JP2013209700A - 真空蒸着装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、蒸着マスク交換時の蒸着マスクの変形量を測定し、アライメント量にフィードバックすることで、基板の不良低減、或いは信頼性の高い真空蒸着装置及びその方法を提供する。
【解決手段】本発明は、蒸着マスクと基板とをアライメントし、前記基板に前記蒸着マスクを介して前記発光材料を蒸着する真空蒸着装置または真空蒸着装置方法において、前記蒸着マスクの交換前後の特定位置を撮像し、前記撮像結果に基づいて前記蒸着マスクの洗浄前と洗浄後のマスク変形量の差を算出し、前記マスク変形量の差に基づいて前記アライメントのアライメント量を補正することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空蒸着膜を形成する真空蒸着装置及びその方法に係り、特に大型の基板上に厚さが均一な薄膜を形成するのに好適な真空蒸着装置及びその方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELとする)表示装置や照明装置に用いられる有機EL素子は、有機材料からなる有機層を上下から陽極と陰極の一対の電極で挟み込んだ構造で、電極に電圧を印加することにより陽極側から正孔が陰極側から電子がそれぞれ有機層に注入されそれらが再結合することにより発光する仕組みになっている。
この有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電化注入層を含む多層膜が積層された構造になっている。
多層膜の積層構造は、それぞれ高精度で蒸着される必要がある。そこで基板とマスクとを高精度で位置合わせして、蒸着し、蒸着後に位置確認することが必要である。
このような従来技術として特許文献1がある。特許文献1には、蒸着後に専用の検査チャンバで基板とマスクとの位置ずれを検査し、以後の蒸着の際の蒸着位置ずれを補正する方法が開示されている。
特開2009−158328
昨今の有機EL表示装置は現在主力の携帯電話向けからTV向け等に転換する兆しが見え、基板の大型化の要求が高まっている。そこで、マスクに対する蒸着時の位置ずれを補正するだけでなく、マスク交換時の交換前後のマスク変形の差による蒸着位置ずれの補正が課題になってきた。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、蒸着時に対する蒸着位置ずれの補正方法が開示されているが、上述した蒸着マスクの交換前後のマスク変形の差の課題の認識もなく、勿論その課題に対する解決策の開示もない。
マスク変形の要因としては、蒸着中に熱膨張した蒸着マスクの収縮、蒸着マスク交換後の洗浄、搬送などがある。マスク交換時のマスク変形により、蒸着位置のずれが大きくなる可能性があり、大型の基板、蒸着マスクであるほどずれは大きくなる。
後工程でずれを発見して、補正を入力すると、発見まで不良品が流れてしまい、歩留まりが悪くなる可能性がある。また、特許文献1の方法では、基板側の位置ずれか蒸着マスクの変形か切り分けが難しい。

本発明は、上述した課題に対処するためになされたものであり、蒸着マスク交換前後の蒸着マスクの変形量を測定し、アライメント量にフィードバックすることで、基板の不良率の低減、或いは信頼性の高い真空蒸着装置及びその方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために少なくとも下記の特徴を有する。
本発明は、蒸着マスクと基板とをアライメントし、前記基板に前記蒸着マスクを介して材料を蒸着する真空蒸着装置または真空蒸着装置方法において、前記蒸着マスクの交換前後の前記蒸着マスクの複数の特定位置を撮像し、前記撮像結果に基づいて前記蒸着マスクの交換前後のマスク変形量の差を算出し、前記マスク変形量の差に基づいて前記アライメントのアライメント量を補正することを第1の特徴とする。
