JP2013193940A - 炭酸リチウムを製造する方法 - Google Patents

炭酸リチウムを製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マグネシウムや硫酸イオンなどの妨害成分を多く含むかん水資源から炭酸リチウム製造を可能とする方法であって、かつ天然ソーダ灰などの安価な炭酸ナトリウムが入手困難な高地や内陸部においても実施可能な炭酸リチウム製造方法の提供。
【解決手段】 その製造方法は、リチウム含有かん水を原料として、脱硫処理工程、蒸発濃縮工程および電気透析工程を経て調製される濃縮かん水に、アンモニアの共存下において、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する炭酸化工程により炭酸リチウムの結晶を析出させ、その析出させた結晶を固液分離して回収することを特徴とするものである。
【選択図】 図5

Description

本発明は、塩湖かん水等のかん水資源から、リチウムイオン電池の原料等として重要な炭酸リチウムを製造する方法に関するものである。
より詳しくは、リチウム含有かん水を原料として、蒸発濃縮工程、脱硫処理工程および電気透析工程を経て調製される濃縮かん水に、アンモニアの共存下において、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する炭酸化工程により炭酸リチウム結晶を析出させ、その析出させた結晶を固液分離して回収することを特徴とする炭酸リチウムを製造する方法に関するものである。
炭酸リチウムは、耐熱ガラス、光学ガラス等の配合剤、セラミックス材料、半導体レーザー用原料、潤滑グリース、リチウムイオン電池用の原料等として広く用いられている。 特に、近年においては、携帯電話やノートパソコン用の小型バッテリーとして用途が広まっているほか、電気自動車搭載用電池として有望視されており、将来の電気自動車の台数増加に対応すべく、リチウムについても、戦略的な資源確保が重要となっている。
そのリチウム資源としてはリチウム鉱石及びリチウム含有かん水が主要なソースとなっている。
リチウム鉱石としては、スポジューメン(LiAlSi26)、ペタライト(LiAlSi410)、リシア雲母(K(Li,Al)3Si410(OH,F)2)などが知られており、それらはペグマタイト鉱床などに産出する。鉱石タイプの場合、精鉱品位がLi2Oとして3〜6重量%程度となる。
他方、かん水タイプとしては、塩湖かん水が最も重要となる。アンデス山脈等の造山帯においては、急激な隆起により形成された山上の湖に、周囲の海成岩石類から溶出した塩化ナトリウム等の水溶性成分が河川水等に伴って流れ込み、これが長い年月をかけて濃縮し、塩類が析出、堆積することで塩湖が形成されている。
その塩湖内部には、飽和塩水が蓄えられており、これを塩湖かん水と呼ぶ。塩湖かん水中には、海水由来の塩化ナトリウムを主体とし、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムなどの陽イオン成分や、塩素、臭素、硫酸、ホウ酸などの陰イオン成分が含有されている。これらの組成は、海水成分の影響以外に、周辺の岩石種や火山活動などの影響を受けて変化する。
この中でも、リチウム濃度が高いものが、リチウム資源として開発の対象となる。現在、リチウム回収の操業が行われているチリ・アタカマ塩湖かん水のリチウム濃度は2g/L、アルゼンチン・オムブレムエルト塩湖かん水では0.5g/L、アメリカ・シルバーピーク塩湖では0.3g/Lなどの報告がある(非特許文献1)。
それらかん水からのリチウム回収方法は、主に天日蒸発を用いた濃縮工程、薬剤添加による不純分除去工程、および炭酸ナトリウム添加による炭酸化工程からなる。
蒸発濃縮工程においては、上述したリチウム濃度から、炭酸化工程に必要な高濃度域までリチウムを濃縮する。チリ・アタカマ塩湖かん水の場合、天日による蒸発濃縮により、1年以上の期間をかけて、約60g/Lまでリチウム濃度を上昇させる。
ここで、塩化物主体のかん水の場合、塩化リチウムの溶解度が高いため、約60g/Lの高濃度域までリチウム濃度を上昇させることができるが、かん水中に硫酸イオンが多く含まれると、蒸発濃縮の過程で、硫酸リチウム(Li2SO4・H2O)の析出が起こり、約6g/Lのリチウム濃度までしか上昇させることができないほか、硫酸リチウムとして、リチウムが損失することになる。
また、前述の通り、塩湖かん水中には種々のイオン成分が含有されており、特にマグネシウムについては、炭酸化工程において、炭酸マグネシウムとして析出し、製品となる炭酸リチウム中に混入して純度を低下させる原因となることから、炭酸化工程の前段で除去する必要がある。マグネシウムの除去については、水酸化カルシウムを添加して水酸化マグネシウムのかたちで沈殿除去する方法や、炭酸ナトリウムを添加して炭酸マグネシウムのかたちで沈殿除去する方法等が採用されている(特許文献1)。
