JP2013201828A - 多重巻線回転機の駆動装置 - Google Patents

多重巻線回転機の駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転位置検出手段が故障した場合でも円滑に運転継続が可能な多重巻線回転機の駆動装置を提供する。
【解決手段】複数の巻線組11、12ごとに複数相の巻線を持つ多重巻線回転機1と、多重巻線回転機1の回転位置を検出する回転位置検出手段4と、回転位置検出手段4の故障の有無を判定する故障判定手段5と、回転位置検出手段4で検出された回転位置により各巻線組11、12の電圧指令を演算する制御手段100と、この電圧指令により巻線組11、12に電圧を印加する電圧印加手段3とを備え、制御手段100は故障判定手段5の故障判定に応じて、電圧印加手段3に対して回転位置推定用の電圧指令を出力し、この電圧指令に応じて当該巻線組11から得られる電圧と電流の少なくとも1つに基づいて回転位置θeを推定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転位置検出手段が故障しても回転機の運転を継続できる多重巻線回転機の駆動装置に関するものである。
回転機の駆動装置においては、回転機を所望の状態で運転するために、回転機の回転子の位置を回転位置検出器により検出して制御を行って回転機に印加する電圧指令を作成し、電圧指令に基づいた電圧を電圧印加手段により回転機に印加して回転機を駆動する。
回転機駆動装置を構成する、回転位置検出器、電流検出手段、電圧印加手段、回転機巻線などは故障する場合があり、故障が発生した場合も回転機の運転を継続する手法として、様々な手法が提案されている。
特許文献1では、ロータと、このロータに対向するステータとを備えた回転機を制御するための回転機制御装置において、センサ故障判定部は、レゾルバの故障の有無を判定する。レゾルバに故障が生じていない通常時は、レゾルバが検出する検出回転角を用いて回転機が制御される。レゾルバの故障が発生すると、回転角推定部によって求められる推定回転角を用いて回転機が制御される。
特許文献2では、複数の巻線組ごとに複数相の巻線を持つ多相回転機において、巻線組ごとに設けられ巻線の各相に対応するスイッチング手段を有する複数のインバータ部を備え、スイッチング手段が導通不可となるオフ故障が生じたとき、故障したスイッチング手段を含む故障インバータ部において、多相回転機の回転位置とトルク指令との関数または回転位置とq軸電流指令値との関数として算出される故障時相電流指令値に基づき、故障インバータ部の故障したスイッチング手段を除くスイッチング手段を制御するとともに、故障インバータ部ではない正常インバータ部を通常時と同様に制御する。
特許文献3では、複数の相に対応する巻線から構成される複数の巻線組を有する多相回転機において、巻線組ごとに設けられ多相回転機の各相に対応する高電位側スイッチング素子および低電位側スイッチング素子からなるレッグを有する複数系統のインバータ部を備え、スイッチング素子がオフ状態となるような制御を行っても導通状態となるショート故障が発生した場合、故障した系統の全てのスイッチング素子がオフ状態となるよう制御するとともに、故障していない系統の前記レッグにより多相回転機の駆動を継続し、故障した系統においてショート故障に伴い生じる多相回転機の駆動に逆らう出力を、打ち消す、または駆動への影響を低減するよう、故障していない系統のスイッチング素子を制御する。
特許文献4では、運転者の操舵力を回転機の駆動力により補助する電動パワーステアリング装置であって、回転機の駆動力に必要な電流指令値を設定する制御手段と、複数の電力変換器と、複数の前記電力変換器に対応して設けられ複数の電力変換器からそれぞれ電流を供給されることで回転機の駆動力を発生する複数組の巻線と、電力変換器または巻線の故障を検出する故障検出手段とを備え、故障検出手段が故障検出をした場合、電流指令値を正常時よりも低減し、正常な前記電力変換器から対応する巻線へ電流を継続して供給する。
特開2010−29031号公報 特開2011−78221号公報 特開2011−78230号公報 特開2011−131860号公報
特許文献1では、回転機においてレゾルバが故障した場合に、回転機の運転を継続する手法が提案されている。しかし、多重巻線回転機において回転位置検出手段が故障した場合には、回転性能の低下をもたらすという課題がある。
特許文献2〜4では、複数の巻線組ごとに複数相の巻線を持つ多重巻線回転機と巻線組ごとに複数の電圧印加手段とを備えており、回転機巻線または電圧印加手段の一部が故障した場合も、残りの正常な回転機巻線と電圧印加手段とで回転機の運転を継続することができる。しかし、回転位置検出手段が故障した場合には適切な対処ができないという課題がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、複数の巻線組ごとに複数相の巻線を持つ多重巻線回転機の駆動装置において、回転位置検出手段が故障した場合でも回転性能を最低限に維持しつつ、運転を継続できるようにすることを目的とする。
この発明に係る多重巻線回転機の駆動装置は、複数の巻線組ごとに複数相の巻線を持つ多重巻線回転機と、上記多重巻線回転機の回転位置を検出する回転位置検出手段と、上記回転位置検出手段の故障の有無を判定する故障判定手段と、上記回転位置検出手段より検出された回転位置に基づいて上記複数の巻線組に関する電圧指令を演算する制御手段と、上記電圧指令に基づいて上記複数の巻線組に対して電圧を印加する複数の電圧印加手段とを備え、
上記制御手段は、上記故障判定手段が上記回転位置検出手段の故障を判定した場合には、少なくとも1つの巻線組に対応する上記電圧印加手段に対して回転位置推定用の電圧指令を出力し、この電圧指令に応じて当該巻線組から得られる電圧と電流の少なくとも1つに基づいて回転位置を推定するものである。
この発明によれば、複数の巻線組ごとに複数相の巻線を持つ多重巻線回転機の駆動装置において、回転位置検出手段が故障した場合も、少なくとも1つの巻線組に対応する前記電圧印加手段に対して位置推定用の電圧指令を出力し、この電圧指令に応じて当該巻線組から得られる電圧、電流の少なくとも1つに基づいて回転位置を推定することによって、回転位置検出手段が故障した場合にも、回転性能を最低限に維持しつつ、運転を継続することができるという顕著な効果を奏するものである。
この発明の実施の形態1における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。 この発明の実施の形態1の電流指令ベクトルの動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の電流指令ベクトルの動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の電流指令ベクトルの動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態2における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。 この発明の実施の形態2の電流指令ベクトルの動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態2の電流指令ベクトルの動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。 この発明の実施の形態4における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。 この発明の実施の形態4において、電圧指令に対して高周波電圧指令が印加されたときに流れる高周波電流の電流ベクトル軌跡を示す説明図である。 この発明の実施の形態5における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。 この発明の実施の形態5において、電圧印加器の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態5において、回転位置を推定する場合の処理動作の一例を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態6における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。 この発明の実施の形態6において、電圧ベクトルと位相との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態6における電流検出部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6における回転位置推定手段の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6において、電圧ベクトル指令、トリガ信号、および電流検出部で検出される各相電流との関係を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態6において、電圧ベクトルの位相が単調増加するように電圧ベクトル指令を時分割で出力した場合における、回転位置に対する電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの変化を示す説明図である。 この発明の実施の形態6において、回転位置推定手段による回転位置推定処理の手順を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。
