JP2019155952A - 空調システム及び空調制御装置 - Google Patents

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Mitsuhiro Kawamura
光宏 河村
広居 浜西
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Abstract

【課題】シート空調のために消費されるエネルギを低減しつつ、各シートに要求される空調環境を実現可能な空調システム等の提供。【解決手段】シート空調システム1は、車両に設置された複数のシート10のそれぞれに空調風を供給する。シート空調システム1は、第一小型空調機31、第二小型空調機32、連結部20及びシート空調ECU70を備えている。第一小型空調機31は、第一シート11に空調風を供給する。第二小型空調機32は第二シート12に空調風を供給する。シート空調ECU70は、第一小型空調機31による第一シート11の空調と、第二小型空調機32による第二シート12の空調とを制御する。連結部20は、シート空調ECU70の制御に基づき、第一小型空調機31から第二シート12への空調風の供給、及び第二小型空調機32から第一シート11への空調風の供給の少なくとも一方を実施する。【選択図】図1

Description

この明細書による開示は、複数のシートに空調風を供給する空調システム及び空調制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、複数のシートを有するバス等の車両において用いられる空調ダクトが開示されている。特許文献1の空調ダクトは、一つの空調装置と、各シートの近傍に配設された吹出口とを繋げている。こうした構成により、空調装置にて生成された空調風が、空調ダクトを通じて各シートに供給可能となっている。
特許第2770531号公報
特許文献1のように、一つの空調装置から多数のシートに空調風を供給する空調システムでは、シート毎の温度調整の調整代が限定的となる。そのため、シート毎に空調装置を設けた空調システムが検討されている。しかし、シート毎に空調装置を設けてしまうと、個々の空調装置を効率の悪い状態で作動させてしまう状況が想定され得た。
本開示は、シート空調のために消費されるエネルギを低減しつつ、各シートに要求される空調環境を実現可能な空調システム及び空調制御装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、移動体(BS)に設置された複数のシート(10)のそれぞれに空調風を供給する空調システムであって、複数のシートのうちの第一シート(11)に空調風を供給する第一空調機(31)と、複数のシートのうちで第一シートとは異なる第二シート(12)に空調風を供給する第二空調機(32)と、第一空調機による第一シートの空調及び第二空調機による第二シートの空調を制御する統合制御部(70,170)と、第一空調機から第二シートへの空調風の供給、及び第二空調機から第一シートへの空調風の供給、の少なくとも一方を、統合制御部の制御に基づき実施する連結部(20)と、を備える空調システムとされる。
また開示された一つの態様は、複数のシート(10)が設置された移動体(BS)において用いられ、複数のシートのうちの第一シート(11)に設けられた第一空調機(31)を制御する空調制御装置であって、第一空調機による空調風の供給を制御する空調制御部(265a)第一シートとは異なる第二シート(12)に空調風を供給する第二空調機(32)であって、連結部(20)によって第一空調機と連結された第二空調機、に通信可能に接続される通信部(266a)と、第一空調機及び第二空調機の一方から他方に連結部を通じて供給される空調風を制御する供給制御部(67)と、を備える空調制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、複数のシート(10)が設置された移動体(BS)において用いられ、シート(10)毎に設けられた複数の空調機(30)を制御する空調制御装置であって、複数のシートのうちの第一シート(11)に設けられた第一空調機(31)による空調風の供給を制御する第一制御部(65)と、複数のシートのうちで第一シートとは異なる第二シート(12)に設けられた第二空調機(32)であって、連結部(20)によって第一空調機と連結された第二空調機による空調風の供給を制御する第二制御部(66)と、第一空調機及び第二空調機の一方から他方に連結部を通じて供給される空調風を制御する供給制御部(67)と、を備える空調制御装置とされる。
これらの態様では、第一空調機から第二シートへの空調風の供給、又は第二空調機から第一シートへの空調風の供給が連結部によって可能となっている。故に、複数の空調機が設けられていても、これら空調機の作動を連携させた運転が可能になる。そのため、空調制御部又は空調制御装置は、各空調機を効率の良い状態で作動させることができる。したがって、シート空調のために消費されるエネルギを低減しつつ、各シートに要求される空調環境が実現可能となる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第一実施形態によるシート空調システムの全体像を示すブロック図である。 シート空調システムを用いる車両での複数のシートの配置例を示す図である。 シートの構成を示す図である。 複数の小型空調機及び連結部の配置を示す図である。 小型空調機の構成を示す断面図である。 小型空調機の外観を示す斜視図である。 連結部の詳細な構成を示す図である。 最大能力時に用いられる単独空調モードでの空調作動の様子を示す図である。 省エネモード及びフェールモードにおけるシート空調作動の様子を示す図である。 ユーザ入れ替わり時に用いられる優先作動モードでの空調作動の様子を示す図である。 シート空調ECUにて実施される空調制御処理の詳細を示すフローチャートである。 第二実施形態によるシート空調システムの全体像を示すブロック図である。 ECU群にて実施される空調制御処理の詳細を示すシーケンス図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本開示の第一実施形態によるシート空調システム1は、図2に示すようなバス等の大型の車両BSにおいて用いられる。車両BSの車室内には、複数のシート10が所定の配列で設置されている。図2及び図3に示すように、各シート10の座面部15の下方には、小型空調機30がそれぞれ設けられている。各シート10には、座面部15の下方に設けられた小型空調機30から空調風が供給される。