さらに、炭酸化工程においては、濃縮及び薬剤添加の工程により調製される高濃度リチウムかん水に、炭酸ナトリウムを添加して、炭酸リチウムを析出させる(非特許文献2)。ここの工程では、大量の炭酸ナトリウムを消費することになり、炭酸リチウム製造コストのなかでも大きな割合を占めると言われている。ちなみに、チリ・アタカマ塩湖かん水からのリチウム製造においては、塩湖内で高濃度リチウムかん水まで天日濃縮した後、濃縮かん水を沿岸域までローリー輸送し、その沿岸域のプラントで、天然ソーダ灰と呼ばれる安価な炭酸ナトリウムを入手し、炭酸化工程に供している。
このように、かん水からの炭酸リチウムの製造においては、天日蒸発濃縮及び薬剤添加による不純分除去、さらには炭酸ナトリウムを使った炭酸化工程により炭酸リチウムを得るものであるが、それはチリ・アタカマ塩湖に代表される極一部の塩湖に限定されているのが現状であり、今後のリチウム需要の増加に対応するためには、さらに多くの塩湖かん水資源の開発が必要になっている。
しかしながら、上記したような炭酸リチウムの製造においては、妨害成分特にマグネシウムや硫酸イオンの含有量が多いかん水の場合、現在のチリ・アタカマ塩湖での製造方法が適用できない。
具体的には、ボリビア・ウユニ塩湖かん水や中国・青海塩湖などでは、マグネシウム含有量が高く、Mg/Li濃度比が19〜62(チリ・アタカマ塩湖ではMg/Li濃度比は6、アルゼンチン・オムブレムエルト塩湖では濃度比は1)となっていることから、マグネシウム除去に要する水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムの薬剤量が大量になるばかりでなく、水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムのスラッジ発生量が膨大になるため、そのスラッジに濃縮かん水がトラップされてしまい、リチウムが含有された濃縮かん水がほとんど回収できない。
また、硫酸イオン濃度が高い塩湖かん水も多く、例えば、ボリビア・ウユニ塩湖かん水では、SO4/Li濃度比が24、中国・青海塩湖では138(チリ・アタカマ塩湖では、硫酸/リチウム濃度比は11)となり、蒸発濃縮工程では、リチウム濃度を6g/Lまでしか上げることができず、通常60g/L程度の高濃度域で行われる炭酸化工程に適した濃縮かん水を得ることができないのが実状である。
さらに、炭酸化工程に必要な炭酸ナトリウムについても、沿岸域のプラントであれば、大規模な船輸送により、比較的安価な天然ソーダ灰が入手できるが、多くの塩湖が、高所かつ内陸部に位置していることから、これらの地域では、炭酸ナトリウムの入手が困難である場合が多い。
このような状況のなか、今後のリチウム資源の需要増に対応すべく、マグネシウムや硫酸イオンなどの妨害成分が多いかん水からの効率的なリチウム回収技術、および炭酸ナトリウムを使用しない新たな炭酸化工程に関する技術が嘱望されている。
本発明者らは、既に上記課題に取り組んできており、炭酸ナトリウムを用いず、塩化リチウムを含む水溶液にアンモニアと、炭酸ガスとを混合して炭酸化反応を行った後、生成した固体を固液分離して回収することを特徴とする炭酸リチウムの製造方法を開発し、特許出願している(特願2010−266077号)。
米国特許第5993759号
地質ニュース第670号 22−26頁「リチウム資源」 地質ニュース第670号 49−52ページ「アタカマ塩湖におけるリチウムの採取と利用」
さらに、本発明者らは、上記アンモニアと炭酸ガスとを利用する炭酸リチウムの製造に関し、より好適な反応条件の研究開発に鋭意努め、かつ原料として用いる濃縮かん水の前処理としての蒸発濃縮、脱硫、電気透析の各工程について、マグネシウムや硫酸イオンなどの妨害成分が含有されている難回収性のかん水資源から、より効率的に炭酸リチウムを製造するためのプロセス構築を鋭意目指し、開発に成功したのが本発明である。
すなわち、本願発明の解決しようとする課題、換言すれば目的は、従来技術ではリチウムの回収が困難な、マグネシウムや硫酸イオンなどの妨害成分を多く含むかん水資源から炭酸リチウムを製造する方法に適用することが可能で、かつ天然ソーダ灰などの安価な炭酸ナトリウムが入手困難な高地や内陸部においても実施可能な炭酸リチウムを製造する方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するための炭酸リチウムの製造方法を提供するものであり、その概要を示すと、それは、リチウム含有かん水を原料として、脱硫処理工程、蒸発濃縮工程及び電気透析工程を経て調製される濃縮かん水に、アンモニアの共存下において、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する炭酸化工程により炭酸リチウムの結晶を析出させ、その析出させた結晶を固液分離して回収することを特徴とする。
