JP2013204146A - アルカリ水電解用隔膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜表面に物理的な損傷が生じても、ガス遮断性を維持でき、かつ、イオン透過性も高いアルカリ水電解用隔膜を提供することを目的とする。
【解決手段】シート状の多孔性支持体と、有機高分子樹脂を含む微多孔膜と、を備え、多孔性支持体の片面又は両面に微多孔膜が積層され、多孔性支持体と接する微多孔膜の膜表面を表面Bとし、表面Bと反対側の微多孔膜の膜表面を表面Aとし、表面Aにおける平均孔径をPa、表面Bにおける平均孔径をPbとしたときに、Pa及びPbが以下の式(i)を満たす、アルカリ水電解用隔膜。
Pa>Pb・・・(i)
【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ水電解用隔膜及びその製造方法に関する。
水素は、石油精製、化学合成材料、金属精製等、工業的に広く利用されてきた。また、近年は家庭用コージェネレーションシステムや燃料電池自動車へ向けた高純度の水素に注目が集まっている。
水素の工業的な製造方法の一つとして、水の電気分解があり、これは化石燃料を改質する方法に比べ、高純度の水素が得られる利点がある。水を電気分解する場合には、一般的に電解液の導電性を高める為に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を電解質として水に添加して、直流電流を両極間に印加することにより行われている。
電解を行うための電解槽は、隔膜を介して陽極室と陰極室に仕切られ、陽極室では、酸素が生成され、陰極室では水素が生成される。隔膜には、この酸素ガスと水素ガスを遮断して混合しないように、ガス遮断性が求められる。
また、水の電気分解において電気(電子)を運ぶ媒体はイオンであり、電気分解を効率よく行うためには、隔膜に高いイオン透過性も望まれている。
このようなガス遮断性とイオン透過性を備えた隔膜として、有機材料からなる多孔質構造を有する隔膜が提案されている。例えば、特許文献1では、ポリプロピレンのメッシュと、ポリスルホン樹脂の多孔質膜を積層した、アルカリ水電解用隔膜が開示されている。
特開2008−144262号公報
しかし、未だ、ガス遮断性と高いイオン透過性を両方備えた水電解用隔膜は得られていない。また、従来の隔膜では、電解中、膜表面に物理的な損傷が生じると、ガス遮断性が低下するという問題もある。
本発明は、上述した問題に鑑み、膜表面に物理的な損傷が生じても、ガス遮断性を維持でき、かつ、イオン透過性も高いアルカリ水電解用隔膜及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、有機高分子樹脂を含む微多孔膜を備えるアルカリ水電解用隔膜であり、微多孔膜の孔径を制御したアルカリ水電解用隔膜とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]シート状の多孔性支持体と、有機高分子樹脂を含む微多孔膜と、を備え、多孔性支持体の片面又は両面に微多孔膜が積層され、多孔性支持体と接する微多孔膜の膜表面を表面Bとし、表面Bと反対側の微多孔膜の膜表面を表面Aとし、表面Aにおける平均孔径をPa、表面Bにおける平均孔径をPbとしたときに、Pa及びPbが以下の式(i)を満たす、アルカリ水電解用隔膜。
Pa>Pb・・・(i)
[2]多孔性支持体の両面に微多孔膜が配置された[1]のアルカリ水電解用隔膜。
[3]平均孔径Pbは、平均孔径Paの0.05〜0.9倍である[1]又は[2]のアルカリ水電解用隔膜。
[4]平均孔径Paが0.1μm〜5μmであり、平均孔径Pbが0.05μm〜2μmである[1]〜[3]のいずれかのアルカリ水電解用隔膜。
[5]有機高分子樹脂は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれかのアルカリ水電解用隔膜。
[6]多孔性支持体が、不織布、織布、又は、不織布及び該不織布内に内在する織布を有する複合布である[1]〜[5]のいずれかのアルカリ水電解用隔膜。
[7]多孔性支持体が、ポリフェニレンサルファイド繊維を含む[6]のアルカリ水電解用隔膜。
[8]表面又は微多孔膜内に配置された酸化ジルコニウムを有する[1]〜[7]のいずれかのアルカリ水電解用隔膜。
[9]有機高分子樹脂を含む微多孔膜を有し、微多孔膜の一方の表面Aにおける平均孔径をPa、微多孔膜のもう一方の表面Bにおける平均孔径をPbとしたときに、以下の式(i)を満たすアルカリ水電解用隔膜と、陽極と、陰極と、を備え、アルカリ水電解用隔膜が、微多孔膜の表面Bが陰極側、微多孔膜の表面Aが陽極側となる向きで前記陽極と前記陰極との間に配置されたアルカリ水電解装置。
Pa>Pb・・・(i)
[10]有機高分子樹脂と、有機高分子樹脂の溶媒と、を含有する溶液を調製する工程と、溶液を基材に塗工する工程と、溶液が塗工された基材を蒸気に晒す工程と、溶液が塗工された基材を有機高分子樹脂の非溶媒を含む凝固浴に浸漬させる工程と、有機高分子樹脂を凝固させて微多孔膜を形成させる工程と、微多孔膜を多孔性支持体の片面又は両面に積層する工程と、をこの順で含むアルカリ水電解用隔膜の製造方法。
本発明によれば、膜表面に物理的な損傷が生じても、ガス遮断性を維持でき、かつ、イオン透過性も高いアルカリ水電解用隔膜及びその製造方法を提供することが可能となる。
微多孔膜の一実施形態を示す断面図である。 微多孔膜の一実施形態を示す断面図である。 アルカリ水電解用隔膜の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のアルカリ水電解用隔膜は、多孔性支持体と有機高分子樹脂を含む微多孔膜を備える。多孔性支持体の少なくとも一方の面に微多孔膜が積層される。多孔性支持体と接する微多孔膜の膜表面を表面Bとし、表面Bと反対側の膜表面を表面Aとし、表面Aにおける平均孔径をPa、表面Bにおける平均孔径をPbとしたときに、Pa及びPbが以下の式(i)を満たす。