この実施の形態1において、多重巻線回転機1(以下、単に回転機1とも言う)は、固定子に対して三相巻線からなる第1巻線組11と三相巻線からなる第2巻線組12とを備えるとともに、回転子に永久磁石を用いた同期回転機である。
この回転機1に対して電流検出手段2を介して電圧印加手段3が接続されている。この電圧印加手段3は、各巻線組11、12に個別に設けられた電圧印加器31、32からなる。また、回転機1に対してその回転位置を検出する回転位置検出手段4が設けられ、また、この回転位置検出手段4の故障を判定する故障判定手段5を備えている。
そして、上記の回転機1は、一方の電圧印加器31より第1巻線組11に電圧を印加して第1巻線組11の各巻線に電流を通電し、同様に他方の電圧印加器32より第2巻線組12に電圧を印加して第2巻線組12の各巻線に電流を通電することで、それら各巻線組11、12に通電された電流と、回転子の永久磁石との電磁力により回転する。
電流検出手段2は、回転機電流i1u、i1v、i1w、i2u、i2v、i2wを検出する。また、電圧印加手段3は、電圧指令v1u*、v1v*、v1w*、v2u*、v2v*、v2w*に基づいて、インバータなどの電力変換装置により、回転機1に電圧を供給する。
回転位置検出手段4は、回転機1の回転位置θをレゾルバやロータリエンコーダなどの回転位置検出装置により検出する。故障判定手段5は、回転位置検出手段4の故障を判定し、回転位置検出手段4が故障した場合に故障判定信号を出力する。故障判定方法は、例えば特開2010−29031号公報において開示されているような方法や、その他公知の方法を適用して回転位置の故障を検出する。
次に、制御手段100について説明する。
制御手段100は、電圧印加手段3へ電圧指令を出力する。トルク制御器101は、速度やトルクなどの回転機1の所望の運転条件に応じて、ここではトルク指令τ*から回転機1の回転位置θに同期した回転座標上の電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*を作成する。このトルク制御器101の演算の詳細については後述する。
三相・二相変換器109は、回転機1の第1巻線組11に流れる電流i1u、i1v、i1wを静止二軸座標上の電流値i1α、i1βに変換する。同様に、三相・二相変換器111は、回転機1の第2巻線組12に流れる電流i2u、i2v、i2wを静止二軸座標上の電流値i2α、i2βに変換する。
一方の座標変換器108は、静止二軸上の電流値i1α、i1βを回転座標上の電流値i1d、i1qに変換する。同様に、他方の座標変換器110は、静止二軸上の電流値i2α、i2βを回転座標上の電流値i2d、i2qに変換する。
電流制御器103は、第1巻線組11に関するD軸電流指令値i1d*とD軸電流i1dの差分、Q軸電流指令値i1q*とQ軸電流i1qの差分を、それぞれ例えば比例積分制御して、D軸電圧指令v1d*、Q軸電圧指令v1q*を演算する。同様に、電流制御器102は、第2巻線組12に関するD軸電流指令値i2d*とD軸電流i2dの差分、Q軸電流指令値i2q*とQ軸電流i2qの差分を、それぞれ例えば比例積分制御して、D軸電圧指令v2d*、Q軸電圧指令v2q*を演算する。
一方の座標変換器105は、回転座標上の電圧指令v1d*、v1q*を静止二軸上の電圧指令v1α*、v1β*に変換する。同様に、他方の座標変換器104は、回転座標上の電圧指令v2d*、v2q*を静止二軸上の電圧指令v2α*、v2β*に変換する。
二相・三相変換器107は、静止二軸上の電圧指令v1α*、v1β*を各相電圧指令v1u*、v1v*、v1w*に変換する。同様に、二相・三相変換器106は、静止二軸上の電圧指令v2α*、v2β*を各相電圧指令v2u*、v2v*、v2w*に変換する。
回転位置推定手段113は、故障判定手段5が故障判定信号を出力した場合に、電流制御器103から出力される第1巻線組11に関する回転二軸上の電圧指令v1d*、v1q*、および座標変換器108から出力される回転二軸上の電流i1d、i1qに基づいて回転位置を推定する。この場合に推定される回転位置をθeで表記する。なお、この推定方法としては、例えば電気学会論文誌D2003年5月号「回転座標上の適応オブザーバを用いたPM回転機の位置センサレス制御」(以下、非特許文献1という)に記載された方式や、前述の特許文献1に記載された方式など、その他回転機の電圧・電流方程式に基づいて回転位置を推定する方式を用いればよい。
切替部112は、故障判定手段5の故障判定信号に基づき、各座標変換器108、110、104、105へ出力する回転位置θあるいはθeを選択する。故障判定手段5が故障判定信号を出力しない場合、回転位置検出手段4より検出した回転位置θを選択し、故障判定手段5が故障判定信号を出力した場合、回転位置推定手段113にて推定された回転位置θeを選択する。そして、この回転位置θまたはθeの情報が各座標変換器104、105、108、110に与えられる。
トルク制御器101は、故障判定手段5から故障判定信号を入力した場合と、しない場合とで同一トルク指令τ*に対して異なる電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*を演算する。
すなわち、トルク制御器101は、故障判定信号を入力しない場合、電流指令値を次式(1)、(2)のように、i1d*とi2d*とが等しく、またi1q*とi2qとが等しくなるようにそれぞれ設定する。
図2は、この場合における回転座標上でのベクトル表現であり、i*は第1巻線組11と第2巻線組12の電流指令値をベクトル加算したものである。
i1d*=i2d* (1)
i1q*=i2q* (2)
一方、トルク制御器101は、故障判定信号を入力した場合、電流指令値を下記の式(3)、(4)の関係を満たすように設定する。すなわち、回転位置の推定を行なう巻組(この例では第1巻線組11)に関する電流指令値の絶対値を小さく設定する。
図3は、この場合における回転座標上でのベクトル表現であり、図2に示した電流指令値に対して比較すると、第2巻線組12の電流指令値i2d*、i2q*は共に同一値、第1巻線組11の電流指令値i1d*、i1q*を共に小さく設定している。
|i1d*|<|i2d*| (3)
|i1q*|<|i2q*| (4)
また、次式(5)、(6)のように、第1巻線組11と第2巻線組12とで、D軸に関する電流指令値は同一値とし、Q軸に関する電流指令値のみ小さくしても良い。
|i1d*|=|i2d*| (5)
|i1q*|<|i2q*| (6)
さらに、次式(7)、(8) のように、第1巻線組11と第2巻線組12とで、Q軸に関する電流指令値は同一値とし、D軸に関する電流指令値のみ小さくしても良い。
|i1d*|<|i2d*| (7)
|i1q*|=|i2q*| (8)
さらには、図2に対し、電流指令値i1d*を小さく設定し、その小さくした分だけ等しく電流指令値i2d*を大きく設定し、かつ電流指令値i1q*を小さく設定し、その小さくした分だけ等しく電流指令値i2q*を大きく設定することで、ベクトル加算値i*を同一としてもよい。図4はこのように各電流指令値i1d*、i2d*、i1q*、i2q*を設定した場合のベクトル図である。図4に示したように電流指令値を設定すれば、ベクトル加算値i*は、回転位置検出手段4の故障前の状態と変わらないので、同一の回転トルクで運転継続することが可能である。
以下、上述の式(3)〜(8)あるいは図4に示したように、回転位置を推定する巻線組(この例では第1巻線組11)に関する電流指令値を小さく設定する理由について説明する。
回転位置推定手段113による回転位置θeの位置推定方法は、次式(9)、(10)で表されるような回転機1の電圧・電流方程式に基づいて、回転機1の誘起電圧から回転位置θeを推定する。
Vd=R・id+Ld・pid−ω・Lq・iq (9)
Vq=R・iq+Lq・piq+ω・Ld・id+ω・φ (10)
ただし、Vd:d軸電圧、Vq:q軸電圧、id:d軸電流、iq:q軸電流、R:巻線抵抗、Ld:軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、ω:回転機の回転角速度、φ:回転機の磁石磁束、p:微分演算子である。