その製造方法を具体的に示すと、それは、リチウム含有かん水を原料として、
(1)カルシウム化合物を含有する脱硫剤を添加し、かん水中に含有される硫酸イオンを石膏として除去して、脱硫かん水とし、
(2)脱硫かん水を蒸発濃縮し、晶析物を固液分離して一次濃縮かん水とし、
(3)一次濃縮かん水を、一価選択透過性イオン交換膜を使って電気透析処理して、二次濃縮かん水とし、
(4)二次濃縮かん水を、再び蒸発濃縮し、晶析物を固液分離する工程を経て三次濃縮かん水を調製し、
その三次濃縮かん水にアンモニアの共存下において、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する炭酸化工程により炭酸リチウム結晶を析出させ、その析出させた結晶を固液分離して回収することを特徴とするものである。
その電気透析処理においては、一価選択透過イオン交換膜を用いて、かん水中に含有される一価イオン以外の不純分成分を除去するのが好適である。
さらに、炭酸化工程においては、炭酸ガスが導入される濃縮かん水のリチウム濃度を、20〜55g/Lとし、共存させるアンモニア量は、NH3/Liモル比で0.8〜2.0、導入する炭酸ガス量は、CO2/Liモル比で0.3〜1.5とするのが好適である。
また、炭酸化工程で使用するアンモニアとしては、炭酸化工程後の固液分離の分離液に、炭酸ガスを得るための石灰石の焼成において得られる酸化カルシウム又は酸化カルシウムを消化して得られる水酸化カルシウムを添加し、分離液中に含有される塩化アンモニウムと酸化カルシウム又は水酸化カルシウムとの反応により生成するアンモニアガスを回収し、これを循環利用することが好適である。
そのアンモニアを回収する工程においては、添加される酸化カルシウム又は水酸化カルシウム量を、Ca/NH3モル比で0.3〜1.0とすることが好適である。
さらに、脱硫処理工程で添加されるカルシウム化合物を含有する脱硫剤としては、アンモニア回収工程におけるアンモニアガス回収後の塩化カルシウムを含有する残液を使用することが好適である。
加えて、炭酸化工程後の固液分離により回収される炭酸リチウム結晶を通液洗浄することが好適である。
本発明においては、マグネシウムや硫酸イオンなどの妨害成分が含有されるかん水において、脱硫処理工程、蒸発濃縮工程及び電気透析工程を経て、効率的にリチウムの濃縮並びに不純分除去ができ、後段の炭酸化工程に適切な濃縮かん水を供給できることから、妨害成分の影響でリチウム回収ができなかった多くのかん水資源から、リチウム回収が可能となる。
また、炭酸化工程では、炭酸ナトリウムを使用せずに、アンモニアの共存下において石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを使って炭酸リチウムを析出させることから、高地や内陸部などの天然ソーダ灰の入手が困難な地域であっても、炭酸リチウム製造が可能となるものである。さらに、炭酸化工程で使用するアンモニアは循環利用でき、加えてアンモニア回収後の残液を、脱硫処理工程に添加されるカルシウム化合物を含有する脱硫剤として再利用できることから、廃棄物発生を抑制した、環境配慮型の炭酸リチウム製造を実現するものである。
濃縮かん水の濃縮フロー図 電気透析処理フロー図 電気透析の概念図 炭酸化工程におけるアンモニアの循環利用フロー図 アンモニア回収残液の脱硫処理工程への使用フロー図
以下において、本発明の炭酸リチウムの製造方法について更に詳細に説明する。
本発明の炭酸リチウムの製造方法について概要を示すと、それは、リチウム含有かん水を原料として、脱硫処理工程、蒸発濃縮工程および電気透析工程を経て調製される濃縮かん水に、アンモニアの共存下において、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する炭酸化工程により炭酸リチウムの結晶を析出させ、その析出させた結晶を固液分離して回収することを特徴とするものである。
原料となるリチウム含有かん水としては、塩湖かん水、地熱かん水、製塩かん水等、回収目的であるリチウムが含有されているものであれば適用可能であるが、特に、塩湖かん水については、他のかん水と比較して、リチウム濃度が高いものが多く、本発明の原料として好適である。なお、従来法により炭酸リチウムを製造する際に妨害成分となるマグネシウム及び硫酸の濃度の高いかん水から、効率的に炭酸リチウムを製造することが本発明の目的であり、Mg/Li比およびSO4/Li濃度比が、10を超える難回収性のリチウム含有かん水を、原料にできることが本発明の特徴といえる。
