JP2013189626A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、および複合成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性エラストマー100重量部と、(C)不飽和カルボン酸単位を含有するエチレン系共重合体15〜120重量部とを混練する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
前記熱可塑性エラストマーは、(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム50〜90重量%および(B)プロピレン系樹脂10〜50重量%を、架橋剤の存在下で動的加硫して得られ(成分(A)と成分(B)の総量を100重量%とする。)、
前記(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムは、100℃でのムーニー粘度(ML1+4100℃)が150〜350であるエチレン−α−オレフィン系共重合ゴム100重量部および鉱物油系軟化剤20〜150重量部を含む前記製造方法。
【選択図】なし
Description
を与えるため、上記成形品にオレフィン系熱可塑性エラストマーを熱融着することが試みられている。しかし、オレフィン系熱可塑性エラストマーの構成要素であるオレフィン系樹脂は、無極性であるため、ポリアミド等の極性基を備えた熱可塑性樹脂に熱接着しにくいという問題があった。
前記熱可塑性エラストマーは、(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム50〜90重量%および(B)プロピレン系樹脂10〜50重量%を、架橋剤の存在下で動的加硫して得られ(成分(A)と成分(B)の総量を100重量%とする。)、
前記(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムは、100℃でのムーニー粘度(ML1+4100℃)が150〜350であるエチレン−α−オレフィン系共重合ゴム100重量部および鉱物油系軟化剤20〜150重量部を含む前記製造方法にかかるものである。
本発明の第2は、前記方法により得られる熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体と、ポリアミド樹脂からなる成形体とを融着する工程を含む複合成形体の製造方法である。
油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)は、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムおよび鉱物油系軟化剤を含む。
油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)に含まれるエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムは、エチレン単位とα−オレフィン単位とを有し、JIS K−6253のA硬度が85以下の共重合ゴムである。以下、本発明において「エチレン単位」のように、「モノマー名+単位」という用語は、該モノマーを重合して得られたゴム、あるいは樹脂中に存在する該モノマー由来の構成単位を意味する。
ン−1−ヘキセン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエン共重合ゴム、およびエチレン−プロピレン−5−ビニル−2−ノルボルネン共重合ゴムを例示することができる。2以上のゴムを用いてもよい。中でも、エチレン−プロピレン共重合ゴムまたはエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴムが好ましく、エチレン単位の含有量が40〜80重量%、プロピレン単位の含有量が15〜60重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位の含有量が0〜20重量%であるエチレン−プロピレン共重合ゴムまたはエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴムがより好ましい。
M:ムーニー粘度
L:ラージローターを使用
100℃:測定温度
1+4:試料を1分加熱した後、ローターを4分間2rpmで回転させた時の測定値
エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4100℃)は、ASTM D 1646に従って測定できる。エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4100℃)は、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムと鉱物油系軟化剤とを用いて得られた油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4100℃)と、用いた鉱物油系軟化剤の量から、以下の式により求めることもできる。
log(ML1/ML2)=0.0066×(△PHR)
ML1 :エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムのムーニー粘度
ML2 :油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムのムーニー粘度
△PHR:エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム 100重量部当たりの鉱物油系軟化剤の量
鉱物油系軟化剤は、伸展油としてエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムへ添加して使用される。鉱物油系軟化剤およびエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムを混合する方法として、(1)ロールやバンバリーミキサーのような混練装置を用い、鉱物油系軟化剤およびエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムを機械的に混練する方法、(2)溶媒中でエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムを製造し、該溶媒に鉱物油系軟化剤を添加し、次いで、スチームストリッピングのような方法によって溶媒を除去する方法、を例示することができる。
