JP2019098924A - シート空調装置 - Google Patents

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一伸 中西
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Abstract

【課題】乗員に対して個別に適切な芳香を提供可能とするシート空調装置を提供する。【解決手段】シートごとに設置可能なシート空調装置であって、シートごとに設けられた吹出口から空調空気を吹き出させて、このシートに着座している乗員を空調空気で包み込むシート空調を行う空調ユニット20と、空調空気へ異なる種類の芳香を供給可能な芳香装置30に放出させる芳香の種類を、シートに着座している乗員情報に基づいて決定し、決定した種類の芳香を芳香装置に放出させるシート側制御部11と、を備える。【選択図】図5

Description

この明細書における開示は、シート空調装置に関する。
特許文献1には、車両ユーザを楽しませる或いはユーザにサービスするための自動車用もてなしシステムが記載されている。このシステムは、車内に芳香剤を放出する芳香発生部を備える。特許文献1のシステムでは、運転者の生体特定情報に応じて、車室内に芳香を放出する。
特許第4572889号公報
特許文献1には、運転者の情報に基づいて車室内に芳香を放出することは記載されている。特許文献1には、車室内に芳香を放出するとの記載があるのみで、放出した芳香の広がりを制御する記載はない。車室内に芳香を放出し、芳香の広がりを特に制御しない場合、車室内に放出した芳香は、車室内の全体に広がる。
この場合、一つの芳香発生部から放出された芳香を、運転者及び同乗者からなる車両の乗員すべてが嗅ぎうる。この芳香は、運転者の情報に基づいて放出されているので運転者に適しているかもしれないが、同乗者に適しているとは限らない。
また、運転者が誰であるかは車両により異なり、同じ車両でも、いつも同じ者が運転者となる訳ではない。特許文献1に開示された技術では、芳香は、発生量が調整されるのみである。芳香の発生量が調整されるだけでは、運転者にとっても、適した芳香になるとは限らない。
以上のことから、特許文献1に開示された技術では、車両の乗員が、運転者であっても、また、同乗者であっても、乗員に適した芳香を提供することが困難である。
なお、以上の困難性は、自動車、バス等の車両の車室内を芳香剤で香り付ける場合のみならず、複数のシートが設けられた空間を芳香剤で香り付ける場合、例えば複数のシートが設けられた飛行機の客室を芳香剤で香り付ける場合、にも同様に生じうる。
この明細書における開示は、乗員に対して個別に適切な芳香を提供可能とするシート空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためのシート空調装置の一例は、
シート(1)ごとに設置可能なシート空調装置であって、
シートごとに設けられた吹出口(2、3、4、5、6)から空調空気を吹き出させて、このシートに着座している乗員を空調空気で包み込むシート空調を行う空調ユニット(20)と、
空調空気へ異なる種類の芳香を供給可能な芳香装置(30)に放出させる芳香の種類を、シートに着座している乗員情報に基づいて決定し、決定した種類の芳香を芳香装置に放出させる制御部(11)と、
を備えるシート空調装置である。
この構成によれば、シートごとに設けられた吹出口から吹き出されてこのシートに着座している乗員を包み込む空調空気に芳香を含ませることができる。よって、各シートひいては各シートに着座している各乗員に対して個別に異なる芳香を提供可能となる。
また、シート別の空調であるシート空調を行っていることから、他のシートで提供されている芳香の影響を受けにくい。したがって、不適切な芳香が提供されてしまうことが抑制される。さらに、制御部は、シートに着座している乗員情報に基づいて、芳香装置から供給されて空調空気に含ませる芳香の種類を決定し、この決定した種類の芳香を芳香装置に放出させる。よって、各シートひいては各シートに着座している各乗員に対して個別に適切な芳香を提供可能となる。
なお、上記括弧内の参照番号は、理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら技術的範囲を制限することを意図したものではない。
シート空調システム100が適用される車両の説明図である。 シート空調を説明する説明図である。 シート空調用のシート1の外観を示す図である。 シート空調用のシート1内部の吹出用ダクトを示す図である。 シート空調システム100の構成を示すブロック図である。 空調ユニット20の構成を示す模式図である。 芳香装置30の構成を示す断面図である。 芳香装置30による芳香の放出を説明する説明図である。 第1実施形態のシート別芳香制御処理を示すフローチャートである。 芳香種類選択マップを説明する説明図である。 芳香強さ調節マップを説明する説明図である。 第2実施形態のシート別芳香制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、シート空調装置200を備えるシート空調システム100を説明する。
(第1実施形態)
シート空調システム100は、図1に示すように、シート空調用のシート1を複数備える車両に適用される。車両には、乗用車だけでなく、バス、電車なども含まれ、シート空調システム100は、複数のシートを備えた車両で用いられる。
シート空調用の各シート1は、図2に示すように、このシート1ごとに設けられた空調ユニット20と共に用いられ、シート空調により乗員の快適性を高める。快適性を高める制御の一つは空調空気を吹き出す制御である。この制御では、具体的には、ECU10又は携帯端末300からの指示に応じて空調ユニット20から送風された空気が、シート1に着座している乗員に向けて吹き出される。シート1の構造は、例えば次の通りである。
<シート1の構成>
各シート1は、図3に示すように、大別すると背当部1aと、着座部1bと、ヘッドレスト1cと、アームレスト1dと、台座1eと、を備える。
