距離h(本実施形態では、2.00〜2.10mm程度)移動する。
そして、インク栓3がさらに回動して、インク栓3の摺動部9a、9bが急勾配部19を通過すれば、その摺動部9a、9bは、曲線状の接続部40を介して、高位平坦部27に移行する(図14)。すなわち、インク栓3は、摺動部9a、9bが高位平坦部27に載置されることで、急勾配部19によるカートリッジ本体2からの最大の離反距離j(図11の位置からの距離)が維持される。
以上のように、本実施形態は、カートリッジ本体2とインク栓3とを軸線周りに相対的に回動させて、カートリッジ本体2からインク栓3を脱離できる構成である。具体的には、インクカートリッジ1は、インク栓3の摺動部9a、9bを、押出ガイド13の傾斜領域15に沿って移動させることで、インク栓3をカートリッジ本体2から離反する方向に移動させることができる構成である。これにより、カートリッジ本体2からインク栓3を取り外す際に、カートリッジ本体2やインク栓3を、他方に対して相対的に引っ張る動作を必要としないため、カートリッジ本体2内に貯留されたインクが不意に飛散してしまうことを防止できる。
さらに、本実施形態では、傾斜領域15が段階的に勾配が変化する構成、具体的には緩勾配部18と急勾配部19とを有する構成にされているため、カートリッジ本体2とインク栓3との間に生じ得る摩擦力を小さくすることができる。すなわち、本実施形態では、インク栓3の圧入部8がカートリッジ本体2の吐出部12に嵌合し、カートリッジ本体2内を密閉しているときは、インク栓3の摺動部9a、9bはカートリッジ本体2の緩勾配部18上を移動し、圧入部8と吐出部12との嵌合が解除されて、カートリッジ本体2の密閉状態が解除されれば、摺動部9a、9bは急勾配部19上を移動する構成とされている。換言すれば、本実施形態では、圧入部8と吐出部12との嵌合力、及び、摺動部9a、9bと押出ガイド13との間の摩擦力に抗する力が必要なときは、摺動部9a、9bは緩勾配部18を移動し、摺動部9a、9bと押出ガイド13との間の摩擦力のみに抗する力が必要なときは、摺動部9a、9bは急勾配部19を移動する。このように、本実施形態では、押出ガイド13の傾斜領域15を、カートリッジ本体2とインク栓3との間に生じる嵌合力や摩擦力等の変化を考慮し、段階的に勾配が変化するような構成にしているため、前記両者を相対的に回動させる際に要する力を小さくできる。結果、インク栓3を取り外すべく、インクカートリッジ1を傾けたりする必要がなくなるため、意図せずインクが漏出してしまう可能性をより低いものとすることができる。
また、インク栓3とカートリッジ本体2との嵌合状態が解除された後、急勾配部19によって、カートリッジ本体2からインク栓3を大きく離反させることができるため、需要者等がカートリッジ本体2の密閉状態が解除されたか否かを見た目で判断し易い。
すなわち、カートリッジ本体2に対するインク栓3の現在の関係を、視認し易いため、カートリッジ本体2とインク栓3が、既に嵌合状態が解除されているにも関わらず、カートリッジ本体2を逆さにするなどして、インクを漏出してしまう可能性を限りなく低くすることができる。
また、本実施形態では、傾斜領域15を通過した摺動部9a、9bを、押出ガイド13における最も張り出した位置たる高位平坦部27に載置しておくことができるため、需要者等にインク栓3がカートリッジ本体2から脱離したことを確実に視認させることができる上、インク栓3とカートリッジ本体2との嵌合状態を解除したにも関わらず、その後、何らかの影響で再びインク栓3とカートリッジ本体2とが嵌合してしまうことを防止できる。
本実施形態では、カートリッジ本体2において、吐出部12と押出ガイド13とを一定距離離反して、両者の間に隙間41を形成したため、吐出部12へのインク栓3の圧入部8の抜き差し動作を円滑にすることができる。すなわち、吐出部12は、圧入部8が抜き差しされる際に拡張可能な構造である。
また、本実施形態のインクカートリッジ1は、上記したように、所定の塗布具本体50に装着するものである。具体的には、塗布具本体50に、インク栓3が取り外されたカートリッジ本体2が装着される。
そこで、カートリッジ本体2が装着される塗布具本体50及び塗布具本体50におけるカートリッジ本体2の位置関係について簡単に説明しておく。
塗布具本体50は、塗布具たるホワイトボード用のマーカー(マーキングペン)からインクカートリッジ本体2を除いた部材である。そして、この塗布具本体50は、図15に示すように、ケース体51と、蓋部材52を有する。
ケース体51は、図16に示すように、外郭を形成する本体筒53を有し、この本体筒53の内部に、インクが流通するインク経路55と、カートリッジ本体2が装着される装着部56が設けられている(図17)。
インク経路55は、ケース体51の先端側に位置するペン先部材57に至るまでの流路であり、先端側から中綿58と中子60によって形成されている。すなわち、中子60のインク導入口61を通過したインクは、中綿58を介して、ペン先部材57に供給される。
また、装着部56は、ケース体51におけるインク経路55よりも後端側、つまり中子60よりも後端側に位置し、一面が開放された空間である。具体的には、装着部56は、ケース体51の後端面を開放した開口部62を有し、開口部62によって空間の内外が連通されている。すなわち、カートリッジ本体2は、開口部62から空間内に挿通されて装着される。また、装着部56には、空間内に挿通されたカートリッジ本体2の先端側が挿通される先端挿着開口63と、カートリッジ本体2の移動を規制する係合溝65が設けられている。すなわち、装着部56に装着されたカートリッジ本体2は、先端側が先端挿着開口63に挿通されて中子60のインク導入口61と連通しつつ、タンク部材5の外周段部24が係合溝65と係合して所定の位置に固定される。
そして、このようにしてペン先部材57に供給されたインクの無駄な蒸発等を防止するべく、ケース体51の先端側がキャップたる蓋部材52で覆われている。なお、蓋部材52は、必要に応じて、脱着可能なものである。