油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)は、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム100重量部と、鉱物油系軟化剤を20〜150重量部含有する。鉱物油系軟化剤の含有量は、好ましくは40〜120重量部である。
本発明におけるプロピレン系樹脂(B)は、プロピレンに基づく単量体単位(プロピレン単位)を50〜100重量%、好ましくは80〜100重量%含有する樹脂である。ただし、プロピレン系樹脂(B)を100重量%とする。プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン)からなるコモノマー群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーとプロピレンとの共重合体をあげることができる。該共重合体は、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体であってもよい。該共重合体として、より具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体を例示することができる。プロピレン系樹脂として好ましくは、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体である。
油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)50〜90重量%と、プロピレン系樹脂(B)10〜50重量%(但し、油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとプロピレン系樹脂の総量を100重量%とする。)とを、架橋剤の存在下で動的加硫して、熱可塑性エラストマーを得る。
プロピレン系樹脂(B)の量は、好ましくは11〜60重量%であり、より好ましくは13〜40重量%である。
式中、nは0〜10の整数;XおよびYはそれぞれ独立に水酸基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子であり;Rは炭素原子数1〜15の飽和炭化水素基である。該化合物は、置換フェノールとアルデヒドとをアルカリ触媒で縮重合させることによって製造することができる。
上記のフェノール樹脂としてまた、アルキルフェノ−ルホルムアルデヒドや、臭素化アルキルフェノ−ルホルムアルデヒドを例示することができる。
フェノール樹脂は、金属酸化物(たとえば、酸化亜鉛)およびステアリン酸のような分散剤と組合せて用いることが好ましい。
前記熱可塑性エラストマーと、(C)不飽和カルボン酸単位を含有するエチレン系共重合体とを混練して、熱可塑性エラストマー組成物を得る。
エチレン系共重合体(C)は、エチレン系共重合体(C)の重量を100重量%とするとき、エチレン単位55〜96重量%と、不飽和エステル化合物単位3〜37重量%と、不飽和ジカルボン酸無水物単位1〜8重量%とを含むことが好ましい。
前記熱可塑性エラストマー100重量部と、不飽和カルボン酸単位を含有するエチレン系共重合体(C)15〜120重量部とを混練して、熱可塑性エラストマー組成物を得る。
エチレン系共重合体(C)の配合量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して15〜120重量部、好ましくは25〜80重量部、より好ましくは40〜50重量部である。
エチレン系共重合体(C)が過少であると、該エチレン系共重合体(C)を用いて得られる熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とポリアミド樹脂からなる成形体との接着性が低下し、一方、過多であると、該成形体の柔軟性、圧縮永久歪が低下する傾向がある。
(1)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)とプロピレン系樹脂(B)とを架橋剤の存在下で、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、押出機、二軸押出機等で動的加硫して熱可塑性エラストマーを得、次いで、該熱可塑性エラストマーとエチレン系共重合体(C)とを、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、押出機、二軸押出機等の公知の溶融混練機で溶融混練する方法、
(2)複数の原料供給口を有する押出混練機を用いて、押出混練機の上流側において、油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)とプロピレン系樹脂(B)とを、架橋剤の存在下で動的加硫して熱可塑性エラストマーを形成し、押出混練機の下流側の供給口からエチレン系共重合体(C)を供給して、押出混練機の上流側で製造された熱可塑性エラストマーと、エチレン系共重合体(C)とを、押出混練機の下流側で溶融混練する方法、
(3)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)とプロピレン系樹脂(B)とを架橋剤の存在下で、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、押出機、二軸押出機等で動的加硫して熱可塑性エラストマーを得、次いで、該熱可塑性エラストマーとエチレン系共重合体(C)とを、押出機、射出成形機等の公知の成形機で溶融混練して、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を製造する方法、
ポリアミド樹脂は、アミド結合を主鎖内に有する重合体である。ポリアミド樹脂の主たる原料は、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)である。
