JP2019156154A - シート空調装置及びシート空調制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】快適な空調環境をユーザに提供可能なシート空調装置等の実現。【解決手段】シート空調装置100は、複数のシート10が設置された車室空間において、自席となる特定シート10sの空調を行う。特定シート10sには、シート空調ユニット30によって空調風が供給される。シート空調ユニット30の作動は、特定シート10sについての空調の設定情報に基づいて制御される。こうした特定シート10sには、少なくとも一つの隣接シート10aが隣接している。シート空調ユニット30の作動は、隣接シート10aに空調風を供給する隣接空調装置100aの作動情報に基づき、調整される。【選択図】図1

Description

この明細書による開示は、シートの空調を行うシート空調装置等に関する。
従来、例えば特許文献1に開示の車両空調システムは、車室内空間を空調する主空調装置に加えて、各シートの空調を行う複数のシート空調装置を備えている。この車両空調システムにおいて、主空調ECUは、効率的な空調が実施されるように、主空調装置及び各シート空調装置の作動を集中的に制御する。
特許第5467499号公報
特許文献1の車両空調システムにおいて、主空調ECUは、全ての空調装置の作動状態を示す空調情報を把握したうえで、主空調装置及び各シート空調装置の作動を制御している。故に、車両空調システムは、大規模なシステム構成とならざるを得なかった。そのため、大規模な車両空調システムを構築しないで、例えばシート空調装置における個別の空調制御により、快適な空調環境をユーザに提供することが望まれていた。
本開示は、シートに着座したユーザに快適な空調環境を提供可能なシート空調装置及びシート空調制御装置の実現を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、複数のシート(10)が設置されたユーザ空間(PS)において、少なくとも一つの隣接シート(10a〜10c)に隣接した特定シート(10s)の空調を行うシート空調装置であって、特定シートに空調風を供給する空調機(30)と、特定シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、隣接シートを空調する隣接空調装置(100a〜100c)の作動情報を取得する隣接情報取得部(63a)と、設定情報に基づいて空調機の作動を制御し、隣接空調装置の作動情報に基づいて空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、を備えるシート空調装置とされる。
また開示された一つの態様は、複数のシート(10)が設置されたユーザ空間(PS)において、少なくとも一つの隣接シート(10a〜10c)に隣接した特定シート(10s)に空調風を供給する空調機(30)を制御するシート空調制御装置であって、特定シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、隣接シートを空調する隣接空調装置の作動情報を取得する隣接情報取得部(63a)と、設定情報に基づいて空調機の作動を制御し、隣接空調装置の作動情報に基づいて空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、を備えるシート空調制御装置とされる。
これらの態様では、隣接シートを空調する隣接空調装置の作動情報に基づき、特定シートに空調風を供給する空調機の作動が調整される。以上によれば、特定シートの空調環境は、隣接シートの空調環境による影響を考慮しつつ、設定情報に基づくように制御され得る。したがって、特定シートに着座したユーザへの快適な空調環境の提供が可能になる。
また開示された一つの態様は、ユーザが着座するシート(10)の空調を行うシート空調装置であって、シートに空調風を供給する空調機(30)と、シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、シートにおいてユーザに触れるシート表皮の材質情報を取得する表皮情報取得部(64)と、設定情報に基づいて空調機の作動を制御し、シート表皮の材質情報に基づいて空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、を備えるシート空調装置とされる。
また開示された一つの態様は、ユーザが着座するシート(10)に空調風を供給する空調機(30)を制御するシート空調制御装置であって、シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、シートにおいてユーザに触れるシート表皮の材質情報を取得する表皮情報取得部(64)と、設定情報に基づいて空調機の作動を制御し、シート表皮の材質情報に基づいて空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、を備えるシート空調制御装置とされる。
これらの態様では、シートにおいてユーザに触れるシート表皮の材質情報に基づき、シートに空調風を供給する空調機の作動が調整される。以上によれば、シートに着座したユーザの感じる空調環境は、シート表皮の材質の違いによる影響を受け難くなる。したがって、シートに着座したユーザへの快適な空調環境の提供が可能になる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第一実施形態によるシート空調装置に関連する構成を示すブロック図である。 車室空間における複数のシート及びシート空調装置の配置を示す図である。 各シートにおけるシート空調ユニットの配置を示す図である。 シート空調ユニットの具体的な構成を示す図である。 シート空調ECUにて実施される空調調整処理の詳細を示すフローチャートである。 シート空調ECUにて実施される初動調整処理の詳細を示すフローチャートである。 シート空調ECUにて実施されるインターバル調整処理の詳細を示すフローチャートである。 第二実施形態における初動調整処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本開示の第一実施形態によるシート空調装置100は、図2に示すような車両Aにおいて用いられる。車両Aの車室内の車室空間PSには、複数のシート10が所定の配列で設置されている。シート空調装置100は、図2及び図3に示すように、各シート10の座面部11の下方にそれぞれ設けられている。各シート10には、座面部11の下方に設けられたシート空調装置100から空調風が供給される。