ヘッドレスト1cの左右両端には、乗員の頭部に向けて空気を吹き出す一対の頭部吹出口2が設けられている。背当部1aの左右両側には、乗員の上半身に向けて空気を吹き出す一対の上半身側部吹出口3が設けられている。
アームレスト1dには、乗員の大腿部に向けて空気を吹き出す一対の大腿部吹出口4が設けられている。台座1eの前面には、乗員の足元に向けて空気を吹き出す足元吹出口5が設けられている。図4に示すように、背当部1aのシート表面には、乗員の背部全体に向けて空気を吹き出す背部吹出口6設けられている。
シート1には、空調ユニット20から送風された空気を吹出口2〜6に導く吹出用ダクト7が形成されている。吹出用ダクト7は、第1吹出用ダクト7aと、第2吹出用ダクト7bと、を備える。
第1吹出用ダクト7aは、空調ユニット20から送風された空気を頭部吹出口2及び上半身側部吹出口3に供給するダクトである。吹出用ダクト7bは、空調ユニット20から送風された空気を、大腿部吹出口4及び足元吹出口5に供給するダクトである。
台座1eの前面には、乗員の足元から空気を吸い込み可能な吸込口9が設けられている。吸込口9は、シート1に設けられた吸込用ダクト9aを通じて空調ユニット20の空気取入口と連通している。空調ユニット20が後述の第2送風機24aを駆動することにより、シート1前方の空気が吸込口9及び吸込用ダクト9aを通じて空調ユニット20に吸い込まれる。なお、空調ユニット20は、吸込口9及び吸込用ダクト9aを通じて内気を吸い込む空気取入口に加えて、外気を吸い込む他の空気取入口を有してもよい。
<シート空調システム100の全体構成>
本実施形態のシート空調システム100は、シート1に着座している各乗員に対して、シート空調に加えて個別に異なる芳香を提供する。以下、シート空調システム100の構成を説明する。
図5に示すように、シート空調システム100は、シート1別に設置されるシート空調装置200と、各シート1に着座する乗員に携帯される携帯端末300と、により構成される。
<シート空調装置200の全体構成>
シート空調装置200は、図5に示すように、ECU10と、空調ユニット20と、芳香装置30と、臭い検出装置40と、シート側HMI50と、備える。
<ECU10の構成>
ECU10は、シート空調装置200の作動を制御する機能と、携帯端末300と通信する機能と、を備えた電子制御装置である。
図5に示すように、ECU10は、シート側制御部11と、記憶部12と、シート側通信部13と、を備える。
シート側制御部11は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータを主体として構成される。シート側制御部11は、ROM等のメモリに記憶された各種プログラムをCPU等のプロセッサが実行することで、後述するシート別芳香制御処理を含む各種制御処理を実行する機能を有する。シート側制御部11の機能の少なくとも一部は、専用のIC等によって提供されてもよい。シート側制御部11は、制御部に対応する。
記憶部12は、シート別芳香制御処理で用いられる後述の芳香種類選択マップ及び芳香強さ調節マップを記憶している。
シート側通信部13は、乗員に携帯される携帯端末300との間で、例えばUSB等による有線通信或いはBluetooth(登録商標)等による無線通信を行う機能を有する。また、シート側通信部13は、インターネット通信を行う機能を有し、サーバ等を経由して携帯端末300と通信可能な構成であってもよい。
シート側通信部13は、シート側制御部11の制御の下で、シート空調装置200の作動状態等を携帯端末300に送信する。またシート側通信部13は、携帯端末300から送信されたシート空調装置200の作動指示等を受信して、シート側制御部11に入力する。
<空調ユニット20の構成>
空調ユニット20は、シート1ごとに設けられて、そのシート1に着座している乗員に対するシート空調を、シート側制御部11の制御の下で行う。空調ユニット20は、例えば図4に示すように台座1eに収容される。
空調ユニット20は、図6に示すように、冷凍サイクル装置20aと、加熱装置25と、第1送風機22aと、第2送風機24aと、を備える。
冷凍サイクル装置20aは、圧縮機21と、凝縮器22と、減圧部23と、蒸発器24と、を備える。
圧縮機21は、車載バッテリから供給された直流電圧で駆動される電動圧縮機であり、冷媒を圧縮して冷媒温度を上昇させる。圧縮機21により圧縮された冷媒は、凝縮器22に供給される。
凝縮器22には、空気が第1送風機22aにより送風される。凝縮器22は、この送風された空気に冷媒の熱を放熱させる。凝縮器22で放熱された冷媒は、減圧部23に供給される。減圧部23において冷媒は、固定絞りで減圧される。減圧部23で減圧された冷媒は、蒸発器24に提供される。
蒸発器24において冷媒は、第2送風機24aにより送風された空気を冷却する。これにより空気が冷風となって吹出用ダクト7(図4参照)に供給される。蒸発器24で冷却された冷媒は、圧縮機21に提供される。
このように冷媒が冷凍サイクル装置20aを循環しつつ、第2送風機24aにより送風された空気が冷却されて冷風が吹出用ダクト7に供給される。なお、第2送風機24aは、吸込用ダクト9a通じてシート1前方の空気を吸い込み、この空気を蒸発器24及び後述の加熱装置25に向けて送風し、蒸発器24及び後述の加熱装置25を通過した空気を吹出用ダクト7に供給する。
加熱装置25は、PTCヒータ、熱線式ヒータ等からなる電気ヒータであり、第2送風機24aにより送風された空気を加熱する。これにより、空気が温風となって吹出用ダクト7に向けて供給される。
なお、冷房も暖房をしない送風時には、空調ユニット20は、冷凍サイクル装置20a及び加熱装置25をオフにしつつ、空気を吹出用ダクト7に送風して、シート1の吹出口2−6から吹き出させる。冷房時、暖房時、及び冷房も暖房をしない送風時を含めて、空調ユニット20から吹出用ダクト7に送風される空気を、空調空気を呼ぶ。
