JP2013189680A - 銀めっき材 - Google Patents

銀めっき材 Download PDF

Info

Publication number
JP2013189680A
JP2013189680A JP2012056586A JP2012056586A JP2013189680A JP 2013189680 A JP2013189680 A JP 2013189680A JP 2012056586 A JP2012056586 A JP 2012056586A JP 2012056586 A JP2012056586 A JP 2012056586A JP 2013189680 A JP2013189680 A JP 2013189680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver plating
silver
plating layer
layer
plane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012056586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5848168B2 (ja
Inventor
Keisuke Shinohara
圭介 篠原
Masafumi Ogata
雅史 尾形
Hiroshi Miyazawa
寛 宮澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Metaltech Co Ltd
Original Assignee
Dowa Metaltech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Metaltech Co Ltd filed Critical Dowa Metaltech Co Ltd
Priority to JP2012056586A priority Critical patent/JP5848168B2/ja
Publication of JP2013189680A publication Critical patent/JP2013189680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5848168B2 publication Critical patent/JP5848168B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Contacts (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性、耐摩耗性および曲げ加工性に優れた銀めっき材を提供する。
【解決手段】銅または銅合金からなる素材12の表面、あるいは、素材12上に形成された銅または銅合金からなる下地層の表面に{111}面と{200}面と{220}面と{311}面の各々のX線回折強度の和に対する{200}面のX線回折強度の割合が40%以上である第1の銀めっき層14が形成され、この第1の銀めっき層14の表面にビッカース硬度Hv140以上の第2の銀めっき層16が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、銀めっき材に関し、特に、車載用や民生用の電気配線に使用されるコネクタ、スイッチ、リレーなどの接点や端子部品の材料として使用される銀めっき材に関する。
従来、コネクタやスイッチなどの接点や端子部品などの材料として、銅または銅合金などの比較的安価で耐食性や機械的特性などに優れた素材に、電気特性や半田付け性などの必要な特性に応じて、錫、銀、金などのめっきを施しためっき材が使用されている。
銅または銅合金などの素材に錫めっきを施した錫めっき材は、安価であるが、高温環境下における耐食性に劣っている。また、これらの素材に金めっきを施した金めっき材は、耐食性に優れ、信頼性が高いが、コストが高くなる。一方、これらの素材に銀めっきを施した銀めっき材は、金めっき材と比べて安価であり、錫めっき材と比べて耐食性に優れている。
また、コネクタやスイッチなどの接点や端子部品などは、コネクタの挿抜やスイッチの摺動に伴う耐摩耗性も要求され、さらに、エンジン周辺などの高温環境下で使用される場合には、高温環境下における信頼性(耐熱性)も要求される。
銀めっき材の耐摩耗性を向上させるために、銀めっき層中にアンチモンやビスマスなどの元素を含有させることによって、銀めっき材の硬度を向上させる方法が知られている。しかし、この方法で硬度を向上させた銀めっき材は、素材またはその上に形成された下地層が銅または銅合金からなる場合に、高温環境下で使用すると、銅が拡散して銀めっきの表面にCuOが形成され、接触抵抗が上昇するという問題がある。
このように銀めっき層中にアンチモンなどを添加した銀めっき材において、耐熱性を向上させるために、銅または銅合金部材の表面の少なくとも一部に、アンチモン濃度が0.1質量%以下の銀または銀合金層を形成し、この銀または銀合金層の上に、最表層としてビッカース硬度Hv140以上の銀合金層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−79250号公報(段落番号0010)