シート10は、図3に示すように、骨格としてのシートフレームに、クッション材としてのウレタンフォーム等を組み合わせてなる構成である。シート10は、座面部11、背もたれ部13及びシート内ダクト15を備えている。座面部11は、ユーザの臀部及び大腿部等を支える構造部である。座面部11の表面には、シート表皮としての座面表皮12が張られている。背もたれ部13は、ユーザの上体を支える構造部である。背もたれ部13の表面には、シート表皮としての背もたれ表皮14が張られている。座面表皮12及び背もたれ表皮14には、空調風の吹出口として機能する多数の微細な貫通孔が形成されている。シート内ダクト15は、座面部11及び背もたれ部13の内部に配置されている。シート内ダクト15は、シート空調装置100と接続されており、座面表皮12及び背もたれ表皮14まで空調風を流通させる流通路となる。
シート空調装置100は、シート10毎に個別に設置されることで、車室空間PSに複数配置されている。各シート空調装置100は、実質的に同一の構成である。図1に示すように、各シート空調装置100は、車両Aに搭載された車載ネットワークの通信バス80と接続されている。シート空調装置100は、通信バス80を介して、他のシート空調装置100と相互に通信可能である。シート空調装置100は、シート空調ユニット30及びシート空調ECU60を備えている。
図1,図3及び図4に示すシート空調ユニット30は、車両電源から供給される電力を使用して空調作動を行う小型のHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)である。シート空調ユニット30は、個々のシート10に空調風を個別供給する作動により、シート10に着座したユーザの周囲に空調環境を形成する。シート空調ユニット30は、冷凍サイクル部40a、筐体50、送風機45、ヒータ46、エアミックスダンパ47及び温度センサ48等によって構成されている。
冷凍サイクル部40aは、循環させた冷媒の圧縮及び膨張を利用して、冷気及び暖気を生成する。冷凍サイクル部40aは、コンプレッサ41、膨張弁44、コンデンサ42及びエバポレータ43を有している。コンプレッサ41は、車両電源からの供給電力で動作し、冷媒を圧送する。膨張弁44は、冷媒を減圧する。コンデンサ42及びエバポレータ43は、扁平なチューブとチューブから突出する多数のフィン等とを有する熱交換器である。コンデンサ42のチューブには、コンプレッサ41の圧縮によって昇温した冷媒が流通する。エバポレータ43のチューブには、膨張弁44での減圧によって冷却された冷媒が流通する。
筐体50は、金属材料又は樹脂材料等により、全体として扁平な直方体状に形成されている。筐体50には、第一収容室51、第二収容室52、吸込口55、冷風吹出口53及び温風吹出口54等が設けられている。第一収容室51には、コンデンサ42、エバポレータ43及びヒータ46等が収容されている。第二収容室52には、コンプレッサ41及び膨張弁44等が収容されている。吸込口55は、筐体50の外部から第一収容室51への空気の流入を可能にする。吸込口55は、第一収容室51の天井面56の中央に開口している。冷風吹出口53は、第一収容室51の天井面56の隅部に二つ形成されている。冷風吹出口53は、エバポレータ43を挟んで吸込口55の反対側に位置している。温風吹出口54は、天井面56の隅部に二つ形成されている。温風吹出口54は、コンデンサ42を挟んで吸込口55の反対側に位置している。
送風機45は、車両電源からの供給電力によって回転するモータと、シロッコファン又はターボファン等とを有する構成である。送風機45は、ファンの回転によって空調風を生成する。送風機45は、吸込口55に収容されたファンをモータによって回転させ、車室内の空気を、第一収容室51に導入する。第一収容室51に吸い込まれた空気の一部は、エバポレータ43の通過によって冷却され、冷気として冷風吹出口53から排出される。一方、第一収容室51に吸い込まれた空気の他の一部は、コンデンサ42の通過によって昇温され、暖気として温風吹出口54から排出される。
ヒータ46は、PTCヒータ又は熱線式の電熱器であり、車両電源からの供給電力を熱に変換する。ヒータ46は、第一収容室51においてコンデンサ42よりも外側に配置されている。ヒータ46は、コンデンサ42を通過した暖気を加熱し、暖気の温度をさらに昇温させる。
エアミックスダンパ47は、冷風吹出口53及び温風吹出口54よりも下流側に設けられている。エアミックスダンパ47は、空調風における冷気及び暖気の混合割合を調整することにより、空調風としてシート内ダクト15(図3参照)に流通する空調風の温度を制御する。
温度センサ48は、シート空調ユニット30の作動状態を監視するための構成である。温度センサ48は、例えばエアミックスダンパ47の下流側に設けられており、シート10へ向けて供給される空調風の温度、例えば筐体50の吹出口の位置にて計測する。温度センサ48は、吹出口での空調風の温度(吹出し温度)の計測結果を示す温度信号を、シート空調ECU60へ向けて逐次出力する。
図1に示すシート空調ECU60は、シート空調ユニット30を制御する電子制御装置である。シート空調ECU60は、一例としてシート空調ユニット30の筐体50に収容されている(図3参照)。シート空調ECU60の制御回路は、プロセッサ、RAM及び入出力インターフェースを有するマイクロコントローラを主体に構成されている。制御回路には、メモリ装置69が接続されている。
メモリ装置69には、シート空調ユニット30を制御する空調制御プログラムに加えて、自席についての材質情報及びレイアウト情報等が格納されている。材質情報は、シート10におけるシート表皮の材質を示す情報である。レイアウト情報は、車室空間PSにおける多数のシート10の配置と、その中での自席の位置とを示す情報である。シート空調ECU60は、レイアウト情報を用いることにより、各シート空調装置100に割り当てられたID情報から、当該シート空調装置100の配置された他のシート10の相対位置、具体的には、他席の方向及び他席までの距離等を取得できる。
