JP2018144655A - 眠気抑制装置 - Google Patents

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千穂 久保
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稲田  智洋
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Abstract

【課題】運転者である乗員との間で熱移動を生じる伝熱媒体の温度を単に低下させる場合と同程度の温度にまで伝熱媒体の温度を低下させなくても、その場合と同程度の覚醒効果を得ることが可能な眠気抑制装置を提供する。
【解決手段】眠気抑制装置10の制御部は、運転者82の覚醒を促す際には、運転者82との間で熱移動を生じる乗員周辺空気の温度を一旦上昇させた後に運転者82に冷感を与えるように冷温風ユニット11を制御する。従って、乗員周辺空気の温度を単に低下させる構成例を想定した場合、その構成例と同程度の温度にまで乗員周辺空気の温度を低下させなくても、冷感を与えるための乗員周辺空気の温度の低下幅を、その構成例と同程度に生じさせることが可能である。その結果、その構成例と同程度の温度にまで乗員周辺空気の温度を低下させなくても、その構成例と同程度の覚醒効果を得ることが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗員の眠気を抑制する眠気抑制装置に関するものである。
この種の眠気抑制装置として、例えば特許文献1に記載された運転支援装置が従来から知られている。この特許文献1に記載された運転支援装置は、運転者の覚醒状態を適切に誘導するために手部に冷風を当てる。具体的には、運転支援装置は、運転者の覚醒度を検出する。そして、運転支援装置は、その運転者の覚醒度が所定の範囲内にない場合には、運転者の覚醒度に応じた温度の風(例えば、冷風)を、運転者の手部に対して送風する。
特開2013−1301号公報
特許文献1の運転支援装置は、運転者としての乗員の覚醒を促す際には、冷風をその乗員の手部に対して送風するが、その手部に対し吹き出される冷風を、乗員の覚醒を促すために十分に低い温度とすることが困難な場合が想定される。例えば、その冷風が空調ユニットから吹き出される場合にその空調ユニットの冷房能力不足が生じる場合、吹き出された冷風が手部へ到達する前に拡散してしまう場合、および、車室内の快適性維持のため冷風の温度を十分に下げることができない場合などがそれである。
このように冷風を十分に低い温度とすることが困難な場合には、その乗員に対する覚醒効果が不十分になる可能性がある。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本発明は上記点に鑑みて、乗員との間で熱移動を生じる伝熱媒体の温度を単に低下させる場合と同程度の温度にまで伝熱媒体の温度を低下させなくても、その場合と同程度の覚醒効果を得ることが可能な眠気抑制装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の眠気抑制装置は、
乗員(82)の眠気を抑制する眠気抑制装置であって、
乗員との間で熱移動を生じる伝熱媒体の温度を変化させる加熱冷却部(11、90、92)と、
乗員の覚醒を促す際には、伝熱媒体の温度を一旦上昇させた後に乗員に冷感を与えるように加熱冷却部を制御する制御部(40)とを備えている。
上述のように、制御部は、乗員の覚醒を促す際には、乗員との間で熱移動を生じる伝熱媒体の温度を一旦上昇させた後に乗員に冷感を与えるように加熱冷却部を制御する。従って、伝熱媒体の温度を単に低下させる場合と比較して、それと同程度の温度にまで伝熱媒体の温度を低下させなくても、冷感を与えるための伝熱媒体の温度低下幅を同程度に生じさせることが可能である。その結果、伝熱媒体の温度を単に低下させる場合と同程度の温度にまで伝熱媒体の温度を低下させなくても、その場合と同程度の覚醒効果を得ることが可能である。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態において、眠気抑制装置が設けられた車室内の様子を示した斜視図である。 第1実施形態において、眠気抑制装置が有する冷温風ユニットを、車両後方側から見て描いた斜視図である。 第1実施形態において、眠気抑制装置が有する制御部に関する電気系統を示したブロック図である。 第1実施形態において、眠気抑制装置が有する冷温風ユニットの内部構造を模式的に示した断面図である。 第1実施形態において、眠気抑制装置の制御部が実行する制御処理を示したフローチャートである。 比較例の眠気抑制装置が実行する覚醒作動のタイミングチャートを上欄に示すと共に、第1実施形態の眠気抑制装置が図5の制御処理により実行する覚醒作動のタイミングチャートを下欄に示した図である。 第1実施形態と比較例との各々について、覚醒作動時における乗員周辺温度の時間変化を示した図である。 第2実施形態において、眠気抑制装置が設けられた車室内の様子を示した斜視図であって、第1実施形態の図1に相当する図である。 第3実施形態において、眠気抑制装置が設けられた車室内の様子を示した斜視図であって、第1実施形態の図1に相当する図である。
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、眠気抑制装置10は、車両80の車室内に配置されている。そして、眠気抑制装置10は、車両80を運転する乗員である運転者82の眠気を抑制する装置として構成されている。これにより、例えば、運転者82が運転中に居眠りしてしまうことが防止される。なお、図1および図2の各矢印DR1、DR2、DR3は、眠気抑制装置10が搭載された車両80の向きを示す。すなわち、図1の矢印DR1は車両上下方向DR1を示し、図2の矢印DR2は車両前後方向DR2を示し、矢印DR3は車両左右方向DR3(すなわち、車両幅方向DR3)を示している。
図2および図3に示すように、眠気抑制装置10は、冷温風ユニット11と、その冷温風ユニット11を制御する制御部40とを備えている。冷温風ユニット11は、図1および図2に示すように、車室内にて運転者82が着座する着座シート84すなわち運転席シート84に取り付けられている。詳細には、冷温風ユニット11は、その運転席シート84が有するヘッドレスト841の近傍で且つ車両後方側に配置されている。
