JP2003279503A - X線検査装置 - Google Patents

X線検査装置

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JP2003279503A
JP2003279503A JP2002081815A JP2002081815A JP2003279503A JP 2003279503 A JP2003279503 A JP 2003279503A JP 2002081815 A JP2002081815 A JP 2002081815A JP 2002081815 A JP2002081815 A JP 2002081815A JP 2003279503 A JP2003279503 A JP 2003279503A
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rays
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Kenji Shibata
健治 芝田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線検査装置の大きさを小型化し、価格を低
減し、また、材質及び被検査物の物を特定する。 【解決手段】 透過X線により被検査物を検査するX線
検査装置1であって、1つのX線源2と、被検査物4を
透過したX線を検出する2つのラインセンサ6と、何れ
か一方の検出器の前面に配置する特定エネルギーろ過フ
ィルタ7と、単純透過X線及び特定エネルギーろ過フィ
ルタ透過X線の各検出出力と対象物の厚みとの特性デー
タを元素別に格納する特性データメモリ14を備え、1
個のX線源からのX線をエネルギーフィルタに通すこと
よりエネルギー特性が異なる少なくとも2つのX線を生
成し、このエネルギーの異なるX線の照射で得た少なく
とも2つの検出出力に対して、検出出力レベルに対応す
る厚みが一致する元素を求めることによって、被検査物
中に含まれる対象物の元素を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過X線によって
被検査物を検出するX線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各分野においてX線検査装置
を用いた非破壊検査が行われている。X線検査装置は、
X線源から被検査物にX線を照射し、被検査物を透過し
たX線を検出して透過画像を生成する。この透過画像
は、空港、郵便局、軍事産業、裁判所等の各種公共施設
や警備を要する施設において、刀剣砲等の取り締まり対
象物等の検査や、食品や医療品中の異物検査に利用する
ことができる。
【0003】従来のX線検査装置は、単一エネルギーを
照射するX線源を用い、被検査物を透過したX線をX線
ラインセンサで撮像し表示することで検査を行ってい
る。単一エネルギーのX線照射で得られる画像は、被検
査物の形状の表示およびX線吸収の度合いに応じて濃淡
表示が行われる。この濃淡表示では、金属等の重元素を
含む被検査物の場合には、X線吸収量が多いために透過
量が少なくなって高い出力レベルで表示され、逆にプラ
スチック等の軽元素を含む被検査物の場合には、X線吸
収量が少ないために透過量が多くなって低い出力レベル
で表示されるため、爆発物や麻薬等の特徴的な形状を持
たない被検査物については、対象物の特定を行うことが
できないという問題点がある。
【0004】また、エネルギーの異なるX線を用いるこ
とによって、重元素を含む物体と軽元素を含む物体とを
同時に検査するX線検査装置も提案されている。しかし
ながら、この場合においても、それぞれ異なるエネルギ
ーのX線で得られた画像を合成するものであり、対象物
に対して単ーエネルギーのX線により画像を得る点では
上記したX線検査装置と同様であるため、対象物の特定
を行うことができないという問題点は解決されていな
い。
【0005】そこで、X線エネルギーの異なる2つのX
線源を用い、この2つのX線源により被検査物を照射
し、エネルギーの異なるX線の照射で得た2つの検出出