以上のようにシート1ごとに設けられた空調ユニット20は、図3に示すように、シート別に、シート1の吹出用ダクト7に空調空気を送風して、この空調空気を、吹出口2〜6から、シート1に着座している乗員に向けて吹き出す。その結果、吹出口2〜6から吹き出された空気によって、図2の破線で示すように、シート1に着座している乗員を包み込むような空調空気の流れが発生する。このシート1ごとに発生する空調空気の流れの範囲を、本明細書では包込空調空間400と呼ぶ(図2参照)。包込空調空間400は、シート1ごとに形成される。
空調ユニット20は、シート側制御部11の制御の下で、包込空調空間400の温度が設定温度に保たれるように、吹出口2−6から吹き出される空調空気の温度及び吹出風量を調整する。この制御は、乗員により設定される設定温度と、温度センサ(図示なし)により検出される包込空調空間400の温度等に基づいて行われる。その結果、各シート1の包込空調空間400の温度は、各シート1の設定温度が異なると、シート1ごとに異なる。
以上のようにシート1及び空調ユニット20は、シート別に、このシート1に着座している乗員を、設定温度を有する空調空気で包み込むように構成される。なお、乗員を空調空気で包み込む空調を、包み込み空調とも呼ぶ。
また、各シート1には、図3に示すように、乗員の足元から空気を吸い込み可能な吸込口9が設けられている。吸込口9からの空気吸い込みにより、シート別の空調空気の流れである包込空調空間400が他のシート1に着座している乗員に達することを制限している。さらに、吸込口9からの空気吸い込みにより、包込空調空間400に含まれる後述の不快臭及び芳香が、他の乗員によって嗅がれることを制限している。
<芳香装置30の構成>
芳香装置30は、図5に示すように、第1芳香剤31と、第2芳香剤33と、備える。第1芳香剤31と第2芳香剤33とは、異なる芳香成分を含む。以下の説明では、第1芳香剤31による芳香を第1芳香と呼び、第2芳香剤33による芳香を第2芳香と呼ぶ。
芳香装置30は、図2に示すようにシート1ごとに設けられる。芳香装置30は、そのシート1の包込空調空間400を第1芳香又は第2芳香で香り付ける。
芳香装置30は、例えば、頭部吹出口2及び上半身側部吹出口3に空調空気を導く第1吹出用ダクト7aに設けられる(図4参照)。芳香装置30は、第1吹出用ダクト7aを流れる空調空気に第1芳香又は第2芳香を放出する。これにより、第1芳香又は第2芳香が添加された空調空気が、頭部吹出口2及び上半身側部吹出口3から吹き出し、包込空調空間400を香り付ける。
本実施形態の芳香装置30は、第1芳香及び第2芳香から選択的に芳香を放出する機能に加えて、各種類の芳香について芳香の強さを調節可能である。この機能を実現するために、例えば次の構成を採用できる。
図7に示すように、芳香装置30は、第1芳香剤31と、第1容器32と、第2芳香剤33と、第2容器34と、保持部材35と、カバー36と、アクチュエータ39と、を備える。
第1芳香剤31は、第1芳香成分を含む芳香ビーズ等からなる。第1芳香剤31は、例えば男性向けのウッディ系の芳香で、空気を香り付ける。第1容器32は、一端に第1容器開口32Aを有する有底筒状であり、第1芳香剤31を収容している。
第2芳香剤33は、第2芳香成分を含む芳香ビーズ等からなる。第2芳香剤33は、例えば女性向けのフローラル系の芳香で、空気を香り付ける。第2容器34は、第1容器32と同様に、一端に第2容器開口33Aを有する有底筒状であり、第2芳香剤33を収容している。
保持部材35は、第1容器32と第2容器34とを着脱可能に保持する。説明の便宜上、第1容器32及び第2容器34が保持部材35に保持された状態における各容器の底から容器開口に向かう方向を、+z方向と定義する(図7参照)。
カバー36は、第1容器開口32A及び第2容器開口33Aの各々を、開閉する可動部材である。詳しくは、カバー36は、アクチュエータ39により、z軸と垂直なx軸方向に変位することにより、第1容器開口32A及び第2容器開口33Aの各々を開閉する。カバー36は、第1容器開口32Aと略同じ形及び大きさの第1芳香放出孔37と、第2容器開口33Aと略同じ形及び大きさの第2芳香放出孔38と、を有する。
カバー36は、図7に示す芳香放出禁止位置に位置する場合、第1容器開口32A及び第2容器開口33Aを閉塞することにより、第1吹出用ダクト7a内の空気への第1芳香成分及び第2芳香成分の放出を禁止する。カバー36が芳香放出禁止位置に位置する場合、第1芳香放出孔37は第1容器開口32Aよりも−x方向に位置し、第2芳香放出孔38は第2容器開口33Aよりも+x方向に位置する。
図8に示すように、カバー36は、芳香放出禁止位置から+x方向に変位させられて第1芳香放出位置になると、第1芳香放出孔37を通じた第1芳香成分の第1吹出用ダクト7a内の空気への放出を許容する。第1芳香放出位置とは、第1芳香放出孔37が第1容器開口32Aに重なる位置である。
第1芳香放出位置において、第1芳香放出孔37と第1容器開口32Aとの重なりの大きさを、カバー36のx方向に変位量により調整することで、第1吹出用ダクト7a内の空気に放出される第1芳香成分の量が調整される。これにより、包込空調空間400に香り付けされる第1芳香の強さが調整される。
また図示しないが、カバー36は、芳香放出禁止位置から−x方向に変位させられ第2芳香放出位置になると、第2芳香放出孔38を通じた第2芳香成分の第1吹出用ダクト7a内の空気への放出を許容する。
第2芳香放出位置において、第2芳香放出孔38と第2容器開口33Aとの重なりの大きさを、カバー36のx方向に変位量により調整することで、第2芳香放出孔38を通じて放出される第2芳香成分の量が調整される。これにより、包込空調空間400に香り付けされる第2芳香の強さが調整される。
アクチュエータ39は、シート側制御部11の制御の下で、上記のようにカバー36をx方向に変位させることで、第1吹出用ダクト7a内の空気に放出される芳香の種類及び芳香の強さを調整する。これは見方を変えると、ECU10は、アクチュエータ39を制御することで、カバー36のx方向変位量を調整して、第1吹出用ダクト7a内の空気ひいては包込空調空間400内の芳香の種類及び芳香の強さを調整する。
<臭い検出装置40の構成>
