JP2013176956A - 塗布具及び塗布液カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布具の使用の際にインキカートリッジの部分を不用意に弄っても、インキカートリッジが緩んで外れる虞がほとんどない塗布具を提供する。
【解決手段】インキカートリッジが塗布具本体に装着された状態ではその大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部(塗布具本体2の本体筒5)から露出し、交換される使用済みインキカートリッジ50aの後端部には嵌合部80aがあり、塗布具本体に装着中の使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部80aに、交換する新品インキカートリッジ50bの一部を嵌合させてインキカートリッジを交換可能な構造とする。
【選択図】図12

Description

本発明は、白板マーカー等の塗布具に関するものである。本発明の塗布具は、特にインキ等を収納するカートリッジを有し、インキ等を使い切った場合には、空のカートリッジを新たなカートリッジに取り替えることができる構造の塗布具に関するものである。
なお、本明細書において、塗布具とはインキや糊、修正液等の液体状の塗布液を塗布する用途に使用するものの総称であり、フェルトペン、万年筆、ラインマーカー等の筆記具を含む概念である。
マーカーペンやボールペンなどの筆記具は、本体筒にインキが内蔵され、内蔵されたインキがペン先に伝う構造となっている。そして、筆記具は、紙等の被塗布物にペン先を接触させることによって塗布する。
また、筆記具は、本体筒に内蔵されたインキを使い切ると破棄されることが多い。しかしながら、前記筆記具の多くは、本体筒をはじめとする多岐にわたる構成部材が再利用可能であり、資源の有効利用の観点からこれらの再利用が望まれている。
この要望に応える従来技術として、インキを本体筒に内蔵するのではなく、本体筒とは別体であるインキカートリッジに内蔵し、このインキカートリッジを本体筒に着脱可能に装着させて使用されるものがある。即ち、インキカートリッジを装着した状態において、本体筒に装着したインキカートリッジのインキがペン先に伝う構造となっている。そして、筆記具は、使用時において本体筒と一体となって使用され、インキカートリッジに内蔵するインキが消費される。また、インキカートリッジに内蔵するインキを使い切ると、インキカートリッジを本体筒から取り外し、代わりに新しいインキカートリッジを本体筒に装着する(例えば、特許文献1)。
特開2003−80887号公報
特許文献1に記載の筆記具は、インキカートリッジの多くの部分が、常時、直接的に外部に露出している。
そしてインキカートリッジを取り替える際には、露出状態のインキカートリッジを直接的につかんで取り外す。
ここで特許文献1に記載の筆記具では、本体筒とインキカートリッジのそれぞれにねじ山が設けられており、使用時にそのそれぞれのねじ山が螺合する構造となっている。そして、交換時には、インキカートリッジを直接指でつかみ、本体筒に対して相対的に回転させて、本体筒からインキカートリッジを取り外し、新たなインキカートリッジに交換する。また、特許文献1に記載の筆記具は、ペン先のインキの乾燥を防ぐため、蓋部材が設けられている。蓋部材は、ペン先近傍に取り付け可能となっており、本体筒に対して着脱自在となっている。
しかしながら、上記の様にインキカートリッジを指でつかむ構造では、ペン先から上記蓋部材を取り付け/取り外しする際にインキカートリッジを支えにして力を加えてしまう事態が想定される。すなわち特許文献1に記載された筆記具は、インキカートリッジの露出部分が多く、インキカートリッジをつかみ易い構造となっている。そのため蓋部材を付け外しする際に一方の手で蓋部材をつかみ、他方の手でインキカートリッジをつかんで両者を回してしまう場合がある。
この様な場合には、当該カートリッジに反力による回転力が加わってねじが緩み、誤って本体筒からインキカートリッジを外してしまう虞があった。こうして、本体筒からインキカートリッジが取り外されると、インキカートリッジ内のインキが漏えいし、外部にインキが漏れる事態に至る。
また例えば白板マーカーにおいては、上記のような蓋部材の取り付けや取り外しの際以外でも、使用中に無意識にカートリッジに手が触れ、カートリッジが外れてしまうケースもある。
つまり、現在では学生に対する講義や社内の会議において、しばしば白板が使用され、この白板に白板マーカー(白板用マーキングペン)によって教師や司会者が文字や図形を描くことが行われている。このような講義や会議では、教師等が休みなく文字等を描き続けることはまずなく、発言者の発言中や、参加者が熟考している間等には、文字を書く手が休んでいる。
このとき、教師等は手持ち無沙汰の状態にあり、無意識のうちにカートリッジに触り、カートリッジを回してしまう場合がある。そしてこの様な場合に、カートリッジが緩み、極端なときにはカートリッジが外れてしまうことにもなる。
このような事態は、カートリッジを更に蓋で覆うことにより回避できるが、これではカートリッジの取替時にカートリッジ用蓋を脱着する手間が増え、操作が煩雑になる。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、使用中に、誤って手で触って無意識に回そうとしても、カートリッジが外れてしまう虞がほとんどない塗布具を提供することを目的とするものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、筒部と塗布部とを備えた塗布具本体と、先端側に塗布液供給孔を備えた塗布液カートリッジを有し、前記塗布具本体の筒部内に前記塗布液カートリッジが装着され、前記塗布液カートリッジの塗布液供給孔から塗布部側に塗布液が供給される塗布具において、前記塗布液カートリッジは、塗布具本体に装着された状態ではその大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部から露出し、前記塗布液カートリッジの後端部には嵌合部があり、塗布具本体に装着中の塗布液カートリッジの前記嵌合部に、他の塗布液カートリッジの一部を嵌合させることが可能であることを特徴とする塗布具である。
本発明は、「塗布具本体に装着された状態では(塗布液カートリッジの)大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部から露出し」ていることを要件とする。「大部分が筒部内にある」か否かは、塗布液カートリッジの筒部内に配置される部分の長さと、露出部分の長さの比率、及び筒部内に配置される部分の表面積と、露出部分の表面積の比率等を勘案して判断される。
たとえば、塗布液カートリッジの形状・全長や、塗布具本体の形状・全長が特異なものでないならば、塗布液カートリッジの長手方向の長さの80パーセント以上が筒部の内部に位置していると、「大部分が筒部内にある」と言うことができる。塗布液カートリッジの形状や塗布具本体の形状や全長が特異なものでないならば、塗布液カートリッジの長手方向長さの85パーセント以上が筒部に覆われていることが好ましい実施態様である。
また表面積に注目すると、塗布液カートリッジの形状・全長や、塗布具本体の形状・全長が特異なものでないならば、塗布液カートリッジの表面積のうちの80パーセント以上が筒部の内部に位置して覆われている場合には、「大部分が筒部内にある」といえる。更に塗布液カートリッジの表面積の90パーセント以上が筒部に覆われていることが好ましい実施態様である。
要するに、通常の使用者が、日常的に塗布具を使用する際に、塗布液カートリッジの露出部分を直接手指で摘むことができるだけの露出部分があるか否かによって「大部分が筒部内にある」か否かを判断する。
また、ここでいう「嵌合」とは、嵌合部が凹み及び/又は突起を備え、一の嵌合部と他の嵌合部とがその一部又は全部にて互いに接触して嵌め合されることである。また、嵌合された状態としては、緩やかに嵌った状態(緩嵌状態)や圧して嵌った状態(圧嵌状態)、密着させて嵌った状態(密嵌状態)等を含む。
本発明の構成によれば、塗布液カートリッジ(例えばインキカートリッジ)は、塗布具本体に装着された状態の際にはその大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部から露出している。このように、塗布具本体に装着された状態において、使用者が指で直接接触可能な部位は、後端部のみとなっているので、この後端部だけでは塗布液カートリッジを指で摘持することは困難あるいは不能である。従って、通常の塗布具の使用時において、誤って、塗布液カートリッジを摘持して、取り外してしまうことがほとんどない。即ち、通常の塗布具使用時において、塗布液が外部に漏れることがほとんどない。また、塗布部を覆う蓋部材(キャップ)等を備えた塗布具であっても、上記のように塗布液カートリッジが指で摘持困難あるいは不能となっているため、蓋部材等の着脱動作によって、誤ってカートリッジを取り外してしまうことがほぼない。
なお、上記後端部における塗布液カートリッジの長手方向長さ(筒部から露出する高さ)としては、10mm以下が好ましく、より好ましくは9mm以下である。
また、本発明の構成によれば、前記塗布液カートリッジの後端部には嵌合部があり、塗布具本体に装着中の塗布液カートリッジの前記嵌合部に、他の塗布液カートリッジの一部を嵌合させることが可能である。ここで、他の塗布液カートリッジとは、塗布具本体の筒部内に装着された塗布液カートリッジとは、別体のもののことである。
理解を容易にするため、以下、交換する対象である他の塗布液カートリッジ(通常は、新しい塗布液カートリッジである)を「交換塗布液カートリッジ」と称し、交換される対象である塗布具本体の筒部内に装着されている塗布液カートリッジ(通常は、使い終わった塗布液カートリッジである)を「被交換塗布液カートリッジ」と称すと、被交換塗布液カートリッジの後端部に設けられた嵌合部に、交換塗布液カートリッジの一部を嵌合可能となっている。
こうして、嵌合した状態で、取り外し動作を行うことによって、筒部から被交換塗布液カートリッジを取り外すことが可能である。また、塗布液カートリッジを取り外す際に、交換する新しい塗布液カートリッジを使うことになるので、取り外し動作において、別部材や冶具を用いる必要がない。即ち、塗布液カートリッジを取り替える際に、ネジ回しその他の道具を要せずに作業を行うことができる。
なお、上記したように嵌合した状態とは、緩嵌状態や圧嵌状態、密嵌状態などを含む。つまり、交換塗布液カートリッジと被交換塗布液カートリッジとの嵌合は、嵌合した状態で垂下した姿勢にしたとき、嵌合部が嵌合状態を解除し離反するような緩やかな嵌合状態であってもよい。または、嵌合した状態で垂下した姿勢にしたとき、嵌合部が嵌合状態を維持するようにしっかりと嵌合させてもよい。
請求項2に記載の発明は、前記後端部の外周縁部分が曲面になっていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具である。
本発明の構成によれば、前記塗布液カートリッジが塗布具本体に装着された状態において、前記後端部が前記筒部の後縁から塗布具の長手方向に張り出すもの(後端部が筒部の後縁より後に張り出すもの)であっても、後端部の外周縁部分が曲面になっているので、指が引っかからず摘むことがほとんどできない。従って不用意に塗布具を弄っても、塗布液カートリッジの塗布具本体への固定をゆるめたり、更には外したりするという虞はほとんどない。
なお本発明の具体的態様は、上記の他、装着状態で前記後端部が筒部の後縁より後方に張り出さない構成のもの、つまり塗布具の長手方向の位置として、前記後端部の最後位置が筒部の後縁と同じ位置のものや、前記後端部の最後位置が筒部の後縁よりも前方側に位置したもの(換言すると、後端部が筒部の後縁より前方に向けて凹んでいるもの)であっても良い。
請求項3に記載の発明は、前記嵌合部は少なくとも凸部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具である。
本発明の構成によれば、凸部を有する構成であるため、塗布液カートリッジ同士を嵌合させて回転力を加える操作を行いやすい。
請求項4に記載の発明は、一の塗布液カートリッジと他の塗布液カートリッジが、その嵌合部同士で嵌合可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗布具である。
上記の構成によれば、二つの塗布液カートリッジの嵌合部同士が嵌合可能である。即ち、塗布液カートリッジの嵌合部には、凹部と凸部が存在する。そして、交換塗布液カートリッジの凹部と被交換塗布液カートリッジの凸部、及び/又は、交換塗布液カートリッジの凸部と被交換塗布液カートリッジの凹部が嵌合する。即ち、嵌合部を塗布液カートリッジの後端部のみに設ければよいので、加工が容易である。
なお、塗布液カートリッジの後端部の上記嵌合部の他に、第2の嵌合部を設け、交換塗布液カートリッジの後端部の嵌合部と、被交換塗布液カートリッジの第2の嵌合部とを嵌合させて、カートリッジ取り替え操作を行うようにしても良い。尤も、上記のように、交換塗布液カートリッジと被交換塗布液カートリッジの嵌合部同士を嵌合可能とし、取り替え操作を行うようにすることがより好ましい。
