JP2014095139A - 銀めっき積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性と加工性とを両立する銀めっき積層体を提供する。
【解決手段】金属基材と、金属基材の表面に形成された軟質銀めっき層と、軟質銀めっき層の表面に形成された硬質銀めっき層と、を有し、軟質銀めっき層のビッカース硬度が硬質銀めっき層のビッカース硬度よりも30HV以上低いこと、を特徴とする積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は銀めっき積層体に関し、より具体的には、優れた耐摩耗性と加工性とを両立するのに好適な銀めっき積層体に関する。
銀めっきは導電性、低接触抵抗性及び耐熱性等に優れた特性を有し、各種接点、端子、コネクタ、スイッチ等の電気・電子部品に広く利用されている(例えば、特許文献1(特開2001−3194号公報)参照)。
近年、電気自動車やプラグインハイブリッド車等の普及が進んでおり、それに伴って家庭用充電装置及び急速充電装置等の充電装置の普及も進んでいる。自動車と充電装置とを連結する充電コネクタの端子は、高電圧及び高電流下での使用に加え、数万回にも及ぶ抜き差し動作に耐えなければならない。
これらの要求を満たす手段として、上述の端子に対して硬質銀めっきを施工することが主流となっている(例えば、特許文献2(特開2008−311162号公報)参照)。特許文献2に記載されているような硬質銀めっきは、耐磨耗特性に優れると共に接触抵抗が低く、耐熱性も有しているが、一方で、軟質銀めっきと比較すると引張強度が小さく、加工性に乏しいといった問題点を有している。
また、加工については、電気・電子部品用の銀めっきは、めっき基材である銅又はりん青銅のような銅合金の表面に電気めっきや溶融めっき等により形成された後、端子、コネクタ及びリードフレーム等に成型するために、プレス及び打抜き等により加工されることが多い。
ところが、硬質銀めっきを使用する場合、めっき後のスタンピングや曲げ加工においてクラックが発生し易いという問題がある。基材が露出する程の大きなクラックが発生すると、基材の腐食が進行し、製品としての寿命が著しく短くなる。このため、クラックの発生を抑制するために製品の形状や加工方法が制限されてしまう。
特開2001−3194号公報 特開2008−311162号公報
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、優れた耐磨耗性と加工性とを両立するのに好適な銀めっき積層体を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、銀めっきの硬度や厚さ等について鋭意研究を重ねた結果、優れた耐磨耗性と加工性とを両立させるためには、硬質銀めっき層と軟質銀めっき層とを積層させることが極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、金属基材と、金属基材の表面に形成された軟質銀めっき層及び硬質銀めっき層と、を有し、軟質銀めっき層のビッカース硬度が硬質銀めっき層のビッカース硬度よりも30HV以上低いこと、を特徴とする積層体を提供する。
本発明の積層体においては、前記金属基材の表面に前記軟質銀めっき層が形成されており、前記軟質銀めっき層の表面に前記硬質銀めっき層が形成されていてもよく、また、前記金属基材の表面に前記硬質銀めっき層が形成されており、前記硬質銀めっき層の表面に前記軟質銀めっき層が形成されていてもよい。
ここで、本発明の積層体における軟質銀めっき層及び硬質銀めっき層はいずれも、連続する膜形状であっても、本発明の効果を損なわない範囲で、島状の不連続な膜形状であってもよい。後者の場合、島状部分が部分的に連続していてもよい。また、軟質銀めっき層及び硬質銀めっき層はいずれも、一定の厚さを有するが、本発明の効果を損なわない範囲で、部分的に薄くなっていたり厚くなっていたりしてもよい。
上記の本発明の積層体においては、軟質銀めっき層のビッカース硬度は90HV以下、硬質銀めっき層のビッカース硬度は100〜250HVであることが好ましい。また、軟質銀めっき層の厚さは硬質銀めっき層の厚さ以上であることが好ましい。
また、硬質銀めっき層の厚さは軟質銀めっき層の厚さの8分の1倍以上80倍以下であることが好ましい。
また、金属基材と軟質銀めっき層又は硬質銀めっき層との間には、本発明の効果を損なわない程度において、下地めっき層を有していてもよい。
加えて、曲げ加工に伴う金属基材の曲げ角度が0度超90度以下となる領域に対して上述の軟質銀めっき層と硬質銀めっき層とからなる積層体を形成させることで、当該金属基材が露出する程の大きなクラックを発生させることなく、塑性加工を達成することができる。当該塑性変形に伴うエリクセン値は基材単独で貫通割れが発生するエリクセン値に近いことが好ましい。
本発明によれば、優れた耐摩耗性と加工性とを両立する銀めっき積層体を提供することができる。
本発明の銀めっき積層体の第一実施形態の概略断面図である。 本発明の銀めっき積層体の第二実施形態の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の銀めっき積層体の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
≪第一実施形態≫
図1は、本発明の銀めっき積層体の第一実施形態の概略断面図である。金属基材2の表面に軟質銀めっき層4が形成され、軟質銀めっき層4の表面に硬質銀めっき層6が形成されている。