また、原料となるリチウム含有かん水については、汲み上げられたものをそのまま用いても良いし、適宜、予備的に濃縮させたものを用いても良い。予備的な濃縮が行われる場合には、かん水中で硫酸リチウムの析出が開始される手前のリチウム濃度5〜6g/Lまでとすることが好ましい。
予備的な処理として、濃縮操作を行っておくことで、続く脱硫処理工程や電気透析工程での処理液量が低減でき、設備コストや操業コストを抑制することができる。
さらに、予備的濃縮した場合には、かん水中に含有されるナトリウムやカリウム、マグネシウム等が、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化マグネシウム(MgCl2・6H2O)、塩化カリウムマグネシウム(KMgCl3・6H2O)、塩化硫酸カリウムマグネシウム(KMg(SO4)Cl・3H2O)などの形で晶出し固液分離により除去できることから、リチウム濃度の上昇とともに、相対的な不純分濃度を低減することもできる。
例えば、リチウム濃度1g/L、カリウム濃度25g/L、マグネシウム濃度20g/Lの原料かん水の場合、一次濃縮としてリチウム濃度6g/Lまで濃縮すると、濃縮の過程で塩化カリウムや塩化カリウムマグネシウムが析出除去されることから、カリウム濃度は約10g/L、マグネシウム濃度は約80g/Lとなり、リチウムに対する相対濃度は低下する。その蒸発濃縮の手法については、特段の制約はなく、蒸発缶等の化学装置を適用することもできるが、蒸発池を使った天日蒸発濃縮が最も合理的である。
本発明においては、上記したかん水、すなわち前記した汲み上げられたかん水又はそれを予備的濃縮したかん水を用いて、炭酸チリウムを析出させるための炭酸化工程を行うが、それに先立ち、前処理操作として、不純分の除去とリチウムの濃縮とがなされた濃縮かん水とする必要がある。これら前処理操作としては、硫酸リチウムの析出ロスを防止するための脱硫処理工程、リチウム濃度を上昇させるための蒸発濃縮工程、一価以外の不純分成分を除去するための一価選択透過性イオン交換膜による電気透析工程を行う。
これらの工程においては、下記の処理を行うが、それを図示すると図1の濃縮フロー図の通りである。
(1)原料かん水に、カルシウム化合物を含有する脱硫剤を添加し、かん水中に含有される硫酸イオンを石膏として除去して、脱硫かん水とし、
(2)脱硫かん水を、蒸発濃縮し、晶析物を固液分離して一次濃縮かん水とし、
(3)一次濃縮かん水を、一価選択透過性イオン交換膜を用いて電気透析処理して、二次濃縮かん水とし、
(4)二次濃縮かん水を、再び蒸発濃縮し晶析物を固液分離して三次濃縮かん水とする。
以下においては、前記した各工程に関し詳述する。
(1)の脱硫工程においてはリチウム濃縮の妨害成分となる硫酸イオンの除去を行う。 硫酸イオンの除去については、カルシウム化合物を含有する脱硫剤を添加して、石膏(硫酸カルシウム、CaSO4・2H2O)を析出させて固液分離により除去する。硫酸イオンを除去する程度については、かん水中のリチウムイオンと残存する硫酸イオンとが結合して形成される硫酸リチウムが析出しない範囲まで低減させることが好ましく、硫酸イオン濃度として25g/L以下、より望ましくは15g/L以下とすることが良い。これを超える硫酸イオンが残存した場合、後の二次濃縮の際に、硫酸リチウムが析出し、リチウムが損失することがある。なお、脱硫のために添加されるカルシウム化合物を含有する脱硫剤については後述する。
(2)の一次濃縮については、(1)で脱硫した脱硫かん水を蒸発濃縮する。硫酸イオンが除去されたかん水では、リチウム濃度を6g/Lを超えて濃縮することができ、続く電気透析工程での処理水量を低減でき、設備コストおよび操業コストを抑制することができる。さらに、ここでの蒸発時には、塩化ナトリウムや塩化カリウム、塩化カリウムマグネシウム等の不純分成分が晶出除去されるため、リチウム濃度の上昇と併せて、相対的な不純分濃度も下げられる。
その一次濃縮は、リチウム濃度を8〜25g/Lまで上昇させることが好適である。この範囲よりも低いリチウム濃度の場合、続く電気透析工程での負荷が高くなり、設備コスト及び操業コストの面で不利になってくる。逆に、25g/Lを超える濃縮の場合、濃縮に要する期間が長くなり、プロセス全体としての製造効率に悪影響を及ぼすことがある。
また、蒸発濃縮の手法については、特段の制約はなく、蒸発缶等の化学装置を適用することもできるが、蒸発池を使った天日蒸発濃縮が最も合理的である。
(3)の電気透析処理においては、一価選択透過性イオン交換膜を用いて、一次濃縮かん水中に含有される一価イオン以外の不純分成分を除去する。
