JP2018050418A - 回転機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1に開示された同期機の位置センサレス制御装置では、マスターインバータ及びスレーブインバータでそれぞれ推定位置を演算した後、平均値を算出する。
しかし、2系統の拡張誘起電圧の誤差が同符号である場合や、拡張誘起電圧の誤差が一方の系統にのみ存在し他方の系統ではほぼ0である場合、系統和誘起電圧に誤差が残る。そのため、系統和誘起電圧の誤差に基づいて位置誤差が発生することとなる。
特定の前記巻線組への通電を制御する一群の構成要素の単位を「系統」と定義すると、系統和誘起電圧推定部は、複数系統から選択した特定の2系統の拡張誘起電圧の和である系統和誘起電圧(eγδw)を推定する。系統差誘起電圧演算部は、特定の2系統の拡張誘起電圧の差である系統差誘起電圧(eγδs)を演算する。
ここで、拡張誘起電圧の「和」には、加算値を2で除した平均値を含み、「差」には、減算値を2で除した半差分値を含むものと解釈する。
磁極位置推定部は、系統和誘起電圧、系統和誘起電圧に系統差誘起電圧を加算した値、及び、系統和誘起電圧から系統差誘起電圧を減算した値のうちから位置誤差(Δθ)が最小となるように選択されたいずれかの値に基づいて、回転機のロータ(85)の磁極位置(θγ)を推定する。
具体的に判断部は、回転機の制御装置の動作中に都度入力される3種類の演算値のうち最小の値を選択し、選択後拡張誘起電として磁極位置推定部に出力する。これにより、誤差パターンが既知でない場合や経時変化する場合にも、磁極位置推定部による位置推定の周期毎に位置誤差を最小にすることができる。
以下の実施形態の説明では、特許請求の範囲における「回転機」を「モータ」と記し、「回転機の制御装置」を「モータ制御装置」と記す。また、第1〜第4実施形態を包括して「本実施形態」という。
第1実施形態による3相2系統のモータ制御装置について、図1〜図10を参照して説明する。図1に示すように、モータ制御装置101は、2系統の3相巻線組を有するモータ802に2台の電力変換器61、62から交流電力を供給するシステムに適用される。モータ802は、例えば永久磁石式同期型の3相交流モータである。モータ802には、ロータの磁極位置を検出する回転角センサは設けられていない。
図2(b)に示すように、永久磁石同期型のモータ802は、周方向に磁極86が配置されたロータ85が、ステータ84の径内側に回転可能に支持されている。図2(b)には、ロータ85にN極及びS極が2対(すなわち計4極)設けられた例を示す。
ステータ84に巻回される巻線について、例えば「U1」は第1系統のU相巻線を意味し、「V2」は第2系統のV相巻線を意味する。第1系統と第2系統との同相巻線は、ステータ84の周方向に交互に配置されている。
また、2相固定座標系のαβ軸は、α軸α1、α2がU相軸U1、U2と一致するように定義される。
図1には、電力変換器61、62の入力側電力経路の図示を省略する。直流電源と電力変換器61、62との間にはDCDCコンバータ等が設けられてもよい。
また、3相上下アームの6個のスイッチング素子を含む3相交流インバータの構成も周知技術であるため図示を省略する。
なお、「θγ」については、γを下付文字でなく通常文字で記載する。
また、モータ制御装置101は、電圧和算出器31、電流和算出器32、電圧差算出器33、電流差算出器34、系統和誘起電圧推定部41、系統差誘起電圧推定部43、和差加算器51、和差減算器52、判断部53、及び、磁極位置推定部56等を備える。
なお、一点鎖線で示すI部は、第4実施形態の説明で引用される。
各系統の2相3相変換部171、172は、γδ軸電圧指令値v* γδ1、v* γδ2を3相電圧指令値v* UVW1、v* UVW2に変換し、電力変換器61、62に出力する。
各系統の3相2相変換部181、182は、電流センサ71、72が検出した相電流iUVW1、iUVW2を取得し、γδ軸電流検出値iγδ1、iγδ2に変換する。
以下、相電圧又は相電流との変換に関する記載以外では「γδ軸電圧指令値v* γδ1、v* γδ2」及び「γδ軸電流検出値iγδ1、iγδ2」の「γδ軸」を適宜省略し、「電圧指令値v* γδ1、v* γδ2」及び「電流検出値iγδ1、iγδ2」と記す。