その原料の具体例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等のアミノカルボン酸;ε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタム;テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等のジアミン;アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等のジカルボン酸などが挙げられる。また上記のジアミンとジカルボン酸は、一対の塩として用いることもできる。
このようなポリアミド樹脂の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)が挙げられる。中でも、機械的強度と熱安定性のバランス、経済性にも優れる観点から、ナイロン6、ナイロン66が特に好ましい。
本発明の複合成形体の製造方法は、ポリアミド樹脂からなる成形体と熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とを融着する工程を含む方法であり、該熱可塑性エラストマー組成物は、次の方法で製造される:
(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムと(B)プロピレン系樹脂の総量を100重量%とするとき、(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム50−90重量%および(B)プロピレン系樹脂10−50重量%を、架橋剤の存在下で動的加硫して熱可塑性エラストマーを得る工程であって、
該(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムが、100℃でのムーニー粘度(ML1+4100℃)が150〜350であるエチレン−α−オレフィン系共重合ゴム100重量部および鉱物油系軟化剤20〜150重量部を含む工程と、
熱可塑性エラストマー100重量部と、(C)不飽和カルボン酸単位を含有するエチレン系共重合体15〜120重量部とを混練して該熱可塑性エラストマー組成物を得る工程とを含む方法。
(1)あらかじめ製造したポリアミド樹脂からなる成形体を金型内に装填した後、熱可塑性エラストマー組成物を前記金型内に注入して、ポリアミド樹脂からなる成形体と熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とを融着する方法
(2)あらかじめ製造したポリアミド樹脂からなる成形体と、あらかじめ製造した熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とを接触させて、プレス等により機械的にこれらを圧着する方法
(3)2種の押出機を用いて、ポリアミド樹脂と熱可塑性エラストマー組成物とを共押出する方法
[物性測定]
<熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価>
1.硬度
JIS K6253に従い、デューロメータA硬度を測定した。
JIS K6251に従い、引張強度および破断伸びを測定した。JIS3号試験片を用い、引張速度200mm/minの条件で測定を行い、試験片が破断した時の引張強度と伸びを測定した。
3.圧縮永久歪
JIS K6262に従い、70℃、25%圧縮、22時間の条件で測定を行った。
4.成形体のブリード
熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を室温で1ヶ月放置し、成形体表面のブリード状態を観察した。成形体表面にブリードが見られなければ、成形体の外観が良好である。
○;成形体表面にブリードは見られない。
×;成形体表面にブリードが見られる。
<複合成形体の評価>
5.接着強度
複合成形体を長手方向に5mm幅で切断し、試験片(150mm×5mm×厚さ4mm)を得た。試験片を構成する熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とポリアミド樹脂からなる成形体とを200mm/minの引張速度で剥離し、接着強度を評価した。
(1)エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム
(a)エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム:ムーニー粘度ML1+4100℃:250、エチレン単位の含有量:66重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位の含有量:4.0重量%
(b)エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム:ムーニー粘度ML1+4100℃:141、エチレン単位の含有量:64重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位の含有量:4.5重量%
(c)エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム:ムーニー粘度ML1+4100℃:92、エチレン単位の含有量:65重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位の含有量:4.0重量%
(2)鉱物油系軟化剤
出光興産株式会社製 商品名:PW-380
(3)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(A)
EPDM−1:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(a)100重量部に、上記鉱物油系軟化剤が100重量部添加された油展ゴム
(ムーニー粘度(ML1+4100℃):63)
EPDM−2:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(b)100重量部に、上記鉱物油系軟化剤が40重量部添加された油展ゴム
(ムーニー粘度(ML1+4100℃):73)
EPDM−3:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(c)100重量部に、上記鉱物油系軟化剤が100重量部添加された油展ゴム