電気透析では、溶存するイオン成分を、電気的に泳動させ、そこに陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を交互に介在させることで、陽イオン交換膜を透過する陽イオンと、陰イオン交換膜を透過する陰イオンとが、濃縮液中に濃縮される仕組みになっている。
ここにおいて、一価選択透過性のイオン交換膜を用いると、陽イオン及び陰イオンのうちの一価イオンと多価イオンとを分離することができる。一価選択透過性の陽イオン交換膜では、負電荷を持つスルホン基やカルボン酸基などが導入された陽イオン交換膜の膜表層に、弱い正電荷の層を形成させ、電荷の大きな多価陽イオンを反発させることで、一価陽イオンを選択的に透過させることができる。
逆に、一価選択透過性の陰イオン交換膜では、正電荷を持つ第4アンモニウム塩基などが導入された陰イオン交換膜の膜表層に、弱い負電荷の層を形成させ、電荷の大きな多価陰イオンを反発させることで、一価陰イオンを選択的に透過させることができる。
したがって、一価選択透過性イオン交換膜を用いた電気透析の場合、リチウムをはじめ、ナトリウム、カリウムといった一価陽イオンと、一価陰イオンである塩化物イオンとが、濃縮液として選択的に回収される。一方で、二価のマグネシウムイオンや硫酸イオンなどは、濃縮液側への移行が抑制される。
この現象を利用することで、回収目的成分であるリチウムと、特に炭酸化工程での妨害成分となるマグネシウムとを効果的に分離することが可能となる。なお、電気透析の運転条件については、常法に従い、液組成、処理量、各イオン成分の設計輸率などに合わせて、適切な膜面積、流量、電流密度等に調整されることが望ましい。
最後に、(4)においては、電気透析により不純分除去とリチウム濃縮がなされた二次濃縮液をさらに蒸発濃縮し、晶析物を固液分離して、続く炭酸化工程に適したリチウム濃度に調整された三次濃縮かん水とする。炭酸化工程におけるリチウム濃度については、後述する。
蒸発濃縮の手法については、特段の制約はなく、蒸発缶等の化学装置を適用することもできるが、蒸発池を使った天日蒸発濃縮が最も合理的である。
続く炭酸化工程においては、前述の前処理操作により調製される三次濃縮かん水に、アンモニアの共存下において、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する炭酸化工程を行って炭酸リチウム析出させる。炭酸化反応は、下記反応式1の通りとなる。
炭酸化反応:2LiCl+2NH4OH+CO2→Li2CO3↓+2NH4Cl+H2
(反応式1)
この炭酸化工程において、炭酸ガスが導入される三次濃縮かん水のリチウム濃度は、20〜55g/Lとすることが好適である。これよりも低いリチウム濃度の場合、炭酸ガス導入による炭酸リチウムの析出率が低下し、効率が悪くなる。逆に、55g/Lを超えるリチウム濃度の場合、濃縮かん水中の塩素イオン濃度も上昇するため、アンモニアの導入の際に塩化アンモニウム結晶が析出して炭酸化反応を阻害するとともに、得られる炭酸リチウムの純度低下に繋がることがある。
したがって、電気透析後の二次濃縮かん水の再濃縮においては、リチウム濃度が20〜55g/Lとなるよう濃縮することが好適である。
炭酸化工程において共存させるアンモニア量は、NH3/Liモル比で、0.8〜2.0とすることが好適である。アンモニア量が少ない場合、炭酸リチウムの析出率が低下し、効率が悪くなる。逆に、NH3/Liモル比が2.0を超える場合、過剰なアンモニアを共存させることでアンモニア原料コストが高くなるばかりでなく、後段のアンモニア回収のために必要な酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウムの量も増加し、プロセス全体としての原料コスト増に繋がり、経済的に不利になってくる。
また、アンモニアの添加については、泡鐘塔や充填塔等の吸収塔を用い、それにより濃縮かん水中にアンモニアを吸収させる。濃縮かん水は塔頂から、アンモニアガスは塔下方から、それぞれ供給され、濃縮かん水が流下するにしたがってアンモニアが吸収されていく。アンモニアの吸収に際しては、発熱が起こることから、適宜冷却することが望ましい。冷却の方法としては、一度、塔中間部から抜き出したものを熱交換器で冷却し、これを再び塔内に戻す方法などがある。
なお、アンモニアの吸収に伴い、濃縮かん水がアルカリ域となり、濃縮かん水中にマグネシウムが残存している場合には、水酸化マグネシウムの沈殿が生成することがある。
そのような場合には、水酸化マグネシウムの沈殿は、炭酸リチウムの純度低下に繋がることから、吸収塔から濃縮かん水を取り出し水酸化マグネシウム沈殿をろ過等により固液分離し、分離後の濃縮かん水を吸収塔に戻すことが望ましい。
