JP4161818B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一時停車するとエンジンを停止する車両に適用され、エンジン停止時にモータを駆動源とする圧縮機を備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から車両の低燃費化がより一層強く進められており、その1つの対応として、一時停車するとエンジンを停止する車両がある。この車両に搭載されている車両用空調装置は、エンジン停止時に圧縮機が停止されることになるので、エンジン停止後も継続して圧縮機を作動させるために、モータを用いるものが知られている。
【0003】
ところが、前述の車両用空調装置にエンジン作動時と同等の冷房能力を確保させるには、一般的に高出力のモータが必要になる。しかしながら、圧縮機の駆動源となるモータは、搭載性、消費電力、コスト等の種々の制約に適合するものでなければならないので、モータで圧縮機を作動させたときの冷凍サイクルの冷媒流量は、エンジン作動時と比較すると一般的には低下してしまう。そのため、このような車両用空調装置は、エンジン停止時の冷房運転において、車室内乗員の冷房フィーリングが損なわれるという問題があった。具体的に説明すると、エンジンが停止して、モータにより圧縮機が起動されると冷凍サイクルの冷媒流量が少なくなるので、蒸発器の冷却可能な空気の量も少なくなる。一方、送風機の送風量は、内気温、設定温度等の入力値から算出される目標吹出温度に応じて制御されており、内気温が高くなるとこれに応じて増大する。つまり、送風機の送風量は目標吹出温度の低下に伴って増大するが、送風機の送風量が増加されると、冷却不足の空気が車室内に向けて吹き出され、内気温を上昇させる。このように内気温が上昇すると、更なる送風量の増大となり、乗員に不快感を与える。
【0004】
そのため、特許文献1では、送風空気の送風量をエンジン停止直前の送風量に固定し、且つ、エンジンが再始動すると固定した送風量を目標吹出温度に対応する送風量に変化させて、車室内乗員の冷房フィーリングの悪化を抑制するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−80937号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術では、エンジンの音が停止してからモータで圧縮機を起動するときの送風機の送風量はエンジン停止直前から固定されていることになる。そのため、エンジン停止直前の送風量が少ないときはモータによる圧縮機の起動音が乗員に聞き取られ易くなり、乗員に違和感を感じさせるという問題があった。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、一時停車するとエンジンを停止する車両に搭載される車両用空調装置において、モータによる圧縮機の起動音を乗員に聞こえ難くすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一時停車するとエンジン(1)を停止する車両に搭載される車両用空調装置であって、
エンジン(1)により駆動され、冷媒を圧縮する圧縮機(5)と、
少なくともエンジン(1)の停止時において、圧縮機(5)を駆動するモータ(6)と、
圧縮機(5)の吸入側に接続されて、空気を冷却する蒸発器(11)と、
蒸発器(11)を通して、車室内に向けて空気を送風する送風機(12)と、
送風機(12)の送風量を制御する制御装置(13)とを備え、
車両が一時停車直前の場合、または、エンジン(1)が停止した場合に、エンジン(1)停止直前の送風機(12)の送風量が、送風機(12)の最小風量から所定風量増加させた中間風量(Va2)よりも少ないと、制御装置(13)は、送風機(12)の送風量を中間風量(Va2)まで増加させ、
さらに、制御装置(13)は、中間風量(Va2)まで増加させた送風機(12)の送風量を蒸発器(11)の温度が所定温度を超えると、エンジン(1)停止直前の送風量と略同等になるまで減少させることを特徴とする。
【0009】
ところで、圧縮機(5)は、エンジン(1)とモータ(6)とにより駆動されるようになっているので、エンジン(1)が停止されても、モータ(6)により駆動されて、蒸発器(11)に冷媒を送ることができる。しかし、圧縮機(5)を、エンジン(1)駆動からモータ(6)駆動にすると、圧縮機(5)の起動音が発生する。この起動音はエンジン音が停止してから発生する音であり、且つ、高音のモータ(6)磁気音を含んでいるため、乗員に不快感を与えやすい。これに対して、送風機(12)から発生するブロア音は走行時、停車時に関係なく発生する連続音であり、乗員に不快感を与えにくい。