このため、回転機1の巻線抵抗値やインダクタンスが回転位置推定精度に関与する。すなわち、回転機1の実際の巻線抵抗値及びインダクタンスと、回転位置推定手段113によって回転位置θeを推定する際に用いる巻線抵抗値及びインダクタンスとに差異が生ずると、回転機1の電圧・電流から誘起電圧を正確に抽出できず、結果して回転位置θeの推定誤差となる。
ここで、巻線抵抗値は巻線温度によって変動し、インダクタンスは磁気飽和の影響により巻線電流値に応じて変動するため、これらに対して回転位置推定精度を保つことは容易でない。この課題に対して様々な補正方法が提案されているが、補正精度が不十分な場合や、推定精度を向上させるためには複雑なテーブルが必要であることにより制御演算装置として高価なマイコンが必要となる場合もある。
そこで、この実施の形態1では、故障判定手段5から故障判定信号が出力された場合、トルク制御器101において、回転位置を推定する第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*を、故障判定信号が出力されない場合に比べて、絶対値が小さくなるように設定する。
電流制御器103によって、検出される回転二軸上の電流i1d、i1qは電流指令値i1d*、i1q*に一致するように制御されるが、その際、故障判定手段5からの故障判定信号に応じて、第1巻線組11に関して出力する電圧指令v1d*、v1qを、故障判定信号が入力されない場合に比べて小さくすることで、第1巻線組11に通電する電流を小さく制御した値が出力される。
ここで、電圧方程式である式(9)、(10)に着目すると、巻線抵抗RやインダクタンスLd、Lqを含む項は、電流id、iqもしくは電流の微分値pid、piqと乗算されている。よって、回転位置θeの推定を行なうための巻線組に通電する電流指令値を小さく設定することで、巻線抵抗RやインダクタンスLd、Lqを含む項の電圧値を小さくできる。特に、式(10)で、右辺第1〜3項が小さくなり、左辺Vqに占める右辺第4項(誘起電圧項:ωφ)の割合が相対的に高くなるため、巻線抵抗値やインダクタンスの誤差の影響を小さくすることができる。以上の理由から、巻線抵抗値やインダクタンスに誤差が発生する場合においても、回転位置θeの推定精度が低下するのを抑えることができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、回転位置検出手段4が故障した場合に、制御手段100は、回転位置θeの推定を行なう巻線組(ここでは一例として第1巻線組11)に関する電流を小さい値にすべく、電圧指令を出力する。これにより、回転位置検出手段4の故障時において、巻線抵抗やインダクタンスに誤差が生ずる場合でも、非特許文献1や特許文献1に記載された方式に対し、複雑な補正テーブルを新たに設けることなく、高精度に回転位置θeを推定して円滑に運転継続することが可能となる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。
この実施の形態2において、上記の実施の形態1(図1)と異なる部分は、制御手段200におけるトルク制御器201、回転位置推定手段202である。その他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。
トルク制御器201は、故障判定手段5から故障判定信号を入力した場合と、しない場合とで、同一トルク指令τ*に対して異なる電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*を演算する。
すなわち、トルク制御器201は、故障判定信号を入力しない場合、実施の形態1におけるトルク制御器101と同様に、電流指令値を前述の式(1)、(2)のように設定する。
一方、トルク制御器201は、故障判定信号を入力した場合、電流指令値を下記の式(11)、(12)の関係を満たすように設定する。すなわち、位置推定を行なう第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1d*を共に零に設定する。図6は、この場合における回転座標上でのベクトル表現である。
i1d*=0 (11)
i1q*=0 (12)
あるいは、図6に対して、電流指令値i1d*を零に設定するとともに、元の電流指令値i1d*分だけ等しく電流指令値i2d*を大きく設定し、かつ、電流指令値i1q*を零に設定するとともに、元の電流指令値i1q*分だけ等しく電流指令値i2q*を大きく設定することで、ベクトル加算値i*を同一としてもよい。図7はこのように各電流指令値i1d*(=0)、i2d*、i1q*(=0)、i2q*を設定した場合のベクトル図である。図7に示したように電流指令値を設定すれば、ベクトル加算値i*は、回転位置検出手段4の故障前の状態と変わらないので、同一の回転トルクで運転継続することが可能である。
回転位置推定手段202は、故障判定手段5が故障判定信号を出力した場合に、電流制御器103から出力される第1巻線組11に関する電圧指令v1d*、v1q*に基づいて回転位置θeを推定する。そして、この推定した回転位置θeの情報が切替部112を介して各座標変換器104、105、108、110に与えられる。
なお、この場合の推定方法としては、実施の形態1における回転位置推定手段113と同一の方法を用いればよい。ただし、回転位置推定手段202が回転位置推定を行なう場合、トルク制御器201は第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1d*は零に設定されている。よって、電流制御器103によって第1巻線組11に関する電流は零に制御されるため、回転位置推定手段113のように、回転位置推定に第1巻線組11に関する電流i1d、i1qに関する情報は必要ない。
以下、トルク制御器201において第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*を共に零に設定することによる効果について説明する。
第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*を共に零に設定することにより、電流制御器103により第1巻線組11の電流i1d、i1qは零に制御される。ここで、電圧方程式である式(9)、(10)に着目すると、巻線抵抗RやインダクタンスLd、Lqを含む項は、電流id、iqもしくは電流の微分値pid、piqと乗算されている。よって、巻線に通電する電流指令値を零に設定することで、巻線抵抗RやインダクタンスLd、Lqを含む項の電圧値は零となる。これにより、特に式(10)で、右辺第1〜3項が零となり、左辺Vqは右辺第4項(誘起電圧項:ωφ)に等しくなり、巻線抵抗値やインダクタンスの誤差の影響を消すことができる。以上の理由から、巻線抵抗値やインダクタンスに誤差が発生する場合においても、実施の形態1に対してより高精度に回転位置推定精度が低下することを抑えることができる。
つまり、制御手段200のトルク制御器201は、故障判定手段5より故障判定信号が入力されると、これに応じて第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*を共に零に設定し、これに伴い電流制御器103により第1巻線組11に関する電流i1d、i1qが共に零になるように制御されるため、回転位置推定手段202により、式(10)のVqが誘起電圧項ωφのみに基づいて算出され、抵抗値やインダクタンスの誤差の影響を受けない。その結果、精度良く回転位置θeを推定することが可能となる。
以上のように、この実施の形態2によれば、回転位置検出手段4が故障した場合に、制御手段200は、回転位置θeの推定を行なう巻線組に関する電流を零に制御すべく電圧を出力する。これにより、回転位置検出手段4の故障時において、回転位置推定手段202が、巻線抵抗やインダクタンスに誤差が生ずる場合でも、実施の形態1に対して更に高精度に回転位置θeを推定して円滑に運転継続することが可能となる。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。
この実施の形態3において、実施の形態1、2(図1、図5)と異なる部分は、制御手段300におけるトルク制御器301、回転位置推定手段302、高周波電圧指令発生器305、および電圧加算部303である。その他の構成は、基本的に実施の形態1、2と同じである。
トルク制御器301は、速度やトルクなどの回転機1の所望の運転条件に応じて、ここではトルク指令τ*から回転機1の回転位置θに同期した回転座標上の電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*を作成する。
