JP2013212062A - プレッツェルの製造方法 - Google Patents

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Takashi Kajitani
孝 鍛冶谷
Hitoshi Fukui
均 福井
Seiichi Takagi
高木  誠一
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Andersen Inst Of Bread & Life Co Ltd
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Abstract

【目的】本発明は、プレッツェルの製造に際し、アルカリ処理を行う際には、充分な最終発酵をとっても、プレッツェル生地の潰れやプレッツェル生地の形状を不良にすることなく、しかも製造作業性を格段に向上させてのプレッツェル製造が行え、さらに余分なアルカリ液をスムーズに洗い流し、もしくは中和させて残存させることのないプレッツェル製造を行うことを目的とする。
【構成】最終発酵までの工程が通常の工程によって製造されるプレッツェルの製造方法であって、最終発酵を行ったプレッツェル生地を凍結状態あるいは半凍結状態にした後、アルカリ処理を行い、次いで焼成を行うことを特徴とするプレッツェルの製造方法
【選択図】 図1

Description

本発明は、プレッツェルの製造方法に関するものである。
プレッツェルの製造方法については、混捏、分割、成型、最終発酵、アルカリ処理、焼成という工程をとること、特に前記アルカリ処理という工程をとることにより、プレッツェルについて光沢のある赤褐色の表皮とフレーバー、食感を持つ製品が得られるといわれている。
しかしながら、従来では、前述したように最終発酵後の柔らかい状態で直ちにアルカリ処理を行うため、潰れや、形状不良で品質を著しく低下させる場合が多くあるという課題があった。
また、柔らかい状態での最終発酵後の生地は、丁重に扱う必要があり、そのため作業時間が長くかかるという課題があった。
また、一般的にドイツやアメリカでは3〜4%苛性ソーダ溶液により前述のアルカリ処理を行っているが、我が国においては、いわゆる苛性ソーダは食品衛生法により最終食品の完成前に中和又は除去することが定められている。しかしながら、塩などナトリウムが含まれるパンでは前記苛性ソーダの残存を確認するための分析方法がないのが現状である。
さらに、従来、プレッツェルを焼成する場合は、前述のごとく一般的にアルカリ処理をおこなうために、最終発酵を抑制して短時間発酵しかとらなかったり、もしくは発酵を取らないで前記アルカリ処理を行ったりしていた。
また、特開平8−205817号公報記載のように、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等の炭酸塩とリン酸三ナトリウム又はリン酸三カリウム等のリン酸塩の混合品もしくは各々単品、更に卵白を配合する方法や特開2000−333595号公報記載のように、シート状生地を80℃以上のアルカリ液に浸漬する方法などが報告されているが、いずれも前述した課題を解決するものではなかった。
一方、最終発酵後冷凍する技術については、特開2010−46022号公報記載の如く、最終発酵後、急速凍結と梱包を行った後、凍結状態のまま加湿、加熱可能な装置にて加熱する方法や、特開平7−8159号公報記載の如く、アスコルビン酸及びモルト末(またはモルトエキス)を配合し容積を確保する方法、さらには特開平6−169682号公報記載の如く、焼成前半に断続的に蒸気を注入することでパン生地のホイロ又は解凍、ホイロを執ることなく焼成する方法などが開示されている。
しかしながら、いずれも最終発酵後のアルカリ処理を想定したものではなく、もって前述した課題を解決するものではない。
特開平8−205817号公報 特開2000−333595号公報 特開2010−46022号公報 特開平7−8159号公報 特開平6−169682号公報
かくして本発明は、前記従来の各種課題を解決するための創案されたものであって、プレッツェルの製造に際し、アルカリ処理を行う際には、充分な最終発酵をとっても、プレッツェル生地の潰れやプレッツェル生地の形状を不良にすることなく、しかも製造作業性を格段に向上させてのプレッツェル製造が行え、さらに余分なアルカリ液をスムーズに洗い流し、もしくは中和させて残存させることのないプレッツェル製造を行うことを目的とするものである。
本発明は、
最終発酵までの工程が通常の工程によって製造されるプレッツェルの製造方法であって、
最終発酵を行ったプレッツェル生地を、凍結状態あるいは半凍結状態にした後、アルカリ処理を行い、次いで焼成を行う、
ことを特徴とし、
または、
最終発酵までの工程が通常の工程によって製造されるプレッツェルの製造方法であって、
最終発酵を行ったプレッツェル生地を、凍結状態あるいは半凍結状態にした後、アルカリ処理を行い、次いで水もしくは酸性溶液で洗浄した後、焼成を行う、
ことを特徴とし、
または、
前記半凍結状態は、前記凍結状態にしたプレッツェル生地を保管庫内に5〜40℃で0〜20分保管して行う、
ことを特徴とし、
または、
前記半凍結状態は、前記凍結状態にしたプレッツェル生地の表面を若干解凍した状態である、
ことを特徴とし、
または、
前記水もしくは酸性溶液での洗浄は、水もしくは少量の酸を含んだ溶液に浸漬することにより行う、
ことを特徴とするものである。
すなわち、プレッツェツ生地を通常の工程通り、最終発酵まで行った後、凍結し、冷凍保管する。
そして、冷凍保管した生地を、天板に並べ、直ちにアルカリ溶液に浸漬してアルカリ処理を行う。あるいはアルカリ溶液を噴霧することによりアルカリ処理を行う。
あるいは、例えば保管庫内を5〜40℃の温度とし、その状態で0〜20分間保管し、これにより半凍結状態とした後、その状態でアルカリ溶液に浸漬してアルカリ処理を行う。あるいはアルカリ溶液を噴霧することによりアルカリ処理を行う。
