JPH09100118A - 炭酸リチウム粒子およびその製造方法 - Google Patents

炭酸リチウム粒子およびその製造方法

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JPH09100118A
JPH09100118A JP25520595A JP25520595A JPH09100118A JP H09100118 A JPH09100118 A JP H09100118A JP 25520595 A JP25520595 A JP 25520595A JP 25520595 A JP25520595 A JP 25520595A JP H09100118 A JPH09100118 A JP H09100118A
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lithium carbonate
lithium
carbonate particles
less
reaction
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JP25520595A
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Mitsuhiro Horiuchi
光弘 堀内
Akimitsu Tsukuda
佃  明光
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粒子径が小さく、かつ、均一で工業材料として
有用な炭酸リチウム粒子、特に、例えば酸との中和反応
などの化学反応に用いられた場合に素早く、かつ、均一
に反応が進行し、更には不純物の少ない炭酸リチウム粒
子を提供することを第一の目的とし、かかる炭酸リチウ
ム粒子の製造方法を提供することを第二の目的とする。 【解決手段】第1の課題に対して、平均粒子径が1〜2
00μmの範囲であり、かつ、粒子径が250μmを越
える粒子の比率が5%以下で、かつ、粒子径が0.5μ
m未満である粒子の比率が5%以下である炭酸リチウム
粒子とする。また、第2の課題に対して、リチウム水溶
液と炭酸化合物および/または炭酸水溶液から炭酸リチ
ウム粒子を得る方法において、反応系のレイノルズ数を
103 〜108 の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸リチウム粒子
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸リチウムは、工業的に最も利用頻度
の高いリチウム化合物であり、様々な用途で使用されて
いる。例えば、一つは白黒テレビ、ブラウン管、アルミ
ニウム精錬の電解浴などの添加剤、一つは耐熱磁器、耐
熱ガラス、光学ガラスなどの配合剤、一つは他のリチウ
ム化合物、機能性素子などの製造原料、一つは医薬品な
どの原料、また、一つは酸の中和剤などである。
【0003】各用途における炭酸リチウムに対する要求
特性は多様である。例えば、不純物を含有する炭酸リチ
ウムを、光学ガラスの配合剤として使用した場合には透
明性や光学特性が劣化したり、機能性素子の製造原料と
して使用した場合には電子特性が劣化するなどの問題が
生じることがあるため、不純物含有量の少ない炭酸リチ
ウムが望まれる。また、粒子径が不均一な炭酸リチウム
を、耐熱磁器、耐熱ガラスの配合剤として使用した場合
には耐熱特性が変化するなどの問題が生じるため、粒子
径が均一な炭酸リチウムが望まれる。また、粒子径が大
きく不均一な炭酸リチウムを酸の中和剤として使用した
場合には、反応速度が低下したり反応不十分となること
があるため、粒子径が小さく均一な炭酸リチウムが望ま
れる。
【0004】これらの要求特性に対して、これまで炭酸
リチウムの製造方法に関しては、以下のような提案がな
されている。一つは炭酸リチウム水溶液を加熱濃縮して
得る方法であるが、この方法では、炭酸リチウムが水に
対して難溶性であるため、大規模設備が必要であり、加
熱濃縮コストも膨大になるという問題がある。また、リ
チウム化合物含有塩基性水溶液と尿素を加熱反応させて
得る方法(例えば、特開昭59−83930号公報な
ど)であるが、この方法では、炭酸リチウムの回収率が
低く、反応後の母液の処理コストが高価になるという問
題がある。また、炭酸水素リチウム含有水溶液を加熱分
解して得る方法(例えば、特開昭61−251511、
特開昭62−252315、特開平4−49489号公
報など)であるが、この方法では、粒子径の小さな炭酸
リチウムが得にくいという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題を
解決し、粒子径が小さく、かつ、均一で工業材料として
有用な炭酸リチウム粒子、特に、例えば酸との中和反応
などの化学反応に用いられた場合には素早く、かつ、均
一に反応が進行し、更には不純物の少ない炭酸リチウム
粒子を提供することを第一の目的とし、かかる炭酸リチ
ウム粒子の製造方法を提供することを第二の目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第一の目
的を達成するために、平均粒子径が1〜200μmの範
囲であり、かつ、粒子径が250μmを越える粒子の比
率が5%以下で、かつ、粒子径が0.5μm未満である
粒子の比率が5%以下であることを特徴とする炭酸リチ
ウム粒子を提供するものであり、また、上記第二の目的
を達成するために、リチウム水溶液と炭酸化合物および
/または炭酸水溶液から炭酸リチウム粒子を得る方法に
おいて、反応系のレイノルズ数が103 〜108 の範囲
であることを特徴とする炭酸リチウム粒子の製造方法を
提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における平均粒子径とは、
各々の粒子の最長径と最長径に直角な方向の最長径の平
均値と定義される2軸平均径の平均を指す。ここで、粒
子とは、1次粒子および2次粒子を指し、1次粒子と
は、凝集粒子が形成されていない単体粒子であり、2次
粒子とは、2個以上の単体粒子が集合してなる凝集粒子
である。
【0008】本発明の炭酸リチウム粒子は、平均粒子径
が1〜200μmの範囲であることが必要である。平均
粒子径が200μmを越えると、耐熱ガラス、光学ガラ
スの配合剤として使用した場合には透明性が悪化した
り、酸の中和剤として使用した場合には反応速度が低下
するなどの問題が生じることがある。また、平均粒子径
が1μm未満であると、添加剤、配合剤、中和剤として