請求項5に記載の発明は、嵌合部は、複数の凹部と凸部を有し、前記凹部と前記凸部が、筒部の周方向に交互に配列していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布具である。
本発明の構成によれば、凹部と凸部が筒部の周方向に交互に配列しているため、交換時に力が伝わりやすい。
請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、嵌合部は、回転対称であることが好ましい(請求項6)。
ここでいう「回転対称」とは、一つの立体図形を一定軸の周りに(360/n)度回転移動させると同じ立体図形となる性質をいう。
即ち、請求項6に記載の発明では、嵌合部を塗布液カートリッジの取り付け方向に延びる中心軸の周りに(360/n)度回転移動させると、同様の嵌合部の形状となる。
このように回転対称とすることにより、塗布液カートリッジの嵌合部同士を嵌合させる際、回転させるようにしてずらすという簡単な操作でそれぞれの嵌合部を嵌合位置にもってくることができるので、操作性が良い。
請求項7に記載の発明は、前記塗布液カートリッジを前記筒部の周方向に回動させることによって、前記塗布具本体の筒部に前記塗布液カートリッジを着脱可能となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の塗布具である。
本発明の構成によれば、筒部の周方向に塗布液カートリッジを回転させることによって、塗布液カートリッジを塗布具本体の筒部に固定できるため、塗布液カートリッジへの力の伝達が容易であり、強く締結させることができる。それ故に、通常の塗布動作時において、塗布液が漏洩しにくい。
請求項8に記載の発明は、塗布具本体に装着中の塗布液カートリッジの前記嵌合部に、他の塗布液カートリッジの一部を嵌合させた状態で垂下した姿勢において、嵌合部が離反しないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の塗布具である。
本発明の構成によれば、インキカートリッジを嵌合状態で垂下したときに、重力によって嵌合が外れない。即ち、一方の嵌合部が他方の嵌合部に対して乖離せず、嵌合状態が解除されない。言い換えると、本発明のインキカートリッジは、嵌合部にインキカートリッジの嵌合部同士が離反することを防止する機能を備えている。具体的には、圧嵌状態や密嵌状態が挙げられる。
そのため、交換時において交換塗布液カートリッジと被交換塗布液カートリッジの嵌合状態を維持できる。よって塗布具本体の筒部から交換塗布液カートリッジにつれて被交換塗布液カートリッジを取り外すことができ(すなわち、塗布具本体の筒部から一体的に被交換塗布液カートリッジを取り出すことができ)、また次いで、この状態で反転させ、交換塗布液カートリッジ側を筒部に挿入することができるので、取り替え時の操作性が向上する。
詳しく述べると、上記と違って嵌合が容易に外れるタイプの場合は、被交換塗布液カートリッジを塗布具本体の筒部から取り出す際に、筒部から少し出た被交換塗布液カートリッジ後部分を指先で摘むようにして取り出す必要があるため、操作性に劣る。これに対し、本請求項8の記載の発明では、嵌合により被交換塗布液カートリッジと交換塗布液カートリッジが一体となっているので、この交換塗布液カートリッジを持って被交換塗布液カートリッジを筒部から引き出せることから、操作が簡単である。尤も、嵌合が容易に外れるタイプの場合は、嵌合部の製造に際してあまり成形精度が問われないので、この観点からは有利である。
請求項9に記載の発明は、前記凸部は対向する凸部側壁面を有し、前記凹部についても対向する凹部側壁面を有し、前記対向する凸部側壁面または凹部側壁面の少なくとも一方の間隔は、一の塗布液カートリッジと、他の塗布液カートリッジを嵌合させるときの嵌合が進むにつれて凸部側壁面と凹部側壁面との間が狭まる方向に漸次変化するものであって、前記凸部と凹部との嵌合が完了した状態においては、少なくとも凸部側壁面と凹部側壁面とが接することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の塗布具である。
本発明の構成によれば、凸部の外側壁であって対向する壁面を形成する凸部側壁面間の間隔、及び/又は、凹部の内側壁であって対向する壁面を形成する凹部側壁面の間隔が、嵌合が進むにつれて凸部側壁面と凹部側壁面との間が狭まる方向に漸次変化するものである。言い換えると、以下の(1)〜(3)の場合がある。
(1)凸部側壁面の少なくとも一部〔凸部が角柱状(角錐台状、角錐状)の場合は少なくとも一面〕が、凸部頂側(先端側)が細くなる方向に傾斜している場合、
(2)凹部側壁面の少なくとも一部〔凸部が角柱状(角錐台状、角錐状)の場合は少なくとも一面〕が、凹部底側(基端側)が細くなる方向に傾斜している場合、
(3)(1)及び(2)を同時に満たしている場合。
言い換えると、少なくとも凸部の凸部側壁面と凹部の凹部側壁面のいずれか一方は、テーパー状となっている。
なお、ここでいう「テーパー状」には、凸部や凹部の側壁面として、円錐台状や円錐状(以下これらを円錐台状等と総称することがある)に傾斜が設けられたものや、角錐台状や角錐状(以下これらを角錐台状等と総称することがある)に傾斜が設けられたものが含まれ、加えて一部の側壁面のみが円錐台状等や角錐台状等に傾斜したもの(逆に言うと、円錐台状等や角錐台状等の側壁面のうち一部の側壁面が傾斜せずに垂下しているもの)も含まれる。上記「一部の側壁面のみが傾斜する」とは、具体的には、例えば四角錐台の4つの側壁面のうち、一面のみが傾斜した片側テーパー〔換言すると、四角柱(或いは四角柱型の窪み)の4つの側面のうち、1つの側面のみを傾斜させたもの〕、或いはそのうちの対向する2つの側壁面(両側の面)が傾斜した両側テーパーなどを言う。
そして、本発明の構成によれば、凸部と凹部との嵌合が完了した状態においては、少なくとも一方の塗布液カートリッジの凸部側壁面と、他方の塗布液カートリッジの凹部側壁面とが接している。即ち、一方の塗布液カートリッジの凸部側壁面と、他方の塗布液カートリッジの凹部側壁面との間で楔効果が働くため、嵌合強度が高い。よって、嵌合が完了した状態における嵌合部間の一体性が高く、交換時において交換塗布液カートリッジと被交換塗布液カートリッジの嵌合状態を維持しやすい。そのため、塗布具本体の筒部から被交換塗布液カートリッジを取り出す際に嵌合により、被交換塗布液カートリッジと一体状態となった交換塗布液カートリッジを持って当該取り出し操作を行うことができ、簡単である。
また、本発明の構成によれば、前記凸部と凹部との嵌合が完了した状態において、一つの塗布液カートリッジにおける前記凸部の先端部(頂部分)と、他の塗布液カートリッジにおける前記凹部の基端部(凹部の底部分)は、接しているか又は隙間が空いている状態となる。そして、接している状態であっても、この間の押圧力よりも、両塗布液カートリッジの互いの凸部側壁面と凹部側壁面の間の押圧力の方が強いことが好ましい。
なお、凸部の先端部と凹部の基端部が接触していない場合には、押圧力は0となる。
ところで、インキカートリッジは、コスト面から樹脂で形成されることが多い。また、樹脂製のインキカートリッジの嵌合部は、加工の容易さなどの観点から射出成形等の公知の成形方法で形成される場合が多い。成形時において、交換時の嵌合状態が圧嵌状態や密嵌状態などのしっかり嵌合した状態となる設計である場合、凹部と凸部の寸法に極めて厳格な精度が求められる。ところが、凹部と凸部の寸法を極めて厳格な精度で成形すると歩留まりが悪くなり、生産性に優れないという問題がある。
請求項10に記載の発明は、記塗布液カートリッジの嵌合部は、一の塗布液カートリッジと他の塗布液カートリッジを嵌合させた状態において、前記一の塗布液カートリッジにおける嵌合部の前記凸部の先端部と前記他の塗布液カートリッジにおける嵌合部の凹部の基端部との間に隙間が生じるように設計されていることを特徴とする請求項9に記載の塗布具である。
本発明の構成によれば、一の塗布液カートリッジと他の塗布液カートリッジを嵌合させた状態において、テーパー状の、それらの凸部側壁面と凹部側壁面とが接触し、それぞれの凸部の先端部と凹部の基端部との間に隙間が生じるように設計されている。このため、たとえ成形後の寸法に成形誤差が生じたとしても、嵌合した際に凸部の先端部が凹部の基端部に突き当たって楔効果を奏さなくなるということが防止される。言い換えると、上記の如く隙間があるように設計されているので、この隙間がいわゆる遊びの役目を果たし、出来上がり製品のサイズ誤差による填め込み(嵌合)深さの変動(違い)を許容する。すなわち成形誤差を許容することができる。それ故に、歩留まりが良く、生産性に優れている。
請求項11に記載の発明は、筒部と塗布部とを備えた塗布具本体に装着することができ、その先端に塗布液供給孔を備えた塗布液カートリッジであって、前記塗布具本体の筒部内に塗布液カートリッジが装着された状態では塗布液カートリッジの大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部からが露出し、後端部には嵌合部があり、前記嵌合部に、他の塗布液カートリッジの一部を嵌合させることが可能であることを特徴とする塗布液カートリッジである。
本発明の構成によれば、塗布液カートリッジは、塗布具本体に装着された状態の際にはその大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部から露出している。このように塗布具本体に装着された状態において、使用者が指で直接接触可能な部位は、後端部のみとなっているので、塗布液カートリッジを指で摘持することが困難あるいは不能となっている。従って、通常の塗布動作時において、誤って、塗布液カートリッジを摘持して、取り外してしまうことがない。よって、通常の塗布具の使用時において、塗布液が外部に漏れることがない。また、蓋部材等を備えた塗布具であっても、塗布液カートリッジが指で摘持困難あるいは不能となっているため、蓋部材等の着脱動作に際して、誤ってカートリッジを取り外してしまうことがない。
また、本発明の構成によれば、前記塗布液カートリッジの後端部には嵌合部があり、塗布具本体に装着した状態の塗布液カートリッジ(被交換塗布液カートリッジ)の前記嵌合部に、他の塗布液カートリッジ(交換塗布液カートリッジ)の一部を嵌合させることが可能である。即ち、上記他の塗布液カートリッジは、塗布具本体の筒部内に装着された塗布液カートリッジとは別体であり、これを用いて上記筒部内装着状態の塗布液カートリッジに嵌合させることができる。
こうして嵌合した状態とし、取り外し動作を行うことによって、筒部から被交換塗布液カートリッジを取り外すことが可能である。また、塗布液カートリッジを取り外す際に、塗布液カートリッジ同士を使うため、取り外し動作において、別部材や冶具を用いる必要がない。即ち、塗布液カートリッジを取り替える際に、ネジ回しその他の道具を要せずに作業を行うことができる。
本発明の構成によれば、塗布具本体に塗布液カートリッジを装着した状態において塗布液カートリッジが指で摘持困難あるいは不能となっているため、塗布具使用時に誤って塗布液カートリッジが外れてしまうことがほとんどない。
また、本発明の構成によれば、塗布液カートリッジを取り替える際に、ネジ回しその他の道具を要せずに作業を行うことができる。