あるいは、凍結状態にした前記プレッツェル生地の表面を若干解凍した状態、すなわち半凍結状態にし、その状態でアルカリ溶液に浸漬してアルカリ処理を行う。あるいはアルカリ溶液を噴霧することによりアルカリ処理を行う。
ついで、水もしくは少量の酸を含んだ溶液に浸漬することにより洗浄を行う。 これら処理の後、焼成を行うものである。
前記の様に、本発明では、凍結、もしくは半解凍の状態でアルカリ処理を行うことにより、プレッツェル生地の潰れや形状不良が起こることを防止することが可能となるうえ、従来の方法では難しかった、充分な最終発酵をとったプレッツェル生地でも、容易にアルカリ処理が可能となる。
加えて、プレッツェル生地は凍結状態もしくは半凍結状態となっているため、多少の衝撃はプレッツェル製造作業上の支障とならない。よってプレッツェル製造における作業性が格段に向上する。
また、水もしくは少量の酸を含んだ溶液で洗浄することにより、余分なアルカリ溶液は洗い流すことが出来、もしくは中和させられることにより、アルカリ溶液を残存させることなくプレッツェルの製造が可能となる。
本発明によれば、プレッツェルの製造に際し、アルカリ処理を行う際には、充分な最終発酵をとっても、プレッツェル生地の潰れやプレッツェル生地の形状を不良にすることなく、しかも製造作業性を格段に向上させてのプレッツェル製造が行え、さらに余分なアルカリ液をスムーズに洗い流せ、もしくは中和させて残存させることのないプレッツェルの製造が行える。
従って、良好な品質のプレッツェルを、ロスなく効率的に製造することが出来、加えて、アルカリ処理によるアルカリ残存をスムーズに防止できることにより、より安全なプレッツェルの提供を可能とするプレッツェルの製造方法を提供できるとの優れた効果を奏するものである。
記載された製造仕様によりプレッツェルを製造した実施例、比較例1、比較例2の製造状態を示す表である。 実施例、比較例1、比較例2の製造結果を示す表である。
本発明で使用するパン生地、プレッツェル生地は、材料・配合・工程など特に限定されない。例えば、菓子パン生地、バターロール生地、フランス生地など、各種生地に適用可能である。また、プレッツェルの製造工程において、最終発酵までの工程は常法によっている。
次に本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
尚、図に示す表に記載した「%」は「重量部」を意味している。
まず、図1に示す表に記載した仕様によりプレッツェルを製造した。
通常法により最終発酵まで行った生地を冷凍した。冷凍する方法については何ら限定されない。
そして、前記冷凍した場合には、プレッツェル生地を室温に略10分間放置し、プレッツェル生地の表面を半凍結状態にした。なお、半凍結状態にする方法についても何ら限定されず、冷凍後に5〜40℃で0〜20分間、例えば保管庫などに保管し半凍結状態とすることが考えられる。
その後、いわゆるアルカリ処理すべく、当該プレッツェル生地を4%苛性ソーダ溶液に浸漬した。なお、アルカリ処理の方法についても何ら限定されるものではなく、アルカリ溶液を前記プレッツェル生地に噴霧する作業によって行っても構わない。
次いで、前記4%苛性ソーダ溶液に浸漬した生地を略1%酢酸溶液に浸漬することで洗浄を行った。
その後、当該プレッツェル生地の焼成を行った。この手法で10個製造した。
なお、プレッツェル生地を4%苛性ソーダ溶液に浸漬して行うアルカリ処理に要した時間は40秒であった。
ここで、得られた製品は、プレッツェル独特の光沢のある赤褐色の表皮とフレーバー、良好な食感を持つ製品となり、変形や潰れが見られたものはなかった。また、表面のpHは6.4〜6.7であった。
比較例1
前記実施例1と同配合、同工程で最終発酵まで行い、それを冷凍することなく、すぐに柔らかいままで4%苛性ソーダ溶液に浸漬して焼成を行った。すなわち、比較例1では、いわゆるアルカリ処理前の冷凍を行っていないのである。
この手法で10個製造した。なお、アルカリ処理に要した時間は60秒であった。得られた製品のうち、4個は潰れもしくは変形しており、商品価値の低いものとなった。また表面のpHは8.6〜9.1であった。焼色、フレーバー、食感は良好であった。
比較例2
比較例2では、実施例1と同配合、同工程で冷凍工程を経ずにアルカリ処理を行った後、洗浄工程を行わず、すぐに焼成を行ったものである。
この手法で10個製造した。そして、アルカリ処理に要した時間は40秒であった。ここで、得られた製品は、変形や潰れが見られたものはなかった。また表面のpHは8.6〜9.1であった。焼色、フレーバー、食感は良好であった。
以上の結果を図2に示す。
当該図2に示す表から理解されるように、本発明の実施例ではプレッツェルの焼き色、フレーバー、食感が良好で、しかもプレッツェルの変形潰れが10個中1個もなかった。さらに、アルカリ処理に要した時間が10個で40秒と比較的短時間で行えている。しかも、その後のアルカリ洗浄により表面phは6.4乃至6.7とアルカリ洗浄により余分なアルカリ溶液が残存していないことが理解出来る。
これに対し、比較例1では変形潰れが10個中4個も生じており、きわめて歩留まりが悪いものとなっている。さらに、アルカリ処理に要した時間が10個で60秒と比較的長時間要した。なお、アルカリ処理時間を10個で40秒のペースで行うと、プレッツェルの焼き色、フレーバー、食感の良好性が若干低くなるのではないかと考えられる。
しかも、その後アルカリ洗浄を行っていないため表面phは8.6乃至9.1と若干アルカリ性を示している。
比較例2では変形潰れが10個中1個もなかった。しかし、アルカリ処理に要した時間が10個で60秒と比較的長時間要しており、その後アルカリ洗浄を行っていないため表面phは8.6乃至9.1と若干アルカリ性を示している。なお、アルカリ処理時間を10個で40秒のペースで行うと、プレッツェルの焼き色、フレーバー、食感の良好性が若干低くなるのではないかと考えられる。

