JP2013205123A - 異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法 - Google Patents

異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013205123A
JP2013205123A JP2012072564A JP2012072564A JP2013205123A JP 2013205123 A JP2013205123 A JP 2013205123A JP 2012072564 A JP2012072564 A JP 2012072564A JP 2012072564 A JP2012072564 A JP 2012072564A JP 2013205123 A JP2013205123 A JP 2013205123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
amount
candidate position
electromagnetic wave
substance amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012072564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5881159B2 (ja
Inventor
Takafumi Koike
崇文 小池
Hiroshi Tokunaga
洋 徳永
Yukihiro Hara
幸寛 原
Yuichi Kodama
祐一 小玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rigaku Denki Co Ltd, Rigaku Corp filed Critical Rigaku Denki Co Ltd
Priority to JP2012072564A priority Critical patent/JP5881159B2/ja
Publication of JP2013205123A publication Critical patent/JP2013205123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5881159B2 publication Critical patent/JP5881159B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】少なくとも2つの検査ステージを備えた異種物質の検査装置において、各検査ステージ間で被測定物に位置ズレが生じたとしても、その位置ズレを簡単に解消して、信頼性の高い検査を行うことができるようにする。
【解決手段】被測定物Sを形成する主物質内に異種物質が存在するか否かを検査する異種物質の検査装置1である。被測定物内における異種物質の候補位置を求める候補位置測定手段と、候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置におけるX線透過量Aを求める手段と、複数の画素を平面的に並べて成るX線検出面を有しておりそれら複数の画素のうち候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置の周囲に在る所定数の画素の少なくとも1つにおけるX線透過量Bを求める手段と、X線透過量AとX線透過量Bとに基づいて異種物質の存在を判定する判定手段とを有する異種物質の検査装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、主物質内に異種物質が存在するか否かを検査する検査装置及びその検査方法に関する。
従来、主物質に混入した異種物質を検出するための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1によれば、2種以上の異なるエネルギの放射線によって透過画像を求め、求められた透過画像に基づいて異種物質を検出する技術が知られている。特許文献1では、異なるエネルギの放射線のそれぞれによって透過画像を求める際、1つのエネルギに関する物質の位置と、他のエネルギに関する物質の位置とが一致していることが前提であり、物質に位置ズレが生じることは考慮されていない。
また、特許文献2によれば、搬送ベルトの搬送方向に沿って2つの検出器を設け、被検査物を搬送ベルトによって搬送させながら、異なるエネルギのX線をその被検査物にタイミングを変えて照射し、それぞれのエネルギのX線に関する透過X線データを上記2つの検出器によって検出し、それらの透過X線データに基づいて被検査物中に含まれる異種物質を検出する技術が開示されている。
特許文献2では、2つのX線検出器によって画像データを取得する際、被検査物に位置ズレが生じていないことが前提条件であり、被検査物に位置ズレが生じることは考慮されていない。被検査物に位置ズレが生じた場合には、異種物質の検出が正確にできないおそれがある。
特許文献3によれば、ベルトコンベアによって搬送される試料に、試料のX線吸収端より低いエネルギのX線とX線吸収端より高いエネルギのX線とを順次に照射し、それぞれのエネルギのX線に関してX線透過強度を測定し、得られた測定結果に基づいて試料内に異物が存在するか否かを判定する技術が開示されている。
特許文献3では、2つのX線検出器によってX線透過強度を取得する際、試料に位置ズレが生じていないことが前提条件であり、被検査物に位置ズレが生じることは考慮されていない。試料に位置ズレが生じた場合には、異物の検出が正確にできないおそれがある。
特開昭62−211549号公報 特開平10−318943号公報 特開2010−286405号公報
以上のように、2つあるいはそれ以上の検査ステージにおいてX線のエネルギを変えて、すなわち測定条件を変えて試料のX線透過量、すなわち物質量を測定し、測定されたX線透過量に基づいて試料内に異物があるか否かを判定する技術は、従来から知られている。しかしながら、このような複数の検査ステージを備えた異種物質の検査技術において、各検査ステージ間での試料の位置ズレは考慮されていなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、少なくとも2つの検査ステージを備えた異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法において、各検査ステージ間で被測定物に位置ズレが生じたとしても、その位置ズレを簡単に解消して、信頼性の高い検査を行うことができるようにすることを目的とする。