Pa>Pb・・・(i)
(微多孔膜)
本実施形態において、微多孔膜は有機高分子樹脂を含む。有機高分子樹脂としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリビニリデンフロライド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等を挙げることができる。これらは単独で使用しても、2種類以上を同時に使用してもよい。
有機高分子樹脂は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンであることが好ましく、ポリフェニルスルホンであることがより好ましい。ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンであれば、高温、高濃度のアルカリ溶液に対しても優れた耐性を示し、また非溶媒誘起相分離法等の方法を用いることで、比較的容易に多孔質膜を製膜することができる。また、その製膜工程の条件により、厚み方向における孔径サイズの傾斜を自由に設計することが可能となる。
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンは、構造内にSO基を有しており、このSO基の電子吸引性により強い共鳴構造を形成する。また構造内に分解され易いエステルやアミドなどを有していないため、化学的な安定性を発揮し、高温・高濃度アルカリ溶液に対して耐性を示す。
このようなポリスルホンとしては、例えば、BASF社の「Ultrason S PSU(登録商標、以下同様)」、やソルベイアドバンストポリマーズ株式会社の「ユーデル(登録商標、以下同様)」等が挙げられ、ポリエーテルスルホンとしては、例えば、BASF社の「Ultrason E PES(登録商標、以下同様)」、やソルベイアドバンストポリマーズ株式会社の「レーデル A(登録商標、以下同様)」等が挙げられ、ポリフェニルスルホンとしては、例えば、BASF社の「Ultrason P PPSU(登録商標、以下同様)」、やソルベイアドバンストポリマーズ株式会社の「レーデル R(登録商標、以下同様)」、等が挙げられる。
(微多孔膜の孔径)
本実施形態の隔膜において、微多孔膜の構造は、多孔性支持体と接する膜表面である表面Bの平均孔径Pbが、表面Bと反対側の微多孔膜の膜表面である表面Aの平均孔径Paよりも小さいことが特徴である。
微多孔膜の孔径が膜の厚み方向において均一ではなく、表面Aと表面Bの平均孔径がPa>Pbであり、表面Aをアルカリ水などの電解液と接触する面とすることで、表面Aに物理的な損傷が生じても、表面Bの平均孔径Pbには影響がなく、ガス遮断性を維持でき、かつ、イオン透過性も高いアルカリ水電解用隔膜とすることができる。
例えば、微多孔膜を多孔性支持体の面上に配置する場合、多孔性支持体と接する微多孔膜の表面(表面B)の平均孔径(Pb)は、ガス遮断性を発現するように小さな孔径に設計し、多孔性支持体と接していない表面Aにおける平均孔径(Pa)を表面Bの平均孔径(Pb)よりも大きな孔径とすることで、アルカリ水などの電解液と接触する微多孔膜の表面Aに傷が入った場合でも、表面Bの平均孔径Pbは孔径が変化せず、ガス遮断性を維持することが可能となる。
図1は、本実施形態におけるアルカリ水電解用隔膜に用いられる微多孔膜を模式的に示す断面図である。図1の(a1)に示す本実施形態の微多孔膜2において、表面Aの平均孔径Paは、表面Bの平均孔径Pbよりも大きい。一方、図1の(b)に示す、従来の微多孔膜21においては、表面Aの平均孔径Paと表面Bの平均孔径Pbは略同一である。
ここで、微多孔膜のガス遮断性は微多孔膜の厚み方向における最も小さな孔径、すなわち平均孔径Pbの大きさに応じて発現するため、微多孔膜2と微多孔膜21は同程度のガス遮断性を示す。しかし、微多孔膜2では、平均孔径Paが大きいため孔内5は電解液で満たされやすい。これにより、本実施形態の微多孔膜2は、従来の微多孔膜21に比べ水電解時の電圧損失を低減することができる。
さらに、図1の(a2)に示すように、本実施形態の微多孔膜2の表面Aが削れた微多孔膜2’においても、平均孔径Pbの孔径は変化しないため、ガス遮断性も維持される。
このように、ガス遮断性は微多孔膜の厚み方向の一部で小さな孔径を形成していれば、発現できるものであり、それ以外の部分の孔径を大きくすることで、イオン透過性が向上し、隔膜による電圧損失を低減できることを本発明者らは見出した。孔径を大きくすることによって、孔内は電解液で満たされるため、電圧損失を低減することができる。
本実施形態の微多孔膜は、厚み方向の孔径に傾斜をつけること、すなわちガス遮断性を発現する為に一部分(表面B)の孔径(Pb)のみを小さくし、それ以外の部分の孔径(Paなど)はイオン透過性を高めるように広げることで、ガス遮断性と低電圧損失を両立した微多孔膜とすることができる。
本実施形態の微多孔膜2において、平均孔径Pbは平均孔径Paの0.05〜0.9倍であることが好ましい。平均孔径Pbが平均孔径Paの0.05〜0.9倍であれば、ガス遮断性に特に優れた微多孔膜となる。
また、微多孔膜の平均孔径Pa、Pbは、それぞれ以下の範囲であることが好ましい。
Pa:0.1μm〜5μm
Pb:0.05μm〜2μm(Pa>Pb)
微多孔膜の平均孔径Pbは、0.05μm以上であれば、十分なガス遮断性を有することに加え、隔膜における電圧の損失を低減することが可能となる。また、微多孔膜の構造が過度に緻密になり、アルカリ水との接触表面積が大きく成り過ぎて、材質劣化を起こすような問題を低減できる。また、Pbが2μm以下であれば、特に良好なガス遮断性を維持することができる。