また、本発明は、前記特定位置は前記蒸着マスクの画素領域の周辺に存在する非画素領域に設けられた測定マークであることを第2の特徴とする。
さらに、本発明は、前記特定位置は前記蒸着マスクの画素領域に設けられた蒸着用マスク穴であることを第3の特徴とする。
また、本発明は、前記マスク変形量は前記マスクアライメントマークからの前記特定位置の位置ずれであることを第4の特徴とする。
さらに、本発明は、前記蒸着を行う真空蒸着チャンバに隣接したマスク準備室を具備し、前記撮像を前記マスク準備室で行うことを第5の特徴とする。
また、本発明は、前記撮像を複数の撮像手段で行うことを第6の特徴とする。
さらに、前記撮像を行う撮像手段を移動させる手段を有することを第7の特徴とする。
また、本発明は、前記マスク変形量または前記マスク変形量の差の許容範囲を設定する閾値に基づいて前記蒸着マスクの使用可否を判定することを第8の特徴とする。
さらに、本発明は、前記マスク変形量または前記マスク変形量の差の許容範囲を設定する閾値に基づいて前記補正の可否を判定することを第9の特徴とする。
本発明によれば、蒸着マスク交換時の蒸着マスクの変形量を測定し、アライメント量にフィードバックすることで、基板の不良低減、或いは信頼性の高い真空蒸着装置及びその方法を提供できる。
有機物の形成及びマスク検査を行う蒸着装置の構造を示す模式平面図である。 基板の搬送、発光層の形成及びマスク検査を行う搬送チャンバと真空蒸着チャンバの立体図である。 有機EL装置の製造に用いる蒸着マスクの模式平面図である。 有機EL装置の蒸着マスク検査方法を示すフローチャートである。
本発明にかかる真空蒸着装置の一例として、有機ELデバイスの製造に適用した例を説明する。有機ELデバイス製造装置は、陽極の上に正孔注入層や正孔輸送層、発光層(有機膜層)、陰極の上に電子注入層や輸送層など様々な材料の薄膜層を真空蒸着により多層積層して形成する装置である。様々な材料の薄膜層を規定の位置に蒸着する為、蒸着マスクを使用する。本発明にかかる有機ELデバイス製造装置は、マスク交換前後に蒸着マスク位置誤差測定し、蒸着マスクの位置ずれ不良と変形の早期発見を行い、マスク交換前後のずれ量からオフセットを算出、自動でアライメント部へフィードバックすることを特徴とする。
図1は有機ELデバイス製造装置構成の一例を示したものである。本実施形態における有機ELデバイス製造装置100は、大別して処理対象の基板200を搬入するロードクラスタ3、前記基板200を処理する4つのクラスタ(A〜D)、隣接する各クラスタA〜D間又はクラスタとロードクラスタ3あるいは次工程(封止工程)との間に設置された5つの受渡室4a〜eを備えて構成されている。
ロードクラスタ3は、前後に真空を維持するためにゲート弁10を有するロード室31とロード室31から基板200を受取り、旋回して受渡室4aに基板200を搬入する搬送ロボット5Rを備えている。各ロード室31及び各受渡室4aは前後にゲート弁10を有し、当該ゲート弁10の開閉を制御し真空を維持しながら(真空を維持するための手段、例えば真空排気ポンプの図は省略)ロードクラスタ3あるいは次のクラスタ等へ基板を受渡する。
各クラスタ(A〜D)は、搬送ロボット5a〜dを備えた搬送チャンバ2a〜dと、搬送ロボット5a〜dから基板を受取り、所定の処理を行う図面上で上下に配置された2つの処理チャンバ1a〜d,u又はd(第1の添え字a〜dはクラスタを示し、第2の添え字u、dは上側下側を示す)を有する。各搬送チャンバ2a〜dと各処理チャンバ1a〜d,u又はdの間には、それぞれゲート弁10が設けてある。
マスク準備室401a〜d、u又はd、l又はr(第1の添え字a〜dはクラスタを示し、第2の添え字u、dは上側下側、第3の添え字lまたはrは左側右側を示す)は蒸着マスクの交換時のバッファとして備えており、真空になる。交換時のバッファとしてではなく、マスク検査をこの位置で行ってもよい。