本発明の第1実施形態の塗布具の斜視図である。 図1の塗布具の一部を切り欠いた分解斜視図である。 図1の塗布具のA−A断面図である。 図3の中子の一部を切り欠いた斜視図である。 本発明の第1実施形態のインキカートリッジの斜視図である。 図5のインキカートリッジを別の方向から視た斜視図である。 図5のインキカートリッジの分解斜視図である。 図5のインキカートリッジのB−B断面図である。 図8の要部拡大図である。 図6のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。 図10のインキカートリッジにおける嵌合部の平面図である。 図1の塗布具のインキカートリッジの交換動作の説明図であり、(a)〜(c)は、推奨されるインキカートリッジの取り外し経過における各状態を表す。 図1の塗布具のインキカートリッジの交換動作の説明図であり、(a),(b)は、推奨されるインキカートリッジのインキ栓を取り外す動作を示す。 図1の塗布具のインキカートリッジの交換動作の説明図であり、(a)〜(c)は、推奨されるインキカートリッジの取り付け経過における各状態を表す。 図1の塗布具のインキカートリッジの嵌合時の断面図であり、(b)は図1のA−A面で切った断面図であり、(a)は(b)に対して周方向に90度回転させた面で切った断面図である。 図1の塗布具のインキカートリッジの嵌合時における嵌合部分を表す断面図であり、使用済みインキカートリッジの凸部を網掛けで示し、新品インキカートリッジの凸部をハッチングで示している。 本発明の第2実施形態のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。 図17のインキカートリッジにおける嵌合部の平面図である。 図17のインキカートリッジの嵌合状態において中心軸に直交し、嵌合部の縁を通る平面で切った断面図であり、使用済みインキカートリッジの凸部を網掛けで示し、新品インキカートリッジの凸部をハッチングで示している。 本発明の第3実施形態のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。 図20のインキカートリッジにおける嵌合部の平面図である。 図20のインキカートリッジにおける嵌合部の一部破断斜視図である。 図20のインキカートリッジの嵌合状態における嵌合部の一部破断斜視図である。 本発明の第4実施形態のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。 図24のインキカートリッジにおける嵌合部の平面図である。 図24のインキカートリッジの嵌合状態において、中心軸に直交し、嵌合部の縁を通る平面で切った断面図であり、使用済みインキカートリッジの凸部を網掛けで示し、新品インキカートリッジの凸部をハッチングで示している。 本発明の第1実施形態にかかる塗布具の斜視図である。 図27の塗布具の6面図であり、正面図と背面図は同一であるため、背面図を省略している。 本発明の第1実施形態にかかる塗布具の嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図29の塗布具の嵌合部の6面図であり、正面図と背面図は同一であるため、背面図を省略している。 本発明の第1実施形態にかかるインキカートリッジの斜視図である。 図31のインキカートリッジの6面図である。 本発明の第1実施形態にかかるインキカートリッジの嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図33のインキカートリッジの嵌合部の6面図である。 本発明の第2実施形態にかかる塗布具の斜視図である。 図35の塗布具の6面図である。 本発明の第2実施形態にかかる塗布具の嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図37の塗布具の嵌合部の6面図である。 本発明の第2実施形態にかかるインキカートリッジの斜視図である。 図39のインキカートリッジの6面図である。 本発明の第2実施形態にかかるインキカートリッジの嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図41のインキカートリッジの嵌合部の6面図である。 本発明の第3実施形態にかかる塗布具の斜視図である。 図43の塗布具の6面図であり、正面図と背面図は同一であるため、背面図を省略している。 本発明の第3実施形態にかかる塗布具の嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図45の塗布具の嵌合部の6面図であり、正面図と背面図は同一であるため、背面図を省略している。 本発明の第3実施形態にかかるインキカートリッジの斜視図である。 図47のインキカートリッジの6面図である。 本発明の第3実施形態にかかるインキカートリッジの嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図49のインキカートリッジの嵌合部の6面図である。 本発明の第4実施形態にかかる塗布具の斜視図である。 図51の塗布具の6面図であり、正面図と背面図は同一であるため、背面図を省略している。 本発明の第4実施形態にかかる塗布具の嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図53の塗布具の嵌合部の6面図であり、正面図と背面図は同一であるため、背面図を省略している。 本発明の第4実施形態にかかるインキカートリッジの斜視図である。 図55のインキカートリッジの6面図である。 本発明の第4実施形態にかかるインキカートリッジの嵌合部の斜視図であり、嵌合部を実線で表し、残りの部位を破線で表している。 図57のインキカートリッジの嵌合部の6面図である。 図17の塗布具のインキカートリッジの嵌合時の断面図である。 本発明の第5実施形態のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。 図60のインキカートリッジにおける嵌合部の平面図である。 図60の塗布具のインキカートリッジの嵌合時の断面図であり、(a)は図60のB−B面で切った断面図であり、(b)は(a)に対して周方向に90度回転させた面で切った断面図である。 図60の凸部の嵌合時の説明図であり、(a)は外縁部を通る平面と凸部との位置関係を表す斜視図であり、(b)は(a)の側面図である。なお、嵌合時の隣接する凸部との接触部分を格子のハッチングで表している。(c)は(a)のC−C面で切った断面図である。 図60の塗布具のインキカートリッジの嵌合時の力の関係を表す説明図であり、断面図である。 図60の塗布具のインキカートリッジの交換動作の説明図であり、(a)〜(c)は、推奨されるインキカートリッジの取り外し経過における各状態を表す。 図60の塗布具のインキカートリッジの交換動作の説明図であり、(a),(b)は、推奨されるインキカートリッジの取り外し経過における各状態を表す。 本発明の第6実施形態のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。 図67のインキカートリッジにおける嵌合部の平面図である。 図67の塗布具のインキカートリッジの嵌合時の断面図であり、(a)は図67のD−D面で切った断面図であり、(b)は(a)に対して周方向に90度回転させた面で切った断面図であり、(c)は(a)の図から一方のインキカートリッジの嵌合部だけを抜き出して表示した断面図である。 本発明の第7実施形態のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。 図70のインキカートリッジにおける嵌合部の平面図である。 図70のインキカートリッジの嵌合状態において中心軸に直交し、嵌合部の縁を通る平面で切った断面図であり、使用済みインキカートリッジの凸部を網掛けで示し、新品インキカートリッジの凸部をハッチングで示している。 本発明の第8実施形態のインキカートリッジの要部拡大斜視図である。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、前後の位置関係は、通常の設置位置(図1)を基準に説明する。即ち、蓋部材3側を前、インキカートリッジ50側を後側として説明する。また、塗布具1の中心軸n側を内側として説明する。
〈第1実施形態〉
本発明の第1実施形態の塗布具1は、ホワイトボード用のマーカー(マーキングペン)であり、図1,図2のように塗布具本体2と、蓋部材3と、インキカートリッジ50(塗布液カートリッジ)と、から構成される。
塗布具本体2は、図3のように本体筒(筒部)5と、中綿6と、中子7と、ペン先部材(塗布部)8とを有している。
本体筒5は、長手方向l全体に亘って内部に空間が設けられた中空体である。本体筒5は、大きく分けて、先端側(ペン先部材8側)から順に、先栓部11、中綿収容部12、インキカートリッジ取り付け部15に区分される。
先栓部11は、ペン先部材8が固定される部位であり、先栓部11の外観は、前方に向かうにつれて先細りする形状となっている。先栓部11は、内側部分が空洞化されて内部空間16が形成されている。内部空間16は、断面形状が略円形となっており、内部にペン先部材8が装着されている。先栓部11の後方部近傍(中綿収容部12側)には、図2のように外周面に沿って、蓋部材3のフランジ部32と嵌合可能な嵌合突起19を有している。
中綿収容部12は、図3のように主に中綿6を収容する部位である。中綿収容部12は、内側部分が空洞化されて内部空間17が形成されている。内部空間17は、断面形状が円形となっており、内部に主に中綿6が収納されている。
中綿収容部12の先端部分(先栓部11側)には、ペン先部材8の後方部の一部が進入しており、一方、中綿収容部12の後方部分(インキカートリッジ取り付け部15側)には、中子7の突出部21の一部又は全部が進入している。
インキカートリッジ取り付け部15は、使用時にインキカートリッジ50を取り付ける部位である。インキカートリッジ取り付け部15は、図3のように後方部近傍には、内周面に沿って係合溝20(図2参照)が形成されている。インキカートリッジ取り付け部15は、内側部分が空洞化されて内部空間18が形成されている。内部空間18は、図2のように後方が開放する開放空間となっている。内部空間18は、インキカートリッジ50の外周面に沿った形状をしており、内部にインキカートリッジ50を装着可能となっている。
また、先栓部11の内部空間16と、中綿収容部12の内部空間17と、インキカートリッジ取り付け部15の内部空間18は、それぞれ連通しており、前後方向lに貫通した1つの貫通孔が形成されている。
中綿6に目を移すと、中綿6は、公知の中綿であって、アクリル繊維等の適宜な繊維で形成されており、内部にインキを含浸することができる。
中子7に目を移すと、中子7は、ポリプロピレンやポリアセタール等の合成樹脂や金属等の適宜な材料によって形成されるものである。
中子7は、図4のように突出部21と土台部22から形成されている。
中子7の前方部分である突出部21は、円筒状の突出部本体23と、長方形平板状の押圧片25から形成されている。突出部本体23は、土台部22の前端面24から前方に向かって垂直に突出しており、内側には内部空間26が形成されている。内部空間26は、断面形状が円形であり、突出部21の長手方向lに沿って延びる空間である。
また、押圧片25は、突出部本体23の外周面に複数設けられている。本実施形態では、周方向に約180度ずれた位置にそれぞれ設けられている。そして、押圧片25は、突出部本体23の外周面から外側方向へ突出している。
2つの押圧片25は、いずれも突出部本体23の長手方向l(突出方向)に対して垂直方向に突出しており、互いに離反する方向へ突出している。また、押圧片25は、突出部本体23の長手方向lに沿って延びている。突出部本体23の先端部近傍には部材厚方向(内部空間26の延伸方向に対して直交する方向)に貫通した貫通孔29を有している。
中子7の後方部分である土台部22は、図3,図4のように前端面24と、前端面24から後方に向けて延伸した内側筒部27と、前端面24から後方に向けて延伸し、内側筒部27の外側を囲む外側筒部28とを有している。
内側筒部27の内側には、内部空間30が形成されており、内側筒部27の外側には、内側筒部27の外周面と外側筒部28の内周面に囲まれた環状の外側空間31が形成されている。
内部空間30は、断面形状が円形であり、内側筒部27の長手方向lに沿って延びる空間である。そして、内側筒部27は、突出部本体23の内部空間26と連通しており、内部空間30と内部空間26は連なって1つの中子7の長手方向lに貫通した貫通孔を形成している。この貫通孔は、インキカートリッジ50から供給されるインキを本体筒5の中綿収容部12内に導入するインキ導入通路として機能する。
外側空間31は、外側筒部28の長手方向lに沿って延びる空間であり、後方が開放された開放空間である。
土台部22の外側筒部28の外径と、本体筒5のインキカートリッジ取り付け部15の内径は、略同一となっている。インキカートリッジ取り付け部15内に土台部22を取り付ける場合、圧入嵌合となる。また、内側筒部27の外径と、インキカートリッジ50の中子係合部61の内径は、略同一となっている。中子係合部61内に内側筒部27を取り付ける場合、圧入嵌合となる。
ペン先部材8に目を移すと、ペン先部材8は、公知のペン先と同様であり、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂加工体、フェルトの樹脂加工体等の適宜な繊維束を接合した素材で形成され、毛細管現象により中綿6からインキを吸い込む作用をするものである。
ここで、塗布具本体2の各部位の位置関係について説明する。
塗布具本体2は、図3のように本体筒5の先栓部11にペン先部材8が取り付けられている。中綿収容部12の内部空間17には、中綿6が設置されている。具体的には、中綿6は、PP(ポリプロピレン)等の適宜な材料で形成された筒体(図示せず)内に詰め込まれた状態で、本体筒5内に設置されている。中綿6の前方部とペン先部材8の後方部が接触している。具体的には、ペン先部材8の後方部の一部が中綿6内に進入している。
そして、中綿収容部12の内部空間17及びインキカートリッジ取り付け部15の内部空間18に亘って、中子7が取り付けられている。具体的には、中子7は、突出部21が中綿収容部12の内部空間17内に、土台部22がインキカートリッジ取り付け部15の内部空間18内に配されている。そして、突出部21の突出部本体23及び2つの押圧片25のほぼ全ての部分は中綿6に挿し込まれている。即ち、突出部21の前後方向lの前方部から後方部付近までの部分が中綿6に挿し込まれている。
本体筒5のインキカートリッジ取り付け部15の先端部(中綿収容部12側)近傍に中子7が嵌めこまれて固定されている。
続いて、蓋部材3について説明する。
蓋部材3は、本体筒5の先栓部11に装着可能となっている。