微多孔膜の平均孔径Paは、0.1μm以上であれば、微多孔膜の構造が過度に緻密になり、アルカリ水との接触表面積が大きく成り過ぎて、材質劣化を起こすような問題を低減できる。また、Paが5μm以下であれば、隔膜における電圧損失を十分に低減できることに加え、より良好なガス遮断性を維持することができる。また、破断に至らない傷がアルカリ水電解用隔膜表面に生じた場合でも、ガス遮断性を維持することが可能となる。
より好ましくは、Pa:0.5〜2μm、Pb:0.1〜1μmである。
本実施形態において、孔径の評価は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して行う。測定画面内に、観察対象面に存在する孔が100個以上150個以下写るように倍率を調節し、写った孔のそれぞれに対し、孔の最大長と最小長の平均長を数平均で算出する。それぞれの平均長からさらに重量平均を算出し、これを平均孔径とする。SEMによる観察は膜の観察面と垂直になるように行い、孔とは周囲を途切れなく樹脂で囲まれたものとする。また測定画面内で孔の一部が見切れているものは孔と見なさないものとする。
微多孔膜の厚みは、特に限定するものではないが、30μm〜500μmが好ましく、40μm〜350μmがより好ましく、50μm〜200μmが更に好ましい。微多孔膜の厚みが、30μm以上であれば、十分なガス遮断性が得られ、また、多少の衝撃で微多孔膜が破れ、多孔性支持体が露出することがない。500μm以下であれば、孔内に含まれる溶液の抵抗によりイオンの透過性を阻害することがなく、良好なイオン透過性を有すことができる。
また、本実施形態において、微多孔膜の厚み方向における表面Aと表面Bとの間の任意の位置の中間面Cにおける平均孔径をPcとしたときに、Pa、Pb及びPcが以下の式(ii)〜(iv)のいずれかを満たすことが好ましい。
Pa>Pb>Pc・・・(ii)
Pa>Pc>Pb・・・(iii)
Pc>Pa>Pb・・・(iv)
図2は、上記式(ii)〜(iv)のいずれかを満たす微多孔膜の模式的な断面図である。図2(a)は式(ii)を満たす微多孔膜2aを、図2(b)は式(iii)を満たす微多孔膜2bを、図2(c)は式(iv)を満たす微多孔膜2cを示している。
図2(a)に示すように、微多孔膜の平均孔径Pa、Pb及びPcが式(ii)を満たす場合、中間面Cの平均孔径Pcは表面Bの平均孔径Pbより小さくなることから、ガス遮断性をより高めることができる。更に、表面Aの平均孔径Paは中間面Cの平均孔径Pcよりも大きくすることで、電圧損失も低減することができる。また、表面Aに傷が入り、表面Aの孔が削り取られたとしても、中間面C又は表面Bの孔でガス遮断性を維持することができる。
図2(b)に示すように、微多孔膜の平均孔径Pa、Pb及びPcが式(iii)を満たす場合、表面Bの平均孔径Pbでガス遮断性を発現し、平均孔径Pa、平均孔径Pcを大きくすることでイオン透過性を高め、膜における電圧損失を低減することができる。また、表面Aに傷が入り、表面Aの孔が削り取られたとしても、表面Bの孔でガス遮断性を維持することができる。
図2(c)に示すように、微多孔膜の平均孔径Pa、Pb及びPcが式(iv)を満たす場合、表面BのPbでガス遮断性を発現し、中間面Cの平均孔径Pcを表面Aの平均孔径Paより大きくすることで、イオン透過性をより高め、膜における電圧損失をより低減することができる。また、表面Aに傷が入り、表面Aの孔が削り取られたとしても、表面Bの孔でガス遮断性を維持することができる。
微多孔膜の任意の中間面Cにおける平均孔径Pcは、特に限定されるものではないが、0.1〜2μmであることが好ましい。平均孔径が0.1〜2μmの範囲であることが、ガス遮断性と低い電圧損失を共に満たした、バランスの良い膜を得るために特に有利である。
(多孔性支持体)
本実施形態に係るアルカリ水電解用隔膜において、多孔性支持体の片面又は両面に微多孔膜が積層される。微多孔膜は、多孔性支持体の表面に、微多孔膜の表面Bが接するように配置される。これにより、ガス遮断性を担保する平均孔径Pbが存在する表面Bを保護することができる。
多孔性支持体の両面に微多孔膜が積層されることが好ましい。この場合、それぞれの微多孔膜は、その表面Bが多孔性支持体に接するように配置されることが好ましい。
図3の(a)は、多孔性支持体3の片面に微多孔膜2が積層されたアルカリ水電解用隔膜11を模式的に示す断面図であり、図3の(b)は、多孔性支持体3の両面に微多孔膜2が積層されたアルカリ水電解用隔膜12を模式的に示す断面図である。
アルカリ水電解用隔膜11では、微多孔膜2は、その表面Bが多孔性支持体3の一方の面と接するように配置されている。表面Bが多孔性支持体3で被覆されることにより、ガス遮断性を主として担保する表面Bを保護することができ、ガス遮断性が維持される。また、多孔性支持体3を有していることで、アルカリ水電解用隔膜11の強度が向上する。つまり、多孔性支持体3は、主としてアルカリ水電解用隔膜11における芯材の役割を担うものである。
アルカリ水電解用隔膜12では、2つの微多孔膜2の表面Bが多孔性支持体3の面と接するように配置されている。表面Bが多孔性支持体3で被覆されることにより、ガス遮断性を主として担保する表面Bを保護することができ、ガス遮断性が維持される。多孔性支持体3の両面において、微多孔膜2が積層されることにより、ガス遮断性をより高めることができる。また、片方の微多孔膜2に大きな傷が生じた場合や破断した場合でも、もう一方の面の微多孔膜2でガス遮断性を維持することができることから好ましい。
多孔性支持体3の両面に微多孔膜2を積層する場合において、それぞれの面に積層される微多孔膜の厚み、平均孔径、厚み方向における孔径の傾斜パターン(例えば、一方の表面から他方の表面への孔径の広がり又は狭まり)は、多孔性支持体を中心として、対称であっても、非対称であってもよい。