尚、以下の説明では、車室空間PSに設置された特定の一つのシート10を、特定シート10sとし、便宜的に「自席」と記載する。そして、特定シート10sの周囲に位置し、左右方向、前後方向及び斜め方向のそれぞれにて特定シート10sに隣接する他のシート10を、隣接シート10a〜10cとし、これら隣接シート10a〜10cのそれぞれを便宜的に「他席」と記載する。さらに、各隣接シート10a〜10cに設置された各シート空調装置100を、それぞれ隣接空調装置100a〜100cとする。
シート空調ECU60は、空調制御プログラムをプロセッサによって実行し、ユーザ通信部61、状態情報取得部62、車内通信部63、表皮情報取得部64及び空調制御部65等の機能ブロックを構築する。
ユーザ通信部61は、例えばBluetooth(登録商標)及びWi−Fi(登録商標)等の規格に準拠した無線通信により、ユーザ端末90(図3参照)との間にて情報を送受信可能である。ユーザ端末90は、スマートフォン等の携帯端末であって、シート10に着座するユーザに所持されている。ユーザ端末90は、空調設定用のアプリケーションプログラムの実行により、シート空調装置100を操作するためのインターフェースとして機能する。ユーザ端末90には、例えばユーザの所望する設定温度及び設定風量等の情報が入力される。ユーザ通信部61は、ユーザ操作に基づく設定温度及び設定風量等の値を、シート10についての空調の設定情報として、ユーザ端末90から取得する。
状態情報取得部62は、シート空調ECU60に接続されたシート空調ユニット30の状態を示す状態情報を取得する。状態情報には、温度センサ48にて計測された空調風の計測温度が少なくとも含まれる。
車内通信部63は、通信バス80と通信可能に接続されている。車内通信部63は、通信バス80に出力された情報を受信する受信部63a、及び通信バス80へ向けて情報を出力する出力部63bを有している。
受信部63aは、車両Aに生じる前後方向の加速度情報、並びに各隣接空調装置100a〜100cから出力される実施要求(後述する)及び作動情報等を、通信バス80との通信によって逐次取得する。作動情報には、他席のシート空調装置100(例えば各隣接空調装置100a〜100c)にてユーザ通信部61により取得される設定情報と、状態情報取得部62により取得される状態情報とが含まれる。受信部63aは、他席に供給される各空調風の計測温度を、他席のシート空調装置100の作動情報として少なくとも取得可能である。
出力部63bは、自機のユーザ通信部61にて取得される設定情報と、自機の状態情報取得部62により取得される状態情報とを、シート空調装置100の識別のためのID情報と共に通信バス80へ逐次出力する。加えて出力部63bは、自席へ向けた空気の移動を促すような空調作動の実施要求を、要求先となる他席のシート空調装置100を示すID情報と共に、通信バス80に出力する。これら設定情報、状態情報及び実施要求は、他席のシート空調装置100の各受信部63aにて逐次取得される。
表皮情報取得部64は、自席においてユーザに触れるシート表皮、即ち、座面表皮12及び背もたれ表皮14の材質情報を取得する。材質情報は、座面表皮12及び背もたれ表皮14が革材質か布材質かを示す情報である。革材質には、天然皮革及び人工皮革が含まれる。布材質には、ジャージ及びモケット等の織物、並びにトリコット等の編物が含まれる。一般的に、革材質は、布材質よりも質感に優れる一方で、通気性に劣る傾向にある。尚、表皮情報取得部64は、シート10に装着されたカバーの材質情報を取得してもよい。
空調制御部65は、ユーザ通信部61にて取得される設定情報に基づいて、シート空調ユニット30の作動を制御する。具体的に、空調制御部65は、設定温度及び設定風量に基づき、シート10に供給する空調風の温度及び風量を制御する。加えて空調制御部65は、他席のシート空調装置100から出力された作動情報及び実施要求と、表皮情報取得部64により取得される自席のシート表皮の材質情報等とに基づいて、シート空調ユニット30の空調作動を調整可能である。
以上のシート空調ECU60にて実施される空調作動の調整処理の詳細を、図5〜図7に基づき、図1及び図2に基づき説明する。
図5に示す空調調整処理は、車室空間PSのシートレイアウトと、一つの他席(例えば隣接シート10a)のシート空調ユニット30の作動状態に応じて、自席(特定シート10s)のシート空調ユニット30の運転を調整する処理である。こうした空調調整処理によれば、多数のシート空調ユニット30を統合的に制御しなくても、個々のシート空調ECU60は、他席のシート空調ユニット30の空調作動の状態を鑑みて、自席のシート空調ユニット30を作動させることができる。空調調整処理は、自席のシート空調がオン状態へと切り替えられたことに基づき、シート空調ECU60によって開始される。
S101では、自席の設定温度及び計測温度と、他席における計測温度とを取得し、S102に進む。S102では、S101にて取得した自席の空調風の計測温度と、他席の空調風の計測温度とを比較する。S102にて、他席の計測温度が自席の計測温度よりも高いと判定した場合、S103に進む。
S103では、S101にて取得した自席の計測温度と設定温度とを比較する。S103では、自席のユーザが快適な状態であるか否かを推定する。S103にて、計測温度が設定温度よりも高いと判定した場合、S104に進む。例えば、自席の計測温度が他席の計測温度よりも自席の設定温度に近く、他席のシート空調ユニット30の影響を受けない方がユーザの快適度を確保できる場合等に、S103からS104に進む。
S104では、自席よりも暖かい空調を行う他席方向への風量を増やすように、自席のシート空調ユニット30の作動を制御する。自席に対する他席の相対位置は、シート空調装置100のID情報と設置位置とを紐付けたテーブル等に基づき、判断される。S104に基づく空調制御により、他席から自席への空気の移動が妨げられる。特に、車両Aの加減速時においては、自席への空気の移動を阻害する制御の実施が望ましい。以上により、例えば暖房作動中においては、他席の近傍の暖か過ぎる空気が自席の近傍に流入し難くなる。