続く炭酸化工程における炭酸ガスの導入については、所定量のアンモニアを吸収させた濃縮かん水に、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する。導入する炭酸ガス量は、CO2/Liモル比で、0.3〜1.5とすることが好適である。これよりも低い比であると、炭酸リチウムの析出率が低くなり、反応液中に未反応のリチウムが残存し、効率が悪くなる。逆に、1.5よりも高い比にすると、余剰の炭酸ガスを必要とすることから、より大量の石灰石を要し、原料コストの増加に繋がる。
前記炭酸ガスを得る石灰石の焼成反応は、下記反応式2の通りである。
石灰石の焼成反応 : CaCO3 → CaO + CO2↑ (反応式2)
その焼成に用いる石灰炉については、各種焼成炉が特段の制約なく使用でき、それにはメルツ炉、ベッケンバッハ炉、竪型炉、コマ炉、ロータリーキルン等が例示できる。
その焼成の際の温度は、炉の形式、燃料種やその他の運転条件によるが、反応式2の反応を好適に進行させるには、800〜1500℃がよい。また、発生する炭酸ガスについては、濃度が高いほうが望ましく、濃度が低い場合には、別途濃縮プロセスを設けても良い。発生する炭酸ガスは、含有される粉塵等の除去のための洗浄塔を経て、炭酸ガス圧縮機で圧縮され、炭酸化工程に供給される。
炭酸ガスの導入については、アンモニアの吸収と同様に、泡鐘塔や充填塔などが適用できる。また、アンモニア吸収と炭酸ガス導入とをひとつの塔で行うことも可能であり、この場合、濃縮かん水を塔頂から、アンモニアを塔中部から、炭酸ガスを塔下部から、それぞれ供給することで、ひとつの塔内の上部域をアンモニア吸収域、下部域を炭酸ガス導入域とすることもできる。
炭酸化工程が完了した後は、遠心脱水機、遠心分離機、加圧ろ過機、減圧ろ過機、フィルタプレス等の固液分離装置により、析出した炭酸リチウム結晶と、分離液とが回収される。
なお、上述した炭酸化工程において使用するアンモニアとしては、炭酸化工程後の固液分離の際に得られる分離液に、炭酸ガスを得るための石灰石の焼成において発生する酸化カルシウム又はそれを消化して得られる水酸化カルシウムを添加し、分離液中に含有される塩化アンモニウムと酸化カルシウム又は水酸化カルシウムとの反応により生成するアンモニアを回収し、これを循環利用することが好適である。
このアンモニア回収反応は下記の反応式3の通りとなる。
アンモニア回収反応:2NH4Cl+Ca(OH)2→CaCl2+2H2O+2NH3
(反応式3)
炭酸化工程後に固液分離された分離液には、塩化アンモニウムを主として、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が溶解している。炭酸塩又は炭酸水素塩は、単に加熱するだけで分解し、アンモニアガスを発生するが、塩化アンモニウムについては、残存するので、ここに酸化カルシウム又は水酸化カルシウムを加えて分解し、前記反応式3に記載の通り塩化カルシウムとアンモニアとを生成させる。
生成させたアンモニアについては、蒸留塔でアンモニアガスとして回収し、前段の濃縮かん水へのアンモニア吸収工程に循環利用することが好適である。このように循環利用することで、新たなアンモニア原料の消費を抑えることができるほか、塩化アンモニウム廃材を排出する必要もなく、環境に配慮した方法とすることができる。
なお、アンモニア吸収、炭酸化、固液分離、アンモニア回収の各工程において、多少のアンモニアが損失することもあるので、その場合は、アンモニア吸収の工程において、適宜不足分のアンモニアを加えることが望ましい。
アンモニアの回収工程において添加される酸化カルシウム又は水酸化カルシウム量は、Ca/NH3モル比で、0.3〜1.0とすることが好適である。0.3未満のモル比であると、アンモニアの回収率が低くなり、アンモニアの循環利用の効率が悪くなる。モル比は、上記範囲であることが望ましく、1.0を超えるモル比にしても、アンモニアの回収率はほとんど変化せず、単に、消費する酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウム量が多くなり原料コストの増加要因となる。
また、酸化カルシウムとして添加する場合は、炭酸化工程での炭酸ガスの取得のための石灰炉で得られる生石灰(酸化カルシウム)がそのまま、あるいは適度に粒度調整されたものが利用可能である。さらに、酸化カルシウムに水を加え、水酸化カルシウムとしてから添加しても良い。
酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウムの添加については、炭酸化反応後の分離液に固体のまま、あるいは懸濁液の状態で添加、撹拌する装置を使っても良いし、アンモニア蒸留塔に直接添加する方式でも良い。