図5の説明に戻る。臭い検出装置40は、シート1ごとに設けられる。臭い検出装置40は、シート1の包込空調空間400の空気に含まれる、不快臭の強さと、第1芳香の強さと、第2芳香の強さと、検出する。臭い検出装置40は、例えばアームレスト1dに設けられる。
臭い検出装置40は、包込空調空間400の空気に含まれる、乗員にとって不快な臭い成分の濃度と、第1芳香成分の濃度と、第2芳香成分の濃度と、を検出するための複数のガスセンサを備える。複数のガスセンサは、各成分の濃度に応じた検出信号をECU10に出力する。乗員にとって不快な臭い成分とは、例えば、シート1に付着している人間の汗或いは直接乗員から揮発した体臭成分や、たばこ臭成分などである。
これら複数のガスセンサからの検出信号に基づいて、ECU10により、不快臭検出レベルと、第1芳香検出レベルと、第2芳香検出レベルと、が検出される。不快臭検出レベルは、包込空調空間400における不快臭の強さを示す指標であり、不快臭が強いほど高レベルである。同様に芳香検出レベルは、包込空調空間400における芳香の強さを示す指標であり、芳香が強いほど高レベルである。
臭い検出装置40を構成する複数のガスセンサは、例えば複数の水晶振動子ガスセンサ或いは複数の半導体ガスセンサによって構成することができる。
臭い検出装置40は、さらに、シート1に着座している乗員が男性であるか女性であるかを検出するための臭い成分を検出する複数のガスセンサを備える。これら複数のガスセンサからの検出信号のパターンから、乗員の性別がECU10によって判定される。
<シート側HMI50の構成>
シート側HMI50は、シート1ごとに設けられ、そのシート1に着座している乗員の要求等をシート空調装置200に伝達する。さらにシート側HMI50は、シート空調装置200の作動状態等を乗員に対して例えば表示等により伝達する。シート側HMI50は、シート1に着座している乗員の手が届く位置、例えばアームレスト1dに設けられる。なお、HMIは、ヒューマンマシンインターフェイスの略称である。
シート側HMI50は、乗員が希望する空調の設定温度、芳香装置30の芳香放出のオンオフ等、を入力するための操作部を備える。シート側HMI50は、現在の設定温度、芳香装置30の芳香放出のオンオフ等を乗員に表示するための表示部をさらに備える。
<携帯端末300の構成>
携帯端末300は、通信機能とHMI機能とを有する端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、ウェアブルデバイス等である。携帯端末300は、図5に示すように、携帯側制御部301と、携帯側HMI302と、携帯側通信部303と、を備える。
携帯側制御部301は、携帯側HMI302及び携帯側通信部303を制御すると共に、各種アプリケーションを実行する。ここで言うアプリケーションとは、ダウンロード等により外部から提供されて携帯端末300にインストールされたアプリケーションを含む。
携帯側HMI302は、携帯端末300と乗員との間のHMIとして機能する。具体的には携帯側HMI302は、乗員に操作される操作部と、乗員に情報を表示する表示部と、を備える。
携帯側通信部303は、ECU10のシート側通信部13との間で、有線通信或いは無線通信を行う機能を有する。携帯側通信部303は、さらにインターネット通信を行う機能を有してもよい。携帯側通信部303は、サーバ等を経由してシート側通信部13と通信可能な構成であってもよい。
携帯端末300は、アプリケーションの一つとして、シート空調用アプリを導入可能である。シート空調用アプリは、携帯側通信部303とシート側通信部13との間の通信接続が確立されている場合に、携帯端末300をシート空調装置200の作動を制御するリモコンとして機能させる。
シート空調用アプリは、携帯側HMI302に入力されたシート空調装置200に対する乗員の指示等をシート空調装置200に伝達させる。シート空調装置200に対する乗員の指示とは、例えば、乗員が希望する空調の設定温度、芳香装置30の芳香放出のオンオフ、乗員が希望する包込空調空間400内の芳香の種類及び強さ等である。
シート空調用アプリは、シート空調装置200の作動状態等を携帯側HMI302から乗員に表示させる。表示されるシート空調装置200の作動状態とは、乗員が希望する空調の設定温度、芳香装置30の芳香放出のオンオフ、包込空調空間400内の芳香の種類及び強さ等である。
<シート側制御部11の機能>
次に、ECU10のシート側制御部11の機能を説明する。
シート側制御部11は、例えば車両がイグニションオン状態になると、空調ユニット20、芳香装置30、臭い検出装置40、及びシート側HMI50の電源をオンにし、これらの作動を開始させる。
シート側制御部11は、車両がイグニションオン状態になった後、シート1に乗員が着座した判定するまでは、芳香装置30からの芳香放出を禁止すると共に、設定温度を初期温度に設定して通常モードで空調ユニット20を作動させる。
通常モードの空調ユニット20は、包込空調空間400の温度が設定温度に保たれるように、吹出口2−6からの吹き出し空気の温度及び風量を調整する。
初期温度は、快適と推定される温度であり、外気温等に基づいて設定される。初期温度は、すべてのシート1の空調ユニット20に対して同じ温度が設定される。このように乗員がシート1に着座する前に、包込空調空間400の温度を初期温度とすることで、乗員に対して着座直後から快適な温度環境を提供する。
なお、シート1がバスや電車等の指定席である場合、シート空調用アプリを用いて乗員が搭乗前に予め希望する初期温度をサーバ等に登録してもよい。この場合、シート側制御部11は、シート側通信部13を通じてサーバ等と通信して、乗員が希望する初期温度を取得して、この初期温度を設定温度として事前に空調ユニット20による空調を行ってもよい。
なお、シート1に乗員が着座したか否かの着座判定の方法としては、様々な方法が採用できる。例えば、シート側制御部11は、シート1に設けられた着座センサの出力に基づいて、着座判定を行っていてもよい。或いは、車両が指定席バスである場合、搭乗位置を示す指定席の予約状況と車両の現在位置等に基づいて、各シート1の着座を推定により判定してもよい。