一方、S103にて、自席の計測温度が設定温度よりも低いと判定した場合、S105に進む。例えば、他席の計測温度が自席の計測温度よりも自席の設定温度に近く、他席のシート空調ユニット30の影響を受けた方がユーザの快適度を確保できる場合等に、S103からS105に進む。
S105では、自席よりも暖かい空調を行う他席方向への風量を抑えるように、自席のシート空調ユニット30の作動を制御し、S106に進む。S106では、自席よりも暖かい空調状態にある他席のシート空調装置100へ向けて実施要求を出力し、自席方向への風量を強めてもらうように要求する。S105及びS106に基づく空調の協調制御により、他席から自席への空気の移動が促される。こうした制御により、例えば暖房作動中においては、他席の近傍の暖かい空気が自席の近傍に引き込まれる。
一方、S102にて、他席の計測温度が自席の計測温度よりも低いと判定した場合、S107に進む。S107では、S103と同様に、S101にて取得した自席の計測温度と設定温度とを比較する。S107にて、自席の計測温度が設定温度よりも高いと判定した場合、S108に進む。例えば、他席の計測温度が自席の計測温度よりも自席の設定温度に近く、他席のシート空調ユニット30の影響を受けた方がユーザの快適度を確保できる場合等に、S107からS108に進む。
S108では、自席よりも涼しい空調を行う他席方向への風量を抑えるように、自席のシート空調ユニット30の作動を制御し、S109に進む。S109では、自席よりも涼しい空調状態にある他席のシート空調装置100へ向けて実施要求を出力し、自席方向への風量を強めてもらうように要求する。S108及びS109に基づく空調の協調制御により、他席から自席への空気の移動が促される。こうした制御により、例えば冷房作動中においては、他席の近傍の涼しい空気が自席の近傍に引き込まれる。
一方、S107にて、自席における計測温度が設定温度よりも低いと判定した場合、S110に進む。例えば、自席の計測温度が他席の計測温度よりも自席の設定温度に近く、他席のシート空調ユニット30の影響を受けない方がユーザの快適度を確保できる場合等に、S107からS110に進む。
S110では、自席よりも涼しい(寒い)空調を行う他席方向への風量を増やすように、自席のシート空調ユニット30の作動を制御する。S110に基づく空調制御により、他席から自席への空気の移動が妨げられる。この場合も、車両Aの加減速時にて、自席への空気の移動を阻害する風量が増やされてよい。以上により、例えば冷房作動中においては、他席の近傍の冷え過ぎた空気が自席の近傍に流入し難くなる。
以上の空調調整処理に基づく各シート空調装置100の空調作動の具体例を、図1及び図2に基づき、さらに説明する。以下の説明でも、原則的に特定シート10sが自席に相当する。
前席である隣接シート10aにて、隣接空調装置100aが自席のシート空調装置100よりも暖かい空調をしているシーンでは、自席が暑い場合又は快適である場合に、自席の空調制御部65は、特に加速時において、前席方向への風量を増加させる。こうして空調制御部65は、暖かい気流の自席近傍への流れ込みを防ぐ(S104参照)。一方で、このシーンにて、自席が寒い場合では、空調制御部65は、隣接シート10aの位置する前席方向への風量を抑え、前席から流れてくる暖かい空気を取り入れる(S105参照)。
反対に、前席である隣接シート10aにて、隣接空調装置100aが自席のシート空調装置100よりも涼しい空調をしているシーンでは、空調制御部65は、上記の対になる制御を実施する。具体的には、自席が寒い場合又は快適である場合に、自席の空調制御部65は、特に加速時において前席方向への風量を増加させ、冷たい気流の流れ込みを防ぐ(S110参照)。一方で、自席が暑い場合では、空調制御部65は、隣接シート10aの位置する前席方向への風量を抑え、前席から流れてくる涼しい空気を取り入れる(S108参照)。
また、特定シート10sと左右方向に並ぶ隣接シート10bにて、隣接空調装置100bが自席のシート空調装置100よりも暖かい空調をしているシーンでは、自席が暑い場合又は快適である場合に、自席の空調制御部65は、隣席方向への風量を増加させる。こうして、自席近傍への暖かい気流の流れ込みが防がれる(S104参照)。一方で、このシーンにて、自席が寒い場合では、空調制御部65は、隣接シート10aの位置する隣席方向への風量を抑え、隣席から流れてくる暖かい空気を取り入れる(S105参照)。
反対に、隣接シート10bにて、隣接空調装置100bが自席のシート空調装置100よりも涼しい空調をしているシーンでは、空調制御部65は、上記の対になる制御を実施する。具体的には、自席が寒い場合又は快適である場合に、自席の空調制御部65は、隣席方向への風量を増加させ、冷たい気流の流れ込みを防ぐ(S110参照)。一方で、自席が暑い場合では、空調制御部65は、隣席方向への風量を抑えるとともに、隣接空調装置100bへのアシスト要求の出力により、隣席から流れてくる涼しい空気を取り入れる(S108参照)。
さらに、特定シート10sと斜め方向に並ぶ隣接シート10cにて、隣接空調装置100cが自席のシート空調装置100よりも暖かい又は涼しい空調をしているシーンでも、空調制御部65は、上記のような制御を実施する。こうした制御により、空調制御部65は、斜め前席から流れてくる気流の阻害及び促進を切り替え、自席の空調環境を整える。
ここで、特定シート10sと隣接シート10aとの前後の位置関係を入れ、隣接シート10aが特定シート10sの後席である場合を想定する。
後席である隣接シート10aにて、隣接空調装置100aが自席のシート空調装置100よりも暖かい空調をしているシーンでは、自席が暑い場合又は快適である場合に、自席の空調制御部65は、特に減速時において後席方向への風量を増加させる。これにより、自席近傍への暖かい気流の流れ込みが防がれる(S104参照)。一方で、このシーンにて、自席が寒い場合では、空調制御部65は、隣接シート10aの位置する後席方向への風量を抑えるとともに(S105参照)、後席のシート空調ECU60に自席(前席)方向への風量を強めてもらうように要求を出す(S106参照)。