使用した場合には分散性が悪化するなどの問題が生じる
ことがある。平均粒子径は、より好ましくは2〜175
μmの範囲、更に好ましくは3〜150μmの範囲であ
る。
【0009】また、本発明の炭酸リチウム粒子は、粒子
径が250μmを越える粒子の比率(以下PD%MAX
表す)が5%以下であることが必要である。本発明にお
けるPD%MAX とは、2軸平均径が250μmを越える
粒子の個数が全体の個数に占める割合であり、百分率で
表す。PD%MAX が5%を越えると、耐熱ガラス、光学
ガラスの配合剤として使用した場合には透明性が悪化し
たり、酸の中和剤として使用した場合には反応速度が低
下したり反応不足となるなどの問題が生じることがあ
る。PD%MAX は、より好ましくは3%以下、更に好ま
しくは1%以下である。
【0010】また、本発明の炭酸リチウム粒子は、粒子
径が0.5μm未満の粒子の比率(以下PD%MIN と表
す)が5%以下であることが必要である。本発明におけ
るPD%MIN とは、2軸平均径が0.5μm未満の粒子
の個数が全体の個数に占める割合であり、百分率で表
す。PD%MIN が5%を越えると、添加剤、配合剤、中
和剤として使用した場合にハンドリング性が悪化するす
るなどの問題が生じることがある。PD%MIN は、より
好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
【0011】本発明の炭酸リチウム粒子は、粒子径が1
〜100μmの範囲にある粒子の比率(以下PD%と表
す)が50%以上であることが好ましい。本発明におけ
るPD%とは、2軸平均径が1μm以上100μm以下
の粒子の個数が全体の個数に占める割合であり、百分率
で表す。PD%が50%未満であると、酸の中和剤とし
て使用した場合には反応が不均一となるなどの問題が生
じることがある。PD%の粒子径の範囲は、より好まし
くは2〜90μmの範囲、更に好ましくは3〜80μm
の範囲である。また、PD%の割合は、より好ましくは
60%以上、更に好ましくは70%以上である。
【0012】本発明の炭酸リチウム粒子は、粒子径分布
の最大ピーク(以下HMAX と表す)が1〜80μmの範
囲内にあることが好ましい。本発明におけるHMAX
は、粒子径分布における度数の最大値であり、ここで度
数とは、全体の個数に占める割合を百分率で表したもの
である。HMAX が1〜80μmの範囲外であると、酸の
中和剤として使用した場合には反応が不均一となるなど
の問題が生じることがある。HMAX は、より好ましくは
2〜65μmの範囲、更に好ましくは3〜50μmの範
囲である。
【0013】また、本発明の炭酸リチウム粒子は、H
MAX の度数(以下HF と表す)が25%以上であること
が好ましい。HF が25%未満であると、耐熱磁器、耐
熱ガラスの配合剤として使用した場合には耐熱特性が変
化したり、酸の中和剤として使用した場合には反応が不
均一になどの問題が生じることがある。HF は、より好
ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上であ
る。
【0014】本発明の炭酸リチウム粒子は、炭酸リチウ
ム以外の無機化合物含有量(以下ICA%と表す)が1
0重量%以下であることが好ましい。本発明における無
機化合物(以下ICAと表す)とは、炭酸リチウムを除
く炭酸塩、炭素以外の元素のみを含む化合物、酸化物、
シアンおよび/またはシアン化物、チオシアン酸塩を指
す。ICAの例としては、炭酸バリウム、臭化リチウム
などが挙げられる。ICA%が10重量%を越えると、
耐熱磁器、耐熱ガラスの配合剤として使用した場合には
耐熱特性が変化するなどの問題が生じることがある。I
CA%は、より好ましくは7重量%以下、更に好ましく
は5重量%以下である。
【0015】また、本発明の炭酸リチウム粒子は、アル
カリ金属化合物含有量(以下ICB%と表す)が5重量
%以下であることが好ましい。本発明におけるアルカリ
金属化合物(以下ICBと表す)とは、ICAのうち化
合物を構成する元素中にアルカリ金属元素を含む化合物
を指す。アルカリ金属元素とは、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムを
指す。ICBの例としては、塩化ルビジウム、炭酸セシ
ウムなどが挙げられる。ICB%が5重量%を越える
と、光学ガラスの配合剤として使用した場合には光学特
性が劣化するなどの問題が生じることがある。ICB%
は、より好ましくは4重量%以下、更に好ましくは3重
量%以下である。
【0016】また、本発明の炭酸リチウム粒子は、ナト
リウムおよび/またはカリウム化合物含有量(以下IC
C%と表す)が3重量%以下であることが好ましい。本
発明におけるナトリウム化合物および/またはカリウム
化合物(以下ICCと表す)とは、ICAのうちICB
であり、かつ、化合物を構成する元素中にナトリウムお
よび/またはカリウムを含む化合物を指す。ICCの例
としては、塩化ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げら
れる。ICC%が3重量%を越えると、機能性素子の製
造原料として使用した場合には電子特性が劣化するなど
の問題が生じることがある。ICC%は、より好ましく
は2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。
【0017】本発明の炭酸リチウム粒子は、有機化合物
含有量(以下OCA%と表す)が3重量%以下であるこ
とが好ましい。本発明における有機化合物(以下OCA
と表す)とは、炭酸リチウムおよびICA以外の化合物
を指す。OCAの例としては、二硫化炭素、酢酸などが
挙げられる。OCA%が3重量%を越えると、耐熱ガラ
ス、光学ガラスの配合剤として使用した場合には透明性
が悪化したり、耐熱特性や光学特性が劣化するなどの問
題が生じることがある。OCA%は、より好ましくは2
重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。
【0018】本発明の炭酸リチウム粒子の用途は特に限
定されず、白黒テレビ、ブラウン管、アルミニウム精錬
の電解浴などの添加剤、耐熱磁器、耐熱ガラス、光学ガ
ラスなどの配合剤、他のリチウム化合物、機能性素子な
どの製造原料、医薬品などの原料、酸との中和剤などに
用いられるが、粒子径などが均質な特性を生かして、特
に酸との中和剤として好適に使用される。例えば、ジア
ミンと酸クロリドから得られる芳香族ポリアミドポリマ
や、ジアミンと無水トリメリット酸クロリドから得られ