シート側制御部11は、シート1に乗員が着座した判定すると、図9に示すシート別芳香制御処理のフローに従って芳香装置30により包込空調空間400の香り付けを行う。このとき設定温度が乗員により再設定されると、包込空調空間400の温度が再設定された設定温度となるように空調ユニット20が作動する。
以下、図9を参照して、シート別芳香制御処理を説明する。
<シート別芳香制御処理>
S110でシート側制御部11は、シート1に着座している乗員が男性であるか女性であるかの性別判定を実行する。性別判定の方法としては、様々な方法が採用できる。
例えばシート側制御部11は、臭い検出装置40の説明で記載したように、臭い検出装置40により検出した乗員の臭いに基づいて、性別判定を実行してもよい。
或いは、シート側制御部11は、乗員に対して性別の入力を促す旨をシート側HMI50に表示させて、シート側HMI50への性別入力を取得してもよい。或いは、シート1のシート側通信部13と乗員の携帯端末300との間に有線又は無線の通信接続が確立しており、且つ、携帯端末300でシート空調用アプリが起動中の場合、携帯側HMI302を通じて性別入力を促し取得してもよい。
S120でシート側制御部11は、S110の性別判定の結果と、図9に示す芳香種類選択マップと、に基づいて、芳香装置30に放出させる芳香の種類を決定する。
具体的にはシート側制御部11は、乗員が男性であると判定した場合、第1芳香を芳香装置30から放出させると決定する。乗員が女性であると判定した場合、第2芳香を芳香装置30から放出させると決定する。
S130でシート側制御部11は、芳香装置30により検出された包込空調空間400の不快臭の強さと、図11に示す芳香強さ調節マップと、に基づいて、包込空調空間400の芳香の強さの目標値としての目標芳香レベルを決定する。
具体的には、図10に示すように、シート側制御部11は、芳香装置30により検出された不快臭の強さを示す不快臭検出レベルが大きいほど、目標芳香レベルを大きく決定する。各不快臭レベルが示す不快臭の強さ及び各目標芳香レベルが示す芳香の強さは、不快臭による乗員の不快感を芳香で改善する観点から、男女別、芳香の種類別に予め実験等により定められる。
S140でシート側制御部11は、S120で決定した種類の芳香を芳香装置30から放出させる芳香放出を開始する。具体的には、シート側制御部11は、芳香装置30のアクチュエータ39を制御してカバー36を変位させることにより、芳香剤31、33から決定した種類の芳香を第1吹出用ダクト7a内に放出させる。このときシート側制御部11は、芳香剤31、33の容器開口32A、33Aとカバー36の芳香放出孔37、38との重なりの大きさが最大となるようにアクチュエータ39を制御する。これにより、芳香剤から第1吹出用ダクト7a内に放出される芳香成分の量を最大とさせる。
さらにS140でシート側制御部11は、空調ユニット20の作動モードを強吹出モードにして空調ユニット20を作動させる。強吹出モードでは、空調ユニット20は、最大の吹出風量で吹出口2−6から、芳香を含む空調空気を吹き出させる。この最大風量の吹き出しと、容器開口32A、33Aと芳香放出孔37、38との最大の重なりと、により、包込空調空間400の芳香の強さが早期に目標芳香レベルに達するようにしている。
S150でシート側制御部11は、S120で決定した芳香種類について芳香検出レベルが目標芳香レベルに達したか否かを判定する。S160で否定判定がなされた場合、S160を繰り返す。S160で肯定判定がなされた場合、S170に進む。
S160でシート側制御部11は、通常モードで空調ユニット20を作動させる。この結果、吹出風量は強吹出モード時の最大風量よりも小さくなる。
またS160でシート側制御部11は、S120で決定した種類の芳香について芳香検出レベルが目標芳香レベルに保たれるように、芳香装置30から放出される芳香成分の量を調整する。具体的には、芳香検出レベルと目標芳香レベルとの偏差が小さくなるように、アクチュエータ39を制御する。
S170でシート側制御部11は、芳香検出レベルが隣席影響レベル以上であるか否かを判定する。隣席影響レベルとは、シート1の包込空調空間400の芳香の強さを示す指標であって、包込空調空間400から拡散して隣のシート1の乗員に達する芳香がこの乗員の快適性に悪影響を与える指標として定義できる。隣席影響レベルは、芳香種類別に、予め実験等により定められる。
S170で肯定判定がなされると、S180に進む。S170で否定判定がなされると、S190に進む。
S180でシート側制御部11は、空調ユニット20の作動モードを強吸込モードにして空調ユニット20を作動させる。強吸込モードでは、空調ユニット20は、包込空調空間400の空気を吸込口9から最大の強さで吸い込む。これにより、包込空調空間400に含まれる芳香が、隣席を含む近くのシート1に着座している乗員によって嗅がれることを制限する。
S190でシート側制御部11は、吸込口9からの吸い込み強さが強吸込モードよりも小さい通常モードで空調ユニット20を作動させる。
S200でシート側制御部11は、芳香検出レベルが目標芳香レベルに保たれるように、芳香装置30が放出する芳香成分の量を制御する。例えばシート側制御部11は、芳香検出レベルが目標芳香レベルに近づくようにフィードバック制御する。具体的にはシート側制御部11は、芳香検出レベルが目標芳香レベルよりも大きい場合、芳香剤から放出される芳香成分の量が小さくなるようにアクチュエータ39を制御する。反対に芳香検出レベルが目標芳香レベルよりも小さい場合、芳香剤から放出される芳香成分の量が大きくなるようにアクチュエータ39を制御する。
S200のフィードバック制御は、シート1に着座している乗員が降車したと判定されるまで続けられる。シート側制御部11は、シート1に着座している乗員が降車したと判定した場合、シート別芳香制御処理を終了する。なお、シート1に着座している乗員が降車したか否かの降車判定は、例えば、着座センサによる着座が所定時間以上検出されなかった等、様々な方法により実行することができる。