シート10は、図3に示すように、骨格としてのシートフレームに、クッション材としてのウレタンフォーム等を組み合わせてなる構成である。シート10は、座面部15、背もたれ部16、シート内ダクト17及び空調操作パネル19を備えている。座面部15は、ユーザの臀部及び大腿部等を支える構造部である。背もたれ部16は、ユーザの上体を支える構造部である。座面部15及び背もたれ部16には、空調風の吹出口が設けられている。シート内ダクト17は、座面部15及び背もたれ部16の内部に配置されている。シート内ダクト17は、小型空調機30と接続されており、吹出口に空調風を流通させる流通路として機能する。空調操作パネル19は、例えばシート10のアームレスト等に設けられている。空調操作パネル19には、シート10に着座するユーザにより、シート空調のオン及びオフを切り替える操作、並びに空調風の強さ及び温度等を調整する操作等が入力される。
シート空調システム1は、図1及び図4に示すように、複数(二つ)の小型空調機30、連結部20及びシート空調ECU70を備えている。二つの小型空調機30は、複数のうちの異なる二つのシート10にそれぞれ設けられている。便宜的に、左右に隣接する二つのシート10のうちの一方を第一シート11とすると、第一シート11に設けられた小型空調機30が第一小型空調機31となる。第一小型空調機31は、主に第一シート11に空調風を供給するシート空調機となる。同様に、二つのシート10のうちの他方を第二シート12とすると、第二シート12に設けられた小型空調機30が第二小型空調機32となる。第二小型空調機32は、主に第二シート12に空調風を供給するシート空調機となる。
図1,図5及び図6に示す小型空調機30は、車両電源から供給される電力を使用して空調作動を行う小型のHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)である。小型空調機30は、冷凍サイクル装置30a、筐体50、ファン44及びアシストファン45、ヒータ46、エアミックスダンパ47、温度センサ48並びにフェールセンサ49等によって構成されている。
冷凍サイクル装置30aは、循環させた冷媒の圧縮及び膨張を利用して、冷気及び暖気を生成する。冷凍サイクル装置30aは、コンプレッサ41、膨張弁、コンデンサ42及びエバポレータ43を有している。コンプレッサ41は、車両電源からの供給電力で動作し、冷媒を圧送する。膨張弁は、冷媒を減圧する。コンデンサ42及びエバポレータ43は、扁平なチューブとチューブから突出する多数のフィン等とを有する熱交換器である。コンデンサ42のチューブには、コンプレッサ41の圧縮によって昇温した冷媒が流通する。エバポレータ43のチューブには、膨張弁での減圧によって冷却された冷媒が流通する。
筐体50は、金属材料又は樹脂材料等により、全体として扁平な直方体状に形成されている。筐体50には、収容室51、送風路53、吸込口54及び排熱路55等が設けられている。収容室51は、筐体50内に区画された空間である。収容室51内にて、冷気及び暖気が生成される。収容室51には、冷凍サイクル装置30a及びヒータ46等が収容されている。送風路53は、シート内ダクト17と直接的又は間接的に接続されている(図3参照)。送風路53は、収容室51内にて生成された冷気又は暖気を、空調風としてシート内ダクト17へ送り出す。吸込口54は、筐体50の外部から収容室51への空気の流入を可能にする流体通路である。吸込口54は、収容室51の天井面58の中央に円形に開口している。排熱路55は、冷凍サイクル装置30aでの冷気の生成に伴う熱を、筐体50に後部に開口した排出口55a(図3も参照)から、排気として外部に排出する。
ファン44及びアシストファン45は、車両電源からの供給電力によって回転するモータと、シロッコファン又はターボファン等とを有する構成である。ファン44は、吸込口54に収容されている。アシストファン45は、送風路53の近傍に設けられている。ファン44及びアシストファン45は、コンデンサ42の通過によって昇温された暖気、及びエバポレータ43の通過によって冷却された冷気を、空調風としてシート内ダクト17(図3参照)に送風する。ファン44及びアシストファン45の作動は、シート空調ECU70によって制御される。
ヒータ46は、PTCヒータ又は熱線式の電熱器であり、車両電源からの供給電力を熱に変換する。ヒータ46は、収容室51においてコンデンサ42よりも外側に配置されている。ヒータ46は、コンデンサ42を通過した暖気を加熱し、暖気の温度をさらに昇温させる。
エアミックスダンパ47は、流路を切り替えるための冷暖切替板と、冷暖切替板を回転変位又はスライド変位させるための冷暖切替モータとを有している。エアミックスダンパ47は、収容室51とファン44との間に設けられており、シート内ダクト17(図3参照)へ送風される空調風における冷気と暖気との混合割合を調整する。