Claims (5)

  1. 最終発酵までの工程が通常の工程によって製造されるプレッツェルの製造方法であって、
    最終発酵を行ったプレッツェル生地を、凍結状態あるいは半凍結状態にした後、アルカリ処理を行い、次いで焼成を行う、
    ことを特徴とするプレッツェルの製造方法。
  2. 最終発酵までの工程が通常の工程によって製造されるプレッツェルの製造方法であって、
    最終発酵を行ったプレッツェル生地を、凍結状態あるいは半凍結状態にした後、アルカリ処理を行い、次いで水もしくは酸性溶液で洗浄した後、焼成を行う、
    ことを特徴とするプレッツェルの製造方法。
  3. 前記半凍結状態は、前記凍結状態にしたプレッツェル生地を保管庫内に5〜40℃で0〜20分保管して行う、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のプレッツェルの製造方法。
  4. 前記半凍結状態は、前記凍結状態にしたプレッツェル生地の表面を若干解凍した状態である、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載のプレッツェルの製造方法。
  5. 前記水もしくは酸性溶液での洗浄は、水もしくは少量の酸を含んだ溶液に浸漬することにより行う、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載のプレッツェルの製造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3220171B2 (ja) * 1997-06-09 2001-10-22 明治製菓株式会社 中空状の焼成菓子の製造方法

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