<作用効果>
以上の第1実施形態の構成では、シート空調システム100は、シート空調用のシート1を複数備える車両に適用され、シート1ごとに設置可能なシート空調装置200を備える。各シート空調装置200は、空調ユニット20と、シート側制御部11と、を備える。
空調ユニット20は、シート1ごとに設けられた吹出口2−6から空調空気を吹き出させて、このシート1に着座している乗員を空調空気で包み込むシート空調を行う。
シート側制御部11は、空調空気へ異なる種類の芳香を供給可能な芳香装置30に放出させる芳香の種類を、シート1に着座している乗員情報に基づいて決定する。シート側制御部11は、この決定した種類の芳香を芳香装置30に放出させる。
この構成によれば、シート1ごとに設けられた吹出口2−6から吹き出されてこのシート1に着座している乗員を包み込む空調空気に、異なる種類の芳香を含ませることができる。よって、各シート1ひいては各シート1に着座している各乗員に対して個別に異なる芳香を提供可能となる。
さらに、シート側制御部11は、シート1に着座している乗員情報に基づいて、芳香装置30から供給されて空調空気に含ませる芳香の種類を決定し、この決定した種類の芳香を芳香装置30に放出させる。よって、各シート1ひいては各シート1に着座している各乗員に対して適切な芳香を提供可能となる。
また、以上の第1実施形態では、乗員情報とは、シート1に着座している乗員の性別であり、シート側制御部11は、乗員の性別に応じて芳香装置30に異なる種類の芳香を放出させる。乗員の性別判定は、例えばシート1ごとに設けられた臭い検出装置40により検出された乗員の臭いに基づいて行ってもよい。
なお、乗員情報として、例えば乗員が大人であるか子供であるかの情報を用いてもよい。この場合、シート1に着座している乗員が大人か子供かに応じて、シート側制御部11は、予め定めた大人用芳香或いは子供用芳香を芳香装置30から放出させればよい。乗員が大人であるか子供であるかの判定は、例えばシート1ごとに設けられた荷重センサの検出値に基づいて判定すればよい。
また、以上の第1実施形態では、芳香装置30は、各種類の芳香について放出する芳香の強さを調整可能である。シート側制御部11は、シート1に着座している乗員を包み込んでいる空調空気に含まれている芳香の種類及び強さ並びに不快臭の強さを、臭い検出装置40から取得可能である。
シート側制御部11は、臭い検出装置40により検出された不快臭の強さを示す不快臭レベルが大きいほど、乗員を包み込む空調空気に含ませる芳香の強さを示す目標芳香レベルとして大きな目標芳香レベルを決定する。
そしてシート側制御部11は、臭い検出装置40により検出される芳香の強さを示す芳香検出レベルが目標芳香レベルとなるように、芳香装置30に放出させる芳香の強さを制御する。
この構成によれば、臭い検出装置40により検出された不快臭が強いほど、即ち、乗員が嗅ぐ不快臭が強いほど、乗員を包み込む空調空気に含ませる芳香が強くなる。これより、乗員が嗅ぐ不快臭を芳香によりマスキング或いは低減できるために、乗員の快適性を高めることができる。
また、芳香検出レベルが目標芳香レベルとなるように制御されるので、芳香に強さを適切な強さに制御することができる。これにより、各乗員に対して適切な芳香環境を提供できる。
また、以上の第1実施形態では、シート側制御部11は、芳香装置30に芳香の放出を開始させてから芳香検出レベルが目標芳香レベルに達したと判定するまで、空調ユニット20を強吹出モードで作動させて吹出口2−6からの吹き出し空気風量を強風量にする。その後、芳香検出レベルが目標芳香レベルに達したと判定すると、シート側制御部11は、空調ユニット20を通常モードで作動させて、吹き出し空気風量を強風量よりも小さくさせる。
この構成によれば、乗員を包み込む空調空気に含まれる芳香の強さを、早期に目標芳香レベルまで高めることができる。
また、以上の第1実施形態では、シート1ごとに、乗員を包み込む空調空気を吸い込む吸込口9が設けられている。シート側制御部11は、シート1の包込空調空間400の芳香の強さが、隣のシート1の乗員にまで影響を及ぼすと推定される隣席影響強さ以上であると判定した場合、芳香の強さが隣席影響強さより小さい場合と比べて空調空気を吸込口9から強く吸い込ませる。
この構成によれば、シート1の乗員に対して提供される芳香が隣のシート1の乗員に対しても提供されてしまうことを制限できる。シート別に異なる芳香を、より適切に提供可能となる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態のシート空調システム100を説明する。第2実施形態は、シート別芳香制御処理の一部が第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態を第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図12に第2実施形態のシート別芳香制御処理を示す。図12において、図9の第1実施形態のフローと同じ内容のステップには同じ参照符号が付されている。よって、図12のS110〜S130は第1実施形態のS110〜S130と同内容である。
図12に示すように第2実施形態のシート側制御部11は、S130の後でS310を実行する。S310でシート側制御部11は、S130で決定した芳香目標レベルが隣席影響レベル以上であるか否かを判定する。
S310で肯定判定がなされるとS140に進む。S140でシート側制御部11は、空調ユニット20の作動モードを強吹出モードにして空調ユニット20を作動させて、S120で決定した種類の芳香を芳香装置30から放出させる芳香放出を開始する。
S170でシート側制御部11は、芳香検出レベルが隣席影響レベル以上になったか否かを判定する。シート側制御部11は、S170で肯定判定がなされるまでS170を繰り返し、S170で肯定判定がなされるとS180に進む。なお、S170は、S310で目標芳香レベルが隣席影響レベル以上であると判定された場合に進むステップである。このため、S140で芳香装置30による芳香放出を開始してからS170の判定が繰り返されている間に芳香検出レベルは隣席影響レベルに達し、S170で肯定判定がなされ、処理はS180に進む。