本発明に係る異種物質の検査装置は、被測定物を形成する主物質(鉄Fe)内に異種物質(タングステンW)が存在するか否かを検査する異種物質の検査装置において、前記被測定物内における前記異種物質の候補位置(例えば、図5のステップS4のa〜e位置)を求める候補位置測定手段と、前記候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置における物質量(例えば、X線透過量)を第1物質量として求める第1の物質量測定手段と、複数の画素を平面的に並べて成るX線検出面を有しており、それら複数の画素のうち前記候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置の周囲に在る所定数の画素の少なくとも1つにおける物質量を第2物質量として求める第2の物質量測定手段と、前記第1物質量と前記第2物質量とに基づいて前記異種物質の存在を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
本発明は、X線を用いた検査装置や、X線以外の電磁波(例えば紫外線)を用いた検査装置に適用できる。上記構成において、「物質量」は例えばX線透過量、X線反射量、X線以外の電磁波の透過量、X線以外の電磁波の反射量等である。
本発明に係る異種物質の検査装置によれば、搬送ベルトのズレや被測定物の崩れ等に起因して、第1の物質量測定手段と第2の物質量測定手段とで異種物質の測定位置に位置ズレが生じた場合、その位置ずれを解消した状態で、第1の物質量測定手段で求めた物質量と第2の物質量測定手段で求めた物質量とを正確に評価の対象にすることができる。これにより、信頼性の高い検査結果を得ることができる。
本発明に係る異種物質の検査装置において、前記候補位置測定手段は、前記被測定物の被測定領域に関する物質量のデータ(例えば、図6(a)のX線透過量曲線)を測定し、当該物質量のデータに基づいて前記異種物質の候補位置を求めることができる。
本発明に係る異種物質の検査装置において、前記候補位置測定手段によって複数の候補位置が求められた場合、前記第2の物質量測定手段はそれらの複数の候補位置のそれぞれの周囲に在る所定数の画素の少なくとも1つにおける物質量を第2物質量として求めることができる。
2つの検査ステージ間で被測定物の位置ズレを補正しようとする場合、一般的な手法として、予め被測定物の適所にマークを付けておき、2つの検査ステージ間で被測定物の位置ズレが発生した場合には、2回目の検査ステージでの検査結果をマークのズレ量に基づいて補正するという補正手法が考えられる。
そのような補正手法を、第1検査手段によって異種物質の存在位置が複数求められたという本実施態様に係る異種物質の検査装置に適用したとすると、第2検査手段によって求めたデータをマークのズレ量に基づいて全体的に補正、すなわち一律に補正するということになる。しかしながら、このような手法では、複数の異種物質の個々の位置ズレ量を正確に検出したことにはならず、従って、検査精度が低下するおそれがある。
これに対し、上記の限定した態様の異種物質の検査装置によれば、複数の異種物質の位置ズレが異種物質の個々に関して個別に補正されることになり、従って、検査精度を高い状態に維持できる。
本発明に係る異種物質の検査装置において、前記候補位置測定手段は、前記被測定物に照射される電磁波(X線等)を放射する第1電磁波放射手段と、電磁波を受けた前記主物質及び前記異種物質から出る電磁波を受けて信号を出力する第1電磁波検出手段と、当該第1電磁波検出手段の出力信号に基づいて前記物質量のデータを生成するデータ生成手段とを有することができる。前記第1の物質量測定手段は、前記候補位置測定手段によって求められた物質量のデータに基づいて前記第1物質量を求めることができる。前記第2の物質量測定手段は、前記被測定物に照射される電磁波を放射する第2電磁波放射手段と、電磁波を受けた前記主物質及び前記異種物質から出る電磁波を複数の画素を平面的に並べて成るX線検出面によって受けて信号を出力する第2電磁波検出手段と、当該第2電磁波検出手段の出力信号に基づいて前記第2物質量を求める手段とを有することができる。
上記構成において、「電磁波」は例えばX線であり、「第1電磁波放射手段及び第2電磁波放射手段」は例えばX線管、電磁波発生器等であり、「第1電磁波検出手段及び第2電磁波検出手段」は例えばX線検出器、電磁波検出器等であり、「データ生成手段」は例えば適宜のプログラムに従って機能を実現するCPU等といった演算制御器である。
本発明に係る異種物質の検査装置において、前記候補位置測定手段は、前記異種物質の物質量のデータ(例えば、X線透過量曲線)を微分して得られる微分データに基づいて前記異種物質の候補位置を特定することができる。ここで、「物質量のデータ」は例えばX線透過量曲線等である。
本発明に係る異種物質の検査装置において、前記第1電磁波放射手段及び前記第2電磁波放射手段は、電磁波としてのX線を放射するX線管とすることができ、前記第1電磁波検出手段及び前記第2電磁波検出手段は、直線上でX線分解能を有する1次元X線検出器又は平面内でX線分解能を有する2次元X線検出器とすることができ、前記物質量はX線透過量とすることができる。
本発明に係る異種物質の検査装置において、前記第1電磁波放射手段と前記第2電磁波放射手段は互いに異なるエネルギのX線を発生し、前記判定手段は、互いにエネルギが異なるX線が異種物質を透過する透過量に基づいて異種物質を特定することができる。この構成により、いわゆるデュアル・エネルギ測定を行うことができる。
本発明に係る異種物質の検査装置において、前記候補位置測定手段と前記第2の物質量測定手段とは異なる位置に設けられており、前記候補位置測定手段と前記第2の物質量測定手段との間で前記被測定物を搬送する搬送手段を有しており、当該搬送手段による前記被測定物の搬送速度の変化に応じて、物質量を測定するための前記測定対象領域の広さを調節することができる。こうすれば、搬送手段による被測定物の搬送速度にムラが発生する場合でも、検査精度を高く維持できる。
次に、本発明に係る異種物質の検査方法は、被測定物を形成する主物質(鉄Fe)内に異種物質(タングステンW)が存在するか否かを検査する異種物質の検査方法において、前記被測定物内における前記異種物質の候補位置(例えば、図5のステップS4のa〜e位置)を求める候補位置測定工程(例えば、図5のステップS4)と、前記候補位置測定工程によって求めた異種物質の候補位置における物質量(例えば、X線透過量)を第1物質量として求める第1の物質量測定工程(例えば、図5のステップS5)と、複数の画素を平面的に並べて成るX線検出面を用いて、それら複数の画素のうち前記候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置の周囲に在る所定数の画素の少なくとも1つにおける物質量を第2物質量として求める第2の物質量測定工程(例えば、図5のステップS6)と、前記第1物質量と前記第2物質量とに基づいて前記異種物質の存在を判定する判定工程(例えば、図5のステップS7)とを有することを特徴とする。
本発明に係る異種物質の検査装置によれば、搬送ベルトのズレや被測定物の崩れ等に起因して、第1の物質量測定手段と第2の物質量測定手段とで異種物質の測定位置に位置ズレが生じた場合、その位置ずれを解消した状態で、第1の物質量測定手段で求めた物質量と第2の物質量測定手段で求めた物質量とを正確に評価の対象にすることができる。これにより、信頼性の高い検査結果を得ることができる。