るポリアミドイミドポリマの製造時において副生する塩
化水素の中和剤として使用すると、反応性が速く、か
つ、均一に反応し、更には不純物含有量の少ないポリマ
が得られるので好ましい。また、上記ポリマを製造する
にあたっては、溶解助剤として塩化リチウムがしばしば
添加されるが、上記の中和反応により塩化リチウムが生
成され溶解助剤として利用され得ること、更に高価なリ
チウムを再利用できコストダウンが図られるという利点
もある。
【0019】以下、本発明の炭酸リチウム粒子の製造方
法について説明する。本発明における水溶液とは、主成
分が水である溶液を指し、コロイド粒子分散溶液も含
む。
【0020】本発明におけるリチウム水溶液とは、水溶
液中にリチウムイオンを含有する溶液であり、該溶液
は、可溶なリチウム化合物を水溶液に添加して得てもよ
く、リチウムイオンを含有する工程廃液をそのままリチ
ウム水溶液としてもよい。
【0021】例えば、可溶なリチウム化合物を水溶液に
添加してリチウム水溶液を得る場合には、リチウム化合
物としては溶解度が高いことから塩化リチウム、硝酸リ
チウム、硫酸リチウムなどが好ましく用いられるがこれ
らに限定されるものではない。使用するリチウム化合物
は、炭酸リチウムの不純物含有量を減少させるため、リ
チウム化合物以外の化合物が少ないことが好ましい。例
えば、コンタミネーションを減少させるために、リチウ
ム水溶液をろ過することが好ましい。また、リチウム水
溶液中には、未溶解のリチウム化合物があってもよい。
【0022】また、リチウムイオンを含有する工程廃液
の例としては、芳香族ポリアミド成形体製造時の工程廃
液などがある。例えば、芳香族ポリアミドポリマは、N
−メチルピロリドンやジメチルアセトアミドなどの極性
溶媒中でジアミンと酸クロリドを反応させて得られる
が、副生塩化水素を中和するために炭酸リチウムが用い
られたり、また溶解助剤として塩化リチウムや臭化リチ
ウムが添加される。こうして得られたドープは、そのま
まフィルムや繊維などの成形用ドープとして用いられた
り、ポリマを単離し再度、極性溶媒や硫酸などの溶剤に
溶解して成型用ドープとして用いられる。そのまま成型
用ドープとした場合、成型時に浴に浸漬して溶媒ととも
に添加および/または生成したリチウム化合物が除去さ
れる。この浴は一般に水系媒体が使用されるが、物性向
上を目的として塩化リチウムや臭化リチウムなどのリチ
ウム塩や有機溶媒が添加される場合もある。ここで用い
られた浴廃液がリチウムイオンを含有する工程廃液とな
る。また、ポリマを単離後、再度溶剤に溶解して用いる
場合、単離時にリチウムイオンを含有する廃液が発生し
たり、成型時に上記の含リチウム化合物の浴を通すため
リチウムイオンを含有する工程廃液が発生する。以上の
ような工程によりリチウム水溶液が得られる。
【0023】上記リチウム水溶液中のリチウム含有量は
特に限定されないが、炭酸リチウムの溶解量を減少させ
るため高濃度であることが好ましい。
【0024】また、リチウム水溶液のpHは5以上であ
ることが好ましく、より好ましくは6以上、更に好まし
くは7以上である。pHが5未満であると、炭酸リチウ
ムの溶解度が増加するため、炭酸リチウム粒子の収率が
低下するなどの問題が生じることがある。
【0025】また、リチウム水溶液中の全有機炭素量
(以下TOCと表す)は5%未満であることが好まし
く、より好ましくは4%以下、更に好ましくは3%以下
である。TOCが5%を越えると、耐熱磁器、耐熱ガラ
ス、光学ガラスの配合剤として使用した場合には透明性
が悪化したり、耐熱特性や光学特性が悪化するなどの問
題が生じることがある。
【0026】また、リチウム水溶液をリチウム吸着剤な
どを使用して濃縮させてもよい。
【0027】次に、上記リチウム水溶液と炭酸化合物お
よび/または炭酸水溶液を反応させる。
【0028】炭酸化合物としては、以下のものが挙げら
れる。一つは元素周期律表第I 族の元素を含む炭酸塩で
あり、ここで元素周期律表第I 族の元素を含む炭酸塩と
は、H2 CO3 の水素のうち1個または2個が、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム
で置換されて生じる塩を指す。この炭酸塩の中では、H
2 CO3 の水素がナトリウムおよび/またはカリウムで
置換されて生じる塩が、安価で取り扱いも簡便である。
また、一つは元素周期律表第II族の元素を含む炭酸塩で
あり、ここで元素周期律表第II族の元素を含む炭酸塩と
は、H2 CO3の水素がベリリウム、マグネシウム、カ
ルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムで置換
されて生じる塩を指す。この炭酸塩の中では、H2 CO
3 の水素がマグネシウムおよび/またはカルシウムで置
換されて生じる塩が、安価で取り扱いも簡便である。ま
た、一つは炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウ
ムである。使用する炭酸化合物は、炭酸リチウムの不純
物含有量を減少させるため、不純物含有量が少ない化合
物であることが望ましい。
【0029】炭酸水溶液は、上記炭酸化合物をリチウム
水溶液以外の水溶液に溶解させて得られる。炭酸水溶液
中には、未溶解の炭酸化合物があってもよい。
【0030】リチウム水溶液と炭酸化合物および/また
は炭酸水溶液を反応させる際には、上記炭酸化合物をそ
のままリチウム水溶液に導入してもよく、上記炭酸水溶
液をリチウム水溶液に導入してもよい。また、炭酸化合
物と炭酸水溶液を混合してリチウム水溶液に導入しても
よい。また、使用する炭酸化合物および/または炭酸水
溶液は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム水溶液を併せて使用するなど、複数種を同時に用いて
も差し支えない。
【0031】導入する炭酸化合物および/または炭酸水
溶液の量は特に限定されないが、リチウム水溶液中のリ
チウムモル数に対して、導入する炭酸のモル数は0.4
倍以上が好ましく、より好ましくは0.5倍以上であ
る。炭酸のモル数の上限は特に限定されないが、現実的
(コスト)な観点から0.9倍以下が好ましい。導入す
る炭酸のモル数が0.4倍未満の場合は、未反応のリチ
ウムイオンが存在し、炭酸リチウム収率が低下すること
がある。
【0032】リチウム水溶液と炭酸化合物および/また
は炭酸水溶液の反応に際しては、反応系のレイノルズ数
が103 〜108 の範囲である必要がある。反応系のレ
イノルズ数が103 未満であると炭酸リチウムが凝集し