なお、多孔性支持体3の両面に微多孔膜2を積層する場合に、少なくとも一方の微多孔膜2の表面Bが多孔性支持体3の面と接するように配置されていればよい。つまり、片方の微多孔膜2は、表面Bが多孔性支持体の面と接するように配置され、もう片方の微多孔膜2は、表面Aが多孔性支持体の面と接するように配置されていてもよい。
両方の微多孔膜2の表面Bが多孔性支持体3の面と接するように配置されている場合、よりガス遮断性を維持することができることから好ましい。
多孔性支持体はイオン透過性を実質的に低減させないものであることが好ましい。多孔性支持体の材質は、特に限定するものではないが、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等を挙げることができる。これらは単独で使用しても、2種類以上を同時に使用してもよい。
多孔性支持体の材質は、ポリフェニレンサルファイドであることが好ましい。ポリフェニレンサルファイドであれば、高温、高濃度のアルカリ溶液に対しても優れた耐性を示し、また、水の電気分解時に陽極から発生する活性酸素についても化学的な安定性を示す。更に織布や不織布等、様々に形態に加工し易く、目的に合うように調節することが可能である。
多孔性支持体の形状としては、例えば、多孔質膜、不織布、織布、又は、不織布及び該不織布内に内在する織布とを含む複合布が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を同時に使用してもよい。多孔性支持体は、ポリフェニレンサルファイド繊維を含む不織布等の繊維基材であることが好ましい。
多孔性支持体は、不織布及び該不織布内に内在する織布とを含む複合布であることが好ましい。不織布は作成時に繊維の方向がMD方向又はTD方向に配向してしまい、一方向の引張破断強度、引張破断伸度、引き裂き強度が低下してしまうことがある。このような場合、不織布の中に織布を内在させることで、MD方向、TD方向共に引張破断強度、引張破断伸度、引き裂き強度を増加させることができ、芯材として、十分な強度を有することができる。また不織布に内在させるものは、織布でなくても、例えば、MD方向、TD方向の一方に繊維が配向している不織布を、その配向の方向が直交するように重ね、それを不織布に内在させるのでも良い。なお、ここでMD(Machine Direction)方向とは製膜時の流れ方向であり、TD(Transverse Direction)方向とはMD方向と直交する方向である。
多孔性支持体の引張破断強度は、本実施形態のアルカリ水電解用隔膜であるイオン透過性隔膜の破断のし易さを示す指標である。多孔性支持体の引張破断強度が低い場合、電解槽に設置して、水の電気分解を開始した後、電解槽内の圧力変化等により容易に破断してしまう恐れがある。引張破断強度は、特に限定するものではないが、0.5kgf〜30kgfであることが好ましく、1kgf〜20kgfであることがより好ましい。引張破断強度が0.5kgf以上であると、アルカリ水電解用隔膜に十分な強度を保つことができ、容易に破断することを抑制できる。30kgf以下であれば、アルカリ水電解用隔膜が硬くなり過ぎず、適度な形状追従性を有するので、電解槽への設置時、ガスケットとの間に隙間ができず、電解液の漏れが生じにくい。なお、ここで多孔性支持体の引張破断強度は、MD方向における引張破断強度とTD方向の引張破断強度との平均を示す。
多孔性支持体の引張破断伸度は、アルカリ水電解用隔膜の取り扱い性を示す指標である。多孔性支持体の引張破断伸度が低い場合、アルカリ水電解用隔膜は可撓性がなく脆いものとなりやすく、電解槽に設置する際等に容易に切れたり、ひびが入ったりし、取り扱い性の悪いものとなる傾向にある。引張破断伸度は、特に限定するものではないが、取り扱い易さの観点から、5%〜60%であることが好ましく、10%〜50%であることがより好ましい。5%以上であれば、輸送、運搬、電解槽への設置時に膜の破損を抑制することができ、60%以下であれば、容易に変形せず、芯材としての形状を維持することができる。また上記微多孔膜をその面上に配置した後も、多孔性支持体のみが変形し、微多孔膜の剥離が生じることがない。なお、ここで多孔性支持体の引張破断伸度は、MD方向における引張破断伸度とTD方向の引張破断伸度との平均を示す。
上記多孔性支持体の引き裂き強度は、アルカリ水電解用隔膜にノッチやピンホールが生じた際、それらを起点とする破断のし易さを示す指標である。多孔性支持体の引き裂き強度が低いアルカリ水電解用隔膜は、電解槽に設置した後、例えば電極との接触によりノッチやピンホールが生じると、自重で容易に破断してしまう可能性がある。引き裂き強度は、特に限定するものではないが、1kgf〜50kgfであることが好ましい。1kgf以上であればアルカリ水電解用隔膜上にノッチ、ピンホール等生じた際も、それ以上傷口が大きくなることがない。50kgf以下であれば、多孔質支持体が分厚いものや、密で孔がほとんどないようなものとはならず、イオン透過性を阻害するようなことがない。なお、ここで多孔性支持体の引き裂き強度は、MD方向における引き裂き強度とTD方向の引き裂き強度との平均を示す。
上記多孔性支持体の厚みは、特に限定するものではないが、80〜1500μmであることが好ましい。多孔性支持体の厚みが80μm以上であれば、芯材として十分な強度を発揮することができ、1500μm以下であれば、電解槽に設置する際、ガスケットでイオン交換膜を好適に挟み込むことができ、アルカリ水電解用隔膜の厚み方向部分からの液漏れを防ぐことができる。
(隔膜の親水化)