本発明に係る異種物質の検査方法によれば、搬送ベルトのズレや被測定物の崩れ等に起因して、第1の物質量測定工程と第2の物質量測定工程とで異種物質の測定位置に位置ズレが生じた場合、その位置ずれを解消した状態で、第1の物質量測定工程で求めた物質量と第2の物質量測定工程で求めた物質量とを正確に評価の対象にすることができる。これにより、信頼性の高い検査結果を得ることができる。
本発明に係る異種物質の検査装置の一実施形態を示す図である。 被測定物の一実施形態を示す平面図である。 主物質である鉄の中に異種物質であるタングステンが混在している状態を示す写真データである。 鉄(Fe)とタングステン(W)のデュアル・エネルギ特性を示すグラフである。 図1の検査装置によって実行される制御の流れを示すフローチャートである。 X線透過量の変化を示すデータ及びそのデータを微分したデータを示すグラフである。 本発明で用いられる測定対象領域の一例を示す図である。 測定対象領域の広さと被測定物の大きさとの関係の一例を示す平面図である。 本発明に係る異種物質の検査装置の他の実施形態を示す図である。 本発明に係る異種物質の検査装置のさらに他の実施形態を示す図である。 図10の検査装置において被測定物を搬送するための搬送ベルトの平面図である。
(異種物質の検査装置及び検査方法の第1の実施形態)
以下、本発明に係る異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、本明細書に添付した図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
図1は、本発明に係る異種物質の検査装置の一実施形態を示している。ここに示す異種物質の検査装置1は、機構部2と制御部3とを有している。
(機構部2)
機構部2は、被測定物Sを搬送するための搬送手段としての搬送ベルト6と、第1光学系7と、第2光学系8とを有している。第1光学系7による検査領域が第1検査ステージであり、第2光学系8による検査領域が第2検査ステージである。搬送ベルト6は駆動ローラ11と従動ローラ12とに掛け渡されている。駆動ローラ11は駆動源、例えば電動モータ13によって駆動されて回転する。駆動ローラ11の回転により、搬送ベルト6の上側走行部が矢印Aで示すように移動する。被測定物Sは、検査にあたって、搬送ベルト6の上流側の位置に載せられる。
被測定物Sは、主物質の中に異種物質が混在して成る物質である。本実施形態では、主物質が鉄(Fe)の切削片の集合物であり、異種物質がタングステン(W)の微小塊であるものとする。本実施形態では、図2に示すように、かさ密度が0.2g/cm である鉄(Fe)の集合物の中に微小なタングステンWが複数、混在している。
被測定物Sの搬送方向Aに沿った被測定物Sの長さL及びそれに直交する方向の幅Hは、搬送ベルト6の幅や、第1光学系7及び第2光学系8の測定可能領域の大きさ等を考慮して適宜に設定する。
タングステンWは、通常は、複数個が鉄Feの中に混在する。タングステンWは、図3に示すように微小球で存在する場合もあるし、微小片として存在する場合もある。本実施形態では直径0.38mm以上のタングステン球を検出できるようになっている。このような検出能力は、後述のように、検出器の検出単位である画素をタングステン球よりも小さくすることによって達成でき、その意味から本実施形態では0.2mmピッチの画素によって検出器を形成している。
図1において、第1光学系7は、第1電磁波放射手段としての第1X線管15aと、第1電磁波検出手段としての第1X線検出器16aとを有している。第2光学系8は、第2電磁波放射手段としての第2X線管15bと、第2電磁波検出手段としての第2X線検出器16bとを有している。
第1X線管15aは、通電によって電子を放出するフィラメントと、それに対向して配置されたCuターゲットとを有しており、電子が衝突したターゲットからX線を発生する。第1X線管15aは管電圧160kV、管電流0.8mAで高エネルギのX線を発生する。第1X線管15aによる被測定物Sの露光時間は、本実施形態では2msである。
第2X線管15bは、第1X線管15aと同様に、通電によって電子を放出するフィラメントと、それに対向して配置されたCuターゲットとを有しており、電子が衝突したターゲットからX線を発生する。第2X線管15bは管電圧90kV、管電流0.6mAで低エネルギのX線を発生する。第2X線管15bによる被測定物Sの露光時間は、本実施形態では2msである。
第1X線検出器16a及び第2X線検出器16bは、それぞれ、受光素子17と出力部18とを有している。受光素子17は本実施形態では1次元半導体X線検出器によって形成されている。1次元半導体X線検出器は、X線を受光して電気信号を出力できる半導体素子を画素として、この画素を図1の紙面垂直方向(紙面を貫通する方向)へ複数個、直線状に並べて成る検出器である。すなわち、1次元半導体X線検出器は、直線上でX線分解能を有するX線検出器である。1次元半導体X線検出器を形成する1つの画素の大きさは、本実施形態では、0.2mmピッチである。
1次元半導体X線検出器は、2次元半導体X線検出器に代えることができる。2次元半導体X線検出器は、X線を受光して電気信号を出力できる半導体素子を画素として、この画素を複数個、平面内に並べて成る検出器である。すなわち、2次元半導体X線検出器は、平面内でX線分解能を有するX線検出器である。2次元半導体検出器は、搬送ベルト6を用いた流れ作業で用いることもできるし、流れ作業ではないバッチ処理(一括処理)で用いることもできる。
半導体検出器は、フォトンカウンティング型(すなわちパルス計数型)ピクセルアレイ検出器、CCD(Charge Coupled Device/電荷結合素子)検出器等を用いることができる。出力部18は、受光素子17から出力された信号を増幅し、X線強度信号を位置信号と関連付けて出力する。
(制御部3)
制御部3は、コンピュータを用いた制御装置21を有している。制御装置21は、演算制御器であるCPU(Central Processing Unit)22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、メモリ25とを有している。メモリ25は、ハードディスク等といった機械式記憶媒体や、半導体メモリ等によって形成することができる。
メモリ25の内部には、機構部2を使って所定の機能を実現するための検査プログラム28がインストールされている。また、メモリ25の内部には、検査処理に関連して生成されたデータを保存するための結果ファイル29の領域が確保されている。また、メモリ25の内部には、図4に示す特性グラフがデータテーブル30の形で保存されている。なお、図4の特性グラフは検査プログラム28内に数式によって保存しても良い。
図4の特性グラフは、鉄(Fe)とタングステン(W)のデュアル・エネルギ特性を示すグラフである。図4において、横軸は160kVの高エネルギのX線をFe及びWに照射したときのFe及びWのX線透過量を示している。縦軸は90kVの低エネルギのX線をFe及びWに照射したときのFe及びWのX線透過量を示している。横軸及び縦軸は単位の無い無名数である。横軸及び縦軸において、空気のX線透過量は、いずれも3800である。