温度センサ48及びフェールセンサ49は、それぞれ小型空調機30の状態を監視するための構成である。温度センサ48は、例えば送風路53に設けられており、送風路53から送り出される空調風の温度を計測する。温度センサ48は、空気温の計測結果を示す温度信号を、シート空調ECU70へ向けて逐次出力する。フェールセンサ49は、冷凍サイクル装置30a、ファン44及びヒータ46等に異常が生じた場合に、異常状態を示すフェール信号をシート空調ECU70へ向けて出力する。
図1,図4及び図7に示す連結部20は、二つの小型空調機30を相互に連結する構成である。連結部20は、第一小型空調機31から第二シート12への空調風の供給、及び第二小型空調機32から第一シート11への空調風の供給、の少なくとも一方を、シート空調ECU70の制御に基づき実施可能である。連結部20は、第一小型空調機31及び第二小型空調機32の間を連結する複数のダクトと、各ダクトの連通状態を切り替える切替機構20a等とによって構成されている。連結部20は、複数のダクトとして、メインダクト21、第一排熱回収ダクト24及び第二排熱回収ダクト27を有している。
メインダクト21は、第一小型空調機31の送風路53と第二小型空調機32の送風路53とを連結しており、第一小型空調機31及び第二小型空調機32の一方から他方への空調風の移動を可能にする。詳記すると、第一小型空調機31にて生成された冷気又は暖気は、メインダクト21を通じて第二シート12に供給可能となる。同様に、第二小型空調機32にて生成された冷気又は暖気は、メインダクト21を通じて第一シート11に供給可能となる。
第一排熱回収ダクト24は、第一小型空調機31の排熱路55と、第二小型空調機32の送風路53とを接続している。第一排熱回収ダクト24を通じて、第一小型空調機31の冷房使用時に生じる排気が第二シート12に供給可能となる。第二排熱回収ダクト27は、第二小型空調機32の排熱路55と、第一小型空調機31の送風路53とを接続している。第二排熱回収ダクト27を通じて、第二小型空調機32の冷房使用時に生じる排気が第一シート11に供給可能となる。
切替機構20aには、メインダンパ22、入口側ダンパ25,28及び出口側ダンパ26,29が含まれている。これらの構成は、エアミックスダンパ47と実質同一の構成であり、流路の状態を切り替えるための連通切替板と、連通切替板を変位させるための連通切替モータ等によって構成されている。切替機構20aの各連通切替モータは、それぞれシート空調ECU70と電気的に接続されている。
メインダンパ22は、第一小型空調機31及び第二小型空調機32の間を接続するメインダクト21に設けられており、開閉弁として機能する。メインダンパ22は、シート空調ECU70から入力される制御信号に従い、メインダクト21の状態を連通状態と遮断状態とのうちで切り替える。
入口側ダンパ25及び出口側ダンパ26は、第一排熱回収ダクト24に設けられている。入口側ダンパ25は、第一小型空調機31の排熱路55と第一排熱回収ダクト24との接続箇所に配置されている。出口側ダンパ26は、第一排熱回収ダクト24と第二小型空調機32の送風路53との接続箇所に配置されている。入口側ダンパ25及び出口側ダンパ26は、シート空調ECU70から入力される制御信号に従い、第一排熱回収ダクト24の状態を連通状態と遮断状態とのうちで切り替える。
入口側ダンパ28及び出口側ダンパ29は、第二排熱回収ダクト27に設けられている。入口側ダンパ28は、第二小型空調機32の排熱路55と第二排熱回収ダクト27との接続箇所に配置されている。出口側ダンパ29は、第二排熱回収ダクト27と第一小型空調機31の送風路53との接続箇所に配置されている。入口側ダンパ28及び出口側ダンパ29は、シート空調ECU70から入力される制御信号に従い、第二排熱回収ダクト27の状態を連通状態と遮断状態とのうちで切り替える。
図1に示すシート空調ECU70は、二つの小型空調機30及び連結部20を協調制御する電子制御装置である。シート空調ECU70の制御回路70aは、プロセッサ、RAM及び入出力インターフェースを有するマイクロコントローラを主体に構成されている。制御回路70aには、メモリ装置69が接続されている。メモリ装置69には、各小型空調機30及び連結部20を制御する空調制御プログラム等が格納されている。シート空調ECU70は、空調制御プログラムをプロセッサによって実行し、要求取得部61、情報取得部62、状態判定部63、異常診断部64、第一制御部65、第二制御部66、供給制御部67及び協調制御部68等の機能ブロックを構築する。
要求取得部61は、第一シート11及び第二シート12にそれぞれ設けられた空調操作パネル19(図3も参照)と直接的又は間接的に接続されている。要求取得部61は、空調操作パネル19への操作入力によってユーザが設定した設定値情報を取得する。設定値情報には、シート空調作動のオン及びオフを示す情報、並びに空調風の強さ及び温度等を示す情報等が含まれている。
情報取得部62は、第一小型空調機31及び第二小型空調機32のそれぞれについて、状態を示す状態情報を取得する。具体的に、情報取得部62は、各温度センサ48による温度信号、及び各フェールセンサ49によるフェール信号を、状態情報として取得する。
状態判定部63は、情報取得部62にて取得された状態情報に基づき、各小型空調機30の状態を判定する。例えば、状態判定部63は、温度センサ48にて計測される空調風の温度等に基づき、小型空調機30の作動が安定した状態にあるか否かを判定する。
異常診断部64は、情報取得部62にて取得されるフェール信号に基づき、各小型空調機30が異常状態にあるか否かを診断する。異常診断部64にて異常が生じていると診断された小型空調機30は、協調制御部68によって使用を禁止される。
第一制御部65は、第一小型空調機31による空調風の供給を制御する。具体的に、第一制御部65は、第一小型空調機31のコンプレッサ41、ファン44及びアシストファン45、ヒータ46並びにエアミックスダンパ47を制御するための制御信号を生成し、各構成へ向けて逐次出力する。第一制御部65は、第一小型空調機31にて生成される空調風の強さ及び温度を調整可能である。