高周波電圧指令発生器305は、回転位置推定用の高周波電圧指令vuh*、vvh*、vwh*を発生する。また、電圧加算部303は、二相・三相変換器107の後段に設けられており、故障判定手段5から故障判定信号を入力した場合と、しない場合とで異なる電圧指令v1u*、v1v*、v1w*を出力する。
すなわち、電圧加算部303は、故障判定信号を入力した場合、二相・三相変換器107の出力v1u'*、v1v'*、v1w'*をそのまま電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として出力する。
一方、電圧加算部303は、故障判定信号を入力した場合、次式(13)〜(15)に示すように、二相・三相変換器107の出力v1u'*、v1v'*、v1w'*に対して、高周波電圧指令発生器305から与えられる回転位置推定用の高周波電圧指令vuh*、vvh*、vwh*を加算し、この加算したものを電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として出力する。
vuh*=v1u'*+vuh* (13)
vvh*=v1v'*+vvh* (14)
vwh*=v1w'*+vwh* (15)
回転位置推定手段302は、故障判定手段5が故障判定信号を出力した場合、電流検出手段2で検出される第1巻線組11の電流に基づいて回転位置θeを推定する。なお、図8では第1巻線組11の三相電流のうち、U相とV相の2相の電流i1u、i1vを検出する場合について示しているが、これに限らず、三相中の二相以上の電流を検出すればよい。また、この場合の回転位置θeの推定方法としては、例えば電気学会論文誌D2011年6月号「高周波電圧を用いたPMモータの直接位置推定法」(以下、非特許文献2という)など、回転子の突極性を利用し、回転機駆動用の電圧指令とは別に高周波電圧を印加して回転位置θeを推定する公知の方式を用いることができる。
以上のように、この実施の形態3によれば、回転位置検出手段4が故障した場合に、回転機1の電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として、回転位置推定用の高周波電圧指令vuh*、vvh*、vwh*を加算したものを使用し、回転機1の突極性を利用して回転位置θeを推定することにより、回転機1の運転を継続できる。よって、誘起電圧が小さくなる回転速度の低い場合においても回転位置θeの推定が可能であるため、回転機1の誘起電圧に基づいて回転位置を推定する方式を採用した特許文献1や実施の形態1、2に対し、回転機1の回転速度が低い状態で回転位置検出手段4が故障した場合でも、回転位置θeを推定して円滑に運転継続することが可能となる。
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。
この実施の形態4において、実施の形態3(図8)と異なる部分は、制御手段400におけるトルク制御器401である。その他の構成は、基本的に実施の形態3と同様である。
トルク制御器401は、実施の形態1におけるトルク制御器101と同様に、故障判定手段5からの故障判定信号を入力した場合と、しない場合とで同一トルク指令τ*に対して異なる電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*を演算する。
すなわち、トルク制御器401は、故障判定信号を入力しない場合、電流指令値を前述の式(1)、(2)のように設定する。図2は、この場合における回転座標上でのベクトル表現であり、i*は第1巻線組11と第2巻線組12の電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*をベクトル加算したものである。
一方、トルク制御器401は、故障判定信号を入力した場合、電流指令値を前述の式(3)、(4)、または式(5)、(6)、または式(7)、(8)の関係を満たすように設定する。すなわち、位置推定を行なう第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*の双方あるいは片方を小さく設定する。あるいは、トルク制御器401として、実施の形態2におけるトルク制御器201の場合と同様に、故障判定手段5が故障判定信号を出力した場合に、第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*を共に零に設定してもよい。
このように、この実施の形態4では故障判定手段5が故障判定信号を出力した場合に、第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*の双方または片方を小さく設定、あるいは電流指令値i1d*、i1q*を共に零に設定するが、その場合の効果について、以下説明する。
前述の回転機1の電圧・電流方程式(9)、(10)において、id=0、iqを一定値(定常状態)とする場合、それぞれ以下の式(16)、(17)のようになる。
Vd=−ω・Lq・iq (16)
Vq=R・iq+ω・φ (17)
式(16)、(17)より、回転機電圧の実効値Vrmsは以下のようになる。
Vrms=√(Vd+Vq
=√{(ω・Lq・iq)+(R・iq+ω・φ)} (18)
式(18)より、回転速度ωを一定値とすると、回転機1の電流iqの増大に対して、回転機電圧の実効値Vrmsは単調に増加する。このように、同一の回転速度ωに対して、回転機1の電流iqが増大すると回転機1の電圧も増大する場合がある。よって、ある一定の回転速度で回転機1を運転中に電流を増大させようとすると、電圧指令を増大させなければならない場合がある。例えば、図9の構成において、電流指令値i1q*(ただし、i1d*は零とする)を増大させるとき、電圧指令v1u'*、v1v'*、v1w'*を増大させる必要がある。
一方で、一般に電圧印加手段3が出力可能な電圧には上限があるため、回転機1の電流を増大させるために電圧指令を増大させると、次第に電圧印加手段3が出力可能な電圧に対して余裕がなくなる。よって、上記のように、電圧指令v1u'*、v1v'*、v1w'*を増大させると、高周波電圧指令発生器305による高周波電圧指令vuh*、vvh*、vwh*の出力可能な電圧が低下し、その結果、回転位置推定手段302にて推定される回転位置θeの推定精度が低下する。
そこで、この実施の形態4においては、トルク制御器401において、第1巻線組11に関する電流指令値i1d*、i1q*の双方あるいは片方を小さく設定、もしくは共に零に設定する。これにより、実施の形態3のトルク制御器301のように、故障判定信号によらず常にトルク指令τ*から電流指令値i1d*、i1q*を作成する構成に対して、高周波電圧指令vuh*、vvh*、vwh*の振幅を増大させることが可能となり、その結果、回転位置推定手段302にて推定される回転位置θeの推定精度が向上する。
さらに、この実施の形態4では、実施の形態3の構成に対して、トルク制御器401に故障判定信号が入力された場合、電流指令値i1d*、i1q*の双方あるいは片方を小さく設定、もしくは電流指令値i1d*、i1q*を共に零に設定することによって、回転機1に電流を流すことによりインダクタンス分布が変化して磁気飽和によるインダクタンスの相互干渉による回転位置推定誤差の影響を低下させることが可能となる。
この回転位置推定誤差については、特開2010−166638号公報(以下、特許文献5という)に詳細に述べられており、無負荷時の電流指令値(i1d*=i1q*=0)における、高周波電圧指令vuh*、vvh*、vwh*に基づいて電圧印加手段3から高周波電圧が印加されたときに流れる高周波電流の電流ベクトル軌跡は、図10(a)のように、長軸をd軸、短軸をq軸としたd−q座標系の電流となる(ただし、d軸インダクタンス<q軸インダクタンスの場合)。図10(a)より、電流振幅が最も大きい位相とd軸とが一致することにより、回転位置θeを推定することができる。
一方、零でない電流指令値(i1d*≠0、i1q*≠0)を与えた場合における高周波電流の電流ベクトル軌跡は、図10(b)に示すように、dh軸を長軸、qh軸を短軸とした楕円であり、dh軸はd軸に対しΔθL進み位相となるため、このΔθLが回転位置θeの推定誤差ΔθLとなる。
この推定誤差ΔθLは、回転機1の固定子や回転子の磁気飽和が原因で発生するため、電流指令値と回転位置の推定誤差ΔθLは、おおよそ比例関係にあり、上記の特許文献5では、電流指令値に応じた補正方法について提案がされているが、この実施の形態4によれば、位置推定を行なう巻線組(ここでは第1巻線組11)に関する電流指令値i1d*、i1q*の双方または片方の絶対値を低下、もしくは共に零とすることにより、実施の形態3に対して、電流指令値i1d*、i1q*に応じた補正等の演算を用いなくても回転位置推定誤差ΔθLを低下させることが可能となるといった効果を奏する。
実施の形態5.