力に対して得られる対象物の厚みを同一とする元素を求
めることによって、被検査物中に含まれる対象物の元素
を特定するX線検査装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このX
線検査装置では、X線源と検出器との対を2組使用する
ことが必要であるため、装置が大型化し、価格も高くな
るという問題がある。特に、X線源は大きいため、他の
装置部分を小型化した場合であっても装置全体を小型化
することには限界がある。また、X線源は寿命があり使
用可能な時間が限られているため、高価なX線源を2個
交換する場合には交換費用がかさむことになり、メンテ
ナンスの点でも問題がある。
【0007】また、従来のX線検査装置では、被検査物
の材質のみを特定しているため、被検査物を特定するこ
とが困難であるという問題がある。刀剣や拳銃などの危
険物については、物が特定されることが望まれている。
そこで、本発明は従来の問題点を解決して、X線検査装
置の大きさを小型化し、価格を低減することを目的と
し、また、材質の特定の他に被検査物の物の特定が可能
となることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、1個のX線源
からのX線をエネルギーフィルタに通すことよりエネル
ギー特性が異なる少なくとも2つのX線を生成し、この
エネルギーの異なるX線の照射で得た少なくとも2つの
検出出力に対して、検出出力レベルに対応する厚みが一
致する元素を求めることによって、被検査物中に含まれ
る対象物の元素を特定する。
【0009】本発明のX線検査装置は、透過X線により
被検査物を検査するX線検査装置であって、1つのX線
源と、被検査物を透過したX線を検出する2つの検出器
と、何れか一方の検出器の前方に配置する特定エネルギ
ーろ過フィルタと、単純透過X線及び特定エネルギーろ
過フィルタ透過X線の各検出出力と対象物の厚みとの特
性データを元素別に格納する特性データ格納手段を備え
る。
【0010】1つのX線源から発せられたX線の一方は
そのまま被検査物を照射する。一方の検出器はこの被検
査物のみを透過した単純透過X線を検出する。他方、同
じX線源から発せられたX線の他方は、特定エネルギー
ろ過フィルタを透過した後に被検査物を照射する。他方
の検出器は特定エネルギーろ過フィルタと被検査物とを
透過した特定エネルギーろ過フィルタ透過X線を検出す
る。
【0011】単純透過X線及び特定エネルギーろ過フィ
ルタ透過X線の各検出出力と対象物の厚みとの関係を各
元素毎に予め特性データとして用意しておき、この特性
データを用いて単純透過X線の検出出力に対する対象物
の厚み、及び特定エネルギーろ過フィルタ透過X線の検
出出力に対する対象物の厚みを各元素毎に求める。ある
元素について求めた2つの厚みが一致する場合には、そ
の元素が被検査物に含まれる元素であり、これにより被
検査物中の元素を特定することができる。
【0012】本発明のX線検査装置は、1つのX線源に
よって異なるエネルギーのX線照射による検出出力を得
ることができるため、従来のX線検査装置と比較してX
線源の個数を減少させることができ、装置を小型化し、
価格を下げることができる。また、本発明のX線検査装
置は、検出器としてX線ライン検出器を備える他、この
X線ライン検出器の画像信号を用いて、被検査物の面積
や、被検査物部分の平均濃淡レベルを求める演算手段を
備える構成とすることにより、求めた元素と面積及び/
又は平均濃淡レベルに基づいて被検査物を特定すること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。図1〜図3はそれぞれ、
本発明のX線検査装置による元素特定を説明するための
概略図、検出出力レベル−厚み特性を示す特性図、同一
対象物に対してエネルギー特性の異なるX線を照射した
ときの検出出力図である。
【0014】図1(b)は、従来のX線検査装置におけ
る透過X線の検出出力を説明する概略図である。X線エ
ネルギーの異なる2つのX線源2l,2hは、それぞれ
被検査物4に対して低エネルギーX線と高エネルギーX