易く、平均粒子径が200μmを越えたりPD%MAX
5%を越える。また、溶液中の不純物を包含し易くなる
ため無機および/または有機の不純物含有量が大きくな
る場合がある。更に、反応時間が長くなるため生産性の
点で不利である。反応系のレイノルズ数が108 を越え
ると平均粒子径が1μm未満となったり、PD%MIN
5%を越えたりすることがある。また、生産性の点から
は、装置の規模、動力が大きくなりすぎるという問題が
ある。反応系のレイノルズ数は、より好ましくは104
〜108であり、更に好ましくは104 〜107 であ
る。
【0033】反応装置に関しては、反応系のレイノルズ
数が103 〜108 の範囲であれば特に限定されない
が、一般的には円筒容器に攪拌翼を具備したものが用い
られる。攪拌翼は、櫂型、タービン型、プロペラ型など
特に限定されず、また、バッフルが取り付けられていて
もよい。
【0034】また、反応時間については、装置により選
択の幅があるが、5分以上行われることが好ましく、よ
り好ましくは10分以上である。
【0035】また、反応系の温度は特に限定されない
が、高温であると水溶液に対する炭酸リチウムの溶解量
が減少し、炭酸リチウム収率が向上するため、40〜9
5℃の範囲が望ましく、より望ましくは50〜95℃の
範囲、更に望ましくは60〜95℃の範囲である。
【0036】また、反応系の圧力は特に限定されない
が、加圧下で反応を行う場合には設備が複雑、かつ、高
価なものとなるため、大気圧下で反応を行うことが実用
的である。
【0037】また、リチウム水溶液への炭酸化合物およ
び/または炭酸水溶液の導入は、攪拌前であっても、攪
拌後であってもよい。
【0038】次に、分離、乾燥が行われて本発明の炭酸
リチウム粒子が得られるが、分離後または乾燥後に炭酸
リチウムを洗浄することが、炭酸リチウムの純度向上に
有効である。ここで用いられる洗浄液は、炭酸リチウム
の溶解量が小さいものであれば特に限定されず、水およ
び/またはアルコール、アセトンなどの有機溶剤が用い
られる。特に、本発明の製造工程中で生じる反応後のリ
チウム水溶液および/または分離した後に生じる分離廃
液を循環使用した場合には、炭酸リチウム溶解量が低減
し収率向上が図られるので望ましい。また、洗浄回数が
2回以上であると炭酸リチウムの純度が更に向上するた
め望ましい。また、本発明の製造工程中で生じる反応後
のリチウム水溶液や炭酸水溶液、分離廃液、洗浄廃液な
どは、リチウム水溶液を得るための水溶液や洗浄液など
に循環使用しても差し支えない。
【0039】また、吸着剤または吸収剤をリチウム水溶
液および/または炭酸水溶液および/または洗浄容器に
添加して不純物除去を行ってもよい。
【0040】
【実施例】本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は
次の方法による。
【0041】(1)平均粒子径、PD%MAX 、PD%
MIN 、PD%、HMAX 、HF スライドガラス上の炭酸リチウム粒子を光学顕微鏡で観
察し、観察した画像を以下のI 〜III から構成される画
像処理システムで解析して粒子径分布と各物性値を得
る。ここで粒子径分布の範囲は1〜500μmであり、
区間範囲は0.1μmである。1試料につき少なくとも
100視野以上観察して同様の解析を行い、その平均値
から各物性値を求めた。
【0042】 (画像処理システムの構成) I :画像入力系 ・ピアス(株)製 画像入力ステージ IS−500 ・Leitz社製 光学顕微鏡 “Metaloplan” II:画像記憶・演算・制御系 ・ピアス(株)製 ハイビジョン対応画像解析装置 “ピアスIV” III :画像出力系 (TVモニター部分) ・ビクター(株)製 ハイビジョンモニターカラーTV (演算部分) ・NEC(株)製 32ビットパーソナルコンピュータ PC−H98S
【0043】(2)ICA%、ICB%、ICC%、O
CA% 炭酸リチウム粒子の組成を以下のI 〜V の分析方法およ
び測定装置を使用して分析し、各物性値を求めた。
【0044】 (分析方法と測定装置) I .ICP法 測定装置:日本ジャーレルアッシュ社製 ICAP5 75II II.IC法 測定装置:横河電機製イオンクロマトアナライザー IC−100 III .GC法 測定装置:島津製 GC14A IV.GCーMS法 測定装置:日本電子製 JMS−AM50 日本電子製 D−300 V .原子吸光法 測定装置:日立製 偏光Zeeman原子吸光光度計 180−80型
【0045】(3)TOC 全有機炭素量自動分析装置−東レ製ASTRO MOD
EL1800ppb改を測定装置として、炭酸リチウム
粒子中の全有機炭素量を求めた。
【0046】(4)炭酸リチウム粒子の反応性 200ミリリットルのN−メチルピロリドンにジアミン
成分として0.1モルの2−クロルパラフェニレンジア
ミンを溶解させ、0.1モルの2−クロルテレフタル酸
クロリドを添加して2時間攪拌を行い、未中和の芳香族
ポリアミドポリマを得て、これに0.097モルの炭酸
リチウム粒子を添加する。炭酸リチウム粒子添加から1
0時間後まで、30分毎に芳香族ポリアミドポリマのp
Hを測定し、10時間後の芳香族ポリアミドポリマのp
Hが2.5以上である場合には炭酸リチウム粒子の反応
性を良(○)、pHが2.5未満である場合には炭酸リ
チウム粒子の反応性を不良(×)と判定した。また、炭
酸リチウム粒子の反応性が良(○)であったものについ
ては、炭酸リチウム粒子添加直後から芳香族ポリアミド
ポリマのpHが2.5に到達するまでの時間(以下、反
応時間と表す)を測定し炭酸リチウム粒子の反応性の尺
度とした。反応時間が短いほど炭酸リチウム粒子の反応
性は良好である。
【0047】(5)反応の均一性 炭酸リチウム粒子添加から10時間経過した後の芳香族
ポリアミドポリマを脱泡して、ポリマ内に残存する炭酸
リチウム粒子数を目視で観察し反応の均一性の尺度とし
た。残存炭酸リチウム粒子が見られない場合には反応の
均一性を優良(○)、残存炭酸リチウム粒子がややある
場合には良(△)、残存炭酸リチウム粒子が多い場合に
は不良(×)と判定した。
【0048】実施例1 反応容器および攪拌翼は、次の仕様のものを使用した。
【0049】(反応容器の仕様) 形状 :円筒形反応容器 内径 :0.75m 管内高さ:1m (攪拌翼の仕様) 形状 :単純櫂型攪拌翼 翼径 :0.7m 翼幅 :0.1m 上記反応容器にイオン交換水300リットルを導入し、
20℃、大気圧下において30rpmで攪拌させなが
ら、容器内に塩化リチウム15kgを2kg/minで
添加し、添加終了後も2時間暫時攪拌を続けて塩化リチ