蓋部材3は、図2のように、一方が開口する筒状体であり、開口端近傍にフランジ部32を有している。フランジ部32は、本体筒5の嵌合突起19と係合可能となっている。蓋部材3は、開口側から先栓部11の一部に着脱可能に嵌合させることができる部材である。蓋部材3を先栓部11に接続すると、先栓部11と蓋部材3との間の空間が密閉され、ペン先部材8からインキが乾くことを防止できる。
続いて本発明の特徴たるインキカートリッジ50(塗布液カートリッジ)について説明する。
インキカートリッジ50は、図5〜図7で示されるように、外観が略円柱状のタンク本体部51と、本体筒係合部52と、インキ栓53から形成されている。
インキカートリッジ50は、保管時には、インキ栓53を装着しており、塗布具本体2にインキ交換時(装着時)にはインキ栓53を取り外して使用する。
タンク本体部51は、図7,図8で示されるように、内側部分が空洞化されて内部空間55が形成されている。内部空間55には、公知のインキが満たされている。
タンク本体部51は、図5のように中心軸nを回転軸として、周方向rに沿って外側に張り出したフランジ部58を有している。フランジ部58の前方面は、図8のように本体筒係合部52の外周面に対して垂直となっており、フランジ部58の後方面は緩やかに丸みを帯びて傾斜している。即ち、フランジ部58の後方面は曲面となっている。
そして、タンク本体部51は、図8のようにフランジ部58を基準に前後方向lに装着領域65と、露出領域(後端部)66によって分けられる。
フランジ部58の前方に位置する装着領域65は、装着時に塗布具本体2の内部に位置する領域であり、装着時に外部から露出しない領域である。即ち、インキカートリッジ50は、その大部分が塗布具本体2の内部空間18内に位置する。
フランジ部58の後方に位置する露出領域66は、装着時に塗布具本体2の外部に位置する、即ち外部に露出する領域である。インキカートリッジ50の長手方向lの長さで言うと、露出領域66の長手方向l長さは、装着領域65の長手方向長さより大きい。具体的には、露出領域66の長手方向lの長さは、10mm以下であり、より好ましくは9mm以下である。比率で言うとインキカートリッジ50の長手方向長さの15パーセント以下となっている。更に露出領域66の長手方向lの長さは、塗布具全体の長手方向lの長さの10パーセント以下であることが好ましく、より好ましくは7パーセント以下である。
また、露出領域66の表面積は、装着領域65の表面積より小さい。露出領域66の表面積は、インキカートリッジ50の表面積の20パーセント以下となっていることが好ましく、10パーセント以下であることがさらに好ましい。即ち、露出領域66が十分小さいので、使用者は、インキカートリッジ50の装着時において、インキカートリッジ50の露出領域66を指で摘持不能又は摘持困難となっている。
装着領域65の後方部近傍には、図5,図8のように、外側に突出した螺旋状の係合片57が設けられている。係合片57は装着時に、本体筒5のインキカートリッジ取り付け部15に設けられた係合溝20と係合可能となっている。
タンク本体部51は、図8のように、露出領域66に嵌合部80を有している。具体的には、嵌合部80は、タンク本体部51の後端面に設けられている。
なお、嵌合部80の素材としては、合成樹脂や金属などが挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、ABS樹脂などが採用できる。
また、タンク本体部51の嵌合部80以外の部位の素材について、嵌合部80と同じ素材としてもよいし、別の素材としてもよい。
本体筒係合部52に目を移すと、本体筒係合部52は、図7,図8のように底板部60と、底板部60から前方に向けて突出した中子係合部61と、底板部60から後方に向けて突出した取り付け筒62から形成されている。
底板部60の前方に位置する中子係合部61は、底板部60から前方へ向けて突出する環状立壁となっている。中子係合部61は、図7のように内側部分が空洞化されて内部空間67が形成されている。内部空間67には、インキ栓53を挿脱可能となっている。
底板部60の後方に位置する取り付け筒62は、図8のように内側部分が空洞化されて内部空間68が形成されている。
そして、底板部60は、図8のように中心部分に中子係合部61の内部空間67と取り付け筒62の内部空間68を連通するインキ供給孔(塗布液供給孔)70が形成されている。インキ供給孔70は、底板部60の中心に位置し、底板部60の部材厚方向(前後方向l)に貫通する貫通孔であり、断面形状が円形となっている。即ち、インキカートリッジ装着時において、タンク本体部51の内部空間55内のインキは、インキ供給孔70を通って、取り付け筒62の内部空間68から中子係合部61の内部空間67へ移動可能となっている。
また、インキ供給孔70の開口面積は、先端(中子係合部61側)に向かうにつれて大きくなっている。そして、インキ供給孔70の最狭窄部位の内径は、インキ栓53の小軸部75の外径とほぼ等しく、インキ栓53の挿入方向先端に位置する小軸部75の外周面を挟持可能となっている。
ここで、本発明の特徴部位である嵌合部80についてさらに詳細に説明する。
嵌合部80は、図10のように複数の凸部85と、複数の凹部86を有している。
嵌合部80は、回転軸n(中心軸)を中心にN回回転対称となっている。なお、Nは2以上の自然数である。本実施形態では、3回回転対称となっている。
凸部85と凹部86は、嵌合部80の中心を回転軸とする周方向rに交互に配されている。そして、嵌合部80全体として、凸部85と凹部86は、同数となっている。本実施形態では、凸部85と凹部86は共に3コずつ設けられている。凸部85と凹部86は、共に平面視して略扇形状をしている。図9に示すXは、中心軸nの延伸方向(長手方向l)に対して直交し、嵌合部80の外縁である外縁部91を通る平面を指すが、図9のように凸部85は、平面Xに対して後方に向けて突出しており、凹部86は、平面Xに対して前方に向けて引っ込んでいる。
凸部85は、図10,図11のように突出面87(頂面)と、突出面87の縁に沿って前方に向かって延びている立壁面88(立壁部)と、を有している。凸部85の突出面87は、頂点から外側に向けて緩やかに下り傾斜している。本実施形態の場合、中心側から外側に向けて緩やかに下り傾斜している。このような傾斜が設けられているので、インキカートリッジ50を塗布具本体2に装着した状態のとき、使用者がインキカートリッジを摘もうとしても、指が引っかからない。また、突出面87から立壁面88にかけての角部が面取りされているので、後述するインキカートリッジ交換において、嵌合部80同士を合わせたときに、円滑に嵌合させることができる。
また、凸部85は、中心(中心軸n)に向かうにつれて、周方向rの長さが小さくなっている。
凹部86は、引込面90(底面)を有している。引込面90は、外側から中心に向かって緩やかに下り傾斜している。凹部86は、中心側(中心軸側)に向かうにつれて、周方向rの長さが小さくなっている。
そして、平面Xに対する凸部85の突出面87の傾斜角度をδ度としたとき、平面Xに対する凹部86の引込面90の傾斜角度が−δ度となっている。このように突出面87と引込面90の傾斜角度が対応しているので、2つのインキカートリッジ50の嵌合部80同士を嵌合させたとき、これらの突出面87と引込面90が沿うようになる。
また、露出領域66に位置する嵌合部80の角部は緩やかな丸みを帯びている。即ち、嵌合部80の外周縁部分89が、図10に示すように曲面になっている。したがって、使用者の指が引っ掛かりにくい。
なお、第1実施形態では、外周縁部分89と突出面87は連なって1つの弧状曲面を形成している。
続いて、インキ栓53について説明する。
インキ栓53は、図7のように頭部71と、軸部72を有している。
頭部71は、円柱状の部位であり、その外径は、中子係合部61の外径よりもやや大きい。
軸部72は、中軸部73と小軸部75から形成されている。中軸部73は円柱状の部位であり、その外径は、中子係合部61の内径とほぼ等しく、頭部71の外径よりも小さい。小軸部75は略円柱状の部位であり、その外径は、中子係合部61の内径よりも小さく、中軸部73の外径よりも小さい。そして、頭部71と中軸部73と小軸部75は、それぞれの中心軸が直線状に1列に並んでおり、頭部71と中軸部73と小軸部75は、段状に連続している。
ここで、インキ栓53を装着した保管時の状態におけるインキカートリッジ50の各部位の位置関係について説明する。
タンク本体部51の前方部には、図5,図6のように本体筒係合部52が取り付けられている。具体的には、タンク本体部51の前方部には、図8のように円形板状の底板部60が位置している。即ち、底板部60は、タンク本体部51の前方を塞ぐように設けられている。
インキカートリッジ50は、中子係合部61の内部にインキ栓53が装着されている。
具体的には、中子係合部61の内周面は、図8のようにインキ栓53の中軸部73の外周面と接触している。中子係合部61の前端面は、インキ栓53の頭部71の後端面に接触している。
インキ供給孔70の内周面は、インキ栓53の小軸部75の外周面と当接しており、インキ栓53の小軸部75は、インキ供給孔70の内周面によって挟持されている。
即ち、タンク本体部51の内部空間55と本体筒係合部52の内部空間68は、一体となって密閉された空間を形成している。
続いて、インキカートリッジ50の一般的な交換手順について、位置関係とともに説明する。説明の都合上、以下の説明において交換される対象であるインキカートリッジ50を使用済みインキカートリッジ50a(被交換塗布液カートリッジ)と称し、交換する対象であるインキカートリッジ50を新品インキカートリッジ50b(交換塗布液カートリッジ)と称す。
以下、インキカートリッジの各部の符号において、特に記載がない限り、その末尾に「a」を付した場合は使用済みインキカートリッジにおける部分を指し、末尾に「b」を付した場合は新品インキカートリッジにおける部分を指す。
まず、交換する前の各インキカートリッジ50の部材の位置関係について説明する。
使用済みインキカートリッジ50a(被交換塗布液カートリッジ)は、インキ栓53が取り外されて、塗布具本体2にインキカートリッジ50が装着された姿勢(以下、装着姿勢ともいう)を取っている。
使用済みインキカートリッジ50a(交換塗布液カートリッジ)は、図1〜図3のように装着姿勢において、本体筒5のインキカートリッジ取り付け部15の先端部(中綿収容部12側)には、内部空間55に使用済みインキカートリッジ50aが中子7の後方側から取付けられている。即ち、本体筒5の後方面とフランジ部58の前方面とが接触している。そして、本体筒5の外周面とフランジ部58の後方面とが緩やかに連続しており、連続した1つの面を形成している。そのため、使用者がインキカートリッジ50aを摘もうとしても、指が引っかからず、不意にインキカートリッジ50aを取り外してしまうことがない。
タンク本体部51の外周に形成された係合片57と、本体筒5のインキカートリッジ取り付け部15の内周面に形成された係合溝20とが螺合しており、インキカートリッジ50が本体筒5に固定されている。
また、内側筒部27の後方端部が環状立壁である中子係合部61の内側に挿入されている。中子係合部61に内側筒部27の後方端部が嵌めこまれて固定されている。そして、内部空間30と内部空間67が接続され、一体的に連通している。
一方、新品インキカートリッジ50bは、図5のように中子係合部61の内部にインキ栓53が装着されている。
交換動作の説明に移ると、まず、図12(a)〜の図12(b)のように使用済みインキカートリッジ50aの後方(嵌合部80a)に向けて、新品インキカートリッジ50bの嵌合部80bを対峙させ(図12(a))、嵌合部同士を取り付ける(図12(b))。
このとき、使用済みインキカートリッジ50aの中子係合部61が新品インキカートリッジ50bの中子係合部61と対向する方向を向いた状態で取り付けられている。即ち、使用済みインキカートリッジ50aの中子係合部61が前方を向いており、新品インキカートリッジ50bの中子係合部61が後方を向いている。
そして上記のように使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部80aと新品インキカートリッジ50bの嵌合部80bとが互いに嵌合しており、一体となっている。
詳しくは、図15のように嵌合部80aの突出面87と嵌合部80bの引込面90が接触している。また、嵌合部80bの突出面87と嵌合部80aの引込面90が接触している。図16のように嵌合部80aの立壁面88と嵌合部80bの立壁面88が接触している。使用済みインキカートリッジ50aの周方向rに隣接する凸部85によって、新品インキカートリッジ50bの凸部85は、挟持されている。即ち、使用済みインキカートリッジ50aの凸部85と新品インキカートリッジ50bの凸部85は互いに係合しており、新品インキカートリッジ50bに対する使用済みインキカートリッジ50aの周方向rへの相対的な移動を規制されている。
なお、使用済みインキカートリッジ50aに対する新品インキカートリッジ50bの軸方向の移動は規制されていない。
次に、図12(b)のように周方向に新品インキカートリッジ50bを回転させる。
