JP5880954B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
また、ステアバイワイヤ式の操舵装置において、操舵部材と転舵機構との間に遊星ギヤ機構を配置し、操舵角センサの故障時に、前記遊星ギヤ機構のリングキヤの回転を拘束することにより、固定ギヤ比となった遊星ギヤ機構を介して、マニュアル操舵を実現する操舵装置が提案されている(例えば特許文献2を参照)。
本発明は、安価にフェールセーフを実現することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
また、請求項2のように、前記回転角規制機構は、前記操舵部材の回転軸と同軸的に一体回転可能な回転可能要素(66)と、前記回転可能要素に前記回転軸の軸方向に対向する回転不能要素(32)と、前記回転可能要素と前記回転不能要素との間に介在し前記回転軸に対して同軸的に回転可能な複数の板要素(71〜75)と、前記回転不能要素、前記複数の板要素および前記回転可能要素のうちの隣接する要素間の相対回転量をそれぞれ規制するように前記隣接する要素間をそれぞれ連結する複数の連結要素(80)と、を含み、前記操舵方向検出装置としての歪みセンサは、前記回転不能要素、前記回転可能要素、前記複数の板要素および複数の連結要素のうちの1つの要素に配置され、当該要素に生ずる歪みを検出してもよい。
また、請求項5のように、前記回転不能要素に対向する一方の端の板要素(75A;75B)が、前記回転不能要素によって、前記複数の板要素のうち前記一方の端の板要素を除く残りの板要素(71〜74)の回転中心である第1回転中心(L1)に対して偏心した第2回転中心(L2)の回りに回転可能に支持され、前記歪みセンサが配置された要素は、前記回転不能要素および前記一方の端の板要素の何れか一方であってもよい。
また、請求項7のように、前記一方の端の板要素が、前記回転不能要素に設けられた環状凹部(835)に、回転方向に遊びを有して係合可能に収容されており、前記一対の規制部(836,837)は、前記環状凹部の内周(835a)に設けられ、前記被規制部は、前記一方の板要素(75B)の外周(75B1)に一対設けられていてもよい。
また、請求項4の発明によれば、歪みセンサの近傍に肉抜き部を設けることで、歪みセンサが配置された要素において、確実に歪みを検出することができる。
また、請求項6の発明によれば、回転不能要素に対向する一方の端の板要素が、残りの板要素に対して偏心して回転することで、規制角度範囲の一対の終端で、被規制部としての突起が、凹部内の対応する規制部に当接する。これにより、回転不能要素および前記一方の端の板要素の両者の相対回転量が規制され、両者の何れか一方に配置された歪みセンサによって歪みを検出することができる。
図1は本発明の一実施形態の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本車両用操舵装置1は、多回転操作されるステアリングホイール等の操舵部材2と転舵輪3との機械的な連結が解除された、いわゆるステアバイワイヤシステムを構成している。
操舵部材2は、車体Bに回転可能に支持された操舵軸9に連結されている。操舵軸9には、路面等から転舵輪3に伝わる反力を操舵反力として操舵部材2に与えるための反力モータ10が取り付けられている。反力モータ10は、ブラシレスモータ等の電動モータを含む。反力モータ10は、車体Bに固定されたハウジング11内に収容されている。
また、ハウジング11内には、操舵部材2の回転角を規制する回転角規制機構14と、操舵方向のみを検出する操舵方向検出装置としての一対の歪みセンサ15a,15bとが収容されている。
一方、車両用操舵装置1には、転舵軸6に関連して、転舵輪3の転舵角θw (タイヤ角)を検出するための転舵角センサ16が設けられている。これらのセンサの他にも、車速Vを検出する車速センサ17が設けられている。前記のセンサ類12,13,15〜17の各検出信号は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置としてのECU18(Electronic Control Unit) に入力されるようになっている。
図2を参照して、操舵軸9は、筒状のハウジング11によって回転可能に支持されている。ハウジング11から操舵軸9の一端が突出しており、前記一端に、操舵部材2が一体回転可能に連結されている。ハウジング11内には、前記の操舵角センサ12、トルクセンサ13および反力モータ10が収容されている。
第1軸受25は、入力軸22の軸方向の中間部を回転可能に支持している。第2軸受26および第3軸受27は、出力軸24を回転可能に支持している。具体的には、第2軸受26は、出力軸24の一端24a付近を回転可能に支持しており、第3軸受27は、出力軸24の他端24bを回転可能に支持している。
ハウジング11は、ハウジング本体31と端壁32とを組み合わせて構成されている。ハウジング本体31は、筒状をなし、一端31aおよび他端31bを有している。ハウジング11の一部としての端壁32は、概ね板状をなし、ハウジング本体31の他端31bを閉塞している。