図2は、搬送チャンバ(2a〜2d)と処理チャンバ(1au〜1du、1ad〜1dd)とマスク準備室401の内部構成の概要を示す。処理チャンバ(2a〜2d)の構成は処理内容によって異なるが、発光材料を蒸着しEL層を形成する真空蒸着チャンバ1buを例にとって説明する。なお、図2においては、真空蒸着チャンバ1buとマスク準備室401bul及び搬送チャンバ2bとの間には、図1に示すように両者を隔離する壁やゲート弁10が設けられている。また、制御装置600も真空蒸着チャンバ1bu及びマスク準備室401bulの外部に設けられている。
搬送チャンバ2bの内部に設置された搬送ロボット5bは、左右に旋回可能な構造のアーム51を有し、その先端には基板搬送用の櫛歯状ハンド52を装着している。アーム51の左右旋回は制御装置600にて動作制御を行う。動作制御を行うため、アーム51は接続ケーブル500にて制御装置600と接続する。
一方、真空蒸着チャンバ1buは、図2に示すように、大別して発光材料を蒸発させ基板200に蒸着させる蒸着部7(構成要素として70番代の符号を有する)と、基板200と蒸着マスク81をアライメントするアライメント部(構成要素として80番代の符号を有する)と、アライメントするために蒸着マスク81を動作させるアライメント動作部9(構成要素として90番代の符号を有する)と、基板200を搬送ロボット5bの櫛歯状ハンド52から処理チャンバ櫛歯状ハンド61で受け取った基板200を旋回させて直立させ基板保持手段82に移動させる基板旋回手段60と、を備えている。
蒸着部7は、図2の引き出し図に示すように、基板200に蒸着させる、例えば発光材料を備え発光材料を蒸発させ噴射73させる蒸着源71と、一対の蒸着源上下駆動軸74に沿って垂直に保持した基板200に平行に蒸着源71を上下方向移動させる大気側に設けた上下駆動モータ72と、を備えている。蒸着源71の上下駆動動作と基板旋回手段60の基板旋回動作は制御装置600にて動作制御を行う。動作制御を行うため、蒸着源71は接続ケーブル505にて制御装置600と接続、基板旋回手段60は接続ケーブル501にて制御装置600に接続する。真空蒸着を実施する時には、図示していない真空排気ポンプにより真空蒸着チャンバ1buの内部は10−3〜10−4Pa程度の高真空状態に維持される。
なお、図1に示すように、搬送チャンバ2bと真空蒸着チャンバ1buとの間の基板200の受け渡しは、受渡室4b、4Cの真空蒸着チャンバ1bu側のゲート弁10を閉じ、真空に排気された状態で、搬送チャンバ2bと真空蒸着チャンバ1buとの間のゲート弁10を開閉して行なわれる。
次にアライメント部8を説明する。アライメント部8は基板200の必要な部分に発光材料を蒸着させる蒸着マスク81と、アライメント位置を撮像する光学系83a〜83dとを有する。また、蒸着マスク81が所望の位置にセットされたかどうかは、本実施形態で光学系83a〜83dを利用する。光学系83a〜dは基板保持手段82に保持された基板200及び蒸着マスク81に設けた基板アライメントマーク84、マスクアライメントマーク85を撮像する。光学系83a〜dで撮像したデータを制御装置600にて位置ずれ算出を行う。撮像データを転送するため、光学系83aは接続ケーブル507、光学系83bは接続ケーブル508、光学系83cは接続ケーブル509、光学系83dは接続ケーブル510と制御装置600に接続する。また、光学系83a〜dは2〜3個使用でも構わない。光学系83a〜dで求めた位置ずれを補正するため、蒸着マスク81は、アライメント動作部9によりX、Y、θに移動し補正する。
アライメント動作部9は、蒸着マスク81移動の為、左右方向移動モータ92より左右駆動する機構と、上下方向移動モータ91a、91bとスロープガイド90により上下方向移動する機構とを有する。蒸着マスク81のX方向移動は左右方向移動モータ92よりX方向に移動し、Y方向移動制御は上下方向移動モータ91a、91bを同じ距離移動してスロープガイド90を並行移動しY方向に移動する。θ方向移動制御は上下方向移動モータ91a、91bにより別距離を移動してスロープガイド90にてθ方向に移動する。左右方向移動モータ、上下方向移動モータ91a、91bの動作は制御装置600にて制御する。各軸の動作制御を行うため、上下方向移動モータ91aは接続ケーブル502、上下方向移動モータ91bは接続ケーブル504、左右方向移動モータ92は接続ケーブル503にて制御装置に接続する。