反対に、隣接シート10aにて、隣接空調装置100aが自席のシート空調装置100よりも涼しい空調をしているシーンでは、空調制御部65は、上記の対になる制御を実施する。具体的には、自席が寒い場合又は快適である場合に、自席の空調制御部65は、特に減速時において後席方向への風量を増加させ、冷たい気流の流れ込みを防ぐ(S110参照)。一方で、自席が暑い場合では、空調制御部65は、後席方向への風量を抑えるとともに、隣接空調装置100aへのアシスト要求の出力により、後席から流れてくる涼しい空気を取り入れる(S108参照)。
次の図6に示す初動調整処理は、シート表皮の材質に応じて、シート空調ユニット30の初期運転を調整する処理である。この初動調整処理は、自席のシート空調の作動がオン状態へと切り替えられた直後に、シート空調ECU60によって開始される。初動調整処理により、シート空調開始後における初期運転の内容が、シート表皮の材質に応じて変更される。
S121では、自席のシート表皮の材質情報をメモリ装置69から取得し、S122に進む。S122では、自席のシート表皮が革材質であるか否かを判定する。S122にて、自席が革材質であると判定した場合には、S123に進む。S123では、初期運転として、自席の急速冷房又は急速暖房を実施し、処理を終了する。一方で、S122にて、自席が布材質であると判定した場合には、S123をスキップする。以上により、革材質と判定した場合よりも空調強度の弱い通常の空調運転が開始される。
次の図7に示すインターバル調整処理は、シート表皮の材質に応じて、熱こもり防止運転の実施間隔を調整する処理である。インターバル空調処理は、例えばシート空調ECU60への電力供給の開始に基づき開始され、シート空調ECU60への電力供給の停止まで継続される。
尚、熱こもり防止運転は、ユーザの体温等に起因してシート表皮近傍にこもった熱を排出する排熱運転である。熱こもり防止運転は、車室空間PSの室温及び湿度、外気温、及び運転継続時間等の条件に基づき、所定の間隔で自動実施される。そして、熱のこもり易い革材質のシート10では、布材質のシート10と比較して、熱こもり防止運転の実施間隔が短く設定される。
インターバル調整処理のS131では、自席のシート表皮の材質情報をメモリ装置69から取得し、S132に進む。S132では、S131にて取得したシート表皮の材質情報に対応した閾値を設定し、S133に進む。S133では、シート空調がオン状態であるか否かを判定する。S133にて、シート空調がオフ状態のままであると判定した場合、オン状態への切り替えを待機する。一方で、S133にて、シート空調がオン状態であると判定した場合、S134に進む。
S134では、ユーザのシート10への着座時間又は積算温度の計測を開始し、S135に進む。S135では、S134にて計測を開始した着座時間又は積算温度について、S132にて設定した閾値を超えているか否かを判定する。具体的に、S135では、シート空調の起動後に一定時間が経過したか否か、又は温度積算値が閾値を超えたか否か、を判定する。これらの閾値は、車室空間PSの室温及び湿度等に応じて、適宜調整されてよい。
S135にて、一定時間が経過した又は温度積算値が閾値を超えたと判定した場合、S136に進む。S136では、熱こもり防止運転を開始し、S134に戻る。S136にて開始された熱こもり防止運転は、所定の運転時間継続された後、終了される。
ここまで説明した第一実施形態では、隣接空調装置100a〜100cの作動情報に基づき、自席に空調風を供給するシート空調ユニット30の作動が調整される。以上によれば、シート空調装置100は、他席の空調環境による影響を考慮しつつ、設定情報に基づくように自席の空調環境を制御し得る。したがって、シート10毎の個別の空調制御であっても、自席となるシート10に着座したユーザへの快適な空調環境の提供が可能になる。
加えて第一実施形態では、自席のシート空調装置100の計測温度と、隣接空調装置100a〜100cの計測温度とを比較し、シート空調ユニット30の空調作動における調整内容が変更される。以上のような自席と他席との各空調風の温度比較によれば、空調制御部65は、他席にて実施されているシート空調作動の影響を排除するか、又は他席のシート空調作動の影響を積極的に受け入れるかを適切に選択し得る。そして、他席のシート空調作動の影響を積極的に受け入れる空調作動によれば、シート空調装置100は、ユーザにとって快適な空調環境を自席の近傍に迅速に形成できる。
さらに第一実施形態では、自席における設定温度と、自席のシート空調装置100の計測温度とを比較し、シート空調ユニット30の空調作動における調整内容が変更される。以上のように、自席での設定温度と計測温度との比較によれば、空調制御部65は、空調環境がユーザにとって十分に快適か否かを推定し得る。故に空調制御部65は、ユーザにとって快適と感じられ易い空調環境を、シート空調ユニット30の制御によって適切に整えることができる。
具体的に第一実施形態では、自席における計測温度が他席における計測温度よりも自席の設定温度に近い場合に、空調制御部65は、この他席から自席への空気の移動を妨げるようにシート空調ユニット30を作動させる。こうした空調作動によれば、ユーザが快適に感じている空調環境下、他席から自席へ向けて、ユーザにとって不快な温度の空気が流れ込む事態は、防止され得る。
加えて第一実施形態では、他席における計測温度が自席における計測温度よりも自席の設定温度に近い場合に、空調制御部65は、この他席から自席への空気の移動を促すように、シート空調ユニット30を作動させる。こうした空調作動によれば、自席のシート空調装置100は、隣接空調装置100a〜100cのいずれかの助力を得つつ、ユーザの望む空調環境を迅速に整えることができる。
さらに第一実施形態では、他席における計測温度が自席における計測温度よりも自席の設定温度に近い場合に、この他席に設定されたいずれかの隣接空調装置100a〜100cへ向けて、実施要求が出力される。この実施要求に基づく隣接空調装置100a〜100cの空調作動によれば、ユーザが快適度と感じ得る空調風が、他席から自席へと流入し得る。以上によっても、自席のシート空調装置100は、隣接空調装置100a〜100cのいずれかの助力を得つつ、ユーザの望む空調環境を迅速に整えることができる。