ウムを溶解させリチウム水溶液を得た。リチウム水溶液
中のTOCは1ppm以下であった。
【0050】次いで、反応容器を30℃、大気圧下にお
いて60rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸ナトリ
ウム粉末19kgを2kg/minで添加し、添加終了
後も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リ
チウムを得た。反応系のレイノルズ数は4.70×10
5 であり、次いで含水炭酸リチウム粒子を遠心分離装置
で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得た。
【0051】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
42μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は1
%、PD%は82%、HMAX は35μm、HF は52%
であった。また、ICA%は1.2重量%であり、IC
B%は1.1重量%、ICC%は1.1重量%、OCA
%は1ppm以下であった。この炭酸リチウム粒子の反
応性は良であり、反応時間は3.0時間、反応の均一性
は優良であった。
【0052】実施例2 実施例1で使用した反応容器の内壁に邪魔板を4枚設け
た反応容器および実施例1と同様の攪拌翼を使用した。
【0053】実施例1と同様にしてリチウム水溶液を得
た。リチウム水溶液中のTOCは1ppm以下であっ
た。
【0054】次いで、反応容器を70℃、大気圧下にお
いて90rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸ナトリ
ウム粉末19kgを2kg/minで添加し、添加終了
後も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リ
チウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は7.36×
107 であり、次いで含水炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0055】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
22μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は2
%、PD%は96%、HMAX は21μm、HF は57%
であった。また、ICA%は1.5重量%であり、IC
B%は1.4重量%、ICC%は1.4重量%、OCA
%は1ppm以下であった。この炭酸リチウム粒子の反
応性は良であり、反応時間は2.0時間、反応の均一性
は優良であった。
【0056】実施例3 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0057】実施例1と同様にしてリチウム水溶液を得
た。このリチウム水溶液中のTOCは1ppm以下であ
った。
【0058】次いで、反応容器を50℃、大気圧下にお
いて60rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸ナトリ
ウム粉末19kgを2kg/minで添加し、添加終了
後も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リ
チウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は6.82×
105 であった。
【0059】次いで、含水炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離した。一方、反応容器は、残存物を除去
して洗浄を行い、洗浄液として再度イオン交換水300
リットルを導入し、50℃、大気圧下において60rp
mで攪拌させる。この容器内に含水炭酸リチウム粒子を
導入し、導入後も1時間暫時攪拌を続けて洗浄を行い洗
浄炭酸リチウム粒子を得た。
【0060】次いで、洗浄炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0061】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
36μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は1
%、PD%は86%、HMAX は31μm、HF は54%
であった。また、ICA%は0.2重量%であり、IC
B%は0.1重量%、ICC%は0.1重量%、OCA
%は1ppm以下であった。この炭酸リチウム粒子の反
応性は良であり、反応時間は3.0時間、反応の均一性
は優良であった。
【0062】実施例4 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0063】実施例1と同様にしてリチウム水溶液を得
た。リチウム水溶液中のTOCは1ppm以下であっ
た。
【0064】次いで、反応容器を50℃、大気圧下にお
いて30rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸カリウ
ム粉末25kgを2kg/minで添加し、添加終了後
も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リチ
ウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は3.41×1
5 であり、次いで含水炭酸リチウム粒子を遠心分離装
置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0065】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
64μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は1
%、PD%は75%、HMAX は53μm、HF は45%
であった。また、ICA%は0.8重量%であり、IC
B%は0.7重量%、ICC%は0.7重量%、OCA
%は1ppm以下であった。この炭酸リチウム粒子の反
応性は良であり、反応時間は4.0時間、反応の均一性
は良であった。
【0066】実施例5 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0067】反応容器にイオン交換水300リットルを