電流和算出器32は、第1系統の電流検出値iγδ1と第2系統の電流検出値iγδ2との電流和iγδwを算出し、系統和誘起電圧推定部41に出力する。
電圧差算出器33は、第1系統の電圧指令値v* γδ1から第2系統の電圧指令値v* γδ2を減じた電圧差v* γδsを算出し、系統差誘起電圧推定部43に出力する。
電流差算出器34は、第1系統の電流検出値iγδ1から第2系統の電流検出値iγδ2を減じた電流差iγδsを算出し、系統差誘起電圧推定部43に出力する。
電圧和算出器31及び電流和算出器32は、平均値を意味する電圧和v* γδw及び電流和iγδwを算出し、電圧差算出器33及び電流差算出器34は、半差分値を意味する電圧差v* γδs及び電流差iγδsを算出する。なお、末尾記号「w」は「和」を意味し、末尾記号「s」は「差」を意味する。「w」、「s」は、明細書中では通常文字で記し、図及び数式中では下付文字として記載する。
このような技術的思想により、本明細書では、「和」又は「差」の区別に重点を置く。したがって、本質的に「和」は平均値を含む概念であり、「差」は半差分値を含む概念であるものとして解釈する。
系統差誘起電圧推定部43は、電圧差v* γδs及び電流差iγδsに基づいて、2系統の拡張誘起電圧の差である系統差誘起電圧eγδsを推定する。
和差加算器51は、系統和誘起電圧eγδwと系統差誘起電圧eγδsとを加算し、判断部53に出力する。
和差減算器52は、系統和誘起電圧eγδwから系統差誘起電圧eγδsを減算し、判断部53に出力する。
以下、文脈から自明である場合等、適宜、系統和誘起電圧eγδwを簡単に「和」と記す。また、和差加算器51による加算結果(eγδw+eγδs)を「和+差」と記し、和差減算器52による減算結果(eγδw−eγδs)を「和−差」と記す。
ここで、磁極位置推定部56が用いる演算値は、原則として「和」が基準値であると考えると、「和+差」又は「和−差」を用いる場合、基準値である「和」を「差」により補正する処理が実行されると解することもできる。この考え方によると、「選択後拡張誘起電圧」を「補正後拡張誘起電圧」と言い換えてもよい。
以下、電気角速度ωを適宜、「速度ω」と記す。また、速度ωに比例定数を乗ずることによりモータ回転数となるため、モータ回転数の意味でも「ω」を用いる。
図5に、3相1系統のモータ801の駆動を制御するモータ制御装置100の制御ブロック図を示す。2相3相変換部171、3相2相変換部181、電力変換器61及び電流センサ71については、図1に示すモータ制御装置101における第1系統の構成要素の符号を援用する。
R :抵抗
Ld、Lq:d軸、q軸自己インダクタンス
KE:逆起電力定数
アークタンジェント演算部57は、数式1の「−sin△θ、cos△θ」に基づき、数式2により位置誤差Δθを演算する。
2系統での電圧方程式には、モータ定数として、系統間干渉を考慮したd軸、q軸相互インダクタンスMd、Mqが含まれる。また、数式1における逆起電力定数KEに対応する定数として、数式6、7では、図2(a)に示す界磁回路87のインダクタンスMf及び界磁電流ifの積の値を用いる。
言い換えれば、図16に示す比較例のモータ制御装置109の構成が、「和」の情報のみによる推定構成に相当する。図16に示す比較例の構成は、基本的に、従来技術である特許文献1(特許第5527025号公報)の構成に相当するものである。
続いて、比較例による「和の情報のみによる位置推定」の構成と対比しつつ、第1実施形態による「和と差の情報による位置推定」の構成について説明する。
第1系統の推定誘起電圧eγδ1、及び第2系統の推定誘起電圧eγδ2は、数式11で表される。
このとき、第1系統の誤差Δeγδ1と第2系統の誤差Δeγδ2とが相殺するため、和の誤差Δeγδwが0になる。なお、差eγδsは、第1系統の誤差Δeγδ1に等しくなる。
したがって、「和の誤差+差(Δeγδw+eγδs)」が0になる。
パターン[C]は、「第2系統の誤差Δeγδ2が0の場合」である。このとき、和の誤差Δeγδw、差eγδsのいずれも、第1系統の誤差の2分の1(=Δeγδ1/2)に等しくなる。