第二制御部66は、第二小型空調機32による空調風の供給を制御する。具体的に、第二制御部66は、第二小型空調機32のコンプレッサ41、ファン44及びアシストファン45、ヒータ46並びにエアミックスダンパ47を制御するための制御信号を生成し、各構成へ向けて逐次出力する。第二制御部66は、第二小型空調機32にて生成される空調風の強さ及び温度を調整可能である。
供給制御部67は、図1、図4及び図7に示す連結部20を通じて、第一小型空調機31及び第二小型空調機32の一方から他方に供給される空調風を制御する。具体的に、供給制御部67は、メインダンパ22、各入口側ダンパ25,28及び各出口側ダンパ26,29を制御するための制御信号を生成し、各構成へ向けて逐次出力する。こうした制御により、供給制御部67は、メインダクト21、第一排熱回収ダクト24及び第二排熱回収ダクト27の各状態を、個別に切り替える。
協調制御部68は、各小型空調機31,32(図4参照)及び連結部20の統合的な制御を実現するための制御部である。協調制御部68は、要求取得部61にて取得された設定値情報に基づき、各シート11,12において必要とされる空調能力、具体的には、必要冷房能力及び必要暖房能力を算出する。加えて協調制御部68は、状態判定部63による安定動作の判定結果、及び異常診断部64による異常診断の結果等を参照する。協調制御部68は、これらの情報に基づき、各小型空調機31,32及び連結部20の動作モードを、複数のうちから選択的に設定する。第一制御部65、第二制御部66及び供給制御部67は、協調制御部68にて設定された動作モードに従い、制御信号を生成する。
以上の協調制御部68にて設定される各動作モードの詳細を、以下、図8〜図10に基づき、図1及び図7を参照しつつ、順に説明する。
<単独空調モード>
単独空調モードは、二つのシート11,12の片方のみにユーザが着座している状態で選択される。単独空調モードにおいて、協調制御部68は、ユーザの入力した設定値情報に基づき、ユーザの着座しているシート10の小型空調機30を、第一制御部65又は第二制御部66と連携し、動作させる。このとき連結部20では、メインダクト21、第一排熱回収ダクト24及び第二排熱回収ダクト27が全て遮断状態とされる。以上により、小型空調機30によって特定のシート10のシート空調が、単独で実施される。
<個別空調モード>
図8に示す個別空調モードは、単独空調モードとは異なり、第一シート11及び第二シート12のそれぞれにユーザが着座している状態で原則的に設定される。協調制御部68は、二人のユーザの入力した設定情報に基づき、一つの小型空調機30による二席分の空調風の供給が困難であると判断した場合に、個別空調モードを選択する。個別空調モードでは、第一小型空調機31及び第二小型空調機32の両方が作動する。二つの小型空調機31,32は、共に冷房使用されるか、又は共に暖房使用される。加えて個別空調モードでは、メインダクト21、第一排熱回収ダクト24及び第二排熱回収ダクト27は、全て遮断状態とされる。以上の制御により、第一シート11のシート空調は、第一小型空調機31にて生成された暖気又は冷気によって単独で行われる。同様に、第一シート11のシート空調は、第二小型空調機32にて生成された冷気又は暖気によって単独で行われる。
<省エネモード1:必要能力「小」時>
図9に示す省エネモードは、第一シート11及び第二シート12のそれぞれにユーザが着座している状態において、各ユーザの入力した設定情報に基づき、一つの小型空調機30による二席分の空調風の供給が可能であると判断した場合に選択される。協調制御部68は、省エネモードにおいて、第一小型空調機31及び第二小型空調機32のうちの一方のみを作動させる。その結果、一つの小型空調機30にて生成された空調風により、両方のシート11,12のシート空調が行われる。
一例として、協調制御部68は、各ユーザの要求する空調作動が冷房及び暖房のうちで共通しており、且つ、要求を満たすための必要空調能力が小さい場合、片方の小型空調機30(例えば第二小型空調機32)を停止させる。さらに、協調制御部68は、メインダンパ22の制御によってメインダクト21を連通状態とする一方で、第一排熱回収ダクト24及び第二排熱回収ダクト27を共に遮断状態とする。以上により、一方の小型空調機30(例えば第一小型空調機31)にて生成された空調風が、メインダクト21を通じて第二シート12にも供給される。その結果、二つのシート11,12が、一方の小型空調機30によって空調可能となる。
また加えて、二つのシート11,12の片方のみにユーザが着座した状態から、二つのシート11,12の両方にユーザが着座した状態に遷移するシーンでも、協調制御部68は、省エネモードに設定可能である。詳記すると、片方のシート10(例えば第一シート11)にのみユーザが着座した状態では、単独空調モードの選択により、第一小型空調機31による第一シート11の空調が作動する一方で、第二小型空調機32は、停止した状態である。こうした状態下、第二シート12の空調開始を指示する指令を取得した場合、協調制御部68は、省エネモードを選択し、第二小型空調機32の作動開始を控え、第一小型空調機31による空調風を、連結部20を通じて第二シート12に供給させる。以上により、第二シート12のシート空調が開始される。
以上のような省エネモードにおいて、一つの小型空調機30から二つのシート11,12に分配される空調風は、暖気であってもよく、冷気であってもよい。加えて協調制御部68は、空調能力が必要とされる空調開始直後のみ、二つの小型空調機31,32を作動させ、各小型空調機31,32の動作が安定してきた後で、一方の小型空調機30を停止させてもよい。