金属基材2の金属は、導電性を有している限り特に限定されず、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、鉄及び鉄合金、チタン及びチタン合金、ステンレス、銅及び銅合金等を挙げることができるが、なかでも、電気伝導性・熱伝導性・展延性に優れているという理由から、銅及び銅合金を用いることが好ましい。
また、金属基材2の表面に軟質銀めっき層4を被覆する前工程として、金属基材2に陰極電解洗浄を施すことが好ましい。具体的には、従来既知の電解脱脂溶液(例えば、シアン化カリウム、水酸化カリウム及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含む電解脱脂溶液)中にて、陽極材料として鉄板を、陰極材料として金属基材2を用い、室温にて陰極電解洗浄を行うことができる。
軟質銀めっき層4及び硬質銀めっき層6には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の銀めっきを用いることができるが、軟質銀めっき層4のビッカース硬度は、硬質銀めっき層6のビッカース硬度よりも30HV以上低いことが好ましく、軟質銀めっき層4のビッカース硬度は60〜70HV、硬質銀めっき層6のビッカース硬度は170〜180HVであることがより好ましい。
また、軟質銀めっき層4及び硬質銀めっき層6の厚さは目的とする特性に応じて適宜決定することができるが、硬質銀めっき層6の厚さTHは軟質銀めっき層4の厚さTSの8分の1倍以上80倍以下であることが好ましい。硬質銀めっき層6の厚さと比較して軟質銀めっき層4が薄過ぎる場合は、銀めっき積層体20の加工性が十分に改善されず、軟質銀めっき層4が厚過ぎる場合は、塑性変形しやすくなり、銀めっき積層体20の耐磨耗性が低下する。
本実施形態の銀めっき積層体20は、金属基材2の表面に軟質銀めっき層4を形成させた後、軟質銀めっき層4の表面に硬質銀めっき層6を形成させることで得ることができる。軟質銀めっき層4及び硬質銀めっき層6は、従来既知の銀めっき浴及びめっき条件によって形成させることができる。
銀めっき層の硬度は、例えばめっき液中の金属光沢剤及び/又は有機光沢剤の濃度で調節することができる。また、銀めっき層の厚さは、例えばめっき時間の長さで調節することができる。
銀めっき浴としては、シアン化銀及びシアン銀カリウム等の銀塩と、シアン化カリウム及び塩化カリウム等の電導塩と、により構成され、必要に応じて光沢剤が添加されるのが一般的である。
軟質銀めっき層4には銀塩と電導塩のみで構成されるめっき浴を用い、硬質めっき層6には銀塩と電導塩と光沢剤とで構成されるめっき浴を用いることができる。
銀塩としては、例えば、シアン化銀、ヨウ化銀、酸化銀、硫酸銀、硝酸銀、塩化銀等が挙げられ、電導塩としては、例えば、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヨウ化カリウム、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。
光沢剤としては金属光沢剤及び/又は有機光沢剤を用いることができる。また、金属光沢剤としては、アンチモン(Sb)、セレン(Se)、テルル(Te)等を例示でき、有機光沢剤としては、ベンゼンスルホン酸、メルカプタン類等を例示することができる。
めっき浴の浴温度、陽極材料、電流密度等のめっき条件は、用いるめっき浴及び必要とするめっき厚さ等に応じて適宜設定することができる。
≪第二実施形態≫
図2は、本発明の銀めっき積層体の第二実施形態の概略断面図である。金属基材2の表面に下地めっき層8が形成され、下地めっき層8の表面に軟質銀めっき層4が形成され、軟質銀めっき層4の表面に硬質銀めっき層6が形成されている。
第二実施形態において、銀めっき積層体20は、金属基材2の表面に下地めっき層8を形成させた後に下地めっき層8の表面に軟質銀めっき層4を形成させ、次いで、軟質銀めっき層4の表面に硬質銀めっき層6を形成させることで得ることができる。なお、下地めっき層8を形成させること以外は第一実施形態と同様である。
下地めっき層8には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々のめっきを用いることができるが、ニッケルめっきを用いることが好ましい。ニッケルめっき浴としては、従来既知のめっき浴を用いることができるが、例えば、スルファミン酸ニッケル及び塩化ニッケル等のニッケル塩と、ホウ酸等の緩衝剤及びラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤と、によって構成されたものを使用することができる。
第二実施形態におけるめっき浴の浴温度、陽極材料、電流密度等のめっき条件は、用いるめっき浴及び必要とするめっき厚さ等に応じて適宜設定することができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記第一実施形態及び第二実施形態において、軟質銀めっき層と硬質銀めっき層の積層順は逆であってもよい。
≪実施例1≫
厚さ0.5mmの銅板(金属基材)に陰極電解洗浄を施した後、軟質銀めっき層及び硬質銀めっき層を形成させた。陰極電解洗浄にはシアン化カリウム30g/L、水酸化カリウム30g/L、及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10g/Lを含む電解脱脂液を用い、当該電解脱脂液中で、陽極材料を鉄板、陰極材料を銅板として処理を施した。なお、浴温は室温とした。
