JP2013203354A - アイドリングストップ機構付き車両の空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジンのアイドリングストップ時に、空調モードを冷房モード又は暖房モードから送風モードに切り換えた場合等においても、車室内環境の快適性を維持することを課題とする。
【解決手段】 車両の停車時にエンジンを一時的に停止させるアイドリングストップ制御部61と、空調ユニット10と、空調制御ユニット70とを備えた構成において、車室内に香りを送出する香り送出ユニット30と、香り制御部74とを備え、前記アイドリングストップ制御部61により、エンジンのアイドリングストップが実行されたときに、前記空調制御ユニット70により、空調モードを冷房モード又は暖房モードから送風モードに切り換えると共に、前記香り制御部74により、香り送出ユニット30を作動させて車室内に香りを送出するように構成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、アイドリングストップ機構付き車両の空調装置、特にエンジンのアイドリングストップ中における空調の制御に関し、車両の空調技術の分野に属する。
近年、燃費性能向上のため、エンジンの燃焼改善や車体の軽量化などと共に、停車時に所定の条件の下でエンジンを自動停止させるアイドリングストップ機構を搭載した車両が実用化されているが、アイドリングストップ中は、エンジンの停止に伴って発電機も停止するためにバッテリが充電されず、そのため、電力の使用を抑制する必要性が生じる。
そこで、アイドリングストップ中は、空調装置のコンプレッサを停止させるなどにより、空調モードを電力消費量の大きい冷房モードや暖房モードから、ファンのみが作動する電力消費量の小さい送風モードに切り換えるように制御する場合がある。
しかし、空調モードを冷房モードから送風モードに切り換えたときは、アイドリングストップ中、冷房が止まって車室内温度が次第に上昇し、暖房モードから送風モードに切り換えたときは、アイドリングストップ中、暖房が止まって車室内温度が次第に低下し、いずれの場合も車室内の快適性が損なわれる。
なお、車室内の環境に関するものとして、特許文献1には、車室内に帯電微粒子水を放出して、乗員の髪質改善や肌の保湿を図るようにしたものが開示されており、特許文献2には、車両運転中おける運転者の眠気を覚ますために車室内に覚醒効果を有する香りを放出するようにしたものが開示されている。
特開2010−76591号公報 特開平08−318732号公報
前記特許文献1、2に開示されたものは、いずれも空調装置を用いて車室内環境を所定の状態に制御しようとするものであるが、これらの技術はエンジンのアイドリングストップ中における冷暖房の停止に対処するものではない。そこで、本発明は、アイドリングストップ中における冷暖房の停止による車室内温度の上昇や低下に対し、車室内の快適性を維持することができる空調装置を実現することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るアイドリングストップ機構付き車両の空調装置は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車両が停車状態にあるときにエンジンを一時的に停止させるアイドリングストップ手段を備えた車両の空調装置であって、車室内に香りを送出する香り送出手段と、前記アイドリングストップ手段によるエンジン停止中の所定の期間、前記香り送出手段によって車室内に送出される香りを変化させる香り制御手段とを有することを特徴とする。
ここで、前記香り制御手段は、エンジン停止時から香りを変化させる場合と、エンジン停止後、所定時間が経過してから香を変化させる場合とがある。また、香りを変化させる態様には、車室内に香りを送出していない状態から送出する状態に変化させる場合と、送出している香りの種類を変化させたり、香り液の送出量や送出濃度等によって香の強さを変化させる場合が含まれる。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、空調状態を制御する空調制御手段が備えられ、該空調制御手段は、空調モードが冷房モード又は暖房モードの状態で前記アイドリングストップ手段によりエンジンが停止されたときに、空調モードを送風モードに切り換えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記香り制御手段は、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えらたときに、所定期間、涼感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が所定温度まで上昇し又は上昇温度が所定値に達したときに、前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、前記空調制御手段は空調モードを送風モードから冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、前記香り制御手段は、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が第1所定温度まで上昇し又は上昇温度が第1所定値に達したときに、所定期間、涼感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が前記第1所定温度より高い第2所定温度まで上昇し又は上昇温度が前記第1所定値より大きい第2所定値に達したときに、前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、前記空調制御手段は空調モードを送風モードから冷房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記空調制御手段は、前記香り制御手段が涼感作用を有する香りを送出させるときに、送風量を増大させることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記請求項4又は請求項6に記載の発明において、前記香り制御手段は、前記空調制御手段が空調モードを送風モードから冷房モードに切り換えた後、所定期間、涼感作用を有する香りを送出させることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の発明において、前記香り制御手段は、冷房モードへの切り換え後、涼感作用を有する香りを送出させるときに、冷房モードへの切り換え前に送出していたときに比べ、香りを強くすることを特徴とする。