このとき、使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部80aと新品インキカートリッジ50bの嵌合部80とが互いに嵌合しているため、新品インキカートリッジ50bに加わる周方向にかかる外力が使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部80aに伝達される。即ち、使用済みインキカートリッジ50aと新品インキカートリッジ50bとが一体的に回動する。
使用済みインキカートリッジ50aと新品インキカートリッジ50bとが一体的に回動すると、本体筒5の係合溝20(図2,3参照)と使用済みインキカートリッジ50aの係合片57(図2,3参照)の螺合関係が解除される。このとき、螺合関係が解除されるにつれて、使用済みインキカートリッジ50aの中子係合部61と本体筒5の内側筒部27との係合関係が解除されていき、使用済みインキカートリッジ50aの中子係合部61と本体筒5の内側筒部27との距離が離れていく。
本体筒5の係合溝20と使用済みインキカートリッジ50aの係合片57の螺合関係が解除されると、使用済みインキカートリッジ50aから新品インキカートリッジ50bを取り外し、図12(c)のように使用済みインキカートリッジ50aを塗布具本体2から引き抜く。このとき、通常は嵌合部80aと嵌合部80bが緩やかに嵌った状態での嵌合である場合は、この嵌合が解除されるので、インキカートリッジ50aを摘持して引き抜く。
次に、新品インキカートリッジ50bのインキ栓53を取り外す。
具体的には、図13(a)から図13(b)のようにタンク本体部51に対してインキ栓53を相対的に周方向に回転させ、軸方向にインキ栓53を引き抜く。
その後、図14(a)のように塗布具本体2の後方から新品インキカートリッジ50bを挿入する。
このとき、新品インキカートリッジ50bの中子係合部61が前方になるように挿入する。
その後、図14(b)のように、新品インキカートリッジ50bの後方(嵌合部80b)に向けて使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部80aを対峙させて取り付ける。
このとき、新品インキカートリッジ50bの中子係合部61が使用済みインキカートリッジ50aの中子係合部61と対向する方向を向いた状態で取り付けられている。即ち、新品インキカートリッジ50bの中子係合部61が前方を向いており、使用済みインキカートリッジ50aの中子係合部61が後方を向いている。そして使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部80aと新品インキカートリッジ50bの嵌合部80とが互いに嵌合しており、一体となっている。
詳しくは、嵌合部80aの突出面87(図10参照)と嵌合部80bの引込面90(図10参照)が接触している。また、嵌合部80bの突出面87と嵌合部80aの引込面90が接触している。嵌合部80aの立壁面88と嵌合部80bの立壁面88が接触している。使用済みインキカートリッジ50aの周方向rに隣接する凸部85によって、新品インキカートリッジ50bの凸部85は、挟まれている。即ち、使用済みインキカートリッジ50aの凸部85と新品インキカートリッジ50bの凸部85は互いに係合しており、使用済みインキカートリッジ50aに対する新品インキカートリッジ50bの周方向rへの相対的な移動を規制されている。
なお、新品インキカートリッジ50bに対する使用済みインキカートリッジ50aの軸方向の移動は規制されていない。
その後、図14(b)から図14(c)のように周方向rに使用済みインキカートリッジ50aを回転させる。
このとき、使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部80aと新品インキカートリッジ50bの嵌合部80とが互いに嵌合しているため、使用済みインキカートリッジ50aに加わる周方向にかかる外力が新品インキカートリッジ50bの嵌合部80bに伝達される。即ち、新品インキカートリッジ50bと使用済みインキカートリッジ50aとが一体的に回動する。
使用済みインキカートリッジ50aと新品インキカートリッジ50bとが一体的に回動すると、本体筒5の係合溝20と新品インキカートリッジ50bの係合片57が螺合される。このとき、螺合されるにつれて、新品インキカートリッジ50bの中子係合部61と本体筒5の内側筒部27とが係合されていき、新品インキカートリッジ50bの中子係合部61と本体筒5の内側筒部27(図3参照)との距離が近接していく。
そして、本体筒5の係合溝20と新品インキカートリッジ50bの係合片57が螺合されると、嵌合状態を解除し、交換が終了する。
本発明の塗布具1によれば、インキカートリッジ50のみで交換可能であるため、取り外し動作及び取り付け動作において、別部材や冶具を用いる必要がない。
上記した本第1実施形態では、インキカートリッジ50の露出領域66が塗布具本体2の後端よりも後側に張り出した構成の塗布具1を示したが、後側に張り出していない構成であっても良い。つまり、長手方向lの位置として、露出領域66の後端が塗布具本体2の後端と同じ位置としたものであってもよく、または塗布具本体2の後端よりも凹むように位置(前側に位置)したものであってもよい。これらの構成においても、露出領域66をその周方向から摘むということはできず、よって不用意に弄ってインキカートリッジ50を外すということも生じない。因みに、インキカートリッジ50の取替操作においては、露出領域66の嵌合部が後側から見て露出した状態であるので、新品インキカートリッジ50bの嵌合部を塗布具1後端に合わせるように、或いは上記凹んだ箇所に差し入れるようにして使用済みインキカートリッジ50aの嵌合部に嵌合させると良く、そうして取り外し操作を行うと良い。
〈第2実施形態〉
続いて、以下、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第2実施形態の塗布具100は、第1実施形態の塗布具1と、インキカートリッジの嵌合部の形状が異なる。
以下、インキカートリッジ150の嵌合部180について説明する。
嵌合部180は、図17のように回転軸nを中心に5回回転対称となっている。
嵌合部180は、図18のように基準領域181と、凸部領域182と、凹部領域183と、の3つの領域に分類できる。
即ち、中央に基準領域181が配されており、その周りを複数の凸部領域182と複数の凹部領域183が嵌合部180の中心を回転軸として周方向rに交互に配されている。
凸部領域182は、基準領域181に対して突出した領域であり、凹部領域183は、基準領域181に対して凹んだ領域である。
具体的には、凸部領域182は、基準領域181に対して突出した凸部185を有した領域であり、凹部領域183は、基準領域181に対して凹んだ凹部186を有した領域である。そして、嵌合部180全体として、凸部185と凹部186は、同数となっている。本実施形態では、凸部185と凹部186は共に5コずつ設けられている。
凸部185は、図17のように突出面187と、突出面187の縁に沿って基準領域181側に向かって立設した立壁面188(立壁部)と、を有している。凸部185の突出面187は、頂点から外側に向けて緩やかに下り傾斜している。本実施形態の場合、基準領域181側から外側に向けて緩やかに下り傾斜している。
なお、本実施形態において、後端部(露出領域66(図8参照))の外周縁部分は突出面187に区分けされずに連なっており、1つの弧状曲面を形作っている。
凸部185は、中心(回転軸n側)に向かうにつれて、周方向rの長さが小さくなっている。
凹部186は、図17,図18のように、引込面190と、引込面190の縁に沿って基準領域181側に向かって立設した立壁面192(立壁部)、を有している。引込面190は、外側から基準領域181に向かって緩やかに下り傾斜している。凹部186は、中心(回転軸n側)に向かうにつれて、周方向rの長さが小さくなっている。
そして上記立壁面188と立壁面192は、図59のように連続して1つの面を形成している。即ち、基準領域181上を通る面Yに対して後端側(凸部185の突出方向側,図59では上方)が立壁面188であり、基準領域181上を通る面Yに対して前端側(凹部186の引込方向側,図59では下方)が立壁面188であり、これらが連続して1つの面を形成している。
そして、凸部185の外側形状と凹部186の内側形状はほぼ同一形状となっている。
凸部185と凹部186は、共に平面視して中心に向けて頂点を有する山形形状/谷形形状をしている。凸部185は、中心軸nの延伸方向に対して直交し、嵌合部180の外縁である外縁部191を通る平面に対して突出しており、凹部186は、当該平面に対して引っ込んでいる。そして、平面上に基準領域181が位置している。
続いて、使用済みインキカートリッジ150aと新品インキカートリッジ150bとを取り付けた状態について説明する。
取り付けた状態において、使用済みインキカートリッジ150aの嵌合部180aと新品インキカートリッジ150bの嵌合部180とが図19のように互いに嵌合しており、一体となっている。
具体的には、嵌合部180aの突出面187と嵌合部180bの引込面190が接触している。また、嵌合部180bの突出面187と嵌合部180aの引込面190が接触している。嵌合部180aの立壁面188と嵌合部180bの立壁面192が接触している。嵌合部180bの立壁面192と嵌合部180aの立壁面188が接触している。使用済みインキカートリッジ150aの周方向rに隣接する立壁面192によって、新品インキカートリッジ150bの凸部185は、挟持されている。新品インキカートリッジ150bの周方向rに隣接する立壁面188によって、使用済みインキカートリッジ150aの凸部185は、挟持されている。即ち、使用済みインキカートリッジ150aの凸部185と新品インキカートリッジ150bの凸部185は互いに係合しており、新品インキカートリッジ150bに対する使用済みインキカートリッジ150aの周方向rへの相対的な移動を規制されている。
なお、使用済みインキカートリッジ150aに対する新品インキカートリッジ150bの軸方向の移動は規制されていない。
〈第3実施形態〉
続いて、以下、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第3実施形態の塗布具200は、第1実施形態の塗布具1と、インキカートリッジの嵌合部の形状が異なる。
以下、インキカートリッジ250の嵌合部280について説明する。
嵌合部280は、図20,図21のように複数の凸部285と、複数の凹部286を有している。
嵌合部280は、回転軸n(中心軸)を中心に2回回転対称となっている。
凸部285と凹部286は、嵌合部280の中心を回転軸nとして周方向rに交互に配されている。そして、嵌合部280全体として、凸部285と凹部286は、同数となっている。本実施形態では、凸部285と凹部286は共に2コずつ設けられている。
凸部285と凹部286は、共に平面視して略扇形状をしている。
凸部285は、図22のように突出面287と、突出面287の縁に沿って前方に向かって延びている立壁面288(立壁部)と、を有している。凸部285の突出面287は、頂点から外側に向けて緩やかに下り傾斜している。本実施形態の場合、中心側から外側に向けて緩やかに下り傾斜している。凸部285は、中心(中心軸n)に向かうにつれて、周方向rの長さが小さくなっている。
また、凸部285は、突出面287に嵌合穴296を有している。
嵌合穴296は、凸部285の突出方向に対して逆方向に延伸した有底穴である。即ち、凸部285は、装着姿勢において、後方に向けて突出しているのに対して、嵌合穴296は前方に向けて延伸している。
嵌合穴296は、底部297と、底部297の縁から突出面287に向けて延びた立壁面298を有している。嵌合穴296は、回転軸方向の断面が外側を上辺とする等脚台形状となっている。
凹部286は、図22のように引込面290を有している。引込面290は、外側から中心に向かって緩やかに下り傾斜している。凹部286は、中心側(中心軸側)に向かうにつれて、周方向の長さが小さくなっている。
また、凹部286は、引込面290に嵌合突起299を有している。
嵌合突起299は、凹部286の引込方向に対して逆方向に延伸した突起である。即ち、凹部286は、装着姿勢において、前方に向けて引っ込んでいるのに対して、嵌合突起299は後方に向けて延伸している。また、嵌合突起299は、凸部285の嵌合穴296と嵌合可能となっている。
嵌合突起299は、突出面270と、突出面270の縁から引込面290に向けて延びた立壁面271(立壁部)を有している。嵌合突起299は、回転軸方向の断面が外側を上辺とする等脚台形状となっている。そして、嵌合突起299の外面形状と嵌合突起299の内面形状が同一となっている。
また、凸部285は、中心軸nの延伸方向に対して直交し、かつ嵌合部280の外縁である外縁部291を通る平面に対して大部分が突出しており、凹部286は、平面に対して大部分が引っ込んでいる。具体的には、凸部285は、平面に対して嵌合穴296以外の部位が突出しており、凹部286は、平面に対して嵌合突起299以外の部位が引っ込んでいる。
平面に対する凸部285の突出面287の傾斜角度と、平面に対する凹部286の引込面290の傾斜角度は同一となっている。また、平面に対する凸部285の嵌合穴296の底部297の傾斜角度と、平面に対する凹部286の嵌合突起299の突出面270の傾斜角度は同一となっている。