したがって、「和の誤差−差(Δeγδw−eγδs)」が0になる。
パターン[A]:和の誤差Δeγδw
パターン[B]:和の誤差+差(Δeγδw+eγδs)
パターン[C]:和の誤差−差(Δeγδw−eγδs)
比較例による「和の情報のみによる位置推定」の構成は、パターン[A]の場合、推定誘起電圧の誤差Δeγδwが0となるため、位置誤差Δθを低減可能である。しかし、比較例の構成では、パターン[B]、[C]には対応することができず、位置誤差Δθの増大を招くおそれがある。
また、本実施形態では、判断部53が、モータ制御装置の動作中に都度入力される3種類の演算値のうち最小の値を選択し、選択後拡張誘起電圧eγδ#として磁極位置推定部56に出力する。
各フローチャートの説明で記号Sは「ステップ」を表す。また、図8〜図10において共通のステップには同一のステップ番号を付す。さらに、共通ではないが互いに対応するステップには、同一のステップ番号の後に枝番「−1、−2、−3」を付して記す。
S1にて、系統和誘起電圧推定部41及び系統差誘起電圧推定部43は、それぞれ系統和誘起電圧eγδw(以下「和eγδw」)及び系統差誘起電圧eγδs(以下「差eγδs」)を演算する。
S2−1にて、和差加算器51は、和eγδwに差eγδsを加算し、「和+差(eγδw+eγδs)」を算出する。和差減算器52は、和eγδwから差eγδsを減算し、「和−差(eγδw−eγδs)」を算出する。
まず、S3−1にて、「和eγδw」と、「和+差(eγδw+eγδs)、又は、和−差(eγδw−eγδs)の小さい方の値」とが比較される。「和eγδw」が小さい場合、YESと判断され、S5に移行する。
「和+差(eγδw+eγδs)」が小さい場合、YESと判断され、S6に移行する。
「和−差(eγδw−eγδs)」が小さい場合、NOと判断され、S7に移行する。
なお、判断の順番は上記の例に限らず、最終的に最小値が判別されればよい。
S6では、「和+差(eγδw+eγδs)」が選択後拡張誘起電圧eγδ#に選択される。
S7では、「和−差(eγδw−eγδs)」が選択後拡張誘起電圧eγδ#に選択される。
こうして選択された選択後拡張誘起電圧eγδ#は、磁極位置推定部56に出力され、位置推定のアークタンジェント演算に利用される。
図9において枝番S「−2」を付したステップ(S2−2、S3−2、S4−2)は、いずれも、図8における枝番「−1」のステップの「γδ」を「γ」に置き換えたものである。それ以外は図8と同様であるため、説明を省略する。また、図9のS1、S5、S6、S7において括弧内に示した値は、次の第2実施形態で用いられる。
図9の処理では推定d軸成分の値のみを扱うため、図8の処理に比べ演算量を低減することができる。
S2−3にて、判断部53は、系統和誘起電圧eγδw及び系統差誘起電圧eγδsに基づいて、和、(和+差)、(和−差)の3通りのベクトル比率Xw、Xw+s、Xw−sを算出する。図6に示す通り、ベクトル比率Xは、誘起電圧ベクトルeγδのδ軸成分の大きさを1としたときのγ軸成分の大きさを表す値である。
図10の処理では、図8の処理と同様に、拡張誘起電圧ベクトルeγδのγ軸成分及びδ軸成分の情報を反映した判断をすることができる。
本実施形態の2系統のモータ制御装置は、図16に示す比較例の構成に対し、系統和誘起電圧推定部41に加えて系統差誘起電圧推定部43を備える。
磁極位置推定部56は、系統和誘起電圧eγδw、系統和誘起電圧に系統差誘起電圧を加算した値(eγδw+eγδs)、及び、系統和誘起電圧から系統差誘起電圧を減算した値(eγδw−eγδs)のうちから位置誤差Δθが最小となるように選択されたいずれかの値に基づいて、ロータの磁極位置θγを推定する。これら3種類の演算値は、図7に示す[A]、[B]、[C]の推定誘起電圧誤差パターンに対応し、各誤差パターンにおける位置誤差Δθを最小とするものである。
また、本実施形態の判断部53は、モータ制御装置の動作中に都度入力される3種類の演算値のうち最小の値を選択し、選択後拡張誘起電圧eγδ#として磁極位置推定部56に出力する。これにより、誤差パターンが既知でない場合や経時変化する場合にも、磁極位置推定部56による位置推定の周期毎に位置誤差Δθを最小にすることができる。