ここで、香りを強くする態様には、香りの素となる液として濃度の高いものを用いる場合と、該液の噴霧量を多くする場合とがある。
請求項10に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記香り制御手段は、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えらたときに、所定期間、暖感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、前記請求項10に記載の発明において、車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が所定温度まで低下し又は低下温度が所定値に達したときに、前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、前記空調制御手段は空調モードを送風モードから暖房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、前記香り制御手段は、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が第1所定温度まで低下し又は低下温度が第1所定値に達したときに、所定期間、暖感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、前記請求項12に記載の発明において、空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が前記第1所定温度より低い第2所定温度まで低下し又は低下温度が前記第1所定値より大きい第2所定値に達したときに、前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、前記空調制御手段は空調モードを送風モードから暖房モードに切り換えることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、前記請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の発明において、前記空調制御手段は、前記香り制御手段が暖感作用を有する香りを送出させるときに、送風量を減少させることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、前記請求項11又は請求項13に記載の発明において、前記香り制御手段は、前記空調制御手段が空調モードを送風モードから暖房モードに切り換えた後、所定期間、暖感作用を有する香りを送出させることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、前記請求項15に記載の発明において、前記香り制御手段は、暖房モードへの切り換え後、暖感作用を有する香りを送出させるときに、暖房モードへの切り換え前に送出していたときに比べ、香りを強くすることを特徴とする。
以上の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、アイドリングストップ手段によるエンジンの停止中の所定の期間、香り送出手段が作動して車室内に香りが送出され、或は既に香りを送出している場合には、送出している香りの種類や強さが変化することになる。これにより、アイドリングストップ中、快適な車室内環境を創出し或は向上させることが可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、エンジンの停止に伴って発電機が停止するアイドリングストップ中は、電力消費量が比較的大きい冷房モードや暖房モードから、電力消費量が比較的少ない送風モードに自動的に切り換えられるので、その間におけるバッテリ電力の消費が抑制され、バッテリの残存容量が過度に減少することによる不具合が未然に防止される。
そして、空調モードが送風モードに切り換わり、冷房又は暖房が停止することによる車室内環境の悪化が、前記のような香りの送出による快適な環境の創出、向上効果によって解消され、エンジンのアイドリングストップに伴って空調モードを送風モードへ切り換えた後も、車室内環境の快適性が維持されることになる。
また、請求項3に記載の発明によれば、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えられて車室内温度が上昇し始めるときに涼感作用を有する香りが送出され、請求項10に記載の発明によれば、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えられて車室内温度が低下し始めるときに暖感作用を有する香りが送出されるので、いずれの場合にも、車室内温度が上昇又は低下することにより乗員に与える不快感が、これを打ち消す作用を有する香りの送出により、解消又は軽減されることになる。
そして、請求項4に記載の発明によれば、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えらた後、車室内温度が冷房停止状態で所定温度まで上昇し又は上昇温度が所定値に達したときに、請求項11に記載の発明によれば、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えらた後、車室内温度が暖房停止状態で所定温度まで低下し又は低下温度が所定値に達したときに、アイドリングストップが解除されてエンジンが再始動すると共に、空調モードが送風モードから当初の冷房モード又は暖房モードに復帰することになる。
つまり、車室内温度の上昇又は低下により、涼感作用又は暖感作用を有する香りを送出しても車室内の快適性が維持されなくなって、乗員に不快感を与えるおそれが生じる時点で冷房又は暖房が再開されることになり、車室内温度がさらに上昇又は低下して乗員に不快感を与えることが未然に防止されると共に、このとき、エンジンが再始動されることにより、エンジン停止状態で冷房又は暖房を開始することによるバッテリ電力の過度な消費が回避される。