(ムーニー粘度(ML1+4100℃):92)
(4)プロピレン系樹脂(B)
PP−1:プロピレン単独重合体(メルトフローレート(JIS K6758、230℃、21.18N)=0.7g/10min))
(5)エチレン系共重合体(C)
EMAH−1:エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(メルトフローレート(JIS K6758、190℃、21.18N)=20g/10min、エチルアクリレート単位の含有量:19重量%、無水マレイン酸単位の含有量:2.8重量%)
EMAH−2:エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(メルトフローレート(JIS K6758、190℃、21.18N)=3g/10min、エチルアクリレート単位の含有量:12.5重量%、無水マレイン酸単位の含有量:2.8重量%)
<熱可塑性エラストマーの製造>
EPDM−1を86重量%と、PP−1を14重量%と(EPDM−1とPP−1の総量を100重量%とする)、EPDM−1とPP−1の総量100重量部に対し酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名:Irganox1010)0.1重量部、耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤(住友化学株式会社製、商品名:スミソーブ300)0.2重量部、架橋助剤(精工化学株式会社製、ハイクロスM−P)0.83重量部、有機過酸化物(化薬アクゾ株式会社製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンをパラフィン系オイルであるPW−100(出光興産(株)製)で10%に希釈品)3.2重量部を混合した混合物を、2軸押出機を用いて200±10℃で押出して(つまり、動的加硫して)、熱可塑性エラストマーを得た。
熱可塑性エラストマー組成物を、100ton射出成型機を用いて、150mm×90mm×厚さ2mmの金型に、シリンダー温度220℃、金型温度50℃で射出成形して、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を得た。成形体の評価結果を表1に示す。
<複合成形体の製造>
ポリアミド樹脂からなる成形体として、ナイロン6(ユニチカ社製A1030BRL)の150mm×90mm×厚さ2mmの板状成形体を作製した。150mm×90mm×厚さ4mmの金型に該成形体を金型に装填した。100ton射出成型機にて、熱可塑性エラストマー組成物をシリンダー温度220℃、金型温度50℃設定で前記金型内に射出し、インサート成形法により、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体を得た。複合成形体の評価結果を表1に示す。
熱可塑性エラストマー100重量部に対して、EMAH−1の量を42.8重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表1に示す。
EMAH−1のかわりにEMAH−2を用いた以外は、実施例2と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表1に示す。
熱可塑性エラストマー100重量部に対して、EMAH−1の量を100重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表1に示す。
EMAH−1を混合しなかった、および30mm単軸押出機で造粒しなかった以外は、実施例1と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマー100重量部に対して、EMAH−1の量を11.1重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表2に示す。
<熱可塑性エラストマーの製造>
EPDM−1を86重量%と、PP−1を14重量%と(EPDM−1とPP−1の総量を100重量%とする)、EPDM−1とPP−1の総量100重量部に対し、EMAH−1を25重量部と、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名:Irganox1010)0.1重量部、耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤(住友化学株式会社製、商品名:スミソーブ300)0.2重量部、架橋助剤(精工化学株式会社製、ハイクロスM−P)0.83重量部、有機過酸化物(化薬アクゾ株式会社製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンをパラフィン系オイルであるPW−100(出光興産(株)製)で10%に希釈品)3.2重量部を混合した混合物を、2軸押出機を用いて200±10℃で押出して(つまり、動的加硫して)、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
熱可塑性エラストマー組成物を、100ton射出成型機を用いて、150mm×90mm×厚さ2mmの金型に、シリンダー温度220℃、金型温度50℃で射出成形して、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を得た。成形体の評価結果を表1に示す。
<複合成形体の製造>
ポリアミド樹脂からなる成形体として、ユニチカ社製A1030BRLの150mm×90mm×厚さ2mmの板状成形体を作製した。150mm×90mm×厚さ4mmの金型に該成形体を金型に装填した。100ton射出成型機にて、熱可塑性エラストマー組成物をシリンダー温度220℃、金型温度50℃設定で前記金型内に射出し、インサート成形法により、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とポリアミド樹脂からなる成形体とが融着された複合成形体を得た。複合成形体の評価結果を表2に示す。
EMAH−1の量を42.8重量部とした以外は、比較例3と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表2に示す。