次に、真空蒸着チャンバ1buに隣接して設けられマスク交換の為のバッファであるマスク準備室401に設けられたマスク検査部301及びマスク洗浄部402を説明する。
まず、構成要素として300番代の符号を有するマスク検査部301は、蒸着マスクを測定する検査用光学系300a〜d、光学系移動モータ310、311、312、光学系移動軸330、331、332、蒸着マスク移動モータ395及び蒸着マスク移動軸333を備えている。マスク検査部301はマスク準備室401で行わなくてもよい。
光学系300a〜dはエリアカメラ等を使用し、光学系のデータ取得は制御装置600にて制御を行う。データ取得を行うため、光学系300aは接続ケーブル511、光学系300bは接続ケーブル512、光学系300cは接続ケーブル513、光学系300dは接続ケーブル514と制御装置600に接続する。また、光学系300a〜dは1〜3個使用でも構わない。蒸着マスク移動軸333は蒸着マスク交換時に左右方向に移動させる蒸着マスク移動モータ395より蒸着マスク81を蒸着部7からマスク準備室401に移動の為に使用する。
蒸着マスク移動動作は制御装置600にて制御行う。蒸着マスク移動動作制御を行うため、蒸着マスク移動モータ395は接続ケーブル518にて制御装置600と接続する。光学系300a〜dはマスクアライメントマーク85、測定マーク87(後述する図3参照)を取り込む為、光学系上下移動軸330に沿って上下方向に移動させる光学系上下移動モータ310、光学系左右移動軸331に沿って左右方向に移動させる光学系左右移動モータ311、光学系左右移動軸332に沿って左右方向に移動させる光学系左右移動モータ312より光学系を移動して取り込みを行う。各軸の移動動作は制御装置600にて制御する。移動動作を制御する為、光学系上下移動モータ310は接続ケーブル515、光学系左右移動モータ311は接続ケーブル516、光学系左右移動モータ312は接続ケーブル517より制御装置600に接続する。
上記のように洗浄前のマスクアライメントマーク85、測定マーク87を測定後、蒸着マスク81は洗浄部402にて洗浄を行う。洗浄部402はマスク準備室401に設けず、別に洗浄室を設けても構わない。洗浄又は交換した蒸着マスクは再びマスク検査部301にセットし、光学系300a〜dにて洗浄後のマスクアライメントマーク85、測定マーク87を測定する。例えば、洗浄前と洗浄後のずれ量が規定値以内であれば蒸着室に移動し、蒸着始める。
図3に蒸着マスク81の構成を示す。蒸着マスク81は、マスク部81M、フレーム部81Fを備えて構成される。図2のアライメントマーク検出手段で基板保持手段82に固定された基板200上に形成されたアライメントマーク84の位置と蒸着マスク81の窓状のマスクアライメントマーク85の位置を検出し、アライメント動作部9により窓状のマスクアライメントマーク85と基板アライメントマーク84とが所定の関係になるように位置合せをする。蒸着マスクは、上述の他、画素領域を構成する蒸着用マスク穴86と、画素領域の周辺に存在する非画素領域に設けられ蒸着マスクの位置ずれを検出する例えば蒸着開口部を具備する測定マーク87を有する。
図4にマスク洗浄前後における蒸着マスク81の検査の工程のフローを示す。以下、有機EL表示装置の製造工程、蒸着マスク81の検査工程を図4を主体に図2、図3を参照しながら説明する。
まず、ステップS100では搬送チャンバ2bの内部に設置された搬送ロボット5bが櫛歯状ハンド52から基板200を真空蒸着チャンバ1bu内の処理チャンバ櫛歯状ハンド61に受け渡し、受け取った基板200を基板旋回手段60にて旋回させて直立させ基板保持手段82に移動させる。