一方、請求項5に記載の発明によれば、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えられた後、車室内温度が冷房停止状態での第1所定温度まで上昇し又は上昇温度が冷房停止状態での第1所定値に達したときに、請求項12に記載の発明によれば、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えられた後、車室内温度が暖房停止状態での第1所定温度まで低下し又は低下温度が暖房停止状態での第1所定値に達したときに、涼感作用を有する香り又は暖感作用を有する香りの送出が開始されるので、乗員が不快感を感じる前から香りを送出することによる香りの素となる液の無駄な消費が回避される。
そして、請求項6に記載の発明によれば、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えられ、車室内温度が上昇して涼感作用を有する香りの送出を開始した後、該温度がさらに上昇して、車室内温度が冷房停止状態での第2所定温度まで上昇し又は上昇温度が冷房停止状態での第2所定値に達したときに、請求項13に記載の発明によれば、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えられ、車室内温度が低下して暖感作用を有する香りの送出を開始した後、該温度がさらに低下して、車室内温度が暖房停止状態での第2所定温度まで低下し又は低下温度が暖房停止状態での第2所定値に達したときに、いずれも、アイドリングストップが解除されてエンジンが再始動すると共に、空調モードが送風モードから当初の冷房モード又は暖房モードに復帰することになる。
したがって、前記請求項4や請求項11に記載の発明の場合と同様、車室内温度の上昇又は低下により、涼感作用又は暖感作用を有する香りを送出しても車室内の快適性が維持されなくなって、乗員に不快感を与えるおそれが生じる時点で冷房又は暖房が再開されることになり、車室内温度がさらに上昇又は低下して乗員に不快感を与えることが未然に防止されると共に、このとき、エンジンが再始動されることにより、エンジン停止状態で冷房又は暖房を開始することによるバッテリ電力の過度な消費が回避される。
また、請求項7に記載の発明によれば、車室内に涼感作用を有する香りを送出するときに送風モードでの送風量を増大させ、請求項14に記載の発明によれば、車室内に暖感作用を有する香りを送出するときに送風モードでの送風量を減少させるので、前者の場合は、涼感作用を有する香りの送出と送風量の増大とにより、乗員に一層効果的に涼感を与えることができ、後者の場合は、暖感作用を有する香りの送出と送風量の減少とにより、乗員に一層効果的に暖感を与えることができ、いずれの場合にも、冷房又は暖房を停止した状態で、快適性を効果的に維持することが可能となる。
また、請求項8に記載の発明によれば、車室内温度の上昇により空調モードを送風モードから冷房モードに復帰させるときに、請求項15に記載の発明によれば、車室内温度の低下により空調モードを送風モードから暖房モードに復帰させるときに、その復帰後、所定期間、送風モードの下で車室内に送出していた香りが継続して又は改めて送出されるので、冷房又は暖房を再開させた後、冷暖房が効き始めるまでの間、香りの送出によって快適性が維持されることになる。
そして、請求項9に記載の発明によれば、冷房モードへの復帰後に車室内に涼感作用を有する香りを送出するときに、請求項16に記載の発明によれば、暖房モードへの復帰後に車室内に暖感作用を有する香りを送出するときに、送風モードでの送出時よりも香りを強くするので、乗員に香りが強くなったことで冷房又は暖房が再開されることを認識させることが可能となる。
本発明の実施形態が適用される車両のインストルメントパネルを示す斜視図である。 同実施形態における空調ユニットの構造を示す断面図である。 図2のX−X線で切断した香り送出ユニットの断面図である。 図3のY−Y線で切断した香り送出ユニットの断面図である。 香り送出ユニットにおける香り液タンクの断面図である。 アイドリングストップ制御及び香り送出制御を行うシステムのブロック図である。 香り送出制御の第1制御例の動作を示すフローチャートである。 同制御例の暖房停止時の動作を示すフローチャートである。 同制御例の動作を示すタイムチャートである。 香り送出制御の第2制御例の動作を示すフローチャートである。 同制御例の暖房停止時の動作を示すフローチャートである。 同制御例の動作を示すタイムチャートである。 香り送出制御の第3制御例の動作の要部を示すフローチャートである。 香り送出制御の第4制御例の動作の要部を示すフローチャートである。 香り送出制御で用いられる精油の例を示すリストである。
以下、本発明に係る空調装置の実施形態について説明する。
図1は本実施形態の空調装置が備えられた車両の前席前方のインストルメントパネルを示すもので、該インストルメントパネル1には、幅方向の一方側にステアリングホイール2が、中央部にオーディオ操作部3が備えられ、また、インストルメントパネル1の中央部下方のコンソール部4には変速機操作部5がそれぞれ配設されている。
また、インストルメントパネル1の内部(車両前方側)には、空調ユニット10(図2参照)が配置され、この空調ユニット10で生成された空調エアを車室内に送出する送出口として、インストルメントパネル1の前端部に設けられて空調エアをフロントガラスに向けて送出するデフロスタ6と、インストルメントパネル1の正面(後面)の左右両側部及び中央部に設けられて空調エアを乗員に向けて送出する複数のベンチレータ7と、インストルメントパネル1の下部に設けられて空調エアを乗員の足元に送出するフットエア送出口(図示せず)とが設けられている。
前記空調ユニット10は、図2に示すように、ブロアファン11の作動により車室外又は車室内から取り入れた空気を、エバポレータ12で冷却し或いはヒータコア13で暖めて所要の温度及び湿度の空調エアを生成するものであり、エアミックスドア14の作動位置により、エバポレータ12で冷却されたエアが直接又はヒータコア13で温められた上で導入されるエアミックス室15を有する。
また、このエアミックス室15から前記デフロスタ6に通じるデフロスタダクト16と、前記ベンチレータ7に通じるベンチレータダクト17と、前記フットエア送出口に通じるフットエアダクト18とが設けられ、これらのダクト16、17、18への空調エアの供給、非供給をそれぞれ切り換えるデフロスタドア21、ベンチレータドア22及びフットドア23が備えられている。