【0010】
請求項1に記載の発明では、車両が一時停車直前の場合、または、エンジン(1)が停止した場合に、エンジン(1)停止直前の送風機(12)の送風量が、送風機(12)の最小風量から所定風量増加させた中間風量(Va2)よりも少ないと、制御装置(13)は、送風機(12)の送風量を中間風量(Va2)まで増加させている。
そのため、エンジン(1)停止後の、モータ駆動による圧縮機(5)の起動音を送風機(12)から生じるブロア音により、目立たないようにすることができる。なお、送風機(12)の送風量の中間風量(Va2)とは、圧縮機(5)の起動音が分かり難くなるだけのブロア音を発生させる風量である。
さらに、請求項1に記載の発明では、蒸発器(11)の温度が所定温度を超えると、中間風量(Va2)まで増加させた送風機(12)の送風量をエンジン(1)停止直前の送風量と略同等になるまで減少させるから、車室内への吹出空気の温度上昇を抑制できる。そのため、乗員の冷房フィーリングの悪化を抑制できる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、制御装置(13)は、蒸発器(11)の温度が所定温度より低いときは中間風量(Va2)を、圧縮機(5)がモータ(6)に駆動されてから所定時間経過するまで維持し、所定時間経過後はエンジン(1)停止時の送風量まで減少させている。
これによると、蒸発器(11)の温度が所定温度より低いときは中間風量(Va2)を所定時間維持してモータ駆動による圧縮機(5)の起動音を目立たないようにすることができるとともに、所定時間経過後は送風量の減少により車室内への吹出空気の温度上昇を抑制できる。
【0012】
請求項3に記載の発明のように、請求項2において、所定時間経過後に、中間風量(Va2)まで増加させた送風機(12)の送風量を、エンジン(1)停止直前の送風量と略同等になるまで、時間の経過とともに減少させれば、送風量の変化による乗員の違和感を抑制できる。
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の全体構成を示す。図1には、エンジン1と2点鎖線で囲まれた車両用空調装置2が示されている。なお、この車両用空調装置2は、信号待ち等で走行中の車両が一時停車したときにエンジン1が停止される、いわゆるアイドルストップ車両やハイブリッド車両に適用されるものである。エンジン1の紙面左側には駆動力を伝達するための駆動側プーリ1aが配置されており、駆動側プーリ1aはベルト3を介して従動側プーリ2aと接続されている。これら両プーリ1a、2aはベルト3により動力伝達可能に構成されている。
【0017】
従動側プーリ2aには、駆動シャフト4の一端側が結合されており、この駆動シャフト4の他端側には圧縮機5とバッテリ19を電源として作動されるモータ6とが結合されている。この圧縮機5は、モータ6と一体に形成されており、ワンウェイクラッチを介してエンジン1およびモータ6を選択的に駆動源として作動する、周知のハイブリッドコンプレッサである。
【0018】
圧縮機5は、冷凍サイクル7に接続されおり、この冷凍サイクル7には凝縮器8、冷却ファン9、膨張弁10、蒸発器11、送風機12等の周知の機器が接続されている。
【0019】
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明すると、制御装置13は車両用空調装置2を制御する制御手段であり、CPU、ROMおよびRAM等を含んで構成される周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。制御装置13のROM内には空調制御のための制御プログラムが記憶されており、その制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
【0020】
制御装置13の入力側には空調センサ群16からのセンサ検出信号、空調パネル17からの操作信号、モータ6の電流計18から電流値信号Ma、図示しないエンジン1の回転数およびアイドルストップ判定が入力される。
【0021】
空調センサ群16には、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、蒸発器温度Te、車速SPD等を検出する各種センサ16a〜16eが備えられている。
【0022】
空調パネル17は、車室内の運転席前方の計器盤(図示せず)付近に配置され、操作部材として備えられている。この操作部材は、空調自動制御のオンオフを切り替えるエアコンスイッチ17a、車室内の温度を設定する温度設定部17bである。