しかし、特許文献1のような最表面として銀合金層が形成された銅または銅合金部材では、高温環境下における信頼性(耐熱性)が十分ではなく、また、銀めっき材を複雑な形状や小型のコネクタやスイッチなどの接点や端子部品に加工すると、銀めっき材に割れが生じて、素材が露出してしまうという問題がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、耐熱性、耐摩耗性および曲げ加工性に優れた銀めっき材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、結晶方位を制御した第1の銀めっき層を素材上に形成した後、具体的には、第1の銀めっき層の(銀結晶中の主要な配向モードである){111}面と{200}面と{220}面と{311}面の各々のX線回折強度(X線回折ピークの積分強度)の和に対する{200}面のX線回折強度の占める割合(以下、「{200}配向強度比」という)を高めて40%以上にした第1の銀めっき層を素材上に形成した後、この第1の銀めっき層上にビッカース硬度Hv140以上の第2の銀めっき層を形成することにより、耐熱性、耐摩耗性および曲げ加工性に優れた銀めっき材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銀めっき材は、素材上に{111}面と{200}面と{220}面と{311}面の各々のX線回折強度の和に対する{200}面のX線回折強度の割合が40%以上である第1の銀めっき層が形成され、この第1の銀めっき層上にビッカース硬度Hv140以上の第2の銀めっき層が形成されていることを特徴とする。
この銀めっき材において、第2の銀めっき層が0.5質量%以上のアンチモンを含むのが好ましい。また、素材が銅または銅合金からなるのが好ましく、素材が銅または銅合金以外からなる場合には、素材と第1の銀めっき層の間に銅または銅合金からなる下地層が形成されているのが好ましい。
また、本発明による接点または端子部品は、上記の銀めっき材を材料として用いたことを特徴とする。
本発明によれば、耐熱性、耐摩耗性および曲げ加工性に優れた銀めっき材を提供することができる。
本発明による銀めっき材の実施の形態を概略的に示す断面図である。 比較例1の銀めっき材概略的に示す断面図である。 比較例2の銀めっき材概略的に示す断面図である。 比較例3の銀めっき材概略的に示す断面図である。 比較例4の銀めっき材概略的に示す断面図である。 比較例5の銀めっき材概略的に示す断面図である。
本発明による銀めっき材の実施の形態では、図1に示すように、素材12上に{111}面と{200}面と{220}面と{311}面の各々のX線回折強度の和に対する{200}面のX線回折強度の割合が40%以上である第1の銀めっき層14が形成され、この第1の銀めっき層14上にビッカース硬度Hv140以上の第2の銀めっき層16が形成されている。この銀めっき材10において、第2の銀めっき層16が0.5質量%以上のアンチモンを含むのが好ましい。また、素材12が銅または銅合金からなるのが好ましく、素材12が銅または銅合金以外からなる場合には、素材12と第1の銀めっき層14の間に銅または銅合金からなる下地層が形成されているのが好ましい。また、第1の銀めっき層14の膜厚と第2の銀めっき層16の膜厚の比が1:1〜3:1であるのが好ましい。
このような銀めっき材10は、素材12上に{111}面と{200}面と{220}面と{311}面の各々のX線回折強度の和に対する{200}面のX線回折強度の割合が40%以上である第1の銀めっき層14を形成した後、この第1の銀めっき層14上に(好ましくは0.5質量%以上のアンチモンを含むとともに)ビッカース硬度Hv140以上の第2の銀めっき層16を形成することによって製造することができる。
具体的には、第1の銀めっき層14は、5〜15mg/Lのセレンを含み且つフリーシアンに対する銀の質量比が0.9〜1.8である第1の銀めっき浴中において電気めっきを行うことによって素材上に形成するこができる。なお、電気めっきの際の液温は、好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは15〜30℃であり、電流密度は、好ましくは1〜15A/dm、さらに好ましくは3〜10A/dmである。
この第1の銀めっき層14を形成するための第1の銀めっき浴として、シアン化銀カリウム(KAg(CN))と、シアン化カリウム(KCN)と、3〜30mg/Lのセレノシアン酸カリウム(KSeCN)とからなり、この銀めっき浴中のセレン濃度が5〜15mg/Lであり且つフリーシアンに対する銀の質量比が0.9〜1.8である銀めっき浴を使用するのが好ましい。
なお、銀めっき材の第1の銀めっき層は、銀を含むめっき層であり、5〜15mg/Lのセレンを含み且つフリーシアンに対する銀の質量比が0.9〜1.8である銀めっき浴中において電気めっきを行うことによって、{111}面と{200}面と{220}面と{311}面の各々のX線回折強度の和に対する{200}面のX線回折強度の占める割合が40%以上になるように形成することができれば、銀合金のめっき層でもよい。
また、第2の銀めっき層は、50〜150g/Lのシアン化銀力リウムと、90〜150g/Lのシアン化力リウムと、10〜50g/Lの酒石酸ナトリウムカリウム四水和物と、3〜20g/Lの酒石酸アンチモンカリウムからなる第2の銀めっき液中において電気めっきを行うことによって第1の銀めっき層の表面に形成するのが好ましい。なお、電気めっきの際の液温は、好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは15〜30℃であり、電流密度は、好ましくは1〜10A/dm、さらに好ましくは3〜10A/dmである。
以下、本発明による銀めっき材の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、素材(被めっき材)として67mm×50mm ×0.3mmの純銅板を用意し、この被めっき材とSUS板をアルカリ脱脂液に入れ、被めっき材を陰極とし、SUS板を陽極として、電圧5Vで30秒間電解脱脂を行い、水洗した後、3%硫酸中で15秒間酸洗を行った。