また第一実施形態では、自席のシート表皮の材質情報に基づき、自席に空調風を供給するシート空調ユニット30の作動が調整される。以上によれば、自席に着座したユーザの感じる空調環境は、シート表皮の材質の違いによる影響を受け難くなる。したがって、自席となるシート10に着座したユーザへの快適な空調環境の提供が可能になる。
加えて、シート材質毎に最適な空調設定ができれば、車室空間PS内での各シート空調装置100の協調作動と相俟って、車両Aにおける空調作動でのエネルギ消費は、トータルとして削減可能となる。
さらに、シート空調ECU60がシート表皮の材質を判断し、空調作動の内容を自動的に切り替えることができれば、異なるシート表皮を採用したシート10に対しても、実質一種類のシート空調装置100が適用可能となる。換言すれば、シート空調ECU60の共通化により、シート表皮の材質毎に設定値(定数)を変えたシート空調ECU60を設定する必要が無くなる。
加えて第一実施形態では、シート表皮が革材質か布材質かを示す材質情報に基づき、空調作動の調整内容が変更される。このような切り替えによれば、暑さ及び冷たさをユーザに伝え易い革材質特有のデメリットが緩和される。一方で、シート表皮が布材質のシート10においては、シート空調ユニット30の過剰な空調作動が抑制され得る。
また第一実施形態では、シート表皮が革材質である場合に、シート表皮が布材質である場合と比較して、空調開始後における初期運転の強度が強められる。こうした切り替えによれば、暑さ及び冷たさをユーザに伝え易い革材質のシート10においても、急速冷房又は急速暖房等により、空調作動の開始直後から、シート自体の温度が適温に調整される。その結果、ユーザの快適性が確保可能となる。一方で、革材質と比較して暑さ及び冷たさを伝え難い布材質のシートでは、初期運転でのエネルギ消費が低減できる。
さらに第一実施形態では、シート表皮が革材質である場合に、シート表皮が布材質である場合と比較して、熱こもり防止運転の実施間隔が短く設定される。こうした設定によれば、通気性が悪く熱のこもりやすい革材質のシート10でも、発汗等に起因してユーザが不快と感じる前に、自動的にシート表皮等の温度は、適温に調整され得る。故に、ユーザの快適性が確保可能となる。一方で、通気性の良好な布材質のシート10では、ユーザが汗ばみ難いため、熱こもり防止運転の実施間隔が長くても又は実施されなくても、ユーザの快適性は、損なわれ難い。故に、熱こもり防止運転に伴うエネルギ消費が低減可能となる。
尚、第一実施形態において、車室空間PSが「ユーザ空間」に相当し、シート空調ユニット30が「空調機」に相当し、シート空調ECU60が「シート空調制御装置」に相当する。また、ユーザ通信部61が「設定情報取得部」に相当し、受信部63aが「隣接情報取得部」に相当し、出力部63bが「要求出力部」に相当する。
(第二実施形態)
本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態によるシート空調装置100は、ライドシェア専用の車両(以下、「シェアリング車両」)に搭載され、シェアリング車両の車室空間に配列された各客席に設置されている。シェアリング車両は、運転者の搭乗しない自動運転車であってもよく、バッテリの電力によって走行する電気自動車であってもよい。
ライドシェアサービスは、シェアリング車両を移動手段としてユーザに提供する。ユーザは、ユーザ端末90(図3参照)にて動作するアプリケーションを通じて、シェアリング車両の席を予約する。ユーザ端末90には、シェアリング車両への乗車場所及び乗車時刻と、予約されたシート10(図1参照)を示す情報(座席番号)等とが提示される。シェアリング車両には、一例として、利用料金の異なるシート10が設置されている。利用料金の高い一方のシート10のシート表皮は革材質とされ、利用料金の安い他方のシート10のシート表皮は布材質とされる。
シェアリング車両の通信バスには、車載通信機が接続されている。車載通信機は、ネットワークを介して、シェアリング車両の配車を管理するセンタのサーバと通信可能である。ユーザによって席の予約が実施されると、サーバは、ユーザの乗車場所及び乗車時刻を設定する。サーバは、設定した乗車時刻と、予約されたシート10(図1参照)を示す情報等とを、予約情報として車載通信器に送信する。
図1に示すように、各シート10に設けられたシート空調装置100のシート空調ECU60は、第一実施形態と実質同一の空調調整処理(図5参照)を実施する。その結果、シート空調ECU60は、自席における設定温度及び計測温度と、隣接する他席における計測温度とに基づき、自席の空調環境を制御可能である。加えてシート空調ECU60は、初動調整処理(図8参照)及びインターバル調整処理(図7参照)の実施により、シート表皮の材質に応じて、空調制御の内容を調整可能である。
図8に示す初動調整処理の実施により、シート空調ECU60は、ユーザの乗車時刻又はその少し前のタイミングで、ユーザをおもてなしするための空調作動を、シート空調ユニット30に開始させる。初動調整処理は、例えばシェアリング車両の空調システムの電源がオン状態とされたことに基づき開始される。
初動調整処理のS221では、自席のシート表皮の材質情報をメモリ装置69(図1参照)から取得し、S222に進む。S222では、自席を利用予定であるユーザの乗車時刻を、ネットワーク経由でサーバから取得し、S223に進む。S223では、自席の予約の有無を判定する。S223にて、乗車時刻の取得が無いと判定した場合、S222に戻る。一方で、乗車時刻を取得している場合、予約があると判定し、S224に進む。
S224では、S222にて取得した乗車時刻となるのを待機する。S224にて、現在時刻が乗車時刻になったと判定した場合、S225に進む。S225では、自席のシート表皮が革材質であるか否かを判定する。S225にて、自席が革材質であると判定した場合には、S226に進む。S226では、初期運転として、自席の急速冷房又は急速暖房を実施し、処理を終了する。一方で、S225にて、自席が布材質であると判定した場合には、S227に進む。S227では、通常の冷房運転又は暖房運転をおもてなしのために実施し、処理を終了する。
