JP2013193675A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通常時は、第1状態にある回転角規制機構14が、操舵部材2の回転角を所定の多回転(第1回転角度幅に相当)の範囲内に規制する。操舵角センサに異常が発生したフェール時に、電磁クラッチ15(切換え機構)によって、回転角規制機構14を第2状態に切り換えて、操舵部材2の回転角を第2回転角度幅の範囲内に規制する。操舵部材2が第2回転角度幅の一対の終端の何れに位置するかで、操舵方向を検出する。ECU(制御装置)が、その検出された操舵方向に基づいて転舵アクチュエータを駆動制御する。
【選択図】図2
Description
また、ステアバイワイヤ式の操舵装置において、操舵部材と転舵機構との間に遊星ギヤ機構を配置し、操舵角センサの故障時に、前記遊星ギヤ機構のリングキヤの回転を拘束することにより、固定ギヤ比となった遊星ギヤ機構を介して、マニュアル操舵を実現する操舵装置が提案されている(例えば特許文献2を参照)。
本発明は、安価にフェールセーフを実現することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
請求項2のように、前記回転角規制機構は、前記操舵部材の回転軸(24)と同軸的に一体回転可能な回転可能要素(66)と、前記回転可能要素に前記回転軸の軸方向(X1)に対向する回転不能要素(32)と、前記回転可能要素および前記回転不能要素の間に介在し前記回転軸によって同軸的に支持され前記回転軸に対して回転可能な複数の環状の板要素(71〜75)と、前記回転不能要素、前記複数の板要素および前記回転可能要素のうちの隣接する要素間の相対回転量を規制するように前記隣接する要素間を連結する連結要素(80)と、を含み、前記連結要素は、前記隣接する要素の一方に設けられた突起(81)と、他方に設けられ回転方向に応じて前記突起と択一的に係合する一対の規制部(82a,82b;83a,83b)と、を含み、前記切換え機構は、前記複数の板要素を前記回転可能要素に一体回転させるように前記複数の板要素を前記回転可能要素側へ押圧することにより前記回転角規制機構を第2状態に切り換え、前記操舵方向検出装置は、前記回転角規制機構が前記第2状態に切り換えられたときに、前記回転不能要素およびこれに隣接する板要素(75)の一方に設けられた突起が、他方に設けられた一対の規制部(83a,83b)の何れと係合するかに基づいて、操舵方向を検出してもよい。
請求項4のように、前記切換え機構は、電磁クラッチ(15)を含み、前記電磁クラッチは、前記回転軸と一体回転し前記回転軸の軸方向に移動不能なクラッチロータ(53)と、前記回転軸の軸方向に移動して、前記回転不能要素に隣接する前記板要素を前記回転可能要素側へ押圧する押圧部材(54)と、クラッチロータと押圧部材との間に介在し前記押圧部材を前記回転可能要素側へ付勢する付勢部材(55)と、前記付勢部材に抗して前記押圧部材とクラッチロータとを吸着する電磁石(56)と、を含んでいてもよい。
さらに、フェール時に、操舵部材を多回転(第1回転角度幅に相当)させるような大きな操舵角で操作する必要がなく、操舵部材を比較的小さい回転角(第2回転角度幅の範囲内)で操作するだけで、左操舵または右操舵に切り換えることができるので、操作性が良い。
請求項4の発明によれば、電磁クラッチをオフすると、付勢部材により付勢された押圧部材が複数の板要素を回転可能要素側へ付勢することにより、複数の板要素と回転可能要素とを容易に一体化させることができ、その結果、回転角規制機構を第2状態に切り換えることができる。
図1は本発明の一実施形態の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本車両用操舵装置1は、多回転操作されるステアリングホイール等の操舵部材2と転舵輪3との機械的な連結が解除された、いわゆるステアバイワイヤシステムを構成している。
操舵部材2は、車体Bに回転可能に支持された操舵軸9に連結されている。操舵軸9には、路面等から転舵輪3に伝わる反力を操舵反力として操舵部材2に与えるための反力モータ10が取り付けられている。反力モータ10は、ブラシレスモータ等の電動モータを含む。反力モータ10は、車体Bに固定されたハウジング11内に収容されている。
また、ハウジング11内には、操舵部材2の回転角を規制する回転角規制機構14と、切換え機構としての電磁クラッチ15と、操舵方向検出装置としての操舵方向検出センサ16とが収容されている。