導入し、20℃、大気圧下において30rpmで攪拌さ
せながら、容器内に硝酸リチウム24kgを2kg/m
inで添加し、添加終了後も2時間暫時攪拌を続けて硝
酸リチウムを溶解させリチウム水溶液を得た。リチウム
水溶液中のTOCは1ppm以下であった。
【0068】次いで、反応容器を50℃、大気圧下にお
いて30rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸カリウ
ム粉末25kgを2kg/minで添加し、添加終了後
も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リチ
ウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は3.47×1
5 であり、次いで含水炭酸リチウム粒子を遠心分離装
置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0069】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
48μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は1
%、PD%は78%、HMAX は41μm、HF は48%
であった。また、ICA%は1.1重量%であり、IC
B%は1.0重量%、ICC%は1.0重量%、OCA
%は1ppm以下であった。この炭酸リチウム粒子の反
応性は良であり、反応時間は3.5時間、反応の均一性
は優良であった。
【0070】実施例6 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0071】反応容器にイオン交換水300リットルを
導入し、20℃、大気圧下において30rpmで攪拌さ
せながら、容器内に硫酸リチウム45kgを2kg/m
inで添加し、添加終了後も2時間暫時攪拌を続けて硫
酸リチウムを溶解させリチウム水溶液を得た。リチウム
水溶液中のTOCは1ppm以下であった。
【0072】次いで、反応容器を70℃、大気圧下にお
いて120rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸アン
モニウム粉末34kgを2kg/minで添加し、添加
終了後も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭
酸リチウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は2.3
4×106 であり、次いで含水炭酸リチウム粒子を遠心
分離装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子
を得た。
【0073】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
25μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は1
%、PD%は92%、HMAX は21μm、HF は56%
であった。また、ICA%は1.5重量%であり、IC
B%は0.1重量%、ICC%は0.1重量%、OCA
%は1ppm以下であった。この炭酸リチウム粒子の反
応性は良であり、反応時間は2.5時間、反応の均一性
は優良であった。
【0074】実施例7 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0075】リチウム水溶液として芳香族ポリアミド成
形体製造時の工程廃液(以下工程廃液と表す)を使用し
た。芳香族ポリアミドポリマは、N−メチルピロリドン
にジアミン成分として80モル%に相当する2−クロル
パラフェニレンジアミンと、20モル%に相当する4,
4‘−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これ
に100モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロ
リドを添加して重合を行い、副生塩化水素を炭酸リチウ
ムで中和して得た。このポリマをフィルム成型用ドープ
として乾湿式溶液製膜法により製膜を行い、この工程中
の浴廃液をリチウム水溶液として使用した。この工程廃
液中の塩化リチウム濃度は5.0重量%であり、またT
OCは48700ppmであった。
【0076】反応容器に上記工程廃液300リットルを
導入し、反応容器を30℃、大気圧下において30rp
mで攪拌させながら、容器内に炭酸ナトリウム粉末19
kgを2kg/minで添加し、添加終了後も1.5時
間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リチウム粒子を
得た。反応系のレイノルズ数は3.53×105 であ
り、次いで、含水炭酸リチウム粒子を遠心分離装置で固
液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得た。
【0077】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
53μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は1
%、PD%は76%、HMAX は46μm、HF は47%
であった。また、ICA%は0.9重量%であり、IC
B%は0.8重量%、ICC%は0.8重量%、OCA
%は2350ppmであった。この炭酸リチウム粒子の
反応性は良であり、反応時間は4.0時間、反応の均一
性は優良であった。
【0078】実施例8 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0079】実施例7と同様にして工程廃液を得てこの
溶液をリチウム水溶液として使用した。この工程廃液中
の塩化リチウム濃度は5.0重量%であり、また、TO
Cは49400ppmであった。
【0080】反応容器に上記工程廃液300リットルを
導入し、反応容器を50℃、大気圧下において60rp
mで攪拌させながら、容器内に炭酸ナトリウム粉末19
kgを2kg/minで添加し、添加終了後も1.5時
間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リチウム粒子を
得た。反応系のレイノルズ数は1.02×106 であっ
た。