【0023】
一方、制御装置13の出力側にはモータ6への制御信号、冷却ファン9への制御信号、送風機12への制御信号がある。
【0024】
制御装置13は、空調パネル17の操作信号と空調センサ群16の検出信号の入力により、所定の制御プログラムにしたがって前述のモータ6、冷却ファン9、送風機12に制御のための信号を送信するようになっている。
【0025】
次に、上記構成において本実施形態の作動について図2、図3(a)〜(e)を用いて説明する。なお、図2は本実施形態の制御装置13により実行される制御プログラムの概略を示すフローチャートである。また、図3(a)〜(e)は本実施形態におけるタイムチャートである。
図3(d)、(e)は、実線で示すイが本実施形態を示しており、破線で示すロおよびハが従来技術を示している。因みに、図3(a)、(c)〜(e)の縦軸は、上方に行くほど大きく(高く)なっている。また、図3(a)〜(e)の横軸は時間tで示しており右に行くほど長い時間経過していることを示している。また、図3(a)、(c)〜(e)の縦軸において、横軸と交差する位置は零を示している。
【0026】
図2に示す制御プログラムは、図示しないエンジン1のイグニッションスイッチが投入され、これにより、図示しない主制御プログラムが起動され、この主制御プログラムによりスタートするようになっている。
【0027】
最初に、ステップS100で各種センサ16a〜16eの検出値を読み込み、この検出値を所定の記憶領域に記憶し、次に、ステップS110に進み、エアコンスイッチ17aにより自動制御がONになっているか判定する。なお、送風機12の送風量の設定値は、ステップS100で所定の記憶領域に保存される。
【0028】
ステップS110にてエアコンスイッチ17aがオフの場合、ステップS120に進み、このフローチャートのタイマを初期化してステップS220に進み各制御値を出力する。ステップS220にて各制御値を出力すると、図2に示す制御プログラムから主制御プログラムに戻り、制御を継続する。また、エアコンスイッチ17aがオンの場合は、ステップS130に進んで車両が停車中であるか判定する。
【0029】
ステップS130にて車両が停車中、即ち、図3(a)において車速が零になると、ステップS140に進み、モータ6により圧縮機5を起動するか判定する。このときの圧縮機5は図3(b)に示すようにエンジン駆動がオフになっている。また、ステップS130で車両が走行中の場合は、ステップS150に進み、送風機12の送風量を、図4に示すように、車室内への目標吹出温度TAOに基づいて設定する。なお、ステップS150では、エンジン1が動いているので、モータ6による圧縮機起動音が発生しない。そのため、ステップS120と同様にタイマの初期化を実行して、ステップS220に進み各制御値を出力し、制御を継続する。因みに、制御装置13は、目標吹出温度TAOに対応する送風機12の制御テーブル(図4)を所定の記憶領域に記憶しており、風量の自動制御時は目標吹出温度TAOに相当する送風量をこの制御テーブルから決定している。なお、図4の中間風量Va2とはTAOに関係なく一定の風量であって、ブロワレベルとしては送風量の最大値と最小値との中間値よりも高い範囲にある。
【0030】
ステップS140では、モータ6により圧縮機5を起動するか判定する。この判定では、蒸発器11の温度Teが目標蒸発器温度TEOよりも高く(例えば、3℃以上高い)、且つ、エンジン1が停止しているか判定する。蒸発器11の温度Teが目標温度TEOよりも高く、且つ、エンジン1が停止しているときはモータ6により圧縮機5を起動する必要があると判定し、ステップS160に進み、ステップS140の条件に該当しない場合は、ステップS150に進み、次にステップS220に進み各制御値を出力し、制御を継続する。これは、蒸発器11の温度Teが目標蒸発器温度TEOよりも低い場合は圧縮機5を起動する必要がなく、圧縮機5の起動音も発生しないからである。また、エンジン1が動いている場合は、圧縮機5の音がエンジン1の音により目立たなくなるので、送風機12のブロア音を大きくする必要もない。因みに、エンジン1の停止を最初に検出すると、ステップS100で記憶した送風機12の送風量の設定値を、所定の記憶領域とは別の記憶領域に保存する。これにより、エンジン1停止直前の送風機12の送風量の設定値を記憶しておくことができる。
【0031】