次に、ステップS101では、蒸着マスク81と基板200が所望の位置にセットしたか確認するため、まず、基板200を蒸着マスク81から一定の距離、例えば数mm離れた位置まで接近させる。次に基板200の四隅近くにある基板アライメントマーク84とアライメントマーク付近にあるマスクアライメントマーク85を上部2ヶ所下部2箇所計4ヶ所に設けられた光学系83a〜dにより撮像する。撮像データは制御装置600にて処理し、基板中心に位置ずれ量(ΔX、ΔY、θ)を検出する。この時、光学系83a〜dは2ヶ所〜3ヶ所でも構わない。制御装置600にてマスク交換時にずれたフィードバック値が格納してあれば位置ずれ量を足しこむ(ステップS110)。フィードバック値を足しこんだ位置ずれ量が制御装置600で設定しておいたアライメントOK閾値内であれば次のステップへ進む。アライメントOK閾値外の場合、蒸着マスク81に設けた上下駆動、左右駆動、θ駆動するアライメント動作部9は制御装置600の指令よりアライメント補正を行う。駆動方法に上下駆動(△X)は上下方向移動モータ91a、91b同時に移動し、スロープガイド90より蒸着マスク81が受動的に移動、左右駆動(△Y)は左右方向移動モータ92移動し、蒸着マスク81が受動的に移動、θ駆動は上下方向移動モータ90a、90bの片方移動し、スロープガイド90より蒸着マスクが受動的に移動する。移動後、再度光学系83a〜dにて撮像し、制御装置600にて処理、位置ずれの検出を行う。アライメントOK閾値内になるまで繰り返す。制御装置にて繰り返し回数をカウントしておき、設定しておいた回数繰り返した場合は、エラー処理とする。
次に、ステップS102では基板旋回手段60を前後一定距離のところまで近づき、基板200と蒸着マスク81を密着させ、ライン状の蒸着源71を上又は下に移動させて蒸着する。
ステップS103では基板旋回手段60を利用し、基板を水平にし、基板200を処理チャンバ櫛歯状ハンド61から搬送チャンバ2bの内部に設置された搬送ロボット5bより櫛歯状ハンド52に受け渡しを行う。受け渡し後、真空蒸着チャンバ1buから搬送チャンバ2bに搬出する。
次に、ステップS104では設定した処理枚数の基板を蒸着したのか等によってマスク交換の判断を行う。処理枚数の管理、制御は制御装置600にて行う。制御装置600にて処理枚数の設定ができ、処理枚数設定閾値を超えた場合、もしくはオペレータが交換を判断した場合、蒸着マスク81は蒸着マスク移動軸333を左右方向に移動させる左右駆動モータ395より蒸着部7からマスク準備室401に移動する。移動後、マスク検査を行う。
次に、ステップS105では交換前の使用済みマスク検査を行う。まず、サブステップSS120にて光学系300a、300b、300c、300dを利用して、図3のマスクアライメントマーク(窓)85と等間隔に設けられた測定マーク87を撮像する。また、サブステップSS121にて蒸着マスク81にある測定マーク87のすべてもしくは指定箇所を撮像するため、光学系300a〜dを光学系上下移動軸330または光学系左右移動軸331あるいは光学系左右移動軸332に沿って、光学系上下移動モータ310、光学系左右移動モータ軸311、光学系左右移動モータ312によって移動させる。さらに、サブステップSS121では撮像したデータを制御装置600にて処理し、マスクアライメントマーク穴85のうち特定のマスクアライメントマーク穴85あるいはすべてのマスクアライメントマーク穴85のそれぞれの位置を基準とし、測定マーク87の位置を検出する。洗浄前における基準の位置から各測定マークの位置ずれである誤差(変形量)を、縦方向、横方向に対してそれぞれ(△Xb〜△Xb)、(△Yb〜△Yb)を求め、さらに平均化した△XbAVE 、△YbAVE 、△θbAVEを求める。
また、サブステップSS122では基準の位置から各測定マークの誤差(△Xb〜△Xb)、(△Yb〜△Yb)が閾値外であった場合、蒸着マスクが変形していると判定する。変形と判定された蒸着マスクはステップS137で使用不可能と判断し、エラー処理し、マスク準備室401から排出する。
次に、ステップS106では交換又はマスク洗浄を行う。マスクに付着した有機物を洗浄する。