<省エネモード2:冷暖逆要求時>
協調制御部68は、各シート11,12に要求される空調風が冷気及び暖気のうちで互いに異なっている場合にも、上記とは別の省エネモードを選択可能である。この省エネモードにおいて、協調制御部68は、冷気を要求したユーザ側の小型空調機30(例えば第一小型空調機31)を作動させる一方で、暖気を要求したユーザ側の小型空調機30(例えば第二小型空調機32)を停止させる。
加えて協調制御部68は、供給制御部67との連携により、メインダンパ22によってメインダクト21を遮断状態とする。加えて、第二排熱回収ダクト27も、入口側ダンパ28及び出口側ダンパ29によって遮断状態とされる。一方で、協調制御部68は、供給制御部67による入口側ダンパ25及び各出口側ダンパ26の制御により、第一排熱回収ダクト24を連通状態とする。
以上によれば、第一小型空調機31にて生成された冷気は、送風路53を通じて第一シート11に供給される。加えて、第一小型空調機31の冷房使用によって生成された温かい排気は、第一排熱回収ダクト24を通じて、第二小型空調機32の送風路53、ひいては第二シート12に供給される。こうして協調制御部68は、第一小型空調機31に生成させた冷気及び暖気を共に用いて、第一シート11及び第二シート12のそれぞれを空調させることができる。
<フェールモード>
協調制御部68は、二つの小型空調機30のうちの一方が異常状態である場合に、フェールモードを選択する。フェールモードでは、異常状態と診断された小型空調機30(例えば第二小型空調機32)が停止される。そして、連結部20においては、メインダクト21が連通状態とされる一方で、第一排熱回収ダクト24及び第二排熱回収ダクト27は、共に遮断状態とされる。以上により、正常な片方の小型空調機30(例えば第一小型空調機31)にて生成された空調風を用いて、二つのシート11及び第二シート12の両方が空調される。
<優先作動モード>
協調制御部68は、ユーザによる要求が変化した場合に、優先作動モードを選択し、安定動作している小型空調機30を優先的に動かし続ける。一例として想定されるのは、図10に示すように、第一シート11に着座していたユーザが車両BS(図2参照)から降車すると共に、新たに車両BSに乗車した別のユーザが第二シート12に着座するというシーンである。こうしたシーンでは、ユーザの着座するシート10が、第一シート11から第二シート12に入れ替わる。こうしたシーンにて、協調制御部68は、動作モードを優先作動モードに設定する。
上記のシーンでは、ユーザの入れ替わりの前において、協調制御部68は、動作モードを単独空調モードに設定している。そのため、第一小型空調機31が作動している一方で、第二小型空調機32は、停止した状態である。この後、第二シート12に着座したユーザの空調操作パネル19への操作により、要求取得部61は、第二シート12の空調開始を指示する指令を取得する。こうしたユーザ要求に基づき、協調制御部68は、動作モードを優性作動モードに設定し、入れ替わりの前に作動していたことで、安定動作可能な第一小型空調機31の作動を継続させる。即ち、第二小型空調機32の作動開始が控えられる。そして、協調制御部68は、メインダクト21を連通状態とさせる制御により、第一小型空調機31にて生成された空調風を用いて、第二シート12のシート空調を実施する。
以上のような各動作モードでのシート空調を実現するため、シート空調ECU70にて実施される空調制御処理の詳細を、以下、図11に基づき、図1を参照しつつ説明する。図11に示す空調制御処理は、車両BSのイグニッションがオン状態とされたことによって開始され、イグニッションがオフ状態とされるまで繰り返し実施される。
S101では、第一シート11における最新の設定値情報を取得し、取得した設定値情報に基づき、第一シート11についての必要空調能力を算出し、S102に進む。S102では、第二シート12における最新の設定値情報を取得し、取得した設定値情報に基づき、第二シート12についての必要空調能力を算出し、S103に進む。S103では、フェール信号の有無に基づく各小型空調機31,32の異常診断結果と、温度信号に基づく各小型空調機31,32の状態判定の結果とを参照し、S104に進む。
S104では、S101及びS102にて算出した必要空調能力と、S103にて参照した各結果とに基づき、各小型空調機31,32及び連結部20の動作モードを設定し、S105に進む。S104により、上述した単独空調モード、個別空調モード、省エネモード、フェールモード及び優先作動モード等の中から、現状に適合した動作モードが選択される。
S105では、S104にて設定した動作モードに従い、連結部20のメインダンパ22、各入口側ダンパ25,28及び各出口側ダンパ26,29を駆動し、S106に進む。S106では、S104にて設定した動作モードに従い、二つの小型空調機31,32の各構成の作動を制御し、S101に戻る。
ここまで説明した第一実施形態では、第一小型空調機31から第二シート12への空調風の供給、及び第二小型空調機32から第一シート11への空調風の供給が、連結部20によって可能となっている。故に、複数の小型空調機30が設けられていても、これら小型空調機30の作動を連携させた運転が可能になる。そのためシート空調ECU70は、各小型空調機30を効率の良い状態で作動させることができる。したがって、シート空調のために消費されるエネルギを低減しつつ、各シート11,12に要求される空調環境が実現可能となる。
加えて第一実施形態のような小型空調機30では、冷房使用に伴い、冷気だけでなく、暖気も生成される。故に、上述の省エネモード2では、冷房使用に伴う排気の利用により、一方の小型空調機30にて生成された冷気及び暖気を共に用いて、第一シート11及び第二シート12がそれぞれ空調される。以上によれば、一つの小型空調機30の停止により、シート空調システム1におけるエネルギ消費は、いっそう低減され得る。