ステップS160では、ステップS140で保存したエンジン1停止時の送風機12の送風量が中間風量Va2より小さいか判定し、中間風量Va2より小さい場合はステップS180に進み、タイマ(例えば、3秒程度)のカウントを開始する。
【0032】
一方、ステップS160において、エンジン1停止時の送風機12の送風量が中間風量Va2よりも多いと判定されるとステップS170に進み、送風機12の送風量をエンジン1停止時の送風量に設定する。このようにするのは、送風機12の送風量から生じるブロア音が圧縮機5の起動音と等しい、または、圧縮機5の起動音よりも大きい場合を考慮しており、圧縮機5の起動音が既に分かり難いからである。なお、エンジン1停止時の送風量が中間風量Va2より多い場合は、送風量は固定されても良いし、中間風量Va2にまで減少させても良い。また、当然のことながら、エンジン1停止時の送風量が中間風量Va2より少ない場合において、エンジン1停止時の送風量が中間風量Va2に近い風量であれば、送風量の変化は少なくなり、エンジン1停止時の送風量が最低風量に近い風量であれば、送風量の変化は大きくなる。ステップS170にて送風量の設定が終了すると、ステップS220に進み各制御値を出力し、制御を継続する。
【0033】
次に、ステップS180にてタイマカウントが開始されると、ステップS190に進んでタイマカウントが終了しているか判定し、タイマカウントが終了している場合、ステップS200に進み、送風機12の送風量を、エンジン1停止直前の送風量まで、時間の経過とともに減少するように設定する。例えば、送風機12の送風量の単位時間当たりに減少させる風量を算出し、この風量を単位時間経過とともに減少させて、送風機12のブロア電圧を、経過した時間に対応するように設定する。ステップS200にて送風量の設定が終了すると、ステップS220に進み各制御値を出力し、制御を継続する。
【0034】
また、ステップS190にてタイマカウントが終了していない場合、ステップS210に進み、送風機12の送風量を中間風量Va2まで時間の経過とともに増加するように設定する。例えば、送風機12の送風量の単位時間当たりに増加させる風量を算出し、この風量を単位時間経過とともに増加させて、送風機12のブロア電圧を、経過した時間に対応するように設定する。ステップS210にて送風量の設定が終了すると、ステップS220に進み各制御値を出力し、制御を継続する。なお、中間風量Va2とは圧縮機5の起動音が聞こえにくくなる送風機12の送風量である。
【0035】
次に、図3(c)〜(e)のタイムチャートについて説明する。図3(c)は、エンジン1停止により圧縮機5が停止し、次に、モータ6により圧縮機5が起動され、そして、エンジン1始動に伴いモータ6が停止するまでのモータ6の電流値の変化を示している。図3(c)では、エンジン1が停止されて圧縮機5が一端停止するとモータ6に駆動を切り替えている。モータ6の駆動初期はトルクが大きくなるので電流値が高くなり、その後、この電流値は時間の経過とともに次第に安定する。なお、制御装置13は、電流値が目標値(I1)に所定値以内まで近接したか判定し、近接した場合は電流値が安定したと判定している。
この判定結果によりモータ電流値が安定している場合はモータ6の電磁音も少なくなっており、中間風量Va2まで増加させた風量をエンジン1停止時の風量にまで減少させても良い。このように、タイマカウントの代わりにモータ電流値から起動音が大きくなるときを判定しても良い。また、モータ電流値が大きくなると送風機12の送風量を増加させ、モータ電流値が小さくなると送風機12の送風量を減少させるというように、モータ電流値に応じて送風機12の送風量を変化させても良い。これにより、消費電力を抑制できる。
【0036】
図3(d)、(e)のイは制御装置13を本実施形態のフローチャートに基づいて制御したときの蒸発器温度Teの変化、送風機12の送風量の変化を示している。同様に、図3(d)、(e)のロおよびハは、制御装置13を従来技術に基づいて制御したときの蒸発器温度Teの変化、送風機12の送風量の変化を示している。具体的には、ロは、エンジン1が停止すると送風機12の送風量をエンジン1停止時の送風量に固定した結果である。また、ハは、送風機12の送風量を目標吹出温度TAOに基づいて変化させたときの結果である。
【0037】
図3(e)イでは、制御装置13は、エンジン1が停止すると、送風機12の送風量を所定時間tの間だけ中間風量Va2まで増加させた状態で維持させて、所定時間t経過後はエンジン1停止直前の送風量Va1に固定し、次にエンジン1が始動されるまでエンジン1停止直前の送風量を維持させている。なお、所定時間tとは、ステップS180のタイマカウント(例えば、3秒程度)である。また、送風機12の送風量を増加させた状態で維持させるとは、タイマカウント終了までステップS210で増加させた送風量を維持させることである。