冷温風ユニット11は、車室内の空調を行う空調ユニットとは別に独立して設けられた装置であり、冷風を吹き出す冷風供給機能と、温風を吹き出す温風供給機能とを備えている。冷温風ユニット11は、着座した運転者82の背後から運転者82の首821または頭部822に対して冷風と温風とを吹き出すことができる。すなわち、冷温風ユニット11は、冷風と温風とを選択的に吹き出すことにより、運転者82との間で熱移動を生じる伝熱媒体の温度を変化させる加熱冷却部として機能する。本実施形態では、その伝熱媒体は車室内の空気、詳細には、着座した運転者82に接する空気である。なお、図1の矢印AR1は、冷温風ユニット11の冷風吹出口11aから吹き出された冷風を表し、矢印AR2は、冷温風ユニット11の温風吹出口11bから吹き出された温風を表している。
図4に示すように、冷温風ユニット11は、ケース12とペルチェ素子14と冷風用送風機16と冷風用熱交換器18と温風用送風機20と温風用熱交換器22と吹出口ドア24とを備えている。
ケース12は、冷温風ユニット11の外殻を構成している。ケース12は、冷風を流す冷風通路121aが内部に形成された冷風用ケース部121と、温風を流す温風通路122aが内部に形成された温風用ケース部122とを有している。
冷風用ケース部121は、冷風通路121aからの冷風を吹き出す冷風吹出通路121cが形成された冷風吹出部121bを有している。その冷風吹出通路121cの空気流れ下流端は、車室内へ開放された冷風吹出口11aとなっている。図1および図2に示すように、冷風吹出部121bは、車両前方側を向いて延びるノズル形状を成し、冷風吹出口11aは、運転者82の首821または頭部822へ冷風を吹き出すために、車両前方側を向いて開口している。
また、図4に示すように、冷風用ケース部121には、ケース12外の空気を冷風用ケース部121内に取り入れるための吸気口121dが形成されている。
温風用ケース部122は、温風通路122aからの温風を吹き出す温風吹出通路122cが形成された温風吹出部122bを有している。その温風吹出通路122cの空気流れ下流端は、車室内へ開放された温風吹出口11bとなっている。図1および図2に示すように、温風吹出部122bは、車両前方側を向いて延びるノズル形状を成し、温風吹出口11bは、運転者82の首821または頭部822へ温風を吹き出すために、車両前方側を向いて開口している。
また、図4に示すように、温風用ケース部122には、ケース12外の空気を温風用ケース部122内に取り入れるための吸気口122dと、温風通路122aからの温風を排気する温風排気口122eとが形成されている。温風排気口122eは、その温風排気口122eから吹き出す温風が、運転席シート84に着座した運転者82から離れる方向へ向かうように設けられている。従って、その運転者82は、温風排気口122eから吹き出された温風の熱を感じることはない。
ペルチェ素子14は、吸熱部141と発熱部142とを有している。そして、ペルチェ素子14は、通電されることにより、吸熱部141にて吸熱作用を生じると共に発熱部142にて発熱作用を生じる。ペルチェ素子14の吸熱部141は冷風用ケース部121内に配置され、発熱部142は温風用ケース部122内に配置されている。ペルチェ素子14に対する通電は、制御部40によって制御される。
冷風用送風機16は、制御部40によって駆動制御される電動送風機である。冷風用送風機16は、不図示のファンと、そのファンを回転させるモータとを有している。冷風用送風機16のファンは冷風通路121aに配置されており、冷風用送風機16は、そのファンの回転により、ケース12外の空気を矢印AR3のように冷風用ケース部121の吸気口121dから吸い込むと共に、その吸い込んだ空気を矢印AR4のように冷風通路121aに流す。
冷風用熱交換器18は、冷風通路121aのうち冷風用送風機16のファンに対する空気流れ下流側に配置されている。冷風用熱交換器18は、冷風用送風機16からの空気とペルチェ素子14の吸熱部141とを熱交換させる。そのため、ペルチェ素子14の吸熱部141は、冷風用熱交換器18を介して冷風用送風機16からの空気を冷却することができる。そして、冷風用送風機16からの空気は、ペルチェ素子14の吸熱部141によって冷却されると、冷風となって冷風吹出通路121cへ流れる。
温風用送風機20は、制御部40によって駆動制御される電動送風機である。温風用送風機20は、不図示のファンと、そのファンを回転させるモータとを有している。温風用送風機20のファンは温風通路122aに配置されており、温風用送風機20は、そのファンの回転により、ケース12外の空気を矢印AR5のように温風用ケース部122の吸気口122dから吸い込むと共に、その吸い込んだ空気を矢印AR6のように温風通路122aに流す。
温風用熱交換器22は、温風通路122aのうち温風用送風機20のファンに対する空気流れ下流側に配置されている。温風用熱交換器22は、温風用送風機20からの空気とペルチェ素子14の発熱部142とを熱交換させる。そのため、ペルチェ素子14の発熱部142は、温風用熱交換器22を介して温風用送風機20からの空気を加熱することができる。そして、温風用送風機20からの空気は、ペルチェ素子14の発熱部142によって加熱されると、温風となって温風吹出通路122cまたは温風排気口122eへ流れる。
吹出口ドア24は、温風用ケース部122内に設けられており、温風吹出通路122cと温風排気口122eとを開閉する。例えば、吹出口ドア24は、一軸まわりに回動動作する回動ドアとして構成されている。
具体的には、吹出口ドア24は、その回動動作により、温風を排気する排気位置と、温風を運転者82へ吹き出させる温風吹出位置とに択一的に位置決めされる。吹出口ドア24は、その排気位置に位置決めされた場合には、温風吹出通路122cを塞ぐ一方で、温風排気口122eを開き温風通路122aへ連通させる。逆に、吹出口ドア24は、温風吹出位置に位置決めされた場合には、温風排気口122eを塞ぐ一方で、温風吹出通路122cを開き温風通路122aへ連通させる。
このような構成から、冷温風ユニット11のうち、冷風用ケース部121、ペルチェ素子14の吸熱部141、冷風用送風機16、および冷風用熱交換器18は、全体として冷風供給部111を構成している。そして、その冷風供給部111は運転席シート84周りに冷風を供給する。詳細に言えば、その冷風供給部111は、運転席シート84に着座した運転者82に向けて冷風を吹き出す。
また、冷温風ユニット11のうち、温風用ケース部122、ペルチェ素子14の発熱部142、温風用送風機20、温風用熱交換器22、吹出口ドア24は、全体として温風供給部112を構成している。そして、その温風供給部112は運転席シート84周りに温風を供給する。詳細に言えば、その温風供給部112は、運転席シート84に着座した運転者82に向けて温風を吹き出す。