線を照射する。図1(b)中のグラフは、このエネルギ
ーの異なる2つのX線照射によって得られる2つの検出
出力の透過X線スペクトルを示している。低エネルギー
X線の中心エネルギーは、高エネルギーX線の中心エネ
ルギーよりも低いエネルギー位置となる。
【0015】一方、図1(a)は、本発明のX線検査装
置における透過X線の検出出力を説明する概略図であ
る。一つのX線源2が発するX線の一方は被検査物4を
直接照射し、他方は特定エネルギーろ過フィルタ7を透
過した後、被検査物4を照射する。図1(a)中のグラ
フは、被検査物4を直接照射して得られる単純透過X線
と、特定エネルギーろ過フィルタ7を透過した特定エネ
ルギーろ過フィルタ透過X線の2つの検出出力の透過X
線スペクトルを示している。
【0016】一般に、透過X線のX線強度Iは、透過物
質のX線減弱係数をμとし、透過物質の厚みをxとした
とき、I=I・exp(−μx)で表される。X線減
弱係数μは、物質によって異なるが、X線エネルギーが
小さい場合には大きく、X線エネルギーが大きくなると
指数関数的に小さくなる。そのため、特定エネルギーろ
過フィルタを透過した透過X線の透過X線スペクトルの
中心エネルギーは、単純透過X線の透過X線スペクトル
よりも高エネルギー側に移動する。なお、図1(a)の
各透過X線スペクトルは、光子数が同数となるような相
対X線束で示している。
【0017】したがって、本発明のX線検査装置によれ
ば、一方の検出器の前方に特定エネルギーろ過フィルタ
を配置することによって、1つのX線源によって、被検
査物に対して低エネルギーX線と高エネルギーX線の二
つのエネルギーの異なるX線を照射した場合と同様の透
過X線スペクトルを得ることができる。
【0018】このX線による透過X線の検出出力レベル
は、対象物の厚みに対して、X線のエネルギー別及び対
象物の元素別に所定の特性を表す。図2は、この検出出
力レベル−厚み特性を表し、また、図3は同一対象物に
対してエネルギーの異なるX線を照射したときの検出出
力レベルを表している。同一元素で同一厚みの対象物に
対する検出出力レベルは照射したX線のエネルギーによ
って異なり、高エネルギーX線を照射した場合の検出出
力レベルはLhとなり、低エネルギーX線を照射した場
合の検出出力レベルはLl(<Lh)となる。
【0019】そして、この特性は元素毎に異なり、検出
出力レベルに対応する厚みを求めると、同一の元素のと
きのみ、異なるエネルギーX線について同一の厚みが得
られる。従って、図3(b),(c)において、図3
(a)の対象物を透過した検出出力レベル(Lh,L
l)に対応する厚みが等しくなる元素を求めることによ
って、被検査物中に含まれる対象物の元素を求めること
ができる。
【0020】本発明のX線検査装置によって被検査物中
に対象物が含まれるか否かの検査を行うには、元素が既
知の対象物にX線を照射し、透過X線の厚みに対する検
出出力特性を求める処埋を、X線のエネルギーを異なら
せて行うことによって、透過X線の検出出力と対象物の
厚みとの特性データを、照射X線のエネルギー別及び元
素別に予め求め、特性データとして格納しておく。
【0021】そして、被検査物に対して、X線源からX
線を被検査物に照射し、単純透過X線及び特定エネルギ
ーろ過フィルタX線を各検出器で検出して検出出力レベ
ルを求め、予め求めておいた特性データを用いて2つの
検出出力レベルに対応する対象物の厚みを求め、この厚
みが一致する元素を求める。二つの透過X線エネルギー
の検出出力レベルから求めた厚みが一致したとき、その
元素が被検査物中に含まれる対象物の元素となる。
【0022】次に、本発明のX線検査装置の概略を図4
の概略ブロック図を用いて説明する。図4において、X
線検査装置1は、被検査物4に対してX線ビームを照射
する1つのX線源2と、X線源2から照射されたX線を
検出する第1ラインセンサ6h及び第2ラインセンサ6
1と、透過X線の検出出力と対象物の厚みとの特性デー
タを、照射X線の工ネルギー別及び元素別に格納する特
性データ格納メモリ14と、特性データ格納メモリ14
から読みだしたデータに基づいて被検査物中に含まれる