図4において、曲線Wはタングステンの特性を示し、曲線Feは鉄の特性を示している。図4の特性は、160kVの高エネルギX線と90kVの低エネルギX線を用いて予め測定されたデータから求めたものである。図1の異種物質の検査装置1において、被測定物Sに関して、第1光学系7を用いて高エネルギX線によるX線透過量を測定し、さらに第2光学系8を用いて低エネルギX線によるX線透過量を測定し、それらの値を図4のグラフにあてはめれば、被測定物Sの主物質(Fe)内にタングステンが異種物質として存在することを判定できる。すなわち、図4のグラフに示された曲線は検量線として機能する。このような高エネルギX線と低エネルギX線の2種類のX線を用いて行われる処理は、デュアル・エネルギ処理と呼ばれることがある。
図1において、CPU22、ROM23、RAM24及びメモリ25は通信線であるバス31によって接続されている。また、バス31には、ディスプレイ等といった表示装置32と、キーボード、マウス等といった入力装置33とが接続されている。機構部2の検出器16a,16b及び電動モータ13の入出力端子は入出力インターフェース34を介してCPU22に接続されている。
(検査処理)
以下、図5に示すフローチャートを用いて、図1に示す異種物質の検査装置1を用いて行われる検査の流れを説明する。
電源が投入されると、ステップS1において装置全体の初期調整が行われて、検査に対する準備が整う。搬送ベルト6の上に被測定物Sが置かれ、検査の指示が成されると(ステップS2でYES)、被測定物Sが搬送ベルト6によって図1の矢印A方向へ搬送される(ステップS3)。
被測定物Sが第1光学系7による検査域に達すると、ステップS4において候補位置測定工程が実行される。すなわち、第1X線管15aから放射される高エネルギX線が被測定物Sに照射され、被測定物Sから出る透過X線が受光素子17で受け取られ、そのときのX線透過量(すなわち、物質量)を反映した信号が出力部18の出力端子から出力される。
第1光学系7の出力部18から出力されるX線情報に基づいて、図6(a)に示すように、物質量のデータとしてのX線透過量のデータが得られる。図6(c)は図3に示す被測定物Sの一部分を切り取って示した2次元写真データである。この2次元写真データにおける線X1に沿った部分のデータが図6(a)に示すデータである。線X1は搬送ベルト6による被測定物Sの搬送方向に沿った線である。線X1に沿った目盛り、すなわち図6の横軸の目盛り、は被測定物Sの搬送方向に沿った位置を示している。
線X1と直角の方向に関しても図6(a)と同様のX線透過量データが得られるが、図6ではそれらのデータの図示は省略している。候補位置測定工程S4で得られた図6(a)のX線透過量データ(すなわち物質量データ)は、必要に応じて、図1のRAM24やメモリ25の結果ファィル29に保存される。
鉄Fe及びタングステンWについてX線透過量を考えると、鉄はX線透過量が高く、タングステンはX線透過量が低い。従って、異種物質としてのタングステン球の存在位置に対応してX線透過量データ(図6(a))の測定値が下がっている。従って、この位置をもって異種物質の存在位置(ステップS4の場合は、まだ、存在位置として確定しないので、以下では存在候補位置ということにする)と判定することができる。しかしながら、X線透過量データ(図6(a))の振幅変動だけでは異種物質であるタングステンの特徴を必ずしも明確に表現できないので、本実施形態ではステップS4においてタングステンの特徴を明確に捕えることとしている。
すなわち、ステップS4において図1のCPU22は、既に求められているX線透過量データ(図6(a))の微分データ(図6(b))を演算によって求める。この微分データにより、異種物質であるタングステンの搬送方向に沿った存在位置P1が明確に判定できる。搬送方向と直角方向(図6(c)の矢印Cで示す方向)の位置は、受光素子17における副走査方向の位置であるので、CPU22によって正確に認識できる。こうして、ステップS4において、異種物質であるタングステンの存在位置(存在候補位置)が求められる。タングステンが主物質であるFeの中に複数存在する場合には、タングステンの存在候補位置として、例えば複数の位置a〜eが特定される。
そしてさらに、CPU22は、特定された異種物質の存在候補位置a〜eの各位置におけるX線透過量、すなわち物質量を図5の第1の物質量測定工程S5においてX線透過量データ(図6(a))に基づいて求める。
次に、図1において被測定物Sが第2光学系8による検査域に達すると、図5のステップS6において第2の物質量測定工程が実行される。すなわち、図1の第2X線管15bから放射される低エネルギX線が被測定物Sに照射され、被測定物Sから出る透過X線が受光素子17で受け取られ、そのときのX線透過量を反映した信号が出力部18の出力端子から出力される。こうして、図6(a)と同様の、物質量のデータとしてのX線透過量のデータが得られる。
次に、CPU22は、ステップS4で求めたタングステンの存在候補位置a,b,c,d,eの各位置に関して、図7に示すように、それらの周囲の所定領域Dを測定対象領域に設定する。測定対象領域Dは行列状に並べられた複数の単位領域によって形成されている。個々の単位領域は図1の第2光学系8の受光素子17を形成している画素によって形成されている。つまり、測定対象領域Dは受光素子17を形成している複数の画素のうちの一部の所定数のものによって規定されている。図7に示す本実施形態では、5×5=25個の画素によって測定対象領域Dが規定されている。
今、測定対象領域Dを構成している複数の画素を左上端から順に、a1、a2、a3、……、a23、a24、a25と名付けることにする。CPU22は、まず、画素a1におけるX線透過量(すなわち物質量)を測定によって求める。そしてさらに、ステップSS4で求めた位置aのX線透過量と、上記画素a1でのX線透過量とを図4の検量線に当てはめて、上記画素a1でのX線透過量がタングステンのX線透過量に対応しているかどうか、すなわちタングステンの検量線に対して所定許容範囲内に入っているかどうか、すなわち画素a1がタングステンを検出したかどうかをチェックする(判定工程ステップS7)。このチェックがいわゆるデュアル・エネルギ測定に基づいたチェックである。このチェックにより、もしタングステンが存在することが検出されると、CPU22は被測定物S内に異種物質であるタングステンが含まれていると判断して処理を終了する。このとき、図5のステップS4で求めた異種物質の存在候補位置が実際の存在位置として確定する。
図4の検量線を用いた画素a1についての検査の結果、画素a1がタングステンを検出しなかった場合は、CPU22は次の順番の画素である画素a2におけるX線透過量を測定によって求め、そのX線透過量とステップSS4で求めた候補位置aのX線透過量とを図4の検量線に当てはめて、上記画素a2でのX線透過量がタングステンのX線透過量に対応しているかどうか、すなわち画素a2がタングステンを検出したかどうかをチェックする(ステップS6、S7)。もし、タングステンが存在することが検出されると、CPU22は被測定物S内に異種物質であるタングステンが含まれていると判断して処理を終了する。