そして、前記エバポレータ12には、コンプレッサにより冷媒が供給され、ヒータコア13には、冷却水ポンプにより高温となったエンジン冷却水が供給され、このエバポレータ12への冷媒の供給、ヒータコア13への高温のエンジン冷却水の供給、及び、エアミックスドア14の作動位置の制御等により、空調ユニット10の空調モードとして、ブロアファン11からのエアを冷やしてエアミックス室15に導入する冷房モード、該エアを暖めてエアミックス室15に導入する暖房モード、及び、エアを冷やしたり暖めたりすることなくエアミックス室15に導入する送風モードの切り換えが可能とされている。また、前記デフロスタドア21、ベンチレータドア22及びフットドア23の作動位置の切り換え制御により、車室内への空調エアの吹き出しモードの選択が可能とされている。
なお、前記コンプレッサ及び冷却水ポンプはモータにより駆動され、したがって、冷房モードや暖房モードでは、ブロアファン11のみが作動する送風モードに比べて、バッテリの電力消費量が多くなる。
以上の構成に加えて、この実施形態に係る空調装置は、前記空調ユニット10におけるベンチレータダクト17を介して車室内へ香りを送出する香り送出ユニット30を備えている。
この香り送出ユニット30は、図3、図4に示すように、ベンチレータダクト17の側方に設けられたガイド部31にスライド可能に支持されたスライド台32と、該スライド台32をベルト33を介して前記ガイド部31上をスライドさせるモータ(図示せず)とを有し、スライド台32上に、複数の香り液タンク40…40が前記ベンチレータダクト17に沿って一列に載置されている。そして、前記モータによってスライド台32をスライドさせることにより、前記複数の香り液タンク40…40のいずれか1つをベンチレータダクト17の側壁に設けられた開口部17aに対応する噴霧位置Aに位置させるようになっている。
ここで、前記香り液タンク40…40として、この実施形態では、人に涼感を与える作用を有する香りを発生させる香り液を貯留した涼感香り液タンク40と、同種の香り液で濃度が高いものを貯留した高濃度涼感香り液タンク40と、人に暖感を与える作用を有する香りを発生させる香り液を貯留した暖感香り液タンク40と、同種の香り液で濃度が高いものを貯留した高濃度暖感香り液タンク40の4個のタンクが備えられている。
これらの香り液タンク40は、図5に示すように、香り液を貯留するタンク本体41と、該本体41の上部のオネジ部41aに内面のメネジ部42aが着脱可能に螺合されたキャップ42と、該キャップ42の上部に一体的に設けられたポンプ43と、該ポンプ43のケース43aに上下摺動可能に嵌合されたプッシュボタン44とを有する。
また、前記ポンプ43のケース43aの底面中央からタンク本体41の底部に向けてストロー部45が垂下され、該ストロー部45の内部が、タンク本体41の底部から前記ポンプ43のケース43a内に連通する香り液の吸入路45aとされている。
前記ポンプ43は、前記吸入路45aのケース43a内への開口部を開閉するボール43bと、前記ブッシュボタン44に結合されて該ボタン44の押し下げ操作によりケース43a内の容積を減少させるピストン43cと、該ピストン43cを上方位置、即ちケース43a内の容積が最大となる位置に付勢するスプリング43dとを有し、前記ピストン43cに、ケース43a内をプッシュボタン44の側面に設けられた噴霧孔44aに連通させる香り液の噴出路43eが設けられている。
そして、プッシュボタン44を押し下げた後、スプリング43dにより前記ピストン43c及びプッシュボタン44が上方へ押し上げられるときに、前記吸入路45aを通ってタンク本体41内の香り液がポンプ43のケース43a内に吸い上げられると共に、ボール43bが吸入路45aの開口部を閉鎖することにより香り液がケース43a内に貯留され、次に、プッシュボタン44をピストン43cと共に押し下げたときに、該ケース43a内に貯留されている香り液が、前記噴出路43eを介してプッシュボタン44の側面の噴霧孔44aから噴霧されるようになっている。
また、図3、図4に示すように、香り送出ユニット30は、スライド台32上に一列に載置された香り液タンク40…40の上方に設けられた香り液噴霧機構50を有し、前記インストルメントパネル1に設けられた開口部を閉鎖するカバー1aの下面に設けられている。
この香り液噴霧機構50は、前記カバー1aの下面に取り付けられたモータ51と、該モータ51によって駆動されるカム軸52とを有し、このカム軸52は、前記香り液タンク40…40が並ぶ列方向に延び、先端が前記カバー1aの下面に設けられた軸受部53に支持されていると共に、該カム軸52に、前記香り液タンク40…40のうちの噴霧位置Aにある香り液タンク40の上方に位置するようにカム52aが設けられている。
そして、前記モータ51によりカム軸52を回転させれば、前記カム52aが噴霧位置Aにある香り液タンク40のプッシュボタン44を押し下げることにより、前述のようにして、該タンク40に貯留されている香り液が噴霧孔44aから、開口部17aを通ってベンチレータダクト17内に噴霧されるようになっている。
一方、この実施形態に係る空調装置は、エンジンのアイドリングストップ実行時に、前記空調ユニット10における空調モードの制御と共に、前記香り送出ユニット30を動作させて、車室内への香りの送出制御を行うようになっている。
この香り送出制御は、図6に示すように、エンジンコントロールユニット60に設けられたアイドリングストップ制御部61と、空調制御ユニット70とが協働して行うようになっており、アイドリングストップ制御部61は、当該車両の車速を検出する車速センサ62からの信号、エンジン回転数やクランク角度を検出するエンジン回転センサ63からの信号、ブレーキペダルの踏込み状態を検出するブレーキセンサ64からの信号等を入力し、例えばブレーキペダルが踏込まれて車速が0となるなどの所定のアイドリングストップ実行条件成立時に、クランク角度を検出しながらエンジン65を停止させ、また、ブレーキペダルの踏み込みが解除されるなどの所定のアイドリングストップ解除条件成立時に、エンジン65を再始動させるようになっている。
また、空調制御ユニット70は、乗員によって操作されるモード設定ボタン71からの信号、冷暖房モードにおける温度設定ボタン72からの信号、車室内の温度を検出する温度センサ73からの信号等を入力し、空調ユニット10の空調モードや吹き出しモード及び空調エアの温度の制御を行う。