また第一実施形態の省エネモード1では、一つの小型空調機30にて生成された冷気又は暖気を用いて、第一シート11及び第二シート12の両方が空調される。以上によれば、一つの小型空調機30の停止により、シート空調システム1にて消費されるエネルギ消費をさらに低減することが可能となる。
さらに第一実施形態では、一方の小型空調機30に異常が生じた場合でも、フェールモードにて、他方の正常状態にある小型空調機30により、二つのシート11,12の空調環境が維持され得る。したがって、異常発生に伴って特定のシートの空調環境が顕著に悪化する事態は、生じ難い。
加えて第一実施形態では、二つのシート11,12に着座するユーザが一人から二人に増え、新たに一席分の空調開始を指示する指令を取得した場合には、作動中の小型空調機30による空調風が、両方のシート11,12に供給される。こうした作動によれば、停止中の小型空調機30の作動を急速に立ち上げなくても、新たに着座したユーザへの空調風の提供が直ちに開始され得る。故に、ユーザの快適性を確保しつつ、効率の悪い状態での小型空調機30の使用を避けることが可能になる。
また第一実施形態では、各小型空調機30の状態情報に基づく優先作動モードの選択により、安定動作している小型空調機30の運転が優先的に継続される。例えば、第一シート11及び第二シート12のうちで空調実施を要求するシート10が入れ替わった場合に、入れ替わりの前まで運転されていた一方の小型空調機30作動が継続される。こうした協調制御によれば、複数の乗客の乗降に伴い空調実施を要求するシート10の入れ替わりが頻繁に発生したとしても、小型空調機30の作動を安定化させるまでに消費されるエネルギは、低減され得る。
加えて第一実施形態では、一つのシート空調ECU70によって複数の小型空調機30が制御される。こうしたシステム構成であれば、複数の小型空調機30及び連結部20の制御が緻密に協調可能となる。
尚、第一実施形態では、シート空調システム1が「空調システム」に相当し、メインダクト21が「ダクト部」に相当し、小型空調機30が「空調機」に相当し、第一小型空調機31が「第一空調機」に相当する。また、第二小型空調機32が「第二空調機」に相当し、シート空調ECU70が「統合制御部」及び「空調制御装置」に相当し、車両BSが「移動体」に相当する。
(第二実施形態)
図12に示す本開示の第二実施形態によるシート空調システム201は、小型空調機30及びシート空調ECU270を一つずつ含む空調ユニットを、複数(二つ)組み合わせてなる。シート空調システム201において、第一シート11の空調操作パネル19と接続され、第一小型空調機31を制御するシート空調ECU270が、第一空調ECU270aとなる。一方、第二シート12の空調操作パネル19と接続され、第二小型空調機32を制御するシート空調ECU270が、第二空調ECU270bとなる。
第二実施形態では、第一空調ECU270a及び第二空調ECU270bを含むECU群170が、第一実施形態のシート空調ECU70(図1参照)に相当する機能を発揮し、二つの小型空調機30及び連結部20を協調制御する。二つのシート空調ECU270のうちの一方のみが、切替機構20aと接続され、連結部20における各ダクト21,24,27(図7参照)の連通状態を制御する。互いに接続された二つのシート空調ECU270において、切替機構20aと接続される一方(例えば第一空調ECU270a)がメイン側となる。切替機構20aと接続されない他方(例えば第二空調ECU270b)がサブ側となる。
シート空調ECU270は、第一実施形態と同様に、プロセッサ、RAM及び入出力インターフェースを有するマイクロコントローラを主体に構成された制御回路70aと、メモリ装置69とを備えている。メモリ装置69には、メイン側となるシート空調ECU270にて実行される空調制御プログラムと、サブ側となるシート空調ECU270にて実行される空調制御プログラムとが格納されている。
第一空調ECU270aは、第二空調ECU270b及び切替機構20aとの接続判定に基づき、メイン側用の空調制御プログラムをプロセッサによって実行する。その結果、第一空調ECU270aは、要求取得部61、情報取得部62、状態判定部63、異常診断部64及び供給制御部67に加えて、空調制御部265a及び連携制御部266aを構築する。
第二空調ECU270bは、第一空調ECU270aとの接続判定、及び切替機構20aとの非接続判定に基づき、サブ側用の空調制御プログラムをプロセッサによって実行する。その結果、第二空調ECU270bは、要求取得部61、情報取得部62、状態判定部63及び異常診断部64に加えて、空調制御部265b及び連携制御部266bを構築する。
以上の各連携制御部266b,266a及び各空調制御部265a,265bの相互連携によって実施される空調制御処理の詳細を、図13に基づき、図12を参照しつつ説明する。
第二空調ECU270bの連携制御部266bは、第一空調ECU270aの連携制御部266aと通信可能に接続されている。連携制御部266bは、要求取得部61にて取得されたユーザによる設定値情報に基づき、第二シート12のシート空調に必要な冷房能力又は暖房能力を算出する(S201)。さらに連携制御部266bは、異常診断部64による異常診断の結果、及び状態判定部63による状態判定の結果等を参照する(S202)。連携制御部266bは、第二小型空調機32についてのこれらの情報を、第一空調ECU270aの連携制御部266aへ向けて逐次送信する。
連携制御部266aは、連携制御部266bにおけるS201及びS202の実施と併行し、要求取得部61にて取得された設定値情報に基づき、第一シート11のシート空調に必要な冷房能力及び暖房能力を算出する(S203)。さらに連携制御部266aは、異常診断部64による異常診断の結果、及び状態判定部63による状態判定の結果等を参照する(S204)。連携制御部266aは、第一小型空調機31についてのこれらの情報の取得に加えて、第二小型空調機32についての情報も、第二空調ECU270bから逐次取得する。