以上のような処理を画素a1、a2、a3、……、a23、a24、a25に関して順々に繰り返して行い、いずれか1つの画素がタングステンを検出すれば、その時点で、被測定物S内に異種物質であるタングステンが含まれていると判断して処理を終了する。
図7に示した実施形態では、画素a24まで処理が繰り返して行われた時点で、その画素a24がタングステンに対応したX線透過量を検出した状態を示している。本実施形態では、測定対象領域Dの中央の位置である位置a(画素で言うと画素a13)の所で図5のステップS4において異種物質を検出したのであるから、図7において画素a24がタングステンを検出したということは、タングステンが図1の第1光学系7を用いた第1検査ステージから第2光学系8を用いた第2検査ステージまで移動する間に、そのタングステンが中央の画素a13に対応する位置P3から画素a24に対応する位置P2まで位置ズレしたことを示している。
この位置ズレは、例えば、搬送ベルト6の走行が振れていたり、被測定物Sが搬送ベルト6上で位置ズレしていたり、異種物質であるタングステンWが主物質である鉄Feの中で位置ずれしたりすることによって発生する。
従来の検査方法では、高エネルギのX線を用いた第1検査ステージと低エネルギを用いた第2検査ステージとにおいて同じ位置にある画素同士でX線透過量を評価していた。例えば、第1検査ステージにおける画素a13と第2検査ステージにおける画素a13とでX線透過量を評価していた。従って、上記のように異種物質であるタングステンが搬送中に位置ズレを生じると、実際には異種物質が混入しているにもかかわらず、異種物質の検出ミスが生じるおそれがあった。
これに対し、本実施形態では、第2検査ステージによって検査する測定対象領域Dを5×5=24個の画素によって形成される範囲に拡大しているので、異種物質の位置ズレがその拡大された測定対象領域Dの範囲内に収まっていさえすれば、異種物質の混入を確実に検出でき、異種物質の検出ミスの発生の程度を低く抑えることができる。
なお、測定対象領域Dを予め広く設定しておけば、すなわち測定対象領域Dを形成する画素の数を予め多く設定しておけば、異種物質の位置ズレが大きい場合でも異種物質の存在を検出できる。しかしながら、測定対象領域Dを構成する画素の数を多くすればする程、処理のための負荷が大きくなるので、できれば測定対象領域Dは小さい領域に抑えたい。実際上は、CPU22の処理能力を考慮した上で適宜の広さの測定対象領域Dが設定される。本実施形態では、既述の通り、5×5=24個に設定した。
以上により、図5の位置測定工程S5において求められた異種物質存在候補位置aについて設定される所定範囲の測定対象領域Dに対する異種物質検査処理が終了する。この異種物質検査処理において異種物質、すなわちタングステンWの存在が確認されなかった場合には、ステップS8へ進んで、位置測定工程S5で求められた異種物質存在候補位置a〜eのうち、まだ異種物質検査が終了していない位置が在るか否かが判定され、そのような未検査の位置があれば(ステップS8でNO)、第2の物質量測定工程S6へ戻って次の順番の異種物質存在候補位置(a〜eのいずれか)に対して上記と同様の異種物質検査処理を実行する。そして、いずれかの異種物質存在候補位置で異種物質であるタングステンWの存在が確認されると、主物質である鉄Feの中に異種物質であるタングステンWが混入していると判定して処理を終了する。一方、全ての異種物質存在候補位置a〜eで異種物質の存在が確認されなかった場合には、主物質である鉄Feの中に異種物質であるタングステンWが混入していないと判定して処理を終了する。
以上に説明したように、本実施形態では、図5のステップS6において、候補位置測定工程S4で検出された異種物質の存在候補位置と全く同じ位置に対してX線透過量を測定するのではなく、候補位置測定工程S4で検出された異種物質の存在候補位置の周囲に存在する測定対象領域D(図7)内の各画素でのX線透過量を検量線、すなわちデュアル・エネルギ特性線を用いた判定処理の判断材料値として用いることにした。
この結果、図1の搬送ベルト6のズレや、被測定物S内での主物質である鉄Fe又は異種物質であるタングステンWの崩れ等に起因して、第1光学系7を用いた第1検査ステージと第2光学系8を用いた第2検査ステージとで異種物質であるタングステンに位置ズレが生じた場合でも、第1検査ステージにおけるタングステンでのX線透過量(すなわち物質量)のデータと、第2検査ステージにおけるタングステンでのX線透過量のデータとを、図4のデュアル・エネルギ特性線に正確に反映させることが可能となった。そしてこの結果、被測定物Sに位置ズレが生じる環境下でも、信頼性の高い異種物質の検査を行うことが可能となった。
また、本実施形態では、図5のステップS4で測定された異種物質の存在候補位置a〜eの各位置に対してステップS6で個別に測定対象領域Dを設定し、個々の測定対象領域D内で低エネルギのX線を用いた測定(すなわち第2の検査ステージでの測定)を行った。
2つの検査ステージで同じ測定位置を測定しようとする場合、一般的な手法として、予め被測定物の適所にマークを付けておき、第1検査ステージと第2検査ステージとでマークにズレが発生したときには、第2検査ステージで求めたデータをマークのズレ量に基づいて補正するという手法が考えられる。
しかしながら、この手法を用いた場合は、マークのズレ量を検出する処理と、測定データをマークのズレ量に基づいて修正する処理との両方が必要となり、処理手順が複雑になる。これに対し、本実施形態では、第1検査ステージと第2検査ステージとで異種物質の位置ズレ量を数値として求める必要はなく、単に、第2検査ステージにおいてそれ程広くない面積の測定対象領域Dを設定して、その領域内で存在が認識された異種物質を第1検査ステージで認識された異種物質であると判定することにしただけであるので、異種物質の位置ズレを補正するための処理が格段に簡単になった。
なお、本明細書に添付の請求項に記載した本発明と、以上に説明した実施形態との関係を説明すれば、「主物質」は鉄であり、「異種物質」はタングステンである。また、「候補位置測定手段」は、図1の第1光学系7とCPU22と検査プログラム28との組み合わせである。また、「第1の物質量測定手段」は図1のCPU22と検査プログラム28との組み合わせである。また、「第2の物質量測定手段」は図1の第2光学系8とCPU22と検査プログラム28との組み合わせである。また、「判定手段」はデュアル検量線を含んだ検査プログラム28とCPU22との組み合わせである。
(変形例1)
以上の実施形態では、図5のステップS6とステップS7とにおいて次の2つの処理を行った。すなわち、
(1)測定対象領域D内の1つの画素によって第2検査ステージ、すなわち低エネルギでのX線透過量を求め、
(2)そして直ぐその後に、その低エネルギでのX線透過量と、第1検査ステージにおける異種物質候補位置での高エネルギでのX線透過量とに基づいてデュアル・エネルギ測定を行った。
この構成に代えて次の処理を行うことができる。すなわち、