次に、3g/Lのシアン化銀カリウムと90g/Lのシアン化カリウムからなる銀ストライクめっき浴中において、被めっき材を陰極とし、白金で被覆したチタン電極板を陽極として、スターラにより400rpmで撹拌しながら電流密度2.5A/dmで10秒間電気めっき(銀ストライクめっき)を行った。
次に、111g/Lのシアン化銀カリウム(KAg(CN))と、120g/Lのシアン化カリウム(KCN)と、18mg/Lのセレノシアン酸カリウム(KSeCN)からなる銀めっき浴中において、被めっき材を陰極とし、銀電極板を陽極として、スターラにより400rpmで撹拌しながら液温18℃において電流密度5A/dmで銀めっき層(第1の銀めっき層)の膜厚が2μmになるまで電気めっき(第1の銀めっき)を行った。
次に、120g/Lのシアン化銀力リウムと、120g/Lのシアン化力リウムと、30g/Lの酒石酸ナトリウムカリウム四水和物と、7g/Lの酒石酸アンチモンカリウムからなる銀めっき液中において、被めっき材を陰極とし、銀電極板を陽極として、スターラにより400rpmで損拝しながら液温20℃において電流密度5A/dmで(第1の銀めっき層と第2の銀めっき層の)合計の銀めっき層の膜厚が3μmになるまで電気めっき(第2の銀めっき)を行った。
このようにして、図1に示すように、素材12上に形成された第1の銀めっき層14上に第2の銀めっき層16が形成された銀めっき材10を作製し、この銀めっき材10について、第1の銀めっき層14の{200}配向強度比を算出し、第2の銀めっき層16中のSb含有量を算出し、第2の銀めっき層16ビッカース硬度を測定するとともに、銀めっき材10の耐熱試験前後の接触抵抗、曲げ加工性および耐摩耗性を評価した。
銀めっき材10の第1の銀めっき層14の{200}配向強度比は、素材12上に第1の銀めっき層14を形成した後に第2の銀めっき層16を形成しないで作製した銀めっき材について、X線回折(XRD)分析装置(理学電気株式会社製のRINT−3C)により、管球Cu、管電圧30kV、管電流30mA、サンプリング幅0.020°の条件で、モノクロメータとガラスの試料ホルダを使用して得られたX線回折パターンから、第1の銀めっき層14の{111}面、{200}面、{220}面および{311}面の各々のX線回折ピークの積分強度を求めて、その合計に対して{200}面のX線回折ピークの積分強度が占める割合として算出した。その結果、第1の銀めっき層14の{200}配向強度比は66%であった。
銀めっき材10の第2の銀めっき層16中のSb含有量は、銀めっき材10から切り出した試験片中のAg含有量(X質量%)およびSb含有量(Y質量%)をICP装置(ジャーレルアッシュ社製IRIS/AR)を用いてプラズマ分光分析法によって求め、Y/(X+Y)として算出した。その結果、第2の銀めっき層16中のSb含有量は1.3質量%であった。
銀めっき材10の第2の銀めっき層16のビッカース硬度は、素材12上に第1の銀めっき層14を形成しないで第2の銀めっき層16を形成して作製した銀めっき材について、微小硬度計(株式会社ミツトヨ製のHM221)を使用して、荷重10gfを15秒間加えて、JIS Z2244に従って測定した。その結果、第2の銀めっき層16のビッカース硬度Hvは170であった。
銀めっき材10の耐熱性は、銀めっき材10を乾燥機(アズワン社製のOF450)により150℃で72時間加熱する耐熱試験の前後に、電気接点シミュレータ(山崎精機研究所製のCRS−1)により荷重50gfで接触抵抗を測定することによって評価した。その結果、銀めっき材10の接触抵抗は、耐熱試験前では1.2mΩ、耐熱試験後では13.1mΩであり、耐熱試験後の接触抵抗も15mΩ以下と良好であり、耐熱試験後の接触抵抗の上昇が抑制されていた。
銀めっき材10の曲げ加工性は、JIS Z2248のVブロック法に準じて、銀めっき材10を素材12の圧延方向に対して垂直方向にR=0.1で90度に折り曲げた後、その折り曲げた箇所を顕微鏡(キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−1000)により1000倍に拡大して観察し、その割れの有無によって評価した。その結果、割れは観察されず、曲げ加工性は良好であった。
銀めっき材10の耐摩耗性は、電気接点シミユレータ(山崎精機研究所製のCRS−1)を使用して、荷重50gf、摺動速度50mm/分、摺動距離2mmで銀めっき材10上で銀リベットを摺動させ、銀めっきが摩耗して素地が露出するまでの摺動回数(摺動耐久回数)を測定することによって評価した。その結果、摺動耐久回数は310回であり、耐摩耗性は良好であった。
[比較例1]
第1の銀めっきと第2の銀めっきの代わりに、111g/Lのシアン化銀カリウムと、120g/Lのシアン化カリウムと、73mg/Lのセレノシアン酸カリウムからなる銀めっき浴中において、被めっき材を陰極とし、銀電極板を陽極として、スターラにより400rpmで撹拌しながら液温25℃において電流密度5A/dmで銀めっき層の膜厚が3μmになるまで電気めっき(従来の銀めっきと同様の銀めっき)を行った以外は、実施例1と同様の方法により、図2に示すように、素材12上に(従来の銀めっきと同様の方法により)銀めっき層18が形成された銀めっき材110を作製した。