また、冷風供給部111から冷風として吹き出される空気を冷却する冷却源と、温風供給部112から温風として吹き出される空気を加熱する加熱源は共通しており、何れもペルチェ素子14である。言い換えれば、温風供給部112から運転席シート84周りに供給される温風は、冷風供給部111から運転席シート84周りに冷風として供給される空気を冷却するペルチェ素子14により加熱された空気で構成されている。
なお、冷風供給部111からの冷風と温風供給部112からの温風とがそれぞれ供給される運転席シート84周りの空間とは、詳細に言えば図1に示すように、運転者82の頭部822周りの空間である。
図3に示す制御部40は、不図示のCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータで構成された電子制御装置である。その制御部40に接続されたセンサ等からの信号は、不図示の入力回路によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
例えば本実施形態では、制御部40は、冷風用送風機16を作動させる信号、温風用送風機20を作動させる信号、および、吹出口ドア24を作動させる信号をそれぞれ出力する。また、制御部40は、ペルチェ素子14に通電される電流を制御する。
また、手動覚醒スイッチ42からのスイッチ操作信号、および、眠気検知装置44からの覚醒起動信号が制御部40へ入力される。その手動覚醒スイッチ42は、運転者82に操作されるスイッチであり、例えば図1に示すように、インストルメントパネル86に設けられている。運転者82は、その運転者82自身を覚醒させる作動を眠気抑制装置10に実行させるときに、手動覚醒スイッチ42を操作する。手動覚醒スイッチ42が操作されたことを示すスイッチ操作信号は、その手動覚醒スイッチ42が操作される毎に図3の制御部40へ入力される。
図3に示す眠気検知装置44はマイクロコンピュータ等の制御装置を含んで構成されており、運転者82のカメラ画像などを用いた周知の方法によって運転者82の覚醒度を算出する。そして、眠気検知装置44は、運転者82が眠気を催しているか否かを、運転者82の覚醒度に基づいて判定する。
また、眠気検知装置44には、冷風を用いて運転者82の覚醒を促す本実施形態の眠気抑制装置10のほかにも、種々の覚醒アクチュエータが接続されている。眠気検知装置44は、運転者82が眠気を催していると判定した場合において、複数の覚醒アクチュエータの中から本実施形態の眠気抑制装置10を、作動させる覚醒アクチュエータとして選択した場合には、眠気抑制装置10の制御部40へ覚醒起動信号を出力する。すなわち、眠気抑制装置10は、この覚醒起動信号を出力することにより、冷温風ユニット11で運転者82を覚醒させるように制御部40へ指令することができる。なお、本実施形態の眠気抑制装置10以外の覚醒アクチュエータとしては、光を用いて運転者82を覚醒させる発光装置、音を用いて運転者82を覚醒させる警告音発生装置、香りを用いて運転者82を覚醒させる香り供給装置、および、振動を用いて運転者82を覚醒させる振動発生装置などを例示することができる。
図5は、制御部40が実行する制御処理を示したフローチャートである。制御部40は、例えば車両80のイグニッションスイッチがオンにされると図5の制御処理を開始し、イグニッションスイッチがオフにされるまで図5の制御処理を継続して実行する。
図5に示すように、ステップS01では、制御部40は、冷温風ユニット11の作動準備を行う。具体的に、その作動準備では、図4に示すペルチェ素子14に通電され、ペルチェ素子14は、吸熱部141が空気を冷却し且つ発熱部142が空気を加熱する状態とされる。また、吹出口ドア24は排気位置に位置決めされる。また、冷風用送風機16は停止状態とされ、温風用送風機20は作動させられ、送風状態とされる。
これにより、冷風通路121a内の空気はペルチェ素子14の吸熱部141によって冷却されるが、冷温風ユニット11から吹き出されはしない。その一方で、温風通路122a内の空気はペルチェ素子14の発熱部142によって加熱され、温風となって温風排気口122eから排気される。要するに、ステップS01では、運転者82に対して冷風も温風も吹き出されず、冷風と温風とを冷温風ユニット11から運転者82へ吹き出させるための準備が為される。図5に示すステップS01の作動準備が完了すると、ステップS01からステップS02へ進む。
ステップS02では、制御部40は、冷温風ユニット11を起動させる起動指令を眠気検知装置44から受けたか否かと、手動覚醒スイッチ42がオンにされたか否かとをそれぞれ判定する。具体的には、制御部40は、眠気検知装置44から覚醒起動信号を得た場合に、眠気検知装置44から起動指令を受けたと判定する。また、制御部40は、手動覚醒スイッチ42からスイッチ操作信号を得た場合に、手動覚醒スイッチ42がオンにされたと判定する。手動覚醒スイッチ42のオンとは、その手動覚醒スイッチ42が操作されたことを表す。
ステップS02において、眠気検知装置44から起動指令を受けたと判定された場合、または、手動覚醒スイッチ42がオンにされたと判定された場合には、ステップS03へ進む。その一方で、眠気検知装置44から起動指令を受けていないと判定され、且つ手動覚醒スイッチ42がオンにされていないと判定された場合には、再びステップS02が実行される。
なお、後述するようにステップS03、S04では、冷温風ユニット11は運転者82を覚醒させるように温風と冷風とを順次吹き出す。従って、ステップS02からステップS03へ進む場合とは、言い換えれば、制御部40が冷温風ユニット11の作動により運転者82の覚醒を促す場合であると言える。
ステップS03では、制御部40は、温風供給部112に、温風吹出口11bから運転者82へ温風を吹き出させる。具体的には、ペルチェ素子14には既に通電され、温風用送風機20は既に送風状態にあるので、制御部40は、吹出口ドア24を排気位置から温風吹出位置へ回動させることにより温風の吹出しを開始させる。そして、吹出口ドア24が温風吹出位置に位置決めされている間、温風の吹出しは継続され、制御部40は、吹出口ドア24を温風吹出位置から排気位置へ回動させることにより温風の吹出しを終了させる。
この温風の吹出しは一時的に行われるものである。例えば、温風の吹出しは、その吹出し開始時点から、予め定められた温風吹出時間Twが経過するまで継続し、温風吹出時間Twが経過した時点で終了する。温風の吹出しが終了すると、ステップS03からステップS04へ進む。