続いて、使用済みインキカートリッジ250aと新品インキカートリッジ250bとを取り付けた状態について説明する。
取り付けた状態において、図23のように使用済みインキカートリッジ250aの嵌合部280aと新品インキカートリッジ250bの嵌合部280とが互いに嵌合しており、一体となっている。
具体的には、嵌合部280aの突出面287と嵌合部280bの引込面290が接触している。また、嵌合部280bの突出面287と嵌合部280aの引込面290が接触している。嵌合部280aの立壁面288と嵌合部280bの立壁面288が接触している。嵌合部280bの立壁面288と嵌合部280aの立壁面288が接触している。使用済みインキカートリッジ250aの周方向rに隣接する立壁面288によって、新品インキカートリッジ250bの凸部285は、挟持されている。新品インキカートリッジ250bの周方向rに隣接する立壁面288によって、使用済みインキカートリッジ250aの凸部285は、挟持されている。即ち、使用済みインキカートリッジ250aの凸部285と新品インキカートリッジ250bの凸部285は互いに係合している。
また、嵌合部280aの嵌合穴296内に嵌合部280bの嵌合突起299が嵌挿されている。同様に嵌合部280bの嵌合穴296内に嵌合部280aの嵌合突起299が嵌挿されている。
なお、このように嵌合突起299が嵌合穴296に嵌挿されていればよく、必ずしも、嵌合部280a,280bの立壁面288,288が接触する必要はない。即ち、立壁面288,288間で隙間が空いていてもよい。
使用済みインキカートリッジ250aの嵌合部280aと新品インキカートリッジ250bの嵌合部280bは、2つの部位の嵌合状態が同時に形成されている。即ち、凸部285と凹部286とが互いに嵌合し、さらに、嵌合突起299と嵌合穴296とが互いに嵌合している。
それ故に、新品インキカートリッジ250bに対する使用済みインキカートリッジ250aの周方向rへの相対的な移動を規制されている。また、使用済みインキカートリッジ250aに対する新品インキカートリッジ250bの軸方向の移動も規制されている。
即ち、本体筒5から使用済みインキカートリッジ250aを安定して抜き抜くことができる。
〈第4実施形態〉
続いて、以下、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態〜第3実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第4実施形態の塗布具300は、第1実施形態の塗布具1と、インキカートリッジの嵌合部の形状が異なる。
嵌合部380は、図24のように回転軸(中心軸n)を中心に2回回転対称となっている。
嵌合部380は、基準領域381と、凸部領域382と、凹部領域383と、の3つの領域に分類できる。
即ち、嵌合部380のほぼ全域に基準領域381が配されており、その基準領域381を4等分するように凸部領域382と凹部領域383が配されている。即ち、凸部領域382と凹部領域383は、図25のように中心軸n上を交点として交差している。本実施形態では、凸部領域382と凹部領域383は中心軸n上を交点として直交している。
凸部領域382は、基準領域381に対して突出した領域であり、凹部領域383は、基準領域381に対して凹んだ領域である。
具体的には、凸部領域382は、基準領域381に対して突出した凸部385を有した領域であり、凹部領域383は、基準領域381に対して凹んだ凹部386を有した領域である。
凸部領域382は、2つの凸部385を有している。凸部385は、突出面387と、突出面387の縁に沿って基準領域381側に向かって立設した立壁面388(立壁部)と、を有している。凸部385の突出面387は、頂点から外側に向けて緩やかに下り傾斜している。具体的には、突出面387は、円弧状に下り傾斜している。
2つの凸部385は、直線上に1列に並んでいる。
一方、凹部領域383は、嵌合部380の直径全体に亘って設けられた凹部386を有している。凹部386は、引込面390と、引込面390の縁に沿って基準領域381側に向かって立設した立壁面392と、を有している。凹部386の引込面390は、頂点から外側に向けて緩やかに上り傾斜している。具体的には、引込面390は、円弧状に傾斜している。
また、基準領域381に対して、凸部385の突出方向は直交しており、凸部385の引込方向も直交している。そして、凸部385の突出方向と凸部385の引込方向は互いに離反する方向を向いている。即ち、嵌合部380の中心軸n方向から平面視すると、凸部385と凸部385とによって「+」字状を形成している。
続いて、使用済みインキカートリッジ350aと新品インキカートリッジ350bとを取り付けた状態について説明する。
取り付けた状態において、図26のように使用済みインキカートリッジ350aの嵌合部380aと新品インキカートリッジ350bの嵌合部380とが互いに嵌合しており、一体となっている。
具体的には、嵌合部380aの突出面387と嵌合部380bの引込面390が接触している。また、嵌合部380bの突出面387と嵌合部380aの引込面390が接触している。嵌合部380aの立壁面388と嵌合部380bの立壁面392が接触している。嵌合部380bの立壁面392と嵌合部180aの立壁面388が接触している。使用済みインキカートリッジ350aの周方向rに隣接する立壁面392によって、新品インキカートリッジ350bの凸部385は、挟持されている。新品インキカートリッジ350bの周方向rに隣接する立壁面388によって、使用済みインキカートリッジ350aの凸部185は、挟持されている。即ち、使用済みインキカートリッジ350aの凸部385と新品インキカートリッジ350bの凸部385は互いに係合しており、新品インキカートリッジ350bに対する使用済みインキカートリッジ350aの周方向rへの相対的な移動を規制されている。
なお、使用済みインキカートリッジ350aに対する新品インキカートリッジ350bの軸方向の移動は規制されていない。
〈第5実施形態〉
続いて、以下、本発明の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態〜第4実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第5実施形態の塗布具1000は、第1実施形態の塗布具1とほぼ同様の形状をしているが、インキカートリッジの嵌合部の形状が多少異なる。
この嵌合部の形状の際について、以下に具体的に説明する。
図60は本第5実施形態のインキカートリッジを後側から見たものであって、その嵌合部1080から螺旋状契合箇所までを(ここより前側を省略して)描いた斜視図である。図63(a)はインキカートリッジの嵌合部1080における凸部1085の斜視図であり、外縁部1091を通る平面Xと上記凸部1085との位置関係を表す。図63(b)は該凸部1085の側面図であり、これに示す線Xは、上記平面Xの位置を表す。図63(c)はこの凸部1085及びその両横の凹部1086の一部を表す断面図であって、(a)に示すC−C線断面である。
第5実施形態の凸部1085の上記平面Xに対する突出長さH1は、第1実施形態の凸部85の突出長さよりも長く、凹部1086の平面Xに対する引込長さH2は、第1実施形態の凹部86の引込長さよりも長い(図60、図63(b)、及び図10参照)。また、凸部1085の平面Xに対する突出長さH1は、凹部1086の平面Xに対する引込長さH2とほぼ等しい。
また、凸部1085の突出面1087(凸部1085の頂面部分を言う)の傾斜角度は、第1実施形態の凸部85の突出面87の傾斜角度より大きい。同様に凹部1086の引込面1090の傾斜角度は、第1実施形態の凹部1086の引込面1090の傾斜角度より大きい。そしてこれら凸部1085の突出面1087の傾斜角度と、凹部1086の引込面1090の傾斜角度とは、対応するようになっている。
加えて、第5実施形態での嵌合部1080における凸部1085の側壁(立壁面1088;この面は凹部1086の側壁でもある)は、該凸部1085の突出面1087側(頂側)が窄まるようにしてテーパー状に傾斜している。凹部1086に着目して言うと、凹部の引込面1090(底面)が狭くなるようにしてテーパー状に傾斜している。
詳しくは、図63(c)に示すように、立壁面1088は、インキカートリッジの中心軸と平行なZ−Z線に対して角度θで傾斜している。すなわちθは、インキカートリッジ1050の中心軸に対する傾斜角度である。この角度は嵌合部1080同士の結合・離脱に大きな影響を与える角度であり、本明細書では、「抜き勾配」と略称することがある。
この傾斜は、凸部1085の立壁面1088のうちの左横面1040l及び右横面1040rだけでなく、中央側面1040s(嵌合部の凸部における中央側の立壁面。図63(a),(b)参照)にも設けられている。すなわち立壁面1088の全てに傾斜が設けられている。なお、左横面1040l及び右横面1040rを上記のように傾斜させ、中央側面1040sを傾斜させない(中心軸に沿った角度とする)構成であっても良い。
上記インキカートリッジ1050の中心軸に対する傾斜角度(抜き勾配)θは、2度以上8度以下が好ましく、より好ましくは3度以上5度以下である。本実施形態では、θは4度となっている。
続いて、使用済みインキカートリッジ1050aに新品インキカートリッジ1050bを取り付けた状態について説明する。
取り付けた状態において、図62のように使用済みインキカートリッジ1050aの嵌合部1080aと新品インキカートリッジ1050bの嵌合部1080bとが互いに嵌合しており、一体となっている。
具体的には、使用済みインキカートリッジ1050aの嵌合部1080aの立壁面1088の左・右横面1040l,1040rと、新品インキカートリッジ1050bの嵌合部1080bの立壁面1088の左・右横面1040l,1040rとが、少なくとのその一部にて接触している。
より詳細には、嵌合部1080aの左・右横面1040l,1040rと、嵌合部1080bの左・右横面1040l,1040rとは、平面Xを跨ぐようにして接触している(図63(a)に、接触箇所を格子のハッチングで示す)。嵌合部1080aの接触部分の突出方向lの長さH3は、突出面1087の先端から引込面1090の基端までの距離(H1+H2)の60パーセントから90パーセントであり、70パーセントから90パーセントであることが好ましく、80パーセントから85パーセントであることが特に好ましい。接触面積が広いほど、嵌合がしっかりしたものとなる傾向にある。よってしっかりとした嵌合とすることによるカートリッジ取替時の操作性の向上と、この嵌合を解くときの操作性とを勘案して、上記接触部分の広さを設定するのが好ましい。
使用済みインキカートリッジ1050aの嵌合部1080aと新品インキカートリッジ1050bの嵌合部1080bとを嵌合させたとき、これら嵌合部1080a,1080bにおける互いの突出面1087と引込面1090との間には、隙間が形成されるように設計されている。
即ち、図62のように嵌合部1080aの引込面1090aと、嵌合部1080bの突出面1087bとの間に隙間が空いている。また、嵌合部1080bの引込面1090bと、嵌合部1080aの突出面1087aとの間に隙間が空いている。言い換えると、嵌合部1080aの突出面1087aと嵌合部1080bの引込面1090bは接触していない。また、嵌合部1080bの突出面1087bと嵌合部1080aの引込面1090aが接触していない。
具体的には、図62のように突出面1087の突出方向先端部と、その先端部の延長上であって引込面1090に対応する部位と、の間隔dは、0.5mmから5mmとなるように設計されている。より好ましくは、1mmから3mmとなるように設計されていることである。
ここで、図62に示すX1は、上述のXと同様、嵌合部1080aの中心軸nの延伸方向(長手方向l)に対して直交し、嵌合部1080aの外縁である外縁部1091を通る平面であり、図62に示すX2は、嵌合部1080bの中心軸nの延伸方向(長手方向l)に対して直交し、嵌合部1080bの外縁である外縁部1091を通る平面である。
平面X1と平面X2との距離について述べると、上述の通り設計しているので、平面X1と平面X2とが所定の距離で空く設計となる。そして平面X1と平面X2との距離は、引込面1090と突出面1087との距離dとほぼ同様の距離となり、0.5mmから5mm空いている。より好ましくは1mmから3mm空いていることである。
そして嵌合された状態において、新品インキカートリッジ1050bの凸部1085bは、使用済みインキカートリッジ1050aの周方向rに隣接する立壁面1088によって、挟持される。また使用済みインキカートリッジ1050aの凸部1085は、新品インキカートリッジ1050bの周方向rに隣接する立壁面1088によって、挟持される。即ち、使用済みインキカートリッジ1050aの凸部1085aと新品インキカートリッジ1050bの凸部1085bは互いに嵌合し、互いの立壁面1088によって挟持される。