このようにして作製した銀めっき材110について、銀めっき層18の{200}配向強度比を算出し、銀めっき層18のビッカース硬度を測定するとともに、銀めっき材110の耐熱試験前後の接触抵抗、曲げ加工性および耐摩耗性を評価した。その結果、銀めっき層18の{200}配向強度比は7%、ビッカース硬度Hvは120であった。また、銀めっき材110の接触抵抗は、耐熱試験前では1.4mΩ、耐熱試験後では20.5mΩであり、耐熱試験後の接触抵抗は15mΩより高く、耐熱試験後の接触抵抗が上昇していた。また、銀めっき材110の曲げ加工性試験では、めっきが割れて素地の露出が観察され、曲げ加工性は良好ではなかった。さらに、銀めっき材110の耐摩耗性試験では、摺動耐久回数は120回であり、耐摩耗性は良好ではなかった。
[比較例2]
第1の銀めっき層の膜厚が3μmになるまで電気めっき(第1の銀めっき)を行って、第2の銀めっきを行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、実施例1と同様の方法により、図3に示すように、素材12上に第1の銀めっき層14’が形成された銀めっき材210を作製した。
このようにして作製した銀めっき材210について、第1の銀めっき層14’の{200}配向強度比を算出し、第1の銀めっき層14’のビッカース硬度を測定するとともに、銀めっき材210の耐熱試験前後の接触抵抗、曲げ加工性および耐摩耗性を評価した。その結果、第1の銀めっき層14’の{200}配向強度比は66%、ビッカース硬度Hvは110であった。また、銀めっき材210の接触抵抗は、耐熱試験前では1.2mΩ、耐熱試験後では4.8mΩであり、耐熱試験後の接触抵抗は5mΩ以下と非常に良好であり、耐熱試験後の接触抵抗の上昇が抑制されていた。また、銀めっき材210の曲げ加工性試験では、割れは観察されず、曲げ加工性は良好であった。しかし、銀めっき材210の耐摩耗性試験では、摺動耐久回数は100回であり、耐摩耗性は良好ではなかった。
[比較例3]
第1の銀めっきを行わず、第2の銀めっき層の膜厚が3μmになるまで電気めっき(第2の銀めっき)を行った以外は、実施例1と同様の方法により、実施例1と同様の方法により、図4に示すように、素材12上に第2の銀めっき層16’が形成された銀めっき材310を作製した。
このようにして作製した銀めっき材310について、第2の銀めっき層16’の{200}配向強度比を算出し、第2の銀めっき層16’のビッカース硬度を測定するとともに、銀めっき材310の耐熱試験前後の接触抵抗、曲げ加工性および耐摩耗性を評価した。その結果、第2の銀めっき層16’の{200}配向強度比は7%、ビッカース硬度Hvは170であった。また、銀めっき材310の接触抵抗は、耐熱試験前では2.0mΩ、耐熱試験後では42.9mΩであり、耐熱試験後の接触抵抗は15mΩより高く、耐熱試験後の接触抵抗が上昇していた。また、銀めっき材310の曲げ加工性試験では、めっきが割れて素地の露出が観察され、曲げ加工性は良好ではなかった。なお、銀めっき材310の耐摩耗性試験では、摺動耐久回数は300回であり、耐摩耗性は良好であった。
[比較例4]
第1の銀めっきの代わりに、111g/Lのシアン化銀カリウムと、120g/Lのシアン化カリウムと、73mg/Lのセレノシアン酸カリウムからなる銀めっき浴中において、被めっき材を陰極とし、銀電極板を陽極として、スターラにより400rpmで撹拌しながら液温25℃において電流密度5A/dmで銀めっき層の膜厚が2μmになるまで電気めっき(従来の銀めっきと同様の銀めっき)を行った以外は、実施例1と同様の方法により、図5に示すように、素材12上に形成された(従来の銀めっきと同様の方法により)銀めっき層18’上に第2の銀めっき層16が形成された銀めっき材410を作製した。
このようにして作製した銀めっき材410について、銀めっき層18’の{200}配向強度比を算出し、第2の銀めっき層16のビッカース硬度を測定するとともに、銀めっき材410の耐熱試験前後の接触抵抗、曲げ加工性および耐摩耗性を評価した。なお、銀めっき層18’の{200}配向強度比は、素材12上に銀めっき層18’を形成した後に第2の銀めっき層16を形成しないで作製した銀めっき材について算出し、第2の銀めっき層16のビッカース硬度は、素材12上に銀めっき層18’を形成しないで第2の銀めっき層16を形成して作製した銀めっき材について測定した。その結果、銀めっき層18’の{200}配向強度比は7%、第2の銀めっき層16のビッカース硬度Hvは170であった。また、銀めっき材410の接触抵抗は、耐熱試験前では1.5mΩ、耐熱試験後では32.0mΩであり、耐熱試験後の接触抵抗は15mΩより高く、耐熱試験後の接触抵抗が上昇していた。また、銀めっき材410の曲げ加工性試験では、めっきが割れて素地の露出が観察され、曲げ加工性は良好ではなかった。なお、銀めっき材410の耐摩耗性試験では、摺動耐久回数は290回であり、耐摩耗性は良好であった。
[比較例5]
第1の銀めっきと第2の銀めっきの順序を逆にして、第2の銀めっき層の膜厚が2μmになるまで電気めっき(第2の銀めっき)を行った後に、(第2の銀めっき層と第1の銀めっき層の)合計の銀めっき層の膜厚が3μmになるまで電気めっき(第1の銀めっき)を行った以外は、実施例1と同様の方法により、図6に示すように、素材12上に形成された第2の銀めっき層16上に第1の銀めっき層14が形成された銀めっき材510を作製した。