EMAH−1のかわりにEMAH−2を用いた以外は、比較例3と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表2に示す。
EMAH−2の量を42.8重量部とした以外は、比較例5と同様に行った。熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の評価結果、および該成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体の評価結果を表2に示す。
<熱可塑性エラストマーの製造>
EPDM−2を81.4重量%と、PP−1を18.6重量%と(EPDM−2とPP−1の総量を100重量%とする)、EPDM−2とPP−1の総量100重量部に対し、鉱物油系軟化剤を32.6重量部と酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名:Irganox1010)0.08重量部、耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤(住友化学株式会社製、商品名:スミソーブ300)0.15重量部、架橋助剤(精工化学株式会社製、ハイクロスM−P)0.63重量部、有機過酸化物(化薬アクゾ株式会社製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンをパラフィン系オイルであるPW−100(出光興産(株)製)で10%に希釈品)2.4重量部を混合した混合物を、2軸押出機を用いて200±10℃で押出して(つまり、動的加硫して)、熱可塑性エラストマーを得た。
熱可塑性エラストマー組成物を、100ton射出成型機を用いて、150mm×90mm×厚さ2mmの金型に、シリンダー温度220℃、金型温度50℃で射出成形して、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を得た。成形体の評価結果を表2に示す。
ポリアミド樹脂からなる成形体として、ナイロン6(ユニチカ社製A1030BRL)の150mm×90mm×厚さ2mmの板状成形体を作製した。150mm×90mm×厚さ4mmの金型に該成形体を金型に装填した。100ton射出成型機にて、熱可塑性エラストマー組成物をシリンダー温度220℃、金型温度50℃設定で前記金型内に射出し、インサート成形法により、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体を得た。複合成形体の評価結果を表2に示す。
EPDM−3を75.4重量%と、PP−1を24.6重量%と(EPDM−3とPP−1の総量を100重量%とする)、EPDM−3とPP−1の総量100重量部に対し、鉱物油系軟化剤を75.4重量部と酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名:Irganox1010)0.06重量部、耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤(住友化学株式会社製、商品名:スミソーブ300)0.11重量部、架橋助剤(精工化学株式会社製、ハイクロスM−P)0.47重量部、有機過酸化物(化薬アクゾ株式会社製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンをパラフィン系オイルであるPW−100(出光興産(株)製)で10%に希釈品)1.82重量部を混合した混合物を、2軸押出機を用いて200±10℃で押出して(つまり、動的加硫して)、熱可塑性エラストマーを得た。
熱可塑性エラストマー組成物を、100ton射出成型機を用いて、150mm×90mm×厚さ2mmの金型に、シリンダー温度220℃、金型温度50℃で射出成形して、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を得た。成形体の評価結果を表2に示す。
ポリアミド樹脂からなる成形体として、ナイロン6(ユニチカ社製A1030BRL)の150mm×90mm×厚さ2mmの板状成形体を作製した。150mm×90mm×厚さ4mmの金型に該成形体を金型に装填した。100ton射出成型機にて、熱可塑性エラストマー組成物をシリンダー温度220℃、金型温度50℃設定で前記金型内に射出し、インサート成形法により、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とポリアミド樹脂からなる成形体が融着された複合成形体を得た。複合成形体の評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 熱可塑性エラストマー100重量部と、(C)不飽和カルボン酸単位を含有するエチレン系共重合体15〜120重量部とを混練する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
前記熱可塑性エラストマーは、(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム50〜90重量%および(B)プロピレン系樹脂10〜50重量%を、架橋剤の存在下で動的加硫して得られ(成分(A)と成分(B)の総量を100重量%とする。)、
前記(A)油展エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムは、100℃でのムーニー粘度(ML1+4100℃)が150〜350であるエチレン−α−オレフィン系共重合ゴム100重量部および鉱物油系軟化剤20〜150重量部を含む前記製造方法。 - 架橋剤が有機過酸化物である請求項1に記載の方法。
- 不飽和カルボン酸単位が無水マレイン酸単位である請求項1に記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により得られる熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体と、ポリアミド樹脂からなる成形体とを融着する工程を含む複合成形体の製造方法。
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