そして、該空調制御ユニット70には、香り送出制御の中心となる香り制御部74と、該香り送出制御で必要とされる情報を記憶する記憶部75とが設けられ、香り制御部74は、前記エンジンコントロールユニット70のアイドリングストップ制御部61からの信号と前記温度センサ73からの信号とを入力し、アイドリングストップ実行時に、空調ユニット10の空調モードの制御を行うと共に、香り送出ユニット30によるベンチレータダクト17への香り液の噴霧制御、即ち車室内への香り送出制御を行い、また、所定の条件成立時に、前記アイドリングストップ制御部61にエンジン65を再始動させるためのアイドリングストップ解除信号を出力するようになっている。
次に、前記香り制御部74によるアイドリングストップ実行時における香り送出制御の具体的動作を説明する。
まず、図7、図8にフローチャートを示す第1制御例について説明する。
この第1制御例では、まず、ステップS1で、空調ユニット10がONであるか否かを判定し、ONのときは、ステップS2で、空調モードが送風モード以外の冷房モード又は暖房モードのいずれかであるか否かを判定する。そして、冷房モード又は暖房モードのいずれかであるときは、ステップS3で、その空調モードを記憶部75に記憶する。
次に、ステップS4で、エンジンコントロールユニット60のアイドリングストップ制御部61からの信号に基づき、当該車両の停車時において、エンジン65のアイドリングストップが実行されたか否かを判定する。
そして、アイドリングストップが実行されれば、次に、ステップS5、S6で、前記記憶部75に記憶した空調モードを読み出すと共に、冷房モードと暖房モードのいずれであるかを判定し、冷房モードのときは、ステップS7〜S17による冷房停止時の香り送出制御を実行する。
この冷房停止時の香り送出制御では、まず、ステップS7で、空調制御ユニット10の空調モードを冷房モードから送風モードに切り換えて冷房を停止すると共に、ステップS8で、涼感作用を有する香りを車室内に送出する。
具体的には、図3、図4に示す香り送出ユニット30のスライド台32をスライドさせ、涼感香り液タンク40を噴霧位置Aに移動させると共に、香り液噴霧機構50のモータ51を作動させて、カム52aにより前記タンク40のプッシュボタン44を押し下げ、涼感作用を有する香り液をベンチレータダクト17内に噴霧させる。
これにより、図9(a)に符号aで示すように、アイドリングストップが実行されたときに、バッテリの電力消費抑制のために、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えられ、これにより車室内の温度が上昇することとなった場合に、涼感作用を有する香りが車室内に送出されることになる。その結果、乗員に涼感が与えられ、車室内の温度が上昇することによる不快感が抑制されて、冷房が止まった後においても車室内の快適性が維持される。
なお、前記ステップS8で、送風モードのもとで涼感作用を有する香りを送出する際、空調ユニット10の送風量を増大させることにより、乗員に与える涼感をより強めるようにしてもよい。
次に、香り制御部74は、上記のようにして涼感作用を有する香りを送出した後、ステップS9で、前記アイドリングストップ制御部61からの信号に基づき、アイドリングストップが解除されたか否かを判定し、解除されていなければ、ステップS10で、温度センサ73からの信号に基づいて車室内温度Tを検出し、ステップS11で、該温度Tが冷房停止中における香り送出終了温度TCE(請求項4の「所定温度」)まで上昇したか否かを判定する。
この香り送出終了温度TCEは、それ以上温度が上昇すると、涼感作用を有する香りを送出しても車室内の快適性が維持されなくなる可能性がある温度に設定されており、車室内温度Tがこの香り送出終了温度TCEに上昇するまでは、送風モードのもとで涼感作用を有する香りを送出する制御を継続する。
そして、図9(a)に符号bで示すように、車室内温度Tが前記香り送出終了温度TCEまで上昇したときは、ステップS12で、アイドリングストップ制御部61にアイドリングストップを解除するように信号を出力すると共に、ステップS13で、空調ユニット10を当初の冷房モードに復帰させる。
これにより、涼感作用を有する香りを送出しても快適性が維持されなくなるおそれがある温度TCEまで車室内温度が上昇したときには再び冷房が開始され、車室内の快適性が引き続き維持されると共に、エンジンが再始動することにより、バッテリ電力で冷房を行うことによる該バッテリ電力の過度な消費が回避される。
また、以上の冷房停止中における香り送出制御が終了した後、香り制御部74は、ステップS14で、香り送出ユニット30を作動させ、高濃度涼感香り液タンク40を噴霧位置Aに移動させて、より強い涼感作用を有する香りを車室内に送出し、乗員に、アイドリングストップが解除されることや、空調モードが冷房モードに復帰されることなどを認識させる。
そして、ステップS15でタイマを作動させ、ステップS16で、該タイマ作動開始時から所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したときに、ステップS17で、全ての香り送出制御を終了する。
なお、前記ステップS9で、車室内温度Tが香り制御終了温度TCEに達する前にアイドリングストップが解除されたことを判定したときも前記ステップS13〜S17を実行し、空調モードを冷房モードに復帰させると共に、所定時間、高濃度の涼感香り液の噴霧制御を行った後、全ての香り送出制御を終了する。
一方、前記ステップS6で、記憶部75に記憶した空調モードが暖房モードと判定されたときは、図8のステップS18〜S28による暖房停止時の香り送出制御を実行する。
この暖房停止時の香り送出制御は、前述の冷房停止時の制御とほぼ同様に行われ、香り制御部74は、まず、ステップS18で、空調制御ユニット10を送風モードに切り換えると共に、ステップS19で、暖感作用を有する香りを車室内に送出する。この暖感作用を有する香りの送出は、図3、図4に示す香り送出ユニット30において暖感香り液タンク40を噴霧位置Aに移動させた上で、モータ51を作動させることにより行われる。
これにより、図9(b)に符号cで示すように、アイドリングストップが実行されたときに、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えられ、車室内の温度が低下することとなった場合に、暖感作用を有する香りが車室内に送出されることになる。その結果、乗員に暖感が与えられ、車室内の温度が低下することによる不快感が抑制されて、暖房が止まった後においても車室内の快適性が維持される。