前記のセンサ類12,13,16〜18の各検出信号は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置としてのECU19(Electronic Control Unit) に入力されるようになっている。
図2を参照して、操舵軸9は、筒状のハウジング11によって回転可能に支持されている。ハウジング11から操舵軸9の一端が突出しており、前記一端に、操舵部材2が一体回転可能に連結されている。
第1軸受25は、入力軸22の軸方向の中間部を回転可能に支持している。第2軸受26および第3軸受27は、出力軸24を回転可能に支持している。具体的には、第2軸受26は、出力軸24の一端24a付近を回転可能に支持しており、第3軸受27は、出力軸24の他端24bを回転可能に支持している。
ハウジング11は、ハウジング本体31と端壁32とを組み合わせて構成されている。ハウジング本体31は、筒状をなし、一端31aおよび他端31bを有している。ハウジング11の一部としての端壁32は、概ね板状をなし、ハウジング本体31の他端31bを閉塞している。
第2軸受26は、ハウジング本体31の軸方向の中間部に設けられた軸受保持部38に保持され、出力軸24の一端24a付近の外周を回転可能に支持している。第2の軸受26は、軸受保持部38に嵌合固定された外輪39と、出力軸24の外周に一体回転可能に嵌合された内輪40とを備えている。
スペーサ50は、図2に示すような円形板または環状板からなる。スペーサ50は、出力軸24の他端24bの端面や第3軸受27の内輪47の端面とは接触しないで、外輪46の端面のみに接触するように、環状突起51を設けている。弾性部材49は、スペーサ50の環状突起51を介して、第3軸受27の外輪46を出力軸24の軸方向X1の前記一方側へ付勢する。
反力モータ10は、出力軸24と一体回転可能に連結されたモータロータ61と、モータロータ61を同心に取り囲み、ハウジング本体31の内周に固定されたモータステータ62とを備えている。モータロータ61は、出力軸24と一体回転可能なロータコア63と、ロータコア63に一体回転可能に連結された永久磁石64とを備えている。
本実施の形態では、第1部分65および第2部分66を含むロータコア63が、出力軸24と単一の材料で一体に形成されている例に則して説明するが、出力軸24とは別体に形成されたロータコアが出力軸24に一体に連結されていてもよい。
電磁クラッチ15は、環状のクラッチロータ53と、環状の押圧部材54と、圧縮コイルばね又は皿ばねからなる付勢部材55と、電磁石56とを備えている。クラッチロータ53は、出力軸24に一体回転可能に且つ軸方向X1に移動不能に支持されている。具体的には、クラッチロータ53は、出力軸24の他端24bの外周に嵌合されている。クラッチロータ53の径方向の内端は、出力軸24の位置決め段部42と第3軸受27の内輪47との間に挟持されている。
電磁石56は、付勢部材55に抗して押圧部材54とクラッチロータ53とを吸着する。電磁石56は、図示していないが、鉄心にコイルを巻回して構成されている。
図6(a),(b)に示すように、各突起81が、対応する係合溝82,83の両端である規制部82a,82b;83a,83bに係合することにより、隣接する要素間の相対回転量が規制される。
各突起81は、図5に示すように、対応する板要素71〜75と別体で設けられ、対応する板要素71〜75の固定孔86に一部が挿入されて一体に固定されていてもよい。また、図示していないが、各突起81は、対応する板要素71〜75と単一の材料で一体に形成されていてもよい。各板要素71〜75の少なくとも一方の端面には(本実施の形態では、突起81が突出する側の端面)に、環状の受け凹部87が設けられている。
δmax =δ1 ×4+δ2
である。例えばδ1 が306°でδ2 が90°の場合、通常時の操舵部材2の回転角が、第1回転角度幅(δmax =1620°)の範囲内に規制され、フェール時の操舵部材2の回転角が、第2回転角度幅(δ2 =90°)の範囲内に規制されることになる。
図3および図4に示すように、各摩擦板91〜96は、それぞれ対応する隣接要素間の相対回転に抗する摩擦抵抗をそれぞれ対応する隣接要素に付与するように、それぞれ対応する隣接要素間に介在している。