空調制御部265aは、第一実施形態の協調制御部68(図1参照)と実質同一の機能を有している。空調制御部265aは、連携制御部266aにて取得された情報、即ち、二席分のシート空調に必要な空調能力等に基づき、各小型空調機31,32及び連結部20の動作モードを、複数のうちから選択的に設定する(S205)。空調制御部265aは、動作モードの設定結果に基づき、サブ側の第二空調ECU270bへ向けて、第二小型空調機32の各構成の動作を指示する制御指令を出力する。
さらに空調制御部265aは、供給制御部67と連携し、各ダンパ22,25,26,28,29(図7参照)を駆動し、設定した動作モードに対応する状態に連結部20を制御する(S206)。加えて空調制御部265aは、設定した動作モードに基づく制御信号を生成し、第一小型空調機31における各構成の作動を制御する(S207)。
第二空調ECU270bの空調制御部265bは、各連携制御部266a,266bを通じて、空調制御部265aから出力される制御指令を取得する。空調制御部265bは、制御指令に従った制御信号を生成し、第二小型空調機32における各構成の作動を制御する(S208)。
ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、各小型空調機30を効率の良い状態で作動させて、シート空調のために消費されるエネルギを低減しつつ、各シート11,12に要求される空調環境が実現できる。加えて第二実施形態のように、複数のシート空調ECU270の連携によっても、複数の小型空調機30及び連結部20の協調制御は実施可能である。
尚、第二実施形態では、シート空調システム201が「空調システム」に相当し、第一空調ECU270aが「第一制御回路」及び「空調制御装置」に相当する。また、第二空調ECU270bが「第二制御回路」に相当し、連携制御部266aが「通信部」に相当し、ECU群170が「統合制御部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示による複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態にて示したシート空調システムは、バス等の車両に限定されず、鉄道車両、航空機、トラム、及びライドシェアのための自動運転車両等にも、適宜採用可能である。加えて、自動運転車両にシート空調システムを採用する場合等では、要求取得部は、ユーザの携帯端末と無線通信可能な構成であってよい。こうした構成であれば、ユーザの通信端末が、空調操作パネルとして機能可能となる。
上記実施形態では、横並びの二つのシートに設置された小型空調機が、連結部によって相互に連結されていた。しかし、連結される小型空調機の位置関係は、適宜変更可能である。例えば、前後に並ぶ二つのシートに設置された小型空調機が連結部によって相互に連結されてよい。さらに、通路を挟んで隣接する二つのシートに設置された小型空調機が、連結部によって相互に連結されてよい。
また、連結部によって連結される小型空調機の数は、三つ以上であってもよい。例えば、バスの最後列(図2参照)では、多数(五つ)のシートが横一列に並ぶ配置となっている。こうした箇所では、多数の小型空調機が、連結部によって直列に接続されてよい。
上記実施形態の連結部は、第一小型空調機と第二小型空調機との間において、空調風の双方向の移動を可能にしていた。しかし、連結部は、第一小型空調機の空調風を第二シートに供給可能にするのみでもよく、又は第二小型空調機の空調風を第一シートに供給可能にするのみでもよい。即ち、余力によって他方のシートを空調可能な小型空調機は、片方だけであってもよい。
上記実施形態のメインダクトは、二つの小型空調機の送風路の間に設けられていた。しかし、メインダクトの各端部は、各シートの内部にて、シート内ダクトと接続されていてもよい。尚、シート内ダクトは、小型空調機の一部であってもよい。さらに、第一排熱回収ダクト及び第二排熱回収ダクトは、省略されていてもよい。加えて、切替機構に用いられる構成は、ダンパに限定されず、開閉弁等であってもよい。
上記第二実施形態のシート空調ECUは、切替機構との接続の有無に基づき、メイン側及びサブ側の判定をしていた。しかし、複数のシート空調ECUを接続する形態では、メイン側及びサブ側を設定するスイッチ等が、シート空調ECUに設けられていてもよい。
上記実施形態のシート空調システムでは、二つの小型空調機の連携を前提として、二つの省エネモード、フェールモード及び優先動作モード等の動作モードが設定可能であった。しかし、これらの動作モードの全てが設定可能でなくてもよい。さらに、各シートの座面には、ユーザの有無を検知する着座センサが設けられていてもよい。シート空調ECUは、着座センサによってユーザが検出されていない場合に、小型空調機によるシート空調を停止してもよい。
空調機の構成は、上記の小型空調機の構成に限定されず、適宜変更されてよい。例えば空調機は、冷房機能及び暖房機能の一方のみを備える構成であってもよい。また、アシストファンは、適宜省略されてよい。加えて空調機は、例えば冷凍サイクル装置に替えて、ペルチェ素子で冷気を発生させる構成であってもよく、PTCヒータ等の電熱器のみで暖気を発生させる構成であってもよい。
上記実施形態にて、シート空調ECU又はECU群にて提供された各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアである電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