【0038】
所定時間t経過後、即ち、タイマカウント終了後は、ステップS200によりエンジン1停止時の送風量となるまで、時間の経過とともに送風機12の送風量を減少させて、エンジン1停止時の送風量になると、次にエンジン1が始動するまでこの状態を維持させている。そして、エンジン1が始動されると、目標吹出温度TAOに基づいて送風量を変化させている。
【0039】
図3(d)イでは、ステップS180、ステップS190のタイマカウントの間、送風機12の送風量が増加した状態になっているので、蒸発器温度Teが一時的に急上昇し、タイマカウント終了後、蒸発器温度Teの上昇が緩やかになる。そして、エンジン1に圧縮機5が駆動されて蒸発器温度Teが低くなることを示している。
【0040】
次に、第1実施形態の作用効果について説明する。
【0041】
(1)圧縮機5をエンジン1からモータ6に切り替えて駆動すると、圧縮機5の起動音が発生する。この起動音はエンジン1が停止して車室内が静かな状態になってから発生するので、乗員に気付かれ易く、車室内の快適性を低下させるものである。しかしながら、制御装置13は、送風機12の送風量を中間風量Va2まで増加させ、この中間風量Va2をエンジン1が停止してから所定時間経過するまで維持させている。これにより、圧縮機5の起動音を、送風機12のブロア音により、目立たないようにすることができる。
【0042】
(2)図3(d)、(e)より、送風機12の送風量が多い場合、蒸発器11の温度も高くなることがわかる。つまり、モータ6で圧縮機5を起動するときの起動音を送風機12の送風量の増加により乗員に分かり難くすると、蒸発器11の温度が高くなり、乗員に不快感を与えるという問題が発生する。しかしながら、制御装置13は、所定時間t経過後に、増加させた送風機12の送風量をエンジン1停止直前の送風量に戻すので、蒸発器11の極端な温度上昇を抑制することができる。
【0043】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ステップS130にて車両が停車したか判定し、車両が停車した場合にステップS140以降の制御処理に進み、ステップS210にて送風機12の送風量をエンジン1が停止してから増加するように構成した。第2実施形態では、図5に示すように、第1実施形態のステップS130、ステップS140、160を廃止し、これら3つのステップの代わりに、ステップS141、ステップS161を加えている。なお、図5は第2実施形態の制御装置13により実行される制御プログラムの概略を示すフローチャートである。
【0044】
ステップS141では、車両が一時停車直前であるか判定し、一時停車直前である場合は、ステップS161に進み一時停車直前の送風量と中間風量Va2とを比較する。また、車両が一時停車する直前でなければ、ステップS150、S220に進み制御を継続する。
【0045】
ステップS161では、一時停車直前の送風量と中間風量Va2とを比較して一時停車直前の送風量が多い場合は、ステップS170に進み、送風機12の送風量を一時停車直前の送風量に固定して、ステップS220に進み、制御を継続する。また、一時停車直前の送風量よりも中間風量Va2が少ない場合は、ステップS180に進む。
【0046】
ステップS180では、車両が停止してからタイマカウントを開始する。
【0047】
ステップS190では、タイマカウントが終了した場合のみステップS200に進み、送風機12の送風量を一時停車直前の送風量に固定し、それ以外の場合はステップS210に進み、送風機12の送風量を中間風量Va2となるまで時間の経過とともに変化させる。送風機の送風量の設定が終了するとステップS220に進み、制御を継続する。なお、車両が一時停車する直前であることは、少なくとも車速SPDにより判定している。
【0048】
第2実施形態によれば、送風機12の送風量がエンジン1停止前から時間の経過とともに増加するので、俄かに送風量が変化することもなく、乗員に与える違和感を抑制できる。
【0049】
(他の実施形態)