なお、前記ステップS19で、送風モードのもとで暖感作用を有する香りを送出する際、空調ユニット10の送風量を減少させることにより、乗員に与えられる暖感が送風によって低減されることを抑制するようにしてもよい。
次に、香り制御部74は、ステップS20で、前記アイドリングストップ制御部61からの信号に基づき、アイドリングストップが解除されたか否かを判定し、解除されていなければ、ステップS10で車室内温度Tを検出し、ステップS11で、該温度Tが暖房停止中における香り送出終了温度TWE(請求項11の「所定温度」)まで低下したか否かを判定する。
この香り送出終了温度TWEは、それ以上温度が低下すると、暖感作用を有する香りを送出しても車室内の快適性が維持されなくなる可能性がある温度に設定されており、車室内温度Tがこの香り送出終了温度TWEに低下するまでは、送風モードのもとで香りを送出する制御を継続する。
そして、図9(b)に符号dで示すように、車室内温度Tが前記香り送出終了温度TWEまで低下したときは、ステップS23で、アイドリングストップ制御部61にアイドリングストップを解除するように信号を出力すると共に、ステップS24で、空調ユニット10を当初の暖房モードに復帰させる。
これにより、暖感作用を有する香りを送出しても快適性が維持されなくなるおそれがある温度TWEまで車室内温度が低下したときには再び暖房が開始され、車室内の快適性が維持されると共に、エンジンが再始動することにより、バッテリ電力で暖房を行うことによる該バッテリ電力の過度な消費が回避される。
また、以上の暖房停止中における香り送出制御が終了した後、香り制御部74は、ステップS25で、香り送出ユニット30を作動させ、高濃度涼感香り液タンク40を噴霧位置Aに移動させて、より強い涼感作用を有する香りを車室内に送出し、乗員に、アイドリングストップが解除されることや、空調モードが暖房モードに復帰されることなどを認識させる。
そして、ステップS26でタイマを作動させ、ステップS27で、該タイマ作動開始時から所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したときに、ステップS28で、全ての香り送出制御を終了する。
ここで、この暖房停止中の香り送出制御においても、前記ステップS20で、車室内温度Tが香り送出終了温度TWEに達する前にアイドリングストップが解除されたことを判定したときは、ステップS24〜S28を実行し、空調モードを暖房モードに復帰させると共に、復帰させると共に、所定時間、高濃度の暖感香り液の噴霧制御を行った後、全ての香り送出制御を終了する。
次に、図10、図11にフローチャートを示す第2制御例について説明する。
この第2制御例のステップS31〜S36は、前記第1制御例のステップS1〜S6と同じである。また、アイドリングストップ実行前の空調モードが冷房モードのときはステップS37〜S48で、冷房停止中の香り送出制御を実行し、暖房モードのときはステップS49〜S60で、暖房停止中の香り送り制御を実行する点も、第1制御例と同様である。
冷房停止中の香り制御では、まず、ステップS37で、空調モードを送風モードに切り換えるが、この制御例では、この時点では香り送出制御を開始せず、ステップS38で、アイドリングストップ制御部61からの信号に基づき、アイドリングストップが解除されたか否かを判定し、解除されていなければ、ステップS39で車室内温度Tを検出する。
そして、ステップS40で、車室内温度Tが冷房停止中の香り送出開始温度TCS(請求項5の「第1所定温度」)まで上昇したか否かを判定し、図12(a)に符号eで示すように、該温度TCSまで上昇したときに、ステップS41で、涼感香りを車室内に送出する。その場合に、空調ユニット10の送風量を増大させることにより、乗員に与える涼感をより強めるようにしてもよい。
次に、ステップS42で、前記車室内温度Tがさらに上昇し、前記温度TCSより高温の冷房停止中の香り送出終了温度TCE(請求項6の「第2所定温度」)まで上昇したか否かを判定し、図12(a)に符号fで示すように、該温度TCEまで上昇したときに、ステップS43で、アイドリングストップ制御部61にアイドリングストップを解除するように信号を出力すると共に、ステップS44で、空調ユニット10を当初の冷房モードに復帰させる。
また、前記ステップS40又はステップ42で、車室内温度Tが香り送出開始温度TCSに達する前に又は該温度Tが香り送出終了温度TCEに達する前に、ステップS38で、アイドリングストップが解除されたことを判定したときも、ステップS44で、空調ユニット10を当初の冷房モードに復帰させる。
そして、S45〜S47で、所定時間、より強い涼感作用を有する高濃度の香りを車室内に送出し、乗員に、アイドリングストップが解除されることや、空調モードが冷房モードに復帰されることなどを認識させた上で、ステップS48で全ての香り送出制御を終了する。
また、暖房停止中の香り送出制御も冷房停止中の制御とほぼ同様に行われ、ステップS49で、空調モードを送風モードに切り換えた後、ステップS52で、車室内温度Tが暖房停止中の香り送出開始温度TWS(請求項12の「第1所定温度」)まで低下したか否かを判定し、該温度TWSまで低下したときに、ステップS53で、暖感を与える香りを車室内に送出する。その場合に、空調ユニット10の送風量を減少させることにより、乗員に与える暖感が送風によって低減されることを抑制するようにしてもよい。
そして、ステップS54で、前記車室内温度Tがさらに低下し、前記温度TWSより低温の暖房停止中の香り送出終了温度TWE(請求項13の「第2所定温度」)まで低下したか否かを判定し、該温度TWEまで低下したときに、ステップS55で、アイドリングストップ制御部61にアイドリングストップを解除するように信号を出力すると共に、ステップS56で、空調ユニット10を当初の暖房モードに復帰させる。
また、前記ステップS52又はステップ54で、車室内温度Tが香り送出開始温度TWSに達する前に又は該温度Tが香り送出終了温度TWEに達する前に、ステップS50で、アイドリングストップが解除されたことを判定したときも、ステップS55で、空調ユニット10を当初の暖房モードに復帰させる。