ステップS04では、制御部40は、冷風供給部111に、冷風吹出口11aから運転者82へ冷風を吹き出させる。具体的には、ペルチェ素子14には既に通電されているので、制御部40は、冷風用送風機16を作動させ、停止状態から送風状態に切り替えることにより冷風の吹出しを開始させる。そして、冷風用送風機16が送風状態にある間、冷風の吹出しは継続され、制御部40は、冷風用送風機16を停止させることにより冷風の吹出しを終了させる。
この冷風の吹出しは、その吹出し開始時点から、予め定められた冷風吹出時間Tcが経過するまで継続し、冷風吹出時間Tcが経過した時点で終了する。但し、冷風吹出時間Tcは、温風吹出時間Twよりも長い時間になっている。冷風の吹出しが終了すると、ステップS04からステップS02へ戻る。
なお、図5の各ステップでの処理は、それぞれの機能を実現する機能部を構成している。
上述した図5の制御処理により温風と冷風とが順次吹き出されることを示したタイミングチャートが、図6のうち本実施形態と記載された下欄に示されている。そして、図6の上欄には、本実施形態と比較される比較例のタイミングチャートが示されている。
その比較例の眠気抑制装置は、眠気検知装置44から覚醒起動信号が得られた場合または手動覚醒スイッチ42からスイッチ操作信号が得られた場合に、冷風のみを運転者82へ向けて供給し、それにより運転者82の覚醒を促す。例えば、その比較例では、冷風が或る時間送風されると、その送風が停止する。その後、覚醒起動信号またはスイッチ操作信号が得られると、再び冷風のみが運転者82へ向けて供給される。
図6のタイミングチャートについて説明すると、先ず、t1時点よりも前に、図5のステップS01が実行されている。すなわち、本実施形態の冷温風ユニット11の作動準備は、図6のt1時点で既に完了している。このことは、比較例でも同様である。
また、図6のt1時点では、図5のステップS02にて、眠気検知装置44から起動指令を受けたと判定され、或いは、手動覚醒スイッチ42がオンにされたと判定されている。要するに、図6のt1時点は、図5のステップS02の判定がNOからYESに切り替わった時点を示している。このことは、比較例でも同様である。すなわち、本実施形態でも比較例でも、運転者82の覚醒を促す覚醒作動がt1時点以後の時点(例えば、t2時点)から開始される。
具体的には、図6のt1時点で、図5のステップS02の判定がNOからYESに切り替わったので、本実施形態では、t1時点の後のt2時点から温風吹出時間Twが経過するまで、図5のステップS03が実行される。これにより、図6のt2時点から温風吹出時間Twが経過するまでの間、要するにt2時点からt3時点までの間、温風供給部112は温風吹出口11bから運転者82に対して温風を供給する。
更に、本実施形態では、図6のt3時点から冷風吹出時間Tcが経過するまで、図5のステップS04が実行される。これにより、t3時点から冷風吹出時間Tcが経過するまでの間、冷風供給部111は冷風吹出口11aから運転者82に対して冷風を供給する。
このような本実施形態の眠気抑制装置10の作動により、運転者82周りの空気温度である乗員周辺温度すなわち上述の伝熱媒体の温度は、図7の実線L1のように変化する。具体的には、その乗員周辺温度は、温風供給部112からの温風の温度に一旦到達した後に、冷風供給部111からの冷風の温度にまで引き下げられる。
これにより、眠気抑制装置10は運転者82に冷感を与え、その運転者82の覚醒を促す。すなわち、本実施形態において眠気抑制装置10の制御部40は、運転者82の覚醒を促す際には、乗員周辺温度を一旦上昇させた後に運転者82に冷感を与えるように冷温風ユニット11を制御する。詳細に言えば、冷温風ユニット11のうち温風供給部112は、運転者82の覚醒が促される際には、運転席シート84周りに温風を供給することにより、乗員周辺温度を一旦上昇させる。そして、冷温風ユニット11のうち冷風供給部111は、運転者82の覚醒が促される際には、上記温風の供給後に、運転席シート84周りに冷風を供給することにより、運転者82に冷感を与える。なお、図7の乗員周辺温度とは、詳しくは、運転者82周りのうち冷風と温風とが供給される箇所の空気温度である。また、運転者82は運転席シート84に着座しているので、その乗員周辺温度は、運転席シート84周りの空気温度と解釈されても差し支えない。
このような本実施形態の眠気抑制装置10に対し、比較例の眠気抑制装置では、温風は吹き出されないので、図6のt2時点から冷風吹出時間Tcが経過するまで、眠気抑制装置は運転者82に対して冷風を供給する。
このような比較例の眠気抑制装置の作動により、乗員周辺温度は、図7の破線L2のように、眠気抑制装置から吹き出された冷風の温度にまで引き下げられる。これにより、比較例の眠気抑制装置は運転者82に冷感を与え、その運転者82の覚醒を促す。
なお、図6のt4、t5、t6時点はそれぞれ、t1、t2、t3時点を作動タイミングとして含む1サイクルの制御の後に実行された制御における各作動タイミングを示している。そして、t4時点はt1時点に相当し、t5時点はt2時点に相当し、t6時点はt3時点に相当する。
また、図7に示すように、本実施形態の冷温風ユニット11は、運転者82の覚醒が促される際に乗員周辺温度を一旦上昇させるときには、その乗員周辺温度を一旦上昇させる前の温度Tbよりも高い温度にまで上昇させる。要するに、そのときに吹き出される温風の温度は、その一旦上昇させられる前の乗員周辺温度Tbよりも高くなっている。更に、冷温風ユニット11は、運転者82の覚醒が促される際に運転者82に冷感を与えるときには、乗員周辺温度を一旦上昇させる前の温度Tbよりも低い温度にまで低下させる。要するに、そのときに吹き出される冷風の温度は、その一旦上昇させられる前の乗員周辺温度Tbよりも低くなっている。
上述したように、本実施形態によれば、眠気抑制装置10の制御部40は、運転者82の覚醒を促す際には、運転者82との間で熱移動を生じる空気の温度を一旦上昇させた後に運転者82に冷感を与えるように冷温風ユニット11を制御する。すなわち、図6において本実施形態を、運転者82との間で熱移動を生じる空気の温度を単に低下させる比較例と対比すれば、本実施形態では、冷風の供給前に温風が一時的に供給されるということが比較例に対し追加されている。
従って、その比較例と比較して、本実施形態では、図7に示すように、その比較例と同程度の温度にまで乗員周辺温度を低下させなくても、冷感を与えるための乗員周辺温度の低下幅を比較例と同程度に生じさせることが可能である。その結果、比較例と同程度の温度にまで乗員周辺温度を低下させなくても、その比較例と同程度の覚醒効果を得ることが可能である。