本実施形態において、隔膜は親水化されることが好ましい。アルカリ水電解用隔膜に、陽極で発生した酸素や、陰極で発生した水素が、気泡として表面に付着すると、付着した部分はイオンが透過できないため、イオン透過性が悪くなってしまう。このため、ガスが付着しないように、アルカリ水電解用隔膜の表面を親水化することが好ましい。
アルカリ水電解用隔膜を親水化処理する方法は、特に限定するものではないが、アルカリ水電解用隔膜の表面に親水性無機材料を塗布する方法、有機高分子樹脂とその溶媒を含有する溶液に親水性無機材料を添加し、非溶媒有機相分離法で微多孔膜を作成して、微多孔膜内に親水化無機材料を含有させる方法などが挙げられる。
親水化無機材料として、具体的にはジルコニウム、ビスマス、チタン、セリウムの酸化物又は水酸化物の粒状体等が挙げられる。
アルカリ水電解用隔膜においては、表面又は微多孔膜内に、酸化ジルコニウムが配置されることがより好ましい。酸化ジルコニウムが表面又は微多孔膜内に存在することによって、アルカリ水電解用隔膜の表面が親水化し、ガスの付着を防止しやすくなる。
(イオン透過性評価)
アルカリ水電解用隔膜のイオン透過性の評価は、アルカリ水電解用隔膜の電圧損失を評価指標として行う。イオン透過性の良いアルカリ水電解用隔膜ほど抵抗が小さくなり、これに伴ってアルカリ水電解用隔膜における電圧損失も小さいものとなる。本評価方法における電圧損失は、ニッケル電極の間に隔膜を設置し、両電極間に直流電流を印加し、隔膜の両面に隣接して備えられているルギン管で隔膜両面における電位を拾い、参照極でこれを測定し、両参照極の電位差を隔膜における電圧損失とする。この時、ルギン管先端からアルカリ水電解用隔膜表面までの溶液による電圧損失は予め測定しておき、その値を両参照極の電位差から引くものとする。
本アルカリ水電解用隔膜における電圧損失は、特に限定されるものではないが、電流密度0.6A/cm時に200mV以下が好ましく、150mV以下がより好ましく、100mV以下が更に好ましい。電圧損失が200mV以下であれば、イオン透過性に優れ、少ない電力量で効率的に水の電気分解を行うことができる。
(ガス遮断性評価)
アルカリ水電解用隔膜のガス遮断性の評価は、アルカリ水電解用隔膜のバブルポイントを評価指標として行う。本評価方法におけるバブルポイントは、アルカリ水電解用隔膜を水で十分に濡らし、孔内を水で満たした後、アルカリ水電解用隔膜の片側面を窒素で加圧し、アルカリ水電解用隔膜の反対側面から連続して気泡が発生してくる時の圧力とする。アルカリ水電解用隔膜の孔径が大きいほど、ガスが通過しやすい為、バブルポイントの値は小さくなり、アルカリ水電解用隔膜の孔径が小さいほど、ガスが通過し難い為、バブルポイントの値は大きくなる。
本アルカリ水電解用隔膜におけるバブルポイントは、特に限定されるものではないが、1000mbar以上が好ましい。バブルポイントが1000mbar以上であれば、アルカリ水電解用隔膜表面に発生した水素や酸素が付着した場合でも、容易にアルカリ水電解用隔膜を透過して、酸素と水素が混ざり合うようなことが実質的にない。
(アルカリ水電解用隔膜の製造方法)
本実施形態におけるアルカリ水電解用隔膜の製造方法は、下記の(1)〜(6)の工程をこの順で備える。
(1)有機高分子樹脂と、有機高分子樹脂の溶媒と、を含有する溶液を調製する工程
(2)溶液を基材に塗工する工程
(3)溶液が塗工された基材を蒸気に晒す工程
(4)溶液が塗工された基材を有機高分子樹脂の非溶媒を含む凝固浴に浸漬させる工程
(5)有機高分子樹脂を凝固させて微多孔膜を形成させる工程
(6)微多孔膜をシート状の多孔性支持体の片面又は両面に積層する工程
有機高分子樹脂の溶媒は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド等が用いられる。これらの溶媒は単独、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
基材として多孔性支持体を用いてもよい。多孔性支持体を基材として用いることによって、微多孔膜を形成するのと同時に、微多孔膜を多孔性支持体の表面に積層することができる。なお、微多孔膜を作製した後、多孔性支持体に積層してもよい。
微多孔膜の厚み方向における孔径の傾斜(微多孔膜の一方の表面から他方の表面への孔径の広がり又は狭まり)を制御するには、例えば、(2)溶液を基材に塗工する工程と、(4)溶液が塗工された基材を有機高分子樹脂の非溶媒を含む凝固浴に浸漬させる工程との間に、(3)溶液が塗工された基材を蒸気に晒す工程を行う。
基材に塗工した溶液が蒸気に晒されると、蒸気に晒されている表面ほど水分が多く浸透し、表面から離れていくほど水分の浸透が少なくなる。水分を含んだところは非溶媒誘起相分離が始まり、凝固浴に浸漬されるまでの間に非溶媒誘起相分離が十分に進行する。そのため、浸透した水分傾斜量と同じパターンの孔径傾斜を厚み方向に形成することができ、例えば、溶液を塗工した表面に蒸気をあてることにより、蒸気に晒された表面では孔径が大きく、厚み方向において孔径が小さくなる微多孔膜を作製することが可能となる。
また、孔径を制御した膜を積層することで、図2のような微多孔膜とすることができる。さらに、(5)有機高分子樹脂を凝固させて微多孔膜を形成させる工程を経た微多孔膜を基材とし、その上に溶液を塗工し蒸気に晒すことによっても図2のような微多孔膜とすることができる。
微多孔膜の厚み方向における孔径の傾斜パターンは、塗工した溶液に浸透させる水分量と、塗工した厚みにより変化させることができる。浸透させる水分量を調整する方法として、蒸気に晒す時間を変化させる手法が用いられる。蒸気に晒す時間としては、1秒〜5分が好ましい。または蒸気を発生させる浴の温度を変化させる手法などが用いられる。厚みの調節としては、特に限定されるものではないが、例えば溶液を塗工するコーターと基材の間隔を調節する方法が用いられる。