BS 車両(移動体)、1,201 シート空調システム(空調システム)、10 シート、11 第一シート、12 第二シート、20 連結部、20a 切替機構、21 メインダクト(ダクト部)、30 小型空調機(空調機)、31 第一小型空調機(第一空調機)、32 第二小型空調機(第二空調機)、62 情報取得部、65 第一制御部、265a 空調制御部、66 第二制御部、266a 連携制御部(通信部)、67 供給制御部、70 シート空調ECU(統合制御部,空調制御装置)、170 ECU群(統合制御部,)、270a 第一空調ECU(第一制御回路,空調制御装置)、270b 第二空調ECU(第二制御回路)

Claims (10)

  1. 移動体(BS)に設置された複数のシート(10)のそれぞれに空調風を供給する空調システムであって、
    複数の前記シートのうちの第一シート(11)に空調風を供給する第一空調機(31)と、
    複数の前記シートのうちで前記第一シートとは異なる第二シート(12)に空調風を供給する第二空調機(32)と、
    前記第一空調機による前記第一シートの空調及び前記第二空調機による前記第二シートの空調を制御する統合制御部(70,170)と、
    前記第一空調機から前記第二シートへの空調風の供給、及び前記第二空調機から前記第一シートへの空調風の供給、の少なくとも一方を、前記統合制御部の制御に基づき実施する連結部(20)と、
    を備える空調システム。
  2. 前記統合制御部は、前記第一シート及び前記第二シートに要求される空調風が冷気及び暖気のうちで互いに異なっている場合に、前記第一空調機及び前記第二空調機のうちの一方に生成させた冷気及び暖気を用いて、前記第一シート及び前記第二シートのそれぞれを空調する請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記統合制御部は、前記第一シート及び前記第二シートの空調に用いる冷気又は暖気が前記第一空調機及び前記第二空調機の一方で供給可能である場合に、前記第一空調機及び前記第二空調機のいずれか一方に生成させた冷気又は暖気を用いて、前記第一シート及び前記第二シートの両方を空調する請求項1又は2に記載の空調システム。
  4. 前記統合制御部は、前記第一空調機及び前記第二空調機の一方が異常状態である場合に、前記第一空調機及び前記第二空調機のうちで正常状態にある他方にて生成された空調風を用いて、前記第一シート及び前記第二シートの両方を空調する請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記統合制御部は、前記第一空調機による前記第一シートの空調が作動しており、前記第二空調機による前記第二シートの空調が停止している状態にて、前記第二シートの空調開始を指示する指令を取得した場合に、前記第一空調機にて生成される空調風を、前記連結部を通じて前記第二シートに供給させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の空調システム。
  6. 前記第一空調機及び前記第二空調機のそれぞれの状態を示す状態情報を取得する情報取得部(62)、をさらに備え、
    前記統合制御部は、前記状態情報に基づき、前記第一空調機及び前記第二空調機のうちで状態の安定している一方を優先的に作動させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の空調システム。
  7. 前記統合制御部は、前記第一シート及び前記第二シートのうちで空調の実施を要求する前記シートが入れ替わった場合に、前記第一空調機及び前記第二空調機のうちで入れ替わりの前に作動していた一方の作動を継続させる請求項1〜6のいずれか一項に記載の空調システム。
  8. 前記連結部は、前記第一空調機及び前記第二空調機の間を連結するダクト部(21)、及び前記ダクト部の連通状態を切り替える切替機構(20a)、を有し、
    前記統合制御部は、前記第一空調機を制御する第一制御回路(270a)と、前記第二空調機を制御する第二制御回路(270b)と、を含み、
    前記第一制御回路及び前記第二制御回路のうちの一方が、前記切替機構を制御する請求項1〜7のいずれか一項に記載の空調システム。
  9. 複数のシート(10)が設置された移動体(BS)において用いられ、複数の前記シートのうちの第一シート(11)に設けられた第一空調機(31)を制御する空調制御装置であって、
    前記第一空調機による空調風の供給を制御する空調制御部(265a)と、
    前記第一シートとは異なる第二シート(12)に空調風を供給する第二空調機(32)であって、連結部(20)によって前記第一空調機と連結された第二空調機、に通信可能に接続される通信部(266a)と、
    前記第一空調機及び前記第二空調機の一方から他方に前記連結部を通じて供給される空調風を制御する供給制御部(67)と、
    を備える空調制御装置。
  10. 複数のシート(10)が設置された移動体(BS)において用いられ、前記シート(10)毎に設けられた複数の空調機(30)を制御する空調制御装置であって、
    複数の前記シートのうちの第一シート(11)に設けられた第一空調機(31)による空調風の供給を制御する第一制御部(65)と、
    複数の前記シートのうちで前記第一シートとは異なる第二シート(12)に設けられた第二空調機(32)であって、連結部(20)によって前記第一空調機と連結された第二空調機による空調風の供給を制御する第二制御部(66)と、
    前記第一空調機及び前記第二空調機の一方から他方に前記連結部を通じて供給される空調風を制御する供給制御部(67)と、を備える空調制御装置。
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