例えば図7では、本実施形態における乗員周辺温度の低下幅と、比較例における乗員周辺温度の低下幅は何れもΔTPであり、互いに同じ大きさである。この乗員周辺温度の低下によって運転者82に与えられる温度刺激は、比較例でも本実施形態でも同程度である。このように、本実施形態では、温度変化に対する人の感覚器の動特性を活用し、温風の温かさに運転者82を慣れさせた後に運転者82に冷感を与え、運転者82の覚醒を促している。
ここで、図7とは異なり、本実施形態で吹き出される冷風の温度と、比較例で吹き出される冷風の温度とが同程度である場合を想定する。その場合、本実施形態では、温風により運転者82の身体を温かさに慣れさせた上で冷風を当てることにより、同じ温度の冷風のみを供給する比較例と比べて、冷風が供給された時の空気の温度差が大きくなる。そのため、本実施形態では、運転者82の感覚器への温度刺激がより大きくなり、覚醒効果が大きくなる。
また、本実施形態によれば、冷温風ユニット11の温風供給部112は、運転者82の覚醒が促される際に、運転者82との間で熱移動を生じる伝熱媒体としての空気の温度を、運転席シート84周りに温風を供給することにより一旦上昇させるものである。従って、運転者82に対し冷感を与えるに先立ち、空気を介して運転者82に温度上昇を感じさせることが可能である。
また、本実施形態によれば、冷温風ユニット11は、運転者82の覚醒が促される際に、伝熱媒体としての空気の温度を一旦上昇させるときには、その伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の運転席シート84周りの空気温度よりも高い温度にまで伝熱媒体の温度を上昇させる。従って、伝熱媒体の温度の一旦上昇後に運転者82が得る冷感を際立たせるように、その伝熱媒体の温度を一旦上昇させることが可能である。
なお、上記の伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の運転席シート84周りの空気温度は、着座した運転者82の頭部822周り又はヘッドレスト841周りの空気温度であることが好ましい。また、運転者82の覚醒が促される際に上昇した時の伝熱媒体の温度が高いほど、すなわち図5のステップS03で供給される温風の温度が高いほど、温風吹出し後に吹き出される冷風により運転者82を覚醒させる覚醒効果は大きくなる。
また、覚醒効果を十分に大きくするためには、図5のステップS03で供給される温風によって運転者82が一時的に温感を得るのが好ましい。例えば、その温風の温度は、運転者82の周辺温度よりも高いこと(具体的に言えば、30℃以上)が好ましい。
また、本実施形態によれば、冷温風ユニット11の冷風供給部111は、運転者82の覚醒が促される際に、運転者82が着座する運転席シート84周りに冷風を供給することにより、運転者82に冷感を与えるものである。従って、空気を介して運転者82に冷感を与えることが可能である。
また、本実施形態によれば、冷温風ユニット11は、運転者82の覚醒が促される際に運転者82に冷感を与えるときには、伝熱媒体としての空気の温度を一旦上昇させる前の運転席シート84周りの空気温度よりも低い温度にまで伝熱媒体の温度を低下させる。従って、運転者82に対する覚醒作用が効果的に生じるように、運転者82に冷感を与えることが可能である。
なお、上記の伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の運転席シート84周りの空気温度は、着座した運転者82の頭部822周り又はヘッドレスト841周りの空気温度であることが好ましい。また、運転者82の覚醒が促される際に低下した時の伝熱媒体の温度が低いほど、すなわち図5のステップS04で供給される冷風の温度が低いほど、運転者82を覚醒させる覚醒効果は大きくなる。
また、本実施形態によれば、冷温風ユニット11において、温風供給部112から供給される温風は、冷風供給部111から冷風として供給される空気を冷却するペルチェ素子14により加熱された空気で構成される。従って、その冷風として供給される空気をペルチェ素子14が冷却するときに生じる排熱を利用して、運転者82の覚醒のための温風を生成することが可能である。すなわち、その冷風を生成するためのエネルギーがあれば、その温風を生成するためのエネルギーが不要となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図8に示すように、本実施形態では、車室内の空調を行う空調ユニット88がインストルメントパネル86内に配置されている。そして、本実施形態の眠気抑制装置10はその空調ユニット88に含まれている。例えば、眠気抑制装置10は、空調ユニット88のうち眠気抑制装置10を除いた構成要素に対して物理的に独立しているものではなく、機能として空調ユニット88に含まれている。
その空調ユニット88は、例えば、車室内へ吹き出される空気を冷媒に吸熱させて冷却する不図示のエバポレータと、車室内へ吹き出される空気をエンジン冷却水の熱で加熱する不図示のヒータコアとを備えている。従って、空調ユニット88は冷風供給部111と温風供給部112とを含み、そのエバポレータは冷風供給部111で冷風を生成する冷却源として機能し、ヒータコアは温風供給部112で温風を生成する加熱源として機能する。
そして、冷風供給部111および温風供給部112は、第1実施形態では互いに物理的に独立しているが、本実施形態では物理的に独立してはいない。要するに、空調ユニット88は、冷風供給部111と温風供給部112とをそれぞれ機能として含んで構成されている。そして、その冷風供給部111と温風供給部112は全体として加熱冷却部を構成する。
また、インストルメントパネル86には、空調ユニット88で温度調節された空調風を運転者82の上半身へ向けて吹き出す複数のフェイス吹出口88a、88bが形成されている。
本実施形態の眠気抑制装置10が有する制御部40は、第1実施形態と同様に図5の制御処理を実行する。そして、その図5のステップS03、S04が実行されると、図8に示す複数のフェイス吹出口88a、88bうちの一つのフェイス吹出口88aから矢印AR7のように、温風と冷風とが運転者82に対し順次吹き出される。すなわち、冷風吹出口11aおよび温風吹出口11bは共通化されており、フェイス吹出口88aが冷風吹出口11aおよび温風吹出口11bとして機能する。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、空調ユニット88のヒータコアは、温風供給部112で温風を生成する加熱源として機能する。従って、眠気抑制装置10が運転者82の覚醒を促すための温風の生成に、エンジン排熱を利用することが可能である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図9に示すように、本実施形態の眠気抑制装置10は、冷温風ユニット11に加え、運転席シート84に設けられたシート空調装置90と、ステアリング装置92に設けられたステアリング温調装置94とを備えている。