そして、S57〜S59で、所定時間、より強い暖感作用を有する高濃度の香りを車室内に送出し、乗員に、アイドリングストップが解除されることや、空調モードが暖房モードに復帰されることなどを認識させた上で、ステップS60で全ての香り送出制御を終了する。
以上のように、この第2制御例では、アイドリングストップ時における香り送出制御が、冷房停止時には車室内温度Tが所定の開始温度TCSまで上昇した時点から、暖房停止時には該温度Tが所定の開始温度TWSまで低下した時点から開始される。したがって、冷房又は暖房が停止しても、乗員が不快感を感じ始めるまでにしばらくの時間があると考えられる場合に、その間の無駄な香りの送出が回避される。
また、以上の第1、第2制御例では、アイドリングストップが解除され、空調モードが送風モードから冷房モード又は暖房モードでに復帰されたときに、乗員にこれを認識させるために、高濃度の香りを所定時間、送出するようにしたが、この高濃度の香りを送出する期間を、所定時間に代えて、車室内温度が冷房又は暖房の再開により所定温度まで低下し又は上昇するまでの期間としてもよい。
その場合に、高濃度香り液の噴霧に代え、香り液の噴霧量を増大させ或は香り生成作用が強い香り液に変更することにより、乗員が感じる香りを強めるようにしてもよい。
また、以上の第1、第2制御例の説明で述べたように、涼感香りを送出するときには送風量を増大させ、暖感香りを送出するときには送風量を減少させるようにしてもよいが、いずれの場合にも送風量を増大させて、香りを車室内へ送出する際の勢いを強めてもよく、逆に、いずれの場合にも送風量を減少させて、送風モードに切り換わる前の冷房状態又は暖房状態を維持するようにしてもよい。
また、送風モードから冷房モード又は暖房モードに切り換わったとき又はその後に香りを車室内に送出する際に、遅滞なく送出開始できるように、冷房時には涼感香り液タンク40を、暖房時には暖感香り液タンク40を、予め噴霧位置Aに移動させておくようにしてもよい。
さらに、以上の第1、第2制御例では、香り送出制御の開始時期及び終了時期を車室内の温度に基づいて制御したが、これに代え、以下の第3、第4制御例のように、空調モードを冷房モード又は暖房モードから送風モードへ切り換えたときからの温度の変化量に基づいて、香り送出制御の開始時期及び終了時期を制御するようにしてもよく、次に、この第3、第4制御例の要部について説明する。なお、これらの制御例の説明では、対応する第1、第2制御例におけるステップと同じステップについては同じ符号を用いて説明する。
まず、第1制御例に対応する第3制御例では、図13(a)に示すように、ステップS7の冷房モードから送風モードへの切り換え時に、ステップS7’で、そのときの車室内温度を検出して初期値TCとして記憶部75に記憶し、その後、ステップS11’で、車室内温度の上昇温度(T−TC)が所定値TCE(請求項4の「所定値」)に達したことを判定したときに、ステップS12のアイドリングストップ解除制御や、ステップS13の冷房モードへの復帰制御を行う。
また、図13(b)に示すように、ステップS18の暖房モードから送風モードへの切り換え時には、ステップS18’で、そのときの車室内温度を検出して初期値TWとして記憶部75に記憶し、その後、ステップS22’で、車室内温度の低下温度(TW−T)が所定値TWE(請求項11の「所定値」)に達したことを判定したときに、ステップS23のアイドリングストップ解除制御や、ステップS24の暖房モードへの復帰制御を行う。
同様に、前記第2制御例に対応する第4制御例では、図14(a)に示すように、ステップS37の冷房モードから送風モードへの切り換え時には、ステップS37’で、そのときの車室内温度を検出して初期値TCとして記憶し、その後、ステップS40’で、車室内温度の上昇温度(T−TC)が所定値TCS(請求項5の「第1所定値」)に達したことを判定したときに、ステップS41で涼感香り送出制御を開始すると共に、さらに車室内温度Tが上昇して、ステップS42’で、上昇温度(T−TC)が前記所定値TCSより大きい所定値TCE(請求項6の「第2所定値」)に達したことを判定したときに、ステップS43のアイドリングストップ解除制御や、ステップS44の冷房モードへの復帰制御を行う。
また、図14(b)に示すように、ステップS49の暖房モードから送風モードへの切り換え時には、ステップS49’で、そのときの車室内温度を検出して初期値TWとして記憶部75に記憶し、その後、ステップS52’で、車室内温度の低下温度(TW−T)が所定値TWS(請求項12の「第1所定値」)達したことを判定したときに、暖感香り送出制御を開始すると共に、さらに車室内温度Tが低下して、低下温度(TW−T)が前記所定値TWSより大きい所定値TWE(請求項13の「第2所定値」)に達したことを判定したときに、ステップS55のアイドリングストップ解除制御や、ステップS56の暖房モードへの復帰制御を行う。
この第3、第4制御例は、乗員が不快感を感じるのは、そのときの、車室内温度よりも、冷房又は暖房が停止してからの温度上昇量や低下量によると考えられる場合に有効である。
なお、本発明において用いられる涼感作用を有する香り及び暖感作用を有する香りとしては、例えば図15に示すような精油を有効成分として配合した香料組成物を用いることができる。
以上のように、本発明によれば、エンジンのアイドリングストップ時において、冷房又は暖房が停止したときにも、車室内の快適性が維持されることになる。したがって、エンジンのアイドリングストップ機能を備えた車両の製造産業分野において、好適に利用される可能性がある。
10 空調ユニット
30 香り送出ユニット(香り送出手段)
61 アイドリングストップ制御部(アイドリングストップ制御手段)
70 空調制御ユニット(空調制御手段)
74 香り制御部(香り制御手段)

Claims (16)

  1. 車両が停車状態にあるときにエンジンを一時的に停止させるアイドリングストップ手段を備えた車両の空調装置であって、
    車室内に香りを送出する香り送出手段と、
    前記アイドリングストップ手段によるエンジン停止中の所定の期間、前記香り送出手段によって車室内に送出される香りを変化させる香り制御手段とを有することを特徴とするアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  2. 空調状態を制御する空調制御手段が備えられ、