図11は、この実施の形態5における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。
この実施の形態5において、実施の形態1(図1)と異なる部分は、制御手段500におけるトルク制御器501、回転位置推定手段502、短絡用電圧指令発生器505、および切替部503である。その他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。
この実施の形態5の特徴は、故障判定手段5により回転位置検出手段4の故障判定がなされた場合には、回転機1の少なくとも1つの巻線組を全相短絡させ、この全相短絡時の少なくとも一つの巻線組に流れる電流に基づいて回転位置θeを推定して、運転を継続するものであり、以下、その手法について説明する。
トルク制御器501は、速度やトルクなどの回転機1の所望の運転条件に応じて、ここではトルク指令τ*から回転機1の回転位置θに同期した回転座標上の電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*を作成する。
回転位置推定手段502は、故障判定手段5からの故障判定信号を入力した場合、切替部503に対して短絡用電圧指令発生器505の出力を選択切替するための短絡電圧信号を出力するとともに、これに応じて三相・二相変換器109から出力される第1巻線組11に関する電流i1α、i1βに基づいて回転位置θeを推定する。
短絡用電圧指令発生器505は、一方の電圧印加器31に対する全相短絡用の電圧指令vu0*、vv0*、vw0*を発生する。また、切替部503は、二相・三相変換器107の後段に設けられ、回転位置推定手段502から短絡電圧信号を入力した場合と、しない場合とで異なる電圧指令v1u*、v1v*、v1w*を出力する。
すなわち、切替部503は、短絡電圧信号を入力しない場合、二相・三相変換器107の出力v1u'*、v1v'*、v1w'*をそのまま電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として出力する。
一方、切替部503は、短絡電圧信号を入力した場合、短絡用電圧指令発生器505から与えられる電圧印加器31に対する全相短絡用の電圧指令vu0*、vv0*、vw0*を電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として出力する。
ここで、全相短絡用の電圧指令vu0*、vv0*、vw0*が電圧印加器31に与えられた場合の動作について説明する。
各電圧印加器31、32は、図12に示すような構成のインバータ510とする。インバータ510は、上アームのスイッチング素子530、531、532、下アームのスイッチング素子533、534、535を有する。上アームのスイッチング素子530と下アームのスイッチング素子533とが直列に接続され、上アームのスイッチング素子531と下アームのスイッチング素子534とが直列に接続され、上アームのスイッチング素子532と下アームのスイッチング素子533とが直列に接続され、直列接続された各スイッチング素子は直流電圧源Edに並列接続され、この発明における3相分のアーム回路を構成している。
この場合の各スイッチング素子530〜535は、例えば電界効果トランジスタ(以下MOSFETと表記する)Q1〜Q6とダイオードD1〜D6が並列に接続されたものが用いられ、ダイオードD1〜D6の順方向は、直流電圧源Edのプラス側に向けられている。PWM信号生成部536は、電圧指令v1u*、v1v*、v1w*を入力し、スイッチング素子530〜535にPWM信号を出力する。
ここで、PWM信号生成部536に、電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として、短絡用電圧指令発生器505からの全相短絡用の電圧指令vu0*、vv0*、vw0*が入力されると、インバータを構成する上アームのスイッチング素子530〜532を全てオンさせる信号、または下アームのスイッチング素子533〜535を全てオンさせる信号を出力して全相を短絡させる。
回転位置推定手段502は、故障判定手段5から故障判定信号を入力すると、これに応じて切替部503に短絡電圧信号を出力するので、上記のように電圧印加器31の全相が短絡されるが、その際、第1巻線組11に関して三相・二相変換器109の出力として得られる静止二軸上の電流i1α、i1βに基づいて回転位置θeを推定する。この場合の回転位置θeの推定手順を図13に示すタイミングチャートを参照して説明する。
回転位置推定手段502に故障判定信号が入力されると、これに応じて、回転位置推定手段502は短絡電圧信号をある一定周期t1毎に一定期間t2にわたって出力するので、各一定期間t2の間、電圧印加器31の第1巻線組11が全相短絡される。短絡電圧信号の出力タイミングから一定時間t3後に、回転位置推定手段502は三相・二相変換器109で得られる第1巻線組11に関する電流i1α、α1βを取り込む。なお、図13において、期間t4は、第1巻線組11に関する電流i1α、α1βの検出開始から回転位置推定手段502に入力されるまでに要する時間である。この期間t4の経過後、回転位置推定手段502は、入力された第1巻線組11に関する電流i1α、α1βに基づいて回転位置θeの推定値演算を行う。
次に、回転位置推定手段502において、回転位置θeの推定演算を行う原理について説明する。
前述の式(9)、(10)で表される回転機1の電圧・電流方程式を変形すると、次の式(19)、(20)に示すように電流に関する状態方程式が得られる。
pid=−R/Ld・id+ω・Lq/Ld・iq+vd/Ld (19)
piq=−ω・Ld/Lq・id
−R/Lq・iq+(vq−ω・φf)/Ld (20)
式(19)、(20)を解くと、次式(21)、(22)を得る。
id=φf/Ld・(cosωt−1) (21)
iq=−φf/Lq・sinωt (22)
ただし、ω=一定値、R=0、vd、vq、id、iqの初期値は全て零とする。
式(21)、(22)より、回転機1の回転速度ωが分かれば、三相巻線を短絡した場合のid、iqを演算することができる。
そして、式(21)、(22)でid、iqが分かれば、回転子の磁極位置θeは、次式(23)で表される電流ベクトルの位相角θcを用いて、次式(24)から求めることができる。
θc=tan−1(iβ/iα) (23)
θe=θc−tan−1(iq/id) (24)
式(24)によって磁極位置θeを求めるには、上記のように回転機1の回転速度ωを知る必要がある。回転機1の第1巻線組11を全相短絡させた場合に当該巻線組11に流れる短絡電流の絶対値Isは、上記の式(21)、(22)を用いると、次式(25)となる。
Is=√(id+iq
=√[{φf/Ld・(cosωt−1)}+{(φf/Lq・(sinωt)}]
(25)
一方、電流検出手段2の検出出力に基づいて三相・二相変換器109で得られる第1巻線組11に関する電流i1α、α1βと短絡電流Isとの関係は次式(26)の関係となる。
Is=√(i1α+α1β) (26)
よって、式(26)で得られる短絡電流Isの値から、式(25)を用いて回転速度ωを演算し、式(21)、(22)でid、iqを求めれば、式(24)によって磁極位置θeを得ることができる。
また、回転速度ωの演算としては、次式(26)に示すように、一定時間t1毎に演算したθeの時間微分から求めても良い。
ω(n+1)={θe(n+1)−θe(n)}/t1 (27)
ただし、θe(n+1)、θe(n)はそれぞれ、n+1、n(n:自然数)回目の短絡電圧信号出力時に計算された回転位置推定値であり、ω(n+1)は、n+1回目の全相短絡用の電圧指令vu0*、vv0*、vw0*の出力時に計算された回転速度である。
なお、この実施の形態5では、第1巻線組11と第2巻線組12の内、第1巻線組11において全相短絡させる場合を例にとって説明したが、これに限らず、全相短絡させる巻線組と全相短絡させない巻線組を各々少なくとも1巻線組設ける構成とすることにより、全相短絡させる巻線組が全相短絡状態の瞬間においても、全相短絡させない巻線組を用いてトルクを出力することにより、回転機1がトルクを継続して出力した状態での運転が可能となる。
以上のように、この実施の形態5によれば、少なくとも1つの巻線組を全相短絡させ、その全相短絡時に流れる電流に基づいて回転位置推定手段502において回転位置θeの推定を行なうので、電圧印加手段3の動作が停止して回転機1が空転している状態においても回転位置θeの推定が可能である。したがって、この空転状態から電圧印加手段3を再起動して回転機1を駆動する際にも回転位置θeを推定して円滑に運転継続することが可能となる。
実施の形態6.