このようにして作製した銀めっき材510について、第2の銀めっき層16の{200}配向強度比を算出し、第1の銀めっき層14のビッカース硬度を測定するとともに、銀めっき材510の耐熱試験前後の接触抵抗、曲げ加工性および耐摩耗性を評価した。なお、第2の銀めっき層16の{200}配向強度比は、素材12上に第2の銀めっき層16を形成した後に第1の銀めっき層14を形成しないで作製した銀めっき材について算出し、第1の銀めっき層14のビッカース硬度は、素材12上に第2の銀めっき層16を形成しないで第1の銀めっき層14を形成して作製した銀めっき材について測定した。その結果、第2の銀めっき層16の{200}配向強度比は7%、第1の銀めっき層14のビッカース硬度Hvは110であった。また、銀めっき材510の接触抵抗は、耐熱試験前では1.5mΩ、耐熱試験後では12.0mΩであり、耐熱試験後の接触抵抗は15mΩ以下と良好であり、耐熱試験後の接触抵抗の上昇が抑制されていた。しかし、銀めっき材510の曲げ加工性試験では、めっきが割れて素地の露出が観察され、曲げ加工性は良好ではなかった。また、銀めっき材510の耐摩耗性試験では、摺動耐久回数は130回であり、耐摩耗性は良好ではなかった。
これらの実施例および比較例の結果を表1に示す。
Figure 2013189680
本発明による銀めっき材は、車載用や民生用の電気配線に使用されるコネクタ、スイッチ、リレーなどの接点や端子部品の材料として使用することができる。特に、スイッチ用のバネ接点部材の材料の他、携帯電話や電気機器のリモコンなどのスイッチの材料として使用することができる。また、大電流が流れて発熱量が大きいハイブリッド電気自動車(HEV)の充電端子や高圧コネクタなどの材料としても使用することができる。
10、110、210、310、410、510 銀めっき材
12 素材
14、14’ 第1の銀めっき層
16、16’ 第2の銀めっき層
18、18’ 従来の銀めっきと同様の方法により形成された銀めっき層

Claims (5)

  1. 素材上に{111}面と{200}面と{220}面と{311}面の各々のX線回折強度の和に対する{200}面のX線回折強度の割合が40%以上である第1の銀めっき層が形成され、この第1の銀めっき層上にビッカース硬度Hv140以上の第2の銀めっき層が形成されていることを特徴とする、銀めっき材。
  2. 前記第2の銀めっき層が0.5質量%以上のアンチモンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の銀めっき材。
  3. 前記素材が銅または銅合金からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の銀めっき材。
  4. 前記素材と前記第1の銀めっき層の間に銅または銅合金からなる下地層が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の銀めっき材。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の銀めっき材を材料として用いたことを特徴とする、接点または端子部品。
JP2012056586A 2012-03-14 2012-03-14 銀めっき材 Active JP5848168B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012056586A JP5848168B2 (ja) 2012-03-14 2012-03-14 銀めっき材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012056586A JP5848168B2 (ja) 2012-03-14 2012-03-14 銀めっき材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013189680A true JP2013189680A (ja) 2013-09-26
JP5848168B2 JP5848168B2 (ja) 2016-01-27

Family

ID=49390235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012056586A Active JP5848168B2 (ja) 2012-03-14 2012-03-14 銀めっき材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5848168B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9401556B2 (en) 2014-07-01 2016-07-26 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector
CN109881222A (zh) * 2015-01-30 2019-06-14 同和金属技术有限公司 镀银材料及其制造方法
WO2020153396A1 (ja) * 2019-01-24 2020-07-30 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材及びコネクタ用端子
JP6822618B1 (ja) * 2019-08-09 2021-01-27 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材
WO2021029254A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材
CN112888811A (zh) * 2018-10-22 2021-06-01 优美科电镀技术有限公司 热稳定银合金涂层
WO2021140688A1 (ja) * 2020-01-06 2021-07-15 Dowaメタルテック株式会社 複合めっき材およびその製造方法
WO2021199526A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 Dowaメタルテック株式会社 銀めっき材およびその製造方法、並びに、端子部品