    該空調制御手段は、空調モードが冷房モード又は暖房モードの状態で前記アイドリングストップ手段によりエンジンが停止されたときに、空調モードを送風モードに切り換えることを特徴とする請求項1に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  3. 前記香り制御手段は、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えらたときに、所定期間、涼感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  4. 車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、
    空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が所定温度まで上昇し又は上昇温度が所定値に達したときに、
    前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、
    前記空調制御手段は空調モードを送風モードから冷房モードに切り換えることを特徴とする請求項3に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  5. 車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、
    前記香り制御手段は、空調モードが冷房モードから送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が第1所定温度まで上昇し又は上昇温度が第1所定値に達したときに、所定期間、涼感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  6. 空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が前記第1所定温度より高い第2所定温度まで上昇し又は上昇温度が前記第1所定値より大きい第2所定値に達したときに、
    前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、
    前記空調制御手段は空調モードを送風モードから冷房モードに切り換えることを特徴とする請求項5に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  7. 前記空調制御手段は、前記香り制御手段が涼感作用を有する香りを送出させるときに、送風量を増大させることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  8. 前記香り制御手段は、前記空調制御手段が空調モードを送風モードから冷房モードに切り換えた後、所定期間、涼感作用を有する香りを送出させることを特徴とする請求項4又は請求項6に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  9. 前記香り制御手段は、冷房モードへの切り換え後、涼感作用を有する香りを送出させるときに、冷房モードへの切り換え前に送出していたときに比べ、香りを強くすることを特徴とする請求項8に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  10. 前記香り制御手段は、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えらたときに、所定期間、暖感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  11. 車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、
    空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が所定温度まで低下し又は低下温度が所定値に達したときに、
    前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、
    前記空調制御手段は空調モードを送風モードから暖房モードに切り換えることを特徴とする請求項10に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  12. 車室内の温度を検出する温度検出手段が備えられ、
    前記香り制御手段は、空調モードが暖房モードから送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が第1所定温度まで低下し又は低下温度が第1所定値に達したときに、所定期間、暖感作用を有する香りを送出するように香り送出手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  13. 空調モードが送風モードに切り換えられた後、前記温度検出手段によって検出される車室内温度が前記第1所定温度より低い第2所定温度まで低下し又は低下温度が前記第1所定値より大きい第2所定値に達したときに、
    前記アイドリングストップ手段はエンジンを再始動させ、
    前記空調制御手段は空調モードを送風モードから暖房モードに切り換えることを特徴とする請求項12に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  14. 前記空調制御手段は、前記香り制御手段が暖感作用を有する香りを送出させるときに、送風量を減少させることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  15. 前記香り制御手段は、前記空調制御手段が空調モードを送風モードから暖房モードに切り換えた後、所定期間、暖感作用を有する香りを送出させることを特徴とする請求項11又は請求項13に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
  16. 前記香り制御手段は、暖房モードへの切り換え後、暖感作用を有する香りを送出させるときに、暖房モードへの切り換え前に送出していたときに比べ、香りを強くすることを特徴とする請求項15に記載のアイドリングストップ機構付き車両の空調装置。
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