図1に示すシート空調ECU60は、初動調整処理と併行してインターバル調整処理(図7参照)を実施する。シート空調ECU60は、現在時刻が乗車時刻になったか否かを判定し(S133)、乗車時刻後、シート表皮の材質に対応した時間間隔にて、熱こもり防止運転を実施する(S134〜S136)。
ここまで説明した第二実施形態のように、シェアリング車両にて用いられたとしても、シート空調ECU60は、他席の空調環境による影響を考慮しつつ、自席の空調環境を制御し得る。したがって、第一実施形態と同様に、自席のユーザへの快適な空調環境の提供が可能となる。
加えて第二実施形態のように、不特定多数のユーザが利用するシェアリング車両にて、上述のような個別空調が実施されれば、ユーザそれぞれの快適性が確保可能となる。故に、上述のような空調調整処理に基づくシート空調の実施は、シェアリングサービスのユーザの満足度向上に、大きく貢献できる。
また第二実施形態によれば、シート表皮の材質が異なる二種類のシート10に、実質同一のシート空調装置100を設置しても、シート空調ECU60は、各シート表皮に適した空調制御を自動的に実施する。以上によれば、一台のシェアリング車両に種別の異なるシート空調装置100が混載される事態は、回避される。
さらに第二実施形態では、革材質に適した初期運転及び熱こもり防止運転により、高い利用料金を支払ったユーザの快適性、ひいては満足度が確保され得る。故に、材質情報に基づく空調作動を調整は、利用料金の高いシート10の利用をユーザに促し、シェアリングサービスの収益率の向上に寄与できる。
(他の実施形態)
以上、本開示による複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態では、他席に設置された隣接空調装置の作動情報として、当該隣接空調装置の空調風の計測温度が取得されていた。しかし、隣接空調装置の作動情報は、適宜変更可能である。例えば、隣接空調装置の設定温度、送風量及び消費電力等が、自席の空調を調整するための作動情報として取得されてよい。こうした形態では、自席のシート空調ECUは、隣接空調装置の作動情報と比較可能な情報を、シート空調ユニットから取得する。また自席の設定情報は、ユーザの設定温度に限定されず、設定風量等であってもよい。
上記実施形態では、他席からの気流が流れ込まないように、この他席方向へ向かう風量を増やす制御が実施されていた。こうした制御に替えて、又はこうした制御と共に、他席から自席へ向かう風量を抑える空調制御の実施要求が、他席の隣接空調装置へ向けて出力されてもよい。
上記実施形態では、他席からの気流が流れ込み易いように、この他席方向へ向かう風量を抑える空調制御と、自席方向への風量を強めるような要求出力とが、実施されていた。しかし、他席近傍の空気を自席近傍に引き込む場合、これらのうちの一方のみが実施されてもよい。
上記実施形態におけるシート表皮の材質情報は、革材質か布材質かを示す情報であった。しかし、材質情報は、シート表皮の材質をさらに細分化させた情報であってもよい。こうした情報を用いることで、空調制御部は、シート表皮に合わせて、さらにきめ細かく空調作動を調整し得る。
上記実施形態では、シートが布材質である場合には、熱こもり防止運転が実施されていた。しかし、通気性に優れる布材質をシート表皮として用いる場合、閾値を非常に大きな値に設定する等の処理により、熱こもり防止運転の実施が省略されてもよい。さらに、熱こもり防止運転の内容が、シート表皮の材質情報に基づいて切り替えられてもよい。例えば、シート表皮が革材質である場合、一回の熱こもり防止運転の継続時間は、シート表皮が布材質である場合よりも長く設定されてよい。さらに、シート表皮が革材質である場合に、熱こもり防止運転における風量が、布材質である場合よりも増強されてよい。
上記実施形態では、他席の空調情報及びシート表皮の材質情報の両方を用いて空調制御の内容が調整されていた。しかし、空調制御部は、シート表皮の材質情報を空調制御に用いることなく、他席の空調情報を用いて空調制御を行ってもよい。或いは、空調制御部は、他席の空調情報を自席の空調制御に用いずに、自席のシート表皮の材質情報を用いて空調制御を行ってもよい。
シート空調装置が設置されるシートの形状は、適宜変更可能である。例えばシートは、座面部を主体とした構成であり、ヘッドレスト及び背もたれ部等が省略された形態であってもよい。或いは、シートは、アームレスト等を有していてもよい。シート内ダクトの形態も、シートの形態に合わせて、適宜変更可能である。例えばシート内ダクトは、ヘッドレスト及びアームレスト等に設けられた吹出孔へ向けて空調風を供給するダクト構成をさらに有していてもよい。
シート空調ユニットは、冷房機能及び暖房機能の一方のみを備える構成であってもよい。加えてシート空調ユニットは、例えば冷凍サイクル部に替えて、ペルチェ素子で冷気を発生させる構成であってもよく、PTCヒータ等の電熱器のみで暖気を発生させる構成であってもよい。
複数のシート空調装置は、通信バスによる有線通信ではなく、無線通信によって相互に情報をやり取りしてもよい。また、ユーザが設定温度及び設定風量を入力する端末は、シート空調ECU又は通信バスに有線接続された操作パネル等であってもよい。
シート空調装置は、車両に限定されず、鉄道車両、トラム、及び航空機等のシートに設置されてよい。さらに、車両等の移動体ではなく、レジャー施設等に配列されたシートに、シート空調装置が設置されてもよい。
上記実施形態にて、シート空調ECUにより提供された各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアである電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
上記実施形態にて、空調制御プログラムを記憶していたメモリ装置には、種々の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)が採用可能である。こうした記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、メモリカード等の形態であり、シート空調ECUに設けられたスロット部に挿入されて、制御回路に電気的に接続される構成であってよい。