フェールが発生している場合(ステップS3においてYESの場合)には、フェールモードに移行する。フェールモードでは、ステップS5において、電磁クラッチ15(切換え機構)の電磁石56を非励磁とし、回転角規制機構14によるり規制角度を第2回転角幅δ2 に設定する。次いで、ステップS6において、操舵方向検出センサ16の一対の接触センサ16a,16bにより検出された操舵方向に基づいて、その接触センサ16aがオンになっている間、転舵アクチュエータ4を対応する転舵方向へ駆動するように駆動制御(転舵制御)する。
さらに、フェール時に、操舵部材2を多回転(第1回転角度幅δmax に相当)のような大きな操舵角で操作する必要がなく、操舵部材2を比較的小さい回転角(第2回転角度幅δ2 の範囲内)で操作するだけで、左操舵または右操舵に切り換えることができるので、操作性が良い。
また、操舵部材2の回転軸(出力軸24)によって同軸的に支持された板要素71〜75の軸方向X1の両側に、回転不能要素(端壁32)および回転可能要素(第2部分66)を配置するので、回転角規制機構14の要素をコンパクトに配置することができ、小型化を達成することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、前記実施形態では、板要素75に突起81を設け、端壁32(回転不能要素)に係合溝83を設けていたが、これに代えて、端壁32(回転不能要素)に設けられた突起を板要素74に設けられた係合溝に係合させてもよい。
また、板要素71〜75をモータロータ61の第1部分65の内周に保持された滑り軸受(図示せず)によって保持してもよい。
Claims (4)
- 多回転操作される操舵部材と転舵輪との機械的な連結が解かれた車両用操舵装置において、
前記操舵部材の操舵角を検出する操舵角センサと、
前記転舵輪を駆動する転舵アクチュエータと、
前記操舵部材の回転角を前記多回転に相当する第1回転角度幅の範囲内に規制する第1状態と、360度よりも小さい第2回転角度幅の範囲内に規制する第2状態とに切換え可能な回転角規制機構と、
前記回転角規制機構を第1状態および第2状態に択一的に切り換える切換え機構と、
前記回転角規制機構が前記第2状態にあるときに、操舵部材が前記第2回転角度幅の一対の終端の何れに配置されているかに基づいて前記操舵部材の操舵方向を検出する操舵方向検出装置と、
前記操舵角センサにより検出された操舵角に基づいて前記転舵アクチュエータを駆動制御する通常モードと、前記操舵角センサに異常が発生したときに、前記切換え機構によって前記回転角規制機構を前記第2状態に切り換えた状態で、前記操舵方向検出装置により検出された操舵方向に基づいて前記転舵アクチュエータを駆動制御するフェールモードとを有する制御装置と、を備えた車両用操舵装置。 - 請求項1において、前記回転角規制機構は、前記操舵部材の回転軸と同軸的に一体回転可能な回転可能要素と、前記回転可能要素に前記回転軸の軸方向に対向する回転不能要素と、前記回転可能要素および前記回転不能要素の間に介在し前記回転軸によって同軸的に支持され前記回転軸に対して回転可能な複数の環状の板要素と、前記回転不能要素、前記複数の板要素および前記回転可能要素のうちの隣接する要素間の相対回転量を規制するように前記隣接する要素間を連結する連結要素と、を含み、
前記連結要素は、前記隣接する要素の一方に設けられた突起と、他方に設けられ回転方向に応じて前記突起と択一的に係合する一対の規制部と、を含み、
前記切換え機構は、前記複数の板要素を前記回転可能要素に一体回転させるように前記複数の板要素を前記回転可能要素側へ押圧することにより前記回転角規制機構を第2状態に切り換え、
前記操舵方向検出装置は、前記回転角規制機構が前記第2状態に切り換えられたときに、前記回転不能要素およびこれに隣接する板要素の一方に設けられた突起が、他方に設けられた一対の規制部の何れと係合するかに基づいて、操舵方向を検出する車両用操舵装置。 - 請求項2において、前記操舵方向検出装置は、前記突起と対応する規制部との接触を検出する接触センサを含む車両用操舵装置。
- 請求項2または3において、前記切換え機構は、電磁クラッチを含み、
前記電磁クラッチは、前記回転軸と一体回転し前記回転軸の軸方向に移動不能なクラッチロータと、前記回転軸の軸方向に移動して、前記回転不能要素に隣接する前記板要素を前記回転可能要素側へ押圧する押圧部材と、クラッチロータと押圧部材との間に介在し前記押圧部材を前記回転可能要素側へ付勢する付勢部材と、前記付勢部材に抗して前記押圧部材とクラッチロータとを吸着する電磁石と、を含む車両用操舵装置。
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