次に、ステップS107では交換又は洗浄後でのマスク検査を行う。まず、サブステップSS130にて検査光学系300a、300b、300c、300dを利用して、図3のマスクアライメントマーク(窓)85と等間隔に設けられた測定マーク87を撮像する。サブステップSS131にて蒸着マスク81にある測定マーク87をすべてもしくは指定箇所撮像するため、光学系300a〜dを光学系上下移動軸330または光学系左右移動軸331あるいは光学系左右移動軸332に沿って、光学系上下移動モータ310、光学系左右移動モータ軸311、光学系左右移動モータ312によって移動させる。さらに、サブステップSS131では撮像したデータを制御装置600にて処理し、マスクアライメントマーク穴85のうち特定のマスクアライメントマーク穴85あるいはすべてのマスクアライメントマーク穴85のそれぞれの位置を基準とし、測定マーク87の位置を検出する。洗浄後の基準の位置から各測定マークの誤差を、縦方向、横方向に対してそれぞれ(△Xa〜△Xa)、(△Ya〜△Ya)を求め、さらに平均化した△XaAVE 、△YaAVE 、△θaAVEを求める。
次に、サブステップS132では基準の位置から各測定マークの誤差(△Xa〜△Xa)、(△Ya〜△Ya)が閾値外であった場合、マスクが変形していると制御装置600にて判定する。変形と判定された蒸着マスク81はステップS137で制御装置にてエラー処理し、マスク準備室401から排出する。
閾値内と判定された場合、サブステップSS133進み、制御装置600にて交換又は洗浄前と交換又は洗浄後の誤差ずれ量を算出する。算出方法は、式(1)〜式(3)に示すように、交換又は洗浄前と後の各縦方向、横方向、θの平均の差とする。
△XAVE=△XaAVE−△XbAVE・・・・・(1)
△YAVE=△YaAVE−△YbAVE・・・・・(2)
△θAVE=△θaAVE−△θbAVE・・・・・(3)
次に、サブステップSS134では各縦方向、横方向、θの平均の誤差ずれ量が規定した閾値を超えていないか判定する。超えていた場合、ステップS137のエラー処理とする。
サブステップSS136では、サブステップSS136で閾値内と判定された場合、制御装置600はサブステップSS110で処理される補正値を更新する。従って、以後のステップS100からステップS104の蒸着処理では、ステップS101で蒸着部アライメントを行う際に、更新された補正値△XAVE 、△YAVE 、△θAVEを足しこみアライメントを行う。
以上、説明した本実施形態によれば、蒸着マスク81の交換等に伴う蒸着マスクの変形の差を補正してアライメントし蒸着できるので、基板の不良低減を大幅に行なうことができる。
その結果、信頼性の高い真空蒸着装置及びその方法を提供することができる。
以上実施形態では、測定マークの誤差を検出して補正値を求めたが、画素領域にある蒸特定の蒸着用マスク穴の誤差を検出しても、上記実施形態と同様な効果を奏することができる。
上記説明では有機ELデバイスを例に説明したが、有機ELデバイスと同じ背景にある蒸着処理をする蒸着処理装置およびその方法にも適用できる。
1、1au〜1du、1ad〜1du:処理チェンバ
1bu:真空蒸着チェンバ 2a〜2d:搬送チャンバ
3:ロードクラスタ 31:ロード室
4a〜4e:受渡室 5a〜5d、5R:搬送ロボット
51:ロボットアーム 52:櫛歯状ハンド
60:基板旋回手段 61:処理チャンバ櫛歯状ハンド
7:蒸着部 71:蒸着源
72:蒸着源上下駆動モータ 73:発光材料の噴射
74:蒸着源上下駆動軸 8:アライメント部
81:蒸着マスク 81M:蒸着マスクのマスク部
81F:蒸着マスクのフレーム部 82:基板保持手段
83a〜d:光学系 84:基板アライメントマーク
85:マスクアライメントマーク(窓) 86:蒸着用マスク穴
87:測定マーク 9:アライメント動作部
90:スロープガイド 91a、91b:上下方向移動モータ
92:左右方向移動モータ 10:ゲート弁
100:有機ELデバイス製造装置 200:基板