元素を特定する判定手段とを備え、第1ラインセンサ6
hの前方には特定エネルギーろ過フィルタ7が配置され
る。
【0023】特定エネルギーろ過フィルタ7は、銅等の
高い原子番号の材質で構成する。特定エネルギーろ過フ
ィルタ7は低エネルギー成分を高エネルギー成分よりも
多く吸収する。図6は、X線源からX線を照射した場合
に、第1ラインセンサ6h及び第2ラインセンサ6lが
検出するX線スペクトルを示している。図中の破線スペ
クトルは第1ラインセンサ6hが検出するX線スペクト
ルであり、特定エネルギーろ過フィルタを透過した特定
エネルギーろ過フィルタX線を示している。一方、実線
スペクトルは第2ラインセンサ6lが検出するX線スペ
クトルであり、特定エネルギーろ過フィルタを透過する
ことなく被検査物を直接透過した単純透過X線を示して
いる。なお、図6では、光子の個数が合うような相対X
線束で示している。特定エネルギーろ過フィルタを設け
ることによって、特定エネルギーろ過フィルタX線の中
心エネルギーThは、単純透過X線の中心エネルギーT
lよりも高いX線エネルギーを有することになる。
【0024】第1ラインセンサ6h及び第2ラインセン
サ6lは、例えば、X線エネルギー画像収集用の蛍光体
付きフオトダイオードアレイを用いることができ、照射
された透過エネルギーのX線エネルギーを収集して光信
号に変換し、光信号を電気信号に変換して画像処理回路
11に送る。画像処理回路11はラインセンサからの一
次元信号を二次画像に変換する信号処理を行い、それぞ
れ第1画像メモリ12h及び第2画像メモリ12lに送
って画像データを格納する。画像メモリとしては、例え
ばVRAM等を使用することができる。画像メモリ12
に格納された画像データは表示回路17によって表示装
置18に表示したり、あるいは出力装置19に出力する
ことができる。
【0025】判定手段は、前記画像メモリ12及び演
算,比較回路13,制御回路15等を備える。演算,比
較回路13は、画像メモリ12に格納されている画像デ
ータ及び特性データ格納メモリ14を用いて、被検査物
中の対象物の厚みをX線の照射エネルギー別及び元素別
に演算して比較し、同一の厚みが得られる元素を求める
処理を行う回路である。制御回路15は、画像データ及
び特性データのデータ制御や表示回路の制御等を行う回
路である。なお、前記した判定手段の各回路構成は、材
質特定手段の機能を概念的に示したものであり、ハード
あるいはソフトウェアのいずれで構成することもでき
る。
【0026】また、X線検査装置1は、被検査物4を移
動させるベルト5を備え、該ベルト5の移動方向に沿っ
てX線源2及びラインセンサ6を照射X線が入射する位
置に配置して、走査像を得ることができる。また、この
とき、X線源2とラインセンサ6との間にX線絞り3を
配置して、照射したX線の千渉を防止する構成とするこ
とができる。次に、本発明のX線検査装置の動作につい
て図5のフローチャートを用いて説明する。
【0027】はじめに、被検査物4に含まれる元素を特
定する前に、X線検査装置1によって複数の元素につい
て厚みを変えながら検出出力を求め、各元素について厚
み−検出出力特性を求めることで得た特性データをデー
タベースとして特性データ格納メモリ14に格納してお
く(ステップS1)。
【0028】次に、被検査物4のX線画像を求めて表示
装置18に表示する。X線画像を走査像として求めるに
は、被検査物4をベルト5によって移動させながら、X
線源2からX線を照射し、被検査物4と特定エネルギー
ろ過フィルタ7を透過した特定エネルギーろ過フィルタ
X線像を第1ラインセンサ6hで検出し、被検査物4の
みを透過した単純透過X線像を第2ラインセンサ61で
検出する。画像処理回路11は、各ラインセンサ6h,
6lで得られる一次元の検出出力を二次元信号に変換
し、それぞれ第1画像メモリ12h及び第2画像メモリ
12lに格納して画像データとする。画像データは制御
回路15の制御によって表示回路17を介して表示装置
18に表示される(ステップ2S)。
【0029】次に、被検査物がない場合のホワイトレベ