(1)蒸発器11の温度が所定温度を超えると、増加させた送風量をエンジン1停止時の送風量となるまで減少させても良い。具体的にこの制御を実行する制御装置13について説明する。この制御装置13は、第1、第2実施形態の制御プログラムのステップS210終了後に蒸発器11の温度Teの高低を判断するようにし、蒸発器11の温度Teが所定の温度(例えば、13℃)よりも高い場合は、タイマカウントを強制的に終了させている。これにより、この制御プログラムが次に実行されるときはステップS190でタイマカウントが終了したと判定されるので、ステップS200に進んで増加された送風機12の送風量がエンジン1停止時の送風量に戻される。従って、制御装置13は、車室内に向けて吹き出される送風空気の温度が極端に高くなることを抑制できる。なお、蒸発器11の温度Teが所定の温度よりも低い場合は制御を継続する。このようにするのは、吹出空気の温度が高くなりすぎることを抑制するほうが、モータ起動音を聞き取られ難くするよりも優先順位が高いからである。
【0050】
(2)モータ6の電流値が所定値で安定すると、中間風量Va2まで増加させた送風機12の送風量をエンジン1停止直前の送風量と略同等になるまで減少させても良い。具体的にこの制御を実行する制御装置13について説明する。この制御装置13は、第1実施形態の制御プログラムのステップS180、S190を廃止し、S190のタイマカウント終了判定の代わりにモータ電流値Maが安定しているか判定し、安定している場合はステップS200に進み、安定していない場合はステップS210に進み中間風量Va2を維持する。なお、モータ電流値Maが安定したとは、所定時間において、目標値I1とモータ電流値Maの最大値との差が所定値以下になる場合を示している。
【0051】
(3)第1、第2実施形態ではエンジン1およびモータ6を選択的に駆動源として作動するハイブリッドコンプレッサの構成について説明したが、これに限らず、エンジン1により駆動される第1圧縮機と第1圧縮機と並列に配置され、モータ6により駆動される第2圧縮機とからなるように冷凍サイクル7を構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2実施形態を示す概略全体構成図である。
【図2】第1実施形態による、制御装置の作動を示すフローチャートである。
【図3】図1における制御時の(a)は車速、(b)はエンジンによる圧縮機のON−OFF状態、(c)は圧縮機駆動モータの電流値、(d)は蒸発器温度、(e)は送風機の送風量を示すタイムチャートである。
【図4】目標吹出温度TAOとブロワレベルとの関係を示す特性図である。
【図5】第2実施形態による、制御装置の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、5…圧縮機、6…モータ、7…冷凍サイクル、11…蒸発器、
12…送風機、13…制御装置、16d…蒸発器温度センサ。
Claims (3)
- 一時停車するとエンジン(1)を停止する車両に搭載される車両用空調装置であって、
前記エンジン(1)により駆動され、冷媒を圧縮する圧縮機(5)と、
少なくとも前記エンジン(1)の停止時において、前記圧縮機(5)を駆動するモータ(6)と、
前記圧縮機(5)の吸入側に接続されて、空気を冷却する蒸発器(11)と、
前記蒸発器(11)を通して、車室内に向けて空気を送風する送風機(12)と、
前記送風機(12)の送風量を制御する制御装置(13)とを備え、
前記車両が一時停車直前の場合、または、前記エンジン(1)が停止した場合に、前記エンジン(1)停止直前の前記送風機(12)の送風量が、前記送風機(12)の最小風量から所定風量増加させた中間風量(Va2)よりも少ないと、前記制御装置(13)は、前記送風機(12)の送風量を前記中間風量(Va1)まで増加させ、
さらに、前記制御装置(13)は、前記中間風量(Va2)まで増加させた前記送風機(12)の送風量を前記蒸発器(11)の温度が所定温度を超えると、前記エンジン(1)停止直前の送風量と略同等になるまで減少させることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記制御装置(13)は、前記蒸発器(11)の温度が所定温度より低いときは前記中間風量(Va2)を、前記圧縮機(5)が前記モータ(6)に駆動されてから所定時間経過するまで維持し、前記所定時間経過後は前記エンジン(1)停止時の送風量まで減少させることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記所定時間経過後に、前記中間風量(Va2)まで増加させた前記送風機(12)の送風量を、前記エンジン(1)停止直前の送風量と略同等になるまで、時間の経過とともに減少させることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
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