S180でシート側制御部11は、吸込口9を通じた空調ユニット20による空気吸込み強さを最大の強さにする。これにより、大きな吹出風量で吹出口2〜6から芳香を含む空調空気が吹き出されている場合に、この空調空気に含まれる芳香が隣席を含む近くのシート1に着座している乗員によって嗅がれることを制限する。
S180の次に実行されるS150でシート側制御部11は、芳香検出レベルが目標検出レベルに達した否かを判定する。シート側制御部11は、S150で肯定判定がなされるまでS150を繰り返し、S150で肯定判定がなされるとS160に進む。S160でシート側制御部11は、通常モードで空調ユニット20を作動させる。この結果、吹出風量は、強吹出モード時の最大風量よりも小さくなる。
一方、S310で否定判定がなされるとS320に進む。S320でシート側制御部11は、吹出風量が最大風量よりも小さくなるように、空調ユニット20の作動モードを通常モードにして空調ユニット20を作動させつつ、S120で決定した種類の芳香を芳香装置30から放出させる芳香放出を開始する。その後、S200に進み、でシート側制御部11は、芳香検出レベルが目標芳香レベルに保たれるように、芳香装置30が放出する芳香成分の量をフィードバック制御する。
以上の第2実施形態では、シート側制御部11は、目標芳香レベルが隣席影響レベル以上であると判定した場合には、芳香装置30による芳香放出開始から芳香検出レベルが目標芳香レベルに達したと判定するまで、空調ユニット20を強吹出モードで作動させる。そして、芳香検出レベルが目標芳香レベルに達したと判定したら、空調ユニット20を通常モードで作動させる。
一方、シート側制御部11は、目標芳香レベルが隣席影響レベルよりも小さいと判定した場合、芳香検出レベルが目標芳香レベルに達しているか否かによらず、芳香装置30の芳香放出開始時から空調ユニット20を通常モードで作動させる。
この構成によれば、目標芳香レベルが隣席影響レベルよりも小さい場合、即ち、目標芳香レベルが隣席影響レベルよりも大きい場合と比べて、吹き出し空気風量を大きくしないでも乗員が嗅ぐ芳香の強さを早期に引き上げられる場合に、吹き出し音を低減できる。
また、以上の第2実施形態では、シート側制御部11は、目標芳香レベルが隣席影響レベル以上であると判定して空調ユニット20を強吹出モードで作動させている場合に、芳香検出レベルが隣席影響レベル以上になった否かを判定する。この場合に芳香検出レベルが隣席影響レベル以上になったと判定するとシート側制御部11は、芳香検出レベルが隣席影響レベルより小さい場合と比べて空調空気を吸込口9から強く吸い込ませる。
この構成によれば、芳香を含む空調空気が大きな吹出風量で吹き出されており且つ芳香検出レベルが隣席影響レベル以上である状況において、この芳香が隣のシート1に着座している乗員によって嗅がれることを制限できる。
(他の実施形態)
以上、様々な実施形態を例示したが、各実施形態は様々に変形及び拡張できる。
上記実施形態では、シート空調システム100が適用される車両のシートすべてが、シート空調用のシート1である例を示した。しかし、シート空調システム100が適用される車両は、全てのシートがシート空調用のシート1ある車両に限定されない。
シート空調システム100は、シート空調用のシート1を少なくとも2以上備える車両に適用可能である。例えば、複数のシート空調用のシート1に加えて、シート空調用のシート1ではない補助席を備えたバスや電車等の車両に、シート空調システム100を適用可能である。この場合、シート空調システム100は、複数のシート空調用のシート1に着座している各乗員に対して、個別に、異なる芳香を提供可能となる。
上記実施形態では、シート空調用のシート1として、空調空気の吹出口2−6を備えるシートを例示した。しかし、シート空調用のシート1は、このシート1に着座している乗員に対して乗員を包み込む空調空気が提供されるシート1ならばシート1の構造は上記例に限定されない。例えば、例えば吹出口がシート1の上方の車室内壁に設けられており、この吹出口からこのシート1に着座している乗員に向けて空調空気が吹き出されることになるシート1も、シート空調用のシート1である。
また、以上の実施形態では、シート空調システム100が乗用車、バス、電車等の車両に適用された例を示した。しかし、シート空調システム100の適用先は、車両に限定されない。シート空調システム100は、複数のシート1を収容する空間が形成される物或いはシステムに適用可能である。例えば、シート空調システム100は、飛行機にも適用可能である。
上記実施形態では、吸込口9はシート1の台座1eに設けられていた。しかし吸込口9は、このシート1の乗員を包む込む空調空気を吸い込み可能ならば、他の位置に設けてもよい。例えば吸込口を、シート1の着座部1bに設けてもよい。
上記実施形態では、空調ユニット20は、冷房機能及び暖房機能を有した。しかし空調ユニット20は、冷房機能及び暖房機能の何れか一方を有する構成でもよい。或いは空調ユニット20は、冷暖房機能を有さず、吹出口から送風する機能を有する構成でもよい。
上記実施形態では、芳香装置30は、2つの芳香剤31、33を備え、カバー36の変位により選択的に異なる芳香を放出可能な構成を有した。
しかし芳香装置30は、異なる芳香を選択的に放出可能ならば、如何なる構成でもよい。例えば芳香装置30は、3つ以上の芳香剤を有する構成でもよい。芳香装置30は、各芳香剤を収容する容器ごとに、容器開口を開閉する電磁弁を備えてもよい。
上記実施形態では、芳香装置30は第1吹出用ダクト7aに設けられていた。しかし、芳香装置30を他の位置に設けてもよい。例えば芳香装置30をアームレスト1dに設けてもよいし、吸込用ダクト9aに設けてもよい。芳香装置30から放出された芳香が、シート1ごとに、最終的に乗員を包み込む空調空気へ供給されるならば、芳香装置30を如何なる位置に設けてもよい。