図14は、この発明の実施の形態6における多重巻線回転機の駆動装置の構成図である。
この実施の形態6において、実施の形態1(図1)と異なる部分は、制御手段600におけるトルク制御器601、回転位置推定手段602、切替部603、および電流検出手段2の電流検出部604、605である。その他の構成は実施の形態1と基本的に同じである。
トルク制御器601は、速度やトルクなどの回転機1の所望の運転条件に応じて、ここではトルク指令τ*から回転機1の回転位置に同期した回転座標上の電流指令値i1d*、i1q*、i2d*、i2q*を作成する。
切替部603は、二相・三相変換器107の後段に設けられ、故障判定手段5から故障判定信号を入力した場合と、しない場合とで異なる電圧指令v1u*、v1v*、v1w*を出力する。
すなわち、切替部603は、故障判定信号を入力しない場合、二相・三相変換器107の出力v1u'*、v1v'*、v1w'*をそのまま電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として出力する。
一方、切替部603は、故障判定信号を入力した場合、回転位置推定手段602より出力される後述の電圧ベクトル指令を電圧指令v1u*、v1v*、v1w*として出力する。この電圧ベクトル指令については後述する。
また、回転位置推定手段602は、故障判定手段5からの故障判定信号を入力すると、切替部603に電圧ベクトル指令を出力すると共に、電圧印加器31に対して設けられた電流検出部604に対して第1巻線組11の各相の電流i1u、i1v、i1wをサンプリングするためのトリガ信号を出力し、これに応じて電流検出部604で得られた各相の電流i1u、i1v、i1wに基づいて後述する演算処理を行って回転位置θeを推定して各座標変換器104、105、108、110に出力する。
ここで、電流検出手段2を構成する2つの電流検出部604、605の内、一方の電圧印加器31に対応して設けられた電流検出部604は、故障判定手段5から故障判定信号を入力した場合と、入力しない場合とで異なる動作をする。
すなわち、電流検出部604は、故障判定信号を入力した場合、一定時間間隔毎に第1巻線組11の各相電流を検出し、その検出した各相の電流i1u、i1v、i1wをそのまま三相・二相変換器109に出力する。
一方、電流検出部604は、故障判定信号を入力しな場合、回転位置推定手段602から与えられるトリガ信号の立ち上がりタイミングで第1巻線組11の各相の電流i1u、i1v、i1wを検出する。そして、これらの電流i1u、i1v、i1wを回転位置推定手段602に出力する。なお、他方の電流検出部605は、一定の時間間隔毎に第2巻線組12の各相の電流i2u、i2v、i2wを検出し、その検出した各相の電流i2u、i2v、i2wを三相・二相変換器111に出力する。
ここで、電圧印加器31として、実施の形態5(図12参照)で述べた構成のインバータ510を用いる場合、インバータ510に電圧指令v1u*、v1v*、v1w*が入力されると、PWM信号生成部536は、これらの電圧指令v1u*、v1v*、v1w*に基づいてMOSFETQ1〜Q6のゲートに印加するゲート信号を生成し、このゲート信号によって各MOSFETQ1〜Q6がオン/オフされる。
この場合の各MOSFETQ1〜Q6に与えられるゲート信号によって、以下の9つのスイッチングモード「0」〜「8」が生じ、各スイッチングモード「0」〜「8」は、オンするMOSFETQ1〜Q6の組み合わせによって、次のように定義される。
スイッチングモード: オンするMOSFET : 対応する電圧ベクトル
「0」 : なし : −
「1」 : Q1、Q5、Q6 : V1
「2」 : Q1、Q2、Q6 : V2
「3」 : Q4、Q2、Q6 : V3
「4」 : Q4、Q2、Q3 : V4
「5」 : Q4、Q5、Q3 : V5
「6」 : Q1、Q5、Q3 : V6
「7」 : Q1、Q2、Q3 : V0
「8」 : Q4、Q5、Q6 : V0
ここで、電圧印加器31に与えられる電圧指令v1u*、v1v*、v1w*によって生じる上記の各スイッチングモード「1」〜「8」の状態に応じて、第1巻線組11に発生する電圧状態をそれぞれ電圧ベクトルとして定義すると、電圧ベクトルにはV0、V1〜V6の状態が存在し、スイッチングモード「1」〜「6」にそれぞれ対応する6つの電圧ベクトルV1〜V6は、図15に示すように、それぞれ60度ずつの位相差をもち、かつ大きさが等しいものとなる。また、スイッチングモード「7」、「8」にそれぞれ対応する電圧ベクトルV0は、大きさが零の電圧ベクトルとなる。なお、ここでは、上記の各電圧ベクトルV1〜V6、V0に対応したスイッチングモード「1」〜「6」、[7](または[8])を発生させるための各電圧指令v1u*、v1v*、v1w*を電圧ベクトル指令と称する。
ここで、一例としてスイッチングモード「1」に対応した電圧ベクトルV1の大きさを具体的に求めることとする。電圧ベクトルV1に対応したスイッチングモード「1」では、MOSFETQ1、Q5、Q6はオンし、MOSFETQ4、Q2、Q3はオフする。したがって、U相とV相との間の線間電圧Vuv、V相とW相との間の線間電圧Vvw、およびW相とU相との間の線間電圧Vwuは、次式(28)〜(30)のようになる。
Vuv=Vu−Vv=Ed (28)
Vvw=Vv−Vw=0 (29)
Vwu=Vw−Vu=−Ed (30)
ただし、「Vu」は、U相の電位(中点Puの電位)であり、「Vv」は、V相の電位(中点Pvの電位)であり、「Vw」は、W相の電位(中点Pwの電位)である。
さらに、式(28)〜(30)から、電位Vu〜Vwを求めると、各電位Vu〜Vwは、次式(31)〜(33)のようになる。
Vu=(2/3)Ed (31)
Vv=−(1/3)Ed (32)
Vw=−(1/3)Ed (33)
したがって、電圧ベクトルV1の方向は、図15に示すように、U相の方向となる。また、電圧ベクトルV1の大きさ|V1|は次式(34)によって表される。
|V1|=(2/3)Ed−(1/3)Ed・cos(120度)
−(1/3)Ed・cos(240度)=Ed (34)
なお、その他の電圧ベクトルV2〜V6は、電圧ベクトルV1と同様の演算を行うことによって、その方向と大きさとを求めることができ、電圧ベクトルV2〜V6の方向は、図15に示したように、U相に対して順次位相差60度をもち、大きさはEdとなる。また、電圧ベクトルV0は、大きさが零の電圧ベクトルとなる。
前述のように、切替部603は、故障判定信号を入力した場合、回転位置推定手段602からの電圧ベクトル指令を選択して出力するので、これによって、電圧印加器31には各スイッチングモード「1」〜「6」、[7](または[8])が時分割で順次発生し、これに伴い、回転機1の第1巻線組11には、各スイッチングモード「1」〜「6」、[7](または[8])に対応した各電圧ベクトルV1〜V6、V0が順次発生する。その際、電流検出部604は、回転位置推定手段602からのトリガ信号の立ち上がりタイミングで各相に流れる電流i1u、i1v、i1wを検出する。
図16は、電流検出部604の詳細構成を示すブロック図である。
図16において、電流検出器610〜612は、それぞれU相、V相およびW相を流れる電流を検出し、それぞれ出力処理部613、614、615に出力する。各出力処理部613、614、615は、それぞれサンプルホールド回路613a、614a、615aを有するとともに、A/D変換器613b、614b、615bを有する。
検出タイミング決定部616は、故障判定手段5からの故障判定信号が入力された場合には、これに応じて回転位置推定手段602から出力されるトリガ信号をサンプルホールド回路613a、614a、615aへ出力する。一方、故障判定手段5からの故障判定信号が入力されない場合には、自ら一定時間間隔毎にトリガ信号を出力してサンプルホールド回路613a、614a、615aへ出力する。