WO2022123818A1 (ja) * 2020-12-10 2022-06-16 Dowaメタルテック株式会社 Ag被覆素材、Ag被覆素材の製造方法及び端子部品
JP7494618B2 (ja) 2020-07-22 2024-06-04 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115702262A (zh) 2020-06-23 2023-02-14 同和金属技术有限公司 复合材料、复合材料的制造方法和端子

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007016250A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Dowa Holdings Co Ltd 複合めっき材およびその製造方法
JP2007092141A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Dowa Holdings Co Ltd 複合めっき材の製造方法
JP2008127641A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Dowa Metaltech Kk 複合めっき材の製造方法
JP2008169408A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk コネクタ用銀めっき端子
JP2009079250A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Dowa Metaltech Kk 最表層として銀合金層が形成された銅または銅合金部材およびその製造方法
JP2010222647A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Daido Metal Co Ltd 摺動部材
JP2012119308A (ja) * 2010-11-11 2012-06-21 Dowa Metaltech Kk 銀めっき材およびその製造方法
JP2012162775A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Dowa Metaltech Kk 銀めっき材およびその製造方法
JP2013076127A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Dowa Metaltech Kk 銀めっき材およびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007016250A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Dowa Holdings Co Ltd 複合めっき材およびその製造方法
JP2007092141A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Dowa Holdings Co Ltd 複合めっき材の製造方法
JP2008127641A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Dowa Metaltech Kk 複合めっき材の製造方法
JP2008169408A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk コネクタ用銀めっき端子
JP2009079250A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Dowa Metaltech Kk 最表層として銀合金層が形成された銅または銅合金部材およびその製造方法
JP2010222647A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Daido Metal Co Ltd 摺動部材
JP2012119308A (ja) * 2010-11-11 2012-06-21 Dowa Metaltech Kk 銀めっき材およびその製造方法
JP2012162775A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Dowa Metaltech Kk 銀めっき材およびその製造方法
JP2013076127A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Dowa Metaltech Kk 銀めっき材およびその製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
若林信一 他4名: "銀めっき皮膜の室温放置による再結晶化", 表面技術, vol. 51, no. 10, JPN6015044828, 1 October 2000 (2000-10-01), JP, pages 1021 - 1025, ISSN: 0003190277 *

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9401556B2 (en) 2014-07-01 2016-07-26 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector
CN109881222A (zh) * 2015-01-30 2019-06-14 同和金属技术有限公司 镀银材料及其制造方法