PS 車室空間(ユーザ空間)、10 シート、10a〜10a 隣接シート、10s 特定シート、30 シート空調ユニット(空調機)、60 シート空調ECU(シート空調制御装置)、61 ユーザ通信部(設定情報取得部)、62 状態情報取得部、63a 受信部(隣接情報取得部)、63b 出力部(要求出力部)、64 表皮情報取得部、65 空調制御部、100 シート空調装置、100a〜100a 隣接空調装置

Claims (13)

  1. 複数のシート(10)が設置されたユーザ空間(PS)において、少なくとも一つの隣接シート(10a〜10c)に隣接した特定シート(10s)の空調を行うシート空調装置であって、
    前記特定シートに空調風を供給する空調機(30)と、
    前記特定シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、
    前記隣接シートを空調する隣接空調装置(100a〜100c)の作動情報を取得する隣接情報取得部(63a)と、
    前記設定情報に基づいて前記空調機の作動を制御し、前記隣接空調装置の前記作動情報に基づいて前記空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、
    を備えるシート空調装置。
  2. 前記空調機から前記特定シートに供給される空調風の計測温度を取得する状態情報取得部(62)、をさらに備え、
    前記隣接情報取得部は、前記隣接空調装置から前記隣接シートに供給される空調風の計測温度を前記作動情報として取得し、
    前記空調制御部は、前記空調機における計測温度と、前記隣接空調装置における計測温度とを比較して、前記空調機における空調作動の調整内容を変更する請求項1に記載のシート空調装置。
  3. 前記設定情報取得部は、前記特定シートの空調の設定温度を前記設定情報として取得し、
    前記空調制御部は、前記特定シートの設定温度と、前記空調機における計測温度とを比較して、前記空調機における空調作動の調整内容を変更する請求項2に記載のシート空調装置。
  4. 前記空調制御部は、前記空調機における計測温度が前記隣接空調装置における計測温度よりも前記特定シートの設定温度に近い場合に、前記隣接シートから前記特定シートへの空気の移動を妨げるように前記空調機を作動させる請求項3に記載のシート空調装置。
  5. 前記空調制御部は、前記隣接空調装置における計測温度が前記空調機における計測温度よりも前記特定シートの設定温度に近い場合に、前記隣接シートから前記特定シートへの空気の移動を促すように前記空調機を作動させる請求項3又は4に記載のシート空調装置。
  6. 前記隣接空調装置における計測温度が前記空調機における計測温度よりも前記特定シートの設定温度に近い場合に、前記隣接シートから前記特定シートへの空気の移動を促すような空調作動の実施要求を、前記隣接空調装置へ向けて出力する要求出力部(63b)、をさらに備える請求項3〜5のいずれか一項に記載のシート空調装置。
  7. 前記特定シートにおいてユーザに触れるシート表皮の材質情報を取得する表皮情報取得部(64)、をさらに備え、
    前記空調制御部は、前記シート表皮の材質情報に基づいて前記空調機の作動を調整する請求項1〜6のいずれか一項に記載のシート空調装置。
  8. ユーザが着座するシート(10)の空調を行うシート空調装置であって、
    前記シートに空調風を供給する空調機(30)と、
    前記シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、
    前記シートにおいて前記ユーザに触れるシート表皮の材質情報を取得する表皮情報取得部(64)と、
    前記設定情報に基づいて前記空調機の作動を制御し、前記シート表皮の材質情報に基づいて前記空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、
    を備えるシート空調装置。
  9. 前記表皮情報取得部は、前記シート表皮が革材質か布材質かを示す材質情報を取得する請求項7又は8に記載のシート空調装置。
  10. 前記空調制御部は、前記シート表皮が革材質である場合に、前記シート表皮が布材質である場合と比較して、空調開始後における初期運転の強度を強める請求項9に記載のシート空調装置。
  11. 前記空調制御部は、
    前記シート表皮の熱こもりを低減する排熱運転を繰り返し実施し、
    前記シート表皮が革材質である場合に、前記シート表皮が布材質である場合と比較して、前記排熱運転の実施間隔を短く設定する請求項9又は10に記載のシート空調装置。
  12. 複数のシート(10)が設置されたユーザ空間(PS)において、少なくとも一つの隣接シート(10a〜10c)に隣接した特定シート(10s)に空調風を供給する空調機(30)を制御するシート空調制御装置であって、
    前記特定シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、
    前記隣接シートを空調する隣接空調装置の作動情報を取得する隣接情報取得部(63a)と、
    前記設定情報に基づいて前記空調機の作動を制御し、前記隣接空調装置の前記作動情報に基づいて前記空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、
    を備えるシート空調制御装置。
  13. ユーザが着座するシート(10)に空調風を供給する空調機(30)を制御するシート空調制御装置であって、
    前記シートについての空調の設定情報を取得する設定情報取得部(61)と、
    前記シートにおいて前記ユーザに触れるシート表皮の材質情報を取得する表皮情報取得部(64)と、
    前記設定情報に基づいて前記空調機の作動を制御し、前記シート表皮の材質情報に基づいて前記空調機の作動を調整する空調制御部(65)と、
    を備えるシート空調制御装置。
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