蒸気の発生方法としては、例えば塗工した溶液を浸漬する凝固浴の温度上げて蒸気を発生させても良いし、凝固浴とは別に蒸気を発生させる為の蒸気発生浴を用いても良い。蒸気発生の温度は、特に限定されるものではないが、40℃〜100℃が好ましい。40℃以上であれば、塗工した溶液に浸透して相分離を進行できる量の蒸気を発生させることができる。
微多孔膜における平均孔径を全体的に制御するためには、特に限定するものではないが、例えば、有機高分子樹脂とその溶媒を含有する溶液に、孔径を制御するための添加剤を入れ、該溶液が有機高分子樹脂の非溶媒を含む凝固浴に接触した際に生じる非溶媒誘起相分離の速度を変化させる、または、有機高分子樹脂を凝固させた後に、添加剤を溶出させることにより、微多孔膜における平均孔径を全体的に制御することができる。
有機高分子樹脂の非溶媒は、有機高分子樹脂を実質的に溶解しない溶媒であり、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール等から選ばれる。
孔径を制御するための添加剤としては、特に限定するものではないが、以下の有機化合物および無機化合物が挙げられる。
有機化合物としては、上述した溶媒と有機高分子樹脂の非溶媒の両方に溶解するものが好ましく用いられる。例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、デキストランなどの水溶性ポリマー、界面活性剤、グリセリン、糖類などを挙げることができる。この中で、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイドがより好ましく、分子量が1万〜5万のポリエチレングリコール、分子量が5万〜30万のポリエチレンオキサイドが更に好ましい。
無機化合物としては、上述した溶媒および有機高分子樹脂の非溶媒の両方に溶解するものが好ましく、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硫酸バリウムなどを挙げることができる。
また、添加剤を用いずに、凝固浴における非溶媒の種類、濃度および温度によって相分離速度を制御し、微多孔膜における平均孔径を全体的に制御することも可能である。一般的には、相分離速度が速いと平均孔径が小さく、遅いと平均孔径が大きくなる。また、有機高分子樹脂とそれらの溶媒を含有する溶液に、有機高分子樹脂の非溶媒を添加することも、相分離速度を変化させて微多孔膜における平均孔径を全体的に制御することに有効である。
有機高分子樹脂、添加剤、及びそれらの溶媒を含有する溶液の組成としては、有機高分子樹脂10wt%〜30wt%、添加剤3wt%〜35wt%、有機高分子樹脂の非溶媒0wt%〜7wt%、有機高分子樹脂および添加剤を溶解する溶媒28wt%〜87wt%とするのが好ましい。有機高分子樹脂の含有率が低すぎると、形成した微多孔膜の強度が不十分となり、高すぎると溶液の粘度が高くなり過ぎ、均一な厚みに製膜することが困難となる。よって、有機高分子樹脂は10wt%〜30wt%が好ましく、15wt%〜25wt%がより好ましい。
(1)の工程において、有機高分子樹脂と該溶媒、また必要あれば添加剤を含む溶液を調整する方法としては、特に限定されず公知の方法により行うことができる。
(2)の工程において、有機高分子樹脂、添加剤、及びそれらの溶媒を含有する溶液を基材に塗工する方法は、特に限定するものではないが、例えば基材上に溶液を供給した後、コーターを用いて、目的とした塗工量以外の部分を掻き取る方法、溶液に基材を浸漬させた後、目的とした塗工量以外の部分をロールで絞り取る方法、溶液に基材を浸漬させた後、目的とした塗工量以外の部分をコーターで掻き取る方法などが挙げられる。
(4)の工程において、凝固浴は非溶媒以外に、有機高分子樹脂の溶媒を加えることにより、相分離速度を制御して、微多孔膜における平均孔径を全体的に制御することができる。溶媒は凝固浴内に10wt%以上あれば、非溶媒誘起相分離を問題なく進行させることができるが、それ以下の量になると、有機高分子樹脂の固化が不十分となる場合がある。よって、凝固浴中に含まれる溶媒の割合は0wt%〜90wt%が好ましく、20wt%〜80wt%がより好ましく、30wt%〜70wt%が更に好ましい。
微多孔膜は、(5)の工程である製膜後に、熱処理することが好ましい。熱処理を行うと、有機高分子樹脂の高分子鎖を結晶化または固定化し、微多孔膜の構造を安定化することができる。熱処理の方法としては、微多孔膜を湯浴に浸漬させる方法、高温の金属板で微多孔膜を挟み、プレスする方法などが挙げられる。熱処理する温度は、特に限定するものではないが、80℃〜210℃が好ましく、100℃〜190℃がより好ましく、120℃〜170℃が更に好ましい。熱処理の温度が80℃以上であれば、水電解における使用温度より高い温度となる為、隔膜として使用した場合、有機高分子樹脂の高分子鎖が再び動き始めて微多孔膜の構造が不安定となるような問題が生じにくくなる。210℃以下であれば、耐熱性のある有機高分子樹脂でも十分に高分子鎖の固定ができ、またガラス転移点以下となる為、熱処理によって微多孔膜の構造が溶融変形する問題が生じにくい。
(6)の工程においては、微多孔膜は多孔性支持体の孔内に一部入り込み、一体となっていることが望ましい。入り込んで、一体となっていれば、いわゆるアンカー効果の作用で、微多孔膜と多孔性支持体膜の剥離を抑制することができる。
(電解装置)
アルカリ水電解装置とは、アルカリ水電解隔膜、陽極及び陰極を備えたものである。アルカリ水電解装置の内部は、アルカリ水電解用隔膜を介して、陽極が備えられている陽極室と、陰極が備えられている陰極室に仕切られ、それぞれの電極で発生した酸素ガスと水素ガスがアルカリ水電解用隔膜に遮断されて混合しないよう構成されている。