サンプルホールド回路613a、614a、615aは、検出タイミング決定部616から入力されるトリガ信号Trの立ち上がりタイミングに、電流検出器610〜612が検出した電流値をサンプルホールドする。そして、A/D変換器613b、614b、615bは、サンプルホールド回路613a、614a、615aがホールドしたアナログ信号をディジタル信号にそれぞれ変換し、それぞれU相の電流i1u、V相の電流i1v、W相の電流i1wを制御手段600に出力する。
図17は、回転位置推定手段602の詳細構成を示すブロック図である。
図17において、CPU621は、故障判定手段5から故障判定信号が入力されると、これに応じて、メモリ622に保持された所定のプログラムに基づいて出力回路623を介して電圧ベクトル指令を切替部603に出力し、また出力回路624を介してトリガ信号を電流検出部604に出力する。さらに、このトリガ信号に応じて電流検出部604で検出された電流i1u、i1v、i1wが入力回路620に入力されると、これらの電流i1u、i1v、i1wに基づいて後述する演算処理を行って回転位置θeを推定し、出力回路625を介して切替部112に出力する。
図18は、回転位置推定手段602から切替部603に与える電圧ベクトル指令、トリガ信号、および電流検出部604で検出される電流i1u、i1v、i1wとの関係を示すタイミングチャートである。
図18において、回転位置推定手段602は、故障判定手段5から故障判定信号が入力されると、これに応じて前述のスイッチングモード「1」〜「6」、[7](または[8])にそれぞれ対応した電圧ベクトルがV0→V1→V0→V2→V0→V3→V0→V4→V0→V5→V0→V6→V0の順に第1巻線組11に発生するように、順次、時分割で電圧ベクトル指令を切替部603を介して電圧印加器31に出力する。
ここで、これらの電圧ベクトルV1〜V6の印加時間は、回転機1のコイルが磁気飽和するに十分な時間であり、各電圧ベクトルV1〜V6の印加によって第1巻線組11のコイルは磁気飽和する。なお、各電圧ベクトルV1〜V6の間にそれぞれ電圧ベクトルV0を挿入するのは、デッドタイムを確保するためである。
また、制御手段600は、電圧ベクトルV1〜V6の印加終了直後にトリガ信号を電流検出部604に出力する。電流検出部604は、各トリガ信号の立ち上がりタイミングで各相の電流i1u(i1u1〜i1u6)、i1v(i1v1〜i1v6)、i1w(i1w1〜i1w6)を検出して回転位置推定手段602に出力する。
ここで、U相の位相と等しい電圧ベクトルV1を発生したときに検出された電流i1uと、この電圧ベクトルV1と位相が180度異なる電圧ベクトルV4(図15参照)を発生したときに検出された電流i1uとの振幅和である電流Δiuを次式(35)で定義する。この場合、各電圧ベクトルV1〜V6は、V1→V2→V3→V4→V5→V6の順序で発生されるので、電圧ベクトルV1を発生したときに検出される電流iuは、電流iu1であり、電圧ベクトルV4を発生したときに検出される電流iuは、電流iu4である。したがって、電流Δi1uは、つぎのように表せる。
Δi1u=i1u1+i1u4 (35)
同様にして、V相の位相と等しい電圧ベクトルV3を発生したときに検出された電流i1vと、この電圧ベクトルV3と位相が180度異なる電圧ベクトルV6を発生したときに検出された電流i1vとの電流Δi1vは、次式(36)で定義される。また、W相の位相と等しい電圧ベクトルV5を発生したときに検出された電流i1wと、この電圧ベクトルV5と位相が180度異なる電圧ベクトルV2を発生したときに検出された電流i1wとの振幅和である電流Δiwは、次式(37)で定義される。この場合、上述した電圧ベクトルV1〜V6の発生順序を考慮すると、式(36)および式(37)は、次のように表せる。
Δi1v=i1v3+i1v6 (36)
Δi1w=i1w5+i1w2 (37)
図19は、図18に示したように、電圧ベクトルV1〜V6の位相が単調増加するV1→V2→V3→V4→V5→V6なる順序で電圧ベクトル指令を時分割で出力した場合における、回転位置θeに対する電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの変化を示している。
この場合、位相が単調増加する順序で電圧ベクトルV1〜V6を発生することによって、回転機1のヒステリシス特性等による非線形要因の影響を小さくすることができ、図19に示したように、振幅値Δi1u、Δi1v、Δi1wのそれぞれの最大値と最小値との絶対値をほぼ一致させることができる。したがって、この実施の形態6では、図18に示したように、電圧ベクトルV1〜V6の発生順序を、その位相が単調増加する順序として、回転機1のヒステリシス特性等による非線形要因の影響を受けないようにしている。
なお、この実施の形態6では、電圧ベクトルV1〜V6の位相が単調増加する順序で発生するように電圧ベクトル指令を出力しているが、V6→V5→V4→V3→V2→V1として、位相が単調減少する順序で電圧ベクトルV1〜V6を発生するように電圧ベクトル指令を出力しても、振幅値Δi1u、Δi1v、Δi1wのそれぞれの最大値と最小値との絶対値をほぼ一致させることができ、回転機1のヒステリシス特性等による非線形要因の影響を受けないようにすることができる。
次に、回転位置推定手段602は、上述した式(35)〜(37)に示した電流Δi1u、Δi1v、Δi1wを演算した後、これら電流Δi1u、Δi1v、Δi1wを用いて、電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの絶対値が最大となる値MAX(Δi1u、Δi1v、Δi1w、−Δi1u、−Δi1v、−Δi1w)を演算する。なお、MAX(x1、x2、・・・、xn)の表記は、カッコ内の一群に含まれる値x1〜xnの内の最大値を選択することを意味する。
図19に示したように、電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの値は、回転位置θeが60度ごとに最大値および最小値を有する。たとえば、回転位置θeが0度のとき、Δiuが最大値であり、回転位置θeが60度のとき、Δiwが最小値を有する。したがって、回転位置θeの区間を60度毎に区分した区分番号mを用いると、区間と値MAXとの関係は、次のようになる。
区分番号m : 区間(θe) : MAX
1 : −30〜 30度 : Δi1u
2 : 30〜 90度 : −Δi1w
3 : 90〜150度 : Δi1v
4 : 150〜210度 : −Δi1u
5 : 210〜270度 : Δi1w
6 : 270〜330度 : −Δi1v
なお、値MAXの括弧内において、−Δi1u、−Δi1v、−Δi1wのようにマイナス符号を付したのは、たとえば、回転位置θeが60度のとき、Δi1wは最小値を示すが、この最小値を最大値として演算するためである。
具体的な値MAXの演算としては、たとえば、回転位置θeが60度のとき、値MAX(Δi1u、Δi1v、Δi1w、−Δi1u、−Δi1v、−Δi1w)=−Δi1wとなり、区間番号m=2が得られ、このときの回転位置θeは30〜90度の範囲内であることが分かる。
具体的な求め方としては、回転位置推定手段602がメモリ622内に、上述した区分番号mと値MAXとの対応関係を予めテーブルとして保持しておき、最終的に演算した値MAXの値に基づいて区間番号mを獲得し、この区間番号mを出力回路623に送出する。出力回路625は、区間番号mと区間、あるいは特定の回転位置θeとの対応関係を予めテーブルとして保持しておき、入力された区間番号mに対応する回転位置θeを外部に出力する。
ここで、図20に示すフローチャートを参照して、この実施の形態6における回転位置推定手段602による回転位置θeの推定演算処理について説明する。なお、図20において、符号Sは各処理ステップを意味する。