上記したアンモニア回収工程では、炭酸化工程後の分離液中に含まれるアンモニアが回収されるとともに、アンモニア回収反応副生物である塩化カルシウムや、炭酸化工程での未反応の塩化リチウム等が溶解した残液が生成する。
このアンモニア回収後の残液については、原料かん水の前処理として行われる脱硫工程において添加されるカルシウム化合物を含有する脱硫剤として、リサイクルすることが好適である。
前述の通り、その残液中には、アンモニア回収反応の副生成物である塩化カルシウムが溶解しており、この塩化カルシウムが、かん水中の硫酸イオンと反応して石膏を生成することから、排出される塩化カルシウム含有の残液は脱硫剤として利用できる。その残液については、従来廃棄物としていたものを、脱硫処理工程に再利用することで、原料かん水のリチウム濃縮の妨害成分となる硫酸イオンの除去ができるばかりでなく、廃棄物量の低減にも大きな効果を奏する。
この脱硫反応は、下記反応式4の通りとなる。
脱硫反応:CaCl2+Li2SO4+2H2O→2LiCl+CaSO4・2H2O↓
(反応式4)
この脱硫工程において添加されるカルシウム化合物を含有する脱硫剤としては、前述のアンモニア回収後の残液を用いる以外にも、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム等の固形物、水溶液、あるいは懸濁液などが使用可能であり、原料かん水中の硫酸イオン濃度が高く、アンモニア回収残液のみでは、所定の脱硫濃度が得られない場合には、酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウム、塩化カルシウム等を別途添加しても良い。
特に、酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウムについては、炭酸化工程で用いる炭酸ガスを得るための石灰炉で生産される生石灰(酸化カルシウム)あるいはこれに加水して得られる消石灰(水酸化カルシウム)を用いることができる。
さらに、アンモニア回収残液中には、炭酸化工程において未反応であったリチウム成分が溶解している。このリチウム分を単に廃棄するのは非効率的であり、本発明のように前記残液を脱硫剤として、元の脱硫工程に循環させることで、非常に効率的な炭酸リチウム製造が可能となるものである。
炭酸化工程後の固液分離により回収された炭酸リチウム結晶は、通液洗浄することが好適である。単純な脱水分離のみであると、結晶に付着した反応液中に溶存する未反応のナトリウム、カリウム、マグネシウムや、副生する塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等が、乾燥の際に晶出し、製品である炭酸リチウムの純度を低下させる原因となる。
したがって、適量の水や炭酸リチウム飽和水溶液等で通液洗浄することが好適である。
固液分離及び洗浄された炭酸リチウム結晶は、最後に乾燥されて最終製品となる。乾燥には、棚式乾燥機、スプレードライヤ、気流乾燥機、ロータリーチューブドライヤ等、種々の乾燥装置が特に制限されることなく使用可能である。なお、その際の乾燥温度については、60〜250℃であるのが望ましい。
上述の各工程を通じて得られる炭酸リチウムは、マグネシウムや硫酸イオンといった炭酸リチウム製造に際しての妨害成分が含有されるかん水資源から、炭酸ナトリウムを使わずに、効率的に製造されるものであり、リチウムイオン電池原料として用いられる99.5%品位のものを得ることができる。
また、炭酸化工程でのアンモニアの循環利用や、石灰石の焼成によって得られる炭酸ガスと酸化カルシウムとを、それぞれ炭酸化工程とアンモニア回収工程に有効利用すること、さらにはアンモニア回収残液の脱硫剤としてのリサイクル使用など、使用原料類の有効利用や廃棄物の低減等、環境配慮型の新プロセスとして有効である。
以下において、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
〈原料かん水〉
南米産塩湖かん水を予備濃縮処理し、それを原料かん水として、炭酸リチウムの製造を行った。
原料かん水の組成は、表1の通りである。
原料かん水の組成
Figure 2013193940
〈脱硫処理〉
前記予備濃縮した原料かん水17.5Lに、アンモニア回収工程におけるアンモニア回収後の塩化カルシウムを含有する残液の組成を模した模擬液2.3Lを撹拌しながら徐々に添加し、石膏を析出させた後、吸引ろ過にて固形分を除去して脱硫かん水を調製した。
それら模擬液組成及び脱硫かん水の組成は、表2及び表3に記載の通りである。
アンモニア回収後の残液の模擬液組成
Figure 2013193940