CN112888811A (zh) * 2018-10-22 2021-06-01 优美科电镀技术有限公司 热稳定银合金涂层
WO2020153396A1 (ja) * 2019-01-24 2020-07-30 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材及びコネクタ用端子
JP6743998B1 (ja) * 2019-01-24 2020-08-19 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材及びコネクタ用端子
US20220294140A1 (en) 2019-08-09 2022-09-15 Mitsubishi Materials Corporation Terminal material for connectors
WO2021029254A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材
JP6822618B1 (ja) * 2019-08-09 2021-01-27 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材
US11901659B2 (en) 2019-08-09 2024-02-13 Mitsubishi Materials Corporation Terminal material for connectors
WO2021140688A1 (ja) * 2020-01-06 2021-07-15 Dowaメタルテック株式会社 複合めっき材およびその製造方法
CN114761623A (zh) * 2020-01-06 2022-07-15 同和金属技术有限公司 复合镀材及其制造方法
US20230046780A1 (en) * 2020-01-06 2023-02-16 Dowa Metaltech Co., Ltd. Composite plating material and method for producing the same
US11926917B2 (en) 2020-01-06 2024-03-12 Dowa Metaltech Co., Ltd. Composite plating material and method for producing the same
WO2021199526A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 Dowaメタルテック株式会社 銀めっき材およびその製造方法、並びに、端子部品
JP2021161463A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 Dowaメタルテック株式会社 銀めっき材およびその製造方法、並びに、端子部品
JP7455634B2 (ja) 2020-03-31 2024-03-26 Dowaメタルテック株式会社 銀めっき材およびその製造方法、並びに、端子部品
JP7494618B2 (ja) 2020-07-22 2024-06-04 三菱マテリアル株式会社 コネクタ用端子材
WO2022123818A1 (ja) * 2020-12-10 2022-06-16 Dowaメタルテック株式会社 Ag被覆素材、Ag被覆素材の製造方法及び端子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5848168B2 (ja) 2016-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5848168B2 (ja) 銀めっき材
JP5667543B2 (ja) 銀めっき材およびその製造方法
JP5848169B2 (ja) 銀めっき材
JP6395560B2 (ja) 銀めっき材およびその製造方法
JP6445895B2 (ja) Snめっき材およびその製造方法
KR20150053804A (ko) 표면 처리 도금재 및 그 제조 방법, 그리고 전자 부품
JP5077479B1 (ja) コンタクトおよびこれを用いた電子部品
JP2012162775A (ja) 銀めっき材およびその製造方法
WO2014148200A1 (ja) 銀めっき材
JP6172811B2 (ja) Ag−Sn合金めっき液及び電子部品の製造方法
JP6193687B2 (ja) 銀めっき材およびその製造方法
JP6086531B2 (ja) 銀めっき材
JP2010090400A (ja) 導電材及びその製造方法
JP7302364B2 (ja) コネクタ用端子材及びコネクタ用端子
JP2014095139A (ja) 銀めっき積層体
JP2022092093A (ja) Ag被覆素材、Ag被覆素材の製造方法及び端子部品
WO2021199526A1 (ja) 銀めっき材およびその製造方法、並びに、端子部品
JP2016130362A (ja) 銀めっき材およびその製造方法
JP6543138B2 (ja) Snめっき材およびその製造方法
JP6809856B2 (ja) 銀めっき材およびその製造方法
JP7083662B2 (ja) めっき材
WO2024116940A1 (ja) 銀被覆材の製造方法、銀被覆材および通電部品
JP2020128575A (ja) コネクタ用端子材、コネクタ用端子及びコネクタ用端子材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5848168

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250