(i)ステップS6において測定対象領域D内の5×5=24個の全ての画素について、予め、第2検査ステージ(すなわち低エネルギ)でのX線透過量を求めてしまい、
(ii)その後、ステップS7において、複数の画素の1つずつの低エネルギでのX線透過量と、第1検査ステージにおける異種物質候補位置での高エネルギでのX線透過量とに基づいてデュアル・エネルギ測定を行う。
(変形例2)
以上の実施形態では、図7に示したように、異種物質の大きさが測定対象領域Dを形成している個々の画素をほぼ同じ大きさであるものとした。具体的には、画素のピッチ(すなわち、1つの画素の大きさが0.2mmで、異種物質の大きさが略それと同じ大きさである場合を考えた。
しかしながら、実際の検査においては、異種物質の大きさが0.2mmよりも大きい場合もあるし、0.2mmよりも小さい場合もある。異種物質の大きさが0.2mmよりも小さい場合は、1つの画素で検出できるX線透過量が小さくなるので、異種物質の存在を検出できないことがある。
他方、異種物質の大きさが0.2mmよりも大きい場合、例えば図8に示すように異種物質が複数の画素にわたって存在する場合には、デュアル・エネルギ演算の結果、複数の画素において異種物質の存在を確認することになる。なお、測定対象領域D内の複数の画素の1つが異種物質の存在を確認したときに検査処理を終了するようにプログラムを構成した場合には、1つの画素が異種物質の一部の存在を確認した時点で検査処理が終了することになる。
(変形例3)
図1に示した実施形態では、第1光学系7を用いた第1検査ステージで高エネルギX線によるX線透過測定を行い、第2光学系8を用いた第2検査ステージで低エネルギX線によるX線透過測定を行い、それらの測定結果を用いてデュアル・エネルギ演算を行った。この構成に代えて、第1検査ステージにおいて低エネルギX線を用いた測定を行い、第2検査ステージにおいて高エネルギX線を用いた測定を行うことができる。
(異種物質の検査装置及び検査方法の第2の実施形態)
以上の実施形態では、図5のステップS6又はステップS7の所に描いた又は図7に描いた測定対象領域Dを、当初の設定段階において広く設定するか又は狭く設定するか、という選択肢があることを述べた。しかし、検査処理が行われている最中は測定対象領域Dの広さは一定に維持されていた。
この構成に代えて、検査処理が行われている最中に測定対象領域Dの広さを変化させるように制御しても良い。具体的には、ステップS6において1つの測定対象領域Dを設定し、ステップS7においてその測定対象領域D内の全ての画素に対してデュアル・エネルギ演算に基づいた判定を行った際に、異種物質が検出できなかったときには、図9のステップS9、S10に示すように、測定対象領域Dの広さを所定の割合で、例えば画素サイズごとに広くする、という制御を行うことができる。この制御により、異種物質の検出ミスが発生する確率を低減できる。
(異種物質の検査装置及び検査方法の第3の実施形態)
図10及び図11は本発明に係る異種物質の検査装置及び検査方法のさらに他の実施形態を示している。図10に示す本実施形態に係る異種物質の検査装置41が図1に示した先の実施形態に係る異種物質の検査装置1と異なる点は次の2つである。
(1)機構部42において搬送ベルト6のための駆動ローラ11の回転軸にエンコーダ9を付設したこと、
(2)制御部43内のメモリ25にインストールされた検査プログラム28が、搬送ベルト6の速度変動に対する位置ズレ補償機能を有していること、
である。エンコーダ9は、駆動ローラ11の回転角度に対応した信号、例えばパルス信号を出力する。エンコーダ9の入出力端子は入出力インターフェース34を介してCPU22に接続されている。
具体的には、第2検査ステージ(第2光学系8を用いるステージ)において設定する測定対象領域Dの広さをエンコーダ9で検出した搬送ベルト6の周動速度に応じて調節する。この調節手法は、搬送ベルト6の周動速度を観察すれば搬送ベルト6の振れ量を予測できるという事実に基づいている。本実施形態によれば、異種物質を探して見つける精度を高めることができる。
さらに具体的な構成を図11を用いて説明する。図11において、
(1)第1光学系7を設けた第1検査ステージと第2光学系8を設けた第2検査ステージとの間の距離、すなわちラインセンサ間距離をL1とする。
(2)時刻0から時刻Tの間の実際のベルト移動距離をL2とする。
(3)測定対象領域Dのベルト搬送方向Aに沿った長さをD とする。
(4)測定対象領域Dのベルト搬送方向Aと直角方向に沿った長さをD とする。
(5)搬送ベルト6の送り速度の設定値をVとする。
(6)搬送ベルト6の送り速度の時刻tにおける実測値をV1(t)とする。このV1(t)は、エンコーダ9による測定値である。
(7)搬送ベルト6の送り速度の時刻0〜時刻Tの間の実測平均値をV1(0:T)meanとする。
すると、時刻Tは、T=L1/Vである。時刻0〜時刻T間の実際のベルト移動距離L2は、L2=V1(0:T)mean×Tである。搬送ベルトの送り速度ムラによる距離ズレΔL1はΔL1=L2−L1である。
すると、測定対象領域Dの主走査方向の長さDは、
|ΔL|<0.2mmの場合、D=Dである。
|ΔL|≧0.2mmの場合、D=D+|ΔL|である。
なお、ΔL<0の場合にDはベルト送りの逆方向に拡張される。ΔL>0の場合はベルト送り方向に拡張される。
長さDCを固定値、例えば画素5個分の長さである1.0mmとしたとき、測定対象領域Dの副走査方向の長さDは、D=DCである。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、以上の説明ではX線を用いた異種物質の検査に対して本発明を適用したが、本発明はX線以外の電磁波、例えば紫外線その他を用いた検査に対しても適用できる。
また、以上の説明は、検査の判断材料となる物質量としてX線透過量を採用したが、物質量としては他の任意の物理量を選択できる。例えば、X線反射量、X線以外の電磁波の透過量、X線以外の電磁波の反射量等を検査の判断材料となる物質量として用いることができる。
また、本発明を適用して検査できるのは、主物質である鉄Feに混在する異種物質であるタングステンWに限られるものではなく、その他の任意の物質の組み合わせであっても良い。なお、この場合には、異種物質の存在を判定するための検査は、図4に示したようなFeとWのデュアル・エネルギ特性線を用いた判定手法ではなく、検査対象である物質の種類に応じた適切な判定手法が採用される。
1.異種物質の検査装置、 2.機構部、 3.制御部、 6.搬送ベルト(搬送手段)、 7.第1光学系、 8.第2光学系、 9.エンコーダ、 11.駆動ローラ、 12.従動ローラ、 13.電動モータ、 15a,第1X線管(第1電磁波放射手段)、 15b,第2X線管(第2電磁波放射手段)、 16a,第1X線検出器(第1電磁波検出手段)、 16b,第2X線検出器(第2電磁波検出手段)、 17.受光素子、 18.出力部、 21.制御装置、 25.メモリ、 31.バス、 32.表示装置、 33.入力装置、 34.入出力インターフェース、 A.搬送方向、 C.直角方向、 D.測定対象領域、 P1.位置、 P2.位置、 S.被測定物、 X1.測定軌跡線