本実施形態のアルカリ水電解装置は、有機高分子樹脂を含む微多孔膜を有するアルカリ水電解用隔膜であり、微多孔膜の一方の表面Aにおける平均孔径をPa、微多孔膜のもう一方の表面Bにおける平均孔径をPbとしたときに、以下の式(i)を満たすアルカリ水電解用隔膜と、陽極と、陰極とを備える。微多孔膜の表面Bが陰極側、微多孔膜の表面Aが陽極側に配置される。
Pa>Pb・・・(i)
ガス遮断性を発現する平均孔径Pbが形成されている表面Bを陰極側に配置し、物理的な損傷が起きやすい陽極側に表面Aを向けて配置されている。これにより、表面Aに物理的な損傷が発生しても、ガス遮断性を維持でき、かつ、イオン透過性も高いアルカリ水電解装置とすることができる。
(電解方法)
アルカリ水電解装置を使用して行うアルカリ水電解の方法は、アルカリ水電解装置の内部をアルカリ溶液で満たし、陽極と陰極の間に直流電流を印加して行うものとする。アルカリ溶液としては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液が用いられる。アルカリ溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、15wt%〜40wt%が好ましく、20wt%〜35wt%がより好ましい。15wt%〜40wt%の範囲であれば、溶液のイオン伝導性が十分発現され、溶液による電圧の損失を軽減することができる。
また、電解を行うときの温度は、特に限定されるものではないが、60℃〜150℃が好ましく、80℃〜100℃がより好ましい。60℃〜150℃の範囲であれば、溶液のイオン伝導性が十分発現され、溶液による電圧の損失を軽減することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態を具体的に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられている評価方法及び測定方法は以下の通りである。
(1)孔径評価
アルカリ水電解用隔膜の孔径の評価は、走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ Miniscope TM3000)を使用して行った。まず、サンプルを所定の大きさに切り出し、マグネトロンスパッタ装置((株)真空デバイス MSP−1S型)で1分間メタルコーティングを行った。次に、このサンプルをSEMの観察用試料台にセットして測定を開始した。この時、SEMによる観察が膜の垂直方向から行えるようにサンプルをセットした。測定が開始すると、測定画面内に、観察対象の微多孔膜面に存在する孔が100個以上150個以下写るようにSEMの倍率を調節し、写った孔のそれぞれに対し、孔の最大長と最小長の平均長を数平均で算出した。それぞれの平均長からさらに重量平均を算出し、これを対象膜の孔径とした。この評価における孔とは周囲を途切れなく樹脂で囲まれたものとし、また測定画面内で孔の一部が見切れているものは孔と見なさないものとした。
(2)バブルポイント評価
アルカリ水電解用隔膜のバブルポイントの評価は、バブルポイント試験機(ザルトリウス・ステディム・ジャパン株式会社 Sartocheck Junior BP−Plus)を使用して行った。まず、サンプルを所定の大きさに切り出し、これを純水で濡らし、微多孔膜の孔内に純水を含浸させた。次にこれを評価したい面が上向きになるよう、測定用のホルダーにセットして測定を開始した。測定が始まると、サンプルの上面側が窒素で加圧されていき、サンプルの下面側から気泡が連続して発生してくる時の窒素圧力をバブルポイントとした。
(3)電圧損失評価
アルカリ水電解用隔膜の電圧損失の評価は、自作の装置を用い、以下の方法で行った。ニッケル電極の間に隔膜を設置し、両電極間に直流電流を印加し、隔膜の両面に隣接して備えられているルギン管で隔膜両面における電位を拾い参照極でこれを測定した。この両参照極の電位差を隔膜における電圧損失とした。なお、ルギン管先端からアルカリ水電解用隔膜表面までの溶液による電圧損失は予め測定しておき、その値を両参照極の電位差から差し引いた。
[実施例1]
ポリフェニルスルホン(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社 レーデル R(登録商標))、ポリエチレンオキサイド Mw(重量平均分子量)100000(SIGMA−ALDRICH)、N−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業株式会社)をそれぞれ用い、70℃の温度下で十分攪拌して、以下のような塗工液を得た。
ポリフェニルスルホン :20wt%
ポリエチレンオキサイド :10wt%
N−メチル−2−ピロリドン:70wt%
この塗工液を、基材であるテフロン(登録商標)シート(アズワン株式会社 フッ素テープニトフロンNo.900(登録商標) 幅300mm×厚さ1mm)上に厚さ100μmとなるよう塗工した。塗工後、直ちに80℃の純水を溜めた湯浴の液面から10cmの位置で10秒間蒸気に晒した。その後、直ちに純水とN−メチル−2−ピロリドンを50:50の比率で含む50℃の凝固浴中に基材を塗工液とともに10分間浸漬し、有機高分子樹脂であるポリフェニルスルホンを凝固させた。その後、純水で十分洗浄することにより、微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の平均孔径を測定したところ、平均孔径Pbは平均孔径Paの0.65倍であった。
得られた微多孔膜を濡らした状態で、平均孔径Paが形成されている表面Aをサンドペーペー(株式会社 研磨布ペーパー♯400(商標登録))で数回擦り、表面Aを30μm削り取った。削り取った微多孔膜を、平均孔径Pbが形成されている表面Bがポリフェニレンサルファイド不織布(廣瀬製紙(株) 膜厚100μm 坪量80g/m)の面と接するように重ねて、バブルポイント測定を行った。また、表面Aを削り取る前の微多孔膜についても同様にバブルポイント測定を行った。測定結果を表1に示す。