【0081】次いで、含水炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離した。一方、反応容器は、残存物を除去
して洗浄を行い、洗浄液として再度イオン交換水300
リットルを導入し、50℃、大気圧下において60rp
mで攪拌させる。この容器内に含水炭酸リチウム粒子を
導入し、導入後も1時間暫時攪拌を続けて洗浄を行い洗
浄炭酸リチウム粒子を得た。
【0082】次いで、洗浄炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0083】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
31μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN は1
%、PD%は91%、HMAX は27μm、HF は54%
であった。また、ICA%は0.2重量%であり、IC
B%は0.1重量%、ICC%は0.1重量%、OCA
%は380ppmであった。この炭酸リチウム粒子の反
応性は良であり、反応時間は3.0時間、反応の均一性
は優良であった。
【0084】比較例1 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0085】実施例1と同様にしてリチウム水溶液を得
た。リチウム水溶液中のTOCは1ppm以下であっ
た。
【0086】次いで、反応容器を30℃、大気圧下にお
いて0.1rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸ナト
リウム粉末19kgを2kg/minで添加し、添加終
了後も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸
リチウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は7.84
×102 であり、次いで含水炭酸リチウム粒子を遠心分
離装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を
得た。
【0087】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
316μmであり、PD%MAX は54%、PD%MIN
0%、PD%は2%、HMAX は263μm、HF は23
%であった。また、ICA%は13.2重量%であり、
ICB%は13.0重量%、ICC%は13.0重量
%、OCA%は1ppm以下であった。この炭酸リチウ
ム粒子の反応性は不良であった。
【0088】比較例2 実施例1で使用した反応容器の内壁に邪魔板を4枚設け
た反応容器および実施例1と同様の攪拌翼を使用した。
【0089】実施例1と同様にしてリチウム水溶液を得
た。リチウム水溶液中のTOCは1ppm以下であっ
た。
【0090】次いで、反応容器を70℃、大気圧下にお
いて120rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸ナト
リウム粉末19kgを2kg/minで添加し、添加終
了後も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸
リチウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は8.43
×109 であり、次いで含水炭酸リチウム粒子を遠心分
離装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を
得た。
【0091】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
0.47μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN
71%、PD%は100%、HMAX は0μm、HF は8
9%であった。また、ICA%は1.2重量%であり、
ICB%は1.1重量%、ICC%は1.1重量%、O
CA%は1ppm以下であった。この炭酸リチウム粒子
の反応性は良であり、反応時間は8.0時間、反応の均
一性は不良であった。
【0092】比較例3 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0093】実施例5と同様にしてリチウム水溶液を得
た。リチウム水溶液中のTOCは1ppm以下であっ
た。
【0094】次いで、反応容器を50℃、大気圧下にお
いて0.1rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸ナト
リウム粉末19kgを2kg/minで添加し、添加終
了後も1.5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸
リチウム粒子を得た。反応系のレイノルズ数は1.15
×102であった。
【0095】次いで、含水炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離した。一方、反応容器は、残存物を除去
して洗浄を行い、洗浄液として再度イオン交換水300
リットルを導入し、50℃、大気圧下において0.1r
pmで攪拌させる。この容器内に含水炭酸リチウム粒子
を導入し、導入後も1時間暫時攪拌を続けて洗浄を行い
洗浄炭酸リチウム粒子を得た。
【0096】次いで、洗浄炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0097】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
327μmであり、PD%MAX は57%、PD%MIN
0%、PD%は1%、HMAX は272μm、HF は26
%であった。また、ICA%は10.8重量%であり、
ICB%は10.6重量%、ICC%は10.6重量
%、OCA%は1ppm以下であった。この炭酸リチウ
ム粒子の反応性は不良であった。
【0098】比較例4 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0099】実施例7と同様にして工程廃液を得てこの
溶液をリチウム水溶液として使用した。この工程廃液中
の塩化リチウム濃度は5.0重量%であり、また、TO
Cは51200ppmであった。
【0100】反応容器に上記工程廃液300リットルを
導入し、反応容器を70℃、大気圧下において0.05
rpmで攪拌させながら、容器内に炭酸ナトリウム粉末
19kgを2kg/minで添加し、添加終了後も1.