図20において、まず、回転位置推定手段602は、まず、前述の電圧ベクトルV0を発生させるための電圧ベクトル指令を一定時間、電圧印加器31に出力する(S101)。その後、変数nを「1」に設定する(S102)。さらに、この設定されたnの値をもとに、回転位置推定手段602は、電圧ベクトルVn(最初はn=1)が発生されるように電圧ベクトル指令を、回転機1が磁気飽和するに十分な一定時間、切替部603を介して電圧印加器31に出力する(S103)。
その後、電圧ベクトルVnの発生終了直後、トリガ信号を電流検出部604に出力する(S104)。そして、各相の電流i1u、i1v、i1wを電流検出部604から取得する(S105)。たとえば、変数nが「1」である場合には、電圧ベクトルV1を発生する電圧ベクトル指令に対応する電流i1u1、i1v1、i1w1を取得する。
その後、変数nを1インクリメントし(S106)、再度、電圧ベクトルV0を発生させるための電圧ベクトル指令を一定時間、電圧印加器31に出力する(S107)。その後、変数nが「6」を超えたか否かを判断し(S108)、変数nが「6」を超えない場合(S108、NO)には、S103に移行し、さらに位相が60度進んだ電圧ベクトルVnが発生されるように電圧ベクトル指令を、回転機1が磁気飽和するに十分な一定時間、切替部603を介して電圧印加器31に出力して、各相の電流i1u、i1v、i1wを取得する処理を繰り返す。
一方、変数nが「6」を超えた場合(S108、YES)、回転位置推定手段602は、電流Δi1u、Δi1v、Δi1wを演算する(S109)。たとえば、電圧ベクトルV1が発生されたときの電流i1u1と、電圧ベクトルV1の位相と180度異なる位相をもつ電圧ベクトルV4が発生されたときの電流i1u4との和を演算し、この和を電流Δi1uとしてメモリ622に保持する。同様にして、電流Δi1v、Δi1wを演算し、メモリ622に保持する。
続いて、回転位置推定手段602は、値MAX(Δi1u、Δi1v、Δi1w、−Δi1u、−Δi1v、−Δi1w)を演算し(S110)、得られた値MAXに対応する区間番号mを出力回路625に出力し、出力回路625は、入力された区間番号mに対応する回転位置θeを、切替部112を介して各座標変換器104、105、108、110に出力し(S111)、本処理を終了する。
なお、電流i1u、i1v、i1wを取得するS105では、電流Δi1u、Δi1v、Δi1wを演算するに必要な電流i1u1、i1w2、i1v3、i1u4、i1w5、i1v6のみを取得するようにしてもよい。
また、この実施の形態6では、電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの大小関係に基づいて回転位置θを出力するようにしているが、これに限らず、例えば電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの符号に基づいて回転位置θeを出力するようにしてもよい。
すなわち、上述した区間番号mと区間とを用いると、これらと電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの符号との関係は次のようになる。
区分番号m : 区間 : Δi1u Δi1v Δi1w
1 : −30〜 30度 : + − −
2 : 30〜 90度 : + + −
3 : 90〜150度 : − + −
4 : 150〜210度 : − + +
5 : 210〜270度 : − − +
6 : 270〜330度 : + − +
このような区間番号mと区間と電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの符号との関係を用いて各電流Δi1u、Δi1v、Δi1wの符号の組合せから区間番号mの値を決定することができる。
上述したように、この実施の形態6による回転位置θeの推定方式は、電圧印加器より少なくとも1つの巻線組(ここでは第1巻線組11)に電圧ベクトル指令を出力し、当該巻線組に流れる電流に基づいて回転位置θeを推定するので、多重巻線モータ1の回転が停止している場合でも回転機1の現在の回転位置θeを推定することができる。
以上のように、この実施の形態6によれば、故障判定手段5が故障判定信号を出力した場合に、少なくとも1つの巻線組に対し、電圧ベクトル指令を印加して、当該巻線組に流れる電流から回転位置θeを推定するので、回転機1が停止している場合でも、現在の回転位置θeを精度良く推定でき、これによって電圧印加手段3に対して適切な電圧指令v1u*、v1v*、v1w*、v2u*、v2v*、v2w*を出力することができ、円滑に運転を再開することができるといった効果を奏する。
なお、上記の実施の形態1〜6では、回転位置検出手段4の故障に応じて第1巻線組11に関する電流あるいは電圧に基づいて回転位置θeを推定するようにしているが、これに限らず、第2の巻線組12に関する電流あるいは電圧に基づいて回転位置θeを推定するようにしてもよい。
また、この発明は、上記の実施の形態1〜6の各構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種の応用や変形を加えることができ、また、各実施の形態1〜6の構成を適宜組み合わせることが可能である。
1 多重巻線回転機、11,12 巻線組、2 電流検出手段、3 電圧印加手段、
31,32 電圧印加器、5 故障判定手段、
100,200,300,400,500,600 制御手段、
113,202,302,502,602 回転位置推定手段。

Claims (6)

  1. 複数の巻線組ごとに複数相の巻線を持つ多重巻線回転機と、上記多重巻線回転機の回転位置を検出する回転位置検出手段と、上記回転位置検出手段の故障の有無を判定する故障判定手段と、上記回転位置検出手段より検出された回転位置に基づいて上記複数の巻線組に関する電圧指令を演算する制御手段と、上記電圧指令に基づいて上記複数の巻線組に対して電圧を印加する複数の電圧印加手段とを備え、
    上記制御手段は、上記故障判定手段が上記回転位置検出手段の故障を判定した場合には、少なくとも1つの巻線組に対応する上記電圧印加手段に対して、回転位置推定用の電圧指令を出力し、この電圧指令に応じて当該巻線組から得られる電圧と電流の少なくとも1つに基づいて回転位置を推定するものである多重巻線回転機の駆動装置。
  2. 上記制御手段は、上記回転位置推定用の上記電圧指令に基づいて上記電圧印加手段が巻線組に電圧を印加する場合に、当該巻線組に流れる電流が、他の巻線組に流れる電流よりも小さな値となるように制御する請求項1に記載の多重巻線回転機の駆動装置。
  3. 上記制御手段は、上記回転位置推定用の上記電圧指令に基づいて上記電圧印加手段が巻線組に電圧を印加する場合に、当該巻線組に流れる電流が零になるように制御する請求項2に記載の多重巻線回転機の駆動装置。
  4. 上記制御手段は、上記当該巻線組に流れる電流が他の巻線組に対して小さな値、または零になるように制御する場合には、その制御前の電流の減少分だけ他の巻線組に流れる電流が増加するように制御する請求項2または請求項3に記載の多重巻線回転機の駆動装置。
  5. 上記制御手段は、上記回転位置推定用の上記電圧指令に基づいて上記電圧印加手段が巻線組に電圧を印加する場合に、上記電圧指令が当該巻線組を構成する全相の巻線を短絡させる値となるように制御する請求項1に記載の多重巻線回転機の駆動装置。
  6. 上記制御手段は、上記回転位置推定用の電圧指令に基づいて上記電圧印加手段が巻線組に電圧を印加する場合に、当該巻線組に関して振幅が等しく、かつ等間隔の位相をもつ6N(Nは1以上の自然数)種類の電圧ベクトルが、上記巻線組が磁気飽和するのに十分な時間にわたって順次当該巻線組に生じるような上記電圧指令となるように制御する請求項1に記載の多重巻線回転機の駆動装置。
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