ルに対応する背景出力を予め求めておく。この背景出力
は、例えば、トランク等の被検査物と共にX線が透過す
る物による吸収によるものであり、厚みに応じた値とな
る。そこで、予め、これらのX線厚みレベルを求めてテ
ーブルとしておき、装置動作時に最も多いと予想される
厚みレベルを入力して設定するか、最も一般的な被検査
物の厚みレベルを設定しておき、必要に応じて厚みレベ
ルを変更する。なお、このX線厚み情報は特性データ格
納メモリ14等に格納しておくことができる。
【0030】元素の特定は、二次元画像の全ての領域の
画素、あるいは離散的に選択した画素について行う。図
7は離散的に選択した画素例を示し、図7(a)に示す
P1〜P9のように荒く選択することも、図7(b)に
示すP11〜P23,…のように細かく選択することも
できる。離散的に選択した画素について処理を行うこと
で、処理速度を高めることができる。
【0031】この各画素について、第1ラインセンサ6
hが検出する高エネルギーX線の濃淡レベルから前記し
た厚みレベル(高エネルギー)を差し引いた値をLh*
として求め(ステップS3)、第2ラインセンサ6lが
検出する低エネルギーX線の濃淡レベルから前記した厚
みレベル(低エネルギー)を差し引いた値をLl*とし
て求める(ステップS4)。
【0032】次に、求めた検出出力を用いて、以下のス
テップS5〜10によって対象物の元素を特定する。図
8は各元素における厚み−検出出力特性を用いた元素特
定を説明する図である。図8(a)は原子番号N1の元
素において、高エネルギーX線と低エネルギーX線での
厚みに対する検出出力特性を示し、同様に図8(b),
(c)は原子番号N2,Nnの元素における検出出力特
性を示している。
【0033】図8において、前記工程で得られた検出出
力Lh*,Ll*に対する厚みDh,Dlを求めると、
原子番号N1,N2の厚みDh,Dlは異なり、原子番
号Nnの厚みDh,Dlは一致している。測定した対象
物の厚みは高エネルギーX線及び低エネルギーX線では
同一であるから、測定した対象物の元素は原子番号N
1,N2ではないことが分かる。従って、厚みDh,D
lが一致する原子番号Nnを求めることよって、対象物
の元素を特定することができる。
【0034】制御回路15は、特性データ格納メモリ1
4から厚み−検出出力特性を読み出し(ステップS
6)、演算,比較回路13において検出出力Lh*,L
l*に対する厚みDh,Dlを求めて比較し(ステップ
S7,8)、厚みDh,Dlが一致する原子番号Nを求
め(ステップS9)、一致した原子番号Nから対象物の
元素を特定する(ステップS10)。表示装置18は、
特定した元素を元素毎に輝度あるいは色調で表示するこ
とができ、これによって、被検査物中に含まれる元素を
区別して表示することができる。なお、前記した実施形
態は、走査像を得る場合の構成及び動作を示している
が、静止像を得る構成とすることもできる。また、被検
査物の特定を、被検査物中に含まれる元素の他、この元
素が含まれる領域の面積やこの領域中の平均濃淡レベル
によって求めることができる。
【0035】図9は、面積及び平均濃淡レベルによる被
検査物の特定を説明するための図である。図9(a)
は、X線検査装置によって得られるX線画像例であり、
トランクの境界線a、及び被検査物b,cの画像が示さ
れている。この画像は、例えば、図9(b)に示される
プロファイルをしきい値処理することで求めることがで
き、このしきい値処理は、二値化処理によって濃淡レベ
ル(例えば、0から255の256段階)を所定のしき
い値Bと比較して行うことができる。なお、図9(b)
のプロファイルは図9(a)中のプロファイルを示して
いる。図9(a)のトランクの境界線a、及び被検査物
b,cは、このしきい値処理によって得られた画素の内
で、連続する画素を連結して表示することで得ることが
できる。
【0036】この連結した画素の面積を求める。面積
は、画素の総数で求めことができる。被検査物の面積が
予め既知である場合には、求めた面積と既知の面積とを
比較することにより、被検査物を特定することができ
る。また、面積の比較に加えて、被検査物に含まれる元