シート空調装置90は、制御部40によって制御される装置であり、運転席シート84の一部分である例えばシートクッション842を加熱または冷却する。すなわち、シート空調装置90は、そのシートクッション842の温度を変化させる加熱冷却部である。そのシートクッション842は、運転席シート84のうち運転者82に対する座部になる部分である。また、そのシートクッション842は、運転者82に接触する接触物である。従って、そのシートクッション842は、運転者82との間で熱移動を生じる伝熱媒体として設けられていることになる。
つまり、シート空調装置90は、伝熱媒体としてのシートクッション842を加熱する加熱部901としての機能を備えると共に、そのシートクッション842を冷却する冷却部902としての機能も備えている。別言すれば、その加熱部901と冷却部902は互いに物理的に独立したものではなく、機能としてシート空調装置90に含まれている。
例えば、加熱部901として機能するときのシート空調装置90は、シートクッション842内に温風を吹き込むことによりシートクッション842を加熱する。また、冷却部902としての機能するときのシート空調装置90は、シートクッション842内に冷風を吹き込むことによりシートクッション842を冷却する。
ステアリング温調装置94は、制御部40によって制御される装置であり、ステアリング装置92に含まれるリング状のステアリングホイール921を加熱または冷却する。すなわち、ステアリング温調装置94は、そのステアリングホイール921の温度を変化させる加熱冷却部である。そのステアリングホイール921は、運転者82が車両80の運転をする際に握られる。すなわち、そのステアリングホイール921は、運転者82に接触する接触物である。従って、そのステアリングホイール921は、運転者82との間で熱移動を生じる伝熱媒体として設けられていることになる。
つまり、ステアリング温調装置94は、伝熱媒体としてのステアリングホイール921を加熱する加熱部941としての機能を備えると共に、そのステアリングホイール921を冷却する冷却部942としての機能も備えている。別言すれば、その加熱部941と冷却部942は互いに物理的に独立したものではなく、機能としてステアリング温調装置94に含まれている。
本実施形態の眠気抑制装置10が有する制御部40は、第1実施形態と同様に図5の制御処理を実行する。そして、冷温風ユニット11、シート空調装置90、およびステアリング温調装置94は、図5の制御処理において、制御部40によって制御される制御対象となり得る。図5の制御処理では、制御部40は、冷温風ユニット11とシート空調装置90とステアリング温調装置94とのうちの少なくとも何れかを適宜選択し、その選択したもの制御する。
図5の制御処理において制御部40が例えばシート空調装置90を制御対象として選択した場合には、ステップS03において制御部40は、シート空調装置90を加熱部901として機能させ、そのシート空調装置90にシートクッション842を加熱させる。このシートクッション842の加熱は一時的なものである。例えば、シートクッション842の加熱は、その加熱開始時点から、予め定められた加熱時間T1wが経過するまで継続し、加熱時間T1wが経過した時点で終了する。その加熱時間T1wは、冷温風ユニット11が温風を吹き出す際の温風吹出時間Twに相当する。シートクッション842の加熱が終了すると、ステップS03からステップS04へ進む。
そして、ステップS04において制御部40は、シート空調装置90を冷却部902として機能させ、そのシート空調装置90にシートクッション842を冷却させる。このシートクッション842の冷却は、その冷却開始時点から、予め定められた冷却時間T1cが経過するまで継続し、冷却時間T1cが経過した時点で終了する。その冷却時間T1cは、冷温風ユニット11が冷風を吹き出す際の冷風吹出時間Tcに相当するので、冷却時間T1cは、加熱時間T1wよりも長い時間になっている。シートクッション842の冷却が終了すると、ステップS04からステップS02へ戻る。
このように、加熱部901として機能するときのシート空調装置90は、運転者82の覚醒が促される際には、運転者82に接触する接触物(具体的には、シートクッション842)の温度を一旦上昇させる。そして、冷却部902として機能するときのシート空調装置90は、運転者82の覚醒が促される際には、その接触物であるシートクッション842を冷却することにより運転者82に冷感を与える。
また、図5の制御処理におけるシートクッション842の温度変化は、例えば図7の実線L1のように第1実施形態と同様である。すなわち、シート空調装置90は、運転者82の覚醒が促される際にシートクッション842の温度を一旦上昇させるときには、そのシートクッション842の温度を一旦上昇させる前の運転席シート84周りの空気温度よりも高い温度にまでシートクッション842の温度を上昇させる。そして、シート空調装置90は、運転者82の覚醒が促される際に運転者82に冷感を与えるときには、シートクッション842の温度を一旦上昇させる前の運転席シート84周りの空気温度よりも低い温度にまでシートクッション842の温度を低下させる。
また、図5の制御処理において制御部40が例えばステアリング温調装置94を制御対象として選択した場合にも、上記のようにシート空調装置90を選択した場合と同様に、ステアリング温調装置94は制御される。但し、加熱および冷却される対象は、シートクッション842からステアリングホイール921に置き換わる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、眠気抑制装置10は、冷温風ユニット11に加え、運転席シート84に設けられたシート空調装置90と、ステアリング装置92に設けられたステアリング温調装置94とを備えている。従って、運転者82の覚醒を促すための刺激に多様性を持たせることが可能である。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態の眠気抑制装置10は、眠気検知装置44に接続された複数の覚醒アクチュエータにうちの1つであるが、その眠気検知装置44に接続された覚醒アクチュエータは、眠気抑制装置10だけであっても構わない。