上記実施形態では、シート別芳香制御理を含むシート空調装置200ごとの各種制御が、シート1ごとに設けられたECU10のシート側制御部11により実行された。
しかし、シート別芳香制御理を含むシート空調装置200ごとの各種制御を実行する機能ブロックとしてのシート側制御部11は、何れかの場所に、各シート空調装置200の構成として設ければよい。
例えば車両に設けられた一つのECU或いは車外のサーバが、その車両の全てのシート空調装置200について、シート別芳香制御理を含む各種制御を実行するように構成してもよい。また、シート空調装置200ごとの構成ブロックとしてのシート側制御部11は、一のハードウェアの機能として具現化されてもよいし、複数のハードウェアからなる分散システムの機能として具現化されてもよい。
シート1に着座している乗員を包み込む空調空気に含ませる芳香の種類及び強さを、この乗員が選択可能な構成としてもよい。例えば、シート側制御部11は、シート側HMI50又は携帯側HMI302を通じて、空調空気に含ませる芳香の種類及び強さについての乗員指示を受け付けてもよい。そして、乗員を包み込む空調空気に含まれる芳香が乗員指示の強さとなるように、乗員指示の芳香を芳香装置30に放出させてもよい。
この場合、シート側制御部11は、シート側HMI50又は携帯側HMI302を通じて、乗員に対して、臭い検出装置40により検出された乗員を包み込む空調空気に含まれる芳香の種類及び強さを表示させると好適である。このようにすると、乗員は、現在嗅いでいる芳香の種類及び強さとの対比で、好みの芳香の種類及び強さを選択可能となる。
また、シート1がバスや電車等の指定席である場合、シート空調用アプリを用いて乗員が搭乗前に予め希望する芳香の種類及び強さをサーバ等に登録してもよい。この場合、シート側制御部11は、シート側通信部13を通じてサーバ等と通信して、乗員が希望する芳香の種類及び強さを取得できる。そして、乗員の搭乗前に、この芳香の種類及び強さで包込空調空間400を予め香り付けてもよい。
1…シート、2…吹出口、3…吹出口、4…吹出口、5…吹出口、6…吹出口、9…吸込口、10…ECU、11…シート側制御部(制御部)、20…空調ユニット、30…芳香装置、40…臭い検出装置

Claims (8)

  1. シート(1)ごとに設置可能なシート空調装置であって、
    前記シートごとに設けられた吹出口(2、3、4、5、6)から空調空気を吹き出させて、当該シートに着座している乗員を当該空調空気で包み込むシート空調を行う空調ユニット(20)と、
    前記空調空気へ異なる種類の芳香を供給可能な芳香装置(30)に放出させる芳香の種類を、当該シートに着座している乗員情報に基づいて決定し、当該決定した種類の芳香を前記芳香装置に放出させる制御部(11)と、
    を備えるシート空調装置。
  2. 前記制御部は、前記シートごとに設けられた臭い検出装置(40)により検出された前記乗員の臭いを前記乗員情報として用いて、前記芳香装置に放出させる芳香の種類を決定する、請求項1に記載のシート空調装置。
  3. 前記制御部は、前記臭い検出装置により検出された前記乗員の臭いに基づいて、前記乗員が男性か女性であるかを判定する性別判定を実行し、前記性別判定の判定結果に応じて、前記芳香装置に放出させる芳香の種類を決定する請求項2に記載のシート空調装置。
  4. 前記芳香装置は、各種類の芳香について放出する芳香の強さを調整可能であり、
    前記制御部は、前記シートに着座している乗員を包み込んでいる前記空調空気に含まれている前記芳香の種類及び強さ並びに不快臭の強さを、当該シートごとに設けられた臭い検出装置(40)から取得可能であり、
    前記制御部は、前記不快臭の強さを示す不快臭レベルが大きいほど、前記乗員を包み込む空調空気に含ませる前記芳香の強さの目標値を示す目標芳香レベルとして大きな目標芳香レベルを決定し、
    前記制御部は、前記臭い検出装置により検出される前記芳香の強さを示す芳香検出レベルが前記目標芳香レベルとなるように、前記芳香装置に放出させる前記芳香の強さを制御する、請求項1ないし3何れか一項に記載のシート空調装置。
  5. 前記制御部は、
    前記芳香装置に前記芳香の放出を開始させてから、前記芳香検出レベルが前記目標芳香レベルに達したと判定するまで、前記空調ユニットを強吹出モードで作動させて、前記吹出口からの吹き出し空気風量を強風量にし、
    前記芳香検出レベルが前記目標芳香レベルに達したと判定すると、前記空調ユニットを通常モードで作動させて、前記吹き出し空気風量を前記強風量よりも小さくさせる、請求項4に記載のシート空調装置。
  6. 前記シートごとに、前記乗員を包み込む前記空調空気を吸い込む吸込口(9)が設けられており、
    前記制御部は、前記芳香検出レベルが、隣のシートの乗員にまで影響を及ぼすと推定される隣席影響レベル以上である場合、当該芳香検出レベルが当該隣席影響レベルより小さい場合と比べて前記空調空気を前記吸込口から強く吸い込ませる、請求項4又は5に記載のシート空調装置。
  7. 前記制御部は、前記目標芳香レベルが前記隣席影響レベル以上であると判定した場合には、前記芳香装置に前記芳香の放出を開始させてから、前記芳香検出レベルが前記目標芳香レベルに達したと判定するまで、前記空調ユニットを強吹出モードで作動させる一方、前記目標芳香レベルが前記隣席影響レベルよりも小さいと判定した場合、前記芳香検出レベルが前記目標芳香レベルに達しているか否かによらず、前記芳香装置の芳香放出開始時から前記空調ユニットを通常モードで作動させる、請求項6に記載のシート空調装置。
  8. 前記制御部は、前記臭い検出装置(40)により検出された前記芳香の種類及び強さを表示部に表示させると共に、前記空調空気に含ませる芳香の種類及び強さについての乗員指示を受け付け、
    前記制御部は、受け付けた前記乗員指示に基づいて、前記芳香装置に放出させる芳香の種類及び強さを決定する、請求項4ないし7何れか一項に記載のシート空調装置。
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