次に、シアン化銀40g/L、シアン化カリウム30g/L、炭酸カリウム30g/Lを含むめっき浴を用い、陽極材料をチタン白金板、陰極材料を銅板として、銅板の一方の表面全体に連続する軟質銀めっき層を形成させた。なお、浴温は30℃、電流密度は4A/dm2とした。
次に、シアン化銀40g/L、シアン化カリウム30g/L、炭酸カリウム30g/L、二酸化セレン2g/Lを含むめっき浴を用い、陽極材料をチタン白金板、陰極材料を軟質銀めっき銅板として、上記のように形成した軟質銀めっき層の表面全体に硬質銀めっき層を形成させた。なお、浴温は30℃、電流密度は4A/dm2とした。本実施例における軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比は1:1(10μm及び10μm)とした。
[評価]
(1)硬度測定
上記のようにして作製した銀めっき積層体について硬度測定を行った。硬度測定には(株)アカシ製の微小硬さ試験機(MVK100A2)を用い、25g荷重にてめっき層の表面より測定を行った。得られた結果を表1に示した。
(2)曲げ性測定
曲げ性の測定には安田精機製作所製のエリクセン試験機を用い、JIS Z2247に準拠して測定を行った。具体的には、試験片に圧縮応力を加えて凹状に変形させ、めっき層が割れて基材が露出するまでの変位量をエリクセン値とした。エリクセン値によってめっき層の基材に対する追従性(曲げ性)を評価することができ、当該値が大きいものを追従性(曲げ性)が良好であるとみなすことができる。得られた結果を表1に示した。
(3)90度曲げ試験
JIS Z2248の押曲げ法に準拠し、試料を、曲げ軸が圧延方向と平行になるように90度折り曲げた後、光学顕微鏡で基材露出の有無を確認した。基材が露出していない場合は○、露出が見られる場合は×と評価した。得られた結果を表2に示した。
≪実施例2≫
軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比を、2:1(13.3μm及び6.7μm)とした以外は、実施例1と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪実施例3≫
軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比を、4:1(16.0μm及び4.0μm)とした以外は、実施例1と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪実施例4≫
軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比を、8:1(17.8μm及び2.2μm)とした以外は、実施例1と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪実施例5≫
軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比を、1:8(2.2μm及び17.8μm)とした以外は、実施例1と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪実施例6≫
軟質銀めっき層を形成する前に、銅板に膜厚4μmのニッケルめっき層(下地めっき層)を形成させた以外は、実施例1と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
ニッケルめっきには、スルファミン酸ニッケル300g/L、塩化ニッケル・6水和物5g/L、ホウ酸10g/L、ラウリル硫酸ナトリウム0.2g/Lを含むめっき浴を用い、陽極材料をサルファニッケル板、陰極材料を銅板として、銅板表面にニッケルめっきを形成させた。なお、浴温は50℃、電流密度は6A/dm2とした。
≪実施例7≫
軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比を、2:1(13.3μm及び6.7μm)とした以外は、実施例5と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪実施例8≫
軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比を、4:1(16.0μm及び4.0μm)とした以外は、実施例5と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪実施例9≫
軟質銀めっき層の厚さと硬質銀めっき層の厚さの比を、8:1(17.8μm及び2.2μm)とした以外は、実施例5と同様にして銀めっき積層体を作製し、硬度測定と曲げ性測定を行った。得られた結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪比較例1≫
厚さ0.5mmの銅板に陰極電解洗浄を施した後、軟質銀めっき層を形成させた。陰極電解洗浄にはシアン化カリウム30g/L、水酸化カリウム30g/L、及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10g/Lを含む電解脱脂液を用い、当該電解脱脂液中で、陽極材料を鉄板、陰極材料を銅板として処理を施した。なお、浴温は室温とした。