(2)上述の各実施形態では図3に示すように、眠気抑制装置10には、手動覚醒スイッチ42と眠気検知装置44とがそれぞれ接続されているが、これは一例である。例えば、手動覚醒スイッチ42と眠気検知装置44との一方は設けられていなくても差し支えない。更に、眠気抑制装置10が例えば運転者82の眠気を検知する機能を備えているのであれば、手動覚醒スイッチ42と眠気検知装置44との両方が設けられていなくても差し支えない。
(3)上述の第1実施形態では図1に示すように、冷温風ユニット11から冷風と温風とが供給される運転席シート84周りの空間とは、正確に言えば図1に示すように、運転者82の頭部822周りの空間であるが、これは一例である。例えば、その冷風と温風は、運転席シート84周りの空間のうち、運転者82の足元の空間に供給されても差し支えない。
(4)上述の第1実施形態において、眠気検知装置44には、眠気抑制装置10を含む複数の覚醒アクチュエータが接続されているが、眠気抑制装置10以外の覚醒アクチュエータうちの何れかは、車室内の空調を行う空調ユニットに内蔵されたものであってもよい。
(5)上述の第1実施形態では図6に示すように、温風の供給終了時点と冷風の供給開始時点は何れもt3時点であり、同時点となっているが、これは一例である。例えば、温風の供給終了時点は、冷風の供給開始時点に対し一致する必要はなく、冷風の供給開始時点に対し僅かであれば先後しても差し支えない。
(6)上述の第2実施形態では図8に示すように、一つのフェイス吹出口88aから矢印AR7のように、運転者82の覚醒を促すための温風と冷風とが運転者82に対し順次吹き出されるが、これは一例である。例えば、インストルメントパネル86に設けられた複数のフェイス吹出口88a、88bのそれぞれから温風と冷風とが順次吹き出されてもよい。或いは、複数のフェイス吹出口88a、88bの一つのフェイス吹出口88aが冷風吹出口11aとして機能し、他のフェイス吹出口88bが温風吹出口11bとして機能してもよい。
更に言えば、運転者82の覚醒を促すための温風と冷風とが吹き出される吹出口はフェイス吹出口88a、88bに限られない。例えば、運転者82の覚醒が促される際には、インストルメントパネル86の下部に設けられたフット吹出口から温風が一時的に吹き出され、その後に、フェイス吹出口88a、88bから冷風が吹き出されてもよい。そのフット吹出口とは、運転席シート84に着座した運転者82の足元へ空気を吹き出す吹出口である。要するに、温められる運転者82の身体部位と、冷やされる運転者82の身体部位は、相互に異なる部位であってもよいと言うことである。
(7)上述の第2実施形態では図8に示すように、車両80に設けられた空調ユニット88は1つであるが、例えば、空調ユニット88が複数設けられ、その複数の空調ユニット88がそれぞれ眠気抑制装置10を含んでいてもよい。
(8)上述の第3実施形態では図9に示すように、シート空調装置90は、運転席シート84の例えばシートクッション842を加熱または冷却するが、そのシートクッション842に替えて又はシートクッション842と共に、シートバック843を加熱または冷却してもよい。そのシートバック843は、運転席シート84のうち運転者82に対する背もたれになる部分である。
(9)上述の第3実施形態では図9に示すように、眠気抑制装置10は、冷温風ユニット11に加え、シート空調装置90とステアリング温調装置94とを備えているが、これは一例である。例えば、眠気抑制装置10は、シート空調装置90とステアリング温調装置94との少なくとも一方を備え、冷温風ユニット11を備えていなくても差し支えない。
(10)上述の各実施形態において、例えば図1、図8、および図9に示された乗員は何れも運転者82であり、眠気抑制装置10はその運転者82の覚醒を促すが、覚醒を促す対象になる対象乗員は運転者82に限られない。例えば、車両80において、人間が運転に全く関与する必要がない完全自動の自動運転が実施されるのであれば、その対象乗員は、その完全自動の自動運転を監視する監視者であってもよい。
(11)上述の各実施形態において、図5のフローチャートに示す各ステップの処理はコンピュータプログラムによって実現されるものであるが、ハードロジックで構成されるものであっても差し支えない。
(12)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、加熱冷却部は、乗員との間で熱移動を生じる伝熱媒体の温度を変化させる。そして、制御部は、乗員の覚醒を促す際には、伝熱媒体の温度を一旦上昇させた後に乗員に冷感を与えるように加熱冷却部を制御する。
また、第2の観点によれば、加熱冷却部は温風供給部と加熱部との一方または両方を有する。その温風供給部は、乗員の覚醒が促される際に、乗員が着座する着座シート周りに温風を供給することにより、伝熱媒体としての空気の温度を一旦上昇させるものである。また、加熱部は、乗員の覚醒が促される際に、伝熱媒体として設けられ乗員に接触する接触物の温度を一旦上昇させるものである。従って、冷感を与えるに先立ち、空気または接触物を介して乗員に温度上昇を感じさせることが可能である。
また、第3の観点によれば、加熱冷却部は、乗員の覚醒が促される際に伝熱媒体の温度を一旦上昇させるときには、その伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の着座シート周りの空気温度よりも高い温度にまで伝熱媒体の温度を上昇させる。従って、乗員が得る冷感を際立たせるように、伝熱媒体の温度を一旦上昇させることが可能である。なお、第4の観点は、この第3の観点と同様である。
また、第5の観点によれば、加熱冷却部は冷風供給部と冷却部との一方または両方を有する。冷風供給部は、乗員の覚醒が促される際に、乗員が着座する着座シート周りに冷風を供給することにより、乗員に冷感を与えるものである。また、冷却部は、乗員の覚醒が促される際に、伝熱媒体として設けられ乗員に接触する接触物を冷却することにより乗員に冷感を与えるものである。従って、空気または接触物を介して乗員に冷感を与えることが可能である。なお、第6の観点および第7の観点は、この第5の観点と同様である。