ハウジング本体31の一端31aの内周と、操舵軸9の入力軸22の外周との間には、両者間を封止する例えばオイルシールからなる環状の封止部材36が介在している。また、前記第1軸受25は、ハウジング本体31の一端31aの内周に設けられた軸受保持部37に保持されている。
第2軸受26の外輪39の一端面が、ハウジング本体31の軸受保持部38の一端に形成された位置決め段部41に当接することによって、外輪39が、出力軸24の軸方向X1の一方側(第1軸受25側)へ移動することが規制されている。また、第2軸受26の内輪40の一端面が、出力軸24の外周に形成された位置決め段部42に当接することによって、内輪40が、出力軸24の軸方向X1の他方側(第3軸受27側)へ移動することが規制されている。
スペーサ50は、図2に示すような円形板または環状板からなる。スペーサ50は、出力軸24の他端24bの端面や第3軸受27の内輪47の端面とは接触しないで、外輪46の端面のみに接触するように、環状突起51を設けている。弾性部材49は、スペーサ50の環状突起51を介して、第3軸受27の外輪46を出力軸24の軸方向X1の前記一方側へ付勢する。
反力モータ10は、出力軸24と一体回転可能に連結されたロータ61と、ロータ61を同心に取り囲み、ハウジング本体31の内周に固定されたステータ62とを備えている。ロータ61は、出力軸24と一体回転可能なロータコア63と、ロータコア63に一体回転可能に連結された永久磁石64とを備えている。
本実施の形態では、第1部分65および第2部分66を含むロータコア63が、出力軸24と単一の材料で一体に形成されている例に則して説明するが、出力軸24とは別体に形成されたロータコアが出力軸24に一体に連結されていてもよい。
図6(a),(b),(c)に示すように、各突起81が、対応する係合溝82,83の両端である規制部82a,83aに係合することにより、隣接する要素間の相対回転量が規制される。
各突起81は、図5に示すように、対応する板要素71〜75と別体で設けられ、対応する板要素71〜75の固定孔86に一部が挿入されて一体に固定されていてもよい。また、図示していないが、各突起81は、対応する板要素71〜75と単一の材料で一体に形成されていてもよい。各板要素71〜75の少なくとも一方の端面には(本実施の形態では、突起81が突出する側の端面)に、環状の受け凹部87が設けられている。
δmax =δ1×4+δ2
となるので、操舵軸9の回転量を、所望の多回転範囲に規制することが可能となる。例えばδ1が306°でδ2が90°の場合、操舵軸9の回転量が1620°(所定角度)内に規制される。
図6(a)に示すように、操舵方向検出装置としての一対の歪みセンサ15a,15bは、板要素71に設けられた突起81が突出する側の板要素71の端面に配置されている。一方の歪みセンサ15aは、板要素71の係合溝82の一方の規制部82aの近傍に配置されており、他方の歪みセンサ15bは、板要素71の係合溝82の他方の規制部82bの近傍に配置されている。
例えば、摩擦板91は、第2部分66(回転可能要素)と板要素71との間に介在し、両者66,71の相対回転に抗する摩擦抵抗を両者66,71に与える。各摩擦板92〜95は、それぞれ隣接する板要素71,72;72,73;73,74;74,75間に介在し、各隣接する板要素71〜75の相対回転に抗する摩擦抵抗を各隣接する板要素71〜75に付与する。また、摩擦板96は、板要素75と押圧板70との間に介在し、板要素75および押圧板70の相対回転に抗する摩擦抵抗を、板要素75および押圧板70に付与する。
付勢部材69は、押圧板70を摩擦板96側へ弾性的に付勢することにより、当該押圧板70(回転不能要素)とロータ61の第2部分66(回転可能要素)との間に、板要素71〜75および摩擦抵抗付与要素としての摩擦板91〜96を含む積層ユニットを弾性的に挟持する。すなわち、付勢部材69は、積層ユニットの板要素71〜75、摩擦板91〜96に一括して軸方向の予圧を与える。これにより、各摩擦板91〜96がこれに接する部材に対して、所要の大きさの摩擦抵抗を付与できるように設定されている。
次いで、図7は、転舵制御に関するECU18の制御の流れを示すフローチャートである。システムが作動すると、まず、ステップS1において、ステップS1において、各種センサからの信号を入力し、ステップS2において、操舵角センサ12の信号に基づいてフェール(操舵角センサ12の異常)が発生しているか否かを判定する。
フェールが発生している場合(ステップS2においてYESの場合)には、フェールモードに移行する。フェールモードでは、歪みセンサ15a(または15b)により検出された操舵方向に基づいて、各歪みセンサ15a,15bの検出値が所定値以上になっている間、転舵アクチュエータ4を対応する転舵方向へ駆動するように駆動制御(転舵制御)する。
また、回転角規制機構14の回転不能要素(端壁32)、回転可能要素(第2部分66)および複数の板要素71〜74のうちの隣接する要素間の相対回転量を規制するように隣接する要素間を連結要素80で連結しているので、回転不能要素(端壁32)、回転可能要素(第2部分66)および複数の板要素71〜75のうちの何れに歪みセンサ15a,15bを配置しても、規制角度範囲の一対の終端で歪みを検出することで、操舵方向を検出することができる。