301:マスク検査部 300a〜300d:検査用光学系
310:光学系上下移動モータ 311、312:光学系左右移動モータ
330:光学系上下移動軸 331、332:光学系左右移動軸
333:蒸着マスク移動軸 395:蒸着マスク移動モータ
401、401aur〜dur、401adr〜401ddr、
401aul〜401 dul、401adl〜401ddl:マスク準備室
402:マスク洗浄部
500〜518:制御装置と各部との接続ケーブル
600:制御装置 A〜D:処理クラスタ。

Claims (13)

  1. 複数のマスクアライメントマークを具備する蒸着マスクと基板とのアライメントをするアライメント手段と、前記基板に蒸着マスクを介して材料を蒸着する真空蒸着チャンバとを有する真空蒸着装置において、
    前記蒸着マスクの前記複数のマスクアライメントマークと複数の特定位置を撮像する撮像手段と、前記撮像結果に基づいて前記蒸着マスクの交換前後のマスク変形量の差を算出する算出手段と、前記マスク変形量の差に基づいて前記アライメントのアライメント量を補正する補正手段とを有することを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 前記特定位置は前記蒸着マスクの画素領域の周辺に存在する非画素領域に設けられた測定マークであることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置。
  3. 前記特定位置は前記蒸着マスクの画素領域に設けられた蒸着用マスク穴であることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置。
  4. 前記マスク変形量は前記マスクアライメントマークからの前記特定位置の位置ずれであることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置。
  5. 前記真空蒸着チャンバに隣接したマスク準備室を具備し、前記撮像手段を前記マスク準備室に設けたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  6. 前記撮像手段を複数有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  7. 前記撮像手段を移動させる移動手段を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  8. 蒸着マスクと基板とをアライメントし、前記基板に前記蒸着マスクを介して材料を蒸着する真空蒸着方法において、
    前記蒸着マスクの交換前後の前記蒸着マスクの複数の特定位置を撮像し、前記撮像結果に基づいて前記蒸着マスクの交換前後のマスク変形量の差を算出し、前記マスク変形量の差に基づいて前記アライメントのアライメント量を補正することを特徴とする真空蒸着方法。
  9. 前記特定位置は前記蒸着マスクの画素領域の周辺に存在する非画素領域に設けられた測定マークであることを特徴とする請求項8に記載の真空蒸着方法。
  10. 前記特定位置は前記蒸着マスクの画素領域に設けられた蒸着用マスク穴であることを特徴とする請求項9に記載の真空蒸着方法。
  11. 前記マスク変形量は前記マスクアライメントマークからの前記特定位置の位置ずれであることを特徴とする請求項9に記載の真空蒸着方法。
  12. 前記マスク変形量または前記マスク変形量の差の許容範囲を設定する閾値に基づいて前記蒸着マスクの使用可否を判定する手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  13. 前記マスク変形量または前記マスク変形量の差の許容範囲を設定する閾値に基づいて前記補正の可否を判定する手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の真空蒸着装置。
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