上記実施形態では、2組の単体ガイド領域17を用いて、平面視形状が円形の押出ガイド13を形成した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、3組以上の単体ガイド領域を用いて、平面視形状が円形の押出ガイドを形成した構成であっても構わない。例えば、図18に示す円弧の開き角度xを120度とした単体ガイド領域70を3組備えた押出ガイド37や、図19に示す円弧の開き角度xを90度とした単体ガイド領域71を4組備えた押出ガイド38を有するインクカートリッジの構成が提案される。なお、この構成を採用した場合、押出ガイド37、38のそれぞれに対応した形状のインク栓を要する。
上記実施形態では、押出ガイド13の傾斜領域15が、勾配が異なる2つの領域によって形成された構成を示したが、本発明はこれに限定されず、勾配が異なる3つ以上の領域によって傾斜領域を形成しても構わない。この場合においても、上記実施形態と同様、インク栓がカートリッジ本体に嵌合している間は、摺動部が緩い勾配の傾斜上を移動し、前記嵌合が解除されてから当該摺動部が急な勾配の傾斜上を移動するような構成を有するインクカートリッジにすることが好ましい。
上記実施形態では、インク栓3の摺動部9を、キャップ体7の軸線方向に直線状に延びた突条を示したが、本発明はこれに限定されず、図20に示すように、押出ガイド13の張り出し頂部に対して、嵌め合わせができる形状の摺動部72であっても構わない。より具体的には、摺動部72は、インク栓でカートリッジ本体を密閉した状態において、押出ガイド13の張り出し頂部とほぼ点対称な関係となる形状である。
上記実施形態では、カートリッジ本体2の吐出部12が外方向に突出した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、図21に示すように、吐出部73がカートリッジ本体2の内部空間20側に突出した構成であっても構わない。なおこの場合、吐出部73におけるインク栓75の圧入部76の嵌合を確実なものとするため、圧入部76の突出長さを上記構成に比べて長くする必要がある。
上記実施形態では、吐出部12に圧入して嵌合される圧入部8を設けたインク栓3を採用した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、圧入部を設けないインク栓を採用した構成であっても構わない。そのようなインク栓としては、例えば、図22に示すように、キャップ体78のキャップ側面壁46の内側面に、その内側面に沿ったリング状に形成した係合リング79を備えたインク栓77が挙げられる。また、このインク栓77を採用するに際しては、吐出部80の外側面に、前記係合リング79と係合するフランジ部81を設ける必要がある。これらの構成によれば、図23に示すように、係合リング79とフランジ部81を係合することで、上記実施形態と同様、カートリッジ本体内部を密閉状態に維持することができる。
上記実施形態では、塗布液としてインクを採用したが、本発明では、糊や修正液等の液体状の塗布液であればいかなるものでも構わない。
1 インクカートリッジ
2 カートリッジ本体
3、75、77 インク栓(閉塞部材)
5 タンク部材
6 端部形成部材
7 キャップ体
8、76 圧入部
9、72 摺動部
12、73 吐出部(塗布液吐出口)
13、37、38 押出ガイド
15 傾斜領域
16 平坦領域
17、70、71 単体ガイド領域
18 緩勾配部
19 急勾配部
40 接続部
41 隙間
50 塗布具本体
79 係合リング
81 フランジ部
α 勾配
β 勾配

Claims (7)

  1. 塗布液吐出口が設けられたカートリッジ本体と、当該塗布液吐出口を閉塞してカートリッジ本体内部を密閉可能な閉塞部材とを備えた塗布液カートリッジであって、
    カートリッジ本体には、塗布液吐出口を囲繞するように張り出した押出ガイドが設けられ、当該押出ガイドは、張り出し頂部が囲繞方向に沿って段階的に異なる上り勾配で傾斜した傾斜領域を有し、
    閉塞部材には、押出ガイドと当接する摺動部が設けられ、
    前記摺動部を前記押出ガイドの傾斜領域の上り勾配に沿って移動させると、閉塞部材によるカートリッジ本体の密閉状態が解除されることを特徴とする塗布液カートリッジ。
  2. 押出ガイドは、傾斜領域の最頂部に連続的に接続された平坦領域を有することを特徴とする請求項1に記載の塗布液カートリッジ。
  3. 押出ガイドは、塗布液吐出口を形成する開口形成部の端から一定以上離反した位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布液カートリッジ。
  4. 閉塞部材は、塗布液吐出口に圧入して嵌め込まれる圧入部を有し、
    傾斜領域は、最底部側に配された所定の上り勾配の緩勾配部と、最頂部側に配された当該緩勾配部よりも急な上り勾配の急勾配部とで構成され、
    塗布液吐出口に嵌合された圧入部は、摺動部が緩勾配部から急勾配部に移行するタイミングで前記嵌合状態が解除されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布液カートリッジ。
  5. 緩勾配部は、2〜3度勾配であり、急勾配部は、15〜17度勾配であることを特徴とする請求項4に記載の塗布液カートリッジ。
  6. 閉塞部材は、摺動部が緩勾配部に沿って移動することで、カートリッジ本体から離反する方向に1.2〜1.4mmの範囲で移動することを特徴とする請求項4又は5に記載の塗布液カートリッジ。
  7. 押出ガイドは、同一の仮想円上に複数の傾斜領域を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗布液カートリッジ。
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