また、第8の観点によれば、加熱冷却部は、乗員の覚醒が促される際に乗員に冷感を与えるときには、伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の着座シート周りの空気温度よりも低い温度にまで伝熱媒体の温度を低下させる。従って、乗員に対する覚醒作用が効果的に生じるように、乗員に冷感を与えることが可能である。なお、第9の観点は、この第8の観点と同様である。
また、第10の観点によれば、加熱冷却部は温風供給部と冷風供給部とを有する。その温風供給部は、乗員の覚醒が促される際に、乗員が着座する着座シート周りに温風を供給することにより、伝熱媒体としての空気の温度を一旦上昇させるものである。また、冷風供給部は、乗員の覚醒が促される際に、着座シート周りに冷風を供給することにより、乗員に冷感を与えるものである。上記温風は、上記冷風として供給される空気を冷却するペルチェ素子により加熱された空気で構成される。従って、冷風として供給される空気をペルチェ素子が冷却するときに生じる排熱を利用して、乗員の覚醒のための温風を生成することが可能である。すなわち、その冷風を生成するためのエネルギーがあれば、その温風を生成するためのエネルギーが不要となる。
10 眠気抑制装置
11 冷温風ユニット(加熱冷却部)
40 制御部
82 運転者
90 シート空調装置(加熱冷却部)
94 ステアリング温調装置(加熱冷却部)

Claims (10)

  1. 乗員(82)の眠気を抑制する眠気抑制装置であって、
    前記乗員との間で熱移動を生じる伝熱媒体の温度を変化させる加熱冷却部(11、90、92)と、
    前記乗員の覚醒を促す際には、前記伝熱媒体の温度を一旦上昇させた後に前記乗員に冷感を与えるように前記加熱冷却部を制御する制御部(40)とを備えている眠気抑制装置。
  2. 前記加熱冷却部は温風供給部(112)と加熱部(901、941)との一方または両方を有し、
    前記温風供給部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記乗員が着座する着座シート(84)周りに温風を供給することにより、前記伝熱媒体としての空気の温度を一旦上昇させるものであり、
    前記加熱部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記伝熱媒体として設けられ前記乗員に接触する接触物(842、921)の温度を一旦上昇させるものである請求項1に記載の眠気抑制装置。
  3. 前記乗員は着座シート(84)に着座し、
    前記加熱冷却部は、前記乗員の覚醒が促される際に前記伝熱媒体の温度を一旦上昇させるときには、該伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の前記着座シート周りの空気温度よりも高い温度にまで前記伝熱媒体の温度を上昇させる請求項1に記載の眠気抑制装置。
  4. 前記加熱冷却部は、前記乗員の覚醒が促される際に前記伝熱媒体の温度を一旦上昇させるときには、該伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の前記着座シート周りの空気温度よりも高い温度にまで前記伝熱媒体の温度を上昇させる請求項2に記載の眠気抑制装置。
  5. 前記加熱冷却部は冷風供給部(111)と冷却部(902、942)との一方または両方を有し、
    前記冷風供給部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記乗員が着座する着座シート(84)周りに冷風を供給することにより、前記乗員に冷感を与えるものであり、
    前記冷却部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記伝熱媒体として設けられ前記乗員に接触する接触物(842、921)を冷却することにより前記乗員に冷感を与えるものである請求項1に記載の眠気抑制装置。
  6. 前記加熱冷却部は冷風供給部(111)と冷却部(902、942)との一方または両方を有し、
    前記冷風供給部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記着座シート周りに冷風を供給することにより、前記乗員に冷感を与えるものであり、
    前記冷却部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記接触物を冷却することにより前記乗員に冷感を与えるものである請求項2または4に記載の眠気抑制装置。
  7. 前記加熱冷却部は冷風供給部(111)と冷却部(902、942)との一方または両方を有し、
    前記冷風供給部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記着座シート周りに冷風を供給することにより、前記乗員に冷感を与えるものであり、
    前記冷却部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記伝熱媒体として設けられ前記乗員に接触する接触物(842、921)を冷却することにより前記乗員に冷感を与えるものである請求項3に記載の眠気抑制装置。
  8. 前記乗員は着座シート(84)に着座し、
    前記加熱冷却部は、前記乗員の覚醒が促される際に前記乗員に冷感を与えるときには、前記伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の前記着座シート周りの空気温度よりも低い温度にまで前記伝熱媒体の温度を低下させる請求項1に記載の眠気抑制装置。
  9. 前記加熱冷却部は、前記乗員の覚醒が促される際に前記乗員に冷感を与えるときには、前記伝熱媒体の温度を一旦上昇させる前の前記着座シート周りの空気温度よりも低い温度にまで前記伝熱媒体の温度を低下させる請求項2ないし7のいずれか1つに記載の眠気抑制装置。
  10. 前記加熱冷却部は温風供給部(112)と冷風供給部(111)とを有し、
    前記温風供給部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記乗員が着座する着座シート(84)周りに温風を供給することにより、前記伝熱媒体としての空気の温度を一旦上昇させるものであり、
    前記冷風供給部は、前記乗員の覚醒が促される際に、前記着座シート周りに冷風を供給することにより、前記乗員に冷感を与えるものであり、
    前記温風は、前記冷風として供給される空気を冷却するペルチェ素子(14)により加熱された空気で構成される請求項1に記載の眠気抑制装置。
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