次に、シアン化銀40g/L、シアン化カリウム30g/L、炭酸カリウム30g/Lを含むめっき浴を用い、陽極材料をチタン白金板、陰極材料を銅板として、銅板表面に軟質銀めっき層を形成させた。なお、浴温は30℃、電流密度は4A/dm2とし、膜厚20μmの軟質銀めっき層を形成させた。実施例1と同様にして測定した硬度と曲げ性の結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪比較例2≫
厚さ0.5mmの銅板に陰極電解洗浄を施した後、硬質銀めっき層を形成させた。陰極電解洗浄にはシアン化カリウム30g/L、水酸化カリウム30g/L、及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10g/Lを含む電解脱脂液を用い、当該電解脱脂液中で、陽極材料を鉄板、陰極材料を銅板として処理を施した。なお、浴温は室温とした。
次に、シアン化銀40g/L、シアン化カリウム30g/L、炭酸カリウム30g/L、二酸化セレン2g/Lを含むめっき浴を用い、陽極材料をチタン白金板、陰極材料を銅板として、銅板表面に硬質銀めっきを形成させた。なお、浴温は30℃、電流密度は4A/dm2とし、膜厚20μmの硬質銀めっき層を形成させた。実施例1と同様にして測定した硬度と曲げ性の結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪比較例3≫
厚さ0.5mmの銅板に陰極電解洗浄を施した後、下地めっき層のみを形成させた。陰極電解洗浄にはシアン化カリウム30g/L、水酸化カリウム30g/L、及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10g/Lを含む電解脱脂液を用い、当該電解脱脂液中で、陽極材料を鉄板、陰極材料を銅板として処理を施した。なお、浴温は室温とした。
次に、スルファミン酸ニッケル300g/L、塩化ニッケル・6水和物5g/L、ホウ酸10g/L、ラウリル硫酸ナトリウム0.2g/Lを含むめっき浴を用い、陽極材料をサルファニッケル板、陰極材料を銅板として、銅板表面にニッケルめっきを形成させた。なお、浴温は50℃、電流密度は6A/dm2とし、膜厚4μmのニッケルめっき層(下地めっき層)を形成させた。実施例1と同様にして測定した硬度と曲げ性の結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。
≪比較例4≫
比較例3と同様にして作製したニッケルめっき層の表面に、膜厚20μの硬質銀めっき層を形成させた。実施例1と同様にして測定した硬度と曲げ性の結果を表1に示す。また、90度曲げ試験の結果を表2に示す。なお、硬質銀めっきの形成条件は比較例2と同様である。
≪比較例5≫
比較例として、金属基材である銅板のみについてもエリクセン値を測定し、当該金属基材に貫通割れが発生するまでの変位をエリクセン値とした。結果を表1に示す。
Figure 2014095139
表1に示す結果から、軟質銀めっき層の厚さが硬質銀めっき層の厚さ以上の場合、エリクセン値が8.0以上の良好な曲げ性を得ることができる。一方、軟質銀めっき層の厚さが硬質銀めっき層の厚さよりも小さい場合、エリクセン値が8.0未満となっている。しかしながら、軟質銀めっき層の厚さが硬質銀めっき層の厚さよりも小さい場合であっても、硬質銀めっき層のみの場合と比較すると、良好な曲げ性を示している。
また、銀めっき層の下地にニッケルめっき層(下地めっき層)がある場合、ニッケルめっき層の影響により、ニッケルめっき層がない場合よりも曲げ性が劣る傾向が見られるが、軟質銀めっき層と硬質銀めっき層との複層にすることでエリクセン値が上昇している。当該結果より、軟質銀めっき層と硬質銀めっき層との複層は、硬質銀めっき層を単体で被覆した場合よりも曲げ性に関して優位であることが確認できる。
Figure 2014095139
表2に示す結果から、軟質銀めっき層を施さない場合は、下地ニッケルめっきのみの場合でも基材が露出するほどのクラックが発生するが、軟質銀めっき層を施した場合は、全ての試験片において基材の露出が発生しないことが確認できる。
2・・・金属基材、
4・・・軟質銀めっき層、
6・・・硬質銀めっき層、
8・・・下地めっき層、
20・・・銀めっき積層体。

Claims (5)

  1. 金属基材と、前記金属基材の表面に形成された軟質銀めっき層及び硬質銀めっき層と、を有し、
    前記軟質銀めっき層のビッカース硬度が前記硬質銀めっき層のビッカース硬度よりも30HV以上低いこと、
    を特徴とする銀めっき積層体。
  2. 前記軟質銀めっき層のビッカース硬度が90HV以下であり、
    前記硬質銀めっき層のビッカース硬度が100〜250HVであること、
    を特徴とする請求項1に記載の銀めっき積層体。
  3. 前記硬質銀めっき層の厚さが前記軟質銀めっき層の厚さの8分の1倍以上80倍以下であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の銀めっき積層体。
  4. 前記金属基材と前記軟質銀めっき層又は前記硬質銀めっき層との間に、下地めっき層を有すること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の銀めっき積層体。
  5. 曲げ加工に伴う前記金属基材の曲げ角度が0度超90度以下となる領域に対して請求項1〜4のうちのいずれかに記載の積層体を形成させること、
    を特徴とする銀めっき部材の製造方法。
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