このとき、使用済みインキカートリッジ1050aの凸部1085a(凹部1086a)の側壁面と新品インキカートリッジ1050bの凸部1085b(凹部1086b)の側壁面がそれぞれテーパー状になっているので、図64のように、これら凸部1085aと凸部1085bの間で相互に力が働き、楔効果が働く。具体的には、使用済みインキカートリッジ1050aの凸部1085aの左・右横面1040l,1040rと、新品インキカートリッジ1050bの凸部1085bの左・右横面1040l,1040rとの間で相互に力が働く。そのため、新品インキカートリッジ1050bを手に持って、使用済みインキカートリッジ1050aを引く抜く際に、図64の矢印のように引抜力が働くが、上記楔効果によってその反力が働くから、嵌合部1080a,1080b間の嵌合状態が容易には解除されない。
上述のように楔効果を発揮させるために、嵌合部1080の素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ABS樹脂が好ましい。
続いて、インキカートリッジ1050の一般的な交換手順において、第1実施形態との主に異なる動作について位置関係とともに説明する。
図12(a),(b)のようにして、使用済みインキカートリッジ1050aに嵌合させた新品インキカートリッジ1050bを回すことで、使用済みインキカートリッジ1050aの係合片57と本体筒5の係合溝20の螺合関係を解除する。次いで、図65(a)のように、使用済みインキカートリッジ1050aを塗布具本体2から引き抜く。このとき、本第5実施形態では嵌合部1080aと嵌合部1080bは、嵌合状態を維持しており、使用済みインキカートリッジ1050aは新品インキカートリッジ1050bと一体となって引き抜かれる。この嵌合状態は、しっかりとしたものであるから、たとえこれら使用済みインキカートリッジ1050a及び新品インキカートリッジ1050bを縦方向(重力方向)に垂下させても、嵌合部1080aと嵌合部1080bとが嵌合した状態を維持し、離反しない。即ち、一方の嵌合部1080aが他方の嵌合部1080bに対して乖離せず、嵌合状態が解除されない。
次に、図65(b)のように嵌合部1080aと嵌合部1080bとを嵌合させた状態でこれら使用済みインキカートリッジ1050a及び新品インキカートリッジ1050bを回転させ(矢印E)、使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bの位置関係を逆転させる。
また、図65(c)のように新品インキカートリッジ1050bのインキ栓53を取り外す。
なお、新品インキカートリッジ1050bのインキ栓53を取り外す動作(図65(c))と、使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bを一体的に回転(矢印E)させる動作(図65(b))の順序は問わないが、液漏れ防止の観点から使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bの位置関係を逆転させる動作(図65(b))を先に行うことが好ましい。
その後、図66(a)のように塗布具本体2の後方から新品インキカートリッジ1050bを挿入する。つまり、新品インキカートリッジ1050bの中子係合部61が前方になるように挿入する。このとき、嵌合部1080aと嵌合部1080bの嵌合状態を維持したままで、使用済みインキカートリッジ1050aを手に持って新品インキカートリッジ1050bを塗布具本体2に挿入する。
その後、図66(b)のように周方向rに使用済みインキカートリッジ1050aを回転させる。
このとき、使用済みインキカートリッジ1050aの嵌合部1080aと新品インキカートリッジ1050bの嵌合部1080bとが互いに嵌合しているため、使用済みインキカートリッジ1050aに加わる周方向rにかかる外力が新品インキカートリッジ1050bの嵌合部1080bに伝達される。即ち、新品インキカートリッジ1050bと使用済みインキカートリッジ1050aとが一体的に回動する。
使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bとが一体的に回動すると、本体筒5の係合溝20と新品インキカートリッジ1050bの係合片57が螺合される。
そして、本体筒5の係合溝20と新品インキカートリッジ1050bの係合片57が螺合された後、使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bとの嵌合状態を解除する。このとき、新品インキカートリッジ1050bは、その係合片57が係合溝20に螺合されているので、本体筒5から外れることはない。なお、使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bの軸方向を折り曲げる方向に向けて力を加えて、嵌合部1080a,1080bの嵌合状態を解いてもよい。こうしてインキカートリッジの交換が終了する。
本第5実施形態では、上述のように使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bがしっかりとした嵌合により接続できるから、インキカートリッジの交換操作において、その手数を少なくできる。具体的には、緩やかな嵌合の場合は、図12(c),図14(a),図14(b)のように、使用済みインキカートリッジ1050aを塗布具本体2から取り外した後に嵌合状態を一旦解除し、使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bを別々に持って操作し、次いで再度嵌合させるという手順となるが、本第5実施形態のようにしっかりした嵌合であると、図65(a),図66(a),(b)のように、これらの操作をまとめてできるので、手数が少なくなる。
このように本第5実施形態は、インキカートリッジ取替時の操作性が良い点で有利である。
一方、第1実施形態のように緩やかな嵌合の場合は、インキカートリッジ製造の際に嵌合部80の加工精度があまり要求されない。よって、第1実施形態のように緩やかな嵌合となるものの場合は、この点で有利である。
ところで、嵌合部1080は、射出成形等によって成形できるが、実際には、射出成形等によって成形する場合、成形誤差が生じることがある。例えば、外縁部1091上であって、隣接する図61の周方向rの突出面1087と引込面1090との境界部分間の距離Da(引込面1090の弦の長さ)の寸法に誤差が生じることがある。
この点、本第5実施形態のインキカートリッジ1050は、立壁面1088の接触面がテーパー状に形成されていることに加えて、設計上、嵌合部1080aの引込面1090と嵌合部1080bの突出面1087との間に所定の隙間が形成されているので、たとえ嵌合部1080に若干の成形誤差が生じたとしても、その誤差を許容できる。
これについて下記表1を用いつつ説明する。
表1は、使用済みインキカートリッジ1050aの嵌合部1080aと新品インキカートリッジ1050bの嵌合部1080bについて、それらの成形誤差の程度によって、凸部1085の突出面1087と凹部1086の引込面1090との間に形成される隙間d(図62(a)参照)がどれぐらいになるかを示したものである。なお、成形誤差の指標としては、嵌合部1080a,1080bにおけるそれぞれ凹部1086の引込面1090の弦の長さDa(凹部1086の外縁部分の長さDa。図61参照)を用いている。また下記表1の例では、凸部1085の左・右横面1040l,1040rの抜き勾配(インキカートリッジ1050の中心軸に対する傾斜角度)が4°の場合を示している。
Figure 2013176956
上記表1に示すように、使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bのいずれもが、設計値通りに成形された場合、即ち設計値に対する凹部の弦の長さDaの寸法誤差が0mmの場合は、これらを嵌合させたとき、凸部突出面1087と凹部引込面1090との間に形成される隙間dが2mmとなる。使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bのいずれも、凹部1086が大きめ(凸部1085が小さめ)で、寸法誤差+0.14mmを生じている場合は、これらを嵌合させたとき、上記隙間dは0mmとなる。逆に使用済みインキカートリッジ1050aと新品インキカートリッジ1050bのいずれも、凹部1086が小さめ(凸部1085が大きめ)で、寸法誤差−0.14mmを生じている場合は、これらを嵌合させたとき、上記隙間dは4mmとなる。
設計上の隙間dは2mmであるが、上記いずれもDaの寸法誤差+0.14mmの場合ように、一方のインキカートリッジの凹部1086が大きめで他方のインキカートリッジの凸部1085が小さめの場合であっても、深く嵌合されるだけであり(隙間dが小さくなる。例えば0mm)、しっかりとした嵌合状態を達成できることに変わりない。逆に、上記いずれもDaの寸法誤差−0.14mmの場合ように、一方のインキカートリッジの凹部1086が小さめで他方のインキカートリッジの凸部1085が大きめの場合は、嵌合が浅くなるだけであり(隙間dが大きくなる。例えば4mm)、しっかりとした嵌合状態を達成できる。
このような嵌合の深さに差が生じるのは、凸部1085(凹部1086)の立壁面1088がテーパー状に形成されているからであり(本第5実施形態では抜き勾配4°)、大きい凹部に対して小さい凸部が立壁面1088の傾斜に従って深く嵌合したり、小さい凹部に対して大きい凸部が立壁面1088の傾斜に従って浅く嵌合したりすることとなる。
以上のように嵌合部1080に成形誤差を生じても、上記の如く設定した隙間が所謂遊びの役目をするので、両者をしっかりと嵌合させることができる。
なお上記表1の例では、引込面1090の弦の長さDaを+0.14mm以下の誤差まで許容できる。
〈第6実施形態〉
続いて、以下、本発明の第6実施形態について説明する。なお、第1実施形態〜第5実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第6実施形態の塗布具は、第5実施形態の塗布具1000とほぼ同様の形状をしているが、インキカートリッジの嵌合部の形状が多少異なる。
以下、インキカートリッジの嵌合部1280について説明する。
嵌合部1280は、図67,図68のように複数の凸部1085と、複数の凹部1086を有している。
本実施形態の凸部1085は、突出面1087に嵌合穴1296を有している。嵌合穴1296は、凸部1085の突出方向に対して逆方向に延伸した有底穴である。即ち、凸部1085は、嵌合姿勢において、後方に向けて突出しているのに対して、嵌合穴1296は前方に向けて延伸している。
嵌合穴1296は、図69のように底部1297と、底部1297の縁から突出面1087に向けて延びた立壁面1298を有している。
一方、本実施形態の凹部1086は、引込面1090に嵌合突起1299を有している。嵌合突起1299は、凹部1086の引込方向に対して逆方向に延伸した突起である。即ち、凹部1086は、嵌合姿勢において、前方に向けて引っ込んでいるのに対して、嵌合突起1299は後方に向けて延伸している。また、嵌合突起1299は、凸部1085の嵌合穴1296と嵌合可能となっている。
嵌合突起1299は、図69のように突出面1270と、突出面1270の縁から引込面1090に向けて延びた立壁面1271を有している。そして、嵌合突起1299の外面形状と嵌合穴1296の内面形状が同一となっている。
続いて、使用済みインキカートリッジ1250aと新品インキカートリッジ1250bとを取り付けた状態について説明する。
取り付けた状態において、図69のように使用済みインキカートリッジ1250aの嵌合部1280aと新品インキカートリッジ1250bの嵌合部1280bとが互いに嵌合しており、一体となっている。
具体的には、使用済みインキカートリッジの嵌合部1280aの立壁面1088の左・右横面1040l,1040rと、新品インキカートリッジの嵌合部1280bの立壁面1088の左・右横面1040l,1040rとが、少なくとのその一部にて接触している。
一方、嵌合部1280aの突出面1087と嵌合部1280bの引込面1090は接触していない。また、嵌合部1280bの突出面1087と嵌合部1280aの引込面1090が接触していない。言い換えると、嵌合部1280aの引込面1090と嵌合部1280bの突出面1087は、所定の間隔を空けた設計となっている。
また、嵌合部1280aの嵌合穴1296内に嵌合部1280bの嵌合突起1299が嵌挿されている。同様に嵌合部1280bの嵌合穴1296内に嵌合部1280aの嵌合突起1299が嵌挿されている。
嵌合突起1299は、凸部1085の嵌合穴1296と嵌合している。嵌合突起1299の突出面1270は、嵌合穴1296の底部1297に接触していない。即ち、嵌合突起1299の突出面1270と嵌合穴1296の底部1297との間には空間が形成されている。
具体的には、嵌合突起1299の突出面1270と嵌合穴1296の底部1297との距離d2として、0.5mmから5mm空くように設計するとよく、1mmから3mm空いていることがより好ましい。