素を比較することで被検査物の特定精度を高めることも
できる。
【0037】さらに、面積を求めるために用いた全ての
画素について、元の輝度レベルの総和を求める。この総
和に用いる輝度レベルは、トランク等の背景レベル(例
えば、レベル200)から各濃淡レベルB1,B2,
…,Bnを差し引いた値を求める。この値は、被検査物
の正味の厚みに対応する濃淡レベルとなる。この輝度レ
ベルの総和を面積で除した値を求める。この輝度レベル
の総和を面積で除した値は、被検査物の比重に相当する
値となる。求めた比重相当値と予め設定しておいた比重
相当値とを比較することにより、被検査物を特定するこ
とができる。
【0038】被検査物を特定する要素として、前記した
元素種、被検査物の面積、被検査物の比重相当値を、そ
れぞれ単独であるいは組み合わせて用いることができ
る。画像上で特定した被検査物を表示する場合、例え
ば、ある元素を含む画素が見つかったとき、その画素が
含まれる面積を検索し、その面積を囲む領域を四角や丸
などの単純な形状で表示する他、非常に重い金属が存在
する場合には、比重相当値による判定を行い、特定の元
素を検出することなく、その面積領域を表示する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のX線検査
装置によれば、X線検査装置の大きさを小型化し、価格
を低減することができる。また、材質の特定の他に被検
査物の物の特定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線検査装置による元素特定を説明す
るための概略図である。
【図2】検出出力レベル−厚み特性を示す特性図であ
る。
【図3】同一対象物に対してエネルギー特性の異なるX
線を照射したときの検出出力図である。
【図4】本発明のX線検査装置の概略を説明するための
概略ブロック図である。
【図5】本発明のX線検査装置の動作を説明するための
フローチャートである。
【図6】X線源からX線を照射した場合に検出されるX
線スペクトルである。
【図7】離散的に選択した画素例を示す図である。
【図8】各元素における厚み−検出出力特性を用いた元
素特定を説明する図である。
【図9】面積及び平均濃淡レベルによる被検査物の特定
を説明するための図である。
【符号の説明】
1…X線検査装置、2…X線源、3…X線絞り、4…被
検査物、5…ベルト、6h…第1ラインセンサ、6l…
第2ラインセンサ、7…特定エネルギーろ過フィルタ、
11…画像処理回路、12h…第1画像メモリ、12l
…第2画像メモリ、13…演算,比較回路、14…特性
データ格納メモリ、15…制御回路、17…表示回路、
18…表示装置、19…出力装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過X線により被検査物を検査するX線
    検査装置において、一つのX線源と、被検査物を透過し
    たX線を検出する2つの検出器と、前記検出器の何れか
    一方の前方に配置する特定エネルギーろ過フィルタと、
    単純透過X線及び特定エネルギーろ過フィルタ透過X線
    の各検出出力と対象物の厚みとの特性データを元素別に
    格納する特性データ格納手段とを備え、X線照射により
    得られる単純透過X線の及び特定エネルギーろ過フィル
    タ透過X線の各検出出力に対する対象物の厚みが同一と
    なる元素を前記特性データから求めることにより元素を
    特定することを特徴とするX線検査装置。
  2. 【請求項2】 前記検出器をX線ライン検出器とし、当
    該X線ライン検出器の画像信号を用いて、被検査物の面
    積、及び/又は被検査物部分の平均濃淡レベルを求める
    演算手段を備え、前記元素と前記面積及び/又は前記平
    均濃淡レベルとに基づいて被検査物を特定することを特
    徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
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