Claims (10)

  1. 被測定物を形成する主物質内に異種物質が存在するか否かを検査する異種物質の検査装置において、
    前記被測定物内における前記異種物質の候補位置を求める候補位置測定手段と、
    前記候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置における物質量を第1物質量として求める第1の物質量測定手段と、
    複数の画素を平面的に並べて成るX線検出面を有しており、それら複数の画素のうち前記候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置の周囲に在る所定数の画素の少なくとも1つにおける物質量を第2物質量として求める第2の物質量測定手段と、
    前記第1物質量と前記第2物質量とに基づいて前記異種物質の存在を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする異種物質の検査装置。
  2. 前記候補位置測定手段は、前記被測定物の被測定領域に関する物質量のデータを測定し、当該物質量のデータに基づいて前記異種物質の候補位置を求めることを特徴とする請求項1記載の異種物質の検査装置。
  3. 前記候補位置測定手段によって複数の候補位置が求められた場合、前記第2の物質量測定手段はそれらの複数の候補位置のそれぞれの周囲に在る所定数の画素の少なくとも1つにおける物質量を第2物質量として求めることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の異種物質の検査装置。
  4. 前記候補位置測定手段は、
    前記被測定物に照射される電磁波を放射する第1電磁波放射手段と、
    電磁波を受けた前記主物質及び前記異種物質から出る電磁波を受けて信号を出力する第1電磁波検出手段と、
    当該第1電磁波検出手段の出力信号に基づいて前記物質量のデータを生成するデータ生成手段と、を有し、
    前記第1の物質量測定手段は、前記候補位置測定手段によって求められた物質量のデータに基づいて前記第1物質量を求め、
    前記第2の物質量測定手段は、
    前記被測定物に照射される電磁波を放射する第2電磁波放射手段と、
    電磁波を受けた前記主物質及び前記異種物質から出る電磁波を複数の画素を平面的に並べて成るX線検出面によって受けて信号を出力する第2電磁波検出手段と、
    当該第2電磁波検出手段の出力信号に基づいて前記第2物質量を求める手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の異種物質の検査装置。
  5. 前記候補位置測定手段は、前記異種物質の物質量のデータを微分して得られる微分データに基づいて前記異種物質の候補位置を特定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の異種物質の検査装置。
  6. 前記第1電磁波放射手段及び前記第2電磁波放射手段は、電磁波としてのX線を放射するX線管であり、
    前記第1電磁波検出手段及び前記第2電磁波検出手段は、直線上でX線分解能を有する1次元X線検出器又は平面内でX線分解能を有する2次元X線検出器であり、
    前記物質量はX線透過量である
    ことを特徴とする請求項4記載の異種物質の検査装置。
  7. 前記第1電磁波放射手段と前記第2電磁波放射手段は互いに異なるエネルギのX線を発生し、
    前記判定手段は、互いにエネルギが異なるX線が異種物質を透過する透過量に基づいて異種物質を特定する
    ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の異種物質の検査装置。
  8. 前記判定手段によって前記異種物質の存在が測定されない場合、前記第2の物質量測定手段は、物質量を測定するための前記測定対象領域を広げて物質量を再度、測定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の異種物質の検査装置。
  9. 前記候補位置測定手段と前記第2の物質量測定手段とは異なる位置に設けられており、前記候補位置測定手段と前記第2の物質量測定手段との間で前記被測定物を搬送する搬送手段を有しており、当該搬送手段による前記被測定物の搬送速度の変化に応じて、物質量を測定するための前記測定対象領域の広さを調節することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の異種物質の検査装置。
  10. 被測定物を形成する主物質内に異種物質が存在するか否かを検査する異種物質の検査方法において、
    前記被測定物内における前記異種物質の候補位置を求める候補位置測定工程と、
    前記候補位置測定工程によって求めた異種物質の候補位置における物質量を第1物質量として求める第1の物質量測定工程と、
    複数の画素を平面的に並べて成るX線検出面を用いて、それら複数の画素のうち前記候補位置測定手段によって求めた異種物質の候補位置の周囲に在る所定数の画素の少なくとも1つにおける物質量を第2物質量として求める第2の物質量測定工程と、
    前記第1物質量と前記第2物質量とに基づいて前記異種物質の存在を判定する判定工程と、
    を有することを特徴とする異種物質の検査方法。
JP2012072564A 2012-03-27 2012-03-27 異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法 Active JP5881159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012072564A JP5881159B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012072564A JP5881159B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013205123A true JP2013205123A (ja) 2013-10-07
JP5881159B2 JP5881159B2 (ja) 2016-03-09