第2実施形態によるモータ制御装置について図11を参照して説明する。
第2実施形態のモータ制御装置102を構成する制御ブロックは、第1実施形態のモータ制御装置101と同じである。ただし、系統和誘起電圧推定部41から判断部53に対し、推定d軸の系統和誘起電圧eγwのみが出力される点が異なる。推定q軸の系統和誘起電圧eδwは、系統差誘起電圧eδsと加減算されることなく、磁極位置推定部56に直接出力される。
第2実施形態の判断部53は、図9のフローチャートのS1、S5、S6、S7において括弧内に示すように、推定d軸成分についてのみ演算値選択処理を実行し、選択後拡張誘起電圧としてeγ#を出力するようにしてもよい。
第2実施形態は、第1実施形態に対し、選択処理の演算量を低減することができる。
第3実施形態によるモータ制御装置について図12を参照して説明する。
第3実施形態のモータ制御装置103は、系統差誘起電圧eγδsを演算する構成が第1実施形態と異なる。つまり、モータ制御装置103は、第1系統誘起電圧推定部45、第2系統誘起電圧推定部46、及び、系統差誘起電圧推定部47を備える。
第2系統誘起電圧推定部46は、基本的に第2系統の電圧指令値v* γδ2及び電流検出値iγδ2に基づいて、第2系統の拡張誘起電圧eγδ2を推定する。
このように、第1系統誘起電圧推定部45及び第2系統誘起電圧推定部46は、各系統の電圧及び電流を用いて系統毎に拡張誘起電圧を推定する。
なお、系統差誘起電圧推定部に代えて又は加えて、系統和誘起電圧推定部が、第1系統の拡張誘起電圧eγδ1と第2系統の拡張誘起電圧eγδ2と加算し、系統和誘起電圧eγδwを算出してもよい。この構成によっても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
第4実施形態によるモータ制御装置について図13〜図15を参照して説明する。
第4実施形態のモータ制御装置104は、第1実施形態のモータ制御装置101を示す図1のI部の構成に代えて、図13に示す構成を採用する。すなわち、第4実施形態のモータ制御装置104では、系統和誘起電圧推定部42及び系統差誘起電圧推定部44は、入力信号中の高周波成分を除去するフィルタとして構成されている。
なお、インピーダンスZw、Zsは、数式6、数式7の行列式の値をまとめたものであり、演算式の精度によっては、「Zw=Zs」ともなり得る。ただし、和演算と差演算で考慮するモータ定数の精度を変更する場合、現実の演算では「Zw≠Zs」として扱ってもよい。
相電流の1次成分に重畳する(6k±1)次成分は、座標変換により、γδ軸電流の6次、12次等の(6k)次成分となる。
1周期が電気角60°に相当する6次成分について、位相が電気角30°ずれた2系統のγ軸電流iγ1_6次、iγ2_6次は、ちょうど山と谷とが反転した逆位相となる。そこで、電流和算出器32により逆位相のγ軸電流iγ1_6次、iγ2_6次の「和」を演算すると、6次高調波成分は互いにキャンセルされて系統和誘起電圧推定部42に入力される。
そこで、系統和誘起電圧推定部42のカットオフ周波数fcowは、少なくとも12次高調波成分を除去できるような周波数に設定されることが好ましい。
図15(a)に示すように、カットオフ周波数fcow、fcosは、速度(モータ回転数)ωが下限値ωLIM以上の領域では、速度(モータ回転数)ωが高くなるほど高くなるように設定される。
このように、モータ制御装置104の系統和誘起電圧推定部42及び系統差誘起電圧推定部44は、モータ回転数ωに応じてフィルタのカットオフ周波数が可変に設定される。これにより、高調波成分の影響を適切に低減することができる。
このように、モータ制御装置104の系統和誘起電圧推定部42及び系統差誘起電圧推定部44は、フィルタのカットオフ周波数fcow、fcosが互いに異なる値に設定される。これにより、高調波成分の影響を適切に低減することができる。
(a)上記実施形態の判断部53は、モータ制御装置の動作中に都度、「和eγδw」、「和+差(eγδw+eγδs)」、「和−差(eγδw−eγδs)」のうち最小値を選択し、選択後拡張誘起電圧eγδ#として磁極位置推定部56に出力する。