脱硫かん水の組成
Figure 2013193940
〈一次濃縮処理〉
前記脱硫かん水を、40℃に加温して蒸発濃縮を行い、晶析物を固液分離して一次濃縮かん水を調製した。その一次濃縮かん水の組成は、表4に記載の通りである。
一次濃縮かん水の組成
Figure 2013193940
〈電気透析処理〉
前記一次濃縮かん水を、一価選択透過性イオン交換膜(陽イオン膜:AGCエンジニアリング製、セレミオンCSO、陰イオン膜:AGCエンジニアリング製、セレミオンASV)を使った電気透析処理装置により、マグネシウム及び硫酸イオンの除去を行い、二次濃縮かん水を調製した。その二次濃縮かん水の組成は、表5に記載の通りである。
二次濃縮かん水の組成
Figure 2013193940
〈三次濃縮処理〉
二次濃縮かん水を、再び、40℃に加温して蒸発濃縮を行い、晶析物を固液分離して炭酸化工程に供する三次濃縮かん水を調製した。その三次濃縮かん水の組成は、表6に記載の通りである。
炭酸化工程に供する三次濃縮かん水の組成
Figure 2013193940
〈炭酸化工程〉
三次濃縮かん水0.5Lに、アンモニア5g(NH3/Li比=1.1)を吸収させた後、炭酸ガスを27mL/分の速度で120分間導入して炭酸化反応(CO2/Li比=0.5)を行い、炭酸リチウムを析出させた。析出した炭酸リチウムは、吸引ろ過機で脱水、0.5Lの脱塩水で通液洗浄した後、105℃で乾燥させて、炭酸リチウム結晶として回収した。回収物の化学分析を行ったところ、炭酸リチウム純度は99.7%であった。
〈アンモニア回収工程〉
そして、炭酸化工程後の残液については、消石灰13gを含むスラリーを添加(Ca/NH3=0.55)して撹拌した後、110℃で蒸留して、アンモニアを回収した。
また、アンモニアを回収した残液を用いて、表1に示す組成の原料かん水の脱硫処理を行ったところ、上記脱硫処理と同様の脱硫性能が得られ、アンモニア回収残液が脱硫剤として利用可能であることが確認された。

Claims (9)

  1. リチウム含有かん水を原料として、
    (1)カルシウム化合物を含有する脱硫剤を添加し、かん水中に含有される硫酸イオンを石膏として除去して、脱硫かん水とし、
    (2)脱硫かん水を蒸発濃縮し、晶析物を固液分離して一次濃縮かん水とし、
    (3)一次濃縮かん水を、一価選択透過性イオン交換膜を使って電気透析処理して、二次濃縮かん水とし、
    (4)二次濃縮かん水を、再び蒸発濃縮し、晶析物を固液分離する工程を経て三次濃縮かん水を調製し、
    その三次濃縮かん水に、アンモニアの共存下において、石灰石を焼成して得られる炭酸ガスを導入する炭酸化工程により炭酸リチウム結晶を析出させ、その析出させた結晶を固液分離して回収することを特徴とする、炭酸リチウムの製造方法。
  2. 炭酸化工程において、炭酸ガスが導入される濃縮かん水のリチウム濃度を、20〜55g/Lとする請求項1に記載の炭酸リチウムの製造方法。
  3. 炭酸化工程において、共存させるアンモニア量を、NH3/Liモル比で、0.8〜2.0とする請求項1または2に記載の炭酸リチウムの製造方法。
  4. 炭酸化工程において、導入する炭酸ガス量を、CO2/Liモル比で、0.3〜1.5とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の炭酸リチウムの製造方法。
  5. 炭酸化工程において使用するアンモニアとして、炭酸化工程後に固液分離した分離液に、炭酸ガスを得るための石灰石の焼成において得られる酸化カルシウム又はそれを更に消化して得られる水酸化カルシウムを添加し、分離液中に含有される塩化アンモニウムと酸化カルシウム又は水酸化カルシウムとの反応により生成するアンモニアガスを回収し、これを循環利用する請求項1ないし4のいずれか1に記載の炭酸リチウムの製造方法。
  6. アンモニアの回収工程において、添加される酸化カルシウム又は水酸化カルシウム量をCa/NH3モル比で、0.3〜1.0とする請求項5に記載の炭酸リチウムの製造方法。
  7. 脱硫処理工程で添加されるカルシウム化合物を含有する脱硫剤として、アンモニア回収工程におけるアンモニアガス回収後の塩化カルシウムを含有する残液を使用する請求項5又は6に記載の炭酸リチウムの製造方法。
  8. 炭酸化工程後の固液分離により回収される炭酸リチウム結晶を通液洗浄する請求項1ないし7のいずれか1に記載の炭酸リチウムの製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1に記載の方法により製造された炭酸リチウム。
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