Family

ID=49524360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012072564A Active JP5881159B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5881159B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019049544A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 住友化学株式会社 検査装置および検査方法
JP2021050959A (ja) * 2019-09-24 2021-04-01 株式会社 システムスクエア 検査装置及びプログラム

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62211549A (ja) * 1986-03-12 1987-09-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 放射線画像処理方法
JPH10318943A (ja) * 1997-05-20 1998-12-04 Shimadzu Corp 異物検査装置
JP2003279503A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 Shimadzu Corp X線検査装置
JP2007526482A (ja) * 2004-03-01 2007-09-13 ヴァリアン メディカル システムズ テクノロジーズ インコーポレイテッド 2エネルギー放射線走査および遅発中性子検出による物体調査
JP2008290024A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Anritsu Sanki System Co Ltd 物品検査装置
JP2009192519A (ja) * 2008-01-17 2009-08-27 Anritsu Sanki System Co Ltd X線異物検出装置
JP2010117170A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Hamamatsu Photonics Kk 放射線検出装置、放射線画像取得システム、放射線検査システム、及び放射線検出方法
JP2010286405A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Sii Nanotechnology Inc X線透過検査装置及びx線透過検査方法
JP2011145253A (ja) * 2010-01-18 2011-07-28 Anritsu Sanki System Co Ltd X線異物検出装置およびx線異物検出方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62211549A (ja) * 1986-03-12 1987-09-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 放射線画像処理方法
JPH10318943A (ja) * 1997-05-20 1998-12-04 Shimadzu Corp 異物検査装置
JP2003279503A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 Shimadzu Corp X線検査装置
JP2007526482A (ja) * 2004-03-01 2007-09-13 ヴァリアン メディカル システムズ テクノロジーズ インコーポレイテッド 2エネルギー放射線走査および遅発中性子検出による物体調査
JP2008290024A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Anritsu Sanki System Co Ltd 物品検査装置
JP2009192519A (ja) * 2008-01-17 2009-08-27 Anritsu Sanki System Co Ltd X線異物検出装置
JP2010117170A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Hamamatsu Photonics Kk 放射線検出装置、放射線画像取得システム、放射線検査システム、及び放射線検出方法
US20130016809A1 (en) * 2008-11-11 2013-01-17 Hamamatsu Photonics K. K. Radiation detection device, radiation image acquiring system, radiation inspection system, and radiation detection method
JP2010286405A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Sii Nanotechnology Inc X線透過検査装置及びx線透過検査方法
JP2011145253A (ja) * 2010-01-18 2011-07-28 Anritsu Sanki System Co Ltd X線異物検出装置およびx線異物検出方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019049544A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 住友化学株式会社 検査装置および検査方法
JP7175675B2 (ja) 2017-09-08 2022-11-21 住友化学株式会社 検査装置および検査方法
JP2021050959A (ja) * 2019-09-24 2021-04-01 株式会社 システムスクエア 検査装置及びプログラム
JP7295568B2 (ja) 2019-09-24 2023-06-21 株式会社 システムスクエア 検査装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5881159B2 (ja) 2016-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4868034B2 (ja) 放射線検査装置
EP3348997A1 (en) X-ray inspection method and x-ray inspection device
US10054555B2 (en) X-ray transmission inspection apparatus and inspection method using the same
AU2017209372B2 (en) Inspection apparatus for conveyor belt
WO2016024502A1 (ja) X線検査装置
JP2011242374A (ja) X線検査装置
JP5709721B2 (ja) ベルトコンベアのベルトの検査装置
TWI439664B (zh) 放射線厚度計
US10754049B2 (en) Method for calibrating imaging magnification of radiation computed tomography scanner
JP5881159B2 (ja) 異種物質の検査装置及び異種物質の検査方法
JP2015203574A (ja) X線検査装置及びx線感度補正方法
JP2011089965A (ja) 物品検査装置
JP2007132796A (ja) X線検査装置およびx線検査プログラム
JP2013190361A (ja) X線検査装置およびその制御方法
JP2010230559A (ja) X線検査装置
JP6791479B2 (ja) 検査システム
JP2012122927A (ja) X線異物検出装置
JP2019158897A (ja) コンベヤベルトの検査装置
WO2023189135A1 (ja) 検査装置及び検査方法
JP6506629B2 (ja) X線受光装置およびこれを備えたx線検査装置
CN111796336B (zh) 检查装置
JP7153525B2 (ja) X線検査装置
JP5759332B2 (ja) X線異物検出装置
JP2011202979A (ja) X線異物検出装置
JPH10300436A (ja) リードフレーム検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5881159

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

SG99 Written request for registration of restore

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316G99

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

SG99 Written request for registration of restore

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316G99

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S803 Written request for registration of cancellation of provisional registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316805

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S803 Written request for registration of cancellation of provisional registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316805

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250