JP2013201808A - フォークリフトの走行モータ用の電力変換装置およびそれを用いたフォークリフト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1電力変換装置200は、フォークリフトの車輪に動力を伝達する走行モータM1に電力を供給する。指令値生成部203は、ユーザが走行モータM1を制御するための走行操作手段から走行操作量S1を受け、当該走行操作量S1に応じたトルク指令値S5を生成する。トルク制限部208は、トルク指令値S5を、走行モータM1の回転−トルク(N−T)特性の上限を規定する制限曲線以下に制限する。トルク制限部208は、複数のモードごとにあらかじめ定められた制限曲線を保持しており、走行操作量に応じて、モードを切りかえることにより制限曲線を切りかえる。インバータ220は、トルク指令値S6に応じた電力を走行モータM1に供給する。
【選択図】図4
Description
走行操作量が大きい場合、すなわちアクセルの踏み込み量が大きく、あるいは走行レバーを大きく傾けた場合には、ユーザが高速走行を意図している可能性が高く、走行操作量が小さい場合、それほどの高い速度は必要ない可能性が高い。そこで走行操作量が大きい場合には、高トルクを出力するモードを選択し、走行操作量が小さい場合には、低トルクを出力するモードを選択することにより、ユーザの操作感を損なわずに、消費電力を低減できる。
フォークに荷物を載せる際には、荷物に対してフォークを高い精度で制御する必要がある。またフォークから荷物をおろす際にも、荷物を下ろす場所に対してフォークを高い精度で制御する必要がある。この場合、フォークリフトのユーザは走行操作手段を頻繁に動かしながら、車体を前後に動かす動作を繰り返し、位置決めを行う。そしてこのように車体を細かく動かす際には、走行モータのトルクが低くても、ユーザはストレスを感じにくい。そこで、加減速の繰り返しを検出し、検出された場合には、低トルクを出力するモードを選択することにより、ユーザの操作感を損なわずに、消費電力を低減できる。
登坂には高トルクが必要とされる。そこで登坂を検出した場合には、高トルクを出力するモードを選択することにより、操作感を高めることができる。
急旋回を行う際には、走行モータのトルクが低くても、ユーザはストレスを感じにくい。そこで、急旋回が検出された場合には、低トルクを出力するモードを選択することにより、ユーザの操作感を損なわずに、消費電力を低減できる。
フォークリフトが荷物を搭載した状態で、急発進、高速移動、急停止を行うと、車体が不安定となるため、かえってトルクは制限することが望ましい。そこで荷物の搭載が検出された場合には、低トルクを出力するモードを選択することにより、車体の安定性を確保しつつ、消費電力を低減できる。
荷物が重い場合に、トルクが低いと加速が遅くなり、操作感が損なわれる。そこで、高トルクを出力するモードを選択することで操作感を維持できる。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
ECU110は、前後進レバー712からの前進、後進を指示する信号と、アクセルペダル708からの、踏み込み量に応じた走行操作量を示す信号を受け、それに応じた信号(走行操作量ともいう)S1を第1電力変換装置200に出力する。第1電力変換装置200は、走行操作量S1に応じて走行モータM1に供給する電力を制御する。走行操作量S1は、走行モータM1の目標回転数を指示する速度指令値と相関を有する。駆動輪である前輪610は、ドライブシャフト114と接続される。ギアボックス112およびドライブシャフト114は、走行モータM1からの動力を前輪610に伝達する。
リフトレバー706の傾きによって、昇降体606の上下動が制御される。ECU110は、リフトレバー706の傾きを検出し、傾きに応じた荷役操作量S2を示す信号を第2電力変換装置102に出力する。第2電力変換装置102は、荷役操作量S2に応じた電力を荷役モータM2に供給し、その回転を制御する。昇降体606は、油圧アクチュエータ116と連結される。油圧アクチュエータ116は、荷役モータM2が生成する回転運動を、直線運動に変換し、昇降体606を制御する。
レゾルバ122は、ステアリングホイール704の回転角を検出し、回転角を示す信号をECU110に出力する。ECU110は、回転角に応じた制御信号S3を第3電力変換装置104に出力する。第3電力変換装置104は、制御信号S3に応じた電力をステアリングモータM3に供給し、その回転数を制御する。転舵輪である後輪612は、タイロッド126を介してギアボックス124と連結される。ステアリングモータM3の回転運動は、油圧アクチュエータ118およびギアボックス124を介して、タイロッド126に伝達され、操舵が制御される。
指令値生成部203は、ECU110から制御指令値として、走行操作量S1を示す信号を受け、走行操作量S1に応じたトルク指令値S5を生成する。指令値生成部203の構成は特に限定されないが、たとえば指令値生成部203は、減算器204およびPI(比例・積分)制御部206を含む。減算器204には、走行モータM1の回転状態(回転数)を示す検出信号S4がフィードバックされる。減算器204は、走行操作量S1と検出信号S4の偏差を算出する。PI制御部206は、偏差を受け、偏差がゼロとなるように値が制御されるトルク指令値S5を出力する。