また、操舵部材2に操舵反力を付与する反力モータ10と回転角規制機構14を同一のハウジング11内に収容することにより、ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置1において、構造の簡素化、小型化を達成することができる。
なお、図10の実施形態において、突起15dに設けられた歪みセンサ15dに代えて、一対の規制部831,832のそれぞれに歪みセンサを設けてもよい。
板要素75Bから突出する円柱状の支軸78Bが、端壁32の円孔からなる支持孔〔図12では図示せず〕に嵌合され、板要素75Bは、支軸78Bの中心軸線である第2回転中心L2の回りに回転可能に支持されている。すなわち、支軸78Bの中心軸線が一方の端の板要素75Bの回転中心である第2回転中心L2となっており、その第2回転中心L2は、残りの板要素71〜74(図12では示さず)の第1回転中心L1に対して偏心している。板要素75Bに設けられた係合溝821に対して、隣接する板要素74から突出する突起81が係合している(図12では図示せず)。
本実施形態によれば、回転不能要素(端壁32)に対向する一方の端の板要素75Bが、残りの板要素71〜74(図12では示さず)に対して偏心して回転することで、規制角度範囲の一方の終端で、図12(b)に示すように、対応する被規制部751と規制部836とが当接しつつ、歪みセンサ15eが、規制部836に生ずる歪みを検出する。一方、規制角度範囲の他方の終端で、図12(c)に示すように、対応する被規制部752と規制部837とが当接しつつ、歪みセンサ15fが、規制部837に生ずる歪みを検出する。
なお、図12の実施形態において、規制部836,837に設けられた一対の歪みセンサ15e,15fに代えて、一対の被規制部751,752に設けられた一対の歪みセンサを用いてもよい。
摩擦抵抗付与要素として、隣接要素間の対向面の少なくとも一方に被覆された摩擦層(図示せず)を用いてもよい。
また、板要素71〜75をロータ61の第1部分65の内周に保持された滑り軸受(図示せず)によって保持してもよい。
その他、請求項記載の範囲で種々の変更を施すことができる。
Claims (7)
- 多回転操作される操舵部材と転舵輪との機械的な連結が解かれた車両用操舵装置において、
前記操舵部材の操舵角を検出する操舵角センサと、
前記操舵部材の操舵方向のみを検出する操舵方向検出装置と、
前記転舵輪を駆動する転舵アクチュエータと、
前記操舵部材の回転角を規制角度範囲内に規制する回転角規制機構と、
前記操舵角センサにより検出された操舵角に基づいて前記転舵アクチュエータを駆動制御する通常モードと、前記操舵角センサに異常が発生したときに、前記操舵方向検出装置により検出された操舵方向に基づいて前記転舵アクチュエータを駆動制御するフェールモードとを有する制御装置と、を備え、
前記操舵方向検出装置は、前記規制角度範囲の一対の終端で前記回転角規制機構に生ずる歪みを検出することにより操舵方向を検出する歪みセンサを含む車両用操舵装置。 - 請求項1において、前記回転角規制機構は、前記操舵部材の回転軸と同軸的に一体回転可能な回転可能要素と、前記回転可能要素に前記回転軸の軸方向に対向する回転不能要素と、前記回転可能要素と前記回転不能要素との間に介在し前記回転軸に対して同軸的に回転可能な複数の板要素と、前記回転不能要素、前記複数の板要素および前記回転可能要素のうちの隣接する要素間の相対回転量をそれぞれ規制するように前記隣接する要素間をそれぞれ連結する複数の連結要素と、を含み、
前記操舵方向検出装置としての歪みセンサは、前記回転不能要素、前記回転可能要素、前記複数の板要素および複数の連結要素のうちの1つの要素に配置され、当該要素に生ずる歪みを検出する車両用操舵装置。 - 請求項2において、前記複数の連結要素のそれぞれは、前記隣接する要素の一方に設けられた被規制部と、前記隣接する要素の他方に設けられ前記規制角度範囲の一対の終端で前記被規制部に択一的に係合する一対の規制部と、を有し、
前記歪みセンサが配置された要素は、前記被規制部が設けられた要素または前記一対の規制部が設けられた要素の何れか一方である車両用操舵装置。 - 請求項2において、前記歪みセンサが配置された要素において、前記歪みセンサの近傍に、肉抜き部が設けられている車両用操舵装置。
- 請求項3または4において、前記回転不能要素に対向する一方の端の板要素が、前記回転不能要素によって、前記複数の板要素のうち前記一方の端の板要素を除く残りの板要素の回転中心である第1回転中心に対して偏心した第2回転中心の回りに回転可能に支持され、
前記歪みセンサが配置された要素は、前記回転不能要素および前記一方の端の板要素の何れか一方である車両用操舵装置。 - 請求項5において、前記回転不能要素および前記一方の端の板要素の何れか一方に設けられた前記被規制部としての突起が、他方に設けられた凹部に、回転方向に所定の遊びを有して係合可能に収容されており、
前記凹部内に、前記一対の規制部が設けられている車両用操舵装置。 - 請求項5において、前記一方の端の板要素が、前記回転不能要素に設けられた環状凹部に、回転方向に遊びを有して係合可能に収容されており、
前記一対の規制部は、前記環状凹部の内周に設けられ、
前記被規制部は、前記一方の板要素の外周に一対設けられている車両用操舵装置。
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