しかし、例えば第1系統又は第2系統の拡張誘起電圧の誤差Δeγδ1、Δeγδ2が常に0であることが既知である場合、判断部53を設けず、「和+差(eγδw+eγδs)」又は「和−差(eγδw−eγδs)」を利用して位置推定することを予め選択してもよい。
同様に、第1系統の誤差Δeγδ1が第2系統の誤差Δeγδ2の符号を反転した値に常に等しいことが既知である場合、判断部53を設けず、「和eγδw」を利用して位置推定することを予め選択してもよい。
また、回転機の複数の巻線組の数、言い換えればモータ制御装置の系統数は3系統以上であってもよい。ただし、3系統以上のうち任意に選択した特定の2系統を対象として、本発明による位置推定が実行される。3系統のうち特定の2系統を固定するか、或いは、状況に応じていずれかの2系統を選択するか等の詳細な方法は、適宜決定してよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
41、42・・・系統和誘起電圧推定部、
43、44、47・・・系統差誘起電圧推定部、
53・・・判断部、
56・・・磁極位置推定部、
61、62・・・電力変換器、
80・・・モータ(回転機)。
Claims (7)
- 3相以上の多相巻線組をステータ(84)に複数有する回転機(80)に対し、前記複数の巻線組への通電を位置センサレス制御で制御する回転機の制御装置であって、
入力された電力を交流電力に変換し、前記回転機に供給する複数の電力変換器(61、62)と、
一組の前記巻線組への通電を制御する一群の構成要素の単位を系統と定義すると、複数系統から選択した特定の2系統の拡張誘起電圧の和である系統和誘起電圧(eγδw)を推定する系統和誘起電圧推定部(41、42)と、
前記特定の2系統の拡張誘起電圧の差である系統差誘起電圧(eγδs)を演算する系統差誘起電圧演算部(43、44、47)と、
前記系統和誘起電圧、前記系統和誘起電圧に前記系統差誘起電圧を加算した値、及び、前記系統和誘起電圧から前記系統差誘起電圧を減算した値のうちから位置誤差(Δθ)が最小となるように選択されたいずれかの値に基づいて、前記回転機のロータ(85)の磁極位置(θγ)を推定する磁極位置推定部(56)と、
を備える回転機の制御装置。 - 前記系統和誘起電圧、前記系統和誘起電圧に前記系統差誘起電圧を加算した値、及び、前記系統和誘起電圧から前記系統差誘起電圧を減算した値のうち最小の値を選択し、前記磁極位置推定部による前記磁極位置の推定に用いる選択後拡張誘起電圧(eγδ#)として出力する判断部(53)をさらに備える請求項1に記載の回転機の制御装置。
- 前記系統和誘起電圧推定部(41、42)は、前記特定の2系統の電圧和及び電流和に基づき前記系統和誘起電圧を推定し、
前記系統差誘起電圧推定部(43、44)は、前記特定の2系統の電圧差及び電流差に基づき前記系統差誘起電圧を推定する請求項1または2に記載の回転機の制御装置。 - 前記特定の2系統について、各系統の電圧及び電流を用いて系統毎に拡張誘起電圧を推定する2つの系統誘起電圧推定部(45、46)をさらに備え、
前記系統和誘起電圧推定部又は前記系統差誘起電圧算出部(47)の少なくともいずれか一方は、前記2つの系統誘起電圧推定部が推定した拡張誘起電圧の和又は差を算出する請求項1または2に記載の回転機の制御装置。 - 前記系統和誘起電圧推定部(42)及び前記系統差誘起電圧推定部(44)は、入力信号中の高周波成分を除去するフィルタとして構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転機の制御装置。
- 前記系統和誘起電圧推定部及び前記系統差誘起電圧推定部は、前記回転機の電気角速度に応じてフィルタのカットオフ周波数が可変に設定される請求項5に記載の回転機の制御装置。
- 前記系統和誘起電圧推定部及び前記系統差誘起電圧推定部は、フィルタのカットオフ周波数が互いに異なる値に設定される請求項5または6に記載の回転機の制御装置。
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