トルク制限部208は、走行操作量S1に応じて、モードを切りかえることにより、制限曲線を切りかえる。カウンターフォークリフトにおいては、走行操作量S1は、アクセルペダル708の踏み込み量に対応し、リーチフォークリフトでは、走行レバー(アクセルレバー)の傾きが走行操作量S1に対応する。
トルク制限部は、フォークリフトが登坂中か否かを検出する登坂検出部を含み、検出結果に応じてモードを切りかえてもよい。
図7は、トルク制限部208の構成例を示すブロック図である。
トルク制限部208は、イベント検出部230、モードセレクタ240、クランパ242を備える。イベント検出部230は、モードを遷移させる契機となるイベントを検出する。
ユーザがアクセルペダル708および前後進レバー712を操作しながら、フォークリフト600を走行させると、走行操作量S1に応じてモードが制御される。その際には、各種イベントの発生が監視されており、イベントが検出されるとモードに反映される。すなわちモードセレクタ240は、走行操作量S1にもとづくモード制御と、イベント検出部230の検出結果にもとづくモード制御を併用する。
このフォークリフト600によれば、ユーザがモードを意識せずに、走行操作手段であるアクセルペダル708、前後進レバー712を操作すると、走行操作量S1に応じてモードが自動的に切りかわる。その結果、ユーザが意図的にモードを切りかえる必要がなくなり、消費電力を低減できる。
Claims (12)
- フォークリフトの車輪に動力を伝達する走行モータに電力を供給する電力変換装置であって、
ユーザが前記走行モータを制御するための走行操作手段から走行操作量を受け、当該走行操作量に応じたトルク指令値を生成する指令値生成部と、
前記トルク指令値を、前記走行モータの回転−トルク(N−T)特性の上限を規定する制限曲線以下に制限するトルク制限部であって、複数のモードごとにあらかじめ定められた制限曲線を保持しており、前記走行操作量に応じて、モードを切りかえることにより前記制限曲線を切りかえるトルク制限部と、
前記トルク指令値に応じた電力を前記走行モータに供給するインバータと、
を備えることを特徴とする電力変換装置。 - 前記トルク制限部は、前記走行操作量と所定のしきい値との比較結果に応じて、前記モードを切りかえることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、前記走行操作量と所定のしきい値との比較結果に加えて、操作時間に応じて、前記モードを切りかえることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、あらかじめ定められたイベントの発生を監視し、その結果にもとづいて前記モードを切りかえることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、前記走行モータが加減速を繰り返したか否かを検出する加減速検出部を含み、検出結果に応じて前記モードを切りかえることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、前記フォークリフトが登坂中か否かを検出する登坂検出部を含み、検出結果に応じて前記モードを切りかえることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、前記フォークリフトの車体の急旋回を検出する急旋回検出部を含み、検出結果に応じて前記モードを切りかえることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、フォークに荷物が積載されているか否かを検出する荷物検出部をさらに備え、検出結果に応じてモードを切りかえることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、所定のアップシーケンスイベントを検出すると、トルクの制限値が1段階高いモードに切りかえ、所定のダウンシーケンスイベントを検出すると、トルクの制限値が1段階低いモードに切りかえることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記トルク制限部は、第1モードと、第2モードが切りかえ可能に構成され、
前記第1モードに対して第1制限曲線が規定され、前記第2モードに対して前記第1制限曲線よりも上限が高い第2制限曲線が規定されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電力変換装置。 - 前記トルク制限部は、前記第1モード、前記第2モードに加えて第3モードが規定され、
前記第3モードに対して前記第2制限曲線よりも上限が高い第3制限曲線が規定されることを特徴とする請求項10に記載の電力変換装置。 - 車体と、
前記車体を支持する車輪と、
前記車輪に動力を伝達する走行モータと、
前記走行モータを駆動する請求項1から11のいずれかに記載の電力変換装置と、
を備えることを特徴とするフォークリフト。
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