表1に示すように、Pa>Pbの場合、表面Aを削りとっても、バブルポイントの値は1000mbarより大きく、ガス遮断性を維持できることが確認された。
また、表面Aを削りとった微多孔膜のみで、電圧損失も測定した結果、0.6A/cmの電流密度の時、12mVの電圧損失となった。
[実施例2]
蒸気に晒す時間を20秒間に変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法で微多孔膜を得た。得られた微多孔膜は、平均孔径Pbは平均孔径Paの0.095倍であった。また、バブルポイント測定も行った。
得られた微多孔膜を濡らした状態で、孔径Paが形成されている表面Aをサンドペーペー(株式会社 研磨布ペーパー♯400(商標登録))で数回擦り、表面Aを30μm削り取った。削り取った微多孔膜を、平均孔径Pbが形成されている表面Bがポリフェニレンサルファイド不織布(廣瀬製紙(株) 膜厚100μm 坪量80g/m)と接するように重ねて、バブルポイントを測定した。また、表面Aを削り取る前の微多孔膜についても、同様にバブルポイント測定を行った。測定結果を表1に示す。
実施例1と同様に、Pa>Pbの場合、表面Aを削りとっても、バブルポイントの値は1000mbarより大きく、ガス遮断性を維持することができたことがわかった。
[比較例1]
実施例1で得られた微多孔膜について、実施例1の場合と微多孔膜の表裏を逆(表面Aと表面Bを逆)に使用することで、平均孔径Pbは平均孔径Paの1.53倍の微多孔膜とした。
得られた微多孔膜を濡らした状態で、孔径Paが形成されている表面Aをサンドペーペー(株式会社 研磨布ペーパー♯400(商標登録))で数回擦り、表面Aを30μm削り取った。削り取った微多孔膜を、平均孔径Pbが形成されている表面Bがポリフェニレンサルファイド不織布(廣瀬製紙(株) 膜厚100μm 坪量80g/m)と接するように重ねて、バブルポイントを測定した。また、表面Aを削り取る前の微多孔膜についても同様にバブルポイント測定を行った。測定結果を表1に示す。
Pa<Pbの場合、表面Aを削り取ると、バブルポイントの値が400mbarより小さくなり、ガス遮断性を維持することができなくなったことがわかった。
Figure 2013204146
本発明によれば、膜表面に物理的な損傷が生じても、ガス遮断性を維持でき、かつ、イオン透過性も高いアルカリ水電解用隔膜及びその製造方法を提供することが可能となる。
2、2’、2a、2b、2c、21・・・微多孔膜、3・・・多孔性支持体、11、12・・・アルカリ水電解用隔膜。

Claims (10)

  1. シート状の多孔性支持体と、有機高分子樹脂を含む微多孔膜と、を備え、
    前記多孔性支持体の片面又は両面に前記微多孔膜が積層され、
    前記多孔性支持体と接する前記微多孔膜の膜表面を表面Bとし、前記表面Bと反対側の前記微多孔膜の膜表面を表面Aとし、
    表面Aにおける平均孔径をPa、表面Bにおける平均孔径をPbとしたときに、Pa及びPbが以下の式(i)を満たす、アルカリ水電解用隔膜。
    Pa>Pb・・・(i)
  2. 前記多孔性支持体の両面に前記微多孔膜が積層された請求項1に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  3. 前記平均孔径Pbは、前記平均孔径Paの0.05〜0.9倍である請求項1又は2に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  4. 前記平均孔径Paが0.1〜5μmであり、前記平均孔径Pbが0.05〜2μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  5. 前記有機高分子樹脂は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  6. 前記多孔性支持体が、不織布、織布、又は、不織布及び該不織布内に内在する織布を有する複合布である請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  7. 前記多孔性支持体が、ポリフェニレンサルファイド繊維を含む請求項6に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  8. 表面又は前記微多孔膜内に配置された酸化ジルコニウムを有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  9. 有機高分子樹脂を含む微多孔膜を有し、前記微多孔膜の一方の表面Aにおける平均孔径をPa、微多孔膜のもう一方の表面Bにおける平均孔径をPbとしたときに、Pa及びPbが以下の式(i)を満たすアルカリ水電解用隔膜と、
    陽極と、
    陰極と、を備え、
    前記アルカリ水電解用隔膜が、前記微多孔膜の表面Bが陰極側、微多孔膜の表面Aが陽極側となる向きで前記陽極と前記陰極との間に配置されたアルカリ水電解装置。
    Pa>Pb・・・(i)
  10. 有機高分子樹脂と、前記有機高分子樹脂の溶媒と、を含有する溶液を調製する工程と、
    前記溶液を基材に塗工する工程と、
    前記溶液が塗工された前記基材を蒸気に晒す工程と、
    前記溶液が塗工された前記基材を前記有機高分子樹脂の非溶媒を含む凝固浴に浸漬させる工程と、
    前記有機高分子樹脂を凝固させて微多孔膜を形成させる工程と、
    前記微多孔膜をシート状の多孔性支持体の片面又は両面に積層する工程と、をこの順で含むアルカリ水電解用隔膜の製造方法。
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