5時間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リチウム粒
子を得た。反応系のレイノルズ数は8.85×102
あった。
【0101】次いで、含水炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離した。一方、反応容器は、残存物を除去
して洗浄を行い、洗浄液として再度イオン交換水300
リットルを導入し、70℃、大気圧下において0.05
rpmで攪拌させる。この容器内に含水炭酸リチウム粒
子を導入し、導入後も1時間暫時攪拌を続けて洗浄を行
い洗浄炭酸リチウム粒子を得た。
【0102】次いで、洗浄炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0103】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
323μmであり、PD%MAX は65%、PD%MIN
0%、PD%は1%、HMAX は277μm、HF は20
%であった。また、ICA%は12.3重量%であり、
ICB%は11.9重量%、ICC%は11.9重量
%、OCA%は33700ppmであった。この炭酸リ
チウム粒子の反応性は不良であった。
【0104】比較例5 反応容器および攪拌翼は実施例1と同様のものを使用し
た。
【0105】実施例7と同様にして工程廃液を得てこの
溶液をリチウム水溶液として使用した。この工程廃液中
の塩化リチウム濃度は5.0重量%であり、また、TO
Cは50700ppmであった。
【0106】反応容器に上記工程廃液300リットルを
導入し、反応容器を70℃、大気圧下において120r
pmで攪拌させながら、容器内に炭酸カリウム粉末25
kgを2kg/minで添加し、添加終了後も1.5時
間暫時攪拌を続けて反応を行い含水炭酸リチウム粒子を
得た。反応系のレイノルズ数は8.75×109 であっ
た。
【0107】次いで、含水炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離した。一方、反応容器は、残存物を除去
して洗浄を行い、洗浄液として再度イオン交換水300
リットルを導入し、70℃、大気圧下において120r
pmで攪拌させる。この容器内に含水炭酸リチウム粒子
を導入し、導入後も1時間暫時攪拌を続けて洗浄を行い
洗浄炭酸リチウム粒子を得た。
【0108】次いで、洗浄炭酸リチウム粒子を遠心分離
装置で固液分離し乾燥させた後に炭酸リチウム粒子を得
た。
【0109】得られた炭酸リチウム粒子の平均粒子径は
0.45μmであり、PD%MAX は0%、PD%MIN
73%、PD%は100%、HMAX は0μm、HF は9
0%であった。また、ICA%は0.8重量%であり、
ICB%は0.7重量%、ICC%は0.7重量%、O
CA%は410ppmであった。この炭酸リチウム粒子
の反応性は良であり、反応時間は7.5時間、反応の均
一性は不良であった。
【0110】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0111】
【発明の効果】本発明の炭酸リチウム粒子は、平均粒子
径が小さく、かつ、均一で、更には不純物含有量が少な
い炭酸リチウム粒子であるため、耐熱磁器、耐熱ガラ
ス、光学ガラスなどの配合剤、機能性素子などの製造原
料、酸の中和剤などの用途に有用であり、特に反応に関
与する用途で使用した場合には反応性が良好で、更には
不純物の少ない生成物を得ることができる。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が1〜200μmの範囲であ
    り、かつ、粒子径が250μmを越える粒子の比率が5
    %以下で、かつ、粒子径が0.5μm未満である粒子の
    比率が5%以下であることを特徴とする炭酸リチウム粒
    子。
  2. 【請求項2】粒子径が1〜100μmの範囲にある粒子
    の比率が50%以上であることを特徴とする請求項1に
    記載の炭酸リチウム粒子。
  3. 【請求項3】粒子径分布の最大ピークが1〜80μmの
    範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の炭酸リチウム粒子。
  4. 【請求項4】粒子径分布の最大ピークの度数が25%以
    上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れかに記載の炭酸リチウム粒子。
  5. 【請求項5】炭酸リチウム以外の無機化合物含有量が1
    0重量%以下であることを特徴とする請求項1から請求
    項4のいずれかに記載の炭酸リチウム粒子。
  6. 【請求項6】アルカリ金属化合物含有量が5重量%以下
    であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれ
    かに記載の炭酸リチウム粒子。
  7. 【請求項7】ナトリウムおよび/またはカリウム化合物
    含有量が3重量%以下であることを特徴とする請求項1
    から請求項6のいずれかに記載の炭酸リチウム粒子。
  8. 【請求項8】有機化合物含有量が3重量%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載
    の炭酸リチウム粒子。
  9. 【請求項9】炭酸リチウムを、酸との中和剤として使用
    することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか
    に記載の炭酸リチウム粒子。
  10. 【請求項10】リチウム水溶液と炭酸化合物および/ま
    たは炭酸水溶液から炭酸リチウム粒子を得る方法におい
    て、反応系のレイノルズ数が103 〜108 の範囲であ
    ることを特徴とする炭酸リチウム粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】上記炭酸化合物および/または炭酸水溶
    液が、元素周期律表第I 族の元素を含む炭酸塩から得ら
    れることを特徴とする請求項10に記載の炭酸リチウム
    粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】上記元素周期律表第I 族の元素がナトリ
    ウムおよび/またはカリウムであることを特徴とする請
    求項11に記載の炭酸リチウム粒子の製造方法。
  13. 【請求項13】上記炭酸化合物および/または炭酸水溶
    液が、元素周期律表第II族の元素を含む炭酸塩から得ら
    れることを特徴とする請求項10に記載の炭酸リチウム
    粒子の製造方法。
  14. 【請求項14】上記元素周期律表第II族の元素がマグネ
    シウムおよび/またはカルシウムであることを特徴とす
    る請求項13に記載の炭酸リチウム粒子の製造方法。
  15. 【請求項15】上記炭酸化合物および/または炭酸水溶
    液が、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムか
    ら得られることを特徴とする請求項10に記載の炭酸リ
    チウム粒子の製造方法。
  16. 【請求項16】上記リチウム水溶液のpHが5以上であ
    ることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれ
    かに記載の炭酸リチウム粒子の製造方法。
  17. 【請求項17】上記リチウム水溶液中の全有機炭素量が
    5%以下であることを特徴とする請求項10から請求項
    16のいずれかに記載の炭酸リチウム粒子の製造方法。
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