使用済みインキカートリッジ1250aの嵌合部1280aと新品インキカートリッジ1250bの嵌合部1280bは、2つの部位の嵌合状態が同時に形成されている。即ち、凸部1085と凹部1086とが互いに嵌合し、さらに、嵌合突起1299と嵌合穴1296とが互いに嵌合している。
それ故に、新品インキカートリッジ1250bに対する使用済みインキカートリッジ1250aの周方向rへの相対的な移動を規制されている。また、使用済みインキカートリッジ1250aに対する新品インキカートリッジ1250bの軸方向の移動も規制されている。即ち、本体筒5から使用済みインキカートリッジ1250aを一体的に引き抜くことができる。
〈第7実施形態〉
続いて、以下、本発明の第7実施形態について説明する。なお、第1実施形態〜第6実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第7実施形態の塗布具は、第1実施形態の塗布具1とほぼ同様の形状をしているが、インキカートリッジの嵌合部の形状が多少異なる。
本実施形態の嵌合部1480は、図70,図71のように立壁面88に複数の隆起部1443を有している。
隆起部1443は、立壁面88のうちの左・右横面1040l,1040rに設けられている。
隆起部1443は引込面90から突出面87に向けて延伸した突条である。具体的には、隆起部1443は、左・右横面1440全体に亘って凸部85の突出方向lに延伸している。なお図70では、隆起部1443が複数条形成されたものを示したが、その数は1条であっても良い。
続いて、使用済みインキカートリッジ1450aと新品インキカートリッジ1450bとを取り付けた状態について説明する。
取り付けた状態において、図72のように使用済みインキカートリッジ1450aの嵌合部1480aと新品インキカートリッジ1450bの嵌合部1480bとが互いに嵌合しており、一体となっている。
具体的には、使用済みインキカートリッジの嵌合部1480aの立壁面88の左・右横面1440に配された隆起部1443と、新品インキカートリッジの嵌合部1480bの立壁面88の左・右横面1440に配された隆起部1443と、が接触している。
そして、それぞれの嵌合部1480a,1480bの隆起部1443は、互いに対峙するもの同士を押圧している。
一方、嵌合部1480aの突出面87と嵌合部1480bの引込面90は接触していない。また、嵌合部1480bの突出面87と嵌合部1480aの引込面90が接触していない。言い換えると、嵌合部1480aの引込面90と嵌合部1480bの突出面87は、所定の間隔を空くように設計されている。具体的には、突出面87の突出方向先端部と、その先端部の延長上であって引込面に対応する部位と、の間隔は、0.5mmから5mm空くように設計されており、1mmから3mm空くように設計されていることが好ましい。
〈その他の実施形態〉
上記した実施形態では、嵌合し一体化する際に、隣接する凸部85間でしっかり挟持し嵌合強度を高めるために、図70のように凸部85の立壁面88に隆起部1443を嵌合方向lに設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、嵌合強度を高める手法は問わない。例えば、図73のように凸条部1450を嵌合方向lに対して交差する方向に設けてもよい。この場合、交換時において、凸条部1450同士が係合してインキカートリッジ同士が離反することを係止する。
また、しっかり挟持させるために、凸部の立壁部の表面に加工を施してもよい。具体的には、ゲル状の抵抗体を凸部の立壁部の表面に塗布して、嵌合時における嵌合部間の摩擦抵抗を増加させてもよい。または、ペースト状の密着部材を凸部の立壁部の表面に塗布して、嵌合時における嵌合部間の隙間を埋めるようにしてもよい。
上記した実施形態では、使用済みインキカートリッジ50aの後側に形成した嵌合部80に対して新品インキカートリッジ50bの後側に形成した嵌合部80が嵌合させる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記後側の嵌合部80とは別にインキカートリッジ50の装着領域65に嵌合部を設けてもよい。
最後に、上記実施形態における意匠性について説明する。
第1実施形態の意匠にかかる塗布具(物品)1は、図27に示される斜視図と図28(正面図と背面図は同一のため背面図を省略)に示される六面図のようなホワイトボード用のマーカーであり、インキカートリッジ50が取り付けられている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図29に示される斜視図と図30(正面図と背面図は同一のため背面図を省略)に示される六面図の実線で示されるような嵌合部80に特徴を有している。
また、第1実施形態の意匠にかかる塗布具1の主要物品であるインキカートリッジ50は、図31に示される斜視図と図32に示される六面図のような形状をしている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図33に示される斜視図と図34に示される六面図の実線で示されるような嵌合部80に特徴を有している。
なお、塗布具1は、図3のような内部構造を有しており、インキカートリッジ50は、図8のような内部構造を有している。
第2実施形態の意匠にかかる塗布具(物品)100は、図35に示される斜視図と図36に示される六面図のようなホワイトボード用のマーカーであり、インキカートリッジ150が取り付けられている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図37に示される斜視図と図38に示される六面図の実線で示されるような嵌合部80に特徴を有している。
また、第2実施形態の意匠にかかる塗布具100の主要物品であるインキカートリッジ150は、図39に示される斜視図と図40に示される六面図のような形状をしている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図41に示される斜視図と図42に示される六面図の実線で示されるような嵌合部180に特徴を有している。
なお、塗布具100は、図3と同様の断面形状の内部構造を有しており、インキカートリッジ150は、図8と同様の断面形状の内部構造を有している。
第3実施形態の意匠にかかる塗布具(物品)200は、図43に示される斜視図と図44(正面図と背面図は同一のため背面図を省略)に示される六面図のようなホワイトボード用のマーカーであり、インキカートリッジ250が取り付けられている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図45に示される斜視図と図46(正面図と背面図は同一のため背面図を省略)に示される六面図の実線で示されるような嵌合部80に特徴を有している。
また、第3実施形態の意匠にかかる塗布具200の主要物品であるインキカートリッジ250は、図47に示される斜視図と図48に示される六面図のような形状をしている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図49に示される斜視図と図50に示される六面図の実線で示されるような嵌合部280に特徴を有している。
なお、塗布具200は、図3と同様の断面形状の内部構造を有しており、インキカートリッジ250は、図8と同様の断面形状の内部構造を有している。
第4実施形態の意匠にかかる塗布具(物品)300は、図51に示される斜視図と図52(正面図と背面図は同一のため背面図を省略)に示される六面図のようなホワイトボード用のマーカーであり、インキカートリッジ350が取り付けられている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図53に示される斜視図と図54(正面図と背面図は同一のため背面図を省略)に示される六面図の実線で示されるような嵌合部80に特徴を有している。
また、第4実施形態の意匠にかかる塗布具300の主要物品であるインキカートリッジ350は、図55に示される斜視図と図56に示される六面図のような形状をしている。さらにその中でもその意匠的特徴は、図57に示される斜視図と図58に示される六面図の実線で示されるような嵌合部380に特徴を有している。
なお、塗布具300は、図3と同様の断面形状の内部構造を有しており、インキカートリッジ350は、図8と同様の断面形状の内部構造を有している。
第5〜7実施形態において、上記第1実施形態における嵌合部80以外の形状については第1実施形態と同じである。よって、これら第5〜第7実施形態の意匠に関しては、第1実施形態での嵌合部80を図60,図61,図67,図68,図70,図71のように第5〜第7実施形態の嵌合部に交換したものとなる。
上記した実施形態において、嵌合部の形状として様々な形状を例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、嵌合部同士が嵌合できればよい。例えば、嵌合部は、きのこ状であってもよい。
1,100,200,300,1000 塗布具
2 塗布具本体
5 本体筒(筒部)
8 ペン先部材(塗布部)
50 インキカートリッジ(塗布液カートリッジ)
70 インキ供給孔
80,180,280,380,1080,1280,1480 嵌合部
85,185,285,385,1085 凸部
86,186,286,386,1086 凹部
1040l 左横面
1040r 右横面
1440 左・右横面

Claims (11)

  1. 筒部と塗布部とを備えた塗布具本体と、先端側に塗布液供給孔を備えた塗布液カートリッジを有し、前記塗布具本体の筒部内に前記塗布液カートリッジが装着され、前記塗布液カートリッジの塗布液供給孔から塗布部側に塗布液が供給される塗布具において、
    前記塗布液カートリッジは、塗布具本体に装着された状態ではその大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部から露出し、
    前記塗布液カートリッジの後端部には嵌合部があり、塗布具本体に装着中の塗布液カートリッジの前記嵌合部に、他の塗布液カートリッジの一部を嵌合させることが可能であることを特徴とする塗布具。
  2. 前記後端部の外周縁部分が曲面になっていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. 前記嵌合部は少なくとも凸部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
  4. 一の塗布液カートリッジと他の塗布液カートリッジが、その嵌合部同士で嵌合可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗布具。
  5. 嵌合部は、複数の凹部と凸部を有し、
    前記凹部と前記凸部が、筒部の周方向に交互に配列していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布具。
  6. 嵌合部は前記後端部の後端面部分に設けられており、該嵌合部の形状が回転対称であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗布具。
  7. 前記塗布液カートリッジを前記筒部の周方向に回動させることによって、前記塗布具本体の筒部に前記塗布液カートリッジを着脱可能となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の塗布具。
  8. 塗布具本体に装着中の塗布液カートリッジの前記嵌合部に、他の塗布液カートリッジの一部を嵌合させた状態で垂下した姿勢において、嵌合状態が解除されないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の塗布具。
  9. 前記凸部は対向する凸部側壁面を有し、前記凹部についても対向する凹部側壁面を有し、前記対向する凸部側壁面または凹部側壁面の少なくとも一方の間隔は、一の塗布液カートリッジと、他の塗布液カートリッジを嵌合させるときの嵌合が進むにつれて凸部側壁面と凹部側壁面との間が狭まる方向に漸次変化するものであって、
    前記凸部と凹部との嵌合が完了した状態においては、少なくとも凸部側壁面と凹部側壁面とが接することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の塗布具。
  10. 前記塗布液カートリッジの嵌合部は、一の塗布液カートリッジと他の塗布液カートリッジを嵌合させた状態において、前記一の塗布液カートリッジにおける嵌合部の前記凸部の先端部と前記他の塗布液カートリッジにおける嵌合部の凹部の基端部との間に隙間が生じるように設計されていることを特徴とする請求項9に記載の塗布具。
  11. 筒部と塗布部とを備えた塗布具本体に装着することができ、その先端に塗布液供給孔を備えた塗布液カートリッジであって、
    前記塗布具本体の筒部内に塗布液カートリッジが装着された状態では塗布液カートリッジの大部分が筒部内にあって後端部だけが筒部からが露出し、後端部には嵌合部があり、当該嵌合部に、他の塗布液カートリッジの一部を嵌合させることが可能であることを特徴とする塗布液カートリッジ。
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